トップ :: B 処理操作 運輸 :: B05 霧化または噴霧一般;液体または他の流動性材料の表面への適用一般

【発明の名称】 塗膜形成方法
【発明者】 【氏名】北脇 和智

【要約】 【課題】水系厚膜型塗材の乾燥硬化安定化を図り、膨れ、剥れ、割れ等の塗膜欠陥の発生を防止する。

【構成】基材に対し、乾燥膜厚が0.2mm以上の塗膜を形成する水系厚膜型塗材を塗付した後、(メタ)アクリル酸アルキルエステルに由来するアクリル樹脂、及び環状シロキサン化合物に由来するシリコーン樹脂が99:1〜30:70の重量比率でエマルション粒子内に混在する合成樹脂エマルション(A)を結合材として含む透湿撥水材を塗付し、前記水系厚膜型塗材を硬化させる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基材に対し、乾燥膜厚が0.2mm以上の塗膜を形成する水系厚膜型塗材を塗付した後、(メタ)アクリル酸アルキルエステルに由来するアクリル樹脂、及び環状シロキサン化合物に由来するシリコーン樹脂が99:1〜30:70の重量比率でエマルション粒子内に混在する合成樹脂エマルション(A)を結合材として含む透湿撥水材を塗付し、前記水系厚膜型塗材を硬化させることを特徴とする塗膜形成方法。
【請求項2】
前記透湿撥水材における結合材として、
(メタ)アクリル酸アルキルエステルに由来するアクリル樹脂、及び環状シロキサン化合物に由来するシリコーン樹脂が99:1〜30:70の重量比率でエマルション粒子内に混在する合成樹脂エマルションであって、(メタ)アクリル酸アルキルエステルに由来するアクリル樹脂、及び環状シロキサン化合物に由来するシリコーン樹脂が混在する外層と、(メタ)アクリル酸アルキルエステルに由来するアクリル樹脂を含む内層を有する多層構造型合成樹脂エマルション(A−1)を含むことを特徴とする請求項1記載の塗膜形成方法。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、建築物、土木構造物等の屋外部に露出する部位に適用可能な塗膜形成方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、建築物、土木構造物等の基材表面仕上げにおいては、立体感のある凹凸模様の付与や、防水性の向上等を目的として水系厚膜型塗材が使用されている。このような塗材としては、セメント等の水硬性無機質物質を結合材とするセメント系塗材や、合成樹脂エマルションと体質顔料や骨材等の充填材を主成分とする合成樹脂エマルション系塗材等が使用されている。このような水系厚膜型塗材によって形成された塗膜層には、さらに仕上塗装を施すことによって、種々の色彩を付与したり、塗膜層の耐久性向上等を図ることも可能となる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、水系厚膜型塗材の乾燥硬化過程において降雨等があると、塗膜の一部が溶出してしまい、本来の塗膜性状が損なわれるおそれがある。また、降雨等によって塗膜が水を含んだ状態となる場合もある。このような塗膜に仕上塗装を施すと、仕上塗膜の裏側に存在する水の圧力、あるいは内部の水蒸気圧や空気の熱膨張等によって、仕上塗膜に膨れ、剥れ、割れ等の塗膜欠陥が生じるおそれがある。特に、直接太陽光が照射される部分は温度上昇が大きく、より顕著に膨れ、剥れ、割れ等の塗膜欠陥が発生しやすくなる。
このような問題の発生を防止するため、水系厚膜型塗材の乾燥硬化段階においては、降雨等によって塗膜欠陥が発生しないよう十分に注意を払う必要がある。
【0004】
特開平11−319695号公報(特許文献1)には、水溶性塗料により外装塗装を行った後、その塗装面の上に溶出防止のための保護塗膜を形成して、塗装面を養生する方法が記載されている。しかしながら、該公報には保護塗膜を形成するための材料として具体的な開示がなく、実用性の点においてはさらなる追究が必要である。
【0005】
【特許文献1】特開平11−319695号公報
【課題を解決するための手段】
【0006】
以上のような課題を解決するため、本発明者は鋭意検討を行い、水系厚膜型塗材を塗付し、当該塗材が未硬化状態である間に、特定の透湿撥水材を塗付して水系厚膜型塗材を硬化させる方法に想到した。本発明によれば、水系厚膜型塗材の乾燥硬化過程において塗付形成された透湿撥水層が、塗膜内部に余剰の水分を透湿機能により蒸発させ、かつ、塗膜の乾燥硬化途中における、降雨等による外部からの水の浸入を撥水機能で抑制するため、水系厚膜型塗材の乾燥硬化安定化を図ることができる。すなわち、本発明は下記の特徴を有するものである。
【0007】
1.基材に対し、乾燥膜厚が0.2mm以上の塗膜を形成する水系厚膜型塗材を塗付した後、(メタ)アクリル酸アルキルエステルに由来するアクリル樹脂、及び環状シロキサン化合物に由来するシリコーン樹脂が99:1〜30:70の重量比率でエマルション粒子内に混在する合成樹脂エマルション(A)を結合材として含む透湿撥水材を塗付し、前記水系厚膜型塗材を硬化させることを特徴とする塗膜形成方法。
2.前記透湿撥水材における結合材として、
(メタ)アクリル酸アルキルエステルに由来するアクリル樹脂、及び環状シロキサン化合物に由来するシリコーン樹脂が99:1〜30:70の重量比率でエマルション粒子内に混在する合成樹脂エマルションであって、(メタ)アクリル酸アルキルエステルに由来するアクリル樹脂、及び環状シロキサン化合物に由来するシリコーン樹脂が混在する外層と、(メタ)アクリル酸アルキルエステルに由来するアクリル樹脂を含む内層を有する多層構造型合成樹脂エマルション(A−1)を含むことを特徴とする1.記載の塗膜形成方法。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、水系厚膜型塗材の乾燥硬化過程における降雨等の影響を抑制し、乾燥硬化の安定化を図ることができる。
本発明における透湿撥水材として、透明タイプの材料を使用することにより、水系厚膜型塗材の色彩、質感等を生かすことができる。また、透湿撥水材として着色タイプの材料を使用すれば、所望の色彩による仕上外観を得ることもできる。
このようにして得られた塗膜では、膨れ等の塗膜欠陥が生じ難く、耐候性、耐水性等の塗膜物性において優れた性能を発揮することもできる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下、本発明を実施するための最良の形態について説明する。
【0010】
本発明組成物は、主に建築物や土木構造物等の塗装に使用することができるものである。適用可能な基材としては、例えば、石膏ボード、合板、コンクリート、モルタル、磁器タイル、繊維混入セメント板、セメント珪酸カルシウム板、スラグセメントパーライト板、ALC板、サイディング板、押出成形板、鋼板、プラスチック板等が挙げられる。これら基材の表面は、何らかの表面処理(例えば、シーラー、サーフェーサー、フィラー等)が施されたものでもよく、既に塗膜が形成されたもの等であってもよい。
【0011】
本発明では、このような基材に対し、まず水系厚膜型塗材を塗付する。本発明における水系厚膜型塗材は、媒体として水を含み、乾燥膜厚0.2mm以上の塗膜を形成する塗材である。このような水系厚膜型塗材としては、セメント等の水硬性無機質物質を結合材とするセメント系塗材や、合成樹脂エマルションと体質顔料や骨材等の充填材を主成分とする合成樹脂エマルション系塗材等が挙げられる。
【0012】
水系厚膜型塗材の塗装方法としては、公知の方法を採用することができ、例えば、スプレー塗り、ローラー塗り、刷毛塗り、こて塗り等が可能である。水系厚膜型塗材を塗装した後の乾燥は通常、常温で行う。
水系厚膜型塗材の乾燥膜厚は、0.2mm以上であればよいが、本発明では0.5mm以上(さらには1mm以上)である場合により顕著な効果が得られる。乾燥膜厚の上限は、特に限定されないが、通常は10mm以下である。
【0013】
本発明では、上記水系厚膜型塗材が未硬化状態である間に、特定の透湿撥水材を塗付して水系厚膜型塗材を硬化させる。一般に塗材の乾燥状態は、指触乾燥の状態、半硬化乾燥の状態、次いで硬化乾燥の状態を経ていくが、本発明では硬化乾燥前の状態で透湿撥水材を塗付することが望ましい。
【0014】
本発明における透湿撥水材は、特定の合成樹脂エマルション(A)(以下「(A)成分」という)を含有するものである。この(A)成分は、(メタ)アクリル酸アルキルエステルに由来するアクリル樹脂、及び環状シロキサン化合物に由来するシリコーン樹脂がエマルション粒子内に混在するものである。(A)成分におけるアクリル樹脂とシリコーン樹脂の形態は特に限定されず、均一に混ざり合った形態であってもよいが、海島構造等により相互に分離した形態が好適である。
(A)成分におけるアクリル樹脂とシリコーン樹脂の重量比率は、通常99:1〜30:70、好ましくは97:3〜40:60である。このような比率で両成分が混在することにより、十分な撥水効果と透湿効果を発揮することができる。
【0015】
(A)成分を構成するアクリル樹脂は、(メタ)アクリル酸アルキルエステルを主成分とする重合体であり、必要に応じその他のモノマーを共重合したものである。(メタ)アクリル酸アルキルエステルとしては、例えばメチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、n−アミル(メタ)アクリレート、イソアミル(メタ)アクリレート、n−ヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート、オクタデシル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート等が挙げられる。このような(メタ)アクリル酸アルキルエステルの使用量は、(A)成分を構成する全モノマーに対し、通常30重量%以上、好ましくは40〜99.9重量%、より好ましくは50〜99.5重量%である。
【0016】
その他のモノマーとしては、例えばカルボキシル基含有モノマー、アミノ基含有モノマー、ピリジン系モノマー、水酸基含有モノマー、ニトリル基含有モノマー、アミド基含有モノマー、エポキシ基含有モノマー、カルボニル基含有モノマー、アルコキシシリル基含有モノマー、芳香族モノマー等が挙げられる。これらモノマーの使用量は、(A)成分を構成する全モノマーに対し、通常0.1〜60重量%、好ましくは0.5〜50重量%である。
【0017】
このうち、カルボキシル基含有モノマーを共重合して、カルボキシル基含有アクリル樹脂とした場合には、カルボキシル基と反応可能な化合物を別途添加することにより、塗膜の諸物性向上を図ることができる。カルボキシル基含有モノマーとしては、例えばアクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、マレイン酸またはそのモノアルキルエステル、イタコン酸またはそのモノアルキルエステル、フマル酸またはそのモノアルキルエステル等が挙げられる。このうち、特にアクリル酸、メタクリル酸から選ばれる1種以上が好適である。カルボキシル基含有モノマーの使用量は、(A)成分を構成する全モノマーに対し、通常0.1〜40重量%、好ましくは0.5〜20重量%である。
【0018】
(A)成分におけるシリコーン樹脂は、環状シロキサン化合物を重合して得られるものである。環状シロキサン化合物としては、例えばヘキサメチルシクロトリシロキサン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン等が挙げられる。このような環状シロキサン化合物を重合する際には、直鎖状シロキサン化合物、分岐状シロキサン化合物、アルコキシシラン化合物等を用いることもできる。このうち、アルコキシシラン化合物としては、分子中に1個以上のアルコキシル基を有するシラン化合物が使用でき、例えばテトラメトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン等の他、ビニルメチルジメトキシシラン、γ−(メタ)アクリロイルオキシトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン等のシランカップリング剤等が使用できる。シリコーン樹脂の平均分子量は、通常10000以上、好ましくは50000以上である。
【0019】
本発明における(A)成分としては、特に、上述の如きアクリル樹脂とシリコーン樹脂が混在する合成樹脂エマルションであって、アクリル樹脂及びシリコーン樹脂が混在する外層と、アクリル樹脂を含む内層を有する多層構造型合成樹脂エマルション(A−1)(以下「(A−1)成分」という)が好適である。このような(A−1)成分を使用すれば、撥水性能において一層顕著な効果を得ることができる。外層と内層の重量比率は、通常80:20〜20:80、好ましくは70:30〜30:70である。
【0020】
このような(A−1)成分では、外層におけるアクリル樹脂のガラス転移温度よりも、内層におけるアクリル樹脂のガラス転移温度を低く設定することが望ましい。これにより、水系厚膜型塗材の硬化過程ないし硬化後における変位に追従可能な性能が得られ、ひび割れ防止性等の点で好適である。さらに、耐汚染性の点でも好適である。
ここで、内層を構成するアクリル樹脂のガラス転移温度(以下「Tg」という)は、通常−60〜20℃(好ましくは−50〜10℃)に設定すればよい。外層のTgは、通常20〜100℃(好ましくは30〜90℃)である。各層のアクリル樹脂のTgがこのような範囲内であれば、上述の如き効果を安定して得ることができる。なお、本発明におけるTgは、Foxの計算式により求められる値である。
【0021】
このような(A−1)成分は、例えば、内層を構成するアクリル樹脂を乳化重合により合成した後、外層を構成するアクリル樹脂及びシリコーン樹脂を乳化重合により合成する方法等によって得ることができる。(A−1)成分においては、内層を構成する樹脂として上述の如きシリコーン樹脂が含まれていてもよい。内層にシリコーン樹脂が含まれることにより、ひび割れ防止性等を高めることができる。
【0022】
本発明では、(A)成分にカルボキシル基含有アクリル樹脂が含まれる場合、カルボキシル基と反応可能な化合物を別途配合することにより、膨れ防止性、剥れ防止性等の効果を高めることができる。さらに、塗膜表面の粘着性が軽減され、耐汚染性が高まる。このような化合物としては、例えば、カルボジイミド基、エポキシ基、アジリジン基、オキサゾリン基等から選ばれる1種以上の官能基を有する化合物が挙げられる。このうち、本発明では特にエポキシ基を有する反応性化合物が好適である。
【0023】
エポキシ基を有する反応性化合物としては、例えば、エチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、プロピレングリコールジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル、グリセロールポリグリシジルエーテル、ジグリセロールポリグリシジルエーテル、ポリグリセロールポリグリシジルエーテル、ジグリセロールポリグリシジルエーテル、ポリヒドロキシアルカンポリグリシジルエーテル、ソルビトールポリグリシジルエーテル等が挙げられる。この他、エポキシ基含有モノマーの重合体(ホモポリマーまたはコポリマー)からなる水溶性樹脂やエマルションを使用することもできる。このような化合物の混合量は、通常(A)成分の樹脂固形分100重量部に対し0.1〜50重量部、好ましくは0.3〜20重量部である。
【0024】
透湿撥水材においては、本発明の効果が損われない限り、例えば顔料、増粘剤、造膜助剤、レベリング剤、湿潤剤、可塑剤、凍結防止剤、pH調整剤、防腐剤、防黴剤、防藻剤、抗菌剤、分散剤、消泡剤、吸着剤、撥水剤、架橋剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、触媒等を混合することができる。
【0025】
透湿撥水材を塗付する際には、スプレー塗り、刷毛塗り、ローラー塗り等の塗装手段を適宜採用することができる。透湿撥水材の塗付量は、本発明の効果が奏される範囲内で適宜設定すればよいが、通常は固形分で0.1〜200g/m(好ましくは0.5〜100g/m)程度とする。透湿撥水材塗付後の養生は、通常常温で行えばよい。
本発明では、透湿撥水材を塗付して水系厚膜型塗材を硬化させた後、必要に応じ上塗材を塗付してもよい。
【実施例】
【0026】
以下に実施例を示し、本発明の特徴をより明確にする。なお、実施例における水系厚膜型塗材、透湿撥水材の製造においては、以下の原料を使用した。
【0027】
・樹脂1:多層構造型合成樹脂エマルション
外層;アクリル樹脂(Tg45℃、構成成分;t−ブチルメタクリレート,n−ブチルメタクリレート,n−ブチルアクリレート,2−エチルヘキシルアクリレート,メタクリル酸)、シリコーン樹脂(構成成分;ヘキサメチルシクロトリシロキサン,オクタメチルシクロテトラシロキサン,デカメチルシクロペンタシロキサン)、外層アクリル樹脂とシリコーン樹脂との重量比80:20、
内層;アクリル樹脂(Tg−50℃、構成成分;n−ブチルメタクリレート,n−ブチルアクリレート,2−エチルヘキシルアクリレート)、
外層と内層の重量比45:55、固形分50重量%、カルボキシル基含有モノマー3重量%
【0028】
・樹脂2:多層構造型合成樹脂エマルション
外層;アクリル樹脂(Tg45℃、構成成分;t−ブチルメタクリレート,n−ブチルメタクリレート,n−ブチルアクリレート,2−エチルヘキシルアクリレート,メタクリル酸)、シリコーン樹脂(構成成分;ヘキサメチルシクロトリシロキサン,オクタメチルシクロテトラシロキサン,デカメチルシクロペンタシロキサン)、外層アクリル樹脂と外層シリコーン樹脂との重量比80:20、
内層;アクリル樹脂(Tg−50℃、構成成分;n−ブチルメタクリレート,n−ブチルアクリレート,2−エチルヘキシルアクリレート)、シリコーン樹脂(構成成分;ヘキサメチルシクロトリシロキサン,オクタメチルシクロテトラシロキサン,デカメチルシクロペンタシロキサン)、内層アクリル樹脂と内層シリコーン樹脂との重量比80:20、
外層と内層の重量比45:55、固形分50重量%、カルボキシル基含有モノマー3重量%
【0029】
・樹脂3:多層構造型合成樹脂エマルション
外層;アクリル樹脂(Tg45℃、構成成分;t−ブチルメタクリレート,n−ブチルメタクリレート,n−ブチルアクリレート,2−エチルヘキシルアクリレート,メタクリル酸)、
内層;アクリル樹脂(Tg−50℃、構成成分;n−ブチルメタクリレート,n−ブチルアクリレート,2−エチルヘキシルアクリレート)、
外層と内層の重量比50:50、固形分50重量%、カルボキシル基含有モノマー3重量%
【0030】
・樹脂4:アクリル樹脂エマルション(Tg12℃、構成成分;t−ブチルメタクリレート,n−ブチルメタクリレート,n−ブチルアクリレート,2−エチルヘキシルアクリレート,メタクリル酸;固形分50重量%、カルボキシル基含有モノマー3重量%)
【0031】
・樹脂5:アクリル樹脂エマルション(Tg−10℃、構成成分;メチルメタクリレート,スチレン,n−ブチルアクリレート,2−エチルヘキシルアクリレート,メタクリル酸;固形分50重量%、カルボキシル基含有モノマー3重量%)
【0032】
・粉粒体1:シリカ粉(平均粒子径18μm、比重2.7)
・粉粒体2:酸化チタン(平均粒子径0.2μm、比重4.2)
・架橋剤:エポキシ基含有化合物(ポリヒドロキシアルカンポリグリシジルエーテル)
・撥水剤:ジメチルシロキサン化合物分散液(固形分50重量%)
・造膜助剤:2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオールモノイソブチレート
・分散剤:ポリカルボン酸系分散剤(固形分30重量%)
・増粘剤:ポリウレタン系増粘剤(固形分30重量%)
・消泡剤:シリコン系消泡剤(固形分50重量%)
【0033】
・水系厚膜型塗材の製造
容器中に樹脂5を200重量部仕込み、これに粉粒体1を450重量部、粉粒体2を160重量部、造膜助剤を12重量部、分散剤を12重量部、増粘剤を8量部、消泡剤を3重量部加え、均一に混合して水系厚膜型塗材1を製造した。
【0034】
・透湿撥水材の製造
(透湿撥水材1)
容器内に樹脂1を100重量部仕込み、造膜助剤3重量部、増粘剤10重量部、消泡剤2重量部を常法により混合し、これに水を加えて固形分10重量%の透湿撥水材1を製造した。
【0035】
(透湿撥水材2)
容器内に樹脂2を100重量部仕込み、造膜助剤3重量部、増粘剤10重量部、消泡剤2重量部を常法により混合し、これに水を加えて固形分10重量%の透湿撥水材2を製造した。
【0036】
(透湿撥水材3)
容器内に樹脂2を100重量部仕込み、造膜助剤3重量部、増粘剤10重量部、消泡剤2重量部、架橋剤1重量部を常法により混合し、これに水を加えて固形分10重量%の透湿撥水材3を製造した。
【0037】
(透湿撥水材4)
容器内に樹脂3を100重量部仕込み、造膜助剤3重量部、増粘剤10重量部、消泡剤2重量部を常法により混合し、これに水を加えて固形分10重量%の透湿撥水材4を製造した。
【0038】
(透湿撥水材5)
容器内に樹脂4を100重量部仕込み、造膜助剤3重量部、増粘剤10重量部、消泡剤2重量部を常法により混合し、これに水を加えて固形分10重量%の透湿撥水材5を製造した。
【0039】
(透湿撥水材6)
容器内に樹脂4を65重量部仕込み、撥水剤35重量部、造膜助剤3重量部、増粘剤10重量部、消泡剤2重量部を常法により混合し、これに水を加えて固形分10重量%の透湿撥水材6を製造した。
【0040】
(実施例1)
予めシーラー処理を行った90×90cmのスレート板に、上記方法にて得られた水系厚膜型塗材を乾燥膜厚が1〜3mmとなるようにスプレー塗装し、標準状態(温度23℃・相対湿度50%)で2時間放置後、透湿撥水材1を塗付量10g/m(固形分)でスプレー塗装することにより試験体を作製した。この試験体を標準状態にて立てかけて静置し、1日おきに試験体表面に水を噴霧するとともに、塗膜表面での撥水状態を確認した。
透湿撥水材の塗付から14日後、試験体に250W赤外線ランプを24時間照射し、膨れ発生有無を確認した。また、試験体を15×7cmに切り出し、4日間水浸漬したときの状態を確認した。
撥水状態の評価は、水の滑落の程度により3段階(○>△>×)にて行った。
赤外線ランプ照射後の評価は、膨れが生じなかったものを「○」、一部膨れが生じたものを「△」、膨れが生じたものを「×」とした。
水浸漬後の状態は、膨れ、白化等の異常が認められなかったものを「◎」、異常が認められたものを「×」とする4段階(◎>○>△>×)にて行った。
結果を表1に示す。
【0041】
(実施例2)
透湿撥水材1に代えて透湿撥水材2を使用した以外は、実施例1と同様の方法で試験を行った。試験結果を表1に示す。
【0042】
(実施例3)
透湿撥水材1に代えて透湿撥水材3を使用した以外は、実施例1と同様の方法で試験を行った。試験結果を表1に示す。
【0043】
(比較例1)
透湿撥水材1に代えて透湿撥水材4を使用した以外は、実施例1と同様の方法で試験を行った。試験結果を表1に示す。
【0044】
(比較例2)
透湿撥水材1に代えて透湿撥水材5を使用した以外は、実施例1と同様の方法で試験を行った。試験結果を表1に示す。
【0045】
(比較例3)
透湿撥水材1に代えて透湿撥水材6を使用した以外は、実施例1と同様の方法で試験を行った。試験結果を表1に示す。
【0046】
【表1】


【出願人】 【識別番号】000180287
【氏名又は名称】エスケー化研株式会社
【出願日】 平成18年7月6日(2006.7.6)
【代理人】
【公開番号】 特開2008−12455(P2008−12455A)
【公開日】 平成20年1月24日(2008.1.24)
【出願番号】 特願2006−187262(P2006−187262)