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【発明の名称】 粉体分離容器、粉取り集塵装置及び粉体分離システム
【発明者】 【氏名】山本 秀樹

【氏名】石本 英和

【要約】 【課題】フィルタを用いた従来の粉取り構造よりも粉体分離性能に優れ、かつ低下することのない粉体分離容器、粉取り集塵装置及び粉体分離システムを提供する。

【解決手段】第1の吸引管11と第2の吸引管12とのいずれかを第1の配管と連通させる第1切替弁13と、フィルタ24によって上下に分離され、第1の配管が下部に、排気管20が上部に各々接続された粒体引き込み部14と、圧送管15を介して粒体引き込み部14の下部と連結され、下側が開口を備えた錐状であり、圧送管15の先端よりも上方で粉体排出管19と接続された粉取室16と、粉取室16の下方に配置された粒体受け容器18と、粉取室16の開口を開閉するシャッタ17と、排気管20及び粉体排出管19を、フィルタ23によって上下に分離された集塵容器22の下部と接続する第2の配管と、排気管20及び粉体排出管19のいずれかを集塵容器22と連通させる第2切替弁21とを有する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
下部が開口を備えた錐状であり、粒体又は気体が送られてくる管状部材が上部から下向きに挿入され、前記管状部材の先端よりも上側に前記気体の排出口を有し、
収容する粒体に前記管状部材から噴出した気体が吹き付けられた場合に、前記粒体が巻き上げられ、該粒体に付着していた粉体が気体とともに前記排出口から外部へ流出することを特徴とする粉体分離容器。
【請求項2】
気体が送られてくる第1の吸引管及び粒体を含んだ気体が送られてくる第2の吸引管に接続された第1の配管と、
前記第1の配管を前記第1の吸引管及び前記第2の吸引管のいずれと連通させるかを切り替えるための第1の切替弁と、
粒体分離フィルタによって上部と下部とに分離され、前記第1の配管が前記下部に接続され、排気管が前記上部に接続された粒体引き込み部と、
前記粒体引き込み部の下部の下方に設けられ、管状部材を介して前記粒体引き込み部の下部と連結され、下側が開口を備えた錐状であり、前記管状部材の先端よりも上方で粉体排出管と接続された粉取室と、
前記粉取室の錐状の部分が挿入された状態でその下方に配置された粒体受け容器と、
前記粉取室の開口を開閉するシャッタと、
前記排気管及び前記粉体排出管を、粉体分離フィルタによって上部と下部とに分離された粉体容器の前記下部と接続する第2の配管と、
前記排気管及び前記粉体排出管のいずれを前記粉体容器と連通させるかを切り替えるための第2の切替弁とを有する粉取り集塵装置。
【請求項3】
前記第1の切替弁が前記第1の吸引管と前記第1の配管とを連通させるときには、前記第2の切替弁は前記排気管と前記粉体容器とを連通させ、
前記第1の切替弁が前記第2の吸引管と前記第1の配管とを連通させるときには、前記第2の切替弁は前記粉体排出管と前記粉体容器とを連通させることを特徴とする請求項1記載の粉取り集塵装置。
【請求項4】
請求項2又は3記載の粉取り集塵装置を用いた粉体分離システムであって、
粒体原料が供給される原料容器と、
前記原料容器に気体を送り込むブロワとを有し、
前記原料容器の上部と前記第1の吸引管とが接続され、
前記原料容器の下部と前記第2の吸引管とが接続され、
前記粉体容器の上部と前記ブロワの吸引口とが接続されたことを特徴とする粉体分離システム。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、粒体から粉体を分離するための粉取り集塵装置及びそれを用いた粉体分離システムに関する。
【背景技術】
【0002】
射出成形機などでは成形品の材料は粒体状のペレットとして供給されるが、ペレットに材料が粉体の状態で付着していると不良品の原因となる。
【0003】
ペレットが欠けることによって発生した粉体材料は、材料を加熱溶融する成形機のスクリュー及び加熱筒内でペレットよりも早く溶融してスクリュー表面に滞留するため、ペレットよりも長時間加熱され、スクリューの表面や加熱筒内面に焼き付いてしまう。焼き付いた粉体が剥がれて成形材料の中に混入すると、成形品に含まれる焼けた粉体材料は黒点として現れて成形不良を発生させる。
【0004】
また、粉体材料が塊となってペレットと一緒に成形機へ供給されると、加熱溶融された成形材料の温度や密度が不均一となり、成形品の寸法や重量が規格から外れることがある。
【0005】
また、粒体材料に粉体状の埃や不純物などが混入すると、成形品の美観を損ねたり、成形不良の原因となることもあった。
【0006】
このため、従来では、成形機に供給する前段階で粒体から粉体を分離し、分離した粉体をフィルタで集める手法が用いられていた。
【0007】
このような従来技術としては特許文献1に開示される「粉体材料の分離・回収システム」がある。
【特許文献1】特開2005−211737号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかし、特許文献1に開示される発明のような分離する室内にフィルタが存在する従来構成では、
・フィルタが存在することにより粉取り性能が悪い。
・フィルタに衝突してペレットが欠け、粉体を発生させる。
・粉砕材に対応できない。
・フィルタの目詰まりによる性能の低下は避けられない。
という問題があった。
【0009】
本発明は係る問題に鑑みてなされたものであり、フィルタを用いた従来の粉取り構造よりも粉体分離性能に優れ、かつ低下することのない粉体分離容器、粉取り集塵装置及び粉体分離システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するため、本発明は、第1の態様として、下部が開口を備えた錐状であり、粒体又は気体が送られてくる管状部材が上部から下向きに挿入され、管状部材の先端よりも上側に前記気体の排出口を有し、収容する粒体に管状部材から噴出した気体が吹き付けられた場合に、粒体が巻き上げられ、該粒体に付着していた粉体が気体とともに排出口から外部へ流出することを特徴とする粉体分離容器を提供するものである。
【0011】
また、上記目的を達成するため、本発明は、第2の態様として、気体が送られてくる第1の吸引管及び粒体を含んだ気体が送られてくる第2の吸引管に接続された第1の配管と、第1の配管を第1の吸引管及び第2の吸引管のいずれと連通させるかを切り替えるための第1の切替弁と、粒体分離フィルタによって上部と下部とに分離され、第1の配管が下部に接続され、排気管が上部に接続された粒体引き込み部と、粒体引き込み部の下部の下方に設けられ、管状部材を介して粒体引き込み部の下部と連結され、下側が開口を備えた錐状であり、管状部材の先端よりも上方で粉体排出管と接続された粉取室と、粉取室の錐状の部分が挿入された状態でその下方に配置された粒体受け容器と、粉取室の開口を開閉するシャッタと、排気管及び粉体排出管を、粉体分離フィルタによって上部と下部とに分離された粉体容器の下部と接続する第2の配管と、排気管及び粉体排出管のいずれを粉体容器と連通させるかを切り替えるための第2の切替弁とを有する粉取り集塵装置を提供するものである。
【0012】
本発明の第2の態様においては、第1の切替弁が第1の吸引管と第1の配管とを連通させるときには、第2の切替弁は排気管と粉体容器とを連通させ、第1の切替弁が第2の吸引管と第1の配管とを連通させるときには、第2の切替弁は粉体排出管と粉体容器とを連通させることが好ましい。
【0013】
また、上記目的を達成するため、本発明は、第3の態様として、上記第2の態様のいずれかの構成にかかる粉取り集塵装置を用いた粉体分離システムであって、粒体原料が供給される原料容器と、原料容器に気体を送り込むブロワとを有し、原料容器の上部と第1の吸引管とが接続され、原料容器の下部と第2の吸引管とが接続され、粉体容器の上部とブロワの吸引口とが接続されたことを特徴とする粉体分離システムを提供するものである。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、フィルタを用いた従来の粉取り構造よりも粉体分離性能に優れ、かつ低下することのない粉体分離容器、粉取り集塵装置及び粉体分離システムを提供できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
本発明の好適な実施形態について説明する。図1に、本実施形態にかかる集塵システムの構成を示す。この集塵システムは、ブロワ1と原料容器2とローダ/粉取り集塵部3とを有する。
【0016】
ブロワ1から送出される空気は、原料容器2へ送り込まれ、原料である粒体とともに原料容器2内で乾燥させられる。原料容器2内で乾燥させられた空気は、容器の上部に設けられた空気口又は容器の下部に設けられた原料口のいずれかから出てローダ粉取り集塵部3へと向かう。空気が原料口から出てローダ粉取り集塵部3へ向かう場合は、乾燥済みの粒体を巻き込んで移送する。空気が空気口から出てローダ粉取り集塵部3へ向かう場合は、乾燥済みの粒体は移送されない。
【0017】
図2に、原料移送時のローダ粉取り集塵部を示す。図3に、粉体分離時のローダ粉取り集塵部を示す。
ローダ粉取り集塵部3は、第1の吸引管11、第2の吸引管12、第1切替弁13、粒体引き込み部14、圧送管15、粉取室16、シャッタ17、粒体受け容器18、粉体排出管19、排気管20、第2切替弁21、集塵容器22、フィルタ23を有する。
第1の吸引管11は原料容器2の空気口と接続されている。第2の吸引管12は原料容器2の原料口と接続されている。第1切替弁13は第1の吸引管11及び第2の吸引管12の何れかを塞ぎ、他方の吸引管を介して原料容器2と粒体引き込み部14とを連通させる。粒体引き込み部14は、下部が下に凸の漏斗形状となっており、管の部分は圧送管15として粉取室16内まで達している。また、粒体引き込み部14には空気の流入口よりも上方にフィルタ24が設けられており、フィルタ24よりもさらに上方に設けられた開口は排気管20と接続されている。フィルタ24は、粒体を分離するための目の粗いフィルタである。
【0018】
粉取室16は、底面が下に凸の錐形状であり、錐の部分は粉体受け容器18に挿入されており、その先端には開口が設けられている。開口はシャッタ17によって開閉自在である。粉取室16の上部は、粉体排出管19に接続されている。
集塵容器22は排気管20を介して粒体引き込み部14に、粉体排出管19を介して粉取室16にそれぞれ接続されている。第2切替弁21は、集塵容器22を粒体引き込み部14又は粉取室16のいずれか一方と連通させる。
集塵容器22には空気の入口と出口との間にフィルタ23が設けられている。フィルタ23は、粉体を分離するための目の細かいフィルタである。集塵容器22から出た空気は再度ブロワ1に入り、上記の系(ブロワ1、原料容器2、及びローダ/粉取り集塵部3)の内部で循環する。
【0019】
第1切替弁13と第2切替弁21とは連動して切り替わるように制御され、第1切替弁13が第2の吸引管12を塞ぐ場合には、第2切替弁21は排気管20を塞ぐ。逆に、第1切替弁13が第1の吸引管11を塞ぐ場合には、第2切替弁は粉体排出管19を塞ぐ。
【0020】
本実施形態にかかる集塵システムの動作について説明する。
まず、第1切替弁13及び第2切替弁21を制御して、第1切替弁13が第1の吸引管11を塞ぎ、第2切替弁21が粉体排出管19を塞いだ状態(図2に示した)とする。この時には、ブロワ1→原料容器2→第2吸引管12→粒体引き込み部14→排気管20→集塵容器22→ブロワ1という流路が形成された状態となっている。
この状態でブロワ1から原料容器2に空気を送り込むと、原料容器2内の乾燥済み原料は空気とともに第2の吸引管12へ流れ込む。粒体を含んだ空気が粒体引き込み部14に到達すると、粒体引き込み部14内のフィルタ24によって粒体が分離される。粒体が分離された空気は、排気管20を介して集塵容器22に流れ込み、フィルタ23によって粉体等が除去され、清浄な空気のみがブロワ1へと戻る。
粒体引き込み部14のフィルタ24において分離された粒体は、自重により落下し、圧送管15を介して粉取室16へと移動する。
【0021】
所定時間ブロワ1により空気を原料容器2内へ送り込んだら、第1切替弁13及び第2切替弁21を制御して、第1切替弁13が第2の吸引管12を塞ぎ、第2切替弁21が排気管20を塞いだ状態(図3に示した状態)とする。この時には、ブロワ1→原料容器2→第1吸引管11→粒体引き込み部14→圧送管15→粉取室16→粉体排出管19→集塵容器22→ブロワ1という流路が形成された状態となっている。この状態では、原料容器2からは空気のみが流れ出るため、粉取室16には粒体が供給されない。よって、粉取室16には、第1切替弁13が第1の吸引管11を塞いでいた時間に応じた所定量の粒体が収容されている。
この状態では、原料容器2を通過した空気が第1の吸引管11を介して粒体引き込み部14へ流れ込み、圧送管15を介して粉取室16へ流入する。粉取室16の底面が下に凸の錐形状となっているため、粉取室16へ流入した空気は既に蓄積されている粒体を巻き上げ、撹拌させる。この撹拌によって粒体と粉体とが分離され、落下抵抗の小さい粒体は粉取室16内に留まったまま撹拌され続ける。一方、落下抵抗の大きい粉体は、粉取室16内に沈降せずに空気とともに粉体排出管19へと流れ込み、集塵容器22へ移送される。集塵容器22においてはフィルタ23によって粉体が濃し取られ、清浄な空気のみがブロワ1へと戻る。
【0022】
粉取室16内で所定時間粒体を撹拌した後に、粉取室16下部の開口を塞ぐシャッタ17を開放することにより、粉体が除去された粒体が粒体受け容器18に投入される。
【0023】
1回で処理できる量よりも多くの粒体から粉体を分離・除去する場合には、上記の処理を繰り返し行えばよい。
【0024】
本実施形態に係る集塵システムでは、ブロワ1を駆動する時間及び発生させる風圧を調整することにより、粒体と粉体との分離の程度を任意に調整可能であるため、仕様の変更などに柔軟に対応することが可能である。
また、粉取室16はフィルタレスの構造となっているため粉取性能に優れ、フィルタに付着した粉体がダマとなって脱落し、粒体に混入することがない。
また、粉体と粒体との落下抵抗の差を利用してこれらを分別するため、粉体や粒体の材質に依らず適用可能であり、粉砕材であっても本実施形態にかかる集塵システムで粉体を分離・除去可能である。
さらに、ブロワ1から送出した空気を再度ブロワ1に入力するクローズドループの構成とすることで、粉体を含んだ空気が外気に触れることが無くなるため、乾燥済みの粒体が再吸湿したり、原料に埃などが混入したり、装置の周囲の雰囲気を粉体で汚染したりすることがない。
【0025】
なお、上記実施形態は本発明の好適な実施の一例であり、本発明はこれに限定されることはない。
例えば、上記実施形態では、第1切替弁と第2切替弁とが連動して制御される構成を例としたが、第1切替弁と第2切替弁とを個別に制御して、上記同様に流露を形成するようにしても良い。
また、第1切替弁及び第2切替弁として三方弁を用いた構成を図示したが、必ずしも三方弁を用いた構成とする必要はなく、第1の吸引管11と第2の吸引管12、粉体排出管19と排気管20はそれぞれ独立した配管であってもよい。
このように、本発明は様々な変形が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】本発明の好適な実施の形態に係る集塵システムの構成を示す図である。
【図2】原料移送時のローダ粉取り集塵部を示す図である。
【図3】粉体分離時のローダ粉取り集塵部を示す図である。
【符号の説明】
【0027】
1 ブロワ
2 原料容器
3 ローダ粉取り集塵部
11 第1の吸引管
12 第2の吸引管
13 第1切替弁
14 粒体引き込み部
15 圧送管
16 粉取室
17 シャッタ
18 粒体受け容器
19 粉体排出管
20 排気管
21 第2切替弁
22 集塵容器
23、24 フィルタ
【出願人】 【識別番号】505164999
【氏名又は名称】株式会社メカハウス
【出願日】 平成19年2月22日(2007.2.22)
【代理人】 【識別番号】100084250
【弁理士】
【氏名又は名称】丸山 隆夫


【公開番号】 特開2008−200658(P2008−200658A)
【公開日】 平成20年9月4日(2008.9.4)
【出願番号】 特願2007−42816(P2007−42816)