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【発明の名称】 ペレット選別装置およびペレット製品の製造方法
【発明者】 【氏名】新井 勉

【氏名】矢野 信行

【氏名】文本 淳一

【要約】 【課題】長尺チップの製品側への混入を防止することにより、製品の品位向上、安定した風送、および後工程の安定した操業を図るペレット選別装置およびペレット製品の製造方法を提供する。

【構成】ペレット投入口と、製品排出口とミスカット品排出口とを有するボディと、ボディ内に設けた、篩孔を有する篩面と、篩面の少なくとも一部を覆い、篩面上を移動するペレット上を覆うシートと、ボディを振動させる振動装置を備えたことを特徴とする樹脂ペレット選別装置およびこの選別装置を用いて、ペレット投入口よりペレットを投入し、振動装置によりボディを振動させながら篩面とシートの間にペレットを流す際、篩面上を流れる長尺ペレットがシートに押さえられて立たないようにすることによって長尺ペレットの製品排出口側への混入を阻止し、ミスカット品排出口から排出するようにしたことを特徴とするペレット製品の製造方法。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ペレット投入口と、製品排出口とミスカット品排出口とを有するボディと、ボディ内に設けた、篩孔を有する篩面と、篩面の少なくとも一部を覆い、篩面上を移動するペレット上を覆うシートと、ボディを振動させる振動装置を備えたことを特徴とする樹脂ペレット選別装置。
【請求項2】
篩面とシートの間の間隔を、篩孔の孔径の6倍の長さ以下の間隔を空けてシートを設置したことを特徴とする請求項1記載の樹脂ペレット選別装置。
【請求項3】
シートを、選別するペレットと同じ材質とした請求項1記載の樹脂ペレット選別装置。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか記載の選別装置を用いて、ペレット投入口よりペレットを投入し、振動装置によりボディを振動させながら篩面とシートの間にペレットを流す際、篩面上を流れる長尺ペレットがシートに押さえられて立たないようにすることによって長尺ペレットの製品排出口側への混入を阻止し、ミスカット品排出口から排出するようにしたことを特徴とするペレット製品の製造方法。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明はペレットの選別において、規格外れの長尺ペレットを製品に入れないようにしたペレット選別装置およびペレット製品の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
通常の熱可塑性樹脂のペレット生産工程において、重合槽の吐出弁より吐出されたストランドは水冷し、カッターを用いてカッティングして脱水後製品を風送して後工程に送っている。
【0003】
このようなペレット生産工程においては、吐出初期には太さが不均一なストランドが発生しやすく、カッティングミス等により規格外れの形状の大きなペレットや、長尺のペレットが発生する。このミスカットペレット(ミスカット品)を製品から分離するために、振動篩装置を用いて製品とミスカットペレットとに選別しており、通常、篩には篩面が使用されている。この篩面上にペレットを流すことにより、規格サイズの製品は篩面の穴より落下し製品側に回収され、ミスカットペレットは篩面上を下流まで流れて最終部で回収されるようになっている。
【0004】
直径が規格外れの大きなペレットは篩面の穴径を変えることにより選別できるが、長さが規格外れの長尺のペレットは、振動の強さあるいはペレットの供給状態により篩面に対して垂直方向に立ち上がることがあり、このような状態で断面形状が規格に近いものは製品側に入ってしまうことになる。この長尺ペレットが製品として風送されると、配管内等での詰まりを発生させる原因となる他、後工程でドライヤー内詰まり等様々なトラブル発生の原因となる。
【0005】
このような問題を解決する方法も種々検討されている。例えば、特許文献1では篩い面を2段とし、かつ長尺チップが立ち上がらないよう振動角を調整した振動篩機が提案され、特許文献2では篩面の下に間隔をおいて孔のない面を有する振動篩機が提案されている。しかし、特許文献1では、振動篩機の縦振動成分がゼロではないため、長尺ペレットが篩面で起きあがってしまい、孔に入ってしまうという問題があった。また、下段の篩い孔にペレットが目詰まりすると、容易に除去することができないという問題があった。特許文献2では、長尺ペレットが篩面と孔のない面の間に立った状態で捕捉できるが、さらなる振動により捕捉されていた長尺ペレットが篩い面をすり抜け製品側へ入ってしまうという問題があった。
【特許文献1】特開2002−233824号公報
【特許文献2】特開平11−34049号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、上述した問題点に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、長尺チップの製品側への混入を防止することにより、製品の品位向上、安定した風送、および後工程の安定した操業を図るペレット選別装置および選別方法を提供するところにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明はすなわち、
(1)ペレット投入口と、製品排出口とミスカット品排出口とを有するボディと、ボディ内に設けた、篩孔を有する篩面と、篩面の少なくとも一部を覆い、篩面上を移動するペレット上を覆うシートと、ボディを振動させる振動装置を備えたことを特徴とする樹脂ペレット選別装置
である。
【0008】
本発明の好ましい態様としては、
(2)篩面とシートの間の間隔を、ミスカット品の篩孔の孔径の6倍の長さ以下の間隔を空けてシートを設置したことを特徴とする(1)記載の樹脂ペレット選別装置。
(3)シートを、選別するペレットと同じ材質とした(1)記載の樹脂ペレット選別装置
(4)(1)〜(3)のいずれか記載の選別装置を用いて、ペレット投入口よりペレットを投入し、振動装置によりボディを振動させながら篩面とシートの間にペレットを流す際、篩面上を流れる長尺ペレットがシートに押さえられて立たないようにすることによって長尺ペレットの製品排出口側への混入を阻止し、ミスカット品排出口から排出するようにしたことを特徴とするペレット製品の製造方法
を提供するものである。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、熱可塑性樹脂のペレット生産工程において、吐出初期に発生しやすいカッティングミス等による規格外れの形状の大きなペレットや、長尺のペレットを製品から効率よく分離することができ、ペレット生産工程における工業価値が高い。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、本発明を図面を参照して詳細に説明する。図1は本発明に係るペレット選別装置の一態様を示す概略断面図である。図1において、装置は、図示しない架台と防震バネ8で接続され、ペレットを投入するペレット投入口1と、製品を排出する製品排出口2と、ミスカット品を排出するミスカット品排出口3とを有するボディ4を備えている。ボディ4内には篩面5が取り付けられており、篩面5にはペレットの大きさに応じて所定の篩孔12を設け、かつ篩孔12空けの配列を考慮することにより、ペレットを選別することができる。篩孔により、ペレット製品とミスカット品を区分けすることができる。篩孔の上部にはシート6が篩面5の少なくとも一部を覆うようにボディ4に取り付けられている。また、ボディ4にはボディ4を振動させるための振動モーター7が取り付けられている。
【0011】
このような装置において、ペレットは、振動モーター7により震動するボディ4に設けられたペレット投入口1より投入される。投入されたペレットは、震動により篩面5上を排出口に向かって流れ、規格サイズの製品9は篩孔12より落下し、製品排出口2に導かれる。一方、篩孔12より落下できない形状の規格外れのミスカット品10は篩面5上を流れ、ミスカット品排出口3より回収される。製品の中に含まれる長尺ペレット11も振動しながら篩面5を流れるが、篩面5の上部に覆われたシート6が邪魔になり垂直に立つことができずにミスカット品排出口3に流れ回収される。
【0012】
本発明において、ペレットの形状はストランド抜き出し方向に対して直角に切断したものであり、通常円筒状、角柱状である。図2は、本発明の典型的な形状のペレットの一態様を示す概略斜視図であり、ペレットの二つの切断面は、ほぼ同じ大きさで同じ形状をしている。従って、ペレットの大きさは、切断面の長径と短径、および二つの切断面の距離である長さとで規定される。本発明に適用される製品ペレットは、通常長径と短径が1〜3mm、長さが3〜5mmの汎用的な形状のペレットである。一方、長尺ペレットは通常、長径と短径が5mm以下、長さが40mm以上のペレットを言う。
【0013】
ペレットの流れる篩面は金網等を使用するとペレットが流れにくいいのでスムーズにペレットが流れるようにパンチングプレートを採用し、錆等の異物混入を懸念してステンレス製とするのが好ましい。パンチングプレートの孔径、振動数等は処理するペレットのサイズおよび処理量により、篩面の孔径を5〜10mm、ピッチ5〜15mm、振動数1000〜4000r.p.mの範囲で調整するのが好ましい。また、篩面の数はペレットのサイズや処理量に応じて上下二段以上設置しても構わない。
【0014】
本発明で使用するシートの設置方法は、篩面の少なくとも一部を覆うのが良いが、篩面で長尺ペレットが垂直に立たないようにするには、篩面の全面を覆うのが好ましい。また、シートは篩面に間隔を置かずに載せていても、上部に間隔をおくように設置しても良いが、篩面から間隔を空けすぎると長尺ペレットが垂直に立ってしまうので、篩面とシートの間の間隔を、篩孔の孔径の6倍の長さ以下の間隔を空けてシートを設置するのが好ましい。また、シート全体を固定してしまうとペレットの処理量が多いときに流れにくくなるので、上下可動となるように、自重で垂れるようにするのが好ましく、高さを調整するには、上部からひも状物で吊すか、篩面に突起物を設置しその上に載せるようにするのが好ましい。ひも状物の材質は特に限定しないが、異物混入が問題とならないようステンレスや篩面を流れるペレットと同じ素材を使用するのが好ましい。突起物の材質は特に限定しないが、錆等の異物混入が問題とならないようステンレス製とするのが好ましい。また、図1のように投入したペレットがシートの上に飛散しないよう、投入口付近ではシートの端が高くなるよう吊すのが好ましい。
【0015】
シートの材質は、シートが破損した場合、その切片が製品に混入すると異物となるおそれがあるため、流れるペレットと同じ材質にするのが好ましい。
【0016】
シートの厚みは、特に限定しないが、0.05mm以上、2mm以下であることが好ましい。これより薄いと破損しやすくなり、これより厚いと自重によりペレットの流れを阻害する。
【0017】
かくして、本発明の選別装置を用いて、ペレット投入口よりペレットを投入し、振動装置によりボディを振動させながら篩面とシートの間にペレットを流す際、篩面上を流れる長尺ペレットがシートに押さえられて立たないようにすることによって長尺ペレットの製品排出口側への混入を阻止し、ミスカット品排出口から排出することができ、ミスカット品の混入が有効に阻止されたペレット製品を製造する方法を提供できる。
【実施例】
【0018】
以下、本発明の内容および効果を実施例により更に詳細に説明するが、本発明は、その要旨を越えない限り以下の記載例に限定されるものではない。
【0019】
(実施例1)
ポリエチレンテレフタレートのペレット(平均長さ:5mm、平均直径:2mm)20kgに、長さが50mm、75mm、100mm、125mm、150mmの長尺ペレットを20個ずつ混ぜ、これを振動篩機の投入口より1kg/秒の割合で投入した。振動篩機として、図1に示す大東振動工学株式会社の振動篩機(型式SDF−48−125ST)を用いた。篩面の孔径を10mm、ピッチ15mm、振動数2000r.p.mとした。シートは厚み0.1mmのポリエチレンテレフタレート製のものを用い、篩面の全面を覆うようにし、篩面に載せた。ペレットは振動しつつ篩面とシートの間を流れ、篩面の篩孔から製品排出口に移動した。製品排出口からペレット製品を取得した。一方、長尺ペレットはシートに押さえられてミスカット品排出口から排出した。得られたペレット製品中に混入した長尺ペレットの個数をカウントした。結果を表1に示す。
【0020】
(実施例2)シートを篩面から25mm以下の高さになるよう上部からつり下げた以外は実施例1と同様にしてペレット製品を製造した。得られたペレット製品中に混入した長尺ペレットの個数をカウントした。結果を表1に示す。
【0021】
(比較例1)シートを篩面から40mmの高さになるよう上部からつり下げた以外は実施例1と同様にしてペレット製品を製造した。得られたペレット製品中に混入した長尺ペレットの個数をカウントした。結果を表1に示す。
【0022】
(比較例2)シートを用いないこと以外は、実施例1と同様にしてペレット製品を製造した。得られたペレット製品中に混入した長尺ペレットの個数をカウントした。結果を表1に示す。
【0023】
【表1】


【0024】
表1から明らかなように本発明によれば、振動篩機の篩面の少なくとも一部を覆うように篩面に載せるか又は上部に間隔をおくようにシートを設置することで、今まで除去が困難であった長尺ペレットを容易に除去できる。また、ペレットとシートを同じ材質にしておけば、破損したとしても異物とならないため好適である。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】本発明に係るペレット選別装置の一態様を示す概略断面図である。
【図2】本発明の典型的な形状のペレットの一態様を示す概略斜視図である。
【符号の説明】
【0026】
1 ペレット投入口
2 製品排出口
3 ミスカット品排出口
4 ボディ
5 篩面
6 シート
7 振動モーター
8 防震バネ
9 製品
10 ミスカット品
11 長尺ペレット
12 篩孔
【出願人】 【識別番号】000003159
【氏名又は名称】東レ株式会社
【出願日】 平成18年6月30日(2006.6.30)
【代理人】
【公開番号】 特開2008−6423(P2008−6423A)
【公開日】 平成20年1月17日(2008.1.17)
【出願番号】 特願2006−182630(P2006−182630)