トップ :: B 処理操作 運輸 :: B07 固体相互の分離;仕分け

【発明の名称】 分粒分級装置
【発明者】 【氏名】山形 一弘

【氏名】内田 拓治

【要約】 【課題】付帯設備やランニングコストを増加させることなく、微粉を含む分粒後の粒子混合体から微粉を精度良く、かつ効率的に分離し得る分粒分級装置を提供する。

【解決手段】微粉を含む被処理物Mを分粒するための分粒手段4と、分粒直後の微粉を移送気体の流れ5に伴送させて分級するべく前記微粉に対して移送気体を流通させる分級手段とを有する分粒分級装置1において、前記分級手段の移送気体流路に多段のルーバ翼6を全体的に傾斜して設けることによって前記移送気体の通過断面積を減少させ、前記ルーバ翼6間の開口部を通過する移送気体を増速させるよう構成されている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
微粉を含む被処理物を分粒するための分粒手段と、分粒直後の微粉を移送気体の流れに伴送させて分級するべく前記微粉に対して移送気体を流通させる分級手段とを有する分粒分級装置において、前記分級手段の移送気体流路に多段のルーバ翼を全体的に傾斜して設けることによって前記移送気体の通過断面積を減少させ、前記ルーバ翼間の開口部を通過する移送気体を増速させるよう構成されたことを特徴とする分粒分級装置。
【請求項2】
前記ルーバ翼毎の傾斜角度が可変な構造を有し、この傾斜角度を制御することによって、当該ルーバ翼上を滑落する被処理物の慣性力を変化させるよう構成されたことを特徴とする請求項1に記載の分粒分級装置。
【請求項3】
前記ルーバ翼の各々に略水平方向に配設された水平軸が設けられ、この水平軸を回動させることによって前記ルーバ翼毎の傾斜角度を制御するよう構成されたことを特徴とする請求項1または2に記載の分粒分級装置。
【請求項4】
前記ルーバ翼毎の傾斜角度を一定に保ったまま当該ルーバ翼間の開口部寸法が可変な構造を有し、このルーバ翼間開口部寸法を制御することによって、前記移送気体の通過断面積を変化させ、前記移送気体に伴送される粒子の大きさを制御するよう構成されたことを特徴とする請求項1乃至3のうちの何れか一つの項に記載の分粒分級装置。
【請求項5】
前記ルーバ翼と前記移送気体の流れ方向下流側の分級部側壁とから構成されるルーバ翼下流側空間における前記移送気体の流路断面積が、前記移送気体の流れ方向に沿って拡大するよう構成されたことを特徴とする請求項1乃至4のうちの何れか一つの項に記載の分粒分級装置。
【請求項6】
移送気体流路のルーバ翼下流側空間の上方に移送気体・微粉排出口を配置し、かつ下方に粒子排出口を配置するとともに、前記多段のルーバ翼の全体的な傾斜角度が可変な構造を有し、この傾斜角度を制御することによって、前記ルーバ翼下流側空間における移送気体の流れ方向に沿った流路断面積を変化させるよう構成されたことを特徴とする請求項5に記載の分粒分級装置。

【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、分粒分級装置の改善に関するものであり、詳細には、粗大粒、粗粒、細粒および微粉を含む被処理物を、粗大粒と粗粒、細粒および微粉(微粉が混ざった粗粒および細粒、即ち、粗粒と細粒と微粉との混合体)とに分粒し、更に、この粗粒と細粒と微粉とからなる混合体から微粉を分離して、粗粒と細粒とを乾式分級する分粒分級装置の改善に関する。
【背景技術】
【0002】
粗粒、細粒および微粉を含む被処理物、例えば岩石を破砕してなる破砕物から粗粒と細粒とを分離して製品化しようとする場合、先ず、篩(ふるい)分粒装置により前記被処理物を、粗粒と細粒および微粉(以下、細粒・微粉と記述する)とに分粒して、粗粒と細粒・微粉とを別々に回収し、次に、この細粒・微粉をベルトコンベアにて湿式分級機に移送し、この湿式分級機にて細粒・微粉から微粉を湿式分級して除去し、これにより、細粒を分離して得る方法が採用されていた。
【0003】
しかし、このような方法においては、湿式分級により除去した微粉の沈降分離に広い用地を要したり、沈降分離したものを圧搾して水分を除去するための装置が必要になって処理費用が高くなるという欠点があり、また、前記圧搾により得られる脱水ケーキの処理が必要であるという欠点がある。
【0004】
そこで、分級機として前記湿式分級機に代えて空気分級機(エアセパレータ)等の乾式分級機を用い、この乾式分級機にて細粒・微粉から微粉を乾式分級して除去し、これにより、細粒を分離して得る方法が提案され、採用されるようになってきた。このような従来例に係る分粒分級技術に関し、添付図4を参照しながら以下説明する。図4は、従来例に係る分粒分級装置の概要を示す側断面図である。
【0005】
この従来例に係る分粒分級技術は、微粉を含む被処理物を分粒するための分粒要素(篩網)54と、分粒直後の微粉を移送気体の流れに伴送させて分級するべく微粉に対して移送気体を流通させる分級手段とを有した分粒分級装置であり、また、前記被処理物を分粒要素54により分粒し、分粒による分散状態において移送気体を流通させることにより微粉を移送気体の流れに伴送させて分級する分粒分級方法である。
【0006】
しかしながら、このような従来技術に係る分粒分級装置および方法においては、前記移送気体に伴送されなかった微粉(例えば、分散状態が悪い微粉)の存在により、微粉の分離効率が低下するという問題があるため、気体噴射ノズル59,60を設けて、前記移送気体の流れに逆らったり、助成する方向に気体を部分的に噴射させている(特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2002−254035号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、前記従来技術に係る分粒分級装置および方法は、気体噴射ノズル59,60、コンプレッサー等の圧縮空気源およびこれらを制御するための制御装置等の付帯設備を必要とするとともに、前記圧縮空気を生成するためのランニングコストの増加が問題となる。
【0008】
本発明は、このような事情に着目してなされたものであって、その目的は、付帯設備やランニングコストを増加させることなく、微粉を含む分粒後の粒子混合体から微粉を精度良く、かつ効率的に分離し得る分粒分級装置を提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するために、本発明の請求項1が採用した分粒分級装置は、微粉を含む被処理物を分粒するための分粒手段と、分粒直後の微粉を移送気体の流れに伴送させて分級するべく前記微粉に対して移送気体を流通させる分級手段とを有する分粒分級装置において、前記分級手段の移送気体流路に多段のルーバ翼を全体的に傾斜して設けることによって前記移送気体の通過断面積を減少させ、前記ルーバ翼間の開口部を通過する移送気体を増速させるよう構成されたことを特徴とするものである。
【0010】
本発明の請求項2が採用した分粒分級装置は、請求項1記載の分粒分級装置において、
前記ルーバ翼毎の傾斜角度が可変な構造を有し、この傾斜角度を制御することによって、当該ルーバ翼上を滑落する被処理物の慣性力を変化させるよう構成されたことを特徴とするものである。
【0011】
本発明の請求項3が採用した分粒分級装置は、請求項1または2に記載の分粒分級装置において、前記ルーバ翼の各々に略水平方向に配設された水平軸が設けられ、この水平軸を回動させることによって前記ルーバ翼毎の傾斜角度を制御するよう構成されたことを特徴とするものである。
【0012】
本発明の請求項4が採用した分粒分級装置は、請求項1乃至3のうちの何れか一つの項に記載の分粒分級装置において、前記ルーバ翼毎の傾斜角度を一定に保ったまま当該ルーバ翼間の開口部寸法が可変な構造を有し、このルーバ翼間開口部寸法を制御することによって、前記移送気体の通過断面積を変化させ、前記移送気体に伴送される粒子の大きさを制御するよう構成されたことを特徴とするものである。
【0013】
本発明の請求項5が採用した分粒分級装置は、請求項1乃至4のうちの何れか一つの項に記載の分粒分級装置において、前記ルーバ翼と前記移送気体の流れ方向下流側の分級部側壁とから構成されるルーバ翼下流側空間における前記移送気体の流路断面積が、前記移送気体の流れ方向に沿って拡大するよう構成されたことを特徴とするものである。
【0014】
本発明の請求項6が採用した分粒分級装置は、請求項5に記載の分粒分級装置において、移送気体流路のルーバ翼下流側空間の上方に移送気体・微粉排出口を配置し、かつ下方に粒子排出口を配置するとともに、前記多段のルーバ翼の全体的な傾斜角度が可変な構造を有し、この傾斜角度を制御することによって、前記ルーバ翼下流側空間における移送気体の流れ方向に沿った流路断面積を変化させるよう構成されたことを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0015】
本発明の請求項1に係る分粒分級装置によれば、微粉を含む被処理物を分粒するための分粒手段と、分粒直後の微粉を移送気体の流れに伴送させて分級するべく前記微粉に対して移送気体を流通させる分級手段とを有する分粒分級装置において、前記分級手段の移送気体流路に多段のルーバ翼を全体的に傾斜して設けることによって前記移送気体の通過断面積を減少させ、前記ルーバ翼間の開口部を通過する移送気体を増速させるよう構成されたので、分粒後の分散状態において、移送気体に伴送されなかった粒子(分散状態が悪い微粉)を移送気体の流れに乗せることが出来、かつ、前記多段のルーバ翼によって分粒後の粒子に高速の移送気体を複数回衝突させ得るので、前記微粉の分離効率を向上させることが出来る。
【0016】
また、本発明の請求項2に係る分粒分級装置によれば、前記ルーバ翼毎の傾斜角度が可変な構造を有し、この傾斜角度を制御することによって、当該ルーバ翼上を滑落する被処理物の慣性力を変化させるよう構成されたので、前記粒子の滑落による慣性力と風速との関係から、前記ルーバ翼を越える粒子径を制御することによって、得られる製品の細かさ(あるいは、微粉の混合量)を変化させることが出来る。
【0017】
更に、本発明の請求項3に係る分粒分級装置によれば、前記ルーバ翼の各々に略水平方向に配設された水平軸が設けられ、この水平軸を回動させることによって前記ルーバ翼毎の傾斜角度を制御するよう構成されたので、前記ルーバ翼の傾斜角度の確実な制御が可能となる。
【0018】
また更に、本発明の請求項4に係る分粒分級装置によれば、前記ルーバ翼毎の傾斜角度を一定に保ったまま当該ルーバ翼間の開口部寸法が可変な構造を有し、このルーバ翼間開口部寸法を制御することによって、前記移送気体の通過断面積を変化させ、前記移送気体に伴送される粒子の大きさを制御するよう構成されたので、前記請求項2と同様に、得られる製品の細かさ(あるいは、微粉の混合量)を変化させることが出来る。また、ルーバ翼毎の傾斜角度を合わせて制御可能とすれば、変化させる際の微調整が容易となる。
【0019】
本発明の請求項5に係る分粒分級装置によれば、前記ルーバ翼と前記移送気体の流れ方向下流側の分級部側壁とから構成されるルーバ翼下流側空間における前記移送気体の流路断面積が、前記移送気体の流れ方向に沿って拡大するよう構成されたので、伴送気体の流れに乗った粒子から分離不要な粒径を有する粒子を再度回収することが出来、分離粒子径の精度良い制御が可能となる。
【0020】
本発明の請求項6に係る分粒分級装置によれば、移送気体流路のルーバ翼下流側空間の上方に移送気体・微粉排出口を配置し、かつ下方に粒子排出口を配置するとともに、前記多段のルーバ翼の全体的な傾斜角度が可変な構造を有し、この傾斜角度を制御することによって、前記ルーバ翼下流側空間における移送気体の流れ方向に沿った流路断面積を変化させるよう構成されたので、前記粒子排出口から排出される粒子径を制御することが出来る。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
先ず、本発明の実施の形態1に係る分粒分級装置の構成について、添付図1〜3を参照しながら以下説明する。図1は本発明の実施の形態1に係る分粒分級装置の概要を示す側断面図、図2は本発明の実施の形態1に係る分粒分級装置の分級部分を模式的に示した模式的側断面図である。
【0022】
図1において、本発明に係る分粒分級装置1は、被処理物から粗大粒を排除する分粒手段を収納した篩部分2と、この篩部分2の下部に配置されて、前記分粒手段によって分粒された粗粒および細粒・微粉を夫々分離する分級手段を収納した分級部分3とにより構成される。
【0023】
即ち、前記篩部分2の内部には、粗大粒、粗粒、細粒および微粉を含む被処理物(原料)Mを、粗大粒と粗粒および細粒・微粉とに分粒する分粒手段として、目開きの異なる上網4aと下網4bとからなる篩網4が、後述する被処理物Mの投入口2aの下部から斜め下方向に向けて配置されている。
【0024】
前記篩部分2の頂部側(上流端側)には、被処理物Mの投入口2aが設けられるとともに、斜め下方向に配置された前記篩網4の下端側(下流端側)には、粗大粒M1を網上物として排出する排出口2bが設けられている。そして、前記篩網4に振動を与えるため図示しない加振機が設けられ、投入された被処理物Mは、加振されて前記篩網4上を下流側に向けて移動(下降)しながら、粗大粒M1未満の粒径を有する粒子、即ち、粗粒および細粒・微粉を網下物Maとして篩い落として分粒される。
【0025】
そして、分級部分3の下部には、移送気体を導入するための移送気体導入口3aが設けられるとともに、前記移送気体導入口3aよりも上方の分級部分3の対向面には、移送気体および微粉M4の排出口(以下、移送気体・微粉排出口と称す)3bが設けられ、図示しない吸込ファン等の吸引装置にダクト接続されている。また、前記分級部分3の下端には、前記移送気体5に乗らない粗粒M2を回収するための粗粒排出口3cが設けられている。
【0026】
更に、前記分級部分3において、前記移送気体の流れ5が形成される流路空間に、この移送気体の流れ5を部分的に遮るように多段のルーバ翼6を設けることによって通過断面積を減少させ、前記移送気体が前記ルーバ翼6間のスリット状の開口部6aを通過する際、このスリット状の隙間によって増速された移送気体の流れ5aが形成されるよう構成されている。
【0027】
次に、このように構成された本発明に係る分粒分級装置1の分粒分級作用について、以下プロセスを追って説明する。上記分粒分級装置1において、加振機を起動させて篩網4を振動させるとともに、吸引装置を起動させる。そして、投入口2aから粗大粒、粗粒、細粒および微粉を含む被処理物Mを連続的に投入開始するとともに、前記吸引装置の吸引作用により移送気体導入口3aから移送気体を導入する。
【0028】
そうすると、前記投入口2aは被処理物Mの連続的投入により空気の出入りが少ない、被処理物Mがほぼ充満した状態になる。この状態で吸引装置により吸引されるので、図1に示す如く移送気体(空気)流れ5ができる。即ち、前記篩網4下部において、前記移送気体導入口3aから移送気体・微粉排出口3bに向かう斜め上方方向の移送気体流路が形成された状態となる。
【0029】
前記投入口2aから投入された被処理物Mは、篩網4によって粗大粒M1と粗粒および細粒・微粉とに分粒される。即ち、前記被処理物M中の粗大粒は、前記篩網4を通過することなく網上物(ふるいオーバ)M1として、粗大粒排出口2bからシュータ7を介して排出される。同時に、前記処理物M中の粗粒、細粒および微粉は、前記篩網4を通過し分散されて網下物Maとなり、この網下物Maは前記篩手段4下部に配置された分級部分3に落下する。
【0030】
前記分級部分3において、落下してきたこの網下物Maは、分級部分3内部に形成された前記移送気体の流れ5によって移送方向に流されて多段のルーバ翼6上に落下し、このルーバ翼6上を滑落する。この時、前記網下物Ma中の比較的小さな粒子Mbは、前記移送気体に伴送されてルーバ翼6間の開口部6aを、増速された移送気体の流れ5aとともに通過して、前記分級部分3内のルーバ翼6上流側空間Aから前記ルーバ翼6下流側空間Bに移動する。一方、前記移送気体に伴送されなかった比較的大きな粒子は、そのまま落下して粗粒M2として粗粒排出口3cから回収される。
【0031】
その際、前記ルーバ翼6下流側空間Bに移動する最大粒子径は、ルーバ翼6を滑落する時の慣性力と前記ルーバ翼6間の開口部6aを流れる移送気体の流速Vとにより決まってくる。ところが、前記開口部6aを通過する移送気体の流れ5aの流速のVは、開口部6aにおいて通過断面積を減少されているため、前記ルーバ翼6のない移送気体流路における流速より増速されている。
【0032】
そのため、分粒後の分散状態において、移送気体の流れ5に伴送されなかった粒子(分散状態が悪い微粉)を、前記開口部6aを通過する増速された移送気体の流れ5aに乗せることが出来、かつ、前記多段のルーバ翼6によって分粒後の粒子に高速の移送気体を複数回衝突させ得るので、前記微粉M4の分離効率を向上させることが出来る。
【0033】
そして、前記ルーバ翼6下流側空間Bに移動した粒子Mb中の微粉M4は、移送気体の流れ5に伴送されて、前記移送気体とともに移送気体・微粉排出口3bより排出される。一方、前記空間Bにおいて移送気体の流れ5に伴送されなかった粒子は、細粒M3として細粒排出孔3dから回収される。
【0034】
この様に、前記分級手段3の移送気体流路に多段のルーバ翼6を設けることによって、前記ルーバ翼6間の開口部6aを通過する移送気体を増速させるよう構成されたので、前記微粉の分離効率を向上させることが出来る。このようにして、粗大粒や微粉を含む被処理物Mから、前記粗大粒子M1や微粉M4を効率的に排除した粗粒M2や細粒M3を得ることが出来るのである。
【0035】
次に、このように構成された本発明に係る分粒分級装置1の更に好ましい構成について、図2を参照しながら以下説明する。即ち、本発明に係る分粒分級装置1の前記ルーバ翼6は、水平面となす傾斜角度θが可変な構造とし、この傾斜角度θを制御することによって、前記ルーバ翼6上を滑落する被処理物の慣性力を変えるように構成するのが好ましい。
【0036】
この様な構成は、前記ルーバ翼6の各々に略水平方向に配設された水平軸6bを設け、この水平軸6bを回動させることによって達成することが出来る。前記開口部寸法δとは、ルーバ翼6間に形成された開口部6aにおいて、前記移送気体の流れ方向に直角方向な開口寸法をいう。
【0037】
あるいはまた、図示はしないが、各段の前記ルーバ翼6毎の傾斜角度を一定に保った状態で、各段の前記ルーバ翼6を翼の配置方向と平行方向に可動し得る構造として、ルーバ翼6間の開口部寸法δが可変な構造とし、このルーバ翼6間の開口部寸法δを制御することによっても達成し得る。例えば、ルーバ翼6の左右両端側における分級部分3の側壁に対して、多数のルーバ翼固定位置を前記ルーバ翼6の配置方向と平行方向に設定しておき、当該固定位置に対するルーバ翼6の設置位置を適宜変更可能な構成とすれば良い。
【0038】
これらのような構成をなすことによって、前記開口部6aにおける移送気体の流速Vとルーバ翼6を滑落する粒子の落下速度(慣性力)との関係を制御し、前記移送気体の流れ5aに伴送される粒子の大きさ、逆に言えば、粗粒M2の下限粒径を制御することが出来る。
【0039】
更に、本発明に係る分粒分級装置1の前記ルーバ翼6と前記移送気体の流れ5方向下流側の分級部側壁3eとから構成される前記ルーバ翼6下流側空間Bの流路断面積が、前記移送気体の流れ5方向に従って拡大するよう構成するのが好ましい。このような構成は、前記ルーバ翼6が全体として水平面となす傾斜角度θが、分級部側壁3eが水平面となす傾斜角度θを越える角度とする(θ>θ)ことによって達成される。
【0040】
前記下流側空間Bにおけるルーバ翼6通過直後の移送気体流速は、一般的に流速が高く乱流となり易く、微粉の分離効率に悪影響を与える。このため、前記ルーバ翼6下流側空間Bの流路断面積を、前記移送気体の流れ5方向に沿って連続的に拡大するよう構成する
ことによって、前記下流側空間BにVaからVbに緩やかに流速が低下する安定的な移送気体の流れ5が形成される。このように移送気体の流速が減速していく過程で、本来細粒M3として分級されるべき粒子が伴送されることなく前記移送気体の流れ5から離脱し、効率的に分離されるのである。
【0041】
更にまた、移送気体流路のルーバ翼6下流側空間の上方には、移送気体・微粉排出口3bが配置され、かつ下方には粒子排出口である粗粒排出口3cおよび細粒排出口3dが配置されるとともに、前記多段のルーバ翼6の全体的な傾斜角度θが可変な構造を有し、この傾斜角度θを制御することによって、前記ルーバ翼6下流側空間における移送気体の流れ5方向に沿った流路断面積を変化させるよう構成されるのが好ましい。
【0042】
例えば、ルーバ翼6全体をルーバ翼6上端部回りに揺動させて前記傾斜角度θを変更する構成とすれば良い。このような構成をなすことによって、前記移送気体・微粉排出口3bから排出される粒子径を制御することが出来る。
【0043】
そしてまた、移送気体導入口3aには送気装置(押込ファン等)8を設けるのが好ましい。移送気体・微粉排出口3bからの吸気のみによる場合、前記ルーバ翼6間の開口部6aにおける移送気体流速Vを必要速度とするには、前記ルーバ翼6の圧損を考慮すると静圧の大きな吸気装置(吸気ファン等)が必要となって運転動力も大きくなる。しかしながら、前記ルーバ翼6の上流側から送気装置8によって送気する場合は、静圧の大きな送気装置を使用しなくとも、前記開口部6aにおける必要流速を得易く、総合的な効率が良くなるからである。
【0044】
次に、本発明の実施の形態2に係る分粒分級装置について、以下添付図3を参照しながら図1も併用して説明する。図3は、本発明の実施の形態2に係る分粒分級装置の分級手段を模式的に示した模式的側断面図である。
【0045】
但し、本発明の実施の形態2が上記実施の形態1と相違するところは、前記ルーバ翼6の配置に相違があり、これ以外は上記実施の形態1と全く同構成であるから、上記実施の形態1と同一のものに同一符号を付して、以下その相違する点について説明する。
【0046】
即ち、上記実施の形態1に係る分粒分級装置1のルーバ翼6が、同一の傾斜角度θと同一の開口部寸法δをなして配置されているのに対し、本実施の形態2に係る分粒分級装置1のルーバ翼6は、図3に示す如く、上方から順に夫々が異なる傾斜角度θ〜θと異なる開口部寸法δ〜δとをなしている。そして、前記ルーバ翼6の前記傾斜角度θ〜θと前記開口部寸法δ〜δとは、夫々次式(1),(2)を満足するよう配置されるのが好ましい。
θ>θ>θ>θ>θ (1)
δ<δ<δ<δ (2)
【0047】
前記分粒部分2に設けられた篩網4による分粒においては、投入口2a近傍の篩網5上流側では細粒M3や微粉M4を多く含む粒子が前記篩網4を通過し、網上物排出口2b近傍の下流側に近付くにつれて網目に近い粗粒が多く通過する傾向にある。逆に、前記篩網4を通過する通過量は、網上物排出口2b近傍の下流側に近付くにつれて少なくなる傾向にある。
【0048】
一方、前記ルーバ翼6の前記傾斜角度θ〜θと前記開口部寸法δ〜δとが、夫々前式(1),(2)を満足するよう配置することによって、前記開口部寸法δ〜δ各々における移送気体流速V〜Vは、次式(3)の様な関係となる。
>V>V>V (3)
その結果、前記上流側の微粉を多く含み、かつ通過量も多い部分の移送気体流速を大きくし、前記下流側の微粉も少なく、かつ通過量も少ない部分の移送気体流速は小さくなるので、同一風量でも効率の良い分離が可能となるのである。
【0049】
本発明において、粗大粒、微粉を含む被処理物については、何れもその種類は特には限定されず、種々のものを用いることができ、例えば岩石を破砕してなる破砕物を用いることができる。尚、粗大粒および微粉を含む被処理物としては、粗粒、細粒、粗大粒および微粉を含むものの他、細粒、粗大粒および微粉を含むもの、粗粒、粗大粒および微粉を含むもの等がある。
【0050】
本発明における微粉とは、移送気体の流れに乗ることが可能な程度に小さくて軽量な粉状体または粒状体のことである。また、細粒とは、前記微粉よりも大きくかつ重く、移送気体の流れに乗り難い粒状体のことである。粗粒とは、前記微粉および細粒よりも大きい粒状体のことである。粗大粒とは、前記細粒および粗粒よりも大きい粒状体または棒状体のことである。
【0051】
これらの各々の大きさについては、被処理物の種類や分粒分級の目的等によって相違し、変動し、また、定まってくるものであるが、多くの場合その平均径は、粗大粒は10mm以上、粗粒は10mm未満3mm以上、細粒は3mm未満0.1mm以上、微粉は0.1mm未満である。製砂設備において岩石を破砕してなる破砕物の場合、例えば、下限3〜5mm程度以上の平均径のものが粗大粒、上限3〜5〜下限0.6〜1.2mm程度の平均径のものが粗粒、上限0.6〜0.075mmあるいは1.2〜0.075mm程度の平均径のものが細粒、0.075mm(75μm )未満の平均径のものが微粉に相当することが多い。
【0052】
また、粗大粒、粗粒、細粒および微粉を含む被処理物を粗大粒と粗粒、細粒および微粉とに分粒する篩網とは、前記被処理物中の粗大粒およびそれ以上の大きさのものを通過させず網上物となし、粗粒、細粒および微粉を通過させ得る大きさの篩目(目開き)を有する篩網のことである。従って、この篩の目開きの大きさは、被処理物の種類、即ち粗大粒、粗粒および細粒並びに微粉の大きさによって異なる。
【0053】
本発明に係る実施の形態1および2においては、篩目の異なる篩網を上下2段に斜め下方に向けて配置した分粒手段を有する実施例を用いて説明したが、前記分粒手段における篩網の段数や斜め下方向への配置は特に限定されるものではなく、必要に応じた篩網段数と配置が可能である。また、本発明に係る実施の形態1および2においては、ルーバ翼の段数が5段の実施例を用いて説明したが、前記ルーバ翼の段数は特に限定されず、必要に応じて増減可能である。
【0054】
更に、移送気体の種類は特には限定されず、種々のものを用いることができるが、還元性雰囲気とする必要がある場合等の特段の事情がなければ、通常は空気を用いる。
【0055】
以上、本発明に係る分粒分級装置によれば、分級手段の移送気体流路に多段のルーバ翼を全体的に傾斜して設けることによって前記移送気体の通過断面積を減少させ、前記ルーバ翼間の開口部を通過する移送気体を増速させるよう構成したので、分粒後の分散状態において、移送気体に伴送されなかった粒子を移送気体の流れに乗せることが出来、かつ、前記多段のルーバ翼によって分粒後の粒子に高速の移送気体を複数回衝突させ得るので、前記微粉の分離効率を向上させることが出来る。
【0056】
また、本発明に係る分粒分級装置によれば、前記ルーバ翼の傾斜角度が可変な構造を有し、この傾斜角度を制御することによって当該ルーバ翼上を滑落する被処理物の慣性力を変化させ、前記移送気体に伴送される粒子の大きさを制御するよう構成したので、前記粒子の落下による慣性力と風速との関係から、前記ルーバ翼を越える粒子径を制御することによって、得られる製品の細かさ(あるいは、微粉の混合量)を変化させることが出来るのである。
【図面の簡単な説明】
【0057】
【図1】本発明の実施の形態1に係る分粒分級装置の概要を示す側断面図である。
【図2】本発明の実施の形態1に係る分粒分級装置の分級手段を模式的に示した模式的側断面図である。
【図3】本発明の実施の形態2に係る分粒分級装置の分級手段を模式的に示した模式的側断面図である。
【図4】従来例に係る分粒分級装置の概要を示す側断面図である。
【符号の説明】
【0058】
A:分級部分内のルーバ翼上流側空間, B:分級部分内のルーバ翼下流側空間
M:被処理物(原料),
M1:粗大粒(網上物), M2:粗粒, M3:細粒, M4:微粉,
Ma:網下物, Mb:ルーバ翼下流側空間に移動した粒子
,V〜V:ルーバ翼間開口部における移送気体流速
θ:分級部側壁が水平面となす角度,
θ,θ〜θ:ルーバ翼が水平面となす傾斜角度
δ,δ〜δ:ルーバ翼間の開口部寸法
1:分粒分級装置
2:分粒部分, 2a:原料投入口, 2b:網上物排出口
3:分級部分, 3a:移送気体導入口, 3b:移送気体・微粉排出口,
3c:粗粒排出口(粒子排出口), 3d:細粒排出口(粒子排出口),
3e:分級部側壁
4:分粒手段, 4a:上網, 4b:下網
5:移送気体の流れ,5a:増速(流速が変更)された移送気体の流れ
6:ルーバ翼, 6a:ルーバ翼間開口部,6b:水平軸
7:シュータ, 8:押込ファン(送気装置)
【出願人】 【識別番号】503245465
【氏名又は名称】株式会社アーステクニカ
【出願日】 平成18年9月28日(2006.9.28)
【代理人】 【識別番号】100089196
【弁理士】
【氏名又は名称】梶 良之

【識別番号】100104226
【弁理士】
【氏名又は名称】須原 誠


【公開番号】 特開2008−80282(P2008−80282A)
【公開日】 平成20年4月10日(2008.4.10)
【出願番号】 特願2006−265013(P2006−265013)