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【発明の名称】 篩器具及び篩装置
【発明者】 【氏名】平野 有信

【要約】 【課題】篩網上の小麦粉などの粉粒体を効率良く篩い分けることができ、かつ篩網の目詰まりの発生を抑制することができる篩器具、並びに該篩器具を備えた篩装置を提供する。

【解決手段】篩網13上で振動され、篩網13上の粉粒体を篩い分けるのに用いられる篩器具であって、枠状部材2と、枠状部材2の内側に設けられ、渦巻状に巻回した形状を有し、一端3aが枠状部材2に固定されており、かつ他端3bが自由端とされている渦巻状部材3とを備える篩器具1、並びに該篩器具1と、篩網13及び筒状部材14を有する篩12とを備える篩装置11。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
篩網上で振動され、前記篩網上の粉粒体を篩い分けるのに用いられる篩器具であって、
枠状部材と、
前記枠状部材の内側に設けられ、渦巻状に巻回した形状を有し、一端が前記枠状部材に固定されており、かつ他端が自由端とされている渦巻状部材とを備えることを特徴とする、篩器具。
【請求項2】
前記枠状部材に直接または間接に連結された把持部材をさらに備えることを特徴とする、請求項1に記載の篩器具。
【請求項3】
前記枠状部材に取付けられており、かつ前記枠状部材の外周面から外側に向かって延びるブラシをさらに備える、請求項1または2に記載の篩器具。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか1項に記載の篩器具と、
筒状部材と、前記筒状部材に外周縁が固定された篩網とを有する篩とを備えることを特徴とする、篩装置。
【請求項5】
前記筒状部材の上端が前記篩網よりも上方に位置しており、前記筒状部材の側壁が、上方に向かうにつれて内側に向かって傾斜されている、請求項4に記載の篩装置。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、篩網で小麦粉等の粉粒体を篩い分ける際に用いられる篩器具であって、より詳細には、篩網上で振動することにより、篩網上の粉粒体を拡散させ、篩網上の粉粒体を篩い分けるのに用いられる篩器具、及び該篩器具を備えた篩装置に関する。
【背景技術】
【0002】
小麦粉を用いてケーキを製造する場合には、塊状となった小麦粉や、比較的粒の大きな小麦粉を除去する必要がある。このような小麦粉を除去するために、小麦粉が篩を用いて篩い分けられている。
【0003】
小麦粉などの粉体の篩い分けに際しては、篩網上に粉体を配置し、篩網を振動させる方法が広く行われている。篩い分けの際には、粉体によって篩網の目詰まりが生じることがある。そこで、篩網の目詰まりを防止するための種々の検討がなされてきている。
【0004】
下記の特許文献1には、上記目詰まりを防止する手段を備えた篩の一例として、篩網上において、篩の篩網の中心またはその近傍を挟む左右2点の位置に1本のワイヤーロープを弛みつけて設け、該ワイヤーロープに複数の耐摩耗性の弾性体が移動可能に取付けられた篩が開示されている。
【0005】
特許文献1では、篩を上下振動あるいは旋回振動させたときに、ワイヤーロープが篩網上を屈曲変形しながら移動する。また、ワイヤーロープに取付けられた弾性体が、篩網上を旋回しながら、飛び跳ねて移動する。よって、篩網に詰まった粉体を除去することが可能とされている。
【特許文献1】特開平9−234425号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1では、弾性体が、篩網上を旋回しながら、飛び跳ねて移動するので、粉体による篩網の目詰まりの発生を抑制することができる。
【0007】
しかしながら、篩網上に多くの粉体を配置した場合などには、粉体によって弾性体の移動が阻害されることがあった。弾性体の移動が阻害されると、篩網の目詰まりが生じがちであった。
【0008】
さらに、特許文献1の篩では、弾性体が篩網上を充分に旋回しないことがあり、粉体を効率よく篩い分けることができないことがあった。
【0009】
本発明の目的は、上述した従来技術の現状に鑑み、篩網上の小麦粉などの粉粒体を効率良く篩い分けることができ、かつ篩網の目詰まりの発生を抑制することができる篩器具、及び該篩器具を備えた篩装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、篩網上で振動され、前記篩網上の粉粒体を篩い分けるのに用いられる篩器具であって、枠状部材と、前記枠状部材の内側に設けられ、渦巻状に巻回した形状を有し、一端が前記枠状部材に固定されており、かつ他端が自由端とされている渦巻状部材とを備えることを特徴とする。
【0011】
本発明のある特定の局面では、篩器具は、前記枠状部材に直接または間接に連結された把持部材をさらに備えている。
【0012】
本発明の他の特定の局面では、篩器具は、前記枠状部材に取付けられており、かつ前記枠状部材の外周面から外側に向かって延びるブラシをさらに備えている。
【0013】
本発明に係る篩装置は、本発明に従って構成された篩器具と、筒状部材と、前記筒状部材に外周縁が固定された篩網とを有する篩とを備えることを特徴とする。
【0014】
本発明に係る篩装置のある特定の局面では、前記筒状部材の上端が前記篩網よりも上方に位置しており、前記筒状部材の側壁が、上方に向かうにつれて内側に向かって傾斜されている。
【発明の効果】
【0015】
本発明に係る篩器具では、枠状部材と、枠状部材の内側に設けられ、渦巻状に巻回した形状を有し、一端が枠状部材に固定されており、かつ他端が自由端とされている渦巻状部材とを備えているので、篩網上で振動した場合に、篩器具と小麦粉などの粉粒体との接触面積を極めて大きくすることができる。よって、小麦粉などの粉粒体が効果的に拡散されるので、粉粒体を効率良く篩い分けることができ、篩網の目詰まりの発生を抑制することができる。
【0016】
枠状部材に直接または間接に連結された把持部材をさらに備える場合には、把持部材を手指等で把持して、篩器具を容易に振動させることができる。
【0017】
枠状部材に取付けられており、かつ枠状部材の外周面から外側に向かって延びるブラシをさらに備えている場合には、篩網の外周縁近傍に粉粒体が寄り集まったり、篩網を囲む筒状部材の内周壁面に粉粒体が付着した際などに、該粉粒体を容易に拡散させることができる。
【0018】
本発明に係る篩装置は、本発明に従って構成された篩器具と、筒状部材と、筒状部材に外周縁が固定された篩網とを有する篩とを備えているので、篩網上で篩器具を振動したときに、粉粒体を効率良く篩い分けることができ、篩網の目詰まりの発生を抑制することができる。
【0019】
筒状部材の上端が篩網よりも上方に位置しており、筒状部材の側壁が、上方に向かうにつれて内側に向かって傾斜されている場合には、筒状部材の内周壁面への粉粒体の付着を抑制することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下、図面を参照しつつ本発明の具体的な実施形態を説明することにより、本発明を明らかにする。
【0021】
図1〜3を用いて、本発明の一実施形態に係る篩器具、及び該篩器具を備えた篩装置を説明する。
【0022】
図1は、本発明の一実施形態に係る篩器具を示す斜視図である。
【0023】
図1に示すように、篩器具1は、枠状部材2と、渦巻状に巻回した形状を有する渦巻状部材3とを備えている。枠状部材2は、円環状の形状を有する。渦巻状部材3は、長尺状の板状体からなり、該板状体が渦巻状に巻回されて構成されている。枠状部材2及び渦巻状部材3は特に限定されないが、通常金属からなる。
【0024】
渦巻状部材3の一端3aは、枠状部材2に固定されており、かつ他端3bは自由端とされている。すなわち、渦巻状部材3は長尺状の板状体からなるが、外周に位置している端部3aは枠状部材2の内周面2aに固定されており、他方、内周に位置している端部3bは固定されていない。渦巻状部材3の一端3aは、枠状部材2の外周面2bに固定されていてもよい。篩器具1では、枠状部材2と渦巻状部材3とは、異なる2つの部材を用いて構成されているが、1つの部材を用いて一体的に構成されていてもよい。
【0025】
渦巻状部材3は弾性を有する。後に詳述するが、渦巻状部材3を略水平にして篩器具1を振動したときに、渦巻状部材3は、枠状部材2に固定された一端3aから自由端である他端3bにかけて、下方に向かって延び得るように構成されている。さらに、渦巻状部材3は、一端3aから他端3bにかけて上方に向かって延び得るように構成されている。すなわち、渦巻状部材3は、一端3aから他端3bにかけて上下方向に向かって延び得るように構成されている。渦巻状部材3は、比較的重く形成され、重力等により、一端3aから他端3bにかけて下方に延び得るよう構成されていてもよい。
【0026】
篩器具1は、枠状部材2に間接に連結された把持部材4を備えている。把持部材4は、篩器具1を容易に揺り動かし得るように、手指等により把持される部分である。把持部材4は、枠状部材2の内周面2aに固定された棒状の連結部材5を介して、間接に枠状部材2に連結されている。把持部材4は、連結部材5を介さずに、直接に枠状部材2に連結されていてもよい。
【0027】
連結部材5は、枠状部材2の内周面2aから上方に向かって延ばされ、さらに側方に延ばされ、把持部材4に固定されている。よって、枠状部材2から距離を隔てた位置において、あるいは枠状部材2よりも上方において、篩器具1の把持部材4を手指等により容易に把持することができる。よって、後述する篩網上で、篩器具1を容易に振動することができる。
【0028】
上記篩器具1は、篩網上で振動され、篩網上の小麦粉などの粉粒体を篩い分けるのに用いられる。
【0029】
図2に、本発明の一実施形態に係る篩器具1を備えた篩装置11を斜視図で示す。
【0030】
図2に示すように、篩器具1を用いて粉粒体を篩い分ける際には、特に限定されないが、例えば、篩12と、篩12で篩い分けられた粉粒体を収容するための容器21とが用いられる。
【0031】
上記篩12は、筒状部材14と、筒状部材14に外周縁13aが固定された篩網13とを有する。
【0032】
筒状部材14は、円筒状の形状を有する。筒状部材14の上端14bは、側壁を形成するように、篩網13よりも上方に位置している。筒状部材14の下端14cは、側壁を形成するように、篩網13よりも下方に位置している。篩網13は、筒状部材14の内周面14aに、環状の固定リング15a,15bを用いて固定されている。環状の固定リング15a,15bにより、篩網13の外周縁13aが挟持されている。
【0033】
筒状部材14は円筒状の形状を有するが、その径は、篩器具1の枠状部材2の径よりも大きくされている。従って、筒状部材14内において、篩網13上に篩器具1を配置することができる。筒状部材14の外周面には、環状突部14dが設けられている。環状突部14dは、後述する容器21に篩12を固定するために設けられている。
【0034】
上記容器21は、篩12で篩い分けられた粉粒体を収容するための容器である。容器21は、上端21aが開口している。容器21の上端21aには、粉粒体を容易に取り出し得るように、先細りした嘴部21bが設けられている。
【0035】
容器21の開口径は、環状突部14d部分を除く筒状部材14の径とほぼ等しいか、もしくはわずかに大きくされている。また、容器21の開口径は、環状突部14d部分の筒状部材14の径よりもわずかに小さくされている。よって、篩12を容器21に挿入することができ、かつ環状突部14dを容器21の上端21aに接触させて、篩12を容器21に固定することができる。
【0036】
図3に示すように、粉粒体の篩い分けに際しては、篩12を容器21に挿入し、固定する。また、篩12の篩網13上に、粉粒体25を配置する。さらに、篩器具1の把持部材4を把持し、篩器具1を移動し、篩網13上に篩器具1を配置する。粉粒体25としては特に限定されないが、小麦粉などが挙げられる。
【0037】
しかる後、篩器具1を振動する。例えば、図3に示すように、篩器具1を左右あるいは上下に振動する。これにより、粉粒体25が、渦巻状部材3に接触しつつ、拡散され、篩い分けられる。
【0038】
本実施形態では、篩器具1は渦巻状部材3を備えているので、粉粒体25と渦巻状部材3との接触面積が極めて大きくされている。よって、粉粒体25は効果的に拡散される。従って、粉粒体25を効率良く篩い分けることができ、篩網13の目詰まりの発生を抑制することができる。
【0039】
さらに、篩器具1では、渦巻状部材3は弾性を有するので、篩器具1を振動したときに、渦巻状部材3は大きく振動する。すなわち、図3に示すように、篩器具1をわずかに振動させることにより、渦巻状部材3を大きく振動させることができる。よって、粉粒体25をより一層効率良く篩い分けることができ、篩網13の目詰まりの発生をより一層抑制することができる。
【0040】
ところで、図4に示すように、篩い分けに際しては、篩網13が撓むことがある。例えば、篩網13の比較的柔軟であったり、あるいは篩網13上に多くの粉粒体25を配置した場合などには、篩網13が撓むことがある。
【0041】
本実施形態では、図4に示すように、渦巻状部材3を略水平にして篩器具1を振動したときに、渦巻状部材3が、一端3aから他端3bにかけて下方に向かって延び得るように構成されているので、篩網13が撓んでも、渦巻状部材3が、撓んだ篩網13の上面に接触するように、あるいはその近傍に至るように篩器具1を振動させることができる。よって、篩網13が撓んだとしても、粉粒体25を効率良く篩い分けることができ、篩網13の目詰まりの発生を抑制することができる。
【0042】
また、粉粒体の篩い分けに際しては、撓みが防止された篩も広く用いられている。例えば、図6に示すように、篩網13の下面に接するか、もしくは近接した位置に、撓みを防止するための支持棒42が取付けられた篩41が知られている。このような篩41を用いた場合には、渦巻状部材3は、一端3aから他端3bにかけて下方に向かって延び得るように構成されている必要は必ずしもない。しかしながら、このような篩41では、篩網13と支持棒42との間に、粉粒体25が目詰まりすることがあった。
【0043】
篩器具1では、渦巻状部材3が、一端3aから他端3bにかけて下方に向かって延び得るように構成されているので、篩網13が撓んでも、粉粒体25を充分に拡散させることができる。よって、篩器具1を用いる場合には、粉粒体25の目詰まりが生じ易い撓みが防止された篩41を用いる必要がなく、撓みが生じ易い篩12を用いることができる。よって、篩器具1は汎用性にも優れている。もっとも、篩器具1は、撓みが防止された篩41と組合せて用いられてもよい。
【0044】
次に、図5を用いて、本発明の他の実施形態に係る篩器具、及び該篩器具を備えた篩装置を説明する。
【0045】
図5に示す篩装置31は、篩器具の枠状部材の外周面にブラシが取付けられていること、及び篩の筒状部材の形状とが異なることを除いては、図2に示した篩装置11と同様に構成されている。同様に構成されているところは、同一の符号を付してその説明を省略する。
【0046】
図5に示すように、篩装置31は、篩器具32と、篩33と、容器21とを備えている。
【0047】
上記篩器具32は、枠状部材2の外周面2bに取付けられており、枠状部材2の外周面2bから外側に向かって延びるブラシ35を備えている。ブラシ35は、枠状部材2の外周面2bから外側に向かって直線状に延ばされた形状を有する。もっとも、ブラシ35の形状は特に限定されるものではない。
【0048】
上記篩33は、内周面36aに篩い網13が固定された筒状部材36を備えている。筒状部材36の外周面には、環状突部36dが設けられている。筒状部材36の上端36bは、篩網13よりも上方に位置しており、篩網13よりも上方に第1の側壁36eが形成されている。筒状部材36の下端6cは、篩網13よりも下方に位置しており、篩網13よりも下方に第2の側壁36fが形成されている。篩33では、篩網13よりも上方の第1の側壁36eは、上方に向かうにつれて内側に向かって傾斜されている。すなわち、筒状部材36は、内側に向かって傾斜した傾斜部分を有する。
【0049】
第1の側壁36eは特に限定されないが、5〜45°内側に向かって傾斜していることが好ましい。傾斜角度は、より好ましくは10〜40°であり、最も好ましくは30°である。
【0050】
篩装置31では、枠状部材2の外周面2bにブラシ35が取り付けられているので、篩網13の外周縁13a近傍に粉粒体25が寄り集まったり、筒状部材36の内周壁面36aに粉粒体が付着した場合などに、該粉粒体25を効果的に拡散させることができる。
【0051】
また、筒状部材36が、上方に向かうにつれて内側に向かって傾斜された側壁36eを有するので、筒状部材36の内周壁面36aへの粉粒体25の付着を抑制することができる。よって、粉粒体25をより一層効率よく篩い分けることができる。
【図面の簡単な説明】
【0052】
【図1】本発明の一実施形態に係る篩器具を示す斜視図。
【図2】本発明の一実施形態に係る篩器具、及び該篩器具を備えた篩装置を示す斜視図。
【図3】本発明の一実施形態に係る篩器具を用いて、粉粒体を篩い分けるときの状態を示す部分切欠正面断面図。
【図4】本発明の一実施形態に係る篩器具を用いて、粉粒体を篩い分けるときの別の状態を示す部分切欠正面断面図。
【図5】本発明の他の実施形態に係る篩器具、及び該篩器具を備えた篩装置を示す斜視図。
【図6】篩網の撓みが防止された篩を示す下面図。
【符号の説明】
【0053】
1…篩器具
2…枠状部材
2a…内周面
2b…外周面
3…渦巻状部材
3a…一端
3b…他端
4…把持部材
5…連結部材
11…篩装置
12…篩
13…篩網
13a…外周縁
14…筒状部材
14a…内周面
14b…上端
14c…下端
14d…環状突部
15a,15b…環状リング
21…容器
21a…上端
21b…嘴部
31…篩装置
32…篩器具
33…篩
35…ブラシ
36…筒状部材
36a…内周面
36b…上端
36c…下端
36d…環状突部
36e…第1の側壁
36f…第2の側壁
41…篩
42…支持棒
【出願人】 【識別番号】507081393
【氏名又は名称】株式会社コンフェクトクラウン
【出願日】 平成19年3月13日(2007.3.13)
【代理人】 【識別番号】100086597
【弁理士】
【氏名又は名称】宮▲崎▼主税

【識別番号】100095382
【弁理士】
【氏名又は名称】目次 誠


【公開番号】 特開2008−221137(P2008−221137A)
【公開日】 平成20年9月25日(2008.9.25)
【出願番号】 特願2007−63299(P2007−63299)