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【発明の名称】 気流式分級機
【発明者】 【氏名】林元 和智

【要約】 【課題】ケーシング内部の清掃性および洗浄性を向上させ得る気流式分級機を提供する。

【解決手段】この気流式分級機1は、上流側から気流搬送される粉砕物を分散するための分散部30を有する分散領域Vと、その分散領域Vに連続して設けられて分散領域Vから気流搬送される粉砕物を遠心分級するための分級翼8、9を有する分級領域Sとを内部に有するケーシング6を備えている。そして、このケーシング6は、分散領域Vを画成する分散部ケーシング4と、分級領域Sを画成する分級部ケーシング5と、これら分散部ケーシング4および分級部ケーシング5相互を、互いの当接部分(フランジ32)から支軸となるケーシング開閉ヒンジ20を介して開閉可能な開閉手段とを備えて構成されている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
上流側の管路から気流搬送される粉砕物を分散するための分散部を有する分散領域と、その分散領域に連続して設けられて前記分散領域から気流搬送される粉砕物を遠心分級するための分級翼を有する分級領域とを内部に有するケーシングを備える気流式分級機であって、
前記ケーシングは、前記分散領域を画成する分散部ケーシングと、前記分級領域を画成する分級部ケーシングと、前記分散部ケーシングに対して前記分級部ケーシングを、互いの当接部分から、前記分級翼と共に前記分級部ケーシングが一体で開閉されるように支軸を介して連結する開閉手段とを備えていることを特徴とする気流式分級機。
【請求項2】
前記分散部は、前記上流側の管路に連接する分散部基部と、その分散部基部上に載置またはインロー嵌合されることで所定の位置に位置する分散部本体部とを備えて構成されていることを特徴とする請求項1に記載の気流式分級機。
【請求項3】
前記分級翼は、回転軸に着脱可能に固定されるとともにその回転軸に対し放射状に穿設された複数のスリットを有するボスと、そのボスの複数のスリットそれぞれに基端部を挿入可能な複数の羽根と、その羽根の基端部を前記ボスの表裏の側から挟持しつつ前記ボスに着脱可能に固定する一対の挟持プレートとを備えて構成されていることを特徴とする請求項1または2に記載の気流式分級機。
【請求項4】
前記複数の羽根の基端部は、前記ボスの軸方向の端面よりも突出するとともに前記一対の挟持プレートの少なくとも一方に対向する斜面をもつ拡幅部を有し、前記一対の挟持プレートの少なくとも一方は、各羽根の拡幅部およびその斜面の形状に対応して形成された斜面をもつ有底の溝部を有し、当該溝部の斜面と各羽根の拡幅部の斜面とを当接させることによって各羽根の位置決めがなされるようになっていることを特徴とする請求項3に記載の気流式分級機。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、農産物や鉱物等の各種原料を粉砕した粉砕物を分級するための気流式分級機に関する。
【背景技術】
【0002】
この種の気流式分級機は、図4に例示する気流式粉砕機100のように、複数のフランジ132,133等を多数のボルト・ナットに締結することによって実質的に一体構造をなすケーシング106を有している。そして、このケーシング106は、例えば粉砕機(不図示)の下流側に連続して設けられる供給管路114を備えており、この供給管路114からケーシング106内に、分級原料を粉砕した粉砕物および一次エアRAを導入するようになっている。そして、このケーシング106は、その内部に、導入される粉砕物を分散するための分散領域Vと、その分散領域Vに連続して設けられて分散領域Vから気流搬送される粉砕物をさらに微粉砕物と粗粉砕物とに遠心分級するための分級領域Sとを備えて構成されており、各種原料を粉砕した粉砕物を分級可能になっている(例えば特許文献1〜3参照)。
【特許文献1】特開平05−285412号公報
【特許文献2】特開2003−80174号公報
【特許文献3】特開2005−324127号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところで、近年、食品や医薬の原料の粉砕物に関しても、より精密な分級が求められている。また、食品や医薬で使用する機器は、その分解および組み立てが容易であることや、清掃性や洗浄性が良好であることが求められている。
しかしながら、従来の気流式粉砕機は、主に工業系材料を分級する用途で用いられていたことから、例えば上記図4に示すように、本体部分を構成するケーシング106は、複数のフランジ132,133等を多数のボルト・ナットに締結することによって実質的に一体構造をなしており、食品や医薬の原料の粉砕物をより精密に分級するために用いられる分級機に求められる分解および組み立て性には未だ検討の余地が残されている。また、それに伴うケーシング内部の清掃性および洗浄性に関しても検討の余地が残されている。
【0004】
そこで、本発明は、このような問題点に着目してなされたものであって、ケーシング内部の清掃性および洗浄性を向上させ得る気流式分級機を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するために、本発明は、上流側の管路から気流搬送される粉砕物を分散するための分散部を有する分散領域と、その分散領域に連続して設けられて前記分散領域から気流搬送される粉砕物を遠心分級するための分級翼を有する分級領域とを内部に有するケーシングを備える気流式分級機であって、前記ケーシングは、前記分散領域を画成する分散部ケーシングと、前記分級領域を画成する分級部ケーシングと、前記分散部ケーシングに対して前記分級部ケーシングを、互いの当接部分から、前記分級翼と共に前記分級部ケーシングが一体で開閉されるように支軸を介して連結する開閉手段とを備えていることを特徴としている。
【0006】
本発明に係る気流式分級機によれば、そのケーシングは、分散部ケーシングおよび分級部ケーシングを備えて構成され、これら分散部ケーシングおよび分級部ケーシング相互は、支軸を介して相互を連結する開閉手段によって互いの当接部分から開閉可能なので、例えば上記図4に示した従来のケーシングのように、そのフランジを多数のボルト・ナットに締結することによって実質的に一体構造をなすケーシングに比べて、本発明に係る気流式分級機のケーシングは、ケーシングを容易に開閉することができる。そのため、ケーシング内の清掃性および洗浄性に優れている。そして、分級翼と共に分級部ケーシングが一体で開閉されるようになっているので、ケーシングを開いた状態では、分散部ケーシング側に分散部が位置し、分級部ケーシング側に分級翼が位置する。したがって、ケーシングを開いた状態での分散部および分級翼の視認性が良く、それぞれの分解や組み付けを行い易い。
【0007】
ここで、本発明に係る気流式分級機において、前記分散部は、前記上流側の管路に連接する分散部基部と、その分散部基部上に載置またはインロー嵌合されることで所定の位置に位置する分散部本体部とを備えて構成されていることは好ましい。このような構成であれば、分散部本体部は、分散部基部上に載置またはインロー嵌合されることで所定の位置に位置しているので、分散部基部に対し容易に着脱可能である。そのため、この分散部本体部を、開閉手段でケーシングを開いた部分からケーシングの外部に取り出し、ケーシングの外部においてその清掃や洗浄を行うことができる。したがって、清掃性および洗浄性を向上させる上で一層好適である。
【0008】
また、本発明に係る気流式分級機において、前記分級翼は、回転軸に着脱可能に固定されるとともにその回転軸に対し放射状に穿設された複数のスリットを有するボスと、そのボスの複数のスリットそれぞれに基端部を挿入可能な複数の羽根と、その羽根の基端部を前記ボスの表裏の側から挟持しつつ前記ボスに着脱可能に固定する一対の挟持プレートとを備えて構成されていることは好ましい。このような構成であれば、分級翼を構成する羽根を、一対の挟持プレートによってボスの表裏の側から挟持しつつボスに着脱可能に固定することができるので、分級翼の分解および組み立てが可能であり、これにより、その清掃性および洗浄性を一層向上させることができる。
【0009】
また、本発明に係る気流式分級機において、前記複数の羽根の基端部は、前記ボスの軸方向の端面よりも突出するとともに前記一対の挟持プレートの少なくとも一方に対向する斜面をもつ拡幅部を有し、前記一対の挟持プレートの少なくとも一方は、各羽根の拡幅部およびその斜面の形状に対応して形成された斜面をもつ有底の溝部を有し、当該溝部の斜面と各羽根の拡幅部の斜面とを当接させることによって各羽根の位置決めがなされるようになっていることは好ましい。このような構成であれば、各羽根の拡幅部およびその斜面と、挟持プレートの有底の溝および斜面をもつ溝部とを対向させて当接させることによって、各羽根の位置決めが可能なので、分級翼を分解後の再組み立てが一層容易であり、また、分解前の位置を簡単に再現することができる。
【発明の効果】
【0010】
上述のように、本発明によれば、ケーシング内部の清掃性および洗浄性を向上させ得る気流式分級機を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、本発明の一実施形態について、図面を適宜参照しつつ説明する。
図1は本発明に係る気流式分級機の一実施形態の説明図であり、同図では、気流式分級機をその軸線を含む断面図で示している。
同図に示すように、この気流式分級機1は、上下に延びる略円筒状のケーシング6を有している。そして、このケーシング6は、ケーシング6内に連通するとともにケーシング6の下方から延出する管路である供給管路14を備えている。この供給管路14は、例えば粉砕機(不図示)の下流側に連続して設けられており、その粉砕機で分級原料を粉砕した粉砕物および一次エアRAを、この供給管路14からケーシング6内に導入可能になっている。そして、このケーシング6は、その内部に、上流側の供給管路14から導入される粉砕物を分散するための分散部30を有する分散領域Vと、その分散領域Vに連続して設けられて分散領域Vから気流搬送される粉砕物をさらに微粉砕物と粗粉砕物とに遠心分級するための第一分級翼8および第二分級翼9を有する分級領域Sとを備えて構成されており、各種原料を粉砕した粉砕物を分級可能になっている。
【0012】
以下、この気流式分級機1について図1および図2を適宜参照しつつより詳しく説明する。なお、図2は、気流式分級機1の分級領域に位置する分級翼を説明する図であり、同図(a)は図1での要部を拡大して示しており、また、図2(b)は同図(a)でのA−A断面図である。
図1に示すように、ケーシング6は、その上方に、内部に上記分級領域Sを有する分級部ケーシング5を備え、また、その下方に、内部に上記分散領域Vを有する分散部ケーシング4を備えて構成されている。上方の分級部ケーシング5は、略円錐筒状に形成され、その下端が最も径の大きな部分になっており、その下端周囲に円環状に張り出すフランジ32aが形成されている。
【0013】
また、下方の分散部ケーシング4は、上部に位置する上部分散部ケーシング2と、下部に位置する下部分散部ケーシング3とを有している。上部分散部ケーシング2は、下方に向けて徐々に縮径する円錐台筒状をなし、下部分散部ケーシング3は円筒状に形成されている。そして、上部分散部ケーシング2は、その上端が、最も径の大きな部分になっており、その上端周囲に円環状にフランジ32bが形成されている。また、上部分散部ケーシング2の下端および下部分散部ケーシング3の上端相互は、円環状に張り出す分散部連結フランジ33によって相互にボルト・ナットで締結されている。そして、上記分散部ケーシング4内の分散領域Vには、その下端側から上記供給管路14の前端部が分散領域V内に位置するように分散部ケーシング4と同軸に装入されており、この供給管路14の前端部が上記分散部30に接続している。
【0014】
この分散部30は、供給管路14によってケーシング6の軸線に沿ってその下方から上方に向かう一次エアRAとともに導かれた粉砕物を、ケーシング6内に導入可能に設けられている。また、分散部ケーシング4の下端(下部分散部ケーシング3の下端)は、下方斜めに向けて略逆円錐状に形成された下部ケーシング17に接続しており、この下部ケーシング17の先端に粗粉回収タンク18が配設されている。なお、下部分散部ケーシング3下端および下部ケーシング17の上端相互は、円環状に張り出す下部連結フランジ34によって相互にボルト・ナットで締結されている。
【0015】
ここで、この気流式分級機1のケーシング6は、図1に示すように、上記分散部ケーシング4および分級部ケーシング5相互を、相互の当接部分であるフランジ32aおよびフランジ32b(以下、合わせて上部フランジ32ともいう)が、従来のボルト・ナットによる締結構造に替えて、ケーシング6を開閉可能とする開閉手段を備えて構成されている。
【0016】
詳しくは、上記下部連結フランジ34のうち下部ケーシング17側のフランジ34bには、水平方向に張り出す平板状の開閉ベース21が連結固定されている。この開閉ベース21は、開閉手段の基部になっており、その上面には、開閉ヒンジ支柱22がケーシング6寄りの側に立設され、さらに、その開閉ヒンジ支柱22よりも外側(ケーシング6側とは反対の側)の位置には、開閉ヒンジ支柱22に適宜離間してストッパ支柱23が立設されている。そして、このストッパ支柱23の上端部には、上面を水平に配された矩形状の板部材からなるストッパ面23aが形成されている。なお、これら開閉ヒンジ支柱22およびストッパ支柱23は、互いの上部側が水平な連結梁23bによって相互に連結されており、必要な強度が確保されている。
【0017】
一方、上記分級部ケーシング5には、開閉アーム24が固定されている。この開閉アーム24は、上記開閉ヒンジ支柱22が配置されている側に設けられている。そして、この開閉アーム24は、円錐筒状の分級部ケーシング5の外縁に沿った形状をもつ板部材であり、この開閉アーム24の上端部が分級部ケーシング5の上端側に固定され、また、開閉アーム24の下端部が分級部ケーシング5のフランジ32a上面に固定されている。さらに、この開閉アーム24には、そのフランジ32a上面に固定されている部分よりも下方に向けて張り出す平板状の連結腕24aが一体に設けられている。そして、この連結腕24aの下端部が、開閉手段の支軸となるケーシング開閉ヒンジ20を介して上記開閉ヒンジ支柱22の上端部に連結されている。
【0018】
さらに、ケーシング6の上部フランジ32には、ロックアーム26が設けられている。このロックアーム26は、ケーシング6に対し、ケーシング開閉ヒンジ20が設けられている側とは反対の側に設けられ、ロックアーム26の基端部は、ケーシング固定ヒンジ25を介してフランジ32bに連結されている。そして、このロックアーム26は、トグル等の周知のクランプ構造を有して構成されており、ケーシング固定ヒンジ25まわりに自身を上方に回動させ、フランジ32a上面に位置させた状態でクランプ状態とすることによって、フランジ32aおよびフランジ32b相互を挟持して固定可能であり、また、そのクランプ状態を解除して、ケーシング固定ヒンジ25まわりに自身を下方に回動させ、フランジ32b下面に位置させた状態とすることで、上記ケーシング開閉ヒンジ20を支軸(支点)として、分散部ケーシング4および分級部ケーシング5相互を、上部フランジ32の部分から開閉可能になっている。
【0019】
そして、この気流式分級機1は、分級部ケーシング5側が、いわば蓋として開閉されるが、その分級部ケーシング5をケーシング開閉ヒンジ20まわりに回動させて開いたときに、上記平板状の連結腕24aの面のうち外側を向く面24bが、ストッパ支柱23上部のストッパ面23aに当接するように設けられている。これにより、分級部ケーシング5は、その当接した位置において、第一分級翼8および第二分級翼9を回転させる駆動シャフト10の軸線が丁度水平に位置するようになっている(後述する図3参照)。
【0020】
さらに、この気流式分級機1は、上記分散部30が、供給管路14に連接する分散部基部37と、その分散部基部37上に載置され且つインロー嵌合されることで所定の位置に着脱可能に位置する分散部本体部である分散セル7とを備えて構成されている。
詳しくは、図1に示すように、分散セル7は、その上端部に略円錐状をなす尖塔部35を有し、また、その尖塔部35から下方に延びる小径部36を有している。これら尖塔部35と小径部36とは一体をなしている。そして、その小径部36は、上記供給管路14と同軸に配置され、供給管路14に連通する管路になっている。また、ケーシング6の軸心とも同軸に配設される。さらに、この分散部7は、その尖塔部35の直下に、供給管路14から小径部36に導かれた粉砕物を一次エアRAとともにケーシング6内に導入可能な円環状の粉砕物導入口38を有している。また、この粉砕物導入口38に対し軸方向での下方に適宜の距離を隔てた位置に、円環状の二次エア導入口39を有して構成されている。さらに、この二次エア供給管路29は、その下端部に、円環状に張り出して設けられた二次エア導入口フランジ31を有している。なお、この分散セル7は、上記開閉手段によってケーシング6を開いた開口部分からケーシング6の外部に取り出せる大きさである。
【0021】
一方、供給管路14に連接する分散部基部37は、供給管路14の上端部の周囲に、円形状の凹部14aを有している。そして、この円形状の凹部14aの周囲を囲むように、上記の二次エア供給管路29が形成されている。この二次エア供給管路29は、円環状に設けられるとともに上方に延びて分散部7の小径部36を囲繞している。また、この二次エア供給管路29の外側面には、二次エアを供給するための二次エア供給口16が付設されている。さらに、この二次エア供給管路29の上端には、二次エア供給口16よりも上部の位置に、水平方向に円環状に張り出すフランジ30aが設けられている。そして、このフランジ30aおよび上記二次エア導入口フランジ31は互いに対向する位置に位置するように構成されており、このフランジ30aの上面に、分散セル7側の二次エア導入口フランジ31の下面が当接することで、分散セル7が載置されるようになっている。
【0022】
さらに、分散セル7の小径部36は、その先端36aが、分散部基部37の凹部14aに対し同軸に位置するように構成されている。さらに、小径部36の先端36a外径および分散部基部37の凹部14a内径相互は、互いを軸方向に沿って殆ど隙間なく摺動させつつ着脱可能な嵌め合わせである、いわゆるインロー嵌合になるように互いの寸法が設定されている。また、分散セル7は、その載置された位置を所定の位置とし、その所定の位置において、二次エア導入口39が二次エア供給管路29に連通するように形成されている。これにより、二次エア供給口76から二次エアA2が供給されると、二次エア供給管路29を介してその上部の二次エア導入口39からケーシング6内に二次エアA2を導入可能になっている。また、その所定の位置において、粉砕物導入口38は、供給管路14から小径部36に導かれた粉砕物を一次エアRAとともにケーシング6内に導入可能になっている。
【0023】
さらに、この気流式分級機1は、上記分級領域Sに位置する第一分級翼8および第二分級翼9(以下、単に各分級翼8、9ともいう)が、回転軸である駆動シャフト10に着脱可能に固定されている。
詳しくは、図2に拡大図示するように、この駆動シャフト10は、その先端側に小径部10aを有し、この小径部10a先端面には、雌ねじ10bが同軸に形成されている。なお、この小径部10aには、その略全長に亘ってキー溝が加工されており、そのキー溝にキー53が挿入されている。
【0024】
ここで、図2(b)に示すように、上記第一分級翼8は、第一分級翼ボス44と、その周囲に放射状に設けられる複数の第一羽根51と、複数の第一羽根51を第一分級翼ボス44に着脱可能に固定するための一対の挟持プレート46、47とを備えて構成されている。また、上記第二分級翼9は、第二分級翼ボス45と、その周囲に放射状に設けられる複数の第二羽根52と、複数の第二羽根52を第二分級翼ボス45に着脱可能に固定するための一対の挟持プレート46、47とを備えて構成されている。
【0025】
より詳細には、上記第一分級翼ボス44および第二分級翼ボス45(以下、単に各ボス44、45ともいう)は、いずれも円環状に形成されており、その中心部に上記駆動シャフト10の小径部10aを挿通可能な貫通孔をそれぞれ有している。なお、各ボス44、45中心の貫通孔は上記キー53に対応するキー溝を有している。そして、各ボス44、45には、その円環状の外周側の部分に、複数のスリット54が放射状にそれぞれ穿設されている。また、各ボス44、45には、その表裏の面のそれぞれに、一対の挟持プレート46、47を装着するための雌ねじ44aが、周方向に等間隔に4箇所形成されている。
【0026】
一方、上記第一羽根51および第二羽根52(以下、単に各羽根51、52ともいう)は、各ボス44、45のスリット54に挿入可能な厚さをもつ略矩形状の板部材であり、各羽根51、52は、それぞれの基端部51b、52bが各ボス44、45のスリット54に挿入されるようになっている。また、各羽根51、52の先端それぞれには、傾斜面51a、52aが形成されている。ここで、各羽根51、52の傾斜面51a、52aは、ケーシング6内でのテーパ壁5aおよびガイドピース48にそれぞれ適切な隙間を有して対向するように形成されており(図1参照)、これにより、分級作用を発生させるようになっている。なお、分級領域Sでの分級後の粉砕物の粒径は、各分級翼8、9の羽根51、52の先端部の傾斜面51a、52aとテーパ壁5aおよびガイドピース48との対向距離を適宜調整することによって所望の粒径に設定可能になっている。
【0027】
さらに、各羽根51、52は、その基端部51b、52bに、拡幅部51k、52kをそれぞれ有して形成されている。各羽根51、52の拡幅部51k、52kは、各羽根51、52が装着される各ボス44、45の軸方向の端面よりも表裏それぞれの側に略矩形状に突出して形成されている。また、各拡幅部51k、52kは、駆動シャフト10の先端側に突出している側、且つ自身の先端側の部分に、端部を斜めに切り欠いて形成された斜面51s、52sを有している。そして、各斜面51s、52sは、各拡幅部51k、52kの基端部から先端部に向けて各拡幅部51k、52kの幅が狭くなるように傾斜する面によって形成されている。
【0028】
さらに、上記一対の挟持プレート46、47は、それぞれ板部材から円環状に形成されており、各挟持プレート46、47の内径は、駆動シャフト10に干渉しない大きさ且つ上記雌ねじ44a上部を覆うことのできる寸法に形成され、また、その外径は、各ボス44、45の外周よりも径方向に張り出すとともに、各羽根51、52を軸方向両側から確実に挟持するために必要な長さとなる寸法に形成されている。そして、この一対の挟持プレート46、47のうち、各羽根51、52に対し駆動シャフト10の先端側から対向する下側挟持プレート47は、各羽根51、52に対向する側の面に円環状の溝部47mを有している。この円環状の溝部47mは、各羽根51、52の拡幅部51k、52kおよびその斜面51s、52sの形状に対応して形成されたテーパ状の斜面をもつ有底の溝である。なお、他方の上側挟持プレート46についても、各羽根51、52に対向する側の面に円環状の有底の溝部46nを有して形成されている。この円環状の溝部46nは、矩形(長方形)状に突出している拡幅部51k、52kの形状に対応した矩形(長方形)状の溝に形成されており、テーパ状の斜面形状は有していない。
【0029】
そして、各分級翼8、9を組み付ける際には、図2(b)に示すように、各ボス44、45に形成された複数のスリット54それぞれに、第一および第二羽根51、52をそれぞれ挿入し、挿入された各羽根51、52を、図2(a)に示すように、各ボス44、45の表裏(軸方向)の両側から一対の挟持プレート46、47によって挟む。そして、一対の挟持プレート46、47のうち、上側挟持プレート46を羽根固定第二ボルト43にて着脱可能に固定し、また、下側挟持プレート47を羽根固定第一ボルト42にて着脱可能に固定することで各分級翼8、9の組み立てがなされる。このとき、一対の挟持プレート46、47は、各羽根51、52の拡幅部51k、52kに対応して形成された有底の溝部46n、47mを有し、特に、下側挟持プレート47は、各羽根51、52の斜面51s、52sに対応して形成されたテーパ状の斜面をもつ有底の溝部47mを有しているため、この溝部47mのテーパ状の斜面と各羽根51、52の拡幅部の斜面とを互いに当接させることによって各羽根51、52の位置決めがなされるようになっている。
【0030】
そして、図2(a)に示すように、上記駆動シャフト10に、その小径部10aの基端部側から順に、円環状の調整カラー50、第二分級翼9、中間カラー49、第一分級翼8が挿入され、次いで、小径部10a先端面の側から分級翼固定プレート41が装着され、分級翼固定ボルト40を雌ねじ10bに締結することによって、上記第一および第二分級翼8、9が分級部ケーシング5と同軸に配設された駆動シャフト10の先端に装着されるようになっている。これにより、同図に示すように、分級部ケーシング5内の分級領域Sに二層の第一分級翼8および第二分級翼9が軸方向の所定位置に離間して配置可能であり、また、分級翼固定ボルト40を取り外すことによって、小径部10aに挿入した上記各部品を容易に取り外せるようになっている。
【0031】
さらに、図1に示すように、ケーシング6の上方には、フレーム11が付設され、このフレーム11の外部上方に駆動モータ12が付設されている。そして、上記駆動シャフト10は、その途中部分がフレーム11内の軸受13によって支持されるとともに、その基端側が駆動モータ12の出力軸に接続されている。これにより、この駆動モータ12を駆動することによって二層をなす第一分級翼8および第二分級翼9を同時に回転可能であり、これら第一および第二分級翼8、9によって、分散領域Vから気流搬送される粉砕物を遠心分級可能になっている。そして、各分級翼8、9の上側となるケーシング6頂部側の側面には、二層の分級翼8、9間を通過した微粉砕物および気流AKだけを導くようにした吐出管路15が連通して形成されており、この吐出管路15から微粉砕物が回収されるようになっている。なお、駆動シャフト10の旋回方向は、その旋回によって分級翼固定ボルト40がねじ緩みしない方向に設定されている。
【0032】
次に、この気流式分級機1の作用・効果について図1〜図3を適宜参照しつつ説明する。なお、図3は、ケーシングを開放するとともに、その内部のメンテナンスを実施する際に要部を分解する状態のイメージを示している。
上述のように、この気流式分級機1は、図1に示すように、そのケーシング6が、粉砕機(不図示)の下流側に連続して設けられる供給管路14を備え、この供給管路14からケーシング6内に、分級原料を粉砕した粉砕物および一次エアRAを導入可能であり、ケーシング6内には、導入される粉砕物を分散するための分散部30を有する分散領域Vと、その分散領域Vに連続して設けられて分散領域Vから気流搬送される粉砕物をさらに微粉砕物と粗粉砕物とに遠心分級するための分級翼8、9を有する分級領域Sとを備えているので、各種原料を粉砕した粉砕物を分級することができる。
【0033】
そして、この気流式分級機1によれば、そのケーシング6は、分散部ケーシング4および分級部ケーシング5を備えて構成され、これら分散部ケーシング4および分級部ケーシング5相互は、支軸となるケーシング開閉ヒンジ20を介して相互を連結する開閉手段によって互いの当接部分から開閉可能なので、図3に示すように、ケーシング6を容易に開閉することができる。そのため、ケーシング6内の清掃性および洗浄性に優れている。
【0034】
さらに、この気流式分級機1によれば、分級翼8、9と共に分級部ケーシング5が一体で開閉されるようになっているので、ケーシング6を開いた状態では、分散部ケーシング4側に分散部30が位置し、分級部ケーシング5側に分級翼8、9が位置する。したがって、ケーシング6を開いた状態での分散部30および分級翼8、9の視認性が良く、それぞれの分解や組み付けを行い易い。
【0035】
また、この気流式分級機1によれば、その分散部30は、上流側の供給管路14に連接する分散部基部37と、その分散部基部37上に載置およびインロー嵌合されることで所定の位置に位置する分散セル7とを備えて構成されているので、図3に示すように、分散部基部37に対し分散セル7を容易に着脱可能である。そして、この分散セル7は、前記開閉手段でケーシング6を開いた部分からケーシング6の外部に取り出せるようになっているので、ケーシング6の外部において分散セル7の清掃や洗浄を行うことができる。したがって、気流式分級機1の清掃性および洗浄性を一層向上させることができる。
【0036】
また、この気流式分級機1によれば、図2(a)を参照しつつ説明したように、分級翼8、9は、駆動シャフト10に着脱可能に固定されるとともにその駆動シャフト10に対し放射状に穿設された複数のスリット54を有するボス44、45と、そのボス44、45の複数のスリット54それぞれに基端部51b、52bを挿入可能な複数の羽根51、52と、その羽根51、52の基端部51b、52bをボス44、45の表裏の側から挟持しつつボス44、45に着脱可能に固定する一対の挟持プレート46、47とを備えて構成されているので、分級翼8、9を構成する羽根51、52を、一対の挟持プレート46、47によってボス44、45の表裏の側から挟持しつつボス44、45に着脱可能に固定することができる。そのため、図3に示すように、各分級翼8、9の分解および組み立てが可能であり、これにより、気流式分級機1の清掃性および洗浄性を一層向上させることができる。
【0037】
また、この気流式分級機1によれば、複数の羽根51、52の基端部51b、52bは、各ボス44、45の軸方向の端面よりも突出するとともに一対の挟持プレート46、47のうち下側挟持プレート47に対向する所定形状の斜面をもつ拡幅部51k、52kを有し、下側挟持プレート47は、各羽根51、52の拡幅部51k、52kおよびその斜面の形状に対応して形成されたテーパ状の斜面をもつ円環状に形成された有底の溝部47mを有し、当該溝部47mのテーパ状の斜面と各羽根51、52の拡幅部51k、52kの斜面とを当接させることによって各羽根51、52の位置決めがなされるようになっているので、各羽根51、52の拡幅部51k、52kおよびその斜面と、下側挟持プレート47の有底の溝部47mおよび斜面をもつ拡幅部51k、52kとを対向させて当接させることによって、各羽根51、52の位置決めが容易に可能である。そのため、各分級翼8、9を分解後の再組み立てが一層容易であり、また、分解前の位置を簡単に再現することができる。
【0038】
以上説明したように、この気流式分級機1によれば、ケーシング6内部の清掃性および洗浄性を向上させることができる。
なお、本発明に係る気流式分級機は、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しなければ種々の変形が可能である。
例えば、上記実施形態では、各分級翼8、9の、複数の羽根51、52の基端部51b、52bは、各ボス44、45の軸方向の端面よりも突出するとともに一対の挟持プレート46、47のうち下側挟持プレート47に対向する斜面をもつ拡幅部51k、52kを有し、下側挟持プレート47は、各羽根51、52の拡幅部51k、52kおよびその斜面の形状に対応して形成されたテーパ状の斜面をもつ円環状に形成された有底の溝部47mを有し、当該溝部47mのテーパ状の斜面と各羽根51、52の拡幅部51k、52kの斜面とを当接させることによって各羽根51、52の位置決めがなされるようになっている例で説明したが、これに限定されず、例えば上側挟持プレート46の側に同様の構成を設けることによって、各羽根51、52の位置決めがなされるように構成してもよい。また、一対の挟持プレート46、47の両方に位置決めがなされるようにテーパ状の斜面を設けてもよい。なお、上記実施形態のような各羽根51、52の位置決めを可能な構成を設けない構成とすることも可能である。しかし、各羽根51、52の位置決めを容易とし、分解・組み付け性を向上させることで、ケーシング6内部の清掃性および洗浄性を向上させる構成とする上では、各羽根51、52の位置決めがなされるように構成することは好ましい。なお、羽根の位置決めをするために挟持プレートに設ける有底の溝部の形状は、円環状の溝に限定されず、例えば、複数の羽根それぞれに対応して放射状に形成した複数の溝によって、位置決めしつつ挟持する構成としてもよい。また、斜面を設ける場合においても、円環状に形成されたテーパ状の斜面に限定されず、複数の羽根それぞれに対応した斜面を設けてもよい。しかし、挟持プレートへの加工が容易であり、また、複数の羽根を精度良く一度に位置決め可能とする上では、上記実施形態のように、対応する挟持プレートに、羽根の拡幅部およびその斜面の形状に対応して形成されたテーパ状の斜面をもつ円環状に形成された有底の溝部を設けることは好ましい。
【0039】
また、上記実施形態では、分級翼を分解・組み付け可能に構成した例で説明したが、これに限定されず、一体形成された分級翼を装備するものであってもよい。しかし、分級翼の清掃性および洗浄性をより向上させる構成とする上では、上記実施形態のように、分級翼自体をも分解・組み付け可能に構成することは好ましい。また、例えば上記実施形態では、二層の分級翼8、9を有する例で説明したが、これに限定されず、本発明に係る気流式分級機は、分級翼が一つ、あるいは三層以上の場合であっても適用可能なことは勿論である。
【0040】
また、上記実施形態では、分散部30は、分散部基部37と、その分散部基部37上に載置およびインロー嵌合されることで所定の位置に位置する分散セル7とを備え、分散セル7が容易に分解・組み付け可能な例で説明したが、これに限定されず、一体形成された分散部を装備するものであってもよい。しかし、分散部の清掃性および洗浄性をより向上させる構成とする上では、上記実施形態のように、分散部から分散セルを容易に分解・組み付け可能に構成することは好ましい。また、分散部から分散セルを容易に分解・組み付け可能に構成する場合であっても、載置またはインロー嵌合のいずれかによって所定の位置に位置するように構成してもよい。しかし、所定の位置により確実に位置させる上では、分散部基部上に載置およびインロー嵌合されることで所定の位置に位置する分散セル(分散部本体部)を備える構成とすることは好ましい。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【図1】本発明に係る気流式分級機の一実施形態の説明図であり、同図では、気流式分級機をその軸線を含む断面図で示している。
【図2】本発明に係る気流式分級機の分級翼の一実施形態を説明する図であり、同図(a)は図1での要部を拡大して示しており、また、図2(b)は同図(a)でのA−A断面図である。
【図3】本発明に係る気流式分級機の一実施形態の作用の説明図であり、同図では、ケーシングを開放するとともに、メンテナンスを実施する際に要部を分解する状態のイメージを示している。
【図4】従来の気流式分級機の一例を説明する図であり、同図では、その軸線を含む断面図で示している。
【符号の説明】
【0042】
1 気流式分級機
2 上部分散部ケーシング
3 下部分散部ケーシング
4 分散部ケーシング
5 分級部ケーシング
6 ケーシング
7 分散セル(分散部本体部)
8 第一分級翼
9 第二分級翼
10 駆動シャフト(回転軸)
11 フレーム
12 駆動モータ
13 軸受
14 供給管路
15 吐出管路
16 二次エア導入口
17 下部ケーシング
18 粗粉回収タンク
20 ケーシング開閉ヒンジ
21 開閉ベース
22 開閉ヒンジ支柱
23 ストッパ支柱
24 開閉アーム
25 ケーシング固定ヒンジ
26 ロックアーム
29 二次エア供給管路
30 分散部
31 二次エア導入口フランジ
32 上部フランジ
33 分散部連結フランジ
34 下部連結フランジ
35 尖塔部
36 小径部
37 分散部基部
38 粉砕物導入口
39 二次エア導入口
40 分級翼固定ボルト
41 分級翼固定プレート
42 羽根固定第一ボルト
43 羽根固定第二ボルト
44 第一分級翼ボス
45 第二分級翼ボス
46 上側挟持プレート
47 下側挟持プレート
48 ガイドピース
49 中間カラー
50 調整カラー
51 第一羽根
52 第二羽根
53 キー
54 スリット
RA 一次エア
A2 二次エア
【出願人】 【識別番号】505328085
【氏名又は名称】古河産機システムズ株式会社
【出願日】 平成19年1月24日(2007.1.24)
【代理人】 【識別番号】100066980
【弁理士】
【氏名又は名称】森 哲也

【識別番号】100075579
【弁理士】
【氏名又は名称】内藤 嘉昭

【識別番号】100103850
【弁理士】
【氏名又は名称】崔 秀▲てつ▼


【公開番号】 特開2008−178782(P2008−178782A)
【公開日】 平成20年8月7日(2008.8.7)
【出願番号】 特願2007−13376(P2007−13376)