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【発明の名称】 果実等の選別装置
【発明者】 【氏名】春原 昭一

【要約】 【課題】選別されるべき果実等の形状が特別な場合でも、選別用の開口を確実に通過して落下でき、作業効率の高い果実等の選別装置を提供すること。

【解決手段】一対の選別板片11、12が、水平に保持された状態ではその一対の選別板片11、12の隣接部分に果実等の選別のための開口15が形成され、両側で下方へ回動された際には全体的に開放されるように構成された両開き選別層10が、複数層に積層されて設けられ、開口15が下層から上層へ順に大きく形成されると共に実質的に同心に配された両開き積層部20と、下層の両開き選別層10から順に一対の選別板片11、12が両側で下方へ回動されて開かれ、果実等を小さいものから大きいものの順に落下させて所要の大きさごとに選別するように、両開き積層部20の各両開き選別層10を下層から順に開放可能に保持する保持機構30とを具備する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
一対の選別板片が、水平に保持された状態では該一対の選別板片の隣接部分に果実等の選別のための開口が形成され、両側で下方へ回動された際には全体的に開放されるように構成された両開き選別層が、複数層に積層されて設けられ、前記開口が下層から上層へ順に大きく形成されると共に実質的に同心に配された両開き積層部と、
下層の前記両開き選別層から順に前記一対の選別板片が両側で下方へ回動されて開かれ、果実等を小さいものから大きいものの順に落下させて所要の大きさごとに選別するように、前記両開き積層部の各両開き選別層を下層から順に開放可能に保持する保持機構とを具備することを特徴とする果実等の選別装置。
【請求項2】
前記保持機構は、前記両開き積層部の各両開き選別層に、下側から接触されるように前記一対の選別板片の向き合う方向とは実質的に直交する方向へ上層ほど長く延設された舌状等の被接触部と、該被接触部へ下側から接触すると共に、前記一対の選別板片の向き合う方向とは実質的に直交する方向へ移動可能設けられ、各両開き選別層を下層から順に開放可能に支持する支持部材とから構成されていることを特徴とする請求項1記載の果実等の選別装置。
【請求項3】
前記支持部材を備える保持機構と、前記両開き積層部とが、同一の基部に装着されて、両開き選別ユニットが構成されていることを特徴とする請求項2記載の果実等の選別装置。
【請求項4】
前記支持部材が、カム機構によって、前記一対の選別板片の向き合う方向とは実質的に直交する方向へ移動されることを特徴とする請求項2又は3記載の果実等の選別装置。
【請求項5】
前記両開き選別ユニットが、基体に対して回転自在に配された回転円板の下面に、該回転円板の円周方向へ等分間隔に設けられた貫通穴の数に対応させて装着され、前記支持部材に設けられたカムフォロアが、前記回転円板の下側で前記基体に固定されたカム板体に設けられた溝カムに嵌って案内されることを特徴とする請求項4記載の果実等の選別装置。
【請求項6】
前記回転円板の外周に歯車の歯部が設けられ、該歯部に駆動モータによって駆動される歯車が噛合して、該回転円板が軸心を中心に回転駆動されることを特徴とする請求項5記載の果実等の選別装置。
【請求項7】
両側で開いた各一対の選別板片を水平状態に戻して、前記両開き選別層が複数積層されて構成される前記両開き積層部に復帰させるように、下方へ回動した各選別板片に下側から当接し、該選別板片を上方へ回動させて水平状態となるように案内するガイド面部と、前記回転円板の回転方向と反対方向の下方へ回動した各選別板片に前記ガイド面部によって案内される前に下側から当接し、該選別板片を上方へ回動させて実質的に水平状態となるように前記回転円板の回転方向へ動く送上げ部材とから成る復帰機構を備えることを特徴とする請求項5又は6記載の果実等の選別装置。
【請求項8】
選別されて落下する果実等を受けて収納部へ送るシューターが、前記回転円板の各貫通穴の位置に対応して設けられていることを特徴とする請求項5、6又は7記載の果実等の選別装置。
【請求項9】
前記開口が円形であって、さくらんぼの選別を行なうことを特徴とする請求項1、2、3、4、5、6、7又は8記載の果実等の選別装置。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、粒状の果実など、大きさの異なる多数の立体物を、所要のサイズごとに選別する果実等の選別装置に関する。
【背景技術】
【0002】
果実等の粒状物をサイズごとに選別するには、サイズの異なる複数の開口穴を備えた選別板を利用して手作業で行なうか、その選別板へ順次機械で供給して振るい落とす方法が考えられる。このような選別板を用いる場合、選別すべきものが球状であれば、比較的容易に機械化ができる。
しかしながら、さくらんぼのような茎の長いものについては、その茎が選別用の開口穴内に引っ掛かり易く、適切に振るい落とすことができないため、機械化が難しかった。
なお、比較的大きな果実等については、その重量を測定することで大きさを識別して選別する方法も取られている。しかしながら、さくらんぼのような軽量なものについては、精度の高い計測器が必要となるため、コスト高となって現実的ではない。
【0003】
これに対して、先行技術として、円孔が穿設されている複数個の選別板を積層し、各選別板の円孔は上に位置する選別板の円孔が下に位置する選別板の円孔より直径が大であって同心的に穿設されており、最上位の選別板の前縁部が障壁に形成されている上記各選別板がそれぞれ回動できるように同軸上に支持されている選別装置体を形成して、この選別装置体を前後に隣接させて無端状に連続させると共に、これ等選別装置体を循環走行する走行体にそれぞれ支持し、一方、上記選別装置体が往路方向へ向かって走行するときに各選別板を一時水平状態に支持する支持レールと、その走行通路の下方に上記選別板の個数と同数の選別区域を設け、上記支持レールには選別装置体の各選別体に対する支持を最下位の選別板から段階的に開放する開放部を設けて成る果実の選別機が開示されている(特許文献1参照)。
【特許文献1】特開昭64−15189号公報(第1頁、第4図)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
果実等の選別装置に関して解決しようとする問題点は、先行技術にかかる選別機であっても、長い茎を有するさくらんぼのように選別されるべき果実等の形状が特別な場合、その果実等が開口穴内で引っ掛って装置の運転が中断し易い点にある。
そこで、本発明の目的は、選別されるべき果実等の形状が特別な場合でも、選別用の開口を確実に通過して落下でき、作業効率の高い果実等の選別装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は上記目的を達成するために次の構成を備える。
本発明にかかる果実等の選別装置の一形態によれば、一対の選別板片が、水平に保持された状態では該一対の選別板片の隣接部分に果実等の選別のための開口が形成され、両側で下方へ回動された際には全体的に開放されるように構成された両開き選別層が、複数層に積層されて設けられ、前記開口が下層から上層へ順に大きく形成されると共に実質的に同心に配された両開き積層部と、下層の前記両開き選別層から順に前記一対の選別板片が両側で下方へ回動されて開かれ、果実等を小さいものから大きいものの順に落下させて所要の大きさごとに選別するように、前記両開き積層部の各両開き選別層を下層から順に開放可能に保持する保持機構とを具備する。
【0006】
また、本発明にかかる果実等の選別装置の一形態によれば、前記保持機構は、前記両開き積層部の各両開き選別層に、下側から接触されるように下前記一対の選別板片の向き合う方向とは実質的に直交する方向へ上層ほど長く延設された舌状等の被接触部と、該被接触部へ下側から接触すると共に、前記一対の選別板片の向き合う方向とは実質的に直交する方向へ移動可能設けられ、各両開き選別層を下層から順に開放可能に支持する支持部材とから構成されていることを特徴とすることができる。
また、本発明にかかる果実等の選別装置の一形態によれば、前記支持部材を備える保持機構と、前記両開き積層部とが、同一の基部に装着されて、両開き選別ユニットが構成されていることを特徴とすることができる。
【0007】
また、本発明にかかる果実等の選別装置の一形態によれば、前記支持部材が、カム機構によって、前記一対の選別板片の向き合う方向とは実質的に直交する方向へ移動されることを特徴とすることができる。
また、本発明にかかる果実等の選別装置の一形態によれば、前記両開き選別ユニットが、基体に対して回転自在に配された回転円板の下面に、該回転円板の円周方向へ等分間隔に設けられた貫通穴の数に対応させて装着され、前記支持部材に設けられたカムフォロアが、前記回転円板の下側で前記基体に固定されたカム板体に設けられた溝カムに嵌って案内されることを特徴とすることができる。
【0008】
また、本発明にかかる果実等の選別装置の一形態によれば、前記回転円板の外周に歯車の歯部が設けられ、該歯部に駆動モータによって駆動される歯車が噛合して、該回転円板が軸心を中心に回転駆動されることを特徴とすることができる。
また、本発明にかかる果実等の選別装置の一形態によれば、両側で開いた各一対の選別板片を水平状態に戻して、前記両開き選別層が複数積層されて構成される前記両開き積層部に復帰させるように、下方へ回動した各選別板片に下側から当接し、該選別板片を上方へ回動させて水平状態となるように案内するガイド面部と、前記回転円板の回転方向と反対方向の下方へ回動した各選別板片に前記ガイド面部によって案内される前に下側から当接し、該選別板片を上方へ回動させて実質的に水平状態となるように前記回転円板の回転方向へ動く送上げ部材とから成る復帰機構を備えることを特徴とすることができる。
【0009】
また、本発明にかかる果実等の選別装置の一形態によれば、選別されて落下する果実等を受けて収納部へ送るシューターが、前記回転円板の各貫通穴の位置に対応して設けられていることを特徴とすることができる。
また、本発明にかかる果実等の選別装置の一形態によれば、前記開口が円形であって、さくらんぼの選別を行なうことを特徴とすることができる。
【発明の効果】
【0010】
本発明にかかる果実等の選別装置によれば、選別されるべき果実等の形状が特別な場合でも、選別用の開口を確実に通過して落下でき、作業効率を向上できるという特別有利な効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、本発明にかかる果実等の選別装置の最良の形態例を添付図面(図1〜10)と共に詳細に説明する。図1は本発明にかかるさくらんぼ選別装置に装着される両開き選別ユニットの一形態を示す平面図(A)及び側面図(B)である。図2は図1の形態例の底面図である。また、図3は図1の形態例のX−X断面であって、後述する回転円板50に装着された状態を、後述する保持機構30を省略した断面図として示してある。
【0012】
10は両開き選別層であり、一対の選別板片11、12によって構成されている。この両開き選別層10によれば、一対の選別板片11、12が水平に保持された状態では、その一対の選別板片11、12の隣接部分に果実等の選別のための開口15が形成され、両側で下方へ回動された際には全体的に開放される。なお、一対の選別板片11、12は、水平の保持状態が解除された場合に、重力によって自動的に下方へ回動して開く。
つまり、この両開き選別層10は、一対の選別板片11、12が閉じた状態では、その開口15より大きなさくらんぼ等の被選別物が落下することを阻止し、観音開き状に開いた際には、その被選別物が落下することを許容する選別用受け部の層となっている。
なお、一対の選別板片11、12は、その開口15より大きなさくらんぼ等の被選別物を好適に受けることができるように、実質的に水平に保持されればよい。すなわち、水平に保持するとは、例えば被選別物を安定的に受けるために若干傾斜させるなど、厳密には水平でない状態に保持することも含まれる。
【0013】
また、本形態例の両開き選別層10では、一対の選別板片11、12の実質的に並び合わされた部分の中央部に、実質的に円形の開口15が形成されるように、この一対の選別板片11、12は、中心線について左右対称に設けられている。具体的には、一対の選別板片11、12のそれぞれに略半円形の切り欠きが形成されており、それらを合わせることによって、略円形の開口15となる。また、一対の選別板片11、12は、突き合わせた状態になく、隙間16が空いた状態で隣接している。
17は支持軸であり、基部18の左右両側にそれぞれ固定されている。この支持軸17に、各選抜板片11、12がその一端部14で回動自在に軸着されており、ドアのような開閉動作が可能に構成されている。
このような形態になっているため、選別されるさくらんぼ等の被選別物は、開口15を構成する選別板片11、12に引っ掛かることなく確実に落下できる。従って、装置が停止することなく、作業効率を向上できる。
【0014】
20は両開き積層部であり、一対の選別板片11、12から構成される両開き選別層10が、複数層に積層されて設けられている。また、この両開き積層部20では、各両開き選別層10(10a、10b、10c、10d、10e)の開口15(15a、15b、15c、15d、15e)が下層から上層へ順に大きく形成されると共に実質的に同心に配されて設けられている。本形態例では同心円状になるように配されている。
各開口15は、上層から下層に向かうに従ってすぼまるため、球形或いは球形に近似するものを置いた場合、安定した状態となり、据わりがよい。つまり、球形状の湾曲したものを好適に受ける形状となっており、選別すべきもの(被選別物)を好適に載置することができる。
【0015】
30は保持機構であり、下層の両開き選別層10から順に一対の選別板片11、12が両側で下方へ回動されて開かれ、果実等の被選別物を小さいものから大きいものの順に落下させて所要の大きさごとに選別するように、両開き積層部20の各両開き選別層10を下層から順に開放可能に保持する。
【0016】
本形態例の保持機構30は、図2に示すように、両開き積層部20の各両開き選別層10に、下側から接触されるように一対の選別板片11、12の向き合う方向とは実質的に直交する方向へ上層ほど長く延設された舌状等の被接触部13(13a、13b、13c、13d、13e)を構成要素とする。
また、この保持機構30は、その被接触部13へ下側から接触すると共に、一対の選別板片11、12の向き合う方向とは実質的に直交する方向へ移動可能設けられ、各両開き選別層10を下層から順に開放可能に支持する支持部材31を構成要素とする。
【0017】
本形態例では、支持部材31を備える保持機構30と、両開き積層部20とが、同一の基部18に装着されて設けられ、両開き選別ユニット40が構成されている。このようにユニット化されていることで、量産しやすく、製造コストを低減できる。
また、本形態例では、支持部材31が図1(B)及び図2に示すように、板バネによって構成されている。この支持部材31は、直線ガイド部34によって、一対の選別板片11、12の向き合う方向とは実質的に直交する方向への往復運動が案内された往復移動体32に固定されて一体化されている。その往復移動体32には、カムフォロア33が固定されており、そのカムフォロア33に力を与えることで、支持部材31を移動させることができる構造になっている。なお、カムフォロア33に力を与える機構は、後述する溝カム62に限定されることなく、そのカムフォロア33を一方に付勢するスプリング部材との組み合わせで、面カムを利用したカム機構としてもよい。このように、カム機構を用いることで、装置の構成を簡略化できる。このため、製造コストを低減できると共に、保守管理を容易に行うことができる。
【0018】
これによれば、図2に示すように、図面上においてカムフォロア33を介して支持部材31を押し上げた状態では、支持部材31の先端部が、最下層の一対の選別板片11a、12aの舌状等の被接触部13aに接触し、両開き積層部20の全ての両開き選別層10が基部18の下面によって規制されて水平に保持される(図3参照)。
支持部材31は板バネによって形成されているため、適度な圧力で一対の選別板片1、12の舌状等の被接触部13に接し、両開き選別層10を保持できる。また、その板バネの弾性によって、複数の被接触部13(13a、13b、13c、13d、13e)によって生じた段差を適切に乗り越えることができ、スムースに移動できる。
【0019】
そして、図5に示すように、図面上においてカムフォロア33を介して支持部材31が段階的に押し下げられると、支持部材31の先端部が順次上層側の一対の選別板片11、12の舌状等の被接触部13に接触することになり、それより下層側の一対の選別板片11、12に対する支持が解除される。これによって、図4、図6及び図7に示すように、順次下層側の両開き選別層10から、水平状態の保持が開放されて、一対の選別板片11、12が両側で重力によって下方へ回動して観音開きの状態になって開く。
これによれば、被選別物を、その大きさによって段階的に落下させることができ、サイズ別に好適に選別することができる。
【0020】
次に、さくらんぼの選別を行なう全体装置の形態例について、添付図面に基づいて以下に詳細に説明する。図8はさくらんぼ選別装置の回転円板50と両開き選別ユニット40及び溝カム62の配設関係を示す平面図である。また、図9はさくらんぼ選別装置の斜視図であり、図10はさくらんぼ選別装置の斜視図である。
この選別装置にあっては、前記の開口15が円形であって、前記の支持部材31が、カム機構によって、一対の選別板片11、12の向き合う方向とは実質的に直交する方向へ移動されるように構成されている。
【0021】
そして、図8及び図3等に示すように両開き選別ユニット40が、基体45に対して回転自在に配された回転円板50の下面に、その回転円板50の円周方向へ等分間隔に設けられた貫通穴52の数に対応させて装着され、支持部材31に設けられたカムフォロア33が、回転円板50の下側で基体45に固定されたカム板体60に設けられた溝カム62に嵌って案内されている(図10参照)。
なお、図8には、両開き選別ユニット40外形とカムフォロア33については一部のみについて点線で表示し、他は省略して記載してある。また、回転円板50の回転方向Rを矢印で示してある。
【0022】
また、回転円板50の外周に歯車の歯部55が設けられ、その歯部55に駆動モータ70によって駆動される歯車71が噛合して、その回転円板50が軸心を中心に回転駆動されるように構成されている。これによれば、回転円板50の外周が歯車になっているため、駆動モータ70の回転を好適に減速でき、簡単に好適な駆動機構を構成できる。従って、製造コストを低減でき、保守管理を容易に行なうことができる。
なお、回転円板50の駆動装置は、これに限定されず、回転円板50を支持する支持軸を回転させるようにしてもよい。また、歯車機構に限定されることはなく、タイミングプーリとタイミングベルト、さらにはスプロケットとチェーン等の周知慣用の駆動手段を利用してもよい。
【0023】
また、65は復帰機構であり、本形態例では、図9に示すように、ガイド面部66と、へら状の送上げ部材67を構成要素としている。
ガイド面部66は、両側で開いた各一対の選別板片11、12を水平状態に戻して、両開き選別層10が複数積層されて構成される両開き積層部20に復帰させるように、下方へ回動した各選別板片11、12に下側から当接し、その選別板片11、12を上方へ回動させて水平状態となるように案内する。斜面と、それに続く平坦面により形成されており、簡単な構成で好適に案内することができる。
本形態例のガイド面部66は、基体45に固定されており、バネ板材によって設けられている。このように、ガイド面部66がバネ板材で形成されることによって、選別板片11、12が接触する際の衝撃を適宜に吸収でき、装置の運転をスムースにすることができる。
【0024】
送上げ部材67は、回転円板50の回転方向と反対方向の下方へ回動した各選別板片12にガイド面部66によって案内される前に下側から当接し、その選別板片12を上方へ回動させて実質的に水平状態となるように回転円板50の回転方向へ動く部材である(図9参照)。
つまり、回転方向と反対方向の下方へ回動した複数の積層状態の選別板片12を、下から払うように持ち上げて実質的に水平状態となるように、送上げ部材67を、回転円板50の回転速度と適宜に同調させて作動させる。これにより、垂れ下がって積層された選別板片12を、図7に示す矢印方向S1へ押圧して回動できる。また、積層状態の選別板片12が引っ掛かることなく、ガイド面部66によって好適に案内される状態となる。
これに対して、回転方向と同方向の下方へ回動した複数の積層状態の選別板片11は、ガイド面部66によって図7に示す矢印方向S2へ押圧されて回動される。つまり、積層状態の選別板片11は、回転円板50の回転に伴ってガイド面部66に案内されて水平状態に戻されるため、以上に説明した積層状態の選別板片12に対するような操作を行なう必要がない。
【0025】
この復帰機構65によれば、送上げ部材67の駆動機構として、回転円板50を回転させる駆動モータ70の動力を利用でき、簡単に構成できる。本形態例では、送上げ部材67が駆動モータ70の回転軸72に固定されており、歯車71と同速度で旋回する(図9参照)。
これによれば、簡単な構成によって確実にタイミングを合わせることができ、装置の信頼性を確保できると共に、製造コストを低減できる。
【0026】
また、80はシューターであり、図10に示すように、選別されて落下する果実等(本形態例ではさくらんぼ)を受けて収納部82へ送るように、回転円板50の各貫通穴52の位置に対応して設けられている。
本形態例では、図8や図3等に示すように、開口15a、15b、15c、15d、15eと、基部18の貫通開口19との6段階に穴の直径が設けられており、シューター80がそれぞれの開口15又は貫通開口19に対応されて設けられている。
なお、81はシューター装着用板であり、基体45の軸柱部45aに固定されている。このシューター装着用板81に、上端部を引っ掛けることによってシューター80が所定の位置に装着できる形態となっている。
これにより、傷みやすいさくらんぼも、好適に案内されて所要のサイズごとに収納部へ貯留することができる。
【0027】
次に本形態例のさくらんぼ選別装置の使用方法について簡単に説明する。
先ず、作業者が、さくらんぼ90を一粒ずつ、開口15aが形成された貫通穴52内の真ん中に置く(図3参照)。これにより、さくらんぼは両開き積層部20の上面に置かれたことになる。
次に、回転円板50が順次回転すると、開口15bが開いた状態となる。このとき、図4に示すように、さくらんぼ90が、開口15bの穴径より大きいときは、落下しないで両開き積層部20の上に留まる。
そして、図6に示すように、さくらんぼ90が、開口15cの穴径より小さいときは、落下してシューター80を介して収納部へ送られ、選別がなされる。
このようにして、開口15を順次大きくして、最後に図7に示すように、全ての選別板片11、12が開いて基部18の貫通開口19による穴径となる。
以上のように、選別作業は、重力の力によって自動的になされる。
また、前述したように復帰機構65によって、両開き積層部20も自動的に復帰する。
従って、作業者は、常にさくらんぼを、開口15aが形成された貫通穴52内の真ん中に置く作業を続けるだけで、自動的に効率よく選別がなされる。
【0028】
以上、回転テーブル方式の選別装置について説明してきたが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、無端条の軌道を運動するコンベア方式の選別装置に、以上に説明した両開き積層部20等の構成を適用してもよい。無端条の軌道を利用する場合、両開き積層部20が反転することになり、重力の作用によって、両側で開いた各一対の選別板片11、12を自動的に水平状態に戻すことができる。これにより、両開き選別層10が複数積層されて構成される両開き積層部20に容易に復帰させることができる。つまり、復帰機構を簡単に構成できる利点がある。
【0029】
以上、本発明につき好適な形態例を挙げて種々説明してきたが、本発明はこの形態例に限定されるものではなく、例えば果実以外の立体物の大きさの選別を行なう場合に応用できるなど、発明の精神を逸脱しない範囲内で多くの改変を施し得るのは勿論のことである。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】本発明にかかる果実等の選別装置に装着される両開き選別ユニットの形態例を示す平面図(A)及び側面図(B)である。
【図2】図1の形態例の底面図である。
【図3】図1の形態例のX−X断面図である。
【図4】両開き選別ユニットの作動状態を示す断面図である。
【図5】図4の状態時の両開き選別ユニットを示す底面図である。
【図6】果実等の落下時の両開き選別ユニットの作動状況を示す断面図である。
【図7】全開した状態の両開き選別ユニットの作動状況を示す断面図である。
【図8】本発明にかかるさくらんぼ選別装置の回転円板と両開き選別ユニット及び溝カムの配設関係の形態例を示す平面図である。
【図9】本発明にかかるさくらんぼ選別装置の形態例を示す斜視図である。
【図10】本発明にかかるさくらんぼ選別装置の形態例を示す側面図である。
【符号の説明】
【0031】
10 両開き選別層
11、12 選別板片
13 被接触部
15 開口
18 基部
20 両開き積層部
30 保持機構
31 支持部材
33 カムフォロア
40 両開き選別ユニット
45 基体
50 回転円板
52 貫通穴
55 歯部
60 カム板体
62 溝カム
65 復帰機構
66 ガイド面部
67 送上げ部材
70 駆動モータ
71 歯車
80 シューター
【出願人】 【識別番号】595065172
【氏名又は名称】春原 昭一
【出願日】 平成19年2月15日(2007.2.15)
【代理人】 【識別番号】100128794
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 庸悟


【公開番号】 特開2008−194654(P2008−194654A)
【公開日】 平成20年8月28日(2008.8.28)
【出願番号】 特願2007−35480(P2007−35480)