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【発明の名称】 青果物選別装置
【発明者】 【氏名】下村 義一

【氏名】田中 伸明

【要約】 【課題】簡易な方法により選別後の青果物群による投入容器の満了状態を作業者に知らせることで、選別後の作業工程を改善し、青果物の内部品質の均一性を向上させる。

【構成】青果物6の内部品質を光学的に判定する内部品質センサと、青果物6を該判定結果によって等級別に選別する選別手段(選別部)と、を具備した青果物選別装置において、選別部に、選別された前記青果物6の個数を、等級ごとに積算する積算手段と、何れかの等級における該積算された個数が予め設定された個数設定値とほぼ一致した際に、その旨を知らせる報知手段と、を具備した。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
青果物の内部品質を光学的に判定する内部品質センサと、青果物を該判定結果によって等級別に選別する選別手段と、を具備した青果物選別装置において、前記選別手段に、選別された前記青果物の個数を、等級ごとに積算する積算手段と、何れかの等級における該積算された個数が予め設定された個数設定値とほぼ一致した際に、その旨を知らせる報知手段と、を具備したことを特徴とする青果物選別装置。
【請求項2】
前記選別手段の各選別投入先の所定位置に載置可能に配設される投入容器と、該所定位置における該投入容器の有無を検知する検知手段と、を具備し、該検知手段によって該投入容器が取り除かれたことが検知されると、前記積算手段によって積算された個数が初期値にリセットされることを特徴とする、請求項1に記載の青果物選別装置。
【請求項3】
青果物の内部品質を光学的に判定する内部品質センサと、青果物を該判定結果によって等級別に選別する選別手段と、を具備した青果物選別装置において、前記選別手段に、選別された青果物の重量を、等級ごとに測定する重量測定手段と、何れかの等級における該重量が予め設定された重量設定値とほぼ一致した際に、その旨を知らせる報知手段と、を具備することを特徴とする青果物選別装置。
【請求項4】
前記個数設定値、もしくは、重量設定値が、前記選別手段の各選別先に配設した、投入容器の満杯状態に対応する、青果物の積算個数若しくは重量であることを特徴とする、請求項1乃至請求項3の何れか一項に記載の青果物選別装置。
【請求項5】
前記個数設定値、もしくは、重量設定値が、前記選別手段の各選別投入先に配設した、投入容器の満杯設定量手前の状態に対応する、青果物の積算個数若しくは重量であることを特徴とする、請求項1乃至請求項4の何れか一項に記載の青果物選別装置。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、収穫された青果物の成分(糖度等)を光によって測定する青果物選別装置において、選別後の青果物を収集する投入容器の満了状態を判別する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、青果物の内部品質を測定する手段として、内部品質センサによる青果物選別装置が公知となっている。前記内部品質センサは、青果物を破壊することなく、青果物の糖度や酸度等の内部品質を判定する非破壊品質判定装置であり、これに搬送手段や選別部等を具備させて青果物選別装置を構築したものが知られている。
例えば特許文献1では、青果物の重量測定手段を更に付加させた青果物判定装置が公知となっている。前記「特許文献1」によると、内部品質センサによって得られる内部特徴と、前記重量測定手段によって得られる重量値により、青果物のランク分けを細分化することで、選別後における青果物群の内部品質を、一層均一的にさせることができる。
【特許文献1】特開2005−161250号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
前記「特許文献1」に示す青果物選別装置により、選別される青果物群の品質は確かに向上させることが可能である。しかしながら、選別後の青果物群に関する品質については、選別作業全体としての改善策が必要であり、例えば、選別後の作業工程を見直した場合、投入容器が満杯状態であっても継続して選別された青果物を投入し続ければ、こぼれだした青果物は周囲物に当たって傷付いたり、作業者に踏まれたり等して、不良率は増加することになる。
そこで本発明においては、簡易な方法により選別後の青果物群による投入容器の満了状態を作業者に知らせることで、選別後の作業工程を改善し、青果物の内部品質の均一性を向上させることが課題である。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次にこの課題を解決するための手段を説明する。
【0005】
即ち、請求項1においては、青果物の内部品質を光学的に判定する内部品質センサと、青果物を該判定結果によって等級別に選別する選別手段と、を具備した青果物選別装置に関して、前記選別手段に、選別された前記青果物の個数を、等級ごとに積算する積算手段と、何れかの等級における該積算された個数が予め設定された個数設定値とほぼ一致した際に、その旨を知らせる報知手段と、を具備したものである。
【0006】
請求項2においては、前記選別手段の各選別投入先の所定位置に載置可能に配設される投入容器と、該所定位置における該投入容器の有無を検知する検知手段と、を具備し、該検知手段によって該投入容器が取り除かれたことが検知されると、前記積算手段によって積算された個数が初期値にリセットされるものである。
【0007】
請求項3においては、青果物の内部品質を光学的に判定する内部品質センサと、青果物を該判定結果によって等級別に選別する選別手段と、を具備した青果物選別装置に関して、前記選別手段に、選別された青果物の重量を、等級ごとに測定する重量測定手段と、何れかの等級における該重量が予め設定された重量設定値とほぼ一致した際に、その旨を知らせる報知手段と、を具備するものである。
【0008】
請求項4においては、前記個数設定値、もしくは、重量設定値が、前記選別手段の各選別先に配設した、投入容器の満杯状態に対応する、青果物の積算個数若しくは重量であるものである。
【0009】
請求項5においては、前記個数設定値、もしくは、重量設定値が、前記選別手段の各選別投入先に配設した、投入容器の満杯設定量手前の状態に対応する、青果物の積算個数若しくは重量であるものである。
【発明の効果】
【0010】
本発明の効果として、以下に示すような効果を奏する。
【0011】
請求項1においては、選別手段によって選別された青果物の個数は、振り分けられた等級ごとに自動的に積算されるので、選別作業の完了後に、別途、選別数を確認する作業を行うことがなく、選別作業の作業時間を短縮することができ経済的である。
また、作業者によって予め設定された個数設定値を超えて積算された場合には、その旨を知らせる報知手段を具備したことにより、作業者による人為的ミスを防止し、選別数の均一化を図ることができる。
【0012】
請求項2においては、選別手段の各選別先に配設された、青果物の投入容器に関して、該投入容器の有無を検知する検知手段を各々設けて、該投入容器が取り除かれたことを検知すると、前記積算された選別数が初期値にリセットされることから、外部に別途、検出手段を設けることもなく、青果物の選別数を確実に積算することができ、作業者による人為的ミスを防止し、選別数の均一化を図ることができる。
【0013】
請求項3においては、選別手段の選別先に重量測定手段を各々設け、該重量測定手段によって測定された測定値をもとに選別された青果物の分量を管理するため、大掛かりな制御プログラムの改造等の必要がなく経済的である。
また、作業者によって予め設定された重量設定値を超える値が測定された場合には、その旨を知らせる報知手段を具備したことにより、作業者による人為的ミスを防止し、選別数の均一化を図ることができる。
【0014】
請求項4においては、前記個数設定値、もしくは、重量設定値を投入容器の満了状態に対応する、青果物の積算個数、もしくは、重量とするため、作業者による人為的ミスを防止し、選別数の均一化を図ることができる。
【0015】
請求項5においては、前記個数設定値、もしくは、重量設定値を投入容器の満了状態「手前」に対応する、青果物の積算個数、もしくは、重量とするため、投入容器を交換するために、選別作業を中断する必要もなく、事前に交換用の投入容器を準備することができ、選別作業の作業時間が短縮されて経済性が向上する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
次に、発明の実施の形態を説明する。
図1は本発明の一実施例に係る青果物選別装置1の側面模式図である。
図2は内部品質センサ4近傍を示す側面模式図である。
図3は内部品質センサ4近傍を示す正面模式図である。
図4は本発明に係る搬送皿5の構成を示す側面断面図である。
図5は本発明に係る選別部8近傍の構成を示し、(イ)はその平面図、(ロ)はその側面図。
図6は本発明に係る、青果物6選別後の個数の自動積算プログラムを用いた、投入容器26の交換時期の検出法(実施例1)の流れを示すフローチャートである。
図7は同じく、青果物6選別後の個数の重量判別プログラムを用いた、投入容器26の交換時期の検出法(実施例1)の流れを示すフローチャートである。
図8は本発明に係る出力画面を示すレイアウト図である。
【0017】
[青果物選別装置1全体構成]
まず、本実施例における青果物選別装置1の全体構成について図1を用いて説明する。なお、図1の矢印Aで表される方向は青果物6が搬送される方向(搬送方向A)とし、青果物は搬送手段2の上流側から下流側に向かって搬送されるものとする。
【0018】
本実施例における青果物選別装置1は、光を用いて青果物の糖度または酸度等を測定し、該測定結果にもとづいて選別を行うものであり、主に搬送手段2、内部品質センサ4、搬送皿5・5・・・、制御手段10等で構成される。ここで、前記青果物6とは、さくらんぼ、蜜柑、イチゴ、その他の果物類、または、野菜類の総称であり、本実施例では青果物としてさくらんぼについて説明する。
【0019】
[搬送皿5]
搬送皿5はトレイやパンといった搬送用容器の実施の一形態であり、青果物6の表面を傷めることなく青果物6を搬送するためのものである。すなわち、図4において、搬送皿5は青果物6を乗せるための載置面5aを有する皿部21と、該皿部21の下方において空間を形成する略円筒状の中空部材である筒部22とで構成される。
【0020】
搬送皿5はゴム等の弾性体や合成樹脂などから構成され、青果物6を載置したときにその表面を傷めることがない。また、測定に直接関係しない光の透過を防ぐため、搬送皿5は遮光性がある材質で構成されている。
【0021】
皿部21の載置面5aは、中心部にかけて窪んだ碗型となっており、この載置面5a、および、筒部22の底面の中央部には、それぞれ透過孔5b、および、透過孔5cが穿設されている。このとき、透過孔5b、および、透過孔5cの孔径は、載置される青果物6が下方に落下せず、かつ、内部品質センサ4における測定用の透過光が搬送皿5の上下に通過可能な大きさに定められている。また、搬送皿5には筒部22の外周面に沿ってリング状の溝5dが形成されている。
【0022】
[搬送手段2]
搬送手段2は青果物6・6・・・を搬送用容器である搬送皿5・5・・・に載置して上流側(容器供給部7側)から下流部(選別部8側)に搬送するものである。本実施例における搬送手段2はベルトコンベアであり、枠2a、回転軸2b、回転駆動軸2c、駆動部2d、ベルト13a・13b等で構成される。
【0023】
ベルト13a・13bは図1に示す如く所定の間隔を空けて回転軸2b、および、回転駆動軸2cに巻回される。回転軸2b、および、回転駆動軸2cは枠2aに回転可能に軸支され、回転駆動軸2cは駆動部2d内に設けられたモータ等のアクチュエータにより回転駆動される。
【0024】
[内部品質センサ4]
内部品質センサ4は青果物6の内部品質である糖度(甘味)や酸度(酸味)を光学的に(光を用いて非破壊で)判定するものであり、搬送手段2の中途部に設けられる。
すなわち、図1、図2、および、図3に示す如く、内部品質センサ4は主に筐体23、投光手段16、受光手段17等で構成される。
筐体23は内部品質センサ4の他の部材を固定する構造体であるとともに、投光手段16、および、受光手段17に外部からの光が影響することを防止するための被覆手段を兼ねる。筐体23は略直方体の箱であり、開口部23a、および、開口部23bが筐体23の互いに対向する側に穿設され、搬送手段2が開口部23a・開口部23bを貫通している。
【0025】
投光手段16は青果物6の糖度、または、酸度等を測定するための光(赤外線やレーザー光等)を青果物6に照射するものであり、ケーブル16aにより制御手段10に接続されている。投光手段16は具体的にはランプ、または、LED等で構成される。
【0026】
受光手段17は投光手段16により照射され、青果物6内を通過してきた透過光を受けるものであり、ケーブル17aにより制御手段10に接続されている。受光手段17は具体的にはフォトダイオードやフォトトランジスタやCCD等で構成される。
【0027】
投光手段16は筐体23内部において搬送手段2の下方に配設され、かつ、受光手段17は筐体23内部において搬送手段2の上方に配設される。そして、投光手段16より照射される光は搬送皿5の中央部に穿設された透過孔5b、および、透過光5cを通過し、該搬送皿5上に載置された青果物6を透過して受光手段17に受光される。
【0028】
このとき、搬送手段2のベルト13a、および、ベルト13bは所定の間隔を空けて回転軸2b、および、回転駆動軸2cに巻回されており、ベルト13aとベルト13bとの間を投光手段16からの光が通過するように構成されている。従って、搬送手段2が光路(投光手段16から受光手段17までの光の経路)を遮ることがない。
【0029】
受光手段17により受光される光(青果物6の透過光)は、投光手段16により照射される光と比較すると、特定の波長成分が減少している。これは、青果物6中に含まれる糖度に係る成分や酸度に係る成分が特定の波長成分を吸収することに起因している。
従って、この吸収量を測定する(青果物6が光路を遮っていない状態で受光手段17が受光しているときの特定波長成分と、青果物6が光路を遮っている状態で受光手段17が受光しているときの特定波長成分とを比較する)ことにより、光が透過した部位に存在する青果物6の糖度に係る成分や、酸度に係る成分の量(より厳密には、糖度に係る成分分子の個数や酸度に係る成分分子の個数)を測定することが可能である。
なお、青果物6の内部品質を光学的に判定する方法としては、本実施例のごとく透過光を用いるだけでなく、反射光を用いる方法等も考えられ限定されない。
【0030】
[その他青果物選別装置1の構成機器]
容器検知手段14は搬送手段2の搬送経路において、内部品質センサ4よりも上流側となる位置に設けられる。容器検知手段14は光センサ等で構成され、該容器検知手段14を搬送皿5が通過したことを示す信号を制御手段10に送信する。
【0031】
なお、図2に示す如く、容器検知手段14の上下方向の高さは、搬送手段2上を搬送されている搬送皿5の溝5dの、上下方向の高さと略同じであり、複数個の搬送皿5・5・・・が搬送方向に連なって(側面同士が接触した状態で)搬送手段2上を搬送されている場合でも、隣接する搬送皿5・5の側面の溝5dが成す隙間により容器検知手段14からの光は搬送皿5・5の向こう側まで通過可能である。従って、搬送皿5・5・・・を一個ずつ確実に検知することが可能である。
【0032】
容器供給部7は搬送手段2の最上流部に設けられ、搬送手段2に青果物6を載置する前の搬送皿5・5・・・を供給する。また、搬送手段2の上流部、すなわち、容器供給部7の出口近傍には農産物供給部11が設けられ、搬送手段2により搬送されている搬送皿5上に青果物6を載置する。
【0033】
選別部8は搬送手段2の最下流部に設けられ、内部品質センサ4による判定結果(糖度、または、酸度に係る情報)にもとづいて、青果物6を選別し、後述するスライダー9を介して、各選別先に設けられた投入容器26・26・26に該青果物6を投入する。
【0034】
制御手段10は、図1に示すように、青果物選別装置1を構成する内部品質センサ4、搬送手段2等を制御するものであり、これらの動作を制御するためのプログラムが格納されており、内部品質センサ4や容器検出手段14等からの情報を取得したり、該内部品質センサ4及び搬送手段2等への電力の供給や、動作指令(信号)を送信したりすることが可能である。
【0035】
前記制御手段10は、表示部10aと演算記憶部10bから構成されている。演算記憶部10bは、容器検出手段14からの検知信号を受信し、前記演算記憶部10bに記憶された演算プログラムにより、搬送手段2を駆動または停止させる。つまり、内部品質センサ4の手前に搬送皿5が到達すると搬送を停止し、該内部品質センサ4により青果物6の内部品質の測定を行う。
また、該演算記憶部10bでは、内部品質センサ4によって測定された内部品質にもとづいて青果物6・6・・・を等級付けし、搬送手段2の下流側に設けられた選別部8により等級別に選別する。
【0036】
[スライダー9]
次に、選別部8に具備されるスライダー9について、図5を用いて説明する。なお、図5の(イ)(ロ)中に示す矢印Bはトレイコンベア46の搬送方向を示し、矢印Cは青果物6の搬送方向を示し、矢印Dはスライダー9の可動方向を示す。また、便宜上、矢印Eの方向を前方として左右方向を決定し、以下説明する。
スライダー9は選別部8と、投入容器26との間に設けられ、該選別部8によって選別された青果物6を、傷やへこみ等付くことなく該投入容器26に投入するためのものである。
【0037】
スライダー9は各等級毎に樋状に形成されて、平行に設けられている。
すなわち、図5の(イ)に示すように、本実施例では、選別部8による選別先は、「優」「秀」「並」の3通りとし、平面視において搬送上流側から順に「優」「秀」「並」の等級毎に振り分け、それぞれ樋状のスライダー9H・9M・9Lが平行に配置され、排出側端部は幅が狭くなるようにして投入容器26からはみ出さないようにしている。但し、前記青果物の糖度または酸度等を測定する代わりに大きさまたは重量を検知して、大中小等のサイズ毎に選別する構成であってもよい。
【0038】
また、スライダー9における青果物6が搬送(滑り落ちる)される面には、フエルト材、または、ゴム板等からなるクッション材34・34・34が付着されており、後述するように選別部8によって振り分けられた青果物6がスライダー9に投入される際、または、スライダー9から投入容器26へ排出される際に、青果物6に傷や欠損等がつかないように保護している。
【0039】
スライダー9の両側面部24a・24aの後方下部には、同軸上に貫通する貫通孔が設けられている。該貫通孔には回動軸29が挿入され、スライダー9が回動軸29を中心に傾倒回動可能に構成している。
【0040】
前記各スライダー9H・9M・9Lの両側面部24a・24a・24aの後方上部と選別部8の側面部25a・25a・25aの前方上部の間には引張バネ31・31・31が介装されて、スライダー9は、選別部8に対して、常に水平状態になるように付勢されている。
【0041】
なお、選別部8に対するスライダー9への付勢手段は、本実施例のように引張バネ31に固執するものではなく、例えば、回動軸29に挿入され、その一端は選別部8側に固定され、その他方についてはスライダー9側に固定された捻りバネ等であっても良い。
【0042】
スライダー9の一方の側面部24aにおいて、後方略中央部には複数の取付孔30・30・・・が設けられており、そのうちの一箇所を利用して規制ピン32の先端部が、挿嵌されている。また、選別部8において、前記取付孔30と同じ側の側面部24aには、回動軸29を中心として扇形状に形成される長孔33が設けられており、スライダー9の回動動作に対応して規制ピン32が長孔33の内部に沿って摺動することにより、前記スライダー9の回動動作範囲が規制される。すなわち、図5の(ロ)において、スライダー9は回動軸29を中心として反時計回りに回転しようとするが、途中、前記規制ピン32がストッパーとなって長孔33内部の左端に当接し、スライダー9の反時計回りの回転が規制される。また、スライダー9の回転範囲は、規制ピン32の挿嵌される孔を、前記取付孔30・30・30・・・のうちのいずれを選択するかによって、容易に変更することができる。
また、各スライダー9H・9M・9Lの下面と選別部8の下面との間にはアクチュエータ36が介装され、該アクチュエータ36を作動させることによりスライダーを傾倒回動できるようにしている。該アクチュエータ36はモータまたはシリンダ等により構成し、制御手段10と接続されている。
【0043】
このような構成により、スライダー9は選別部8に回動自在に連結されており、選別部8によって等級(または大きさまたは重さ)毎に選別して、青果物6は相当する等級のスライダー9の位置まで搬送されると、スライダー9が傾倒回動され、成果物は投入容器26上に転がり落ち、または滑り落ちることになる。その後、空になったスライダー9は、引張バネ31・31に付勢されて、水平状態まで回転されるのである。
【0044】
すなわち、スライダー9の後方上部には、トレイコンベア46が直交して設けられており、前記選別された青果物6は一旦、該トレイコンベア46のトレイ47に載置され、所定の等級のスライダー9位置まで搬送される。
ここで、トレイコンベア46は無端状のベルトコンベア48から構成されており、該ベルトコンベア48の搬送面上には、トレイ47が搬送方向と直角に回動自在に軸支されている。
【0045】
また、スライダー9の後部側面は、左右両側面24a・24aに比べて上方に突出された凸部24bを設けており、青果物6を載置したトレイ47が、その青果物6が判定された等級のスライダー9の位置に到達すると、スライダー9はアクチュエータ36により、傾倒回動される。そして、前記凸部24bの上端がトレイ47の下面、すなわち、該トレイ47下面中央部の回動軸49に対して落下側と反対側(後側)の下面に当接することで、該トレイ47はスライダー9側に傾倒回動され、青果物6は該スライダー9へ転がり落ちるのである。
【0046】
なお、スライダー9の前方、すなわち、出口部では断面積が窄められ、前記スライダー9の回動により青果物6が排出される際は、周囲に飛び散ることもなく、精確に投入容器26に投入することができる。
【0047】
[投入容器26の交換時期の検出法(実施例1)]
上述したように、青果物6は内部品質センサ4によって測定された測定値を基にして、選別部8にて等級に選別されるが、本実施例1においては、一つの等級について説明する。該選別部8の選別動作を検知することにより、青果物6の各選別先に関する積算合計個数を自動的に加算し、該積算合計個数が設定した値を超えると警報器を作動させて報知して、作業者に投入容器26の交換時期を知らせるようになっている。すなわち、制御手段10の演算記憶部10bには、各選別先に関して、青果物6の個数の積算手段として積算プログラムを設けており、該積算プログラムによって各選別に関する積算合計個数が自動的に加算される。
また、演算記憶部10bには、後述するが、作業者が自由に設定可能な「中間設定値」、および、「満了設定値」の記憶部が設けてあり、青果物6の満了状態を常に監視する制御となっている。
以下、選別部8によって選別された青果物6の積算方法について、図6に示すフローチャートを用いて説明する。(なお、該フローチャートは、青果物6の等級が「優」H、「秀」M、「並」Lのうち「優」Hに選別された場合に固執して記載しているが、他のL、および、Mに選別された場合にも同様なプロセスにより積算合計個数が加算される。)
【0048】
まず、内部品質センサ4によって測定された、青果物6の糖度、および、酸度等に関する測定データは、制御手段10の演算記憶部10bにおいて一旦記憶され、その後、該演算記憶部10bに記憶される演算プログラムによって、青果物6の等級付けが実施される。
その後、青果物6は搬送手段2によって選別部8まで搬送され、前記等級付けの結果をもとに、青果物6は選別される(ステップS1)。
【0049】
選別後の、「優」として検知された青果物6が「優」のスライダー9に至る(ステップS2)と、アクチュエータが作動されて、スライダー9は傾倒し、投入容器26内に滑り落ちて収納される。このとき、投入容器26内に収容された青果物6が積算される。(ステップS3)。
【0050】
その後、積算合計個数「Sn個」と、作業者が予め設定した「中間設定値(Sa)」との比較が行われ(ステップS4)、前記積算合計個数「Sn個」が「中間設定値(Sa)」と一致すると、報知手段としての警報A(或いはブザーA)が設定時間鳴らされる(ステップS5)。
【0051】
ここで「中間設定値(Sa)」とは、投入容器26が青果物6によって満了状態となる前の青果物6の合計個数を示し、作業者は前記「中間設定値(Sa)」を設定することで、投入容器26が満了状態となることを事前に把握し、交換用の投入容器26を設ける等の用意ができる。
【0052】
また、本実施例1としては報知手段として警報A(或いはブザーA)を用いているが、これは、作業者に投入容器26が青果物6によって満了状態となる手前において、注意を促すための警報であるため、これに限定されるものではなく、例えば、ランプ(商標名)等、視覚によって注意を促す方式をとってもよい。
【0053】
なお比較の結果、前記積算合計個数「Sn個」が「中間設定値(Sa)」を超えない場合には、報知手段は作動せず青果物6の積算は継続される。
【0054】
警報Aの報知後、青果物6が投入されると、作業者が予め設定した「満了設定値(Sb)」との比較が行われ(ステップS6)、その結果、前記積算合計個数が「満了設定値(Sb)」と一致すると警報B(或いはブザーB)が鳴らされる(ステップS7)。
【0055】
ここで「満了設定値(Sb)」とは、青果物6が投入容器26に満杯状態になるまで投入された際の該青果物6の合計個数を示し、作業者は青果物6の種別や、投入容器26の容量等に応じて、適切な値を自由に設定することができる。
【0056】
なお、本実施例1においては、青果物6の投入個数が「満了設定値(Sb)」を超える場合、警報Bの報知のみを実施しているが、これに限定されるものではなく、たとえば、前記警報Bを鳴らすと同時に、青果物選別装置1を一時停止させて、投入容器26への青果物6の投入作業を中断させる構成としてもよい。
【0057】
また、前記警報A(或いはブザーA)と同様に、警報B(或いはブザーB)においても、これに限定されるものではなく、例えば、ランプ等、視覚によって注意を促す方式をとってもよい。
【0058】
なお比較の結果、前記青果物6の投入個数が「満了設定値(Sb)」を超えない場合には、警報B(或いはブザーB)は鳴らされることはなく、警報A(或いはブザーA)の報知状態が維持されたまま、青果物6の選別作業(投入容器26への青果物6の投入)は継続される。
【0059】
警報B(或いはブザーB)の報知後、作業者が空の投入容器26との交換のために、青果物6が満了状態にある投入容器26を取り除く(ステップS8)と、積算合計個数はリセットされる(ステップS9)。
すなわち、図5において、投入容器26が載置される個所には仕分け先ごとに振り分けられたロードセル等の重量検知手段35が設けられており、作業者が投入容器26の交換のために、該投入容器26を取り除くと、前記重量検知手段35は「0Kg」を検出する。そして、該「0Kg」の検出信号は制御手段10の演算記憶部10bに送られ、積算プログラムの演算を介して、該演算記憶部10bに記憶される積算合計個数がリセットされることとなる。
【0060】
なお、本実施例1では、ステップS8において、作業者が投入容器26を取り除かない限り、青果物6の選別作業(投入容器26への青果物6の投入)は継続されることになっているが、これに限定されるものではない。すなわち、上述のとおり、青果物6の投入個数が「満了設定値(Sb)」を超えると、青果物選別装置1を一時停止させる構成としたときには、作業者が投入容器26を取り除き、積算合計個数がリセットされた後、さらに空の投入容器26が載置されたことを重量検知手段35によって検知し、該検知信号によって、青果物選別装置1の再起動、および、投入容器26への、青果物6の個数の積算を開始する構成としてもよい。
【0061】
また、本実施例1では、投入容器26の存在を重量検知手段35によって行っているが、これに限定されるものではなく、例えば、平面視にて、投入容器26を挟んで対峙して配設された光電スイッチ等によって行ってもよい。
【0062】
[投入容器26の交換時期の検出法(実施例2)]
つぎに、投入容器26の交換時期の検出法として、重量検知手段35を用いた重量管理による制御方法を実施例2として、図7に示すフローチャートを用いて説明する。
【0063】
まず、先の「実施例1」と同様に、内部品質センサ4による測定データを基に青果物6の等級付けが実施され、搬送手段2によって選別部8まで搬送された後に、青果物6は前記等級付けの結果を基に選別され、投入容器26に投入される(ステップS11)。
【0064】
青果物6が投入されると、投入容器26の重量は全体として増加し、重量検知手段35によって該重量が測定される。そして、測定された投入容器26の全重量は、測定データとして、制御手段10の演算記憶部10bに送られる(ステップS12)。
【0065】
演算記憶部10bには重量測定手段として、重量検知手段35の測定データを基に、警報A、および、警報Bの報知を制御する重量判別プログラムが格納されており、ステップS12において、演算記憶部10bに送られた前記投入容器26に関する全重量の測定データ(ΣG)と、作業者が予め設定した、「中間設定値(Ga)」との比較が行われる(ステップS13)。
そして、前記全重量の測定データ(ΣG)が「中間設定値(Ga)」と一致すると、報知手段としての警報A(或いはブザーA)が鳴らされる(ステップS14)。
【0066】
ここで「中間設定値(Ga)」とは、投入容器26が青果物6によって満了状態となる以前における、投入容器26の全重量を示し、作業者は前記「中間設定値(Ga)」を設定することで、投入容器26が満了状態となることを事前に把握し、交換用の投入容器26を設ける等の対応策をとることができる。
【0067】
また、本実施例2においても、上述した実施例1と同様に、報知手段として警報A(或いはブザーA)を用いているが、これに限定されるものではなく、例えば、ライト等、視覚によって注意を促す方式をとってもよい。
【0068】
なお比較の結果、前記全重量(ΣG)が「中間設定値(Ga)」を超えない場合には、報知手段は作動せず、青果物6の投入容器26への投入は継続される。
【0069】
警報Aの報知後、青果物6の投入個数が更に加算されると、作業者が予め設定した「満了設定値」との比較が行われ(ステップS15)、その結果、前記全重量(ΣG)が「満了設定値(Gb)」と一致すると、前記警報A(或いはブザーA)は停止し、警報B(或いはブザーB)が鳴らされる(ステップS16)。
【0070】
ここで「満了設定値(Gb)」とは、青果物6が投入容器26に満杯状態になるまで投入された際の投入容器26の全重量を示し、作業者は青果物6の種別や、投入容器26の容量等に応じて、適切な値を自由に設定することができる。
【0071】
なお、本実施例2においても、上述した実施例1と同様に、投入容器26の全重量(ΣG)が「満了設定値(Gb)」を超える場合、警報Bの報知のみを実施しているが、これに限定されるものではなく、たとえば、前記警報Bを鳴らすと同時に、青果物選別装置1を一時停止させて、投入容器26への青果物6の投入作業を中断させる構成としてもよい。
【0072】
また、前記警報A(或いはブザーA)と同様に、警報B(或いはブザーB)においても、これに限定されるものではなく、例えば、ライト等、視覚によって注意を促す方式をとってもよい。
【0073】
なお比較の結果、投入容器26の全重量(ΣG)が「満了設定値」を超えない場合には、警報B(或いはブザーB)は鳴らされることはなく、警報A(或いはブザーA)の報知状態が維持されたまま、青果物6の選別作業(投入容器26への青果物6の投入)は継続される。
【0074】
警報B(或いはブザーB)の報知後、作業者が空の投入容器26との交換のために、青果物6が満了状態にある投入容器26を取り除く(ステップS17)と、警報Bは停止する(ステップS9)。
すなわち、図7において、作業者が投入容器26の交換のために、該投入容器26を取り除くと、重量検知手段35は負荷荷重が取り除かれて「0Kg」を検出する。そして、該「0Kg」の検出信号は制御手段10の演算記憶部10bに送られ、重量判定プログラムの演算を介して、警報Bの報知は停止することとなる。
【0075】
なお、本実施例2では、ステップS17において、作業者が投入容器26を取り除かない限り、青果物6の選別作業(投入容器26への青果物6の投入)は継続されることになっているが、これに限定されるものではない。すなわち、上述のとおり、青果物6の投入個数が「満了設定値(Gb)」を超えると、青果物選別装置1を一時停止させる構成としたときには、作業者が投入容器26を取り除き、空の投入容器26が載置されたことを重量検知手段35によって検知し、該検知信号によって、青果物選別装置1が再起動され、投入容器26への、青果物6の投入を開始する構成としてもよい。
【0076】
[出力画面表示]
このようにして、青果物6の選別個数は各選別先に自動的に積算され、その積算データは、制御手段10の演算記憶部10bに記憶される。そして、その集計データは画面表示され、作業者は容易に仕分け作業中の現状の把握等を行うことができる。以下、本実施例における画面表示の一例を、図8を用いて説明する。
出力画面41は、主に識別欄42と、集計欄43と、設定欄44とにより構成されており、各欄42・43・44が画面上から順に配置されている。
【0077】
識別欄42はデータの識別、すなわち、現在選別作業が行われている青果物群6・6・・・を特定するためのものであり、選別作業の実施される日付と、選別される青果物6の品種名と、該青果物6を生産した生産者の名称(または人物名)とが表示されている。この識別欄42に表示される内容を基に、後述する集計データを選別し、後日、営農教育等に役立たせることができる。
【0078】
集計欄43は実施されている選別作業の現状を把握する欄であり、各選別先において、現在選別作業が完了している青果物6・6・・・の個数の合計が表示されている。すなわち、選別されるL、M、H(またはS)のサイズごとにそれぞれ「現在個数」と、「全体個数」と、「割合」と、「合計容器数」を表示する欄が設けられ、選別作業の現在の状況を容易に把握することが可能になっている。
ここで、「現在個数」とは、各選別先に選別された青果物6に対して、該選別先ごとに積算された個数の合計を示す。また、「全体個数」とは、現時点で選別作業が完了している青果物6の積算個数を示し、各選別先の前記「現在個数」の合計個数が表示される。そして「割合」とは、選別作業が完了した青果物6の全体個数に対する、選別先ごとの割合を示し、この「割合」によって、作業者は容易に、各生産者の青果物6の傾向、例えば、「○○農園から納入されるさくらんぼは、Lサイズのものが多い」等を把握することができる。
【0079】
設定欄44は、上述した「中間設定値」、および、「満了設定値」を表示する欄であり、選別先ごとにそれぞれ表示欄が設けられている。これによって、作業者は視覚により確認しながら、各設定値を設定することが可能となり、入力ミス等による青果物選別装置1の誤動作を防止することができる。
【0080】
このような構成により、選別先ごとに集計された青果物6の選別個数は画面表示され、作業者は容易に仕分け作業中の現状の把握等を行うことができるが、本実施例は一例に過ぎず、例えば、集計欄43に替わり、棒グラフや折れ線グラフ等を用いた、集計グラフを用いたりしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0081】
【図1】本発明の一実施例に係る青果物選別装置1の側面模式図。
【図2】内部品質センサ4近傍を示す側面模式図。
【図3】内部品質センサ4近傍を示す正面模式図。
【図4】本発明に係る搬送皿5の構成を示す側面断面図。
【図5】本発明に係る選別部8近傍の構成を示し、(イ)はその平面図、(ロ)はその側面図。
【図6】本発明に係る、青果物6選別後の個数の自動積算プログラムを用いた、投入容器26の交換時期の検出法(実施例1)の流れを示すフローチャート。
【図7】同じく、青果物6選別後の個数の重量判別プログラムを用いた、投入容器26の交換時期の検出法(実施例1)の流れを示すフローチャート。
【図8】本発明に係る出力画面を示すレイアウト図。
【符号の説明】
【0082】
6 青果物
8 選別部
26 投入容器
【出願人】 【識別番号】000006781
【氏名又は名称】ヤンマー株式会社
【出願日】 平成18年7月3日(2006.7.3)
【代理人】 【識別番号】100080621
【弁理士】
【氏名又は名称】矢野 寿一郎


【公開番号】 特開2008−12386(P2008−12386A)
【公開日】 平成20年1月24日(2008.1.24)
【出願番号】 特願2006−183644(P2006−183644)