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【発明の名称】 偏心ロータと同ロータを備えたブラシレス振動モータ
【発明者】 【氏名】山口 忠男

【要約】 【課題】実験の結果、接着、レーザ溶接などの信頼性に欠ける接合手段を採用することなく、タングステン焼結合金が錫を主体とする鉛フリー半田で容易に半田付けできることを見いだしたもので、偏心ウエイトの重量を犠牲にすることなく、薄手の偏心ロータでも十分な耐衝撃性を得る。

【構成】中央に軸支承部が配された磁性金属製ロータケース6に固着されたマグネットMと、このマグネットの外方でロータケースに固着されたタングステン製偏心ウエイトWが備えられ、ロータケースと偏心ウエイトを錫を主成分とする鉛フリー半田HDで接合したもので、偏心ウエイトは側周で軸方向に垂下された土手部Wbがある弧状に形成され、接合部には鉛フリー半田が軸方向に突き出ないように凹所Waが形成される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
中央に軸支承部が配された金属製ロータケースと、
前記軸支承部の外方で前記金属製ロータケースに固着されたマグネットと、
このマグネットの外方で前記ロータケースに固着されたもので半田付け可能な金属を含有するタングステン合金製偏心ウエイトとが備えられた偏心ロータであって、
前記ロータケースと前記偏心ウエイトを固着する手段として錫を主成分とする鉛フリー半田で接合してなる偏心ロータ。
【請求項2】
前記偏心ウエイトとしてタングステン合金成分がニッケルと銅又は鉄である請求項1に記載の偏心ロータ。
【請求項3】
前記偏心ウエイトは弧状に形成されると共に外周軸方向に垂下する土手部が設けられ、前記ロータケース側周に向かって開かれた接合用凹所が形成され、半田面が軸方向面上に突き出ていないことを特徴とする請求項1に記載の偏心ロータ。
【請求項4】
前記偏心ウエイトは半田付け可能な耐食性金属が表面にメッキされている請求項2に記載の偏心ロータ。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれか1項に記載の偏心ロータと、この偏心ロータに軸方向空隙を介して組み合わせたステータが備えられたもので、
このステータは、中央に軸支部が配されたブラケットと、
前記軸支部の外方で前記ブラケット上に添設されたフレキシブル印刷配線板からなるステータベースと、
このステータベース上面に突き出ないように配されたディテントトルク発生部材のディテントトルク部と、
このステータベース上面に配された単相空心電機子コイルと、
前記単相空心電機子コイルと重畳しないように前記ステータベース上に配された駆動回路部材とが備えられたブラシレス振動モータ。
【請求項6】
前記偏心ロータを覆う外部ケースが前記ブラケットの外周に組み付けられ、この外部ケースは少なくとも側周に磁性体があり、その磁性体の下部は周方向にフランジとして延設され、前記ステータのブラケットと組み合わされた請求項5に記載のブラシレス振動モータ。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
この発明は、移動体通信装置の無音報知手段等に用いて好適なもので偏心ロータと同ロータを備えたブラシレス振動モータに関する。
【背景技術】
【0002】
扁平な軸方向空隙型ブラシレス振動モータとしてコアレススロットレス型で1個の軸受からなるものが提案されている。(特許文献1、特許文献2参照)
駆動回路付きのブラシレス振動モータとしては、コアード型で、複数個の等分に配置した突極に電機子コイルを巻回してなるコアード型で駆動回路部材をステータの側方に配置した非円形なものが知られている。(特許文献3参照)
しかしながら、このようなものは、側方向のサイズが大となってしまい、セットの印刷配線板にSMD方式では実装効率が悪く、またコアード型のため、厚みが大とならざるを得ず実用性がない。
また、コアード、スロットレスコアレス型を含んだもので複数個の電機子コイルの一部を削除して空所を設け、この空所に駆動回路部材を配置したものが提案されている。(特許文献4参照)
【特許文献1】実開平4−137463号公報
【特許文献2】特開2002−143767号公報
【特許文献3】特開2000−245103号公報
【特許文献4】特開2002−142427号公報(図8〜図11)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところで、小型なブラシレス振動モータでは、ロータ自体で重心を半径方向にずらして遠心力振動を発生させるためには、タングステン焼結合金製の偏心ウエイトを配着する必要がある。
しかしながら、鉄合金等の磁性板からなるロータヨークにこの偏心ウエイトを固着する手段として凹凸はめ合わせ係合、接着、レーザによるスポット溶接等が考えられるが、凹凸はめあわせ係合では偏心ウエイトの重量が犠牲になり、接着は耐衝撃性に信頼性が不足し、レーザスポット溶接ではタングステンが溶接されるべき金属に比べて融点が高く、タングステン自体と前記磁性板との溶接が困難である。
【0004】
また、ブラシレスモータとして1個のホールセンサで駆動させる単相型では、ロータのマグネットの位置を次回確実に起動できる特定のところに停止させておくために磁性体からなるディテントトルク発生部材が必要である。
このディテントトルク発生部材は、所要のディテントトルク発生力を得るには、ある程度厚みが必要だから、ブラケット上に配置するものでは、配置空間がなかなか取れず、モータ自体の薄型化に対して逆行する問題となってしまう。
また、このディテントトルク発生部材は、たとえば印刷などで形成する場合、必要なディテントトルク発生力を得るようにするには、やはりある程度の厚みと幅が必要で、幅を大にするとディテントルク発生部の位置が不安定となり、幅を狭くすると今度は実質的には厚みが犠牲になるには変わりがない。
一方、ディテントトルク発生部材のディテントトルク部を空心電機子コイルの内径部に格納させて軸方向に突き出すことによってディテントトルク発生部材の厚みを実質的に無視できるようにしたものも提案されているが、今度はコイル内径のサイズが制約されコイルの巻き数が多く得られない問題がある。すなわち、ディテントトルク部の配置位置は、起動エラーをさけるためにロータ、すなわちマグネットが磁極の中心、あるいは磁極のニュートラルいずれの位置で停動するようになってもよいようにコイルの中心から故意にずらす必要があるが、コイルの内径が少ないとこのずらし角を大にできない。所定のずらし角が維持できないとトルクに寄与する有効導体部の本数と位置が犠牲となって起動トルクの減少や起動エラーを招く。
【0005】
ところで、最近の携帯機器の薄型化志向に沿って搭載される無音報知手段としての振動モータも長寿命で極端に薄いブラシレスモータが要求されているが、厚みが2mm未満となると、偏心ロータも薄手が要求されるので、偏心ウエイトの固着手段に格段の配慮が必要である。接着の場合では互いに凹凸組み合わせで接着力をカバーする必要があるが、今度は偏心ウエイトの重量が犠牲になって振動量の低下を招く。
【0006】
この発明は、接着、レーザ溶接などの信頼性に欠ける接合手段を採用することなく、半田付け可能な金属を含むタングステン焼結合金が錫を主体とする鉛フリー半田で容易に半田付けできることを実験して見いだしたもので、偏心ウエイトの重量を犠牲にすることなく、薄手の偏心ロータでも十分な耐衝撃性を得るようにし、併せて、ディテントトルク発生部材のディテントトルク部の配置厚みを全く無視できるようにしてコイルの内径大小に関わらず所定の最適なディテントトルク発生部材の位置(ずらし角)が得られるようにして極めて薄型なブラシレス振動モータを提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するには、請求項1に示すように中央に軸支承部が配された金属製ロータケースと、
前記軸支承部の外方で前記金属製ロータケースに固着されたマグネットと、
このマグネットの外方で前記ロータケースに固着されたもので半田付け可能な金属を含有するタングステン合金製偏心ウエイトとが備えられた偏心ロータであって、
前記ロータケースと前記偏心ウエイトを固着する手段として錫を主成分とする鉛フリー半田で接合してなるもので達成できる。
具体的には、請求項2に示すように前記偏心ウエイトとしてタングステン合金成分がニッケルと銅又は鉄であるのがよい。
さらに、請求項3に示すように前記偏心ウエイトは弧状に形成されると共に外周軸方向に垂下する土手部が設けられ、前記ロータケース側周に向かって開かれた接合用凹所が形成され、半田面が軸方向面上に突き出ていないものにするのがよい。
好ましい具体的手段としては請求項4に示すように前記偏心ウエイトは半田付け可能な耐食性金属が表面にメッキされているものがよい。
このような偏心ロータを使用してブラシレス振動モータにするには、請求項5に示すように請求項1〜4のいずれか1項に記載の偏心ロータと、この偏心ロータに軸方向空隙を介して組み合わせたステータが備えられたもので、
このステータは、中央に軸支部が配されたブラケットと、
前記軸支部の外方で前記ブラケット上に添設されたフレキシブル印刷配線板からなるステータベースと、
このステータベース上面に突き出ないように配されたディテントトルク発生部材のディテントトルク部と、
このステータベース上面に配された単相空心電機子コイルと、
前記単相空心電機子コイルと重畳しないように前記ステータベース上に配された駆動回路部材とが備えられたもので達成できる。
このようなブラシレス振動モータの別の形態としては、請求項6に示すように前記偏心ロータを覆う外部ケースが前記ブラケットの外周に組み付けられ、この外部ケースは少なくとも側周に磁性体があり、その磁性体の下部は周方向にフランジとして延設され、前記ブラケットと組み合わされたものにするのがよい。
【発明の効果】
【0008】
請求項1に示す発明では、レーザによる溶接が困難な難溶性のタングステン合金でも半田付け可能な合金を含ませることによって錫を主体とする鉛フリー半田で表面が容易に接合でき、接着など信頼性に欠ける手段でないので耐衝撃性等が確保された信頼性の高い偏心ロータが得られる。
請求項2に示す発明では、合金として含まれるニッケル、銅及び鉄などあるので、半田付けが容易に出来ることになる。
請求項3に示す発明では、土手部によって重心の半径方向への移動量が多くなって回転時の遠心力が確保され、凹所によって半田部分が軸方向に突き出なくなって切削などの後作業が不要に出来る。
請求項4の発明では、耐食性メッキによって表面の経時変化が少なくなって半田付けが容易になる。
請求項5の発明では、耐衝撃性と重心移動量が確保された偏心ロータと、ステータとして駆動回路部材の厚みを少なくともステータベース分押さえ込み、ディテントトルク発生部材の厚みも無視でき、振動量を確保しながらも極めて薄い振動モータが得られる。
請求項6に示す発明では、振動モータとして機能するほか、電磁音響変換器の中央磁極に利用できる。この場合は、ディテントトルク発生部材のディテントトルク部は外部ケースの磁性体部分から十分隔離されているので、電磁音響変換器の励磁マグネットの磁界の影響を受けないことになる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
中央に軸支承部が配された磁性金属製ロータケースと、前記軸支承部の外方で前記磁性金属製ロータケースに固着されたマグネットと、このマグネットの外方で前記ロータケースに固着されたタングステン製ウエイトとが備えられた偏心ロータであって、前記ロータケースと偏心ウエイトを固着する手段として錫を主成分とする鉛フリー半田で接合してなり、前記偏心ウエイトは側周で軸方向に垂下された土手部がある弧状に形成され、接合部には前記鉛フリー半田が軸方向に突き出ないように凹所が形成されている。
【0010】
図1は、この発明の偏心ロータの平面図、図2は同ロータの断面図、図3はステータの組立図、図4はステータベースの平面図、図5はこのような偏心ロータとステータを備えた軸方向空隙型ブラシレス振動モータの縦断面図、図6は軸方向空隙型ブラシレス振動モータの使用例の縦断面図である。
【実施例1】
【0011】
図1、2において、この発明の偏心ロータRは、軸方向空隙型マグネットMと、このマグネットMの外周の一部に配された弧状の偏心ウエイトWと、これらを固着する厚みが0.15mm程度の磁性金属製ロータケース6と、該ロータケース6の回転中心に溶接などで固着されたフランジ型軸受7とが備えられたもので、このロータケース6は、前記マグネットMの上面が接着される平坦部6dとこれに続いて外径側垂下部6eと前記軸受7を支える内径側垂下部6fが形成される。
ここで、前記偏心ウエイトWはタングステン以外の合金成分として少量のニッケルが含まれ、銅あるいは鉄をバインドしたものが採用される。このため、難溶性のタングステンであっても半田付けが容易となる。
【0012】
前記偏心ウエイトWは、外周軸方向に垂下された土手部Wbを有しており、マグネットMの外方に固着されている。偏心ウエイトWの固着手段としては外径側垂下部6eの肩に内径部を大きく面取りして形成した凹所Waに、鉛フリー半田HDでロータケース6の肩で接合することによって達成できる。より強度を確保するには、上記ロータケース外径側垂下部の下方にも同様に半田付けすればよい。ここでは、鉛フリー半田HDとしては、錫に3%銀、0.5%銅の組成(例えば、千住金属のエコソルダー、M705材)のもので棒半田あるいはソルダーペーストを前記凹所にはめて、半田コテ、熱風、リフロー、レーザなどの熱源で半田すればよい。
偏心ウエイトWは、そのままでも半田付け出来るが、長期間保管される場合は、ニッケル、錫などの耐食性金属でメッキしておくのが望ましい。
なお、半田材として鉛フリーならよいのであって、錫が主成分であれば、上記組成に限定されない
このようにすると、接着によるものでは期待できない剥がれ強度が得られ、レーザによるスポット溶接ではタングステン自体の難溶性のため困難であるが、半田付けによる表面の接合が容易で信頼性を損なうことない。
しかも、ロータケースと偏心ウエイトのかなり大きな凹凸組み合わせの接着による接合でないので、偏心ウエイトの重量が犠牲になるおそれはない。
【0013】
一方、このように構成した偏心ロータRに組み合わせるステータSTは、図3の示すようなものとなる。
すなわち、ブラケット1は非磁性あるいは弱磁性ステンレス板で厚みが0.15mm程度の薄型で形成され、中央には浅いバーリング1aがプレス加工で抜き突き立てられている。この浅いバーリング1aに軸2がはめこまれ、外方からレーザ照射L1して固定されることによって軸支承部として形成される。
このブラケット1は、さらに半径方向に凹所として角孔1bが空けられ、その延長した側方に給電端子載置部1cが延設され、上面には厚みが0.1mm程度の磁性ステンレス板からなるディテントトルク発生部材3が前記バーリング1aに、位置決め孔3aをブラケット上の突起1dに合わせながら中央の透孔3bをはめることによって配置される。
このディテントトルク発生部材3は、さらに、前記中央の透孔3bから径方向に後述のステータベースに形成した溝孔と同一ピッチで形成したディテントトルク部3cが設けられている。
【0014】
前記ディテントトルク発生部材3が組み合わされるステータベース4は印刷配線ランドを含めた厚さが0.15mm程度のフレキシブル基板からなり、中央に前記ディテントトルク発生部材3の中央外形に装着される透孔4aとその外方に60°ピッチで形成した4個の空心電機子コイル装着用ガイド孔4bが空けられ、前記透孔4aに連結して径方向に4本の溝孔4cが配置開角60°で空けられ、空心電機子コイル結線パターン4p、駆動回路部材Dの接続パターン4qが形成される。
前記溝孔4cは配置されるべき空心電機子コイル5の中心、すなわち、前記各電機子コイル装着用ガイド孔4bの中心から配置開角約15°の位置に設けられ、薄いステータベース4の強度確保のため、前記各電機子コイル装着用ガイド孔4bと連結しないように隔離して設けられる。
さらに、後述の空心電機子コイルの巻き始め端末導出用逃げ溝4eが前記各電機子コイル装着用ガイド孔4bと連結して設けられる。このステータベース4には、さらに側外方に前記給電端子載置部の位置で給電端子部4fが延設される。
当然ながら、各ランドパターンは、ハッチングで表示した各半田結線部を除いてレジスト処理される。
前記ディテントトルク部3cの配置開角はコイルの中心からの位置は15°は組み合わせるべきロータの軸方向空隙型マグネットの磁極の開角が60°の場合、磁極のピーク、ニュートラルのいずれのところに該マグネットが停止してもよい位置として定められる。
【0015】
前記ステータベース4には、空心電機子コイル装着ガイド孔4bとほぼ同サイズの巻軸で卷線された4個の空心電機子コイル5が前記空心電機子コイル装着ガイド孔4bの位置にジグなどを利用してUV硬化型嫌気性接着剤で固着され、単相となるようにその端末が前記所定の配線パターン4pに半田結線されている。
上記は薄型狙いのため4個の空心電機子コイルからなるものを示したが、この単相に結線されているからには、厚みが許容されれば1個〜2個の空心電機子コイルで構成しても
よい。
なお、図3では、ステータベース4が複雑になるので、空心電機子コイル端末、各結線ランドパターンなどは省略してある。
【0016】
ここで、前記各電機子コイル装着用ガイド孔4bは、各空心電機子コイル5を装着するに当たってジグにコイルの方をはめて接着剤を塗布した後、ステータベース4を被せて接着する工程を採れば、必ずしも設ける必要はない。
前記空心電機子コイル5を駆動するホールセンサ内蔵型駆動回路部材Dが前記空心電機子コイル5と平面視重畳しないように、かつ適切な電気的中性点が得られる位置に半田結線される。すなわち、ここでは、内蔵したホールセンサの位置は、組み合わせるマグネットの磁極に応じて定められ、6極の磁極からなるマグネットでは前記空心電機子コイルの中心から配置開角で90°、150°及び210°のいずれかの位置に来るように配置される。
【0017】
前記ステータベース4には、駆動回路部材Dの両側の位置で前記ブラケット1の角孔1bの位置で切り込み4gが設けられる。このため、前記ステータベース4はこの駆動回路部材Dの位置で前記角孔1bに容易に折り曲げ埋め込むことが出来る。
【0018】
このようにしたステータベース4は、紫外線硬化型嫌気性接着剤を介して前記ブラケット1に添設される。この時、前記溝孔4cには前記ディテントトルク部3cが装着され、透孔4aはディテントルク発生部材3の中央部外形の外方に収まるので、ディテントトルク発生部材3は少なくともディテントトルク部3cがステータベース4に厚み方向で完全に収まり、結果的にはその厚みは全く考慮しなくてすむことになる。
このようにして前記空心電機子コイル5の内径に無理に収めることなく、すなわち、コイル内径に無関係になるので、コイルは巻き数を十分な起動トルクが得られるように設定できることになる。
ここで、前記角孔1bから紫外線硬化型嫌気性接着剤が流出しないようにブラケット1に底部をシールして紫外線が透過する透明ジグなどで駆動回路部材Dの高さを整えて紫外線を照射して固着される。
なお、紫外線硬化型嫌気性接着剤の代わりに合成樹脂で前記空心電機子コイル5を含めて一体成形して駆動回路部材Dを固定してもよい。
【実施例2】
【0019】
図5は前述の偏心ロータRとステータSTを備えた軸固定型の軸方向空隙型コアレススロットレス方式ブラシレス振動モータを示す。
前記偏心ロータRは、前記ステータSTに軸支部として固定された軸2に、互いに径を変えた3枚のスラストワッシャSWを介して回転自在に装着される。このスラストワッシャは、径を変えることによってバリ同士のかみ合わせがなくなり、摺動損失が軽減される。
このようにした偏心ロータRを覆うように外部ケース8が組み付けられる。
ここでは、強度確保のために軸2の先端は、外部ケース8の浅いバーリング状中央孔8aにレーザ溶接L2される。
この偏心ロータRを覆った外部ケース8の開口部は前記ステータ側のブラケット1の外周でレーザスポット溶接Yで組み付けられて完成する。
このようにすると、組付け部分は溶接されるので、全体としてモノコック構造となり、十分な強度が確保される。
【実施例3】
【0020】
この図6は、このような軸方向空隙型ブラシレス振動モータを電磁音響変換器の中央磁極に採用して好適なもので、外部ケース88の下部が周方向にフランジ88aとして延設され、ステータのブラケット11と凹凸結合Kで組み合わされ、前記外部ケース88の周囲に磁性体88mが配されているもので、図中Mgはスピーカ側の励磁マグネット、Cは励磁コイル、SSは振動薄板、そして、Hはスピーカハウジングである。
ここで、前記外部ケース88は、スピーカ側の励磁マグネットMgの漏洩磁束がロータのマグネットMに影響がでないように少なくとも天井部が非磁性で構成され、前記励磁マグネットMgの磁束は前記磁性体88mで受け止められる。なお、この磁性体88mを別に配着させるにあたって電気音響変換器として径方向サイズが問題となるなら、外部ケースは、非磁性円盤板状の天井部と磁性側周部を組み合わせたものにしてもよい。
ここで、前記ステータ側のディテントトルク部は外部ケース88の磁性体部分から十分隔離しているので、スピーカ側の励磁マグネットMgの影響がでなくなる。
このようにすると、極めて薄い電磁音響変換器が得られる。
【産業上の利用可能性】
【0021】
この発明の偏心ロータは、軸をロータ側に固定してステータ側に軸受を配した軸回転型にすることもできる。
この発明は、その技術的思想、特徴から逸脱することなく、他のいろいろな実施の形態をとることができる。そのため、前述の実施の形態は単なる例示に過ぎないため、限定的に解釈してはならない。この発明の技術的範囲は特許請求の範囲によって示すものであって、明細書本文には拘束されない。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】この発明の偏心ロータの平面図である。(実施例1)
【図2】図1中のA−A断面図である。
【図3】図1のロータに組み合わせるステータの組立図である。
【図4】ステータベースの平面図である。
【図5】このような偏心ロータとステータを備えた軸方向空隙型ブラシレス振動モータの縦断面である。(実施例2)
【図6】軸方向空隙型ブラシレス振動モータの使用例の縦断面図である。
【符号の説明】
【0023】
1、11 ブラケット
2 軸
3 ディテントトルク発生部材
3a 位置決め孔
3b 透孔
3c ディテントトルク部
4 ステータベース
4a 透孔
4b 空心電機子コイル装着用ガイド孔
4c 溝孔
5 空心電機子コイル
6 ロータケース
7 フランジ付き焼結含油軸受
8、88 外部ケース
R 偏心ロータ
D 駆動回路部材
M 軸方向空隙型マグネット
W 偏心ウエイト
【出願人】 【識別番号】000220125
【氏名又は名称】東京パーツ工業株式会社
【出願日】 平成18年8月23日(2006.8.23)
【代理人】
【公開番号】 特開2008−49246(P2008−49246A)
【公開日】 平成20年3月6日(2008.3.6)
【出願番号】 特願2006−226897(P2006−226897)