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圧電ブザー - 特開2008−155095 | j-tokkyo
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【発明の名称】 圧電ブザー
【発明者】 【氏名】南 洋次

【氏名】田中 義浩

【氏名】川尻 泰三

【氏名】太田 富之

【要約】 【課題】耐久性が向上した圧電ブザーを提供する。

【解決手段】金属からなる薄い円板形状の振動板2と、振動板2の両面にそれぞれ固着された薄い円板形状の圧電素子1と、合成樹脂からなり一方の圧電素子1を覆い振動板2との間に密封された空洞を形成する形で振動板2に接着されたフィルム3とからなる振動ブロック10を備える。振動ブロック10は、カバー42とともにハウジング4を構成するボディ41に対し、振動板2において接着されている。振動ブロック10をフィルム3においてボディ41に接着する場合に比べ、振動ブロック10が破損しにくくなり耐久性が向上する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
扁平な形状であって電歪効果により変形する圧電素子、弾性を有する材料からなり扁平であって圧電素子が厚さ方向に重ねて固着される振動板、並びに、弾性を有する材料からなり振動板に固着されたフィルムを有する振動ブロックと、
振動ブロックが固定されるボディと、ボディに機械的に結合して振動ブロックを覆うカバーとを備え、
フィルムは、環形状であって振動板に固着される固着部と、厚さ方向から見て固着部に囲まれ空洞を振動板との間に形成する膨出部とを有し、
振動ブロックは、振動板においてボディに固定されていることを特徴とする圧電ブザー。
【請求項2】
振動板はボディに接着されており、
ボディにおいて振動板が接着される面には、振動板を接着する接着剤が溜まる接着凹部が設けられていることを特徴とする請求項1記載の圧電ブザー。
【請求項3】
ボディとカバーとはカシメにより互いに結合していることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の圧電ブザー。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、圧電ブザーに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、図4(a)(b)に示すように電圧をかけたときに電歪効果によって矢印で示すように電圧の向きに応じた向きの歪みが生じる圧電素子1を用いた圧電ブザーが提供され、警報器などに用いられている(例えば、特許文献1参照)。圧電素子1はセラミックからなるものが一般的である。大きな音圧を得るために、圧電素子1は扁平な形状のものを図5に示すように例えば金属のような弾性変形可能な導電材料からなる扁平な振動板2の一面又は両面に重ねて固着して用いられる。図5の例では振動板2の両面にそれぞれ圧電素子1が固着され、振動板2の一方の圧電素子1が面積を拡張する方向に歪むときには他方の圧電素子1は面積を縮める方向に歪むように圧電素子1の向きと通電方向とがそれぞれ選択されており、各圧電素子1と振動板2との間に交流電圧を加えると破線で示すように振動板2が振動して音が発生する。なお、実際には圧電素子1を振動板2の一方の面にのみ固着したものが用いられることが多い。
【0003】
この種の圧電ブザーとして、例えば図6及び図7に示すものがある。この圧電ブザーは、金属のような弾性変形可能な導電材料からなる薄い円板形状の振動板2と、振動板2の両面にそれぞれ固着された薄い円板形状の圧電素子1と、合成樹脂からなり振動板2の一方の面に固着されて一方の圧電素子1が収納される空洞を振動板2との間に形成するフィルム3とからなる振動ブロック10を備える。フィルム3は、振動板2が収納される収納凹部30を有し、収納凹部30の底面には、振動板2から離れる方向(図6における下方)に膨出して振動板2との間に空洞を形成する膨出部31が設けられている。さらに、フィルム3は、収納凹部30の開口縁から外向きに突設された鍔部33を有し、振動ブロック10はフィルム3の鍔部33において円環形状の保持体5に固着される。保持体5は、複数個の音穴61が厚さ方向に貫設されたボード6の一面(図6における上面)に固定される。フィルム3は、膨出部31内の空気や振動板2を介して圧電素子1の力を受けて振動するものである。このようなフィルム3を設けると、膨出部31内の空気を伝わった振動と振動板2との連結部から伝わった振動とがフィルム3において重畳することにより音量が増大する。特に低音域では、振動ブロック10において振動する面積が広くなることによる効果もあって、音量増大の効果が大きい。
【特許文献1】特開昭55−57176号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、フィルム3は上記のように膨出部31内の空気から振動が伝わるものであるため、振動板2に比べて振動しやすくするために薄肉に形成された結果として機械的強度が低くなっている。上記従来例では、振動板2がフィルム3において保持体5に保持されているため、鳴動時にフィルム3に応力がかかるから耐久性が低く、フィルム3が耐えうる音量の限界が低くなっていた。また、フィルム3に収納凹部30が設けられていることにより、収納凹部30の内面と鍔部33との境界に応力が集中しやすいため、さらに耐久性が低くなっていた。
【0005】
本発明は、上記事由に鑑みて為されたものであり、その目的は、耐久性を向上した圧電ブザーを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1の発明は、扁平な形状であって電歪効果により変形する圧電素子、弾性を有する材料からなり扁平であって圧電素子が厚さ方向に重ねて固着される振動板、並びに、弾性を有する材料からなり振動板に固着されたフィルムを有する振動ブロックと、振動ブロックが固定されるボディと、ボディに機械的に結合して振動ブロックを覆うカバーとを備え、フィルムは、環形状であって振動板に固着される固着部と、厚さ方向から見て固着部に囲まれ空洞を振動板との間に形成する膨出部とを有し、振動ブロックは、振動板においてボディに固定されていることを特徴とする。
【0007】
この発明によれば、振動ブロックが振動板においてボディに固定されているので、振動ブロックをフィルムにおいてボディに固定する場合に比べて耐久性が向上する。
【0008】
請求項2の発明は、請求項1の発明において、振動板はボディに接着されており、ボディにおいて振動板が接着される面には、振動板を接着する接着剤が溜まる接着凹部が設けられていることを特徴とする。
【0009】
この発明によれば、接着凹部を設けない場合に比べて振動ブロックをボディに対して強固に固定することができる。
【0010】
請求項3の発明は、請求項1又は請求項2の発明において、ボディとカバーとはカシメにより互いに結合していることを特徴とする。
【0011】
この発明によれば、ボディとカバーとの結合に接着剤を用いる場合に比べ、ボディとカバーとを短時間で結合させることができる。
【発明の効果】
【0012】
請求項1の発明によれば、扁平な形状であって電歪効果により変形する圧電素子、弾性を有する材料からなり扁平であって圧電素子が厚さ方向に重ねて固着される振動板、並びに、弾性を有する材料からなり振動板に機械的に結合するフィルムから構成される振動ブロックが、振動板においてボディに固定されているので、振動ブロックをフィルムにおいてボディに固定する場合に比べて耐久性が向上する。
【0013】
請求項2の発明によれば、振動板はボディに接着されており、ボディにおいて振動板が接着される面には、振動板を接着する接着剤が溜まる接着凹部が設けられているので、接着凹部を設けない場合に比べて振動ブロックをボディに対して強固に固定することができる。
【0014】
請求項3の発明によれば、ボディとカバーとはカシメにより互いに結合しているので、ボディとカバーとの結合に接着剤を用いる場合に比べ、ボディとカバーとを短時間で結合させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、本発明を実施するための最良の形態について、図面を参照しながら説明する。
【0016】
本実施形態は、図1及び図2に示すように、金属のような弾性変形可能な導電材料からなる薄い円板形状の振動板2と、それぞれ薄く外径が振動板2よりも小さい円板形状の圧電セラミックからなり振動板2の一方ずつの面にそれぞれ厚さ方向に重ねて接着された2枚の圧電素子1と、薄い合成樹脂からなり一方(図2における上側)の圧電素子1を覆い振動板2との間に空洞を形成する形で振動板2に接着されたフィルム3とからなる振動ブロック10を備える。以下、上下方向は図1を基準として説明する。つまり、各圧電素子1及び振動板2の厚さ方向を上下方向と呼ぶ。
【0017】
フィルム3は、上方へ膨出して上側の圧電素子1が収納される空洞を振動板2の上面との間に構成する膨出部31と、上方から見た膨出部31の全周から外向きに突設され圧電素子1を囲む円環形状であって振動板2に接着される固着部32とを有する。また、上方から見てフィルム3の外形は振動板2よりも小さくなっており、フィルム3は全体が振動板2に重なる。なお、フィルム3の振動板2への接着時に接着剤の反応熱等によって膨出部31内の気圧が変化することで膨出部31の内外に連通する穴が接着剤の層に開いてしまう可能性がある場合であって、膨出部31内の空間を確実に密封したい場合には、膨出部31の内外に連通する空気穴(図示せず)を予めフィルム3に貫設しておき、この空気穴を接着後に閉塞するとよい。
【0018】
また、本実施形態は、振動ブロック10を収納するハウジング4を備える。ハウジング4は、振動ブロック10が固定されるボディ41と、ボディ41に機械的に結合して振動ブロック10が収納される空間をボディ41との間に構成するカバー42とからなる。
【0019】
詳しく説明すると、ボディ41は例えば合成樹脂成型品からなり、直径が振動板2よりも大きい円板形状の本体部41aと、本体部41aの外周面の互いに反対側に位置する2箇所からそれぞれ外向きに突設されねじ挿通穴41cが上下に貫設されてハウジング4のねじ止め固定に用いられるねじ止め部41bとを有する。また、本体部41aの上面には、外径が振動板2よりも小さく内径が圧電素子1よりも大きい円筒形状の保持筒41dが上方に突設されており、振動板2は、保持筒41dの上端面の全周に接着されている。これにより、下側の圧電素子1は振動板2とボディ41との間で密封されている。本実施形態では、各圧電素子1がそれぞれ密封されていることにより、ハウジング4内に浸入した水などによる圧電素子1の劣化が防止されている。ここで、振動ブロック10の上下には互いに逆位相の音が生じ、振動ブロック10の下側に生じた音が振動ブロック10の上側に回りこむと上下の音が互いに打ち消しあって音量が低下してしまう。しかし、本実施形態では、振動ブロック10の下側に生じた音が振動ブロック10の上側に回り込むことは、ボディ41の本体部41aと保持筒41dとにより抑えられているから、上記のような音量の低下も抑制されている。さらに、保持筒41dの上面には環形状の接着溝41eが設けられており、振動板2を接着する接着剤(図示せず)が接着溝41eに溜まることにより振動板2の接着が容易となっている。なお、圧電素子1に接続される各電線(図示せず)は、それぞれ、振動板2をフィルム3や保持筒41dに接着する接着剤の層(図示せず)を通して引き出されている。
【0020】
カバー42は例えば合成樹脂のような塑性変形可能な材料からなり、全体として下面が開口した略有底円筒形状に形成され、振動ブロック10を覆う形でボディ41に被着されている。ボディ41の本体部41aの上面であって保持筒41dの外側には、それぞれ円弧形状であってカバー42の内面に当接してカバー42を位置決めする複数個の位置決め突起41fが上方に突設されている。さらに、カバー42の下端面には4個の結合突起42gが周方向に約90度ずつ位置をずらして下方に突設され、ボディ41の本体部41aにはそれぞれ結合突起42gが挿通される結合穴41gが上下に貫設されていて、結合突起42gが結合穴41gに挿通されて圧力や熱によってカシメられること(カシメ結合)により、ボディ41とカバー42とは互いに結合している。本実施形態は上記のようにボディ41とカバー42とをカシメによって互いに結合させているので、ボディ41とカバー42との結合に接着剤を用いる場合に比べ、ボディ41とカバー42とを短時間で結合させることができる。さらに、ボディ41の本体部41aの下面において結合穴41g付近には、図3に示すように、カシメられた結合突起42gが収納されるカシメ凹部41hが設けられている。また、カバー42の上面には円柱形状に窪んだ凹部42aが設けられ、この凹部42aの内周面とカバー42の外周面とにはそれぞれハウジング4の内外を連通させる複数個ずつの音穴42bが、それぞれ周方向に並べて貫設されている。
【0021】
上記構成によれば、振動ブロック10が振動板2においてボディ41に固定されているので、従来例のように振動ブロック10をフィルム3においてボディ41に固定する場合に比べて破損が発生しにくく(すなわち耐久性が向上していて)、より大きな音量に耐えることができる。
【0022】
なお、振動ブロック10を固定する方法としては、上記のように接着を用いる代わりに、例えばカバー42において振動板2をボディ41との間に挟む突起(図示せず)を設けるなど、振動ブロック10の振動板2がボディ41とカバー42との間に挟持される構造としてもよい。
【0023】
また、圧電素子1は必ずしも振動板2の両側に設ける必要はなく、振動板2の一方の面にのみ圧電素子1を固着してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】本発明の実施形態を示す分解斜視図である。
【図2】同上を示す断面図である。
【図3】同上を示す下面図である。
【図4】圧電素子の動作を示す説明図であり、(a)(b)はそれぞれ異なる方向の電圧をかけた場合の動作を示す。
【図5】圧電素子を用いたブザーの原理を示す説明図である。
【図6】従来例を示す断面図である。
【図7】従来例を示す分解斜視図である。
【符号の説明】
【0025】
1 圧電素子
2 振動板
3 フィルム
4 ハウジング
10 振動ブロック
41 ボディ
41e 接着溝(請求項における接着凹部)
42 カバー
【出願人】 【識別番号】000005832
【氏名又は名称】松下電工株式会社
【出願日】 平成18年12月21日(2006.12.21)
【代理人】 【識別番号】100087767
【弁理士】
【氏名又は名称】西川 惠清

【識別番号】100085604
【弁理士】
【氏名又は名称】森 厚夫


【公開番号】 特開2008−155095(P2008−155095A)
【公開日】 平成20年7月10日(2008.7.10)
【出願番号】 特願2006−344866(P2006−344866)