トップ :: B 処理操作 運輸 :: B05 霧化または噴霧一般;液体または他の流動性材料の表面への適用一般

【発明の名称】 レーザ・マーキング方法
【発明者】 【氏名】ナキス・カラパティス

【要約】 【課題】1064nmで吸収力の弱いプレキシガラスなどの材料にマーキングする様々な方法に代わる単純で、かつ経済的な方法を提供する。

【構成】本発明は、波長λの光に吸収力が弱い材料によって形成される商品に、波長λの光線を発射するレーザを用いてマーキングする方法であって、波長λで吸収力が強く、かつ吸収された光エネルギーの少なくとも一部を熱エネルギーに変換できる金属から成る支持体を用意し、上記支持体から、上記レーザと上記支持体との間に挿入された商品に熱エネルギーを伝達するのに充分な熱的接触を上記商品と上記支持体との間に実現させるために、その商品を上記支持体に直接に当てて配置し、上記支持体から上記商品への熱エネルギー伝達が、上記商品の表面に違いを与え、マーキングが生み出されるように、物理的または化学的な局部変形を生成させるのに充分な熱エネルギーを、上記支持体の表面に発生させることができるように、上記商品を通して上記支持体に局部的に照射する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
波長λの光の吸収力の弱い材料から成る商品に、その波長λの放射線を発射するレーザを用いてマーキングする方法であって、
波長λの光の吸収力が強く、かつ吸収された光エネルギーを少なくとも一部、熱エネルギーに変換できる金属から成る支持体を用い、
その支持体から、前記レーザと前記支持体との間に挿入された商品に熱エネルギーを伝達するのに充分な熱的接触を前記商品と前記支持体との間に成すために、前記商品を前記支持体に直接に当てて配置し、
前記支持体から前記商品への熱エネルギー伝達が、前記商品の表面に違いを与え、マーキングが生み出されるように、物理的または化学的な局部変形を生成させるのに充分な熱エネルギーを、上記支持体の表面に発生させることができるように、上記商品を通して上記支持体に局部的に照射する
ことを特徴とするマーキング方法。
【請求項2】
前記レーザが、1064nmに等しい波長λの放射線を発射するNd:YAGレーザであることを特徴とする請求項1に記載のマーキング方法。
【請求項3】
前記金属が真鍮であることを特徴とする請求項1と請求項2のいずれかに記載のマーキング方法。
【請求項4】
前記金属がアルミニウムであることを特徴とする請求項1と請求項2のいずれかに記載のマーキング方法。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、レーザ・マーキングの分野に関する。本発明は、さらに具体的に言えば、レーザ波長を通す材料にレーザ・マーキングする方法に関する。
【背景技術】
【0002】
様々な材料のレーザ・マーキングは、多くの業界に広く普及している。このレーザ・マーキングは、例えば、シリアル・ナンバー、バーコード、ロゴなどをマーキングするのに使用される。コンパクトで、かつ比較的に費用のかからないNd:YAGレーザが広く使用されている。その1064nmという波長は、金属や一部の合成樹脂またはセラミックなどの吸収材料に赤外線でマーキングすることができる。しかしながら、1064nmの波長に透明で、Nd:YAGレーザの使用が不可能である一連の材料が存在する。これらの材料の一つの解決法は、紫外線の355nmでの放射を得るために、周波数逓倍器を使用することである。しかしながら、この解決法は、費用がかかり、厄介で、かつエネルギー消費の観点から好ましくない。このような理由で、この解決法を避ける方が好ましい。
【0003】
1064nmの波長を通す材料のうち、レーザパルスで生じさせことができる程度(一般に、数十度Kないし数百度K)の温度上昇効果によって、物理的または化学的に変形しやすいものがある。プレキシガラスすなわちPMMA(ポリメタクリル酸メチル)はこの種の材料である。この材料は、多数の用途に対して、ガラスの代用品としてしばしば使用されるように、可視光範囲において光を通すとともに、優れた機械的性質を持っている。
【0004】
プレキシガラスは、1064nmでは吸収力が弱いから、プレキシガラスにマーキングするために、いくつかの解決法がすでに存在する。前に示されたように355nmにてマーキングすることは、前に引用された欠点を免れない。他の方法は、1064nmで感光性がある顔料をプレキシガラスの物質に取り入れることにある。しかしながら、この解決法は、プレキシガラスの製造コストを高める。最後に、ミリング(milling)による機械的エッチングは時間が長くかかり、物質マーキングには適さない。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
これらの方法に代わる第1の別法は、特許文献1に開示されている。この特許は、吸収力の弱い材料でできている商品用のレーザ・マーキング方法であって、セラミック・タイプの吸収力の強い補助材料を用いる方法を開示している。このような吸収材料を、エッチングされる商品と接触する支持体上に犠牲層として被着させるか、あるいはエッチングされる商品の一面上に直接に被着させる。レーザ照射の効果により、この吸収材料がスプレイさせられ、生成されたデブリ(debris)を、マーキングされる面に投射する。それにより、この面の粗さ(凸凹)が増して、マーキング効果が発生する。この方法は、マーキングされる商品の表面上に吸収材料の層を被着させて、次に、その層を除去することを必要とするので、複雑で、かつ費用がかかる。支持体を使用する場合には、数回の使用後に上記の犠牲層が劣化するから、その支持体の寿命は限られている。この方法で効率が失われることのないように、この支持体上の表面犠牲層を定期的に新しいものに取り替えなければならない。
【0006】
さらに、特許文献2は、金属などの吸収力の強い材料を使用して、吸収力の弱い材料でできている商品にマーキングする方法を開示している。金属板、すなわち金属製の薄板を、マーキングされる商品に接触させ、次に、そこにレーザを照射して、上記金属を局部的にスプレイし、その金属を上記商品に再び被着させる。したがって、マーキングは、この金属板から上記商品に材料を移すことで、得られる。この方法の欠点は、磨耗や摩擦に対する上記マーキングの耐性が低いことである。
【0007】
【特許文献1】米国特許第5,987,920号
【特許文献2】米国特許第4,743,463号
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、1064nmにて吸収力の弱いプレキシガラスなどの材料にマーキングする様々な方法に代わる単純で、かつ経済的な別法を提案することで、上記の欠点を解決している。本発明は、さらに具体的に言えば、波長λの光に吸収力が弱い材料によって形成される商品に、波長λの光線を発射するレーザを用いてマーキングする方法であって、
・波長λで吸収力が強く、かつ吸収された光エネルギーの少なくとも一部を熱エネルギーに変換できる金属から成る支持体を用意するステップと、
・上記支持体から、上記レーザと上記支持体との間に挿入された商品に熱エネルギーを伝達するのに充分な熱的接触を上記商品と上記支持体との間に実現させるために、その商品を上記支持体に直接に当てて配置するステップと、
・上記支持体から上記商品への熱エネルギー伝達が、上記商品の表面に違いを与え、マーキングが生み出されるように、物理的または化学的な局部変形を生成させるのに充分な熱エネルギーを、上記支持体の表面に発生させることができるように、上記商品を通して上記支持体に局部的に照射するステップと、
を含むことを特徴とする方法に関わっている。
【0009】
波長λにて吸収力の強い金属が支持体に使用されるため、また、マーキングされる商品と支持体との間に密な熱的接触があるために、材料を移したり、また上記支持体を劣化させることなく、波長λを通す材料にマーキングすることができる。本発明の他の特徴および利点は、以下の添付図面といっしょに、本発明による実施形態の詳細な下記説明(ただ単に、限定しない例示として与えられている)を読めば、より明確になるであろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
図1に示される装置は、1064nmにて光線を発射するNd:YAGタイプのレーザを含む。一変形例では、レーザ10は、10ミクロンにて遠赤外線の光線を発射するCO2レーザである。研磨された面を持つ平板から成る支持体12は、レーザ光線の光路上に配置される。支持体12は、真鍮またはアルミニウムなどの金属、あるいは、レーザで発射された光線を充分に吸収して、その光線を熱エネルギーに変換することのできる他の任意材料でできている。
【0011】
マーキングされる商品14は、支持体12とレーザ10との間で、支持体12に接触させて配置される。商品14は、例えば一支持体として使用される頑丈なプレキシガラスでできている平板である。変形例では、商品14は、波長1064nmを通す他の任意の合成樹脂材料(例えば、ポリカーボネートまたはナイロンでできている)から成ることもある。商品14はまた、平坦ではなくて、他の任意の形状を持つこともある。
【0012】
支持体12と商品14との間の熱的接触は、以下に記載される理由で、できるだけ優れていなければならない。したがって、クランプを用いて商品14を支持体12に押し付けるか、あるいは、同じ目的で、頑丈な物体を商品14上に配置するようにしてもよい。商品14が平坦でない場合には、支持体12は、支持体12と商品14との間の熱的接触を最適化するように、商品14の形状に合わされなければならない。
【0013】
レーザ10は、商品14の方向に波長1064nmのビーム16の形式で放射線を発射する。ビーム16は、プレキシガラス板14を通過するが、そこではまったく吸収されないか、あるいは、ほんのわずかしか吸収されない。ビーム16は、プレキシガラス板14から出ると、支持体12に、約2.10-92の表面にわたって突き当たる。支持体12は、この放射線を吸収して、その放射線を熱エネルギーに変換する。次に、支持体12は、数十度C〜数百度C程度の温度まで局部的に熱くなる。この熱エネルギーは、商品14に少なくとも一部伝達される。このような熱エネルギーの局部入力の効果により、このプレクシガラスは、化学的に(例えば、炭化により)、あるいは物理的に(例えば、溶融により)、局部変形する。これら2つのタイプの変形はまた、同時に行われることもある。それによって変形させられたプレキシガラス表面は、処理してない表面に対して違いを生じさせられることで、このプレキシガラスがマーキングされる。
【0014】
定められたゾーンをレーザビーム16で掃引すれば、バーコード、ロゴ、イメージ(絵)、または他の任意の記入情報をマーキングすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明による方法に使用される設備の略図である。
【符号の説明】
【0016】
10 レーザ、12 支持体、14 商品、16 ビーム
【出願人】 【識別番号】504341564
【氏名又は名称】モントレー ブレゲ・エス アー
【出願日】 平成19年7月13日(2007.7.13)
【代理人】 【識別番号】100064621
【弁理士】
【氏名又は名称】山川 政樹

【識別番号】100098394
【弁理士】
【氏名又は名称】山川 茂樹


【公開番号】 特開2008−18428(P2008−18428A)
【公開日】 平成20年1月31日(2008.1.31)
【出願番号】 特願2007−184146(P2007−184146)