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【発明の名称】 アクチュエータ
【発明者】 【氏名】長谷川 祐也

【氏名】光武 義雄

【氏名】太田 智浩

【要約】 【課題】回転モータの回転を、非接触で被駆動体部の往復運動に変換でき、電気剃刀の可動刃を直接駆動するような機構に適用が容易なアクチュエータを提供することにある。

【解決手段】回転モータ2の両端に突出せる回転軸に夫々連結され、軸方向に着磁された4つの扇状の磁石体4aを回転方向に少なくとも隣接配置するとともに、同一面側の隣接磁極を異なるように配置した円盤状の二つの回転側磁石部4を備えている。また各回転側磁石部4の外側に夫々対向配置されて回転側磁石部4の外側磁極面に対向する磁極を少なくとも一つ有する二つの駆動側磁石部5と、軸方向に並行するように配置され、軸方向の両端を夫々に対応する各駆動側磁石部4,4に連結している被駆動体部1とを備え、各駆動側磁石部4,4をばね体6により揺動自在に筐体3に支持している。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
回転モータの両端に突出せる回転軸に夫々連結され、軸方向に着磁された少なくとも二つの磁石体を回転方向に少なくとも隣接配置するとともに、同一面側の隣接磁極を異なるように配置した二つの回転側磁石部と、
各回転側磁石部の外側に夫々対向配置されて回転側磁石部の外側磁極面に対向する磁極を少なくとも一つ有する二つの駆動側磁石部と、
前記軸方向に並行するように配置された被駆動体部と、
前記各駆動側磁石部を軸方向に揺動自在に付勢するばね体とを備えてなり、
前記被駆動体部は前記軸方向の両端側を夫々に対応する前記各駆動側磁石部に連結していることを特徴とするアクチュエータ。
【請求項2】
前記被駆動体部を二つ並行に備えるとともに、各被駆動体部に対応して夫々二つの駆動側磁石部を前記各回転側磁石部の外側に配置していることを特徴とする請求項1記載のアクチュエータ。
【請求項3】
両被駆動体部の推進方向が互いに相反する方向となるように各回転側磁石部の磁極に対向する各被駆動体部の各駆動側磁石部の磁極を設定していることを特徴とする請求項2記載のアクチュエータ。
【請求項4】
前記回転側磁石部の隣接する二つの磁石体の磁極にそれぞれ対向する二つの異なる磁極を前記駆動側磁石部に設けていることを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項に記載のアクチュエータ。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、電気剃刀等に用いるアクチュエータに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来円盤状の永久磁石体を回転モータで回転させ、この永久磁石体に対向配置した同様な円盤状の永久磁石体を軸方向に揺動させるアクチュエータ(リニアオシレータ)が提供されている(例えば、特許文献1)。
【特許文献1】特開2005−348469号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
特許文献1に開示されているアクチュエータは揺動側の永久磁石体の中心に一旦を連結した軸体を報復させるものであるので、軸体に歯ブラシ等を取り付けることで電動歯ブラシのアクチュエータとして用いることができるものの、電気剃刀の可動刃を直接往復駆動できるような機構には用いることができなかった。
【0004】
そのため、電気剃刀の可動刃を直接駆動するような機構に用いることができるアクチュエータが希求されている。
【0005】
本発明は、上述の点に鑑みて為されたもので、その目的とするところは回転モータの回転を、非接触で被駆動体部の往復運動に変換でき、電気剃刀の可動刃を直接駆動するような機構に適用が容易なアクチュエータを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述の目的を達成するために、請求項1の発明では、回転モータの両端に突出せる回転軸に夫々連結され、軸方向に着磁された少なくとも二つの磁石体を回転方向に少なくとも隣接配置するとともに、同一面側の隣接磁極を異なるように配置した二つの回転側磁石部と、各回転側磁石部の外側に夫々対向配置されて回転側磁石部の外側磁極面に対向する磁極を少なくとも一つ有する二つの駆動側磁石部と、前記軸方向に並行するように配置された被駆動体部と、前記各駆動側磁石部を軸方向に揺動自在に付勢するばね体とを備えてなり、前記被駆動体部は前記軸方向の両端側を夫々に対応する前記各駆動側磁石部に連結していることを特徴とする。
【0007】
請求項1の発明によれば、回転モータの回転を非接触で被駆動体部の往復運動に変換することができ、しかも被駆動体部の両側に駆動側磁石部を備えるだけで良いため、例えば電気剃刀の可動刃を被駆動体部とすることで、直接可動刃を往復駆動する機構が簡単に得ることが可能となり、更にばね体による共振によって効率の良い駆動ができる。
【0008】
請求項2の発明では、請求項1の発明において、前記被駆動体部を二つ並行に備えるとともに、各被駆動体部に対応する夫々二つの駆動側磁石部を前記各回転側磁石部の外側に配置していることを特徴とする。
【0009】
請求項2の発明によれば、一つの回転モータで二つの被駆動体部を夫々往復駆動でき、例えば二つの可動刃を備える電気剃刀等に適用できる。
【0010】
請求項3の発明では、請求項2の発明において、両被駆動体部の推進方向が互いに相反する方向となるように各回転側磁石部の磁極に対向する各被駆動体部の各駆動側磁石部の磁極を設定していることを特徴とする。
【0011】
請求項3の発明によれば、両被駆動体部を違いに相反する方向に往復運動させるカウンタ動作が得られる。
【0012】
請求項4の発明では、請求項1乃至3の何れかの発明において、前記回転側磁石部の隣接する二つの磁石体の磁極にそれぞれ対向する二つの異なる磁極を前記駆動側磁石部に設けていることを特徴とする。
【0013】
請求項4の発明によれば、回転側磁石部の磁極数と駆動側磁石部の磁極数とを同じ数とすることで磁束を有効に用いることができ、その結果大きな駆動力を得ることができる。
【発明の効果】
【0014】
本発明は、回転モータの回転を非接触で被駆動体部の往復運動に変換することができ、しかも被駆動体部の両側に駆動側磁石部を備えるだけで良いため、例えば電気剃刀の可動刃を被駆動体部とすることで、直接可動刃を往復駆動する機構を得ることが可能となり、更にばね体による共振によって効率の良い駆動ができるという効果がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下本発明を実施形態により説明する。
【0016】
(実施形態1)
本実施形態は、図1に示すように電気剃刀の可動刃(内刃)を被駆動体部1とするアクチュエータを構成するもので、図示するように直流モータにより構成された回転モータ2を電気剃刀の筐体3の底部に回転軸(図示せず)が並行するように筐体3の底部に固定保持するとともに、回転モータ2の両側に突出した回転軸の両端に円盤状の回転側磁石部4の中心を連結して各回転側磁石部4を回転モータ2によって同方向に回転させるようになっている。
【0017】
各回転側磁石部4は中心から見た角度が90°である扇状の磁極を持つ4つの磁石体4aから構成され、各磁石体4aは隣接する磁極の極性が異なる磁極となるように軸方向に着磁され且つ両側の回転側磁石部4の各磁石体4aの対向磁極を同極としている。
【0018】
そして、これら両側の回転側磁石部4の外側には、回転モータ2の軸方向に並行配置される可動刃からなる被駆動体部1の両端から垂下させた脚部1a,1aの端部を側周部に連結された円盤状の駆動側磁石部5を夫々対置してある。
【0019】
これらの駆動側磁石部5は回転側磁石部4と同径で、且つ同様に着磁された4つの扇状の磁石体5aで構成され、被駆動体部1の両端側に配置された駆動側磁石部5,5の対向する各磁石体5aの磁極を異極としてある。
【0020】
そしてこれらの駆動側磁石部5の外側面の中心に一端が連結され、他端が筐体3の内壁面に連結されて各駆動側磁石部5の外側面と筐体3の内壁面との間に介在させたコイル状のばね体6により、駆動側磁石部5、5を含む被駆動体部1を回転モータ2の軸方向に揺動自在に筐体3に支持している。
【0021】
而して回転モータ2を例えば矢印方向に回転させると、この回転によって両側の回転側磁石部4,4も回転することになり、この回転に伴って各回転側磁石部4の各磁石体4aの磁極と各駆動側磁石部5の各磁石体5aの磁極とは、一方向側では同極の磁極部位の対向面積が異極の磁極部位の対向面積より大きくなって反発し、他方向側では異極の磁極部位の対向面積が同極の磁極部位の対向面積よりも大きくなって吸引し、この同じ方向の反発力と吸引力とが推進力となって被駆動体部1を一方向に移動させる。
【0022】
この移動では上述の反発側ではばね体6の付勢力に抗してばね体6を圧縮し、上述の吸引側でばね体6を復帰力に抗してばね体6を伸張させる。
【0023】
そして各回転側磁石部4の各磁石体4aの一つの磁極と対向する各駆動側磁石部5の各磁石体5aの一つの磁極との対向面積が最大となる回転位置において、同極対向の反発力と、異極対向の吸引力とが最大となり、被駆動体部1は一方向の移動端まで移動することになる。
【0024】
そして各回転側磁石部4の回転に伴って、一方向側での各磁石体4aと各磁石体5aの同極の磁極部位の対向面積が異極の磁極部位の対向面積に、他方向側での各磁石体4aと各磁石体5aの異極の磁極部位の対向面積が、同極の磁極部位の対向面積にそれぞれ近くなるよう変化すると、反発力と吸引力とからなる一方向の推進力の大きさも変化し、両側のばね体6の付勢力と復帰力とからなる反推進力によって被駆動体部1は他方向に移動開始する。
【0025】
そして更なる各回転側磁石部4の回転に伴って、一方向側での各磁石体4aと各磁石体5aの同極の磁極部位の対向面積が異極の磁極部位の対向面積より小さく、他方向側での各磁石体4aと各磁石体5aの異極の磁極部位の対向面積が、同極の磁極部位の対向面積より小さくなると、一方向側では異極の磁極部位同士の吸引力が同極の磁極部位同士の反発力よりも大きくなって吸引し、他方向側では同極の磁極部位同士の反発力が異極の磁極部位同士の吸引力よりも大きくなって反発し、この同じ方向の吸引力と反発力とが推進力となって被駆動体部1を他方向に移動させる。
【0026】
このようにして本実施形態では、回転モータ2によって各回転側磁石部4を回転させることで、被駆動体部1を非接触で軸方向の往復運動に変換できるのである。
【0027】
そして両側のばね体6を共振させるように回転モータ2の回転数、つまり被駆動体部1の往復数を設定すれば、効率良く駆動することが可能となる。
【0028】
また、本実施形態では回転側磁石部4,4を円盤状に形成しているので、回転角度による被駆動体部1の駆動への影響がなく、効率良い駆動ができる。
(実施形態2)
実施形態1では被駆動体部1が1つの場合であったが、本実施形態は二つの被駆動体部1を同時に駆動する点に特徴があり、図2(a)に示すように並行配置した被駆動体1,1のそれぞれの両端の脚部1a,1aの下端に直方体或いは立方体状の磁石体からなる駆動側磁石部5をそれぞれ連結し、各駆動側磁石部5の一方の磁極を回転側磁石部4の外側磁極面に対向させ、それぞれの駆動側磁石部5の背面をばね体6により筐体(図示せず)に支持させている。そして各被駆動体部1の二つの駆動側磁石部5,5の対向磁極を異なる磁極としてある。回転モータ2及び回転側磁石部4の構成は実施形態1と同じであるので、説明を省略する。
【0029】
而して、本実施形態においても実施形態1と同様に回転モータ2によって回転側磁石部4が回転することで、それぞれの被駆動体部1の両端の駆動側磁石部5の磁極と対応する各回転側磁石部4の磁石体4aの磁極との間において一方には反発力が、他方には吸引力が発生し、各被駆動部1を往復運動させることができるのである。
【0030】
ここで、両側の被駆動体部1の隣り合う駆動側磁石部5の回転側磁石部4の磁極面に対向する磁極を異ならせれば、両側の被駆動体部1の駆動方向を相反させることができ、いわゆるカウンタ動作が得られる。
(実施形態3)
実施形態2では各被駆動体部1に備える各駆動側磁石部5は一つの磁石体で構成したものであるが、図2(b)に示すように本実施形態は、上下に重ねるように結合した二つの磁石体5b、5bで駆動側磁石部5を構成したもので、二つの磁石体5b,5bの同じ方向に向いている磁極を異なる極性としており、また同じ被駆動体部1に備えられた対向側の駆動側磁石部5の各磁石体5b,5bの対向磁極とも異ならせている。
【0031】
そして上下の各磁石体5b,5bを回転側磁石部4の隣接する二つの磁石体4a,4aとを同じピッチで配置しており、これにより両側の被駆動体部1の4つの磁石体5bと、回転側磁石部4の4つ磁石体4aとで、回転側磁石部4の磁極数と、駆動側の磁極数とが同じとなり、これにより磁束を有効に用いることができて、大きな駆動力を得ることができる。
【0032】
ここで、両側の被駆動体部1の隣り合う駆動磁石部5の上下の磁石体5b,5bの回転側磁石部4の磁極面に対向する磁極を上下位置で異ならせれば、両側の被駆動体部1の駆動方向を相反させることができ、いわゆるカウンタ動作が得られる。
【0033】
尚、本実施形態でも回転モータ2及び回転側磁石部4の構成は実施形態1と同じであるので、説明を省略する。
【0034】
尚各実施形態の回転側磁石部4の磁極数は4極であるが、異なる2極を1組として極数を増やせば、回転数の(極数/2)倍の往復駆動(振動)数を得ることができ、実施形態の極数に限定されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【図1】実施形態1の一部破断・省略する斜視図である。
【図2】(a)は実施形態2の要部の斜視図、(b)は実施形態3の要部の斜視図である。
【符号の説明】
【0036】
1 被駆動体部
1a 脚部
2 回転モータ
3 筐体
4 回転側磁石部
4a 磁石体
5 駆動側磁石部
5a 磁石体
6 ばね体
【出願人】 【識別番号】000005832
【氏名又は名称】松下電工株式会社
【出願日】 平成19年3月5日(2007.3.5)
【代理人】 【識別番号】100087767
【弁理士】
【氏名又は名称】西川 惠清

【識別番号】100085604
【弁理士】
【氏名又は名称】森 厚夫


【公開番号】 特開2008−212848(P2008−212848A)
【公開日】 平成20年9月18日(2008.9.18)
【出願番号】 特願2007−54770(P2007−54770)