トップ :: B 処理操作 運輸 :: B05 霧化または噴霧一般;液体または他の流動性材料の表面への適用一般

【発明の名称】 アライメント方法、描画方法、アライメント機構および描画装置
【発明者】 【氏名】白崎 享

【要約】 【課題】反りのあるワークに対しても正確なアライメントを行うことができるアライメント方法およびアライメント機構を提供すること、また、反りのあるワークに対しても正確に描画することが可能な描画方法および描画装置を提供すること。

【構成】テープ80をステージ50に載置するステップ(a)と、押さえ機構34がテープ80の両端部をステージ50に向かって押圧するステップ(b)と、ステージ50がテープ80を吸着するステップ(c)と、によってテープ80の反りを矯正した状態でステージ50に吸着させ、ステージ50をテープ80とともに移動させてアライメントを行う。その後、液滴吐出ヘッドからテープ80へ機能液を吐出するステップと、機能液を乾燥させてテープ80上にパターンを形成するステップと、によってパターンを描画する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
吸着機構を有するステージと、押さえ機構とを備えたアライメント機構を用いて、帯状のワークをアライメントするアライメント方法であって、
前記ワークを前記ステージに載置するステップと、
前記押さえ機構が、前記ワークの両端部を前記ステージに向かって押圧するステップと、
前記ステージが前記ワークを吸着するステップと、
前記ステージを、当該ステージに吸着された前記ワークとともに移動させてアライメントを行うステップと、
を有することを特徴とするアライメント方法。
【請求項2】
請求項1に記載のアライメント方法であって、
前記ワークを前記ステージに載置するステップの後に、前記ステージを、前記ワークが載置されている側に平行移動させるステップを有することを特徴とするアライメント方法。
【請求項3】
吸着機構を有するステージと、押さえ機構と、液滴吐出ヘッドとを備えた描画装置を用いて、帯状のワークにパターンを描画する描画方法であって、
前記ワークを前記ステージに載置するステップと、
前記押さえ機構が、前記ワークの両端部を前記ステージに向かって押圧するステップと、
前記ステージが前記ワークを吸着するステップと、
前記ステージを、当該ステージに吸着された前記ワークとともに前記液滴吐出ヘッドに対して移動させてアライメントを行うステップと、
前記液滴吐出ヘッドから前記ワーク上の前記パターンに応じた位置へ機能液を吐出するステップと、
前記機能液を乾燥させて前記ワーク上に前記パターンを形成するステップと、
を有することを特徴とする描画方法。
【請求項4】
請求項3に記載の描画方法であって、
前記ワークを前記ステージに載置するステップの後に、前記ステージを、前記ワークが載置されている側に平行移動させるステップを有することを特徴とする描画方法。
【請求項5】
帯状のワークをアライメントするアライメント機構であって、
前記ワークを載置する、吸着機構を備えたステージと、
前記ステージに載置された前記ワークの両端部を前記ステージに向かって押圧する押さえ機構と、
前記ステージおよび前記押さえ機構の動作を制御する制御部であって、
前記押さえ機構が、前記ステージに載置された前記ワークの両端部を前記ステージに向かって押圧するステップと、
前記ステージが前記ワークを吸着するステップと、
前記ステージを、当該ステージに吸着された前記ワークとともに移動させてアライメントを行うステップと、を少なくとも実行させる制御部と、
を備えることを特徴とするアライメント機構。
【請求項6】
請求項5に記載のアライメント機構であって、
前記制御部は、前記ワークを前記ステージに載置するステップの後に、前記ステージを、前記ワークが載置されている側に平行移動させるステップをさらに実行させることを特徴とするアライメント機構。
【請求項7】
帯状のワークにパターンを描画する描画装置であって、
前記ワークを載置する、吸着機構を備えたステージと、
前記ステージに載置された前記ワークの両端部を前記ステージに向かって押圧する押さえ機構と、
前記ステージに載置された前記ワークに機能液を吐出する液滴吐出ヘッドと、
前記ステージ、前記押さえ機構および前記液滴吐出ヘッドの動作を制御する制御部であって、
前記押さえ機構が、前記ステージに載置された前記ワークの両端部を前記ステージに向かって押圧するステップと、
前記ステージが前記ワークを吸着するステップと、
前記ステージを、当該ステージに吸着された前記ワークとともに前記液滴吐出ヘッドに対して移動させてアライメントを行うステップと、
前記液滴吐出ヘッドから前記ワーク上の前記パターンに応じた位置へ機能液を吐出するステップと、を少なくとも実行させる制御部と、
を備えることを特徴とする描画装置。
【請求項8】
請求項7に記載の描画装置であって、
前記制御部は、前記ワークを前記ステージに載置するステップの後に、前記ステージを、前記ワークが載置されている側に平行移動させるステップをさらに実行させることを特徴とする描画装置。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、アライメント方法、描画方法、アライメント機構および描画装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
例えば液晶表示装置に用いられるCOF(Chip On Film)には、各種配線が形成されるが、近年ではこうしたフィルム状の基板に配線を形成する技術として、液滴吐出方式の利用が拡大する傾向にある。液滴吐出方式による塗布技術は、一般に、基板と液滴吐出ヘッドとを相対的に移動させながら、液滴吐出ヘッドに設けられた複数のノズルから金属材料を含む機能液を液滴として吐出し、その液滴を基板上に繰り返し付着させて塗布膜を描画形成するものであり、機能液の消費に無駄が少なく、任意のパターンをフォトリソグラフィーなどの手段を用いず直接塗布することができるといった利点を有している。
【0003】
この種の配線形成においては、まず帯状のワーク(例えばフィルムキャリアテープ)をリールトゥリール方式等によって搬送する。そして、ワークの位置を微調整してワークと液滴吐出ヘッドとの相対位置関係を調整するいわゆるアライメントを行った後に、ワーク上に液滴を吐出するのが一般的である。この際、ワークに反りがあると、アライメントや液滴の吐出が正確に行えない。ワークの反りを矯正する手法としては、矯正部材をワークに当接させて、当接方向に付勢するものが知られている(特許文献1参照)。
【0004】
【特許文献1】特開2005−5586号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、矯正部材を当接させればワークの反りは解消するものの、その状態のままでは矯正部材で覆われた部位に液滴を吐出することができないという問題点があった。また、ワークを載置するステージに吸着機構を持たせて、吸引力によってワークを平らな状態に吸着しようとしても、ワークに反りがある状態ではワークを吸着させることが困難であるという問題点があった。
【0006】
本発明は、以上のような点を考慮してなされたもので、反りのあるワークに対しても正確なアライメントを行うことができるアライメント方法およびアライメント機構を提供すること、また、反りのあるワークに対しても正確に描画することが可能な描画方法および描画装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明のアライメント方法は、吸着機構を有するステージと、押さえ機構とを備えたアライメント機構を用いて、帯状のワークをアライメントするアライメント方法であって、前記ワークを前記ステージに載置するステップと、前記押さえ機構が、前記ワークの両端部を前記ステージに向かって押圧するステップと、前記ステージが前記ワークを吸着するステップと、前記ステージを、当該ステージに吸着された前記ワークとともに移動させてアライメントを行うステップと、を有することを特徴とする。
【0008】
この方法においては、押さえ機構によって帯状のワークの両端部をステージに押圧した状態でステージによるワークの吸着を行う。このため、ワークが下に凸に反っている場合であっても、反りによって浮いた部位(例えば両端部)をステージに押圧した状態で吸着を行うこととなり、確実にワークをステージに吸着させて固定することができる。この状態で、ステージおよびこれに吸着されたワークを所定の位置に移動させるステップを行うため、反りを有するワークであっても正確なアライメントをすることができる。
【0009】
上記アライメント方法においては、前記ステージを当該ステージに吸着された前記ワークとともに移動させるステップの前に、前記押さえ機構の前記押圧を解除するステップを有していることが好ましい。この方法によれば、アライメント後に押さえ機構とワークとが相互作用することがないので、例えばアライメント後に押さえ機構の押圧を解除した際にワークに力がかかるようなことに起因して、アライメントにずれを生じさせるおそれがなくなる。ここで、押さえ機構による押圧を解除した際には、ワークはステージに吸着されているので、再び反りが生ずることはない。
【0010】
上記アライメント方法においては、前記ワークを前記ステージに載置するステップの後に、前記ステージを、前記ワークが載置されている側に平行移動させるステップを有することが好ましい。この方法によれば、上記ステージの平行移動によって、ステージに載置されたワークをより大きな張力のかかる状態に張ることができる。これにより、ワークが上に凸または下に凸のいずれの反りを有している場合であっても、ステージ上におけるワークの反りを軽減させることができる。
【0011】
本発明の描画方法は、吸着機構を有するステージと、押さえ機構と、液滴吐出ヘッドとを備えた描画装置を用いて、帯状のワークにパターンを描画する描画方法であって、前記ワークを前記ステージに載置するステップと、前記押さえ機構が、前記ワークの両端部を前記ステージに向かって押圧するステップと、前記ステージが前記ワークを吸着するステップと、前記ステージを、当該ステージに吸着された前記ワークとともに前記液滴吐出ヘッドに対して移動させてアライメントを行うステップと、前記液滴吐出ヘッドから前記ワーク上の前記パターンに応じた位置へ機能液を吐出するステップと、前記機能液を乾燥させて前記ワーク上に前記パターンを形成するステップと、を有することを特徴とする。
【0012】
この方法においては、押さえ機構によって帯状のワークの両端部をステージに押圧した状態でステージによるワークの吸着を行う。このため、ワークが下に凸に反っている場合であっても、反りによって浮いた部位をステージに押圧した状態で吸着を行うこととなり、確実にワークをステージに吸着させて固定することができる。この状態で、ステージおよびこれに吸着されたワークを液滴吐出ヘッドに対して移動させるステップを行うため、反りを有するワークであっても正確なアライメントをすることができる。そして、ワークへ機能液を吐出し、当該機能液を乾燥させることで、反りを有するワーク上にも正確にパターンを描画することができる。
【0013】
上記描画方法においては、前記ステージを当該ステージに吸着された前記ワークとともに移動させるステップの前に、前記押さえ機構の前記押圧を解除するステップを有していることが好ましい。この方法によれば、アライメント後に押さえ機構とワークとの相互作用によってアライメントにずれを生じさせるおそれがなくなる。このため、より正確にパターンを描画することができる。ここで、押さえ機構による押圧を解除した際には、ワークはステージに吸着されているので、再び反りが生ずることはない。
【0014】
上記描画方法においては、前記ワークを前記ステージに載置するステップの後に、前記ステージを、前記ワークが載置されている側に平行移動させるステップを有することが好ましい。この方法によれば、ステージに載置されたワークをより大きな張力のかかる状態に張ることにより、ワークの反りを軽減させることができる。
【0015】
本発明のアライメント機構は、帯状のワークをアライメントするアライメント機構であって、前記ワークを載置する、吸着機構を備えたステージと、前記ステージに載置された前記ワークの両端部を前記ステージに向かって押圧する押さえ機構と、前記ステージおよび前記押さえ機構の動作を制御する制御部であって、前記押さえ機構が、前記ステージに載置された前記ワークの両端部を前記ステージに向かって押圧するステップと、前記ステージが前記ワークを吸着するステップと、前記ステージを、当該ステージに吸着された前記ワークとともに移動させてアライメントを行うステップと、を少なくとも実行させる制御部と、を備えることを特徴とする。
【0016】
上記構成のアライメント機構は、ステージに載置された帯状のワークの両端部を、押さえ機構によって押圧した状態で、ステージによるワークの吸着を行う。このため、ワークが下に凸に反っている場合であっても、反りによって浮いた部位をステージに押圧した状態で吸着を行うこととなり、確実にワークをステージに吸着させて固定することができる。この状態で、ステージおよびこれに吸着されたワークを所定の位置に移動させるステップを行うため、反りを有するワークであっても正確なアライメントをすることができる。
【0017】
上記アライメント機構において、前記制御部は、前記ステージを当該ステージに吸着された前記ワークとともに移動させるステップの前に、前記押さえ機構の前記押圧を解除するステップを前記押さえ機構に実行させることが好ましい。この構成によれば、アライメント後に押さえ機構とワークとの相互作用によってアライメントにずれを生じさせるおそれがなくなる。
【0018】
上記アライメント機構において、前記制御部は、前記ワークを前記ステージに載置するステップの後に、前記ステージを、前記ワークが載置されている側に平行移動させるステップをさらに実行させることが好ましい。この構成によれば、ステージに載置されたワークをより大きな張力のかかる状態に張ることにより、ワークの反りを軽減させることができる。
【0019】
本発明の描画装置は、帯状のワークにパターンを描画する描画装置であって、前記ワークを載置する、吸着機構を備えたステージと、前記ステージに載置された前記ワークの両端部を前記ステージに向かって押圧する押さえ機構と、前記ステージに載置された前記ワークに機能液を吐出する液滴吐出ヘッドと、前記ステージ、前記押さえ機構および前記液滴吐出ヘッドの動作を制御する制御部であって、前記押さえ機構が、前記ステージに載置された前記ワークの両端部を前記ステージに向かって押圧するステップと、前記ステージが前記ワークを吸着するステップと、前記ステージを、当該ステージに吸着された前記ワークとともに前記液滴吐出ヘッドに対して移動させてアライメントを行うステップと、前記液滴吐出ヘッドから前記ワーク上の前記パターンに応じた位置へ機能液を吐出するステップと、を少なくとも実行させる制御部と、を備えることを特徴とする。
【0020】
この構成の描画装置は、帯状のワークをステージに載置し、押さえ機構によって両端部を押圧した状態でステージによるワークの吸着を行う。このため、ワークが下に凸に反っている場合であっても、反りによって浮いた部位をステージに押圧した状態で吸着を行うこととなり、確実にワークをステージに吸着させて固定することができる。この状態で、ステージおよびこれに吸着されたワークを液滴吐出ヘッドに対して移動させるステップを行うため、反りを有するワークであっても正確なアライメントをすることができる。そして、ワークへ機能液を吐出し、当該機能液を乾燥させることで、反りを有するワーク上にも正確にパターンを描画することができる。
【0021】
上記描画装置において、前記制御部は、前記ステージを当該ステージに吸着された前記ワークとともに移動させるステップの前に、前記押さえ機構の前記押圧を解除するステップを前記押さえ機構に実行させることが好ましい。この構成によれば、アライメント後に押さえ機構とワークとの相互作用によってアライメントにずれを生じさせるおそれがなくなる。
【0022】
上記描画装置において、前記制御部は、前記ワークを前記ステージに載置するステップの後に、前記ステージを、前記ワークが載置されている側に平行移動させるステップをさらに実行させることが好ましい。この構成によれば、ステージに載置されたワークをより大きな張力のかかる状態に張ることにより、ワークの反りを軽減させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
以下、図面を参照し、本発明の実施形態について説明する。なお、以下に示す各図においては、各構成要素を図面上で認識され得る程度の大きさとするため、各構成要素の寸法や比率を実際のものとは適宜に異ならせてある。
【0024】
(A.描画装置)
図1は、本発明の実施形態に係る描画装置1の平面図である。描画装置1は、Y軸方向に沿って搬送される帯状のテープ80に対して配線等のパターンを描画形成するものであって、テープ80を載置するステージ50、ステージ50の上方にX軸方向に延びて設けられる一対のフレーム20、フレーム20に架設され、それぞれ図示しないリニアモータ等の駆動装置によりX軸方向に独立して駆動される描画ユニット22、アライメントユニット24およびUV照射ユニット26、テープ80を巻出す巻出しリール84およびテープ80を巻取る巻取りリール85を主体に構成されている。描画ユニット22には液滴吐出ヘッド90が、アライメントユニット24にはカメラ32,33が、UV照射ユニット26にはUV照射装置27が、それぞれ搭載されている。
【0025】
テープ80は、巻出しリール84と巻取りリール85との間に掛け渡され、両者間においてステージ50の上面に載置されるようになっている。また、ステージ50は、吸着機構を備えており、テープ80を吸着保持することができる。ここで、テープ80は、本発明における帯状のワークに対応する。
【0026】
図2は、ステージ50およびアライメントユニット24の外観斜視図である。ステージ50は、定盤60の表面に多孔質板51を配置(埋設)して構成され、その多孔質板51の表面に上述したテープ80を吸着しうるようになっている。テープ80の吸着位置は、多孔質板51の幅方向中央部であり、テープ80の中心線が多孔質板51の中心線と一致する位置に設定されている。これにより、テープ80のサイズの変更にともなう描画装置1の段取り換えを最小限にとどめることができるようになっている。
【0027】
この多孔質板51は、樹脂材料を焼結成形した樹脂焼結材で構成されている。焼結成形は、原料粉末を金型内に充填して加熱し、原料粉末の表層同士を融着(焼結)させることにより、粉末間の空間を残したまま成形する手法である。その原料粉末として、ポリエチレン(PE)やポリプロピレン(PP)、ポリスチレン(PS)、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリカーボネート(PC)、ポリアミド(PA)、アクリル樹脂(PMMA)、フッ素樹脂(PVDF、PTFE)等の熱可塑性樹脂材料を採用することが可能である。このように多孔質板51を樹脂材料で構成することにより、多孔質板51の表面に吸着されるテープ80の損傷を防止することができる。
【0028】
多孔質板51には、本発明における吸着機構としての負圧吸引装置(不図示)が接続されており、多孔質板51の表面全体にわたってほぼ均一に負圧が供給される。したがって、幅の異なる複数種のテープ80に対しても、一様に吸着保持可能な構成となっている。
【0029】
また、ステージ50は、その下方に配置された可動プレート18に固定されている。この可動プレート18は、モータ16によりθz方向(Z軸周りの回転方向)に回動しうるようになっている。そのモータ16はスライダ14に固定されている。このスライダ14は、ベースプレート12の表面をY軸方向に移動しうるようになっている。これによりステージ50は、ベースプレート12に対してθz方向およびY軸方向に移動しうるようになっている。
【0030】
アライメントユニット24は、上述したフレーム20に沿って移動する移動フレーム31、移動フレーム31に搭載されたカメラ32,33および押さえ機構34等から構成されている。カメラ32,33は、CCDカメラ等で構成されるものであり、テープ80に形成されたアライメントマークAM(図4参照)を計測し、制御部99に出力する。制御部99は、カメラ32,33の計測結果に基づいて、モータ16、スライダ14を駆動してステージ50の動作を制御するとともに、押さえ機構34の動作を制御する。また、制御部99は、巻出しリール84、巻取りリール85、および液滴吐出ヘッド90(図1)の駆動を制御する。ここで、ステージ50、押さえ機構34および制御部99を含んで構成される機構が、本発明におけるアライメント機構に対応する。
【0031】
カメラ32は、移動フレーム31に一体的に固定されているが、カメラ33は、移動フレーム31に対してY軸方向に移動自在に設けられたスライダ35に搭載されることにより、制御部99の制御下でカメラ32に対してY軸方向に移動可能となっている。
【0032】
図6(a)は、主として押さえ機構34に関する断面図である。押さえ機構34は、Y軸方向(図2参照)に延在する一対の押さえ部36と、X軸方向に延び、支持柱37を介して押さえ部36の一方(+X側)を上方から支持する支持フレーム38と、支持柱39を介して押さえ部36の他方(−X側)を上方から支持するとともに、支持フレーム38をY軸方向に伸縮自在に支持する支持フレーム40とを有している。
【0033】
支持フレーム38は、制御部99の制御により駆動する直動モータ等の駆動装置により支持フレーム40に対してX軸方向に移動する構成となっている。
【0034】
支持フレーム40は、制御部99の制御により駆動する直動モータ等の駆動装置により、移動フレーム31にZ軸方向に延びて設けられたガイドフレーム41に沿ってZ軸方向に移動する構成となっている。
【0035】
押さえ部36は、ステージ50に密着させた状態で支持柱37,39に取り付けられ、固定されたものである。このため、押さえ部36は、その下面の全体がステージ50に接するような状態でステージ50(またはステージ50に載置されたテープ80)を押圧することができる。
【0036】
図1に戻り、描画ユニット22には、液滴吐出ヘッド90が搭載されている。液滴吐出ヘッド90は、主走査方向に移動しながらステージ50に載置されたテープ80へ液滴を吐出することができる。ここで、主走査方向はX軸方向に略平行であり、テープ80の長さ方向に直交する方向である。図3は、液滴吐出ヘッド90の側面断面図である。液滴吐出ヘッド90は、ヘッド本体90Aと、ヘッド本体90Aの一方面に装着されたノズルプレート92と、ヘッド本体90Aの他方面に装着されたピエゾ素子98とを主として構成されている。
【0037】
液滴吐出面を構成するノズルプレート92には、液滴を吐出するための複数のノズル91が整列配置されている。また、ヘッド本体90Aには、各ノズル91と連通する複数の圧力室93が形成されている。各圧力室93はリザーバ95に接続され、リザーバ95は機能液導入口96に接続されている。そして、機能液9は、機能液導入口96からリザーバ95を通って各圧力室93に供給されるようになっている。一方、ヘッド本体90Aの上端面には、可撓性を有する振動板94が装着されている。その振動板94を挟んで各圧力室93の反対側には、それぞれピエゾ素子98が設けられている。ピエゾ素子98は、PZT(登録商標)等の圧電材料を電極で挟持したものである。その電極は、制御部99に接続されている。
【0038】
そして制御部99からピエゾ素子98に駆動電圧を印加すると、ピエゾ素子98が膨張変形または収縮変形する。ピエゾ素子98が収縮変形すると、圧力室93内の圧力が低下して、リザーバ95から圧力室93に機能液9が流入する。またピエゾ素子98が膨張変形すると、圧力室93内の圧力が増加して、ノズル91から機能液9の液滴が吐出される。なお、ピエゾ素子98に印加する駆動電圧を制御することにより、液滴の吐出条件を制御しうるようになっている。
【0039】
ここで、機能液9について説明する。配線パターン形成に用いられる機能液9は、導電性微粒子を分散媒に分散した分散液からなるものである。本実施形態では、導電性微粒子として、例えば、金、銀、銅、アルミニウム、パラジウム、及びニッケルのうちの少なくともいずれか1つを含有する金属微粒子の他、これらの酸化物、並びに導電性ポリマーや超電導体の微粒子などが用いられる。これらの導電性微粒子は分散性を向上させるために表面に有機物などをコーティングして使うこともできる。導電性微粒子の粒径は1nm以上1.0μm以下であることが好ましい。1.0μmより大きいと液滴吐出ヘッド90のノズル91に目詰まりが生じるおそれがある。また、1nmより小さいと導電性微粒子に対するコーテイング剤の体積比が大きくなり、得られる膜中の有機物の割合が過多となる。
【0040】
分散媒としては、上記の導電性微粒子を分散できるもので凝集を起こさないものであれば特に限定されない。例えば、水の他に、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノールなどのアルコール類、n−ヘプタン、n−オクタン、デカン、ドデカン、テトラデカン、トルエン、キシレン、シメン、デュレン、インデン、ジペンテン、テトラヒドロナフタレン、デカヒドロナフタレン、シクロヘキシルベンゼンなどの炭化水素系化合物、またエチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、エチレングリコールメチルエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエチルエーテル、1,2−ジメトキシエタン、ビス(2−メトキシエチル)エーテル、p−ジオキサンなどのエーテル系化合物、さらにプロピレンカーボネート、γ−ブチロラクトン、N−メチル−2−ピロリドン、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、シクロヘキサノンなどの極性化合物を例示できる。これらのうち、微粒子の分散性と分散液の安定性、また液滴吐出法への適用の容易さの点で、水、アルコール類、炭化水素系化合物、エーテル系化合物が好ましく、より好ましい分散媒としては、水、炭化水素系化合物を挙げることができる。
【0041】
上記導電性微粒子の分散液の表面張力は、0.02N/m以上0.07N/m以下の範囲内であることが好ましい。液滴吐出法により機能液9を吐出する際、表面張力が0.02N/m未満であると、機能液9のノズル面に対する濡れ性が増大するため飛行曲りが生じやすくなり、0.07N/mを超えるとノズル91の先端でのメニスカスの形状が安定しないため吐出量や吐出タイミングの制御が困難になる。表面張力を調整するため、上記分散液には、被吐出面との接触角を大きく低下させない範囲で、フッ素系、シリコーン系、ノニオン系などの表面張力調節剤を微量添加するとよい。ノニオン系表面張力調節剤は、機能液9の被吐出面への濡れ性を向上させ、膜のレベリング性を改良し、膜の微細な凹凸の発生などの防止に役立つものである。上記表面張力調節剤は、必要に応じて、アルコール、エーテル、エステル、ケトン等の有機化合物を含んでもよい。
【0042】
上記分散液の粘度は1mPa・s以上50mPa・s以下であることが好ましい。液滴吐出法を用いて機能液9を液滴として吐出する際、粘度が1mPa・sより小さい場合にはノズル91の周辺部が機能液9の流出により汚染されやすく、また粘度が50mPa・sより大きい場合は、ノズル91の目詰まり頻度が高くなり円滑な機能液9の吐出が困難となる。
【0043】
なお液滴吐出方式として、ピエゾ素子の変形により圧力室内の圧力を変化させる上記ピエゾ方式の他に、機能液を加熱して気泡(バブル)を発生させることにより圧力室内の圧力を変化させる方式など、公知の種々の技術を適用することができる。このうちピエゾ方式は、機能液を加熱しないので材料の組成に悪影響を与えないなどの点で優れている。
【0044】
UV照射ユニット26には、機能液9の乾燥等のためのUVランプ等を有するUV照射装置27が搭載されている。
【0045】
本実施形態の描画装置1は、以上のように構成されている。
【0046】
(B.テープ)
次に、上記の描画装置1により機能液9が吐出されてパターンが描画形成される、帯状のワークとしてのテープ80について説明する。図4は、本発明における帯状のワークの一態様である様々なテープ(TABテープ;ワーク)81〜83の部分平面図である。上記したテープ80は、これらのテープ81〜83のいずれであってもよく、また帯状のワークであればこれ以外の態様とすることもできる。
【0047】
テープ81の幅方向両端部には、テープの搬送や巻取りのためのスプロケット孔86が連続形成され、テープ81の幅方向中央部には、半導体装置を実装したり配線を形成したりするための作業領域88が連続形成されている。この作業領域88は、例えばデバイス毎に設定されるものである。そして、上記の描画装置1は、この作業領域88に配線パターンを描画形成するものである。
【0048】
上述した作業領域88の大きさに対応して、また幅方向における作業領域88の配列数に応じて、幅寸法の異なる複数種類のテープ81,82,83が存在する。ここで、幅寸法は、例えば48mm、70mm、150mm等とすることができる。
【0049】
各テープ81〜83における各作業領域88には、テープ81〜83を位置決めする際に観察されるアライメントマークAMが、例えばそれぞれ3個ずつ形成されている。なお、アライメントマークAMの形状は、計測方法等によって各種存在するが、ここでは円形のマークとし、矩形の作業領域88の3つのコーナー部に配置されるものとして図示している。
【0050】
テープ80(81〜83)のうち、上記した押さえ機構34の押さえ部36によって押圧される部位は、スプロケット孔86が配置された、幅方向に見た場合における端部であって、作業領域88を含まない部位である。この部位が、本発明における両端部に対応する。
【0051】
(C.描画方法)
次に、上述した描画装置1を用いた描画方法について図5から図7を用いて説明する。図5は、本実施形態に係る描画方法の工程図である。また、図6および図7は、本実施形態に係る描画方法の各ステップ(工程)における、主として押さえ機構34およびテープ80に関する断面図である。以下、図5に示す工程図に沿って説明する。
【0052】
まず、ステップS1では、図2に示す巻出しリール84と巻取りリール85との間にテープ80を掛け渡し、その両者間に配置されたステージ50(多孔質板51)の表面にテープ80を載置する。このとき、テープ80は、図6(a)に示すように下に凸に反っているものとする。こうした反りは、テープ80の片面のみに配線などが形成されている場合等に起こりうるものであり、テープ80の表裏間で張力が異なること等に起因して発生する。
【0053】
続いて、アライメントユニット24をフレーム20に沿って移動させ(図1参照)、アライメントユニット24に含まれる押さえ機構34をステージ50に対向する位置に配置する(図6(a))。
【0054】
次に、ステップS2では、支持フレーム40をガイドフレーム41に沿って下降させることにより、押さえ機構34の押さえ部36をテープ80の両端部に当接させ、ステージ50に向かって押圧する(図6(b))。このとき、押さえ部36は、あらかじめ支持フレーム38を支持フレーム40に対してX軸方向に移動させることにより、テープ80の幅方向の両端部に当接するように位置が調整されている。このように押さえ機構34がテープ80の両端部を押圧することによって、テープ80は、反りが矯正された状態でステージ50に密着する。また、こうした方法によれば、テープ80のうち両端部のみを押圧し、作業領域88には押さえ部36が当接しないため、作業領域88上の機能液9を吐出すべき領域に、傷や打痕等を生じさせることがない。
【0055】
続くステップS3では、ステージ50がテープ80を吸着する。本実施形態では、ステージ50の負圧吸引装置を作動させて、テープ80を多孔質板51の表面に吸着保持させることにより、テープ80がステージ50に吸着される。テープ80の両端部は、押さえ機構34(押さえ部36)によって押さえられているため、テープ80に反り、撓みが生じていた場合も矯正されて、浮き等が生じることなくステージ50の表面に平滑に吸着保持される。
【0056】
次に、ステップS4では、支持フレーム40をガイドフレーム41に沿って上昇させることにより、押さえ機構34によるテープ80に対する押圧を解除する(図6(c))。こうしてあらかじめ押さえ機構34をステージ50から離しておくことにより、後述するステップS6においてステージ50を移動してアライメントを行った後に、押さえ機構34とテープ80との相互作用によってアライメントにずれが生じるおそれがなくなる。ここで、押さえ機構34による押圧を解除した際には、テープ80はステージ50に吸着されているので、テープ80に再び反りが生ずることはない。
【0057】
次に、ステップS5では、カメラ32,33によりテープ80上のアライメントマークAMを撮影する(図7(a))。例えば、テープ80が図4に示すテープ81のような形状を有するものであれば、カメラ32によりアライメントマークAM1を撮影・計測し、カメラ33によりアライメントマークAM2を撮影・計測する。このとき、テープ80は、ステップS2およびステップS3を経て反りを矯正された状態でステージ50に吸着されているので、アライメントマークAMの正確な撮影・計測を行うことができる。
【0058】
上記のように2つのカメラ32,33によって同時にアライメントマークAMの撮影を行うために、ステップS5の前に、カメラ32,33をあらかじめ以下のように移動させておく。すなわち、カメラ32の計測範囲にアライメントマークAM1が位置するように、移動フレーム31のX軸方向の位置を調整し、アライメントマークAM1、AM2の相対位置関係に応じた距離だけ、スライダ35を介してカメラ33をY軸方向に移動させておく。
【0059】
これらの撮影結果から、制御部99はテープ80の作業領域88の現在位置を算出し、さらに所定位置からのオフセット量を算出する。
【0060】
次に、ステップS6では、上記算出結果に基づいて、ステージ50を移動させてテープ80のアライメントを行う。より詳しくは、制御部99が、上記算出結果に基づいて、スライダ14およびモータ16を駆動してステージ50をY軸方向およびθz方向に移動させ、ステージ50の表面に吸着されたテープ80を液滴吐出ヘッド90に対して相対移動させて位置合わせをする。この位置合わせは、例えばアライメントマークAM1とアライメントマークAM2とを結んだ直線が、液滴吐出ヘッド90の主走査方向と直交する状態となるように行う。なお、テープ80のX軸方向についての位置合わせは、描画ユニット22の移動量を調整することによって行われる。
【0061】
ここまでの工程は、本発明における描画方法の実施形態の一部であるとともに、本発明におけるアライメント方法の実施の一態様でもある。本発明のアライメント方法によれば、テープ80が反りを有する場合であっても、当該反りを矯正した上で正確なアライメントをすることができる。
【0062】
次に、ステップS7では、液滴吐出ヘッド90からテープ80へ機能液9を吐出する(図7(b))。より詳しくは、まず、ステップS6におけるテープ80のアライメントが完了すると、フレーム20に沿ってアライメントユニット24を移動させて、ステージ50(すなわちテープ80)との対向位置から退避させるとともに、描画ユニット22をX軸方向に移動させてステージ50との対向位置に配置する。そして、液滴吐出ヘッド90から機能液9を吐出することにより、テープ80の作業領域88のうち、配線パターン112(図7(c)参照)を形成すべき位置に機能液9が配置される。
【0063】
次に、ステップS8では、ステップS7で吐出された機能液9を乾燥させてテープ80上に配線パターン112を形成する(図7(c))。より詳しくは、まず、ステップS7におけるテープ80に対する液滴吐出処理が完了すると、フレーム20に沿って描画ユニット22を移動させて、ステージ50(すなわちテープ80)との対向位置から退避させるとともに、UV照射ユニット26をX軸方向に移動させてステージ50との対向位置に配置する。そして、UV照射装置27からUVを照射することにより、テープ80に吐出された機能液9を乾燥させる。これにより、機能液9に含まれていた溶媒が蒸発して除去されるとともに導電物質がテープ80上に残り、当該導電物質からなる配線パターン112が形成される。
【0064】
なお、上述したステップS7およびステップS8を繰り返し行うことにより、同種または異種の被膜を積層形成することが可能である。異種の被膜を積層形成する場合には、1つの描画ユニット22に異なる機能液9を吐出する複数の液滴吐出ヘッド90を搭載してもよいし、異なる機能液9を吐出する液滴吐出ヘッド90を備えた複数の描画ユニット22を設けてもよい。また、機能液9の乾燥は必ずしも描画装置1に備えられたUV照射ユニット26によって行わなくてもよく、テープ80の搬送路上に備えられた別の乾燥装置によって乾燥させる構成とすることもできる。
【0065】
上記したステップS1からステップS8における、押さえ機構34、支持フレーム40、ステージ50、カメラ32,33、液滴吐出ヘッド90、UV照射装置27等の、描画装置1に含まれる各種構成要素の動作は、制御部99による制御のもとに行われる。
【0066】
以上のステップを経て、描画装置1によってテープ80上に配線パターン112が形成される。
【0067】
この後、テープ80を送って未処理の作業領域88をステージ50の表面に載置し、上述した描画方法を繰り返し行うことによって、テープ80上に順次配線パターン112を形成していくことができる。また、テープ80の全ての作業領域88に対する描画処理が終了したら、図2に示す巻出しリール84および巻取りリール85とともにテープ80を交換する。なお、テープサイズ(幅寸法)を変更する場合でも、テープ80の幅方向の中心線をステージ50の中心線と一致させる。これにより、テープ80のサイズの変更にともなう描画装置1の段取り換えを最小限にとどめることができる。
【0068】
以上説明したように、本実施形態の描画装置1を用いた描画方法では、テープ80が例えば下に凸に反っている場合であっても、反りによって浮いた部位をステージ50に押圧した状態で吸着を行うことで、確実にテープ80をステージ50に吸着させて固定することができる。この状態で、ステージ50およびこれに吸着されたテープ80を所定の位置に移動するステップを行うことによって、反りを有するテープ80であっても当該反りを矯正した上で正確なアライメントをすることができる。そして、テープ80へ機能液9を吐出し、当該機能液9を乾燥させることで、反りを有するテープ80上にも当該反りを矯正した上で正確に配線パターン112を描画することができる。
【0069】
さらに、本実施形態では、押さえ部36の幅をテープ80の幅に応じて変更可能であるとともに、テープ80をステージ50により吸着する構成であるので、幅の異なる種々のテープ80にも容易に対応することができ、テープ80の種類変更に伴う作業を効率化することができる。
【0070】
(D.液晶表示装置)
続いて、図8を用いて、上記描画装置1により配線パターン112が形成された回路基板103を有する液晶表示装置101について説明する。
【0071】
図8は、電気光学装置である液晶表示装置101の分解斜視図である。液晶表示装置101は、大別するとカラー表示が可能な液晶パネル102と、液晶パネル102に接続される回路基板103とを備えている。また、必要に応じて、バックライト等の照明装置、その他の付帯機器が液晶パネル102に付設される。
【0072】
液晶パネル102は、シール材104によって接着された一対の基板105aおよび基板105bを有し、これらの基板105aと基板105bとの間に形成される間隙、いわゆるセルギャップには液晶が封入されている。これらの基板105aおよび基板105bは、一般には透光性材料、例えばガラス、合成樹脂等によって形成されている。基板105aおよび基板105bの外側表面には偏光板106aおよび偏光板106bが貼り付けられている。なお、図8においては、偏光板106bの図示を省略している。
【0073】
また、基板105aの内側表面には電極107aが形成され、基板105bの内側表面には電極107bが形成されている。これらの電極107a、107bはストライプ状または文字、数字、その他の適宜のパターン状に形成されている。また、これらの電極107a、107bは、例えばITO(Indium Tin Oxide:インジウムスズ酸化物)等の透光性材料によって形成されている。
【0074】
基板105aは、基板105bに対して張り出した張り出し部を有し、この張り出し部に複数の端子108が形成されている。これらの端子108は、基板105a上に電極107aを形成するときに電極107aと同時に形成される。したがって、これらの端子108は、例えばITOによって形成されている。これらの端子108には、電極107aから一体に延びるもの、および導電材(不図示)を介して電極107bに接続されるものが含まれる。
【0075】
なお、実際の電極107a,107bおよび端子108は、極めて狭い間隔をもって多数本が基板105aおよび基板105b上にそれぞれ形成されているが、図8においては、液晶パネル102の構造の理解を容易にするために、それらの間隔を拡大して模式的に示すとともに、それらの内の数本のみを図示することにして他の部分を省略してある。また、端子108と電極107aとの接続状態および端子108と電極107bとの接続状態も図8においては図示を省略している。
【0076】
回路基板103には、配線基板109上の所定位置に液晶駆動用ICとしての半導体素子100が実装されている。配線基板109は、例えばポリイミド等の可撓性を有するベース基板111の上に形成されたCu等の金属膜をパターニングして配線パターン112を形成することによって製造されている。
【0077】
なお、実際の配線パターン112は、極めて狭い間隔をもって多数本がベース基板111上に形成されているが、図8においては、構造の理解を容易にするために、それらの間隔を拡大して模式的に示すとともに、構造を簡略化して図示してある。また、図示は省略しているが、半導体素子100が実装される部位以外の部位の所定位置には抵抗、コンデンサ、その他のチップ部品が実装されていてもよい。
【0078】
本実施形態では、この回路基板103が、上述した描画装置1により配線パターン112が形成されたテープ80をデバイス毎に切断することにより製造される。
【0079】
本実施形態に係る液晶表示装置101においては、これに含まれる回路基板103が上述した描画装置1を用いて製造されているため、高精度に配線パターン112が形成された高品質の液晶表示装置101を得ることができる。
【0080】
(E.電子機器)
図9(a)〜(c)は、前述した液晶表示装置101を有する電子機器の実施形態を示す図である。
【0081】
図9(a)は、携帯電話機の一例を示した斜視図である。図9(a)において、符号1000は携帯電話機本体(電子機器)を示し、符号1001は表示部を示している。
【0082】
図9(b)は、腕時計型電子機器の一例を示した斜視図である。図9(b)において、符号1100は時計本体(電子機器)を示し、符号1101は表示部を示している。
【0083】
図9(c)は、ワープロ、パソコンなどの携帯型情報処理装置の一例を示した斜視図である。図9(c)において、符号1200は情報処理装置(電子機器)、符号1202はキーボードなどの入力部、符号1204は情報処理装置本体、符号1206は表示部をそれぞれ示している。
【0084】
図9(a)〜(c)に示すそれぞれの電子機器は、本発明の描画装置1および描画方法を用いて製造された液晶表示装置101を備えているので、配線パターン112の描画精度が向上した高品質の電子機器となる。
【0085】
また、上記実施形態では、電子機器として、携帯電話機、腕時計、情報処理装置を例に挙げて説明したが、これらに限らず、液晶プロジェクタ、マルチメディア対応のパーソナルコンピュータ(PC)およびエンジニアリング・ワークステーション(EWS)、ページャ、ワードプロセッサ、テレビ、ビューファインダ型またはモニタ直視型のビデオテープレコーダ、電子手帳、電子卓上計算機、カーナビゲーション装置、POS端末、タッチパネルを備えた装置等の電子機器に適用することが可能である。
【0086】
以上、本発明の実施形態について説明したが、上記実施形態に対しては、本発明の趣旨から逸脱しない範囲で様々な変形を加えることができる。変形例としては、例えば以下のようなものが考えられる。
【0087】
(変形例1)
上記実施形態の描画方法においては、テープ80をステージ50に載置するステップS1の後に、ステージ50を、テープ80が載置されている側に平行移動させるステップがさらに含まれていてもよい。
【0088】
図10は、このステップについて説明するための、ステージ50およびテープ80の斜視図である。本変形例においては、巻出しリール84とステージ50との間、およびステージ50と巻取りリール85との間に、それぞれクランプ74,75が配置されている。クランプ74,75は、その位置においてテープ80の両端部を保持して固定することができる。
【0089】
図10(a)は、テープ80がステージ50に載置された状態、すなわち図5におけるステップS1が終了した状態を示している。このとき、テープ80に反りがあると、図11(a1)または図11(a2)の断面図に示すように、テープ80はステージ50に密着しない。ここで、図11(a1)は、テープ80が下に凸に反っている場合の断面図、図11(a2)は、テープ80が上に凸に反っている場合の断面図である。
【0090】
本変形例では、この状態からクランプ74,75によってテープ80を保持し、その後ステージ50を、図10(b)中の矢印に示すように、テープ80の載置されている側(すなわち+Z方向)に平行移動させる。この方法によれば、ステージ50の移動によって、ステージ50に載置されたテープ80をより大きな張力のかかる状態に張ることができる。これにより、テープ80が上に凸の反りまたは下に凸の反りを有している場合であっても、図11(b1)または図11(b2)に示すように、ステージ50上におけるテープ80の反りを矯正または軽減することができる。
【0091】
上記したステージ50の平行移動だけでは反りが完全に矯正できない場合であっても、その後、押さえ機構34によってテープ80を押圧するステップS2において矯正することができる。あらかじめステージ50の平行移動によって反りを小さくしておくことによって、ステップS2において容易に反りの矯正を行うことができる。
【0092】
なお、本変形例においては、クランプ74,75は、その機能を他の構成要素に持たせることにして省略してもよい。例えば、巻出しリール84、巻取りリール85や、他の搬送ローラ等をクランプ74,75の代わりとすることができる。また、ステージ50の平行移動と、押さえ機構34によるテープ80の押圧(ステップS2)を同時に行ってもよい。
【0093】
(変形例2)
上記実施形態においては、図2等に示すアライメントユニット24に代えて、図12の斜視図に示すようなアライメントユニット24aを用いてもよい。アライメントユニット24aは、移動フレーム31、移動フレーム31に搭載されたカメラ32,33および押さえ機構34a等から構成されている。アライメントユニット24aは、昇降機構73によって全体がZ軸方向に平行に移動可能となっている。カメラ32は、移動フレーム31に一体的に固定されているが、カメラ33は、移動フレーム31に対してY軸方向に移動自在に設けられたスライダ35に搭載されることにより、カメラ32に対してY軸方向に移動可能となっている。
【0094】
押さえ機構34aは、移動フレーム31に固定された、X軸方向に延在する2本の支持フレーム38と、支持フレーム38に取り付けられた、Y軸方向に延在する一対の押さえ部36a,36bとを有している。このうち押さえ部36aは、支持フレーム38に一体的に固定されている。また、2つの支持フレーム38には、ともに複数の孔72が開けられており、インデックスプランジャ71をこれらの孔72の任意の位置で固定できるようになっている。押さえ部36bは、このインデックスプランジャ71によって支持フレーム38に固定されるため、インデックスプランジャ71の位置を変えることによって支持フレーム38における固定位置を変更することができる。この機構により、押さえ部36aと押さえ部36bの間隔を、テープ80の幅に応じて変更することができる。
【0095】
押さえ部36a,36bは、ステージ50に密着させた状態で支持フレーム38に取り付けられ、固定されたものである。このため、押さえ部36a,36bは、その下面の全体がステージ50に接するような状態でステージ50(またはステージ50に載置されたテープ80)を押圧することができる。
【0096】
また、アライメントユニット24aに代えて、図13に示すようなアライメントユニット24bを用いることもできる。アライメントユニット24bは、押さえ部36a,36bの下面に複数の押圧肢77を備えており、テープ80を押圧する際にはこの押圧肢77のみがテープ80に接触する。このような構成とすることにより、テープ80との接触面積を低減させて、テープ80に傷や打痕などを生じさせにくくすることができる。押圧肢77は、単に押さえ部36a,36bの下面に設けられた突起であってもよい。また、押圧肢77の形状を、球などのような丸みを帯びたものとすることにより、テープ80との接触面積をさらに低減させることができる。
【0097】
また、上記アライメントユニット24a,24bに代えて、図14に示すような構成のアライメントユニット24cを用いることもできる。アライメントユニット24cの押さえ機構34bに含まれる押さえ部36a,36bは、支持部76を支点としてYZ平面内で回動可能に取り付けられている。こうした構成によれば、押さえ部36a,36bがステージ50(またはステージ50に載置されたテープ80)と接触する際に、ステージ50の傾きに常に追随することができる。したがって、ステージ50が傾いている場合であっても押さえ部36a,36bの下面の全面でテープ80を押圧することができる。
【0098】
(変形例3)
上記実施形態では、ステップS2において押さえ機構34によってテープ80を押圧した後に、ステップS3において負圧吸引装置を作動させてステージ50の表面にテープ80を吸着保持する手順としたが、負圧吸引装置は、ステップS2と同時に作動させるか、またはそれ以前から作動させておいてもよい。こうした方法によれば、ステップS2において、押さえ機構34による押圧と負圧吸引装置による吸引との双方がテープ80に作用するため、より容易にテープ80の反りを矯正することができる。
【0099】
(変形例4)
上記実施形態では、カメラ33がカメラ32に対してY軸方向の一軸で相対移動可能な構成としたが、これに限定されるものではなく、Y軸方向およびX軸方向の二軸で相対移動可能な構成であってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0100】
【図1】本発明の実施形態に係る描画装置の平面図。
【図2】ステージおよびアライメントユニットの外観斜視図。
【図3】液滴吐出ヘッドの側面断面図。
【図4】本発明における帯状のワークの一態様である様々なテープの部分平面図。
【図5】本実施形態に係る描画方法の工程図。
【図6】(a)から(c)は、本実施形態に係る描画方法の各ステップ(工程)における、押さえ機構、テープ等の断面図。
【図7】(a)から(c)は、本実施形態に係る描画方法の各ステップ(工程)における、押さえ機構、テープ等の断面図。
【図8】液晶表示装置の分解斜視図。
【図9】(a)から(c)は、電子機器の例を示す図。
【図10】(a)および(b)は、本発明の変形例におけるステージおよびテープの斜視図。
【図11】(a1)および(a2)は、図10(a)におけるステージおよびテープの断面図、(b1)および(b2)は、図10(b)におけるステージおよびテープの断面図。
【図12】アライメントユニットの変形例を示す斜視図。
【図13】アライメントユニットの変形例を示す斜視図。
【図14】アライメントユニットの変形例を示す斜視図。
【符号の説明】
【0101】
1…描画装置、9…機能液、22…描画ユニット、24…アライメントユニット、26…UV照射ユニット、32,33…カメラ、34…押さえ機構、36…押さえ部、50…ステージ、80…帯状のワークとしてのテープ、84…巻出しリール、85…巻取りリール、90…液滴吐出ヘッド、99…制御部、101…液晶表示装置、112…パターンとしての配線パターン。
【出願人】 【識別番号】000002369
【氏名又は名称】セイコーエプソン株式会社
【出願日】 平成18年7月13日(2006.7.13)
【代理人】 【識別番号】100095728
【弁理士】
【氏名又は名称】上柳 雅誉

【識別番号】100127661
【弁理士】
【氏名又は名称】宮坂 一彦


【公開番号】 特開2008−18347(P2008−18347A)
【公開日】 平成20年1月31日(2008.1.31)
【出願番号】 特願2006−192728(P2006−192728)