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【発明の名称】 超音波ホーン
【発明者】 【氏名】鈴木 康之

【氏名】岩井 親

【氏名】原田 浩行

【氏名】新井 稔

【要約】 【課題】多数回の使用に対し溶接条件範囲が広く、安定した溶接強度を確保する超音波ホーンを提供する。

【構成】加工面4a上に複数個平行に同一平面上に配列された長方形の平坦部を有し、長方形の平坦部の間に断面V字状の溝を有する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
加工面上に複数個互いに平行に同一平面上に配列された長方形の平坦部を有し、前記長方形の平坦部の間に断面V字状の溝を有することを特徴とする超音波ホーン。
【請求項2】
前記長方形の平坦部が、短辺が0.1〜1.0mm、長辺が0.3〜4.0mmであることを特徴とする請求項1記載の超音波ホーン。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、リチウムイオン二次電池の集電体箔とリードとの接合等で使用される、超音波溶接機に用いられる超音波ホーンに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、リチウムイオン二次電池の集電体箔とリードとの接合においては、超音波溶接が用いられてきた。
【0003】
図2は集電体箔とリードとの接合に用いる超音波溶接の概要を説明する図であり、図2(a)は斜視図であり、図2(b)はリードの縦方向の断面図であり、図2(c)はリードの横方向の断面図である。図3は従来のピラミッド型形状の超音波ホーンを示す図であり、図3(a)は正面図、図3(b)は側面図である。図4は従来の先端を平坦にしたピラミッド型形状を示す図であり、図4(a)は正面図、図4(b)は側面図である。
【0004】
図2に示すように、リチウムイオン二次電池の集電体箔とリードとの超音波溶接においては、アンビル1の加工面1a上で集電体箔2と金属製のリード3とを重ね、その上から超音波ホーン4の加工面4aを押し当てて、超音波ホーン4を振動させることにより集電体箔2と金属製のリード3を接合させていた。この時の超音波ホーン4の形状は、図3に示すように一定のピッチで加工されたピラミッド型の集合体で、ピッチは0.3〜1.0mm、角度は60〜90°であるか、または図4に示すようなそれを改良した先端に正方形の平坦部を有するピラミッド型の集合体となっていた(特許文献1参照)。
【0005】
【特許文献1】特開平6−155051号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従来技術の超音波接合方法では、特に集電体箔と金属製のリードが異種金属で厚みが薄い場合、適切な溶接強度を確保する溶接条件の設定範囲が狭く、安定した溶接強度を確保し続けることが困難であった。
【0007】
例えば、集電体箔が8μmの銅箔、金属製のリードが70μmのニッケルでの接合では、適切な溶接状態を確保する条件設定範囲は、時間:10〜200msec、圧力:0.05〜1MPa、周波数:10〜100kHz程度であり、振幅の範囲が狭いと溶接強度が弱く、広すぎると箔が破れてしまった。また、数万回溶接すると溶接強度が弱まり、強度を確保するには再度条件を設定し直す必要があった。すなわち本発明の課題は、多数回の使用に対し溶接条件範囲が広く、安定した溶接強度を確保する超音波ホーンを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は上記問題点を解決すべく鋭意検討した結果、アンビルのサンドブラストされた加工面に集電体箔、金属製のリードを重ね、超音波ホーンを押し当てて溶接する際に、超音波ホーンの加工面の形状を三角柱形状の稜の先端を削った長方形の集合体にすることにより、超音波ホーンがリードに接触する面積が大きくなり、安定した溶接が可能になることを見出したものである。本発明の超音波ホーンは、加工面上に複数個互いに平行に同一平面上に配列された長方形の平坦部を有し、前記長方形の平坦部の間に断面V字状の溝を有することを特徴とする。また前記長方形の平坦部が、短辺が0.1〜1.0mm、長辺が0.3〜4.0mmであることが好ましい。
【発明の効果】
【0009】
本発明の超音波ホーンによれば、集電体箔と金属製のリードが異種金属で厚みが薄い場合においても、安定した溶接強度の確保できる溶接条件範囲が広く、多数回使用した場合にも安定した溶接強度を確保し続けることが可能になる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
次に、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。図1は本発明の超音波ホーンの実施例の加工面の形状を示す図であり、図1(a)は正面図であり、図1(b)は側面図であり、図1(c)は底面図である。
【0011】
リチウムイオン二次電池の集電体箔と金属製のリードの超音波接続は、図2に示すようにアンビル1のサンドブラスト処理が実施された加工面1a上で集電体箔2と金属製のリード3がアンビルの加工面1aの範囲内に入るように設置され、その上から超音波ホーン4の加工面4aを押し当てて、超音波ホーン4を振動させることにより集電体箔2と金属製のリード3を接合させる。集電体箔2としては、銅箔(厚さ:5〜20μm)またはアルミ箔(厚さ:5〜30μm)を用い、リード3としては、ニッケル材(厚さ:50〜100μm)またはアルミ材(厚さ:50〜100μm)を用いる。超音波ホーン4は、リード3の幅3〜4mm範囲内に入るようにして押し当て、押し当てた状態で超音波を発生させ振動することで、集電体箔2と金属製のリード3を接合させる。
【0012】
図1に示すように、超音波ホーン4は、先端の角度が60〜90°の三角柱形状を一定のピッチで並べ、稜の先端を削った長方形の平坦部を有するものの集合体であり、長方形の大きさは、短辺が0.1〜1.0mm、長辺が0.3〜4.0mm、ピッチが0.3〜1.0mmである。短辺が1.0mmを超えると、溶接強度が弱くなり、長辺が、0.3mm未満では従来と同様に安定した溶接強度を確保することができず、4.0mmを超えると、リードからはみ出すこととなる。
【0013】
本発明により 従来技術と比較して、リードに接触する超音波ホーンの加工面積が広くなることで、安定した溶接強度を確保する条件設定範囲が広くなり、また、振幅の大きさも抑えられることから、耐久性も向上する。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の超音波ホーンの実施例の加工面の形状を示す図、図1(a)は正面図、図1(b)は側面図、図1(c)は底面図。
【図2】集電体箔とリードとの接合に用いる超音波溶接の概要を説明する図、図2(a)は斜視図、図2(b)はリードの縦方向の断面図、図2(c)はリードの横方向の断面図。
【図3】従来のピラミッド型形状の超音波ホーンを示す図、図3(a)は正面図、図3(b)は側面図。
【図4】従来の先端を平坦にしたピラミッド型形状の超音波ホーンを示す図、図4(a)は正面図、図4(b)は側面図。
【符号の説明】
【0015】
1 アンビル
1a (アンビルの)加工面
2 集電体箔
3 リード
4 超音波ホーン
4a (超音波ホーンの)加工面
【出願人】 【識別番号】000134257
【氏名又は名称】NECトーキン株式会社
【出願日】 平成18年6月20日(2006.6.20)
【代理人】
【公開番号】 特開2008−638(P2008−638A)
【公開日】 平成20年1月10日(2008.1.10)
【出願番号】 特願2006−169593(P2006−169593)