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木材チップ分級装置 - 特開2008−86891 | j-tokkyo
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【発明の名称】 木材チップ分級装置
【発明者】 【氏名】梁 武鉉

【要約】 【課題】装置がシンプルで、木材チップの細片化や棒状体間への詰りによる分級精度の低下を生じることなく、精度よく木材チップの厚さを測定できる分級装置を提供する。

【解決手段】上下方向に少なくとも2段の分級スクリーンを有し、これら全体が機械的振動下におかれる木材チップの振動分級装置であって、前記分級スクリーンは、それぞれ多数並置された棒状体であり、上段スクリーンにおける隣接する上棒状体21の間の下方に、下段スクリーンの下棒状体22が位置して下段スクリーンが設けられ、前記上棒状体21と下棒状体22との離間間隔Fは、目標の通過させるべき木材チップの厚さより大きく、隣接する上棒状体の離間間隔Dは、前記上棒状体21と下棒状体22との離間間隔Fよりさらに大きい。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
分級スクリーン全体が振動下におかれる木材チップの振動分級装置であって、
前記分級スクリーンは、多数並置された棒状体であり、前記隣接する棒状体相互の離間間隔について、棒状体の高さ方向中間において目標の通過させるべき木材チップの厚さより大きく、棒状体の高さ方向の他の部分においては、前記中間の離間間隔より大きいことを特徴とする木材チップ分級装置。
【請求項2】
上下方向に少なくとも2段の分級スクリーンを有し、これら全体が機械的振動下におかれる木材チップの振動分級装置であって、
前記分級スクリーンは、それぞれ多数並置された棒状体であり、
上段スクリーンにおける隣接する上棒状体の間の下方に、下段スクリーンの下棒状体が位置して下段スクリーンが設けられ、
前記上棒状体と下棒状体との離間間隔は、目標の通過させるべき木材チップの厚さより大きく、
隣接する上棒状体の離間間隔は、前記上棒状体と下棒状体との離間間隔よりさらに大きいことを特徴とする木材チップ分級装置。
【請求項3】
少なくとも木材チップの通過部分における棒状体の外面は、前記通過部分に向かって膨らむ曲面である請求項1または2記載の木材チップ分級装置。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、木材チップの厚みに関して分級する木材チップ分級装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
製紙で使用される原料の一つに、木材をチップ状に破砕し、これをクラフト法により蒸解して得るクラフトパルプ(以下「KP」という)がある。
KPの強度などの品質、未蒸解物や微細繊維の発生によるKPの収率は、蒸解条件によって影響を受けるが、この蒸解条件を設定する上で、使用する木材チップの大きさによって蒸解釜内のチップ充填密度や薬品の浸透性が変わるため、予めロット毎に木材チップの分級試験を行なって、木材チップサイズの分布状態を把握しておくことや、分級により所定のサイズより過大又は微細な木材チップを選別して蒸解する方法が提案され、前者の方法は一般的に行なわれてきた。(後者は、木材チップの歩留を低下させる結果になることから、過大なものは破砕処理して蒸解に供され、微細なものは除去されて燃料の一部に利用される。)。
かかる分級装置としては、特許文献1に記載の「ウィリアム式分級機」としてよく知られている、上部のスクリーン床には大きな穴があけてあり、下部に行くほど次第に小さい穴とした、チップの大きさを分級するための多重床揺動式スクリーンが汎用されてきた。しかし、その後の研究により、蒸解における薬品の浸透因子として、木材チップの厚さが重要であることが知られ、一定の隙間を有するディスクを通過させて分級するディスクスクリーン(例えば特許文献2)が開発されている。
また、蒸解釜に木材チップを供給する前工程で、木材チップの厚さをスクリーニングする技術については、特許文献3の「回転式ディスクスクリーン」が開示されており、その欠点であるチップのディスク隙間への詰りを解決する手段として、複数のスクリーニングバーを上下方向に動かしてチップを起立させ、バー相互の隙間をチップが通過しやすいようにしたものが提案されている。
これらはいずれも装置が複雑で、またスクリーニング中のディスク回転や上下動によってチップがディスク間隙で摩擦を受け、破砕されやすいという点で、ロット毎の木材チップの厚さの分布状態を簡便に、精度良く測定するには適さないものであった。
【特許文献1】特開昭62−97683号公報
【特許文献2】米国特許第4301930号公報
【特許文献3】特表平6−502587号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
したがって、本発明の主たる課題は、装置がシンプルで、木材チップの細片化や棒状体間への詰りによる分級精度の低下を生じることなく、精度よく木材チップの厚さを測定できる分級装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上記課題を解決した本発明は次記のとおりである。
<請求項1項記載の発明>
分級スクリーン全体が振動下におかれる木材チップの振動分級装置であって、
前記分級スクリーンは、多数並置された棒状体であり、前記隣接する棒状体相互の離間間隔について、棒状体の高さ方向中間において目標の通過させるべき木材チップの厚さより大きく、棒状体の高さ方向の他の部分においては、前記中間の離間間隔より大きいことを特徴とする木材チップ分級装置。
【0005】
(作用効果)
本発明においては、振動に伴って、木材チップの一部が、棒状体相互の上部空間に入り込むようになるが、その厚みが、棒状体の高さ方向中間において目標の通過させるべき間隔(「以下通過間隔」という。)より小さい場合には、通過することにより、通過できない木材チップとの分級が行われる。
この場合、横断面四角の板または四角棒の間を通過させて分級を図る構成も考えられるが、それらの隣接する板上面に木材チップに乗ったままで、分級が行われ難いのに対し、通過間隔より上方における離間間隔は通過間隔より大きいので、振動に伴って、積極的に木材チップが通過間隔に向かって入り込もうとするので、速やかに分級が行われる。また、通過間隔より下方の排出側においても、離間間隔が通過間隔より大きいので、詰まりを生じることなく円滑な排出が可能である。さらに、木材チップが振動する際に、棒状体と当たって細片化するのを抑止でき精度の良い測定結果が得られる。なお、木材チップの分級においては、汎用の振動スクリーン分級装置と、木材チップの細片化を抑止または防止することの課題があり、その課題は厚みごとの分級及び測定精度に大きく影響する。
一方、特許文献2のものは、木材チップの詰まりの点ではかなり改良されているが、上下方向に向いた円柱体の下方部における相互間隙では、一旦、入り込んだ木材チップがなかなか抜けにくい点で、本発明のものに比較して排出性が良くない観点で詰まりの頻度は高いものであることを知見している。
本発明の装置は、要すれば、シンプルで、スクリーン床を揺動させるだけの操作で、床を形成する棒の空隙部への木材チップの供給及び排出が安定して行うことができ、しかも、木材チップの揺動による木材チップと棒状体の接触時にも木材チップの細片化するのを抑止できるのである。
【0006】
<請求項2項記載の発明>
上下方向に少なくとも2段の分級スクリーンを有し、これら全体が機械的振動下におかれる木材チップの振動分級装置であって、
前記分級スクリーンは、それぞれ多数並置された棒状体であり、
上段スクリーンにおける隣接する上棒状体の間の下方に、下段スクリーンの下棒状体が位置して下段スクリーンが設けられ、
前記上棒状体と下棒状体との離間間隔は、目標の通過させるべき木材チップの厚さより大きく、
隣接する上棒状体の離間間隔は、前記上棒状体と下棒状体との離間間隔よりさらに大きいことを特徴とする木材チップ分級装置。
【0007】
(作用効果)
上下方向に少なくとも2段の分級スクリーンを有することで、木材チップは、隣接する上棒状体の離間部から、上棒状体と下棒状体との離間部へ効果的かつ円滑に誘導できる。
【0008】
<請求項3項記載の発明>
少なくとも木材チップの通過部分における棒状体の外面は、前記通過部分に向かって膨らむ曲面である請求項1または2記載の木材チップ分級装置。
【0009】
(作用効果)
木材チップの通過部分における棒状体の外面が、前記通過部分に向かって膨らむ曲面であるので、木材チップはその通過過程で棒状体と線で接触するようになり、面で接触する場合に比較して、木材チップの姿勢に影響を受けにくく、円滑な誘導及び排出が可能であり、材チップと棒状体の接触時における木材チップの細片化の防止効果が高いものとなる。
【発明の効果】
【0010】
以上、本発明によると、要すれば、シンプルで、スクリーン床を揺動させるだけの操作で、床を形成する棒の空隙部への木材チップの供給及び排出が安定して行うことができ、しかも、木材チップの揺動による木材チップと棒状体の接触時にも木材チップの細片化するのを抑止できる。したがって、ロット毎の木材チップの厚さの分布状態を簡便に、精度良く測定することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
次に本発明を実施するための最良の形態のいくつかの例を示しながら、本発明をさらに説明する。
<第1の実施の形態>
図1〜図3は第1の実施の形態を示したもので、箱様の容器10内に棒状体20、図示例では正円棒が多数並置され、それらの両端を容器10の壁に支持されている。これら全体は、図示しない加振装置により(機械的)振動される。
隣接する棒状体20、20相互の離間間隔について、棒状体20の高さ方向中間において目標の通過させるべき木材チップTの厚さより大きい通過間隔Fが確保され、棒状体20の高さ方向の他の部分においては、前記中間の離間間隔(通過間隔F)より大きい導入間隔側間隔E及び排出側間隔を有している。
実施の形態では、振動に伴って、木材チップTの一部が、棒状体20、20相互の上部の導入側空間に入り込むようになるが、その厚みが、通過間隔Fより小さい場合には、通過することにより、通過できない木材チップとの分級が行われる。
なお、各種サイズの分級のためには、前記の間隔をそれぞれ異ならせた上記の棒状体20を備える容器10群が上下に複数(たとえば4段)に積み重ねられ、図示しない加振装置により(機械的)振動されるものである。
【0012】
<第2の実施の形態>
図4〜図6は第2の実施の形態を示したもので、同様の容器10内に、それぞれ多数並置された横断面正円の棒状体21群、棒状体22群によって、2段の分級スクリーンとされた例である。上段スクリーンにおける隣接する上棒状体21,21の間の下方に、下段スクリーンの下棒状体22が位置して下段スクリーンが構成されている。
前記上棒状体21、21と下棒状体22との離間間隔は、目標の通過させるべき木材チップTの厚さより大きい通過間隔Fとされ、隣接する上棒状体21,21の離間間隔Dは、通過間隔Fよりさらに大きい関係に設定されている。
第2の実施の形態において、木材チップTは、隣接する上棒状体21、21の離間部から、上棒状体21と下棒状体22との離間部へ効果的かつ円滑に誘導され、通過間隔Fを通って下方に通過する。
【0013】
<他の実施の形態>
上記例のように、少なくとも木材チップTの通過部分(通過間隔F近傍部分)における棒状体20(あるいは棒状体21及び棒状体22)の外面は、前記通過部分に向かって膨らむ曲面であるのが望ましい。
したがって、上記の横断面正円の例のほか、楕円でもよいし、図7に示すように、半円と四角とを合成した形状(ただし、角部は面取りや曲面とする望ましい)でもよい。さらに、図8のように水滴状の横断面をもつ棒状体とすることができるなど、適宜の横断面形状をもつ棒状体とすることができる。
棒状体の材質は金属製が撓みや摩滅の少ないので望ましいが、プラスチックや強化プラスチック製などでもよく、必要により、外面を滑り性を高めるためにフッ素系樹脂などにより被覆層を形成してもよい。
【実施例】
【0014】
(実施例)
本発明者らは、それぞれ容器の幅:50cm、長さ:70cm、高さ:9cmの分級容器を4段に積み重ねたものを用いて、木材チップの分級試験を行なった。各分級容器の形態を表1に示す。棒の取り付け位置は、容器高さのほぼ中央部とした。棒の材質は、撓み・摩滅の少ないSUS304を用いた。
【0015】
【表1】


【0016】
分級容器の揺動に際しては、棒の幅方向に垂直に、水平方向で振幅8cm、振動回数1回/秒で1分間揺動させた。揺動は、容器ごとに行なってもよいし、容器を連結して連動させてもよい。
投入木材チップ量は15kgとした。ここで、あらかじめ、チップの厚さをノギスで測定し、厚さ10mmを超えるもの、10mm以下〜8mmを超えるもの、8mm以下〜6mmを超えるもの、6mm以下〜4mmを超えるものの4種類を各5kg、合計15kg準備した。また4mm以下の薄い、微細なチップは含めないようにした。
【0017】
(比較例)
特許文献1及び特許文献2に記載の発明との比較を行なうため、各特許文献の記載に基づいて、特許文献1については、供給部から排出部にいたるディスク表面の相互の間隔を4mm、6mm、8mm、10mmの4段階とし、ディスクの外径を18cmとし、ディスクを取り付けたパラレルシャフトの表面とディスクの最大頂部との空隙は、3mmとした。また特許文献2については、ディスク外径が18cm、間隔4mmで取り付けたパラレルシャフトを4本並列し、1段階のスクリーニングで行なった。容器の幅・長さは、スクリーニング面積が本発明と同等の0.35m2になるよう設定し、ディスクの厚さは5mmとし、ディスクの回転数は60回転/分として1分間運転した。
【0018】
(結果)
微細化率を調べたところ、本発明の場合=1.4%、特許文献1の場合=7.1%、特許文献2の場合=8.6%であった。
なお、微細化率は、分級されたチップから4mm未満のチップを取り出し、分級前の全重量に対する比率とした。
ディスクを回転させて分級する特許文献1及び特許文献2の方法では、ディスクの噛み合わせ部分においてチップが破砕され、微細化率が増加していることものと思われる。従って、チップサイズ(厚さ)の不明な試料の分布状態の把握が正確にできないという問題があるが、本発明によればチップの破砕が少なく、チップの厚さの分布状態を正確に把握することができることが確認された。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】第1の実施の形態の装置の概要平面図である。
【図2】その断面図である。
【図3】棒状体配置の説明図である。
【図4】第2の実施の形態の装置の概要平面図である。
【図5】その断面図である。
【図6】棒状体配置の説明図である。
【図7】他の例における棒状体配置の説明図である。
【図8】別の例における棒状体配置の説明図である。
【符号の説明】
【0020】
10…容器、20…棒状体、21…上棒状体、22…下棒状体、F…通過間隔。
【出願人】 【識別番号】390029148
【氏名又は名称】大王製紙株式会社
【出願日】 平成18年9月29日(2006.9.29)
【代理人】 【識別番号】100082647
【弁理士】
【氏名又は名称】永井 義久


【公開番号】 特開2008−86891(P2008−86891A)
【公開日】 平成20年4月17日(2008.4.17)
【出願番号】 特願2006−269644(P2006−269644)