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【発明の名称】 塗装方法
【発明者】 【氏名】四津 成章

【要約】 【課題】被塗装物の表面に真っ直ぐなストライプ模様又は蛇行したストライプ模様も塗装できる塗装方法を提供する。

【構成】フローコーター1の塗料吐出口4からカーテン状に塗料5を落下させ搬送される被塗装物2の表面に前記塗料吐出口4から落下した塗料5を塗布する塗装方法である。塗料吐出口4の下方に塗料吐出口4の長手方向に移動自在の遮断部材6を配置する。遮断部材6は塗料吐出口4から落下した塗料5を部分的に通過させるための塗料通過口9を塗料吐出口4の長手方向に複数備える。遮断部材6を塗料吐出口4の長さ方向に移動させる移動状態又は塗料吐出口4の長さ方向における任意の位置に停止させる停止状態のいずれか一方の状態とすると共に、塗料吐出口4から塗料5を落下させる。遮断部材6の各塗料通過口9を通過した塗料を搬送される被塗装物2の表面に塗布する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
フローコーターに設けた直線状の塗料吐出口からカーテン状に塗料を落下させ、平面視で塗料吐出口の長手方向と交差する方向に搬送される被塗装物の表面に前記塗料吐出口から落下した塗料を塗布する塗装方法において、塗料吐出口の下方に塗料吐出口の長手方向に移動自在の遮断部材を配置し、該遮断部材は前記塗料吐出口から落下した塗料を部分的に通過させるための塗料通過口を塗料吐出口の長手方向に複数備え、該遮断部材を塗料吐出口の長さ方向に移動させる移動状態又は塗料吐出口の長さ方向における任意の位置に停止させる停止状態のうち選択されたいずれか一方の状態とすると共に、塗料吐出口から塗料を落下させ、該遮断部材の各塗料通過口を通過した塗料を搬送される被塗装物の表面に塗布することを特徴とする塗装方法。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明はフローコーターを用いて塗装を行う塗装方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来からフローコーターを用いた被塗装物の塗装方法が知られている。この塗装方法は例えば図5(a)に示すようにフローコーター1のヘッド3に設けた直線状の塗料吐出口4から図4に示すようにカーテン状に塗料を落下させ、該塗料5からなる塗料カーテンに搬送手段によって搬送される被塗装物2を潜らせ、これにより被塗装物2の表面に塗料5からなる塗膜15′を形成して、例えば図5(b)及び図5(c)に示すように被塗装物2の表面全体に塗装を施す。なお図4及び図5で塗料5及び塗膜15′は便宜上クロスハッチングで示している。また図5の被塗装物2は基材12の表面に予めベース塗膜14を形成したものである。
【0003】
この種のフローコーターには例えば特許文献1に示すように塗料吐出口の下方に塗料吐出口の長手方向に間隔を介して並ぶ複数の遮断体を配設したものがある。このフローコーターでは、塗料吐出口から落下したカーテン状の塗料を各遮断体により部分的に遮断して、搬送される被塗装物の表面に図3に示すような真っ直ぐのストライプ模様(縞模様)を施す。
【0004】
しかし上記特許文献1に示す塗装方法では、被塗装物の搬送方向と平行な真っ直ぐのストライプ模様の塗装を行うことはできるが、波型等の蛇行した複雑なストライプ模様(所謂スプライン模様)を施すことができなかった。
【特許文献1】特開2002−119906号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は上記従来の問題点に鑑みて発明したものであって、被塗装物の表面に真っ直ぐなストライプ模様又は蛇行したストライプ模様のうち所望のストライプ模様を塗装できる塗装方法を提供することを課題とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために本発明に係る塗装方法は、フローコーター1に設けた直線状の塗料吐出口4からカーテン状に塗料5を落下させ、平面視で塗料吐出口4の長手方向と交差する方向に搬送される被塗装物2の表面に前記塗料吐出口4から落下した塗料5を塗布する塗装方法において、塗料吐出口4の下方に塗料吐出口4の長手方向に移動自在の遮断部材6を配置し、該遮断部材6は前記塗料吐出口4から落下した塗料5を部分的に通過させるための塗料通過口9を塗料吐出口4の長手方向に複数備え、該遮断部材6を塗料吐出口4の長さ方向に移動させる移動状態又は塗料吐出口4の長さ方向における任意の位置に停止させる停止状態のうち選択されたいずれか一方の状態とすると共に、塗料吐出口4から塗料5を落下させ、該遮断部材6の各塗料通過口9を通過した塗料を搬送される被塗装物2の表面に塗布することを特徴とする。
【0007】
この塗装方法により、塗装時において遮断部材6を前記停止状態とした場合には、該遮断部材6の各塗料通過口9を通過した塗料5を被塗装物2の表面に真っ直ぐなストライプ状に塗布することができ、また塗装時において遮断部材6を前記移動状態とした場合には、該遮断部材6の各塗料通過口9を通過した塗料5を被塗装物2の表面に蛇行したストライプ状に塗布することができる。従って遮断部材6の停止状態と移動状態を切替えるだけで、被塗装物2の表面に真っ直ぐなストライプ模様又は蛇行したストライプ模様のうち所望のストライプ模様の塗装を施すことができる。
【発明の効果】
【0008】
本発明の塗装方法では、遮断部材の停止状態と移動状態とを切り替えるだけで被塗装物の表面に真っ直ぐなストライプ模様の塗装や蛇行したストライプ模様の塗装を施すことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下、本発明を添付図面に示す実施形態に基づいて説明する。
【0010】
本発明で用いるフローコーター1は、従来から知られているフローコーターと同様に、被塗装物2を図1等の矢印イに示す方向に搬送するコンベア等の搬送手段(図示せず)と、該搬送手段により搬送される被塗装物2の上方に位置する図1(a)及び図2に示すヘッド3を備えている。
【0011】
ヘッド3は平面視で被塗装物2の搬送方向と直交する方向である矢印ロに示す左右方向に長く、その下面部には塗料吐出口4を一つ形成している。塗料吐出口4は図5(a)に示した従来のフローコーター1における塗料吐出口4と同様に左右方向に平行な直線状のスリット孔からなり、該直線状の塗料吐出口4からは後述の遮断部材6を設けていない状態では図4に示すようにヘッド3に供給された塗料5を巾広のカーテン状にして連続的に落下させることが可能である。
【0012】
図1(a)に示すように塗料吐出口4の下方位置には塗料吐出口4の長手方向に移動自在となった遮断部材6を設けてあり、本例の遮断部材6はヘッド3の下端部に設けている。遮断部材6のヘッド3の下面に対向する対向面部7は左右方向に長い平面視長方形状であり、対向面部7の長手方向の長さは塗料吐出口4の長さと同じか又は長い。
【0013】
遮断部材6の対向面部7において塗料吐出口4に対向する位置には、矩形状の孔からなる塗料通過口9を左右方向(即ち塗料吐出口4の長手方向)に複数(図示例では4つ)並設してあり、各塗料通過口9は同大同形であり、前後長さが塗料吐出口4の孔幅よりも大きい。各塗料通過口9は塗料吐出口4から出た塗料5である塗料カーテンを部分的に通過可能とする。またこの遮断部材6の対向面部7において前記一列に並んだ各塗料通過口9間の部位の夫々は塗料カーテンを部分的に遮断する遮断部10となる。つまり塗料吐出口4から塗料5が塗料カーテンとなって落下すると、図2に示すようにこの塗料5には塗料通過口9を通過する部分と遮断部10によって受けられて遮断される部分とができ、これにより遮断部材6を通過した後の塗料5は複数の幅狭薄膜状の塗料5となる。
【0014】
また上記遮断部材6は、左右方向に往復移動する移動状態と、塗料吐出口4の長さ方向における任意の位置に停止した停止状態とを切り替え可能としてあり、塗料吐出口4から塗料5を落下させた塗装時においては、前記移動状態と停止状態のうちいずれか一方の状態を選択できるようにしている。例えば遮断部材6の移動はモータ等の駆動手段により行われ、また遮断部材6の移動状態と停止状態の切り替えはこの駆動手段の駆動と停止の切り替え等により行われるものとする。
【0015】
次に上記フローコーター1を用いた被塗装物2の塗装方法について説明する。
【0016】
フローコーター1によって塗装される被塗装物2は図1(c)に示す板状の基材12で構成され、基材12はそのフラットな表面上に以下に示すように塗装を施すことで最終的な製品としての塗装パネルとなるものである。基材12としては例えば製品として浴室壁を構成する壁パネル等の水廻りに用いられる塗装パネルの主体を構成するもの等が挙げられる。
【0017】
基材12の厚み方向の一面である表面には全体に隠蔽性の高い着色系の塗料であるアクリルウレタン樹脂塗料を塗布してベース塗膜14を形成している。そしてこのように表面全体にベース塗膜14からなる塗装を施した基材12を本実施形態では被塗装物2としてあり、該被塗装物2の表面上、即ちベース塗膜14上に、既述したフローコーター1によって塗料5を塗布し、これにより被塗装物2の表面にストライプ模様を形成する。
【0018】
即ち、塗料吐出口4から塗料5を落下し、この塗料5を前述したように遮断部材6の各塗料通過口9を介して通過させ、各塗料通過口9を通過した幅狭薄膜状の塗料5を搬送手段により搬送される被塗装物2の表面上に塗布することで、被塗装物2の表面における各塗料通過口9の下方に位置する部分を塗装し、且つ遮断部10の下方に位置する部分を塗装しない部分とし、これにより被塗装物2の表面上にストライプ模様の塗装を施す。使用される塗料5としては例えば粘性が高くてレベリングされにくく、且つ隠蔽性が高い着色系の塗料であるアクリルウレタン樹脂塗料を用いる。塗料5として粘性が高いものを用いることで、被塗装物2の表面にこの塗料5からなる塗膜15を凸部分とするエンボス形状等の凹凸を形成できるからである。なお塗料5としては粘性が低くレベリングが良い塗料5を用いても良いものとする。
【0019】
ここで本発明で用いられるフローコーター1にあっては上記のように被塗装物2の表面にストライプ模様を塗装するにあたって、ストライプ模様の形状を、図3(a)に示すように被塗装物2の搬送方向と平行で真っ直ぐなストライプ模様と、図1(b)に示すように左右に蛇行したストライプ模様のいずれかを選択して塗装できるようになっている。なお図1〜3で塗料5及び塗料によって形成される塗膜15は便宜上クロスハッチングで示している。
【0020】
具体的には、真っ直ぐなストライプ模様を形成する場合には、上記塗装時において遮断部材6を塗料吐出口4の長さ方向における任意の位置に停止した停止状態とし、また蛇行したストライプ模様を形成する場合には上記塗装時において遮断部材6を塗料吐出口4の長さ方向に往復移動する移動状態とする。これにより前者の場合には、塗料吐出口4から落下した塗料5が停止状態にある遮断部材6の各塗料通過口9を通過し、この塗料5が搬送される被塗装物2の表面に塗布されて図3に示すような真っ直ぐなストライプ模様が施される。また後者の場合には、塗料吐出口4から落下した塗料5が移動状態にある遮断部材6の各塗料通過口9を通過し、この塗料5が搬送される被塗装物2の表面に塗布されて図1(b)に示すような波型に蛇行したストライプ模様が施される。
【0021】
そして上記のようにストライプ模様の塗装を施した被塗装物2の表面全体に、図示しないトップコート層として、例えば耐薬品性や耐汚染性に優れ且つ隠蔽性の低いクリヤ系又はカラークリヤ系の塗料であるアクリルウレタン樹脂塗料を塗布することで、基材12の表面にベース塗膜14、ストライプ模様を形成する模様形成用塗膜15、トップコート層を順に塗装した塗装パネルの製造が完了する。なお上記トップコート層を構成する塗料は紫外線硬化型のUV塗料としても良く、例えばUV硬化型アクリルクリヤ塗料やUV硬化型アクリルカラークリヤ塗料であっても良い。またこのトップコート層を設けず、塗料5をカラークリヤ系の塗料として、該塗料5からなる模様形成用塗膜15を最表面の層としても良い。
【0022】
以上説明したように本発明の塗装方法では、塗料吐出口4からカーテン状に塗料5を落下させると共に、遮断部材6を塗料吐出口4の長さ方向に移動させる移動状態又は塗料吐出口4の長さ方向における任意の位置に停止させる停止状態のうち選択されたいずれか一方の状態とし、該遮断部材6の各塗料通過口9を通過した塗料5を搬送される被塗装物2の表面に塗布するので、遮断部材6を停止状態とした場合には被塗装物2の表面に真っ直ぐなストライプ模様の塗装を施すことができ、また遮断部材6を移動状態とした場合には被塗装物2の表面に蛇行したストライプ模様の塗装を施すことができる。
【0023】
また上記のように遮断部材6を塗料吐出口4の長手方向に移動するにあたって、該遮断部材6の移動速度を各被塗装物2毎に又は各被塗装物2の塗装時において変更できるようにしても良く、例えば所望の波長となった波型のストライプ模様等を形成できる。また遮断部材6の移動量を調整可能としても良く、例えば所望の振幅となった波型のストライプ模様等を形成できる。
【0024】
また上記遮断部材6をヘッド3に対して着脱自在とすることも好ましい。このようにすると例えばヘッド3から遮断部材6を取り外し、このヘッド3の塗料吐出口4から落下したカーテン状の塗料5をそのまま搬送される被塗装物2に塗布して、被塗装物2の表面全体を一様に塗装できる。また特に本実施形態のように基材12の表面全体にベース塗膜14を形成したものを被塗装物2とする場合には、ベース塗膜14を形成するにあたって、遮断部材6を取り外したヘッド3の塗料吐出口4からベース塗膜14を形成する塗料5をカーテン状にして落下させ、この塗料5をそのまま基材12の表面に塗布してベース塗膜14を形成し、この後、ヘッド3に遮断部材6を取り付けて、既述した真っ直ぐ又は蛇行状のストライプ模様の塗装を施すことができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】(a)は本発明の実施の形態の一例の塗装方法で用いられるフローコーターの遮断部材を含むヘッドの下面図であり、(b)はこのフローコーターによって蛇行したストライプ模様の塗装を施した被塗装物の平面図であり、(c)は(b)に示す被塗装物の断面図である。
【図2】同上のフローコーターの塗料吐出口から塗料を落下した状態を示す斜視図である。
【図3】同上のフローコーターによって真っ直ぐなストライプ模様の塗装を施した被塗装物であり、(a)は平面図、(b)は断面図である。
【図4】従来のフローコーターの塗料吐出口から塗料を落下した状態を示す斜視図である。
【図5】(a)は同上のフローコーターのヘッドの下面図であり、(b)は該フローコーターを用いて塗装を施した被塗装物の平面図であり、(c)は(b)に示す被塗装物の断面図である。
【符号の説明】
【0026】
1 フローコーター
2 被塗装物
4 塗料吐出口
5 塗料
6 遮断部材
9 塗料通過口
【出願人】 【識別番号】505154956
【氏名又は名称】松下電工バス&ライフ株式会社
【出願日】 平成18年6月27日(2006.6.27)
【代理人】 【識別番号】100087767
【弁理士】
【氏名又は名称】西川 惠清

【識別番号】100085604
【弁理士】
【氏名又は名称】森 厚夫


【公開番号】 特開2008−6348(P2008−6348A)
【公開日】 平成20年1月17日(2008.1.17)
【出願番号】 特願2006−177328(P2006−177328)