トップ :: B 処理操作 運輸 :: B05 霧化または噴霧一般;液体または他の流動性材料の表面への適用一般

【発明の名称】 塗装方法
【発明者】 【氏名】北脇 和智

【氏名】森 徹也

【要約】 【課題】住宅等建築物の基礎梁部の表面に対し、膨れ、割れ等を生じず、様々な色彩や意匠性を付与し美観性を高めることができる新たな塗装方法を提供する。

【構成】建築物基礎梁部の表面に対し、(メタ)アクリル酸アルキルエステルに由来するアクリル樹脂、及び環状シロキサン化合物に由来するシリコーン樹脂が99:1〜30:70の重量比率でエマルション粒子内に混在する合成樹脂エマルション(A)を結合材として含み、形成塗膜のJIS K5400 8.17による水蒸気透過度が40g/m・24H以上、かつ JIS A6909 7.13による透水量が0.5ml以下の水性上塗材を塗付する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
建築物基礎梁部の表面に対し、
(メタ)アクリル酸アルキルエステルに由来するアクリル樹脂、及び環状シロキサン化合物に由来するシリコーン樹脂が99:1〜30:70の重量比率でエマルション粒子内に混在する合成樹脂エマルション(A)を結合材として含み、形成塗膜のJIS K5400 8.17による水蒸気透過度が40g/m・24H以上、かつ JIS A6909 7.13による透水量が0.5ml以下の水性上塗材を塗付することを特徴とする塗装方法。
【請求項2】
前記水性上塗材における結合材として、
(メタ)アクリル酸アルキルエステルに由来するアクリル樹脂、及び環状シロキサン化合物に由来するシリコーン樹脂が99:1〜30:70の重量比率でエマルション粒子内に混在する合成樹脂エマルションであって、(メタ)アクリル酸アルキルエステルに由来するアクリル樹脂、及び環状シロキサン化合物に由来するシリコーン樹脂が混在する外層と、(メタ)アクリル酸アルキルエステルに由来するアクリル樹脂を含む内層を有し、前記外層におけるアクリル樹脂のガラス転移温度よりも前記内層におけるアクリル樹脂のガラス転移温度が低く設定された多層構造型合成樹脂エマルション(A−1)を含むことを特徴とする請求項1記載の塗装方法。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、戸建住宅等建築物の基礎梁部表面の塗装方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
戸建住宅等の建築物においては、地面にコンクリート製の建築物用基礎を打設し、これを土台として家屋等が建てられるものが多い。この基礎部分は、主にフーチング部とこれより立ち上がる基礎梁部からなる。このうち、基礎梁部は建築物完成後において人目に触れるものであり、近年、このような基礎梁部の表面に対し、塗装によって様々な色彩や意匠性を付与することが望まれている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、この基礎梁部は、一般にコンクリート製であり、施工直後においては水分を多く含む高含水率の状態となっている。この水分は、基礎梁部表面からの蒸発により経時的に減少するが、降雨等の後では、基礎が地面に含まれる水分を吸い上げるために、含水率が再び上昇する。吸い上げられた水分は、基礎梁部表面からの蒸発によって徐々に放出されるが、降雨等があれば基礎梁部の含水率は再び上昇する。このように、基礎梁部では常に含水率が変動し、その表面から繰り返し水分が蒸発しているような状態が続いている。したがって、このような基礎梁部に塗装を行うと、蒸発しようとする水分が局所的に塗膜を押し上げるため、塗膜に膨れや剥離が生じやすいという問題がある。また、基礎梁部においては、建築物の荷重の影響、あるいは上述のような含水率の変動の影響等によって、その表面にひび割れが発生しやすい状況となっている。これは、基礎梁部表面に形成された塗膜にも波及しやすく、塗膜が初期の美観性を損なう場合もある。
【0004】
特開2002−161625号公報(特許文献1)には、基礎梁部に対し、特定のポリマーセメント系下地調整塗材を塗付した後、水蒸気透過性を有する仕上塗膜を積層する工法が開示されている。この特許文献に記載の方法は、基礎梁部の仕上方法として有用なものであるが、ポリマーセメント系下地調整塗材は、ある程度厚塗りする必要があるため、薄膜化の点においては限界がある。
【0005】
本発明はこのような課題に鑑みなされたもので、住宅等建築物の基礎梁部の表面に対し、膨れ、割れ等を生じず、様々な色彩や意匠性を付与し美観性を高めることができる新たな塗装方法を提供することを目的とするものである。
【0006】
【特許文献1】特開2002−161625号公報
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者は上記課題を解決するため鋭意検討を行った結果、建築物基礎梁部の表面塗装において、特定組成の合成樹脂エマルションを結合材として含み、形成塗膜の水蒸気透過度と透水量において特定物性を満足する水性上塗材を用いることより、透湿性、撥水性、追従性において優れた性能が発揮され、塗膜の膨れ、割れ等が防止できることに想到し、本発明の完成に至った。すなわち、本発明は以下の特徴を有するものである。
【0008】
1.建築物基礎梁部の表面に対し、
(メタ)アクリル酸アルキルエステルに由来するアクリル樹脂、及び環状シロキサン化合物に由来するシリコーン樹脂が99:1〜30:70の重量比率でエマルション粒子内に混在する合成樹脂エマルション(A)を結合材として含み、形成塗膜のJIS K5400 8.17による水蒸気透過度が40g/m・24H以上、かつ JIS A6909 7.13による透水量が0.5ml以下の水性上塗材を塗付することを特徴とする塗装方法。
2.前記水性上塗材における結合材として、
(メタ)アクリル酸アルキルエステルに由来するアクリル樹脂、及び環状シロキサン化合物に由来するシリコーン樹脂が99:1〜30:70の重量比率でエマルション粒子内に混在する合成樹脂エマルションであって、(メタ)アクリル酸アルキルエステルに由来するアクリル樹脂、及び環状シロキサン化合物に由来するシリコーン樹脂が混在する外層と、(メタ)アクリル酸アルキルエステルに由来するアクリル樹脂を含む内層を有し、前記外層におけるアクリル樹脂のガラス転移温度よりも前記内層におけるアクリル樹脂のガラス転移温度が低く設定された多層構造型合成樹脂エマルション(A−1)を含むことを特徴とする1.記載の塗装方法。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、住宅等建築物の基礎梁部表面に様々な色彩や意匠性を付与し、その美観性を高めることができる。しかも、本発明によって形成された塗膜は、基礎梁部内部の水分を効果的に外部に放出するとともに、降雨等による外部からの水の浸入を防ぐことができ、下地への追従性にも優れるものである。よって、本発明により得られる塗膜では、膨れ、割れ等が生じ難く、初期の美観性を長期にわたり保持することができる。本発明では、比較的少ない塗付量の塗装で、このような効果が得られるため、基礎梁部表面が凹凸模様を有する場合には、その模様形状を活かしつつ塗装仕上げを行うこともできる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、本発明を実施するための最良の形態について説明する。
【0011】
本発明では、特定組成の合成樹脂エマルションを結合材として含み、形成塗膜のJIS K5400 8.17による水蒸気透過度が40g/m・24H以上、かつJIS A6909 7.13による透水量が0.5ml以下である水性上塗材を用いる。このような水性上塗材を建築物基礎梁部表面に塗付することで、透湿性、撥水性、追従性において優れた性能が発揮され、塗膜の膨れ、割れ等を防止することができる。
【0012】
水性上塗材における形成塗膜の水蒸気透過度は、JIS K5400(1990) 8.17「水蒸気透過度」に基づいて測定するものである。水蒸気透過度が40g/m・24H未満の場合、基礎梁部内部の水分が塗膜裏面に局在化し、塗膜膨れの原因となる。また、冬季には基礎梁部内部での凍結による基材破壊を引き起こすおそれがある。水蒸気透過度の上限は特に限定されないが、水蒸気透過度が大きすぎると防水性が低下するおそれがあるため、通常は500g/m・24H以下程度とすることが望ましい。
【0013】
水性上塗材の形成塗膜の透水量は、JIS A6909(2000) 7.13
「透水試験B法」に基づいて測定するものである。透水量が0.5mlを超える場合は、基礎梁部内部へ降雨等による水分が浸透し、塗膜の膨れや剥れ等を誘発するおそれがある。また、中性化による強度低下や鉄筋の発錆の原因ともなる。
【0014】
本発明で使用する上塗材は、特定の合成樹脂エマルション(A)(以下「(A)成分」という)を含有するものである。この(A)成分は、(メタ)アクリル酸アルキルエステルに由来するアクリル樹脂、及び環状シロキサン化合物に由来するシリコーン樹脂がエマルション粒子内に混在するものである。(A)成分におけるアクリル樹脂とシリコーン樹脂の形態は特に限定されず、均一に混ざり合った形態であってもよいが、海島構造等により相互に分離した形態が好適である。
(A)成分におけるアクリル樹脂とシリコーン樹脂の重量比率は、通常99:1〜30:70、好ましくは97:3〜40:60である。このような比率で両成分が混在することにより、透湿性、撥水性、追従性を兼ね備えた塗膜を得ることができる。
【0015】
(A)成分を構成するアクリル樹脂は、(メタ)アクリル酸アルキルエステルを主成分とする重合体であり、必要に応じその他のモノマーを共重合したものである。(メタ)アクリル酸アルキルエステルとしては、例えばメチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、n−アミル(メタ)アクリレート、イソアミル(メタ)アクリレート、n−ヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート、オクタデシル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート等が挙げられる。このような(メタ)アクリル酸アルキルエステルの使用量は、(A)成分を構成する全モノマーに対し、通常30重量%以上、好ましくは40〜99.9重量%、より好ましくは50〜99.5重量%である。
【0016】
その他のモノマーとしては、例えばカルボキシル基含有モノマー、アミノ基含有モノマー、ピリジン系モノマー、水酸基含有モノマー、ニトリル基含有モノマー、アミド基含有モノマー、エポキシ基含有モノマー、カルボニル基含有モノマー、アルコキシシリル基含有モノマー、芳香族モノマー等が挙げられる。これらモノマーの使用量は、(A)成分を構成する全モノマーに対し、通常0.1〜60重量%、好ましくは0.5〜50重量%である。
【0017】
このうち、カルボキシル基含有モノマーを共重合して、カルボキシル基含有アクリル樹脂とした場合には、カルボキシル基と反応可能な化合物を別途添加することにより、塗膜の諸物性向上を図ることができる。カルボキシル基含有モノマーとしては、例えばアクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、マレイン酸またはそのモノアルキルエステル、イタコン酸またはそのモノアルキルエステル、フマル酸またはそのモノアルキルエステル等が挙げられる。このうち、特にアクリル酸、メタクリル酸から選ばれる1種以上が好適である。カルボキシル基含有モノマーの使用量は、(A)成分を構成する全モノマーに対し、通常0.1〜40重量%、好ましくは0.5〜20重量%である。
【0018】
(A)成分におけるシリコーン樹脂は、環状シロキサン化合物を重合して得られるものである。環状シロキサン化合物としては、例えばヘキサメチルシクロトリシロキサン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン等が挙げられる。このような環状シロキサン化合物を重合する際には、直鎖状シロキサン化合物、分岐状シロキサン化合物、アルコキシシラン化合物等を用いることもできる。このうち、アルコキシシラン化合物としては、分子中に1個以上のアルコキシル基を有するシラン化合物が使用でき、例えばテトラメトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン等の他、ビニルメチルジメトキシシラン、γ−(メタ)アクリロイルオキシトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン等のシランカップリング剤等が使用できる。シリコーン樹脂の平均分子量は、通常10000以上、好ましくは50000以上である。
【0019】
水性上塗材における(A)成分としては、特に、上述の如きアクリル樹脂とシリコーン樹脂が混在する合成樹脂エマルションであって、アクリル樹脂及びシリコーン樹脂が混在する外層と、アクリル樹脂を含む内層を有し、外層におけるアクリル樹脂のガラス転移温度よりも内層におけるアクリル樹脂のガラス転移温度が低く設定された多層構造型合成樹脂エマルション(A−1)(以下「(A−1)成分」という)が好適である。このような(A−1)成分を使用すれば、撥水性能において一層顕著な効果を得ることができ、さらに追従性等の塗膜性能を高めることもできる。外層と内層の重量比率は、通常80:20〜20:80、好ましくは70:30〜30:70である。
【0020】
このような(A−1)成分は、例えば、内層を構成するアクリル樹脂を乳化重合により合成した後、外層を構成するアクリル樹脂及びシリコーン樹脂を乳化重合により合成する方法等によって得ることができる。(A−1)成分においては、内層を構成する樹脂として上述の如きシリコーン樹脂が含まれていてもよい。内層にシリコーン樹脂が含まれることにより、下地への追従性等を高めることができる。
ここで、内層を構成するアクリル樹脂のガラス転移温度(以下「Tg」という)は、通常−60〜20℃(好ましくは−50〜10℃)に設定すればよい。外層のTgは、通常20〜100℃(好ましくは30〜90℃)である。各層のアクリル樹脂のTgがこのような範囲内であれば、上述の如き効果を安定して得ることができる。なお、本発明におけるTgは、Foxの計算式により求められる値である。
【0021】
本発明では、(A)成分にカルボキシル基含有アクリル樹脂が含まれる場合、カルボキシル基と反応可能な化合物を別途配合することにより、膨れ防止性、剥れ防止性等の効果を高めることができる。さらに、塗膜表面の粘着性が軽減され、耐汚染性が高まる。このような化合物としては、例えば、カルボジイミド基、エポキシ基、アジリジン基、オキサゾリン基等から選ばれる1種以上の官能基を有する化合物が挙げられる。このうち、本発明では特にエポキシ基を有する反応性化合物が好適である。
【0022】
エポキシ基を有する反応性化合物としては、例えば、エチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、プロピレングリコールジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル、グリセロールポリグリシジルエーテル、ジグリセロールポリグリシジルエーテル、ポリグリセロールポリグリシジルエーテル、ジグリセロールポリグリシジルエーテル、ポリヒドロキシアルカンポリグリシジルエーテル、ソルビトールポリグリシジルエーテル等が挙げられる。この他、エポキシ基含有モノマーの重合体(ホモポリマーまたはコポリマー)からなる水溶性樹脂やエマルションを使用することもできる。このような化合物の混合量は、通常(A)成分の樹脂固形分100重量部に対し0.1〜50重量部、好ましくは0.3〜20重量部である。
【0023】
水性上塗材では上述の(A)成分に加え、着色顔料を混合することで、塗料を所望の色相に調色することができる。着色顔料としては、一般的に塗料に配合可能なものを使用することができ、例えば、酸化チタン、酸化亜鉛、カーボンブラック、黒鉛、黒色酸化鉄、銅クロムブラック、コバルトブラック、銅マンガン鉄ブラック、べんがら、モリブデートオレンジ、パーマネントレッド、パーマネントカーミン、アントラキノンレッド、ペリレンレッド、キナクリドンレッド、黄色酸化鉄、チタンイエロー、ファーストイエロー、ベンツイミダゾロンイエロー、クロムグリーン、コバルトグリーン、フタロシアニングリーン、群青、紺青、コバルトブルー、フタロシアニンブルー、キナクリドンバイオレット、ジオキサジンバイオレット、アルミニウム顔料、パール顔料等が挙げられる。また、重質炭酸カルシウム、沈降性炭酸カルシウム、カオリン、タルク、クレー、陶土、チャイナクレー、硫酸バリウム、炭酸バリウム、ケイ酸カルシウム、リン酸カルシウム、炭酸マグネシウム、珪石粉、珪藻土、酸化アルミニウム、樹脂ビーズ等の体質顔料等を混合することもできる。
【0024】
この他、水性上塗材においては、通常塗料に使用可能な成分を配合することもできる。このような成分としては、例えば、骨材、繊維、増粘剤、造膜助剤、レベリング剤、湿潤剤、可塑剤、凍結防止剤、pH調整剤、防腐剤、防黴剤、防藻剤、抗菌剤、分散剤、消泡剤、吸着剤、撥水剤、架橋剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、触媒等が挙げられる。水性上塗材は、以上のような成分を常法により均一に混合することで製造することができる。
【0025】
本発明では、建築物基礎梁部の表面に上述の水性上塗材を塗装する。塗装の対象となる基礎梁部は、通常コンクリート製であり、その表面は平坦であってもよいし、種々の凹凸模様を有するものであってもよい。
本発明では、水性上塗材による透湿性、追従性等の性能が損なわれない限り、水性上塗材の塗装前には、必要に応じ、シーラー、フィラー、サーフェーサ、浸透性吸水防止材等を塗装することもできる。
【0026】
水性上塗材の塗装方法としては、公知の方法を採用することができ、例えば、スプレー塗り、ローラー塗り、刷毛塗り等が可能である。
水性上塗材を塗装する際の塗付量は適宜選択すればよいが、通常は0.1〜0.5kg/m程度である。本発明では、このような比較的少ない塗付量で塗装を行うことができるため、基礎梁部表面が凹凸模様を有する場合であっても、その模様形状を活かした塗装仕上げを行うことができる。
水性上塗材の塗付時には、水等で希釈することによって、塗料の粘性を適宜調整することもできる。希釈割合は、通常0〜20重量%程度である。水性上塗材を塗装した後の乾燥は通常、常温で行えばよい。
【実施例】
【0027】
以下に実施例を示し、本発明の特徴をより明確にする。
【0028】
下記原料を使用し、表1の配合に従い各成分を均一に混合することにより、上塗材1〜6を製造した。
【0029】
・樹脂1:多層構造型合成樹脂エマルション
外層;アクリル樹脂(Tg45℃、構成成分;t−ブチルメタクリレート,n−ブチルメタクリレート,n−ブチルアクリレート,2−エチルヘキシルアクリレート,メタクリル酸)、シリコーン樹脂(構成成分;ヘキサメチルシクロトリシロキサン,オクタメチルシクロテトラシロキサン,デカメチルシクロペンタシロキサン)、外層アクリル樹脂とシリコーン樹脂との重量比80:20、
内層;アクリル樹脂(Tg−50℃、構成成分;n−ブチルメタクリレート,n−ブチルアクリレート,2−エチルヘキシルアクリレート)、
外層と内層の重量比45:55、固形分50重量%、カルボキシル基含有モノマー3重量%
【0030】
・樹脂2:多層構造型合成樹脂エマルション
外層;アクリル樹脂(Tg45℃、構成成分;t−ブチルメタクリレート,n−ブチルメタクリレート,n−ブチルアクリレート,2−エチルヘキシルアクリレート,メタクリル酸)、シリコーン樹脂(構成成分;ヘキサメチルシクロトリシロキサン,オクタメチルシクロテトラシロキサン,デカメチルシクロペンタシロキサン)、外層アクリル樹脂と外層シリコーン樹脂との重量比80:20、
内層;アクリル樹脂(Tg−50℃、構成成分;n−ブチルメタクリレート,n−ブチルアクリレート,2−エチルヘキシルアクリレート)、シリコーン樹脂(構成成分;ヘキサメチルシクロトリシロキサン,オクタメチルシクロテトラシロキサン,デカメチルシクロペンタシロキサン)、内層アクリル樹脂と内層シリコーン樹脂との重量比80:20、
外層と内層の重量比45:55、固形分50重量%、カルボキシル基含有モノマー3重量%
【0031】
・樹脂3:多層構造型合成樹脂エマルション
外層;アクリル樹脂(Tg45℃、構成成分;t−ブチルメタクリレート,n−ブチルメタクリレート,n−ブチルアクリレート,2−エチルヘキシルアクリレート,メタクリル酸)、
内層;シリコーン樹脂(構成成分;ヘキサメチルシクロトリシロキサン,オクタメチルシクロテトラシロキサン,デカメチルシクロペンタシロキサン)、
外層と内層の重量比70:30、固形分50重量%、カルボキシル基含有モノマー3重量%
【0032】
・樹脂4:多層構造型合成樹脂エマルション
外層;アクリル樹脂(Tg45℃、構成成分;t−ブチルメタクリレート,n−ブチルメタクリレート,n−ブチルアクリレート,2−エチルヘキシルアクリレート,メタクリル酸)、
内層;アクリル樹脂(Tg−50℃、構成成分;n−ブチルメタクリレート,n−ブチルアクリレート,2−エチルヘキシルアクリレート)、
外層と内層の重量比50:50、固形分50重量%、カルボキシル基含有モノマー3重量%
【0033】
・樹脂5:アクリル樹脂エマルション(Tg12℃、構成成分;t−ブチルメタクリレート,n−ブチルメタクリレート,n−ブチルアクリレート,2−エチルヘキシルアクリレート,メタクリル酸;固形分50重量%、カルボキシル基含有モノマー3重量%)
【0034】
・顔料1:シリカ粉(平均粒子径18μm)
・顔料2:酸化チタン(平均粒子径0.2μm)
・撥水剤:ジメチルシロキサン化合物分散液(固形分50重量%)
・造膜助剤:2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオールモノイソブチレート
・分散剤:ポリカルボン酸系分散剤(固形分30重量%)
・増粘剤:ポリウレタン系増粘剤(固形分30重量%)
・消泡剤:シリコン系消泡剤(固形分50重量%)
【0035】
【表1】


【0036】
(実施例1)
コンクリートを打設し、型枠を取り外して作製した基礎梁の外側表面に対し、上塗材1をスプレーを用いて塗付量0.3kg/mで塗付した。この塗付量で形成される上塗材1の塗膜の水蒸気透過度は72g/m・24h、透水量は0.3mlである。塗装後14日間養生した塗膜の表面に水をかけたときの撥水状態を確認したところ、優れた撥水性を示した。また、塗装後12ヶ月の塗膜外観を確認したところ、異常は認められなかった。
一方、側面をエポキシ樹脂にてシールした300×300×60mmのコンクリート板の表面に対し、上述と同様の塗装を行い、温度20℃、相対湿度65%下において7日間養生させ、温冷繰返し試験用の試験体を作製した。作製した試験体に対し、1サイクルが「20℃水浸漬18時間→−20℃3時間→50℃3時間」の温冷繰返し試験を10サイクル行い、塗膜の状態の変化を目視にて観察した。その結果、試験後の塗膜に異常は全く認められなかった。
【0037】
(実施例2)
実施例1と同様に基礎梁の外側表面に対し、上塗材2をスプレーを用いて塗付量0.3kg/mで塗付した。この塗付量で形成される上塗材2の塗膜の水蒸気透過度は75g/m・24h、透水量は0.3mlである。塗装後14日間養生した塗膜の表面に水をかけたときの撥水状態を確認したところ、優れた撥水性を示した。また、塗装後12ヶ月の塗膜外観を確認したところ、異常は認められなかった。
一方、側面をエポキシ樹脂にてシールした300×300×60mmのコンクリート板の表面に対し、上述と同様の塗装を行い、温度20℃、相対湿度65%下において7日間養生させ、温冷繰返し試験用の試験体を作製した。作製した試験体に対し、温冷繰返し試験を10サイクル行ったところ、試験後の塗膜に異常は全く認められなかった。
【0038】
(実施例3)
実施例1と同様に基礎梁の外側表面に対し、上塗材3をスプレーを用いて塗付量0.3kg/mで塗付した。この塗付量で形成される上塗材3の塗膜の水蒸気透過度は67g/m・24h、透水量は0.3mlである。塗装後14日間養生した塗膜の表面に水をかけたときの撥水状態を確認したところ、撥水性を示したが、実施例1及び2に比べるとその程度は小さかった。塗装後12ヶ月の塗膜外観において、異常は認められなかった。
一方、側面をエポキシ樹脂にてシールした300×300×60mmのコンクリート板の表面に対し、上述と同様の塗装を行い、温度20℃、相対湿度65%下において7日間養生させ、温冷繰返し試験用の試験体を作製した。作製した試験体に対し、温冷繰返し試験を10サイクル行ったところ、試験後の塗膜にほとんど異常は認められなかった。
【0039】
(比較例1)
実施例1と同様に基礎梁の外側表面に対し、上塗材4をスプレーを用いて塗付量0.3kg/mで塗付した。この塗付量で形成される上塗材4の塗膜の水蒸気透過度は35g/m・24h、透水量は0.3mlである。塗装後14日間養生した塗膜の表面に水をかけたときの撥水状態を確認したところ、撥水性は認められなかった。塗装後12ヶ月の塗膜外観においては、一部膨れ発生が認められた。
一方、側面をエポキシ樹脂にてシールした300×300×60mmのコンクリート板の表面に対し、上述と同様の塗装を行い、温度20℃、相対湿度65%下において7日間養生させ、温冷繰返し試験用の試験体を作製した。作製した試験体に対し、温冷繰返し試験を10サイクル行ったところ、試験後の塗膜において膨れ発生が認められた。
【0040】
(比較例2)
実施例1と同様に基礎梁の外側表面に対し、上塗材5をスプレーを用いて塗付量0.3kg/mで塗付した。この塗付量で形成される上塗材5の塗膜の水蒸気透過度は28g/m・24h、透水量は0.2mlである。塗装後14日間養生した塗膜の表面に水をかけたときの撥水状態を確認したところ、撥水性は認められなかった。塗装後12ヶ月の塗膜外観においては、膨れ発生が認められた。
一方、側面をエポキシ樹脂にてシールした300×300×60mmのコンクリート板の表面に対し、上述と同様の塗装を行い、温度20℃、相対湿度65%下において7日間養生させ、温冷繰返し試験用の試験体を作製した。作製した試験体に対し、温冷繰返し試験を10サイクル行ったところ、試験後の塗膜において膨れ発生が認められた。
【0041】
(比較例3)
実施例1と同様に基礎梁の外側表面に対し、上塗材6をスプレーを用いて塗付量0.3kg/mで塗付した。この塗付量で形成される上塗材6の塗膜の水蒸気透過度は46g/m・24h、透水量は0.2mlである。塗装後14日間養生した塗膜の表面に水をかけたときの撥水状態を確認したところ、撥水性を示したが、実施例1及び2に比べるとその程度は小さかった。塗装後12ヶ月の塗膜外観においては、一部膨れ発生が認められた。
一方、側面をエポキシ樹脂にてシールした300×300×60mmのコンクリート板の表面に対し、上述と同様の塗装を行い、温度20℃、相対湿度65%下において7日間養生させ、温冷繰返し試験用の試験体を作製した。作製した試験体に対し、温冷繰返し試験を10サイクル行ったところ、試験後の塗膜において膨れ発生が認められた。


【出願人】 【識別番号】000180287
【氏名又は名称】エスケー化研株式会社
【出願日】 平成18年7月6日(2006.7.6)
【代理人】
【公開番号】 特開2008−12454(P2008−12454A)
【公開日】 平成20年1月24日(2008.1.24)
【出願番号】 特願2006−187260(P2006−187260)