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【発明の名称】 篩分け装置
【発明者】 【氏名】彼谷 憲美

【氏名】大塚 治子

【要約】 【課題】篩室内の上蓋や横側壁内面等への試料付着を抑制することができる篩分装置を提供する。

【構成】底部に篩網2を備え且つ側部を横側壁3で上部を上蓋4で夫々囲われた篩室1と、篩網2の下方からその一部に向けてエアーを吹き付けながら当該エアー吹き付け位置を篩網2の全体に亘って移動させるエアー吹き付け機構10と、篩網2を通して篩室1の外部に向けてエアーを吸引排出するための吸引排出機構20を設け、エアー吹き付け機構10が、エアーの吹き付け方向を篩網2の面に対して直角方向よりも斜めに傾斜させるように、上向きにエアーを吹き出す回転式の噴射ノズル5と噴射ノズル5からのエアーの向きを変更するガイド板6で構成され、さらに、篩室1内にエアーを流入させるエアー流入機構30が設けられている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
底部に篩網を備え且つ側部を横側壁で上部を上蓋で夫々囲われた篩室と、前記篩網の下方からその一部に向けてエアーを吹き付けながら当該エアー吹き付け位置を篩網の全体に亘って移動させるエアー吹き付け機構と、前記篩網を通して前記篩室の内部から外部に向けてエアーを吸引排出するための吸引排出機構を設けた篩分装置であって、
前記エアー吹き付け機構が、前記エアーの吹き付け方向を篩網の面に対して直角方向よりも斜めに傾斜させている篩分装置。
【請求項2】
前記エアー吹き付け機構が、篩網に向けて上向きにエアーを吹き出しながら縦軸心回りに回転する噴射ノズルと、当該噴射ノズルから吹き出したエアーの向きを変更させるガイド板で構成されている請求項1に記載の篩分装置。
【請求項3】
外部から篩室内にエアーを流入させるエアー流入機構が前記横側壁から前記上蓋に至る何れかの箇所に設けられている請求項1又は2に記載の篩分装置。
【請求項4】
前記篩室内に試料を投入する試料投入口が前記上蓋に設けられ、前記エアー流入機構が当該試料投入口によって兼用構成されている請求項3記載の篩分装置。
【請求項5】
前記横側壁の内周面が下側ほど篩室内方に位置するテーパー状に形成され、前記上蓋を前記横側壁の内周面にて受け止め保持させたときに上蓋の周縁部と横側壁の内周面の間に生じる隙間によって前記エアー流入機構を構成している請求項3又は4に記載の篩分装置。

【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、底部に篩網を備え且つ側部を横側壁で上部を上蓋で夫々囲われた篩室と、前記篩網の下方からその一部に向けてエアーを吹き付けながら当該エアー吹き付け位置を篩網の全体に亘って移動させるエアー吹き付け機構と、前記篩網を通して前記篩室の内部から外部に向けてエアーを吸引排出するための吸引排出機構を設けた篩分装置に関する。
【背景技術】
【0002】
上記篩分装置は、篩室に投入された試料を篩網の下方に位置する噴射ノズルから吹き出すエアーによって篩網の上方に離間させる動作と、噴射ノズルのエアーが当たらないときに篩網の上方に離間した試料を篩室内のエアーと共に吸引して篩網に向かって衝突させる動作を繰り返すことにより、篩網の目よりも細かい微粒子の試料を通過させて外部に排出する一方、篩網の目よりも粗い試料は篩室内に残るようにして篩分け処理するものである(例えば、特許文献1参照)。尚、篩室への試料投入方法には、上蓋を開けて一度に試料を投入するバッチ(回分)式と、特許文献1のように上蓋に設けた投入口から連続的に投入する連続供給式とがある。
【0003】
【特許文献1】特開2002−186908号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記篩分け装置では、噴射ノズルからの吹き付けエアーを受けた試料が篩室内において吹き上げられ、上蓋や横側壁の内面等に試料が付着凝集するという不都合があった。そして、かかる試料付着が発生すると、篩分析に測定誤差が生じ、また、篩分けの処理効率を低下させる結果にもなる。特にバッチ供給式においては、一度に投入された多量の試料がエアーにより激しく巻き上げられ、上蓋内面等への付着の度合いが大きくなる。
【0005】
本発明は、上記実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、篩室内の上蓋や横側壁内面等への試料付着を抑制することができる篩分装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するための本発明に係る篩分装置は、底部に篩網を備え且つ側部を横側壁で上部を上蓋で夫々囲われた篩室と、前記篩網の下方からその一部に向けてエアーを吹き付けながら当該エアー吹き付け位置を篩網の全体に亘って移動させるエアー吹き付け機構と、前記篩網を通して前記篩室の内部から外部に向けてエアーを吸引排出するための吸引排出機構を設けた篩分装置であって、その第一特徴構成は、前記エアー吹き付け機構が、前記エアーの吹き付け方向を篩網の面に対して直角方向よりも斜めに傾斜させている点にある。
【0007】
すなわち、篩網の下方から吹き付けられるエアーの吹き付け方向が篩網の面に対して直角方向よりも斜めに傾斜しているので、当該吹き付けエアーを受けた篩室内の試料は篩網から真っ直ぐに吹き上げられず、篩網の面に沿う形で斜め方向に吹き上げられる。その結果、篩網から真っ直ぐに吹き上げられた場合に上蓋の内面に試料が正面衝突して付着凝集する不都合が抑制される。同時に、当該斜め向きのエアーが横側壁に当たる傾向も強くなり、横側壁に付着凝集した試料を払い落とす効果も生じる。
従って、篩室内の上蓋や横側壁内面等への試料付着を抑制することができる篩分装置が提供される。さらに試料は篩網から斜めに吹き上げられるので、気流とともにすみやかに吸引排出機構へ送られるため負荷が軽減される。
【0008】
同第二特徴構成は、上記第一特徴構成において、前記エアー吹き付け機構が、篩網に向けて上向きにエアーを吹き出しながら縦軸心回りに回転する噴射ノズルと、当該噴射ノズルから吹き出したエアーの向きを変更させるガイド板で構成されている点にある。
【0009】
すなわち、篩網の全体に亘ってエアー吹き付け位置を移動させるために縦軸心回りに回転する噴射ノズルから上向きにエアーが吹き出すとともに、当該エアーの向きがガイド板で変更されて、篩網の下方から篩網の面に対して斜めに傾斜した状態で吹き付けられる。
従って、上向きにエアーを吹き出す回転式の噴射ノズルと当該噴射ノズルに近接設置したガイド板によってエアー吹き付け機構を簡素に実現できる本発明の篩分装置の好適な実施形態が提供される。
【0010】
同第三特徴構成は、上記第一または第二特徴構成において、外部から篩室内にエアーを流入させるエアー流入機構が前記横側壁から前記上蓋に至る何れかの箇所に設けられている点にある。
【0011】
すなわち、上記エアー流入機構によって横側壁から上蓋に至る何れかの箇所から篩室内に流入したエアーが、前記エアー吹き付け機構の吹き付けエアーによって篩室の壁側に押される一方、吸引排出機構での吸引力によって加速されて、横側壁や上蓋の内面に沿って流れ、当該流入エアーにより横側壁や上蓋内面に付着凝集した試料が払い落される。
従って、篩室内の上蓋や横壁内面への試料付着をさらに効果的に抑制することができる本発明の篩分装置が提供される。
【0012】
同第四特徴構成は、上記第三特徴構成において、前記篩室内に試料を投入する試料投入口が前記上蓋に設けられ、前記エアー流入機構が当該試料投入口によって兼用構成されている点にある。
【0013】
すなわち、上蓋に設けた試料投入口から篩室内に試料を少量ずつ投入すると、同時に篩室内にエアーが流入されるので、篩室内の滞留物の負荷が過大にならないように試料を少量ずつ投入しながら、この流入エアーが上蓋内面から横側壁に沿って流れて付着した試料を払い落とす。
従って、バッチ式の場合の不利(一度に投入した多量の試料が運転初期に激しく吹き上げられて篩室内面に付着する)を回避しながら、連続供給式の利点を生かし滞留物の負荷を安定させて多量の試料を篩分け処理することができる本発明の篩分装置の好適な実施形態が提供される。
【0014】
同第五特徴構成は、上記第三又は第四特徴構成のいずれかにおいて、前記横側壁の内周面が下側ほど篩室内方に位置するテーパー状に形成され、前記上蓋を前記横側壁の内周面にて受け止め保持させたときに上蓋の周縁部と横側壁の内周面の間に生じる隙間によって前記エアー流入機構を構成している点にある。
【0015】
すなわち、例えば篩室内部や上蓋内面を清掃した後、上蓋を下側ほど篩室内方に位置するテーパー状に形成された横側壁内周面に当てて受け止めさせるだけで、篩室が上蓋及び横側壁で囲われて篩分処理が可能な状態になる。そして、篩分け処理を開始すると、上蓋の周縁部と横側壁の内周面の間に生じた隙間から篩室内に流入したエアーが上蓋内面や横側壁内面に沿って流れて付着した試料を払い落とす。
従って、篩分け処理の操作性を向上させるとともに、篩室内の上蓋や横壁内面への試料付着を効果的に抑制することができる本発明の篩分装置の好適な実施形態が提供される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
本発明に係る篩分装置の実施形態について、以下図面に基づいて説明する。
本発明の篩分装置Fは、粉体等の試料を所定の粒度を基準にして粗いものと細かいものに篩分け処理する装置であり、図1に示すように、底部に篩網2を備え且つ側部を横側壁3で上部を上蓋4で夫々囲われた篩室1と、篩網2の下方からその一部に向けてエアーを吹き付けながら当該エアー吹き付け位置を篩網2の全体に亘って移動させるエアー吹き付け機構10と、篩網2を通して篩室1の内部から外部に向けてエアーを吸引排出するための吸引排出機構20を設けている。また、篩室1内に試料を投入する試料投入口4aが上蓋4に設けられている。具体的には、試料投入口4aは上蓋4に設けたノブ4bから上蓋4を貫通する孔に形成されている。
【0017】
上記エアー吹き付け機構10が、前記エアーの吹き付け方向を篩網2の面に対して直角方向よりも斜めに傾斜させている。具体的には、エアー吹き付け機構10は、図2にも示すように、篩網2に向けて上向きにエアーを吹き出しながら縦軸心回りに回転する噴射ノズル5と、当該噴射ノズル5から吹き出したエアーの向きを変更させるガイド板6で構成されている。即ち、噴射ノズル5は長手状に形成されてスリット状のエアー吹き出し口5aを有し、基端部が円盤状の篩網2の中心に位置する回転軸7に支持されるとともに、スリット状のエアー吹き出し口5aが篩網2の周端位置まで伸びるように配置されている。一方、ガイド板6は噴射ノズル5と同程度の長さで断面をくの字に曲げた長板に形成され、噴射ノズル5のエアー吹き出し口5aからスリット状に吹き出すエアーに当たって斜め方向(例えば、噴射ノズル5からの吹き出し方向に対して30度や45度斜めの方向)に向けるように噴射ノズル5の部材表面に取り付けてある。なお、上記噴射ノズル5の回転方向はいずれでもよいが、図2に示すように、回転移動方向の後方側に向けて斜めにエアーを吹き出す状態の回転方向がより好ましい。
【0018】
前記吸引排出機構20は、篩網2の全面に対応する状態で篩室1の下方に設けた回収室8と、その回収室8の側端箇所に付設した排出口9によって構成されている。尚、この排出口9には後述のエアー吸引装置21(例えばエアークリーナー等)が接続されてエアー吸引される(図3参照)。
【0019】
さらに、前記篩室1の外部から篩室内にエアーを流入させるエアー流入機構30が篩室1の前記横側壁3から前記上蓋4に至る何れかの箇所に設けられている。具体的には、外部と通じている前記試料投入口4aによってエアー流入機構30が兼用構成されている。また、前記横側壁3の内周面3aが下側ほど篩室内方に位置するテーパー状に形成され、上蓋4を前記横側壁3の内周面3aにて受け止め保持させたときに上蓋4の周縁部4cと横側壁3の内周面3aの間に生じる隙間15によって前記エアー流入機構30を構成している。具体的な構造は、上蓋4の周縁部4cの数箇所(例えば、円周を4等分する4箇所)に、上記隙間15に相当する厚さのスペーサー11を貼り付けて上記隙間を生じるようにしている。
【0020】
図3に、本発明の篩分装置Fを備えた篩分処理システムを示す。
篩分装置Fは、前記噴射ノズル5の回転駆動部や吹き出しエアー発生部等(図示せず)を内蔵した篩分装置本体12に組み込まれている。篩分装置本体12の表面には表示部12aや操作部12bが備えてある。上蓋4の試料投入口4aには試料投入用のロート14が差し込まれている。前記排出口9とエアー吸引装置21はホース13で接続されている。尚、上記ロート14に対しては所定時間間隔をおいて手動で試料を投入できるが、図示しない自動供給装置から自動的に供給するようにしてもよい。
【0021】
尚、本発明に係る篩分装置Fは、図1や図2に示す実施形態に限らない。例えば、エアー吹き付け機構10として、ガイド板6を用いずに、噴射ノズル5のエアー吹き出し口5aからの吹き出し方向が部材表面に対して垂直方向ではなく斜め方向になるような断面形状に形成してもよい。また、エアー流入機構30として、上蓋4の試料投入口4a以外の箇所や横側壁3にエアー流入孔を形成するようにしてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0022】
本発明に係る篩分装置は、篩室内部の壁面等への試料付着を有効に抑制しながら、例えば製品微粉中に不良の粗大粒子が混ざった試料から粗大粒子を除去する処理や、粗粉と微粉が混ざった試料を分離する処理などに使用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本発明に係る篩分装置の正面断面図
【図2】本発明に係る篩分装置の一部部材の斜視図
【図3】本発明に係る篩分装置を備えた振分け処理システムの全体構成図
【符号の説明】
【0024】
1 篩室
2 篩網
3 横側壁
3a 内周面
4 上蓋
4a 試料投入口
4b ノブ
4c 側端部
5 噴射ノズル
5a エアー吹き出し口
6 ガイド板
7 回転軸
8 回収室
9 排出口
10 エアー吹き付け機構
11 スペーサー
12 篩分装置本体
12a 表示部
12b 操作部
13 ホース
14 ロート
15 隙間
20 吸引排出機構
21 エアー吸引装置
30 エアー流入機構
F 篩分装置
【出願人】 【識別番号】000113355
【氏名又は名称】ホソカワミクロン株式会社
【出願日】 平成18年8月11日(2006.8.11)
【代理人】
【公開番号】 特開2008−43854(P2008−43854A)
【公開日】 平成20年2月28日(2008.2.28)
【出願番号】 特願2006−220148(P2006−220148)