トップ :: B 処理操作 運輸 :: B07 固体相互の分離;仕分け

【発明の名称】 分級機
【発明者】 【氏名】シュテファノ ツァムピーニ

【氏名】大石 鮎太

【氏名】瀧野 康博

【氏名】蓑口 隆志

【要約】 【課題】案内羽根環の各案内羽根の清掃等が容易で、また各案内羽根の隙間側の内表面の仕上げ加工が容易である分級機を提供する。

【解決手段】複数の分級羽根が環状に配置された分級ロータの外周面に対して間隔を隔てて環状に複数の案内羽根5a,5bを配置し、分級ロータの外周面との間に環状の分級空間を形成する案内羽根環5が、環状に並ぶ複数の案内羽根5a,5bにおいて1つ置きに位置する各案内羽根5aの軸方向一方側端部を一つの保持枠9Aに固定保持させた一方の羽根保持体11Aと、一方の羽根保持体11Aに保持されない残りの各案内羽根5bの軸方向他方側端部を他の保持枠9Bに固定保持させた他方の羽根保持体11Bに分割可能に構成されている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の分級羽根が等間隔で外周部に環状に配置され、軸方向における少なくとも一方の端部に排出口を形成した羽根車型の分級ロータと、
前記分級ロータの外周面に対して間隔を隔てて環状に複数の案内羽根を配置し、前記分級ロータの外周面との間に環状の分級空間を形成する案内羽根環と、
前記分級ロータを軸芯周りに回転駆動自在に保持すると共に分級対象の原料粉体を前記分級空間に供給し且つ前記案内羽根環を保持すると共に隣接する案内羽根同士の隙間から前記分級空間に向けて分級空気を供給するように形成されたケーシングを備え、
原料粉体のうち前記分級羽根を通過した微粉を前記排出口から排出し、原料粉体のうち前記分級羽根を通過しなかった粗粉を排出する分級機であって、
前記案内羽根環が、環状に並ぶ前記複数の案内羽根において1つ置きに位置する各案内羽根の軸方向一方側端部を一つの保持枠に固定保持させた一方の羽根保持体と、前記一方の羽根保持体に保持されない残りの各案内羽根の軸方向他方側端部を他の一つの保持枠に固定保持させた他方の羽根保持体によって分割可能に構成されている分級機。
【請求項2】
帯状材料を前記分級ロータの回転軸と同軸の螺旋状に形成した渦巻部材が、前記一方の羽根保持体と他方の羽根保持体を合体させて前記案内羽根環を形成したときに両羽根保持体に支持されて前記分級空間内に配置される請求項1に記載の分級機。
【請求項3】
トナーの分級に用いる請求項1又は2に記載の分級機。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の分級羽根が等間隔で外周部に環状に配置され、軸方向における少なくとも一方の端部に排出口を形成した羽根車型の分級ロータと、前記分級ロータの外周面に対して間隔を隔てて環状に複数の案内羽根を配置し、前記分級ロータの外周面との間に環状の分級空間を形成する案内羽根環と、前記分級ロータを軸芯周りに回転駆動自在に保持すると共に分級対象の原料粉体を前記分級空間に供給し且つ前記案内羽根環を保持すると共に隣接する案内羽根同士の隙間から前記分級空間に向けて分級空気を供給するように形成されたケーシングを備え、原料粉体のうち分級羽根を通過した微粉を前記排出口から排出し、原料粉体のうち分級羽根を通過しなかった粗粉を排出する分級機に関する。
【背景技術】
【0002】
上記分級機では、羽根車型の分級ロータを例えば垂直方向軸芯回りに回転して分級ロータの外周側に形成される分級空間に供給された原料粉体を旋回させるとともに、案内羽根環の隣接する案内羽根同士の隙間から分級空間に分級ロータの半径方向内側向きの分級空気を流すことにより、原料粉体中の微粉は回転に伴う遠心力よりも分級空気流による搬送力が大きいために分級空気流に乗って分級羽根を通過し、一方、粗粉は回転に伴う遠心力の方が大きいために外側に飛ばされて分級羽根を通過できず、これにより原料粉体を微粉と粗粉とに分級している。また、上記分級空間における原料粉体の滞留時間と凝集を制御するために、帯状材料を螺旋状に形成した渦巻部材が分級空間内に分級ロータと同軸状に配置されている(特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】特開平11−216425号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記分級機では、例えば画像形成用のトナーを原料粉体として分級処理する場合、使用に伴って案内羽根や渦巻部材に原料粉体の層が付着形成されるが、従来、各案内羽根はケーシングに直接固定され、また渦巻部材は案内羽根の内周部に固定されていたため、案内羽根や渦巻部材に付着した原料粉体の層を除去する清掃作業が容易でなかった。特に隣接する案内羽根同士の隙間は狭いため、この隙間の内側の羽根表面の清掃は困難であった。そして、トナー(特にトナーカラー)では原料粉体層の付着残存は大きな問題であり、極力清掃して除去する必要があった。さらに隣接する案内羽根同士の隙間では高速で流れる分級空気流に乱れが生じないように内表面を滑らかに研磨仕上げすることが望ましいが、この仕上げ加工も隙間が狭いために困難であった。
本発明は、上記実情に鑑みてなされたもので、案内羽根環の各案内羽根や渦巻部材の清掃が容易で、また各案内羽根の隙間側の内表面の仕上げ加工が容易である分級機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を実現するための本発明に係る分級機の第1特徴構成は、前記案内羽根環が、環状に並ぶ前記複数の案内羽根において1つ置きに位置する各案内羽根の軸方向一方側端部を一つの保持枠に固定保持させた一方の羽根保持体と、前記一方の羽根保持体に保持されない残りの各案内羽根の軸方向他方側端部を他の一つの保持枠に固定保持させた他方の羽根保持体によって分割可能に構成されている点にある。
【0006】
分級機を使用するときは、上記一方の羽根保持体と他方の羽根保持体を合体させて構成した案内羽根環をケーシング内に設置して、複数の案内羽根が分級ロータの外周面に対して間隔を隔てて環状に配置されて分級ロータの外周面との間に環状の分級空間を形成するとともに、案内羽根環の隣接する案内羽根同士の隙間から分級空間に向けて分級空気を供給する。一方、合体させた上記一方の羽根保持体と他方の羽根保持体を分割すると、各羽根保持体において各案内羽根の隣接間隔は羽根環形成時に比べて案内羽根1個が抜けた分広くなっているので、各案内羽根を細部にわたって容易に清掃等を行うことができ、また、各羽根保持体に各案内羽根を固定保持された状態で電解研磨等により一括して隙間側の内表面の仕上げ加工を行うことができる。
従って、案内羽根環の各案内羽根の清掃が容易で、また各案内羽根の隙間側の内表面の仕上げ加工が容易である分級機が提供される。
【0007】
具体的には、例えば分級空間において旋回流動する原料粉体に対する分散効果を高めるために、案内羽根同士の隙間の方向が分級ロータの外周面の接線方向に向くように、各案内羽根同士を平行状態に近づくように傾ける場合があるが、この場合には隣接する案内羽根同士の隙間は狭くなるが、本発明の分割型の案内羽根環では、案内羽根環の各案内羽根の清掃が困難になることは回避できる。
【0008】
同第2特徴構成は、第1特徴構成において、帯状材料を前記分級ロータの回転軸と同軸の螺旋状に形成した渦巻部材が、前記一方の羽根保持体と他方の羽根保持体を合体させて前記案内羽根環を形成したときに両羽根保持体に支持されて前記分級空間内に配置される点にある。
【0009】
分級機を使用するときは、一方の羽根保持体と他方の羽根保持体を合体させるときに上記渦巻部材を両羽根保持体に支持させた案内羽根環をケーシング内に設置し、案内羽根環の隣接する案内羽根同士の隙間から原料粉体が旋回流動している分級空間に向けて分級空気を供給するとともに、渦巻部材によって分級空間における原料粉体の滞留時間や凝集を制御する。一方、合体させた一方の羽根保持体と他方の羽根保持体を分割すると、渦巻部材も分離されるので、各羽根保持体に保持された各案内羽根の清掃等とともに、渦巻部材について帯状材料等の表面の清掃等を容易に行うことができる。
従って、渦巻部材の清掃も容易にできる分級機の好適な実施形態が提供される。
【0010】
同第3特徴構成は、第1又は第2特徴構成において、トナーの分級に用いる点にある。
すなわち、分級機の使用後に案内羽根等の部材表面に付着しているトナーの清掃除去を容易に行うことができる。
従って、特に粉体層の付着残存が大きな問題となるトナーの分級処理に好適に用いることができる分級機が提供される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、本発明に係る分級機の実施形態について説明する。
本発明の分級機の第1の実施形態では、図1に示すように、複数の分級羽根8が等間隔で外周部に環状に配置され、軸方向における少なくとも一方の端部に排出口10を形成した羽根車型の分級ロータ2と、分級ロータ2の外周面に対して間隔を隔てて環状に複数の案内羽根5a,5bを配置し、分級ロータ2の外周面との間に環状の分級空間12を形成する案内羽根環5と、分級ロータ2を軸芯周りに回転駆動自在に保持すると共に分級対象の原料粉体を分級空間12に供給し且つ案内羽根環5を保持すると共に隣接する案内羽根5a,5b同士の隙間から分級空間12に向けて分級空気を供給するように形成されたケーシング1を備え、原料粉体のうち分級羽根8を通過した微粉を排出口10から吸引排出する微粉排出部100と、原料粉体のうち分級羽根8を通過しなかった粗粉を排出する粗粉排出部101を備えている。図1では、分級ロータ2の軸方向が垂直方向向きであり、排出口10を分級ロータ2の下端部に形成した例を示している。
【0012】
分級ロータ2は、円板状の頂壁6と中央に前記排出口10を形成した円板状の底壁7の間に複数の分級羽根8が立設した構造であり、筒状の支持部材4によってケーシング1に回転自在に保持されるとともに、頂壁6の中央箇所に固定された駆動シャフト3aを介して下方に配置した駆動軸3に回転駆動されるように接続されている。上記頂壁6は、ロータ回転時に、ケーシング1の上部を塞ぐ上カバー14の中央に設けた原料投入口15から投入される原料粉体を全周にわたって均一に分配して分級空間12に供給する。
【0013】
上記案内羽根環5の複数の案内羽根5a,5bは、羽根が垂直方向に伸びる状態で分級ロータ2の外周面の周方向に沿って等間隔に配置され、各案内羽根5a,5b同士の隙間の方向は、例えば上記分級空間12内を旋回流動する原料粉体に対する分散効果を高めるために、図2に一例を示すように、分級ロータ2の外周面の接線方向に向いている。尚、図2(イ)には、案内羽根5a,5bを肉厚に形成して、案内羽根5a,5b同士の隙間を比較的狭く形成したものを示し、図2(ロ)には、案内羽根5a,5bを肉薄に形成して、案内羽根5a,5b同士の隙間を比較的広く形成したものを示す。
【0014】
上記案内羽根環5の隣接する羽根同士の隙間を通して分級空間12に分級空気を供給する分級空気供給部102が設けられ、この分級空気供給部102は、案内羽根環5の外側のケーシング1に案内羽根環5に対して同軸状に形成された分級空気供給室16と、この分級空気供給室16に接続された分級空気供給管19にて構成されている。
【0015】
そして、図3に示すように、上記案内羽根環5が、環状に並ぶ複数の案内羽根5a,5bにおいて1つ置きに位置する各案内羽根5aの軸方向一方側端部を一つの保持枠9Aに固定保持させた一方の羽根保持体11Aと、前記一方の羽根保持体11Aに保持されない残りの各案内羽根5bの軸方向他方側端部を他の一つの保持枠9Bに固定保持させた他方の羽根保持体11Bによって分割可能に構成されている。尚、図2、図3には、案内羽根5a,5bの総枚数が8枚で、各羽根保持体11A,11Bの保持枚数が4枚の場合を示すが、案内羽根5a,5bの枚数や羽根形状、羽根同士の隙間を適宜変えることで、隙間を通過する空気の通過速度を変えることができ、その結果、微粉分級時の粉の分散状態を良好な状態にすることができる。
【0016】
また、帯状材料13aを分級ロータ2の回転軸と同軸の螺旋状に形成した渦巻部材13が、前記一方の羽根保持体11Aと他方の羽根保持体11Bを合体させて前記案内羽根環5を形成したときに両羽根保持体11A,11Bに支持されて前記分級空間12内に配置されるように設けられる。そして、渦巻部材13の螺旋角度によって分級空間12において旋回流動する原料粉体の下方側への送り力を調整して、分級空間12における原料粉体の滞留時間や凝集を制御することができる。
【0017】
上記両羽根保持体11A,11Bを合体させる場合は、渦巻部材13を間に置いた状態で羽根側同士を向き合わせ、各案内羽根5a,5bの端部に形成したピン23A,23Bを対向する保持枠9A,9Bの穴26A,26Bに差し込むとともに、各案内羽根5a,5bの端部の穴24A,24Bに保持枠9A,9Bに形成したピン25A,25Bを差し込む(図3参照)ことで、各案内羽根5a,5b間の隙間(スリット)が図2に示すような所定形状をなすように設定されている。
【0018】
前記微粉排出部100は、前記支持部材4の側面部のスリット(不図示)を通して前記排出口10に連通するように分級ロータ2の下方に同軸状に配置された微粉排出室17と、微粉排出室17内の微粉を外部に排出するための微粉排出管20にて構成されている。
【0019】
前記粗粉排出部101は、前記分級空間12の下部に連通するように分級ロータ2の下方に前記微粉排出室17よりも外側に同軸状に配置された粗粉排出室18と、粗粉排出室18内の粗粉を外部に排出するための粗粉排出管21にて構成されている。
【0020】
前記分級ロータ2の下面とケーシング1の間にはシール部22が設けられている。このシール部22は、底壁7の下面周縁部の全周に形成された環状の溝部7aと、この溝部7aに対応してケーシング1に形成された環状の溝部1aとによって構成される環状の空気室27を備え、この空気室27に空気通路29よりシール用の清浄空気が導入されている。このシール部22によって、微粉排出室17が分級空間12及び粗粉排出室18に対してシールされる。
【0021】
本発明の分級機の第2の実施形態では、図4に示すように、原料粉体を微粉、中粉、粗粉の3区分に分級するために、1つのケーシング30内に前記羽根車型の分級ロータ33,34を2つ同軸状に配置し、原料粉体を2つの分級ロータの外周側(分級空間)に順番に通流させて、前段側の分級ロータ33の微粉排出部35から排出された微粉を微粉とし、後段側の分級ロータ34の微粉排出部36から排出された微粉を中粉とし且つ粗粉排出部37から排出された粗粉を粗粉として取り出している。この場合、所望の粒度の微粉、中粉、粗粉に分級されるように、前段側の分級ロータ33の回転速度を後段側の分級ロータ34よりも速くする条件で各分級ロータ33,34の回転速度を調整する。
【0022】
図4では、分級ロータ33,34の軸方向が垂直方向向きで、原料粉体を上側の原料投入口38から投入するとともに、ケーシング30が上下中央箇所で上ケーシング31と下ケーシング32に分割できるように形成され、上端部に排出口33aを形成した前段側の分級ロータ33が上ケーシング31に保持され、下端部に排出口34aを形成した後段側の分級ロータ34が下ケーシング32に保持されている。また、各分級ロータ33,34に対してそれぞれ、第1実施形態と同様な構成の分級空気供給部102A,102B、案内羽根環40,41、渦巻部材39A,39Bが設けられている。
【0023】
上記両案内羽根環40,41は、図示はしないが第1の実施形態と同様に(図3参照)、環状に並ぶ複数の案内羽根40a,41aにおいて1つ置きに位置する各案内羽根の軸方向一方側端部を一つの保持枠に固定保持させた一方の羽根保持体と、前記一方の羽根保持体に保持されない残りの各案内羽根40a,41aの軸方向他方側端部を他の一つの保持枠に固定保持させた他方の羽根保持体によって分割可能に構成されている。
【産業上の利用可能性】
【0024】
本発明の分級機では案内羽根環の羽根部材や渦巻部材の清掃等が容易であるので、使用に伴い各部材上に固着した粉体層を除去して初期状態に戻すメンテナンスを行い、分級機の性能を長期間にわたって適正に維持させるために好適に使用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】本発明に係る第1実施形態の分級機の構造を示す断面図
【図2】本発明に係る案内羽根の形状を示す断面図
【図3】本発明に係る案内羽根の分割状態を示す図
【図4】本発明に係る第2実施形態の分級機の構造を示す断面図
【符号の説明】
【0026】
1 ケーシング
1a 溝部
2 分級ロータ
3 駆動軸
3a 駆動シャフト
4 支持部材
5 案内羽根環
5a 案内羽根
5b 案内羽根
6 頂壁
7 底壁
7a 溝部
8 分級羽根
9A 保持枠
9B 保持枠
10 排出口
11A 羽根保持体
11B 羽根保持体
12 分級空間
13 渦巻部材
13a 帯状材料
14 上カバー
15 原料投入口
16 分級空気供給室
17 微粉排出室
18 粗粉排出室
19 分級空気供給管
20 微粉排出管
21 粗粉排出管
22 シール部
23A ピン
23B ピン
24A 穴
24B 穴
25A ピン
25B ピン
26A 穴
26B 穴
27 空気室
29 空気通路
30 ケーシング
31 上ケーシング
32 下ケーシング
33 分級ロータ(前段側)
33a 排出口
34 分級ロータ(後段側)
34a 排出口
35 微粉排出部
36 微粉排出部
37 粗粉排出部
38 原料投入口
39A 渦巻部材
39B 渦巻部材
40 案内羽根環
40a 案内羽根
41 案内羽根環
41a 案内羽根
100 微粉排出部
101 粗粉排出部
102 分級空気供給部
102A 分級空気供給部
102B 分級空気供給部

【出願人】 【識別番号】000113355
【氏名又は名称】ホソカワミクロン株式会社
【出願日】 平成19年3月2日(2007.3.2)
【代理人】
【公開番号】 特開2008−212810(P2008−212810A)
【公開日】 平成20年9月18日(2008.9.18)
【出願番号】 特願2007−53078(P2007−53078)