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超音波振動子の駆動回路 - 特開2008−49262 | j-tokkyo
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【発明の名称】 超音波振動子の駆動回路
【発明者】 【氏名】橋本 孝昭

【氏名】生天目 邦弘

【要約】 【課題】個体毎のバラツキにかかわらず、超音波振動子の共振周波数に一致した信号で超音波振動子を駆動できると共に、駆動信号を周囲の環境温度等の変化による超音波振動子の共振周波数の変動に追従させる。

【構成】起動時に、VCO3の発振周波数を連続的に変化させながら、整流回路6の検出出力を取り込み、超音波振動子1のインピーダンスを監視する。整流回路6の検出出力から超音波振動子1の共振周波数を検出すると、そのときの制御電圧をVCO3に設定する。これにより、VCO3の発振周波数を超音波振動子1の共振周波数に一致させる。その後には、超音波振動子1により生ずる位相差を検出し、この位相差に応じてVCO3の発振周波数が変化させて、VCO3の発振周波数を超音波振動子1の共振周波数の変動に追従させるようにする。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
発振周波数が制御可能な発振器と、
前記発振器の発振出力によって超音波振動子を駆動するドライブ回路と、
前記発振器の発振周波数を前記超音波振動子の共振周波数と一致させるように制御する手段と、
前記超音波振動子に入力される信号と前記超音波振動子を介して出力される信号との位相差を検出し、前記位相差の検出出力により、前記発振器の発振周波数を制御する手段と
を備えるようにした超音波振動子の駆動回路。
【請求項2】
前記発振器の発振周波数の可変範囲が前記位相差検出範囲内となるように、前記位相差の検出出力を制限する手段を設けるようにしたことを特徴とする請求項1に記載の超音波振動子の駆動回路。
【請求項3】
複数のチャンネルからなる複数の超音波振動子を駆動する超音波振動子の駆動回路であって、
前記各チャンネルの駆動回路は、発振周波数が制御可能な発振器と、前記発振器の発振出力で超音波振動子を駆動するドライブ回路とを含み、前記発振器の発振周波数を前記超音波振動子の共振周波数と一致させるように制御すると共に、前記超音波振動子に入力される信号と前記超音波振動子を介して出力される信号との位相差を検出し、前記位相差により前記発振器の発振周波数を制御するものであり、
前記発振器の発振出力を前記超音波振動子の共振周波数と一致させるように制御する処理を各チャンネル毎に時分割で行う
ようにしたことを特徴とする超音波振動子の駆動回路。
【請求項4】
前記各チャンネルの駆動回路に、時分割処理により選択された期間のみ検出信号を出力するような出力制御回路を設けるようにしたことを特徴とする請求項3に記載の超音波振動子の駆動回路。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、医療診断や治療等に用いられる超音波振動子の駆動回路に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば特許文献1に示されているように、医療診断や治療に、超音波振動子が用いられている。超音波振動子は、電界を加えると固有の振動周波数で振動する圧電素子であり、超音波振動子としては、PZT(ピエゾ)と呼ばれるチタン酸ジルコン酸鉛などの強誘電体が用いられている。このような超音波振動子を駆動する場合には、超音波振動子の共振周波数で駆動するのが最も効率的である。
【特許文献1】特開2001−137779号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところが、超音波振動子には各個体毎のバラツキがあり、超音波振動子の共振周波数を特定することは困難である。
【0004】
また、超音波振動子の共振周波数は、周囲の環境温度等の影響を受けて、変動する。したがって、たとえ起動時に超音波振動子をその共振周波数で駆動したとしても、使用中に、周囲の環境温度等が変化しまうと、超音波振動子をその共振周波数で駆動することができなくなる。
【0005】
本発明は、上述の課題を鑑み、各個体毎のバラツキにかかわらず、超音波振動子の共振周波数に一致した信号で超音波振動子を駆動できると共に、駆動信号を周囲の環境温度等の変化による超音波振動子の共振周波数の変動に追従させることができるようにした超音波振動子の駆動回路を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述の課題を解決するために、本発明は、発振周波数が制御可能な発振器と、発振器の発振出力によって超音波振動子を駆動するドライブ回路と、発振器の発振周波数を超音波振動子の共振周波数と一致させるように制御する手段と、超音波振動子に入力される信号と超音波振動子を介して出力される信号との位相差を検出し、位相差の検出出力により、発振器の発振周波数を制御する手段とを備えるようにした超音波振動子の駆動回路である。
【0007】
上記発明において、発振器の発振周波数の可変範囲が位相差検出範囲内となるように、位相差の検出出力を制限する手段を設けるようにしたことを特徴とする。
【0008】
また、本発明は、複数のチャンネルからなる複数の超音波振動子を駆動する超音波振動子の駆動回路であって、各チャンネルの駆動回路は、発振周波数が制御可能な発振器と、発振器の発振出力で超音波振動子を駆動するドライブ回路とを含み、発振器の発振周波数を超音波振動子の共振周波数と一致させるように制御すると共に、超音波振動子に入力される信号と超音波振動子を介して出力される信号との位相差を検出し、位相差により発振器の発振周波数を制御するものであり、発振器の発振出力を超音波振動子の共振周波数と一致させるように制御する処理を各チャンネル毎に時分割で行うようにしたことを特徴とする超音波振動子の駆動回路である。
【0009】
上記発明において、各チャンネルの駆動回路に、時分割処理により選択された期間のみ検出信号を出力するような出力制御回路を設けるようにしたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、超音波振動子の共振周波数を検出し、発振器の発振周波数を超音波振動子の共振周波数と一致させるように制御し、この超音波振動子の共振周波数と一致した信号で、超音波振動子を駆動するようにしている。このため、超音波振動子を効率的に駆動することができる。また、本発明によれば、超音波振動子に入力される信号と超音波振動子を介して出力される信号との位相差を検出し、位相差の検出出力により、発振器の発振周波数を制御しているので、使用中に、外部環境の温度等により超音波振動子の共振周波数が変動した場合でも、発振器の周波数を超音波振動子の共振周波数の変動に追従させることができる。
【0011】
また、本発明によれば、発振器の発振周波数の可変範囲が位相差検出範囲内となるように、位相差の検出出力を制限するようにしている。このため、周波数変化が位相差検出回路のS字特性の範囲を外れ、制御不能になることを防止することができる。
【0012】
また、本発明によれば、複数のチャンネルの超音波振動子を駆動する場合に、発振器の発振出力を超音波振動子の共振周波数と一致させるように制御する処理を各チャンネル毎に時分割で行うことができる。そして、各チャンネルの駆動回路に、時分割処理により選択された期間のみ検出信号を出力するような出力制御回路を設けることで、回り込みノイズの影響を受けることなく、時分割処理を行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。
(第1の実施形態)
図1は、本発明の第1の実施形態を示すものである。図1において、1は超音波振動子、2はドライブ回路、3はVCO(Voltage Controlled Oscillator)である。
【0014】
超音波振動子1は、電界を印加すると、固有の周波数の超音波で振動する圧電素子である。超音波振動子1の共振周波数としては例えば3つの周波数f1、f2,f3がある。共振周波数f1は例えば1MHzであり、共振周波数f2は例えば3MHzであり、共振周波数f3は例えば5MHzである。
【0015】
ドライブ回路2は、超音波振動子1に電界を印加して、超音波振動子1を駆動するものである。ドライブ回路2には、VCO3の発振出力が供給される。
【0016】
VCO3は、図2に示すように、その制御端子の制御電圧に応じて発振周波数が変化する発振器である。VCO3は、後に説明するように、超音波振動子1の共振周波数と等しい周波数となるように発振周波数が制御される。ドライブ回路2は、VCO3の発振信号を受けて、超音波振動子1の共振周波数で超音波振動子1を駆動している。
【0017】
このように、本発明の実施の形態では、VCO3を超音波振動子1の共振周波数で発振させ、ドライブ回路2を超音波振動子1の共振周波数で駆動するようにしている。このように、ドライブ回路2を超音波振動子1の共振周波数で駆動すれば、最も効率的である。
【0018】
しかしながら、超音波振動子1の共振周波数には、個体毎のバラツキがある。そこで、本発明の実施形態では、超音波振動子1のインピーダンス特性から超音波振動子1の共振周波数を検出し、VCO3の発振周波数を、超音波振動子1のインピーダンスが最小になる周波数で発振させるようにしている。これにより、VCO3は超音波振動子1の共振周波数と等しい周波数で発振されたことになり、ドライブ回路2を、超音波振動子1の共振周波数で駆動できる。
【0019】
つまり、ドライブ回路2により超音波振動子1を駆動する経路中の端子b−b’との間に、検出抵抗4が挿入される。検出抵抗4の両端の端子b−b’間の検出電圧Vdetは、バッファ回路5を介して、整流回路6に供給される。整流回路6で、検出抵抗4からの検出出力が平滑化される。
【0020】
検出抵抗4、バッファ回路5、整流回路6により、超音波振動子1のインピーダンスを検出するインピーダンス検出回路が構成される。このインピーダンスの検出信号から、超音波振動子1の共振周波数が検出される。
【0021】
すなわち、超音波振動子1は、等価的には、図3に示すように、キャパシタC1とインダクタL1との直列共振回路として示すことができる。このような直列共振回路では、図4に示すように、その共振周波数でインピーダンスが最小となる。
【0022】
このことから、図1における超音波振動子1は、その共振周波数で駆動されていると、インピーダンスは最小になる。超音波振動子1のインピーダンスが最小になると、超音波振動子1を駆動する経路中に流れる電流Iaは最大となり、検出抵抗4の両端の端子b−b’間の電圧Vdetは最大となる。このため、整流回路6の出力レベルが最大となる。
【0023】
これに対して、超音波振動子1の駆動信号が共振周波数から外れると、超音波振動子1のインピーダンスが大きくなり、超音波振動子1を駆動する経路中に流れる電流Iaは小さくなり、検出抵抗4の両端の端子b−b’間の電圧Vdetは小さくなる。このため、整流回路6の検出出力レベルは小さくなる。
【0024】
整流回路6の検出出力は、A/D変換器7でディジタル化されて、数値演算回路8に送られる。数値演算回路8は、例えばマイクロプロセッサにより構成されている。数値演算回路8は、起動時に、VCO3の発振周波数を連続的に変化させながら、整流回路6の検出出力を取り込み、超音波振動子1のインピーダンスを監視し、超音波振動子1の共振周波数を検出する。図4に示したように、超音波振動子1のインピーダンスは、共振周波数で最小となる。したがって、整流回路6の検出出力が最小値となる周波数を検出することで、共振周波数を検出できる。数値演算回路8は、整流回路6の検出出力が最小値となる周波数から超音波振動子1の共振周波数を検出すると、そのときの制御電圧をVCO3に設定する。これにより、VCO3の発振周波数は、超音波振動子1の共振周波数に一致するようになる。
【0025】
このようにして、起動時に、VCO3の発振出力は、超音波振動子1の共振周波数に一致され、この超音波振動子1の共振周波数と同一の周波数で、ドライブ回路2により、超音波振動子1が駆動される。これにより、超音波振動子1を効率的に駆動することができる。
【0026】
しかしながら、たとえ起動時に、VCO3の発振周波数を超音波振動子1の共振周波数に設定したとしても、使用中に、周囲の環境温度等が変化していくと、超音波振動子1の発振周波数が変動する。超音波振動子1の発振周波数が変動したら、起動時と同様に、VCO3の発振周波数を連続的に変化させながら、整流回路6の検出出力を取り込み、超音波振動子1のインピーダンスを監視し、超音波振動子1の共振周波数を検出して、VCO3の発振周波数を変更することが考えられるが、このような制御を行うのには、時間がかかる。また、このような制御を行うためには、超音波振動子1による機器の作業を止める必要がある
【0027】
そこで、本発明の実施の形態では、起動時に、上述のように、VCO3の発振周波数を超音波振動子1の共振周波数に設定した後には、超音波振動子1により生ずる位相差を検出し、この位相差に応じてVCO3の発振周波数を変化させて、VCO3の発振周波数を超音波振動子1の共振周波数の変動に追従させるようにしている。
【0028】
つまり、図1に示すように、超音波振動子1に駆動信号を入力する端子aからの信号と、超音波振動子1を介された駆動信号が出力される端子a’からの信号とが、位相差検出回路10に供給される。位相差検出回路10は、例えば、ロックインアンプから構成される。位相差検出回路10で、超音波振動子1に入力される信号と、超音波振動子1を介されて出力される信号との位相差が検出される。
【0029】
図5は、周波数と位相差との関係を示すものである。図5に示すように、共振しているときには位相差が0になり、共振周波数が変化すると、S字特性で示す特性に従って、位相差が生じる。超音波振動子1の共振周波数が環境温度等により変動すると、図5に示すS字特性に従って、位相差検出回路10から位相差信号が出力される。
【0030】
位相差検出回路10からの位相差の検出出力は、加算器9を介して、VCO3の制御端子に供給される。そして、この位相差が0になるように、VCO3の発振周波数が制御される。これにより、VCO3の発振周波数が超音波振動子1の共振周波数の変動に追従していく。
【0031】
図6は、数値演算回路8で、起動時に、VCO3の発振周波数を連続的に変化させながら、整流回路6の検出出力を取り込み、超音波振動子1のインピーダンスを監視し、超音波振動子1の共振周波数を検出して、VCO3の発振周波数を超音波振動子1の共振周波数に設定するときの処理を示すフローチャートである。
【0032】
図6において、電源がオンに設定されると、VCO3の制御電圧Vが初期値(V=0)に設定される(ステップS1)。そして、整流回路6の検出出力が取り込まれ、この検出出力が検出値Rv1とされる(ステップS2)。
【0033】
初期値の検出値Rv1が得られたら、VCO3の制御電圧Vが1段階増加され(ステップS3)、整流回路6の検出出力が取り込まれ、この検出出力が今回の検出値Rv2とされる(ステップS4)。そして、前回取り込んだ検出値Rv1と、今回取り込んだ検出値Rv2とが比較される(ステップS5)。
【0034】
ステップS5で、今回取り込んだ検出値Rv2が前回取り込んだ検出値Rv1と同じか又は大きい場合には、共振周波数に達していないものとして、ステップS6に行き、検出値Rv1の値が前回の検出値Rv2とされる。そして、ステップS3に行き、VCO3の制御電圧Vが1段階増加され、ステップS4で、整流回路6の検出出力が取り込まれ、この検出出力が今回の検出値Rv2とされ、ステップS5で、前回取り込んだ検出値Rv1と、今回取り込んだ検出値Rv2とが比較される(ステップS5)。
【0035】
ステップS3〜S6の処理を繰り返すことで、VCO3の制御電圧Vは1段階ずつ徐々に増加されながら、ステップS5で、前回取り込んだ整流回路6の検出値Rv1と、今回取り込んだ整流回路6の検出値Rv2とが比較される。
【0036】
超音波振動子1のインピーダンスは共振周波数で最小になり、超音波振動子1のインピーダンスが最小になると、図7に示すように、整流回路6の検出出力は最大となる。このため、VCO3の制御電圧Vは1段階ずつ徐々に増加してVCO3の発振周波数を上げていき、整流回路6の検出出力を監視していくと、図7(A)に示すように、VCO3の発振周波数が超音波振動子1の共振周波数に達する前では、上り傾斜となり、今回取り込んだ整流回路6の検出出力の値Rv2は、前回取り込んだ整流回路6の検出出力の値Rv1と同じからそれより大きくなる。この場合には、ステップS3〜S6の処理が繰り返される。
【0037】
ステップS3〜S6の処理を繰り返していくと、やがて、VCO3の発振周波数が超音波振動子1の共振周波数を越えていく。VCO3の発振周波数が超音波振動子1の共振周波数を越えると、図7(B)に示すように、傾斜が反転し、今回取り込んだ検出出力の値Rv2の方が、前回取り込んだ検出出力の値Rv1より小さくなる。したがって、今回取り込んだ検出出力の値Rv2の方が、前回取り込んだ検出出力の値Rv1より小さくなる直前で、VCO3の発振周波数が超音波振動子1の共振周波数に達したと考えられる。
【0038】
そこで、ステップS5で、今回取り込んだ検出出力の値Rv2の方が、前回取り込んだ検出出力の値Rv1より小さくなったと判断されると、VCO3の制御電圧Vが1ステップ戻される(ステップS7)。そして、VCO3の制御電圧がその電圧に固定される(ステップS8)。これにより、VCO3の発振周波数が超音波振動子1の共振周波数と一致させることができる。
【0039】
なお、上述のように検出出力をその都度比較せずに、検出出力値をメモリに一旦記憶させ、このメモリに記憶された検出出力を比較して処理するようにしてもよい。
【0040】
(第2の実施形態)
図8は、本発明の第2の実施形態を示すものである。上述の第1の実施形態では、位相差検出回路10により位相差を検出して、VCO3の発振周波数を可変させて、環境温度等による共振周波数の変動に追従させている。この場合、図5に示したように、周波数と位相差との関係は、S字特性で示されており、周波数誤差に追従できるのは、このS字特性の範囲内に限られる。S字特性の範囲を外れるまで周波数を動かしてしまうと、制御不能となる。したがって、S字特性の範囲内となるように、周波数の可変範囲を設定する必要がある。
【0041】
超音波振動子1の共振周波数としては、前述したように、例えば1MHzと、3MHzと、5MHzとがあるが、位相差による制御電圧は、位相差のみにより発生する。例えば、周波数1MHzの共振周波数を使っているときに、ちょうど良い補正値が±10%で得られたとすると、そのときの可変範囲は1MHzを中心に、±10Hzとなる。これに対して、周波数5MHzの共振周波数を使っているときには、5MHzを中心に±50Hz変動する。
【0042】
そこで、この実施形態では、位相差検出回路10によりVCO3の発振周波数を制御する際に、VCO3の発振周波数の可変範囲が位相差検出回路10のS字特性の位相差検出範囲内となるように、抵抗11、12、13と、スイッチ回路15を設けて、使用する周波数に応じて、周波数の可変範囲を制限するようにしている。
【0043】
つまり、図8に示すように、位相差検出回路10と加算器9との間に、スイッチ回路15と、スイッチ回路15により切り換えられる抵抗11、12、13が設けられる。抵抗11は、1MHzの共振周波数を使用したときに、図5に示したS字特性の範囲内となるように、VCO3の周波数可変範囲を設定するための抵抗である。抵抗12は、3MHzの共振周波数を使用したときに、図5に示したS字特性の範囲内となるように、VCO3の周波数可変範囲を設定するための抵抗である。抵抗13は、5MHzの共振周波数を使用したときに、図5に示したS字特性の範囲内となるように、VCO3の周波数可変範囲を設定するための抵抗である。
【0044】
使用する共振周波数が例えば1MHzのときには、スイッチ回路15が接点15aに設定され、位相差検出回路10の検出出力が抵抗11を介してVCO3に送られる。抵抗11は、1MHzの共振周波数を使用したときに、S字特性の範囲内となるように、可変範囲を設定している。このため、位相差がS字特性の範囲から外れ、制御不能になることが回避できる。
【0045】
使用する共振周波数が例えば3MHzのときには、スイッチ回路15が接点15bに設定され、位相差検出回路10の検出出力が抵抗12を介してVCO3に送られる。抵抗12は、3MHzの共振周波数を使用したときに、S字特性の範囲内となるように、可変範囲を設定している。このため、位相差がS字特性の範囲から外れ、制御不能になることが回避できる。
【0046】
使用する共振周波数が例えば5MHzのときには、スイッチ回路15が接点15cに設定され、位相差検出回路10の検出出力が抵抗13を介してVCO3に送られる。抵抗13は、5MHzの共振周波数を使用したときに、S字特性の範囲内となるように、可変範囲を設定している。このため、位相差がS字特性の範囲から外れ、制御不能になることが回避できる。
【0047】
(第3の実施形態)
図9は、本発明の第3の実施形態を示すものである。前述までの実施形態では、1つの超音波振動子1を駆動する構成とされていたのに対して、この実施形態では、複数チャンネルの超音波振動子1a、1b、1cを駆動する構成とされている。
【0048】
図9に示すように、各チャンネルの超音波振動子1a、1b、1cとドライブ回路2との間には、出力切換回路22a、22b、22cが夫々設けられている。出力切換回路22a、22b、22cには、イネーブル信号EN1、EN2、EN3が夫々供給される。イネーブル信号EN1、EN2、EN3は順にハイレベルになり、イネーブル信号EN1、EN2、EN3がハイレベルになっているチャンネルの超音波振動子1a、1b、1cに、ドライブ回路2からの駆動信号が供給される。
【0049】
また、各チャンネルの超音波振動子1a、1b、1cに対して検出抵抗4a、4b、4c、及び出力制御回路21a、21b、21cが夫々設けられる。出力制御回路21a、21b、21cには、イネーブル信号EN1、EN2、EN3が夫々供給される。イネーブル信号EN1、EN2、EN3がハイレベルになっているチャンネルの検出抵抗4a、4b、4cの検出値は、バッファ回路5に送られ、バッファ回路5から、整流回路6、A/D変換器7を介して、数値演算回路8に送られる。
【0050】
図10は、出力制御回路21a、21b、21cの一例を示すものである。図10において、PNP型トランジスタ51及び52の互いのエミッタが接続され、この接続点が抵抗53を介して、正電源54に接続される。トランジスタ51及び52のコレクタが負電源61に接続される。トランジスタ51のベースが入力端子50aに接続される。入力端子50aと入力端子50bとの間に、検出抵抗4a、4b、4cの両端が接続される。トランジスタ52のベースが抵抗55を介して接地されると共に、イネーブル信号の入力端子56に接続される。
【0051】
トランジスタ51及び52のエミッタと抵抗53との接続点がNPN型トランジスタ57のベースに接続される。トランジスタ57のコレクタが正電源54に接続される。トランジスタ57のエミッタが抵抗58を介して負電源61に接続されると共に、トランジスタ57のエミッタから、出力端子60aが導出される。各出力制御回路21a、21b、21cの出力端子60aは、夫々、バッファ回路5に接続される。
【0052】
図9において、数値演算回路8からは、各出力制御回路21a、21b、21cに対して、互いに異なるタイミングで、イネーブル信号EN1、EN2、EN3が順に送られる。これにより、数値演算回路8は、時分割制御で、検出抵抗4a、4b、4cの検出出力を取り込み、各超音波振動子1a、1b、1cの共振周波数と等しくなるように、VCO3の発振周波数を制御することができる。
【0053】
また、上述したように、出力制御回路21a、21b、21cは、イネーブル信号EN1、EN2、EN3がローレベルになると、検出抵抗4a、4b、4cの検出出力は遮断される。このため、このように時分割で、検出抵抗4a、4b、4cの検出出力を取り込むときに、他のチャンネルの検出出力による回り込みノイズの影響を受けることがない。
【0054】
つまり、前述したように、各チャンネルのVCO3は、その発振周波数を連続的に変化させながら、整流回路6の検出出力を取り込み、超音波振動子1a、1b、1cのインピーダンスを監視し、超音波振動子1a、1b、1cの共振周波数を検出して、VCO3の発振周波数を超音波振動子1a、1b、1cの共振周波数に設定する処理を時分割で行っている。
【0055】
図11に示すように、時間Ta1、Ta2、Ta3、…で、VCO3の発振周波数を超音波振動子1aの共振周波数に設定する処理が行われ、その間、図11(A)に示すように、イネーブル信号EN1がハイレベルになり、他のイネーブル信号EN2、EN3はローレベルになる。そして、図11(D)に示すように、検出抵抗4aから検出出力が現れ、この検出出力は、図11(G)に示すように、出力制御回路21aから出力され、バッファ回路5、整流回路6を介して、数値演算回路8に送られる。
【0056】
このとき、他のチャンネルの検出抵抗4b、4cには、図11(E)及び図11(F)に示すように、回り込みノイズが現れる。しかしながら、イネーブル信号EN2、EN3はローレベルになるため、この回り込みノイズは、図11(H)及び図11(I)に示すように、出力制御回路21b及び21cで遮断される。
【0057】
時間Tb1、Tb2、Tb3、…で、VCO3の発振周波数を超音波振動子1bの共振周波数に設定する処理が行われ、その間、図11(B)に示すように、イネーブル信号EN2がハイレベルになり、他のイネーブル信号EN1、EN3はローレベルになる。そして、図11(E)に示すように、検出抵抗4bから検出出力が現れ、この検出出力は、図11(H)に示すように、出力制御回路21bから出力され、バッファ回路5、整流回路6を介して、数値演算回路8に送られる。
【0058】
このとき、他のチャンネルの検出抵抗4a、4cには、図11(D)及び図11(F)に示すように、回り込みノイズが現れる。しかしながら、イネーブル信号EN1、EN3はローレベルのため、この回り込みノイズは、図11(G)及び図11(I)に示すように、出力制御回路21b及び21cで遮断される。
【0059】
時間Tc1、Tc2、Tc3、…で、VCO3の発振周波数を超音波振動子1cの共振周波数に設定する処理が行われ、その間、図11(C)に示すように、イネーブル信号EN3がハイレベルになり、他のイネーブル信号EN1、EN2はローレベルになる。そして、図11(F)に示すように、検出抵抗4cから検出出力が現れ、この検出出力は、図11(I)に示すように、出力制御回路21bから出力され、バッファ回路5、整流回路6を介して、数値演算回路8に送られる。
【0060】
このとき、他のチャンネルの検出抵抗4a、4bには、図11(D)及び図11(E)に示すように、回り込みノイズが現れる。しかしながら、イネーブル信号EN1、EN2はローレベルになるため、この回り込みノイズは、図11(G)及び図11(H)に示すように、出力制御回路21a及び21cで遮断される。
【0061】
本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲内で様々な変形や応用が可能である。
【産業上の利用可能性】
【0062】
本発明は、医療診断や治療等に用いられ超音波振動子を駆動する駆動回路に限らず、超音波を使った各種の機器の超音波駆動回路に用いることができる。
【図面の簡単な説明】
【0063】
【図1】本発明の第1の実施形態の構成を示すブロック図である。
【図2】VCOの説明に用いるグラフである。
【図3】超音波振動子の説明に用いる等価回路図である。
【図4】超音波振動子の特性の説明に用いる等価回路図である。
【図5】位相差の超音波振動子の特性の説明に用いるグラフである。
【図6】本発明の第1の実施形態におけるVCOの周波数制御の処理の説明に用いるフローチャートである。
【図7】本発明の第1の実施形態におけるVCOの周波数制御の処理の説明に用いるグラフである。
【図8】本発明の第2の実施形態の構成を示すブロック図である。
【図9】本発明の第3の実施形態の構成を示すブロック図である。
【図10】本発明の第3の実施形態における出力制御回路の構成を示す接続図である。
【図11】本発明の第3の実施形態の説明に用いる波形図である。
【符号の説明】
【0064】
1:超音波振動子
2:ドライブ回路
3:VCO
4:検出抵抗
5:バッファ回路
6:整流回路
7:数値演算回路
9:位相差検出回路
【出願人】 【識別番号】591032518
【氏名又は名称】伊藤超短波株式会社
【出願日】 平成18年8月24日(2006.8.24)
【代理人】 【識別番号】100064908
【弁理士】
【氏名又は名称】志賀 正武

【識別番号】100108578
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 詔男

【識別番号】100089037
【弁理士】
【氏名又は名称】渡邊 隆

【識別番号】100101465
【弁理士】
【氏名又は名称】青山 正和

【識別番号】100094400
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 三義

【識別番号】100107836
【弁理士】
【氏名又は名称】西 和哉

【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦


【公開番号】 特開2008−49262(P2008−49262A)
【公開日】 平成20年3月6日(2008.3.6)
【出願番号】 特願2006−227749(P2006−227749)