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【発明の名称】 バケット式選別装置
【発明者】 【氏名】加納 裕基

【要約】 【課題】物品に関する複数の情報を認識することができ、選別精度の向上が図れるバケット式選別装置を提供する。

【構成】物品供給領域aのエリアa1〜a6において、手で保持した農産物Aをバケットコンベヤ2のバケット13…に載置する際に、作業者Dの目視判定に基づいて、農産物Aが載置されたバケット13を左側傾斜姿勢、右側傾斜姿勢に傾けるか、中立水平姿勢に位置させる。エリアa1〜a6の傾き検出センサS2,S3から出力される傾き検出信号に基づいて、バケット13に載置された農産物AがAランク、Bランク、Cランクのいずれに該当するか判別する。また、エリアa1〜a6の物品通過検出センサR1〜R6から出力される通過検出信号に基づいて、等級別に区分した何処のエリアa1〜a6にて農産物Aがバケット13に載置されたかを判別する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
物品を載置可能な複数のバケットを有し、各バケットが傾斜可能に構成されている搬送手段の搬送経路上に、
人手により搬送されるバケットに物品が供給される物品供給領域、仕分け区分別に設けられた排出部にバケットを傾斜させて物品を排出する仕分け領域が設けられたバケット式選別装置において、
上記物品供給領域を通過するバケットに人手によって物品を供給する際に該バケットが傾斜されたことを検出する傾き検出手段を設け、その際のバケットの姿勢を検出することにより当該物品の目視による等級を判別することを特徴とする
バケット式選別装置。
【請求項2】
上記物品供給領域を複数のエリアに区分し、
上記各エリアの終端部に物品の通過を検出する物品通過検出手段を設け、
上記傾き検出手段により検出される物品が供給された際のバケットの姿勢と、上記物品通過検出手段により検出される物品が供給されたエリアの組み合わせにより、物品の等級を判別することを特徴とする
請求項1に記載のバケット式選別装置。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
この発明は、例えば農産物等の物品を選別する際に用いられるバケット式選別装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、上記農産物を選別する装置としては、例えば選別コンベアのカップに載置された果実が、複数等級に区分された各果実供給範囲のどこで載せられたかをエリアセンサから出力される検知信号に基づいて識別する特許文献1の等級選別装置がある。しかし、作業者の手載せ範囲内に設定することができるエリアの数に限界があり、手作業により選別することができる等級数も制限される。
【0003】
また、農産物が載置されたバケットを左側又は右側へ移動させるか、バケットを中央に位置させることにより、複数等級を識別する特許文献2の農産物の搬送装置がある。しかし、バケットを、左右移動自在、水平回転自在、姿勢変更自在に設けているので、バケットを支持する部分の構造が複雑であり、組み付け作業に手間が掛かるだけでなく、製作費が高価になる。
【0004】
また、目視判定された等級に該当する受皿に設けた等級表示装置のいずれか一つの押しスイッチを押し操作するか、押しスイッチのいずれも押し操作しないことにより、青果物の等級を識別可能に表示する特許文献3の青果物の等級選別機がある。しかし、青果物を受皿に供給する際に、等級表示装置の押しスイッチを押し操作するか、戻し操作する等して等級を表示しなければならず、押しスイッチの操作性が悪く、その操作に手間が掛かる。また、バケット全体の構造が複雑であるため、製作費が高価になる。
【0005】
【特許文献1】特許第3309521号公報
【特許文献2】特開2001−278431号公報
【特許文献3】特許第2732574号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
この発明は上記問題に鑑み、物品に関する複数の情報を認識することができ、選別精度の向上が図れるバケット式選別装置の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1に記載した発明のバケット式選別装置は、物品を載置可能な複数のバケットを有し、各バケットが傾斜可能に構成されている搬送手段の搬送経路上に、人手により搬送されるバケットに物品が供給される物品供給領域、仕分け区分別に設けられた排出部にバケットを傾斜させて物品を排出する仕分け領域が設けられたバケット式選別装置において、上記物品供給領域を通過するバケットに人手によって物品を供給する際に該バケットが傾斜されたことを検出する傾き検出手段を設け、その際のバケットの姿勢を検出することにより当該物品の目視による等級を判別することを特徴とする。
【0008】
この発明によると、物品供給領域を通過するバケットに対して人手によって物品を供給する際に、目視により物品の等級を個々に判定してバケットに供給する。物品が供給されたバケットを目視による等級と対応する方向へ傾ける。傾き検出手段によりバケットの傾きを検出し、その検出情報に基づいて、バケットに載置された物品の目視による等級を判別する。仕分け領域において、傾き検出手段による検出結果に基づいて、物品が載置されたバケットを傾斜させ、仕分け区分別に設けた複数の排出部に対して物品を排出する。
【0009】
上記物品の等級をバケットの姿勢により判別する場合、例えばバケットを搬送方向に対して左側傾斜姿勢に傾けるか、右側傾斜姿勢に傾ければ、傾き検出手段によりバケットの左右傾斜が検出されるため、2等級が判別可能である。また、バケットを左右に傾けることなく中立姿勢に位置させれば、傾き検出手段によりバケットの傾斜が検出されないため、左右傾斜以外の等級であることが判別可能である。
【0010】
上記物品は、例えば柑橘類、林檎、梨、桃、トマト、柿等の農産物で構成することができる。また、バケットは、例えば略正方形、略丸形等のバケットで構成することができる。
【0011】
請求項2に記載した発明のバケット式選別装置は、上記請求項1に記載の構成と併せて、上記物品供給領域を複数のエリアに区分し、上記各エリアの終端部に物品の通過を検出する物品通過検出手段を設け、上記傾き検出手段により検出される物品が供給された際のバケットの姿勢と、上記物品通過検出手段により検出される物品が供給されたエリアの組み合わせにより、物品の等級を判別することを特徴とする。
【0012】
この発明によると、目視により物品の等級を個々に判定して、物品供給領域の各エリアに割り当てられた等級に応じて該当するエリア内で当該物品をバケットに載置する。通過物品検出手段により各エリアの終端部に搬送される物品の通過を検出するとともに、その通過物品検出手段から出力される検出情報に基づいて、何処のエリアにおいて物品がバケットに載置されたか判別する。
【0013】
つまり、傾き検出手段により検出される物品が供給された際のバケットの姿勢と、物品通過検出手段により検出される物品が供給されたエリアを組み合わせることにより、多数の等級を判別することが可能である。
【0014】
上記傾き検出手段と物品通過検出手段は、例えば投受光部を有する光電センサ、リミットスイッチ、近接スイッチ、機械的にON・OFF動作されるスイッチ機構、撮影カメラ等で構成することができる。
【発明の効果】
【0015】
この発明によれば、人手で保持した物品をバケットに供給する際に、物品が載置されたバケットを目視による等級と対応する方向へ傾け、そのバケットの傾きを傾き検出手段により検出して目視による等級を判別するので、物品に関する複数の情報を認識することができ、選別精度の向上が図れる。また、バケットを傾けるだけの簡単な構造であるので、操作性がよく、情報を認識させる際の操作が簡単且つ容易に行える。また、バケットを傾斜可能に設けるだけで、目視による複数等級の判別とバケットからの物品の排出が行え、選別装置全体としての構造が簡素化され、安価なものとなる。さらに、バケット自体の構成及び構造も簡素化できるため、バケットの組み付け作業が短時間で行え、安価に製作することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
この発明は、物品に関する複数の情報を認識することができ、選別精度の向上が図れるという目的を、物品が載置されたバケットを目視による等級と対応する方向へ傾け、該バケットの傾きを傾き検出手段により検出することで達成した。
【実施例】
【0017】
この発明の一実施例を以下図面に基づいて詳述する。
【0018】
図面は、物品の一例である農産物を等階級別に選別する際に用いられるバケット式選別装置を示し、図1、図2に於いて、このバケット式選別装置1は、農産物Aが載置される複数のバケット13…を有し、該バケット13…が左右傾斜自在に設けたバケットコンベヤ2の搬送経路上に、人手により搬送されるバケット13に農産物Aを供給する物品供給領域aと、バケット13に載置された農産物Aの選別要素(等級、階級等の品質情報)を測定する測定領域bと、その選別要素に基づいて、バケット13を左側又は右側へ傾斜させ、該バケット13に載置された農産物Aを仕分け区分別(等階級別)に設けられた排出部c1…に排出する仕分け領域cとを設けている。
【0019】
バケットコンベヤ2は、図3にも示すように、バケットベース12に対してバケット13が傾斜可能に設けられ、バケットベース12は、前側縁部に立設した起立部12aと、後側縁部に立設した起立部12aと、両起立部12a,12aの間に平行して架設した軸部12b,12bを有している。
【0020】
また、バケット13は、1つの農産物Aが載置される載置部13eの下部前面及び下部後面に円弧状の溝部13a,13aを有しており、この溝部13a,13aにバケットベース12の軸部12b,12bが挿通されることにより、バケットベース12に対してバケット13が左右揺動自在に支持されている。また、載置部13eは、例えば合成ゴム、軟性樹脂、スポンジ等の柔軟性を有する緩衝部材により形成されている。
【0021】
一方の軸部12bを中心として、他方の軸部12bが溝部13aに沿って円弧方向に下方へ移動することにより、バケット13は、農産物Aが載置される中立水平姿勢(図5参照)を基準として、左側傾斜姿勢(図6、図8参照)と、右側傾斜姿勢(図7参照)との間で搬送方向と直交する方向に対して左右傾斜自在に設けられている。
【0022】
また、バケットコンベヤ2は、バケットベース12を左右に張架したチェーン14,14間に対して搬送方向に所定等間隔に隔てて多数架設し、バケット13を搬送方向に対して所定等間隔に隔てて多数配列している。チェーン14,14を一体でモータ等により搬送方向へ回転させ、バケット13…を周回移動することにより、直線的な被搬送物の搬送経路が形成されている。
【0023】
また、バケット13の底面中央部に垂設した案内ピン13cの下端部には、例えばコロ等の回転体13dが回転自在に取り付けられている。案内ピン13cは、後述する傾斜装置17の振り分け動作(図8参照)により、バケット13の傾斜方向とは反対方向へ回動する。
【0024】
つまり、案内ピン13cを搬送経路右側へ回動すると、バケット13全体が左側傾斜姿勢に傾けられる。一方、案内ピン13cを搬送経路左側へ回動すると、バケット13全体が右側傾斜姿勢に傾けられるようになっている。
【0025】
また、物品供給領域aにおけるバケットコンベヤ2の搬送経路下方に配置した左右一対の規制板15,15は、バケット13が左右傾斜した際において、バケット13に垂設した案内ピン13cの回転体13dに対して当接される間隔に隔てて配置され、バケット13を農産物Aの載置状態が保持される傾斜角度に回動規制する。測定領域bにおいても一対の規制板15,15より間隔を狭くした図示しない一対の規制板が配置されている。
【0026】
なお、バケット13は、人手により物品供給領域aにて農産物Aを供給する際に、左右に傾斜したバケット13に載置した農産物Aから手を離したときや、傾斜装置17の振り分け動作により農産物Aをバケット13から排出した直後において、重力により案内ピン13cが垂直となる中立水平姿勢に回動復帰する。また、バケット13は、仕分け領域cの終端部から上下反転した下向き姿勢のまま物品供給領域aの始端側へ回帰移動する。
【0027】
物品供給領域aのバケットコンベヤ2の搬送経路上には、図2にも示すように、該搬送経路側部に設定した作業領域A1,A2に配置される作業者D,Dと対応して、エリアa1,a2,a3とエリアa4,a5,a6が上流側から秀、優、良の順に対応するようにそれぞれ設定されている。また、各エリアa1〜a6には、左側傾斜姿勢と対応するAランクと、中立水平姿勢と対応するBランクと、右側傾斜姿勢と対応するCランクとが幅方向に設定されている。
【0028】
各エリアa1〜a6の終端部には、農産物Aの通過を検出する物品通過検出センサR1〜R6がそれぞれ配置(図4参照)されている。各物品通過検出センサR1〜R6は、バケット13に載置された農産物Aの通過を検出し、その通過検出信号を制御装置7に出力するが、バケット13に農産物Aが載置されていない場合は通過検出信号を出力しないため、どのエリアa1〜a6で農産物Aが供給されたかを検出できるようになっている。
【0029】
各エリアa1〜a6の搬送経路両側部には、バケット13の傾きを検出する左右一対の傾き検出センサS2,S3がそれぞれ配置(図2、図3参照)されている。人手によりバケット13を左右のいずれか一方へ傾斜した際に、左右に配置した傾き検出センサS2,S3のいずれか一方がバケット13の傾きを検出し、その傾き検出信号を制御装置7へ出力する。なお、バケット13が中立水平姿勢に復帰すると、傾き検出センサS2,S3も検出前の姿勢に復帰する。
【0030】
また、傾き検出センサS2,S3は、エリアa1〜a6の範囲と対応する長さにそれぞれ設けられている。左側部に配置した傾き検出センサS2,S2の間と、右側部に配置した傾き検出センサS3,S3の間は、バケット13の1台分以上に相当する間隔に離間しており、一つのバケット13を、二つの傾き検出センサS2,S2及びS3,S3が同時に検出するのを防止している。
【0031】
傾き検出センサS2,S3の遊端側上面には、接触抵抗の小さい材質で形成した板状の滑り部材S2a,S3aが固着されている。つまり、バケット13の両側縁部が傾き検出センサS2,S3の遊端側上面に当接された際に、その当接部分に生じる接触抵抗が滑り部材S2a,S3aにより軽減されるようになっている。
【0032】
各エリアa1〜a6は、バケット13の2台以上に相当する長さにそれぞれ設定されているが、農産物Aを作業者Dが手で箱Bから取り上げて目視検査し、バケット13に載置する動作には、ある程度の時間を要し、一つの農産物Aを処理している間に、既に次のバケット13が下流側のエリアに移動しているため、必然的に同一のエリア内で同時に2台のバケット13,13に対して農産物Aを載置できないものとなっている。
【0033】
物品供給領域aの上流端付近には、先頭のバケット13を検出する先頭検出センサT1と、先頭のバケット13に続くバケット13…を検出するカウントセンサT2とが配置(図2参照)されている。先頭検出センサT1が先頭のバケット13の通過を検出した直後から、カウントセンサT2により後続のバケット13…の通過を検出して、その検出信号を制御装置7に出力する。
【0034】
物品供給領域aの作業領域A1,A2に待機する作業者D,Dは、荷受コンベヤ3が搬送する箱B…を作業者D側部に移動させた後、箱Bに収納された農産物A…を1個ずつ手で取り上げ、農産物Aの外部項目(例えば大きさ、色、形状、キズの有無等)を個々に目視検査する。
【0035】
作業者Dによる個人的な判定基準に基づいて、手で保持した農産物Aが秀等級、優等級、良等級のいずれに該当するか判定するとともに、秀等級のエリアa1,a4と、優等級のエリアa2,a5と、良等級のエリアa3,a6を通過中のバケット13…に対して等級別に載置(図2参照)する。
【0036】
エリアa1〜a6において、作業者Dが農産物Aをバケット13に載置する際に、農産物Aが載置されたバケット13をAランクと対応する左側傾斜姿勢、Cランクと対応する右側傾斜姿勢に傾けるか、Bランクと対応する中立水平姿勢に位置させる等して、秀等級、優等級、良等級の農産物Aを、Aランク、Bランク、Cランクにそれぞれ格付けする。制御装置7は、この目視による等級及び格付けを目視情報として、物品通過検出センサR1〜R6及び傾き検出センサS2,S3により読み取ることができるようになっている。
【0037】
測定領域bのバケットコンベヤ2の搬送経路上には、農産物Aが載置されたバケット13全体の総重量を測定する重量測定領域b1と、農産物Aの内部項目を測定する内部測定領域b2と、農産物Aの外部項目を測定する外部測定領域b3が上流側から順に設定されている。
【0038】
重量測定領域b1に配置された重量測定装置4(図1参照)は、農産物Aが載置されたバケット13全体の総重量を搬送しながらロードセル等により測定するとともに、その測定した重量情報を制御装置7に出力する。
【0039】
内部測定領域b2に配置された内部測定装置5(図1参照)は、搬送経路側方に配置した光源から投光される内部検査光を農産物A…に照射し、農産物A内方を透過した透過光を、搬送経路を挟んで反対側の側方又は搬送経路の上方に配置した撮影カメラにより撮影するとともに、その撮影した画像情報、例えば糖度、酸度、熟度、蜜量、水分量、成熟度、腐り具合、空洞等の情報を制御装置7に出力する。
【0040】
外部測定領域b3に配置された外部測定装置6(図1参照)は、バケット13…に載置された農産物Aの外面(例えば上部周面、側部周面等)を撮影カメラや光電センサ等により撮影するとともに、その撮影した画像情報、例えば大きさ(直径、面積、擬似体積等)、高さ、幅、偏平度、形状、色、表面の異常(キズ、病害虫等)の情報を制御装置7に出力する。
【0041】
制御装置7は、先頭検出センサT1により先頭のバケット13を検出した直後、カウントセンサT2から出力される通過検出信号を計数するカウンタを備え、そのカウンタにより計数しながらバケット13の通過数と同数の入力欄を有する書込みテーブルを作成するようになっている。
【0042】
また、制御装置7は、上記目視情報、重量情報、内部情報、外部情報からなる品質情報に基づいて、バケット13に載置された農産物Aの仕分け先を確定するとともに、農産物Aの品質情報を、先頭のバケット13に続くバケット13…の順番にて、バケット13…毎に設定した書込みテーブルの入力欄に書き込んで記憶するようになっている。
【0043】
書込みテーブルへの書込み動作は、バケット13…の移動と同期させており、バケットコンベヤ2に備えたエンコーダのパルスが、バケット13の1ピッチ分の移動量に相当するパルス数に達する毎に今回入力する入力欄を次に送って、書き込まれる情報とバケット13を一致させるようにしている。これにより、上記品質情報を、該当するバケット13に対応させた入力欄に書き込むとともに、所定タイミングで入力欄を次に送ることで、個々の農産物Aに対応させて順番に品質情報を書込みテーブルに書き込んでいく。
【0044】
制御装置7は、バケット13…の通過した順番で書込みテーブルに書き込まれた農産物Aの品質情報と、排出部c1…毎に設定した仕分け情報を制御装置7で比較して、同一の選別情報であるか否かを判定する。そして、バケットコンベヤ2に備えたエンコーダの出力パルスによって、それぞれのバケット13が該当する排出部c1に到達するタイミングを計り、その排出部c1に配置された後述する傾斜装置17に動作指令信号を出力する。つまり、バケット13に載置された農産物Aの品質情報と、排出部c1毎に設定した仕分け情報が異なると判定された場合、傾斜装置17を駆動せず、ガイド板18をバケット13の回転体13dに対して当接が回避される待機角度に待機させる。
【0045】
農産物Aの品質情報と、排出部c1の仕分け情報が一致すると判定された場合、バケット13が農産物Aと対応する排出部c1に到達するタイミングに合わせて、判定と対応する排出部c1の傾斜装置17を駆動させ、ガイド板18をバケット13の回転体13dに対して当接される放出角度に回動する。バケット13の回転体13dをガイド板18の斜面に当接して、ガイド板18から放出板22に乗り移らせて、バケット13全体を、搬送経路側部に配置された貯留ボックス23に対して農産物Aが排出される放出姿勢に傾ける。
【0046】
排出部c1…のバケットコンベヤ2の搬送経路下方に配置された傾斜装置17…は、図8、図9に示すように、搬送経路両側部に配置された貯留ボックス23…と対応して右向き及び左向きに配置されている。なお、農産物Aを搬送経路左側部に配置された貯留ボックス23へ排出する場合、傾斜装置17は右向きに配置され、また、搬送経路左側部に配置した貯留ボックス23へ排出する場合、傾斜装置17は左向きに配置される。
【0047】
傾斜装置17には、中立水平姿勢に規制されたバケット13の案内ピン13cを放出角度に案内するガイド板18が、案内ピン13cの移動経路下部に対して斜めに配置されている。
【0048】
また、ガイド板18下端に固定された支軸19が、案内ピン13cの移動経路下方に配置した支持枠20上部に対して回動自在に軸架され、支持枠20下部に固定された傾斜用シリンダ21のロッドが、ガイド板18下端に設けた揺動部に連結されている。つまり、傾斜用シリンダ21の作動により、ガイド板18は、中立水平姿勢に規制されたバケット13の回転体13dに対して当接される放出角度と、その回転体13dに対して当接が回避される待機角度に回動される。
【0049】
また、ガイド板18は、放出角度に回動すると後述する放出板22の前端側に当接し、放出板22に対してバケット13の回転体13dの乗り移りが許容される角度に回動規制される。
【0050】
ガイド板18の下流側に配置した放出板22は、中立水平姿勢に規制されたバケット13の回転体13dに対して当接が回避される位置であり、かつ、ガイド板18を放出角度に回動した際に、ガイド板18に対して回転体13dの乗り移りが許容される近傍位置に設けられている。つまり、バケット13の回転体13dを放出角度に回動したガイド板18から放出板22に乗り移らせて、バケット13を、搬送経路側部に配置した貯留ボックス23に対して農産物Aが排出される放出姿勢に規制する。
【0051】
排出部c1…の貯留ボックス23…に排出された農産物A…は人手により所定数ずつ箱詰される。また、貯留ボックス23の代わりに搬送コンベヤを設けて農産物A…を整列させ、既存の自動箱詰機により箱詰、袋詰、パック詰するか、秤量機より秤量して箱詰等することもできる。
【0052】
図示実施例は上記の如く構成するものにして、以下、バケット式選別装置1による農産物Aの選別方法を説明する。
【0053】
先ず、選別作業開始前において、バケットコンベヤ2を駆動して、バケット13…を少なくとも1周させるとともに、先頭検出センサT1により先頭のバケット13を検出した直後、これに続くバケット13…の通過をカウントセンサT2により検出し、カウントセンサT2から出力される通過検出信号を、制御装置7のカウンタにより認識してカウントする。
【0054】
制御装置7は、先頭検出センサT1から先頭のバケット13を検出した先頭検出信号が入力されるまで今回のカウントを継続させ、カウントする毎に入力欄を新設しながらバケット13…の通過数と同数の入力欄を有する書込みテーブルを作成する。
【0055】
次に、図1、図2に示すように、選別開始時において、物品供給領域aの作業領域A1,A2に待機する作業者D,Dは、荷受コンベヤ3により供給された箱B内の農産物A…を手で1個ずつ取り上げ、農産物Aの外部項目を目視検査する。
【0056】
各作業者D,Dは、それぞれ個人的な目視判定に基づいて、手で保持した農産物Aを、物品供給領域aの作業領域A1のエリアa1〜a3と、作業領域A2のエリアa4〜a6を通過するバケット13…に対して秀、優、良の等級別に載置するとともに、載置したエリアa1〜a6内において、農産物Aが載置されたバケット13をAランクの左側傾斜姿勢(図6参照)、Cランクの右側傾斜姿勢(図7参照)に傾けるか、Bランクの中立水平姿勢(図5参照)に位置させる等して、Aランク、Bランク、Cランクにそれぞれ格付けする。
【0057】
例えば作業領域A1の作業者Dが手にした農産物Aが秀等級のAランクであると判定した場合、秀等級に対応するエリアa1内を通過中のバケット13に載置する際に、農産物Aが載置されたバケット13をAランクと対応する左側傾斜姿勢に傾け、左側部の傾き検出スイッチS2を押し下げることにより、傾き検出スイッチS2からバケット13の左側傾斜を検出した傾き検出信号が制御装置7へ出力される。そして、農産物Aから手を離すことにより、左側傾斜姿勢のバケット13は中立水平姿勢に復帰するとともに、物品通過検出センサR1が設けられたエリアa1の終端部を通過する。この際、エリアa1終端部の物品通過検出センサR1から農産物Aの通過を検出した通過検出信号が制御装置7へ出力される。
【0058】
制御装置7は、エリアa1に設置された傾き検出スイッチS2からの検出信号と、物品通過検出センサR1からの検出信号により、いま物品通過検出センサR1を通過したバケット13に載置された農産物Aの目視判定が秀等級のAランクであることを認識する。なお、Bランクと判定した場合は、エリアa1の両方の傾き検出スイッチS1,S2からの検出信号が出力されず、物品通過検出センサR1からの検出信号が出力されることで、Bランクと認識されるようになっている。
【0059】
このようにして、制御装置7は、各エリアa1〜a6の物品通過検出センサR1〜R6により検出される通過検出情報と、各エリアa1〜a6の傾き検出スイッチS2,S3により検出される傾き検出情報に基づいて、バケット13に載置された農産物Aが秀等級、優等級、良等級のいずれに該当するか判別し、また、Aランク、Bランク、Cランクのいずれに該当するか判別する。この結果、農産物Aをバケット13に載置する際に、農産物Aに関する複数の情報を認識させることができる。
【0060】
且つ、上記判定結果からなる目視情報を、先頭検出センサT1により先頭のバケット13を検出した直後、カウントセンサT2から出力されるバケット13の通過検出信号をカウンタで計数しながら、バケット13…の通過の順番にて書込みテーブルに書き込んでいく。
【0061】
また、上流側のエリアa1で農産物Aを載置したバケット13が下流側のエリアa2〜a6に搬送される場合、物品通過検出センサR2〜R6から農産物Aの通過を検出する通過検出信号が制御装置7へ出力されるので、制御装置7は、エリアa2〜a6の傾き検出スイッチS2,S3から傾き検出信号が出力されても、バケット13の傾きを判定しないものとする。
【0062】
物品供給領域aを通過した農産物Aは、その下流側に設けられた測定領域bにおいて、重量測定領域b1の重量測定装置4により重量情報が測定され、内部測定領域b2の内部測定装置5により内部情報が測定され、外部測定領域b3の外部測定装置6により外部情報が測定される。制御装置7は各測定装置により測定された重量情報、内部情報、外部情報を、先頭のバケット13に続くバケット13…の順番にて書込みテーブルに書き込んでいく。
【0063】
制御装置7は、上記目視情報、重量情報、内部情報、外部情報からなる品質情報に基づいて、バケット13に載置された農産物Aの仕分け先を確定するとともに、農産物Aの品質情報を、先頭のバケット13に続くバケット13…の順番にて、カウンタにより計数されるバケット13…の通過順と関連付けて、書込みテーブルの対応する入力欄に既に書き込まれた情報に追加して書き込んで記憶する。
【0064】
仕分け領域cにおいて、書込みテーブルに書き込まれたバケット13の通過順と対応して記憶された農産物Aの品質情報と、排出部c1毎に設定された仕分け情報を制御装置7で比較して、同一の選別情報であるか否かを判定する。
【0065】
バケット13に載置された農産物Aの品質情報と、排出部c1毎に設定した仕分け情報とが異なると判定した場合、傾斜装置17を駆動せず、バケット13…を中立水平姿勢に規制したまま下流側の排出部c1…へ搬送する。
【0066】
一方、農産物Aの品質情報と、排出部c1毎に設定した仕分け情報とが一致すると判定した場合、バケット13が農産物Aの等階級と対応する排出部c1に到達するタイミングに合わせて、図8に示すように、傾斜装置17を駆動させ、農産物Aが載置されたバケット13を、搬送経路側部に配置した貯留ボックス23に向けて農産物Aが放出される傾斜姿勢に傾ける。
【0067】
バケット13が傾けられて排出された農産物Aは、搬送経路側部に配置された貯留ボックス23へ放出される。以下同様に、バケット13…に載置された農産物A…を、排出部c1…に配置された左右の貯留ボックス23…に振り分ける。
【0068】
貯留ボックス23…に放出された農産物A…は人手により箱詰される。また、所定数の農産物A…が箱詰めされた箱は次工程(例えば出荷工程、保管工程等)に搬送される。
【0069】
以上のように、作業者Dが手で保持した農産物Aをバケットコンベヤ2のバケット13に載置する際に、農産物Aが載置されたバケット13を目視による等級と対応する方向へ傾け、そのバケット13の傾きを傾き検出スイッチS2,S3により検出して目視による等級を判別するので、農産物Aに関する複数の情報を認識させることができ、選別精度の向上が図れる。また、バケット13を傾けるだけの簡単な構造であるので、操作性がよく、情報を認識させる際の操作が簡単且つ容易に行える。また、バケット13を傾斜可能に設けるだけで、目視による複数等級の判別とバケット13からの農産物Aの排出が行え、選別装置全体としての構造が簡素化され、安価なものとなる。さらに、バケット13自体の構成及び構造が簡素化であるため、バケット13の組み付け作業が短時間で行え、安価に製作することができる。
【0070】
この発明の構成と、上述の実施例との対応において、
この発明の物品は、実施例の農産物Aに対応し、
以下同様に、
傾き検出手段は、傾き検出センサS2,S3に対応し、
物品通過検出手段は、物品通過検出センサR1〜R6に対応するも、
この発明は、上述の実施例の構成のみに限定されるものではなく、請求項に示される技術思想に基づいて応用することができ、多くの実施の形態を得ることができる。
【0071】
上記物品供給領域aのエリアa1〜a6の境界が一目で判るように、例えばエリアa1〜a6の傾き検出センサS2,S2、搬送経路両側部に架設したコンベヤガイド等をエリア毎に色分けしてもよい。
【0072】
また、バケットコンベヤ2のバケット13を左右のいずれか一方へ傾斜するように構成してもよい。
【0073】
また、農産物Aを荷受する際に、例えば生産者番号、コンテナ数、品種、品目、収穫時期(日時)、収穫時の気象、園地(生産場所や状況)、賞味期限等の荷受情報を、荷受部付近に配置した入力装置により自動又は手動で入力して制御装置7に記憶してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0074】
【図1】バケット式選別装置の全体構成を示す平面図。
【図2】農産物を載置する際のバケットの傾斜動作を示す平面図。
【図3】左右傾斜可能なバケットの取り付け状態を示す背面図。
【図4】バケットに載置された農産物の検出状態を示す背面図。
【図5】中立水平姿勢に位置させたバケットを示す背面図。
【図6】左側傾斜姿勢に傾けたバケットの検出状態を示す背面図。
【図7】右側傾斜姿勢に傾けたバケットの検出状態を示す背面図。
【図8】バケットに載置された農産物の排出動作を示す正面図。
【図9】傾斜装置を左右に配置した状態を示す平面図。
【符号の説明】
【0075】
a…物品供給領域
a1〜a6…エリア
b…測定領域
c…仕分け領域
c1…排出部
A…農産物
D…作業者
R1〜R6…物品通過検出センサ
S2,S3…傾き検出センサ
T1…先頭読取りセンサ
T2…カウントセンサ
1…バケット式選別装置
2…バケットコンベヤ
3…荷受コンベヤ
4…重量測定装置
5…内部測定装置
6…外部測定装置
7…制御装置
13…バケット
17…傾斜装置
23…貯留ボックス
【出願人】 【識別番号】390008305
【氏名又は名称】エスアイ精工株式会社
【出願日】 平成18年7月11日(2006.7.11)
【代理人】 【識別番号】100067747
【弁理士】
【氏名又は名称】永田 良昭

【識別番号】100121603
【弁理士】
【氏名又は名称】永田 元昭

【識別番号】100135781
【弁理士】
【氏名又は名称】西原 広徳

【識別番号】100141656
【弁理士】
【氏名又は名称】大田 英司


【公開番号】 特開2008−18313(P2008−18313A)
【公開日】 平成20年1月31日(2008.1.31)
【出願番号】 特願2006−190515(P2006−190515)