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【発明の名称】 分級機
【発明者】 【氏名】シュテファノ ツァムピーニ

【氏名】大石 鮎太

【氏名】瀧野 康博

【氏名】蓑口 隆志

【要約】 【課題】微粉中への粗粉の混入を抑制して、分級精度並びに製品収率の向上が実現できる分級機を提供する。

【解決手段】複数の分級羽根8が等間隔で外周部に環状に配置され、軸方向における少なくとも一方の端部に排出口10を形成した羽根車型の分級ロータ2と、分級ロータ2を収容して軸芯周りに回転自在に保持するとともに分級対象の原料粉体を分級羽根8の外周側に供給するケーシング1と、原料粉体のうち分級羽根8を通過した微粉を排出口10から吸引排出する微粉排出部100と、原料粉体のうち分級羽根8を通過しなかった粗粉を排出する粗粉排出部101を備え、分級ロータ2の分級羽根8が、ロータ径方向の外側端部をロータ軸方向における両端部よりも中央部で外方に張り出すように形成されている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の分級羽根が等間隔で外周部に環状に配置され、軸方向における少なくとも一方の端部に排出口を形成した羽根車型の分級ロータと、
前記分級ロータを収容して軸芯周りに回転駆動自在に保持するとともに、分級対象の原料粉体を前記分級羽根の外周側に供給するように形成されたケーシングと、
原料粉体のうち前記分級羽根を通過した微粉を前記排出口から吸引排出する微粉排出部と、
原料粉体のうち前記分級羽根を通過しなかった粗粉を排出する粗粉排出部を備えた分級機であって、
前記分級ロータの前記分級羽根が、ロータ径方向の外側端部をロータ軸方向における両端部よりも中央部でロータ径方向の外側に張り出すように形成されている分級機。
【請求項2】
前記分級羽根の外側端部のロータ径方向外側への張り出し量が、ロータ軸方向の両端部から中央部に向かって連続的に大きくなる請求項1に記載の分級機。
【請求項3】
前記分級ロータが、前記排出口からロータ軸方向に沿ってロータ内部に伸びる微粉排出用の筒部材を備えている請求項1又は2に記載の分級機。
【請求項4】
前記分級ロータの外周面に対して間隔を隔てて複数の案内羽根を環状に配置した案内羽根環と前記分級ロータの外周面との間に環状の分級空間を形成し、当該案内羽根環の隣接する羽根同士の隙間を通して前記分級空間に分級空気を供給する分級空気供給部を備えた請求項1〜3のいずれか1項に記載の分級機。
【請求項5】
原料粉体を微粉、中粉、粗粉の3区分に分級するために、1つのケーシング内に前記羽根車型の分級ロータを2つ同軸状に配置し、原料粉体を2つの分級ロータの外周側に順番に通流させて、前段側の分級ロータの前記微粉排出部から排出された微粉を微粉とし、後段側の分級ロータの前記微粉排出部から排出された微粉を中粉とし且つ前記粗粉排出部から排出された粗粉を粗粉として取り出すとともに、前記2つの分級ロータのうち少なくとも後段側の分級ロータの前記分級羽根が、ロータ径方向の外側端部をロータ軸方向における両端部よりも中央部でロータ径方向の外側に張り出すように形成されている請求項1〜4のいずれか1項に記載の分級機。
【請求項6】
トナー用粉体を原料粉体として分級処理する請求項1〜5のいずれか1項に記載の分級機。
【請求項7】
請求項6に記載の分級機による分級工程を有するトナー製造方法。

【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の分級羽根が等間隔で外周部に環状に配置され、軸方向における少なくとも一方の端部に排出口を形成した羽根車型の分級ロータと、前記分級ロータを収容して軸芯周りに回転駆動自在に保持するとともに、分級対象の原料粉体を前記分級羽根の外周側に供給するように形成されたケーシングと、原料粉体のうち前記分級羽根を通過した微粉を前記排出口から外部に吸引排出する微粉排出部と、原料粉体のうち前記分級羽根を通過しなかった粗粉を外部に排出する粗粉排出部を備えた分級機に関する。
【背景技術】
【0002】
上記分級機では、羽根車型の分級ロータを例えば垂直方向軸芯回りに回転して原料粉体を旋回させるとともに、分級ロータの外周側に形成される分級空間から分級ロータの半径方向内側に向けて分級空気を流すことにより、原料粉体中の微粉は回転に伴う遠心力よりも気流による搬送力が大きいために分級空気流に乗って分級羽根を通過し、一方、粗粉は回転に伴う遠心力の方が大きいために外側に飛ばされて分級羽根を通過できず、これにより原料粉体を微粉と粗粉とに分級している(特許文献1参照)。
【0003】
また、1つのケーシング内に前記羽根車型の分級ロータを2つ同軸状に配置し、原料粉体を2つの分級ロータの夫々の外周側の分級空間に順番に通流させて、前段側の分級ロータの微粉排出部から排出された微粉を微粉とし、後段側の分級ロータの微粉排出部から排出された微粉を中粉とし且つ粗粉排出部から排出された粗粉を粗粉として、トナー等の原料粉体を微粉、中粉、粗粉の3区分に分級し、この中粉をトナー製品とするトナー用分級機も提案されている(特許文献2参照)。
【0004】
【特許文献1】特開平11−216425号公報
【特許文献2】特開2001−293438号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記分級機では、分級後の微粉中に粗粉が混入し、あるいは粗粉中に微粉が混入すると、分級精度並びに製品収率が低下するので、かかる混入を極力少なくする必要がある。
本発明は、新規な発想により、上記微粉中への粗粉の混入を抑制して、分級精度並びに製品収率の向上が実現できる分級機、並びに本分級機を分級処理に用いたトナー製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を実現するための本発明に係る分級機は、複数の分級羽根が等間隔で外周部に環状に配置され、軸方向における少なくとも一方の端部に排出口を形成した羽根車型の分級ロータと、前記分級ロータを収容して軸芯周りに回転駆動自在に保持するとともに、分級対象の原料粉体を前記分級羽根の外周側に供給するように形成されたケーシングと、原料粉体のうち前記分級羽根を通過した微粉を前記排出口から吸引排出する微粉排出部と、原料粉体のうち前記分級羽根を通過しなかった粗粉を排出する粗粉排出部を備えた分級機であって、第1特徴構成は、前記分級ロータの前記分級羽根が、ロータ径方向の外側端部をロータ軸方向における両端部よりも中央部でロータ径方向の外側に張り出すように形成されている点にある。
【0007】
上記羽根車型の分級ロータでは外周側から分級羽根を通ってロータ内部に向かう分級空気の流速がロータ軸方向の中央部では両端部側に位置する内壁の抵抗を受けるロータ軸方向の両端部に比べて速くなる傾向にあるが、上記特徴構成によれば、ロータ軸方向の中央部に位置する分級羽根の外側端部が軸方向の両端部に位置する分級羽根の外側端部よりもロータ径方向の外側に張り出しているので周速度がより速くなり、その結果、分級ロータの回転に伴う遠心力が大きくなる。即ち、ロータ軸方向の中央部で気流速度が大きくなることによる粗粉の搬送力増大を遠心力が大きくなることによって打ち消すことによって、分級ロータの外周側からロータ内部への粗粉の飛び込みが抑制され、ロータ内部から吸引排出される微粉中への粗粉の混入が抑制される。
従って、例えば微粉を製品とする場合には、粗粉の混入が抑制されるので微粉の分級精度が高くなり、粗粉を製品とする場合には、微粉中への粗粉の混入が抑制されるので粗粉の製品収率が高くなるように、微粉中への粗粉の混入を抑制して分級精度並びに製品収率の向上が実現できる分級機が提供される。
【0008】
同第2特徴構成は、第1特徴構成において、前記分級羽根の外側端部のロータ径方向外側への張り出し量が、ロータ軸方向の両端部から中央部に向かって連続的に大きくなる点にある。
【0009】
上記羽根車型の分級ロータでは軸方向の両端部側の内壁から離れるほど分級空気の流速が速くなり、粗粉の飛び込み量が増加する傾向になるが、上記構成によれば、分級羽根の外側端部での遠心力が軸方向の両端部から中央部に向かって連続的に大きくなるので、上記粗粉飛び込み量の増加を遠心力の増大によって適切に打ち消すことができる。
従って、分級羽根の軸方向における全領域において均一な状態で微粉中への粗粉の混入を抑制して、分級精度並びに製品収率をより一層向上させることができる分級機の好適な実施形態が提供される。
【0010】
同第3特徴構成は、第1または第2特徴構成において、前記分級ロータが、前記排出口からロータ軸方向に沿ってロータ内部に伸びる微粉排出用の筒部材を備えている点にある。
【0011】
上記特徴構成によれば、気流と共に分級羽根を通過した微粉を先端部から流入させて排出口に送る微粉排出用の筒部材が排出口からロータ軸方向に沿ってロータ内部に伸びているので、軸方向において排出口寄りの分級羽根部分を通過した気流が筒部材の先端部に達するまでの距離が長くなり、排出口に近いことによる気流速度の増加が抑制される。一方、排出口から遠い位置の分級羽根部分を通過した気流が筒部材の先端部に達するまでの距離が短くなるので、排出口から遠いことによる気流速度の低下が抑制される。その結果、分級羽根の軸方向の各領域を通過する気流の速度差が平準化される。
従って、軸方向の分級羽根の全領域を通過する気流速度を均一な状態とし、分級精度と製品収率をより一層向上させることができる分級機の好適な実施形態が提供される。
【0012】
同第4特徴構成は、第1から第3特徴構成のいずれかにおいて、前記分級ロータの外周面に対して間隔を隔てて複数の案内羽根を環状に配置した案内羽根環と前記分級ロータの外周面との間に環状の分級空間を形成し、当該案内羽根環の隣接する羽根同士の隙間を通して前記分級空間に分級空気を供給する分級空気供給部を備えた点にある。
【0013】
上記構成によれば、分級ロータの回転によって旋回状態となった原料粉体が分級ロータの外周面と周囲の案内羽根環との間の環状の分級空間に達し、案内羽根環の隣接する羽根同士の隙間から供給される分級空気によって微粉が分級ロータの外周面からロータ内部に搬送され、粗粉は分級羽根によって飛ばされてロータ内部に搬送されず分級空間を通過する。
従って、分級ロータの外周側に形成した環状の分級空間に周囲の案内羽根環から分級空気を供給して安定した気流を形成することにより、分級精度と製品収率をより一層向上させることができる分級機の好適な実施形態が提供される。
【0014】
同第5特徴構成は、第1から第4特徴構成のいずれかにおいて、原料粉体を微粉、中粉、粗粉の3区分に分級するために、1つのケーシング内に前記羽根車型の分級ロータを2つ同軸状に配置し、原料粉体を2つの分級ロータの外周側に順番に通流させて、前段側の分級ロータの前記微粉排出部から排出された微粉を微粉とし、後段側の分級ロータの前記微粉排出部から排出された微粉を中粉とし且つ前記粗粉排出部から排出された粗粉を粗粉として取り出すとともに、前記2つの分級ロータのうち少なくとも後段側の分級ロータの前記分級羽根が、ロータ径方向の外側端部をロータ軸方向における両端部よりも中央部でロータ径方向の外側に張り出すように形成されている点にある。以下、当該形状の分級ロータを張り出し形ロータと略す。
【0015】
上記構成によれば、例えば後段側の分級ロータを上記張り出し形ロータに形成した場合には、前段側の分級ロータで粗粉として分級された原料粉体が後段側の分級ロータにおいて分級されるときに、後段側の微粉排出部から排出される中粉への粗粉の混入が抑制されるので、当該中粉を製品としたときの粗粉側の分級精度が高くなる。また前段側と後段側の両方の分級ロータを上記張り出し形ロータに形成した場合には、前段側の分級ロータにおいて微粉中への粗粉の混入が抑制されて高い収率で粗粉が分級され、次に前段側の分級ロータで分級された粗粉が後段側の分級ロータにおいて分級されるときに、後段側の微粉排出部から排出される中粉への粗粉の混入が抑制されて粗粉側の分級精度が高くなるので、結局製品として得られる中粉の製品収率と分級精度を共に高くすることができる。
従って、原料粉体を微粉、中粉、粗粉の3区分に分級する分級機において、分級精度並びに製品収率の向上が実現できる好適な実施形態が提供される。
【0016】
同第6特徴構成は、第1から第5特徴構成のいずれかにおいて、トナー用粉体を原料粉体として分級処理する点にある。
すなわち、高い分級精度が要求されるトナー用粉体の分級処理を高製品収率で実施することができる分級機が提供される。
【0017】
本発明に係るトナー製造方法は、上記第6特徴構成の分級機による分級工程を有する点にある。
すなわち、本発明の分級機をトナー用粉体の分級工程に用いることにより、粒度が揃った高精度のトナー製品を高収率で製造することができるトナー製造方法が提供される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、本発明に係る分級機の実施形態について説明する。
本発明の分級機の第1の実施形態では、図1に示すように、複数の分級羽根8が等間隔で外周部に環状に配置され、軸方向における少なくとも一方の端部に排出口10を形成した羽根車型の分級ロータ2と、分級ロータ2を収容して軸芯周りに回転駆動自在に保持するとともに、分級対象の原料粉体を分級羽根8の外周側に供給するように形成されたケーシング1と、原料粉体のうち分級羽根8を通過した微粉を排出口10から吸引排出する微粉排出部100と、原料粉体のうち分級羽根8を通過しなかった粗粉を排出する粗粉排出部101を備えている。図1では、分級ロータ2の軸方向が垂直方向向きであり、排出口10を分級ロータ2の下端部に形成している。
【0019】
分級ロータ2は、円板状の頂壁6と中央に前記排出口10を形成した円板状の底壁7の間に複数の分級羽根8が立設した構造であり、筒状の支持部材4によってケーシング1に回転自在に保持されるとともに、頂壁6の中央箇所に固定された駆動シャフト3aを介して下方に配置した駆動軸3に回転駆動されるように接続されている。上記頂壁6は、ロータ回転時に、ケーシング1の上部を塞ぐ上カバー14の中央に設けた原料投入口15から投入される原料粉体を全周にわたって均一に分配して分級空間12に供給する。
【0020】
そして、図2に示すように、本発明の分級機では、前記分級ロータ2の分級羽根8が、ロータ径方向の外側端部をロータ軸方向における両端部よりも中央部で外方に張り出すように形成されている。具体的には、分級羽根8の外側端部の外方への張り出し量が、ロータ軸方向の両端部から中央部に向かって連続的に大きくなる曲線状に形成されている。尚、分級羽根8の外側端部の外方への張り出し形状は、図2の形状に限るものではなく、図3(イ)に示すようにロータ軸方向の両端部に平坦な部分があり、そこから曲線的に張り出す形状、図3(ロ)に示すようにロータ軸方向の両端部から直ぐに曲線的に張り出す形状、図3(ハ)に示すように台形状に張り出す形状等であってもよい。また、図2では、頂壁6及び底壁7の外端部が、分級羽根8の軸方向両端部よりも外方に突き出て、角部を分級羽根8に流れ込む分級空気流に乱れが生じにくいように曲線的に形成しているが、図2(ニ)(ホ)(ヘ)に示すように、頂壁6及び底壁7の外端部を分級羽根8の軸方向両端部と同じ位置にしてもよい。
【0021】
さらに、前記分級ロータ2は、前記排出口10からロータ軸方向に沿ってロータ内部に伸びる微粉排出用の筒部材9を備えている。分級羽根8を通過した微粉を含む気流はこの筒部材9の先端開口から流入して排出口10に送られる。
【0022】
前記分級ロータ2の外周面に対して間隔を隔てて複数の案内羽根5aを環状に配置した案内羽根環5と前記分級ロータ2の外周面との間に環状の分級空間12を形成し、当該案内羽根環5の隣接する羽根同士の隙間を通して前記分級空間12に分級空気を供給する分級空気供給部102が設けられている。複数の案内羽根5aは、羽根が垂直方向に伸びる状態で分級ロータ2の外周面の周方向に沿って等間隔に配置されてケーシング1に固定されている。上記分級空気供給部102は、案内羽根環5の外側に同軸状に形成された分級空気供給室16と、この分級空気供給室16に接続された分級空気供給管19にて構成されている。
【0023】
また、上記分級空間12における原料粉体の滞留時間と凝集を制御するために、帯状材料を螺旋状に形成した渦巻部材13が分級空間12内に分級ロータ2と同軸状に配置されている。即ち、渦巻部材13の螺旋角度によって分級空間12において旋回流動する原料粉体の下方側への送り力を調整し、滞留時間や凝集を制御することができる。
【0024】
前記微粉排出部100は、前記支持部材4の側面部のスリット(不図示)を通して前記排出口10に連通するように分級ロータ2の下方に同軸状に配置された微粉排出室17と、微粉排出室17内の微粉を外部に排出するための微粉排出管20にて構成されている。
【0025】
前記粗粉排出部101は、前記分級空間12の下部に連通するように分級ロータ2の下方に前記微粉排出室17よりも外側に同軸状に配置された粗粉排出室18と、粗粉排出室18内の粗粉を外部に排出するための粗粉排出管21にて構成されている。
【0026】
前記分級ロータ2の下面とケーシング1の間にはシール部22が設けられている。このシール部22は、底壁7の下面周縁部の全周に形成された環状の溝部7aと、この溝部7aと微小な間隙を保持して同心状にケーシング1に形成された環状の突起1aとによって構成され、上記溝部7aと突起1aの間隙には、空気通路29よりシール用の清浄空気が導入されている。このシール部22によって、微粉排出室17が分級空間12及び粗粉排出室18に対してシールされる。
【0027】
尚、処理粉体の付着防止や乱流発生の抑制等の観点から、上記羽根車型の分級ロータ2、案内羽根環5、渦巻部材13等の粉接部材の表面に付着防止層を形成する表面処理や、分級羽根8等の角部の面取り処理(エッジカット)を行うことが好ましい。上記表面処理は、例えばフッ素樹脂含有のニッケルメッキ等の各種メッキ処理や、ニッケル含有のフッ素樹脂コート等のコーティング、電解研磨、ショットブラスト(200〜250番手のショット粉によるリンプル様の表面処理を含む)などを施すことで実現される。
【0028】
本発明の分級機の第2の実施形態では、図4に示すように、原料粉体を微粉、中粉、粗粉の3区分に分級するために、1つのケーシング30内に前記羽根車型の分級ロータ33,34を2つ同軸状に配置し、原料粉体を2つの分級ロータの外周側(分級空間)に順番に通流させて、前段側の分級ロータ33の微粉排出部35から排出された微粉を微粉とし、後段側の分級ロータ34の微粉排出部36から排出された微粉を中粉とし且つ粗粉排出部37から排出された粗粉を粗粉として取り出している。この場合、所望の粒度の微粉、中粉、粗粉に分級されるように、前段側の分級ロータ33の回転速度を後段側の分級ロータ34よりも速くする条件で各分級ロータ33,34の回転速度を調整する。そして、2つの分級ロータのうち少なくとも後段側の分級ロータ34の前記分級羽根8が、ロータ径方向の外側端部をロータ軸方向における両端部よりも中央部で外方に張り出すように形成されている(図2、図3参照)。
【0029】
図4では、分級ロータ33,34の軸方向が垂直方向向きで、原料粉体を上側の原料投入口38から投入するとともに、ケーシング30が上下中央箇所で上ケーシング31と下ケーシング32に分割できるように形成され、上端部に排出口33aを形成した前段側の分級ロータ33が上ケーシング31に保持され、下端部に排出口34aを形成した後段側の分級ロータ34が下ケーシング32に保持されている。また、各分級ロータ33,34に対してそれぞれ、第1実施形態と同様な構成の案内羽根環39と分級空気供給部102A,102Bが設けられている。なお、上ケーシング31と下ケーシング32は右端をちょう番40で結合され、開き旋回可能に構成されている。
【0030】
次に、本発明の分級機はトナー用粉体を原料粉体として分級処理する分級機に用いられる。すなわち、本発明に係るトナー製造方法は本発明の分級機による分級工程を有する。
【0031】
図5に本発明の分級機を組み込んで、例えばトナーを製造するシステムの一例を示す。トナー用の各種材料を混練した原料を公知の各種の粉砕手段を用いて粉砕したのち、得られたトナー用粉体を上記図4記載の分級機に原料粉体として供給する。そして、規定粒度よりも小さい粒度の微粉と、規定粒度内の中粉(製品)と、規定粒度よりも大きい粒度の粗粉とに分級する。なお、粗粉は粉砕機に戻されて再粉砕され、微粉は原料混練工程に戻される。図示はしないが、上記粉砕法の他に、化学的な重合反応を利用したケミカル法等によって得たトナー用粉体を、同様に図4の分級機に原料粉体として供給して分級処理するようにしてもよい。
【0032】
また、図5では図4に示す分級機を分級工程に組み込んだが、図4の分級機の代わりに図1に示す分級機を2台、前段側の分級機と後段側の分級機として分級工程に組み込んでトナー製造システムを構成することも可能である。
【産業上の利用可能性】
【0033】
本発明の分級機によれば、分級精度を高め、製品収率の向上が実現できるので、各種粉体の分級処理を行うときの品質向上、コスト低減のために好適に使用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】本発明に係る第1実施形態の分級機の構造を示す断面図
【図2】本発明に係る分級ロータの形状を示す断面図
【図3】本発明に係る分級ロータの変形例を示す断面図
【図4】本発明に係る第2実施形態の分級機の構造を示す断面図
【図5】本発明に係る第2実施形態の分級機を適用した粉体製造プロセスの一例を示すフロー図
【符号の説明】
【0035】
1 ケーシング
1a 突起
2 分級ロータ
3 駆動軸
3a 駆動シャフト
4 支持部材
5 案内羽根環
5a 案内羽根
6 頂壁
7 底壁
7a 溝部
8 分級羽根
9 筒部材
10 排出口
12 分級空間
13 渦巻部材
14 上カバー
15 原料投入口
16 分級空気供給室
17 微粉排出室
18 粗粉排出室
19 分級空気供給管
20 微粉排出管
21 粗粉排出管
22 シール部
29 空気通路
30 ケーシング
31 上ケーシング
32 下ケーシング
33 分級ロータ(前段側)
33a 排出口
34 分級ロータ(後段側)
34a 排出口
35 微粉排出部
36 微粉排出部
37 粗粉排出部
38 原料投入口
39 案内羽根環
40 ちょう番
100 微粉排出部
101 粗粉排出部
102 分級空気供給部
102A 分級空気供給部
102B 分級空気供給部

【出願人】 【識別番号】000113355
【氏名又は名称】ホソカワミクロン株式会社
【出願日】 平成18年12月28日(2006.12.28)
【代理人】
【公開番号】 特開2008−161823(P2008−161823A)
【公開日】 平成20年7月17日(2008.7.17)
【出願番号】 特願2006−355738(P2006−355738)