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【発明の名称】 風力選別装置
【発明者】 【氏名】青木 昭雄

【氏名】物井 哲雄

【要約】 【課題】

【解決手段】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
風力にて浮遊材と非浮遊材とに分ける風力選別装置において、浮遊材と非浮遊材との混合物の搬送手段を跨ぎ搬送方向に平行な両側壁のうち少なくとも片方の側壁の内面形状を縦方向に凹状としたケーシングと、前記内面形状が縦方向に凹状の側壁に相対するもう一方の側壁の下部から搬送手段の上面に向けて或いは搬送手段の上面と平行かつ搬送方向と概略直交する方向へ空気を噴出するノズルと、前記ノズルの空気にてノズルに相対する縦方向に凹状の側壁内面に沿って上昇、反転し、ケーシング天井に沿って搬送される浮遊物と搬送空気を排出するために前記ノズルと同じ側の側壁上方に設けられケーシングと連通する排出口と、により構成される事を特徴とする風力選別装置。
【請求項2】
前記ケーシング内面の風の流路に沿って、複数の補助ノズルを設けたことを特徴する請求項1に記載する風力選別装置。
【請求項3】
前記ケーシング内に専用の搬送手段とケーシング出口側に風流出防止フードを設けた事を特徴とする請求項1及び請求項2に記載する風力選別装置。
【請求項4】
送風機と前記ノズルとの中間に制御バルブを設け、パルス状に空気を噴出する事を特徴とする請求項1及び請求項2及び請求項3に記載する風力選別装置。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、主として廃棄プラスチック等を風力にて浮遊しやすい袋等のフィルム系とそれ以外に分別する風力選別装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、缶、瓶、プラスチックボトル、容器包装プラスチック類の有価物は、ゴミ袋につめられ再資源化プラントに送られる。再資源化プラントにおいては、有価物を梱包しているゴミ袋を破袋し、破袋後のゴミ袋、缶、瓶、プラスチックボトル、容器包装プラスチック類を選別回収している。
【0003】
一般的に選別は、人手により行われている。しかしこの作業は、極めて非効率であるため部分的に機械化も試みられている。容器包装プラスチックには、ゴミ袋を含むプラスチックの袋、薄手のプラスチックシート等風力で浮遊しやすいプラスチック(以後プラスチックフィルム類と呼ぶ)と、プラスチックボトル、プラスチックのおもちゃ(異物)、金属ごみ(異物)等風力で浮遊し難いプラスチック(以後ハードプラスチック類と呼ぶ)とが混在している。これらをベルトコンベア上に流し、目視による手選別が実施されているが、特にプラスチックフィルム類は嵩密度が低く嵩張るため、目視による異物の視認を難しくしている。このためプラスチックフィルム類と異物を含むハードプラスチック類とを機械的に分離できれば、次工程での人手による選別の効率と精度は、飛躍的に向上する。
【0004】
特許文献1および特許文献2は、渦気流を発生させプラスチックフィルム類を吸引分離するものである。
特許文献3および特許文献4は、メッシュ下から風を吹き込み、浮遊物を上方に浮かせ選別するものである。
特許文献5は、従来から普及しているジグザグ風力選別装置の改良型である。
特許文献6は、混合物の搬送コンベアの真上からエアーを噴きつけフィルム等をコンベアの両側面に吹き落とし、分別するものである。
【0005】
【特許文献1】特開2001−106233号公報
【特許文献2】特開2002−308018号公報
【特許文献3】特開2004−3139110号公報
【特許文献4】特開2001−461083号公報
【特許文献5】特開平6−2392310号公報
【特許文献6】特開平8−51629号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
異物の混入が少ないプラスチックフィルム類と、異物を多く含むハードプラスチック類の機械分別の方法として、前記特許文献1、2は、選別コンベアに多用されているベルトコンベア上からフィルム類等浮遊物を選別吸引できる点で他の方法に比べて実用的である。しかしながら、特許文献1、2に記載される渦気流による吸引法は、他の参考文献に記載される吹き上げ法あるいは吹き落とし法に比べて高速の気流が必要となるため、エネルギー効率が悪い他、ノズルの本数が多くこれに付随する空気配管が煩雑になる等の問題も有する。
【0007】
特許文献3、4に記載される吹き上げ法は、風を被選別物の下から送風するため、被選別物の搬送面は空気が通過できる貫通孔が必要となり、通常メッシュコンベアあるいはメッシュテーブルが使われる。このためプラント構成が複雑になる。特に既存施設への適用は難しい。
特許文献5に記載される吹きおとし法は、軽いフィルム上に重いハードプラスチックが重なった場合、軽いフィルムを吹き落とせないためフィルム系の分離性能に問題がある。
【0008】
本発明は、上記問題点を解決し、主として、廃棄プラスチック中のフィルム等の浮遊材と、それ以外のものとを、ベルトコンベア等で構成される一般的な搬送手段上で分離する簡易的な風力分別装置を提供する事を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題は以下の手段により解決される.
【0010】
請求項1の発明は、風力にて浮遊材と非浮遊材とに分ける風力選別装置において、浮遊物と非浮遊物の混合物の搬送手段を跨ぎ搬送方向に平行な両側壁のうち少なくとも片方の側壁の内面形状を縦方向に凹状としたケーシングと、前記内面形状を縦方向に凹状とした側壁と相対するもう一方の側壁の下部から搬送手段の上面に向けて或いは搬送手段の上面と平行に搬送方向と概略直交する方向へ空気を噴出するノズルと、前記ノズルの空気にてノズルに相対する縦方向に凹状の側壁内面に沿って上昇、反転し、ケーシング天井に沿って浮遊物と搬送空気を排出する前記ノズルと同じ側の側壁上方に設けられた排出口と、により構成される事を特徴としている。
【0011】
前記構成によりノズルから噴射された空気は、搬送コンベアの横方向から搬送コンベア面を横断し、ノズルと相対する側に配置されている内面が凹状の側壁内面に沿って上方に吹き上がり反転し、更に天井面に沿って、ノズル側の側壁上方にある排出口から排出される。浮遊物は、前記空気の流れに乗り空気とともに排出口から排出される。また、非浮遊物は搬送コンベアにより次工程へ搬送される。
ゴムベルトコンベアが主流である既存の搬送、選別コンベアの上部に設置する事が可能である。
【0012】
請求項2の発明は、前記ケーシング内面の風の流路に沿って、複数の補助ノズルを設けたことを特徴としている。請求項1に記載するノズルのみでも目的は達成できるが、前記ノズルからの空気は、被選別物に当たり、その一部は散乱される。風の流路にそって複数の補助ノズルを設けることにより浮遊物を更に確実に排出口へ導く事ができる。
【0013】
請求項3の発明は、前記ケーシング内に専用の搬送手段とケーシング出口側に風流出防止フードを設けたことを特徴としている。
請求項1、2の発明の搬送コンベアは、次工程の手選別コンベアと兼用できる。この場合の問題点として、ケーシングが搬送コンベアを跨ぐ形で設置されているためケーシングの入口及び出口からノズルから噴出された空気の一部がケーシング外に流出する。一般に、入口側は破袋機或いは破砕機と隣接するためケーシングのカバーと破袋機或は破砕機のカバーとを連結させ、空気が外部に漏れないようにすることは容易である。しかし、出口側の開口は、コンベア搬送物の搬送を阻害しない寸法が確保されなければならない。即ち、出口側の開口の寸法は、手選別コンベア上に少なくとも高さが50センチメートル程度、幅が手選別コンベアと同等となる。また出口側は作業員が常時存在する作業区画となるため、風力選別用の空気の流出は問題となる。前記発明によればこの手選別コンベアの上方に風力選別装置専用のフード内コンベアと風流出防止フードにより、吹き上げ空気の外部流出を抑える事ができる。
【0014】
請求項4の発明は、送風機とノズルの中間に制御バルブを設け、パルス状に空気を噴出する事を特徴としている。搬送コンベアにて搬送される被選別物は、前記ケーシング内で横風を受け、縦に凹状の側壁内面下部に押し付けられる。このうち浮遊物は凹状側壁内面に沿って上方へ吹き上げられ、排出口から分離排出される。一方、未破袋物又は浮遊物と非浮遊物が絡み合っているものは、凹状側壁内面下部に押し付けられ凹部に入り込み、空気の流れと搬送物の流れを阻害する。
これは、横風を一時的に止める事により解消する。空気の噴出をとめると、凹状の側壁内面に横風により押し付けられていた被選別物は、搬送コンベア上に落下し出口側に搬送される。言い換えれば、空気の噴出を周期的に行う事により安定した運転が可能となる。
【発明の効果】
【0015】
一般的なゴム製等のベルトコンベアを跨いで設置できるため、プラントのレイアウトがきわめて容易である。特に既存プラントへの設置が容易である。
これにより廃棄プラスチックスの選別において、選別要員の削減と選別能率の向上に貢献できる。
コンベア上で吸引する従来型の渦気流吸引法と比べ、低圧の送風機の利用が可能なため 省エネルギーである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
本発明の第1の実施形態における風力分別装置の縦断面(搬送方向と平行)概略図を図1に、図1のA−A断面図を図2に、第2の実施形態における風力分別装置の縦断面概略図(搬送方向と平行)を図3に、図3のA−A断面図を図4に示す。
【0017】
第1の実施形態における風力分別装置について図1と、図2とを用いて以下に詳述する。
本体1は浮遊物と非浮遊物が混在する被分別物が流入する入口2と、分離された浮遊物Fが排出される浮遊物排出口3(図2)と、主として非浮遊物Sが排出される非浮遊物出口4と、非分別物中の浮遊物Fを風力にて分別するケーシング5と、ケーシング5に風を噴出する吹き上げノズル6と、浮遊物Fの上昇を補助する補助ノズル7と、ケーシング5の天井に沿って浮遊物Fを外部へ排出する排出ノズル8と、から構成される。
【0018】
ケーシング内面の断面形状(搬送方向と垂直な断面)は図2に示すように吹き上げノズル6側の側壁内面と、搬送コンベア9の上面と、吹き上げノズル6と相対する側壁内面と、ケーシングの天井と、により概略D型となっており、搬送コンベア9の上面に斜め上方向から噴射された空気は、浮遊物Fを巻き上げ、前記D型ケーシング内面に沿って浮遊物Fと共に浮遊物排出口3から排出される。ケーシングの入口側には被分別物の入口2の開口をもつ平板上の入口側フード10が、出口側には非浮遊物Sの出口4の開口をもつ出口側フード11が設けられている。
前記入口側フード10と出口側フード11は、ケーシング内の風と浮遊物Fを浮遊物排出口3へ導くと共に風がケーシング外へ流出するのを軽減している。
【0019】
第1の実施形態における風力分別装置において、吹き上げノズル6から噴射される空気が被分別物にあたり散乱され、その一部は被分別物が流入する入口2及び非浮遊物Sが排出される非浮遊物出口4から外部に流出する。このうち入口2は、一般に破袋機又は破砕機に隣接して設けられるため、これらとの間を密閉する事が可能である。しかしながら、出口4は、これに続いて選別ライン、言い換えれば作業区画となるため作業環境の観点から空気の流出をできるだけ抑える事が必要となる。
【0020】
出口4からの空気の流出は、吹き上げノズル6を搬送コンベア9のベルト上面に直射せず、ベルト上面から適当な距離はなれかつ平行に噴射する事により軽減できる。この場合、ベルト上面近くに堆積して搬送される浮遊物Fには風があたらないため分離されず非浮遊物側に排出される。しかしプラスチック選別作業において、浮遊物Fと非浮遊物Sの分別が完全でなくても実用上効果がある。即ち、被分別物に含まれる浮遊物Fのうち、例えば重量で半分を分離、分岐できれば、選別ライン上を流れる被分別物の嵩が大きく減少し、目視による異物の視認が極めて容易となる。したがって、第1の実施例でも実用的であることが多い。
【0021】
第2の実施形態における風力分別装置は、空気の流出を更に軽減するために考案されたものである。
第2の実施形態における風力分別装置について図3と、図4とを用いて以下に詳述する。
本体1は浮遊物Fと非浮遊物Sが混在する被分別物が流入する入口2と、分離された浮遊物Fが排出される浮遊物排出口3と、主として非浮遊物Sが排出される非浮遊物出口4と、被分別物中の浮遊物Fを風力にて分別するケーシング5と、ケーシング5内に風を噴出する吹き上げノズル6と、浮遊物Fの上昇を補助する補助ノズル7と、ケーシング5の天井に沿って浮遊物Fを外部へ排出する排出ノズル8と、ケーシング内専用コンベア12と、風流出防止フード13と、から構成される。
【0022】
ケーシング内面の断面形状(搬送方向と垂直断面)は図3に示すように吹き上げノズル6側の側壁内面と、ケーシング内専用コンベア12の上面と、吹き上げノズル6に相対する側壁内面と、ケーシング5の天井により、概略D型となっている。ケーシング内専用コンベア12の上面に斜め上方向から噴射された空気は、浮遊物Fを巻き上げ、前記D型ケーシング内面に沿って浮遊物Fと共に浮遊物排出口3から排出される。ケーシングの入口側には被分別物の入口2をもつ平板上の入口側フード10が、出口側には非浮遊物Sの出口4をもつ出口側フード11が設けられている。
【0023】
更に出口4の下流には風流出防止フード13が設けられている。このフードの開口部の高さ位置は少なくともフード内コンベア12の上面より下方とすることにより、出口4から直接横方向に吹き出す空気をはねかえすことができる。またこのフードでできる空間を上部から吸引送風機14にて吸引し、負圧にする事によりフード外への空気の流出を完全に防ぐ事ができる。
【産業上の利用可能性】
【0024】
本発明に係わる風力分別装置は、廃棄プラスチック等の浮遊材Fと非浮遊物Sが混在する搬送物から浮遊物Fを分別、分岐できる。特に従来法の適用が難しい、浮遊物Fが、プラスチック片、紙片状で風に飛びやすく、かつ寸法が大きく場合に最適である。また、廃棄プラスチック選別コンベア上に設置できる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】本発明における、第1の実施形態を示した風力選別装置の縦断面概略図(搬送方向と平行)である。
【図2】図1のA−A断面図である。
【図3】本発明における、第2の実施形態を示した風力選別装置の縦断面概略図(搬送方向と平行)である。
【図4】図3のA−A断面図である。
【符号の説明】
【0026】
1・・・本体、2・・・入口
3・・・浮遊物排出口、4・・・出口
5・・・ケーシング、6・・・吹き上げノズル
7・・・補助ノズル、8・・・排出ノズル
9・・・搬送コンベア、10・・・入口側フード
11・・・出口側フード、12・・・ケーシング内専用コンベア
13・・・風流出防止フード、14・・・吸引送風機
15・・・制御バルブ、16・・・送風機
F・・・浮遊物、S・・・非浮遊物
【出願人】 【識別番号】305039747
【氏名又は名称】青木 昭雄
【識別番号】593210651
【氏名又は名称】株式会社物井工機
【出願日】 平成19年2月14日(2007.2.14)
【代理人】
【公開番号】 特開2008−194624(P2008−194624A)
【公開日】 平成20年8月28日(2008.8.28)
【出願番号】 特願2007−32843(P2007−32843)