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描画装置、液状体の描画方法、配線基板の製造方法 - 特開2008−29978 | j-tokkyo
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【発明の名称】 描画装置、液状体の描画方法、配線基板の製造方法
【発明者】 【氏名】白崎 享

【氏名】上野 博之

【氏名】佐藤 伸一郎

【氏名】中田 圭介

【要約】 【課題】テープ状の基材の幅変更に対応して容易に液状体を吐出描画できる描画装置、液状体の描画方法、配線基板の製造方法を提供すること。

【構成】描画装置100は、液状体を液滴として複数のノズルから吐出する吐出ヘッドが搭載されたメインキャリッジ101と、メインキャリッジ101をX軸方向に移動可能なX軸リニアガイド102と、吐出ヘッドと所定の間隔を置いて基材1を配置すると共にX軸リニアガイド102に対して直交する方向にテープ状の基材1を搬送するテープ搬送機構110と、各部を制御する制御部130とを備えた。テープ状の基材1には複数の描画領域が設けられており、制御部130は、基材1の複数の描画領域のうち少なくとも1つを吐出ヘッドと対向させ、吐出ヘッドをX軸方向に往復させる相対移動に同期して当該描画領域に液状体を吐出描画するように吐出ヘッドを制御する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
テープ状の基材に機能性材料を含む液状体を吐出描画する描画装置であって、
前記液状体を吐出する吐出ヘッドと、
前記吐出ヘッドに対して前記基材を対向配置すると共に、前記基材の幅方向と直交する第1の方向に前記基材を搬送可能なテープ搬送機構と、
前記基材に対して前記第1の方向と直交する第2の方向に前記吐出ヘッドを相対移動させる移動機構と、
前記相対移動に同期して、前記基材に向けて前記液状体を吐出するように前記吐出ヘッドおよび前記移動機構を制御する制御部と、
を備えたことを特徴とする描画装置。
【請求項2】
前記移動機構が前記吐出ヘッドを搭載するキャリッジを備え、
前記吐出ヘッドが前記液状体を液滴として吐出する複数のノズルからなるノズル列を有し、
前記キャリッジには、前記ノズル列が前記第1の方向に対して平行となるように少なくとも1つ以上の前記吐出ヘッドが配置されていることを特徴とする請求項1に記載の描画装置。
【請求項3】
前記移動機構が前記吐出ヘッドを搭載するキャリッジを備え、
前記吐出ヘッドが前記液状体を液滴として吐出する複数のノズルからなるノズル列を有し、
前記キャリッジには、前記ノズル列が前記第1の方向に対して一定の角度で傾斜するように少なくとも1つ以上の前記吐出ヘッドが配置されていることを特徴とする請求項1に記載の描画装置。
【請求項4】
前記キャリッジには、前記第2の方向から見て前記ノズル列が互いに前記第1の方向に連続するように複数の前記吐出ヘッドが配置されていることを特徴とする請求項2または3に記載の描画装置。
【請求項5】
前記ノズル列が等間隔Pで配置された複数のノズルからなり、
nが2以上10以下の自然数であって、
前記キャリッジには、前記ノズル列を互いに前記第1の方向にずらし、前記第2の方向から見て複数のノズルの間隔が等間隔Pのn分の1となるように複数の前記吐出ヘッドが前記第2の方向に並列していることを特徴とする請求項4に記載の描画装置。
【請求項6】
前記移動機構が複数の前記キャリッジを備え、複数の前記キャリッジをそれぞれ独立して前記第2の方向に移動させることを特徴とする請求項1ないし5のいずれか一項に記載の描画装置。
【請求項7】
前記テープ搬送機構がテープ状の前記基材を搬送する搬送部と、前記基材の幅に対応して前記搬送部の幅を調整可能な幅調整部とを備えたことを特徴とする請求項1ないし6のいずれか一項に記載の描画装置。
【請求項8】
テープ状の前記基材は、幅方向の両端に沿って配列する複数のガイド孔を有し、
前記テープ搬送機構が前記ガイド孔に嵌合して前記基材を搬送方向に移動させる前記搬送部としての一対のスプロケットを備え、
前記幅調整部が前記一対のスプロケットの間隔を前記基材の幅に対応させるスプロケット間隔調整部であることを特徴とする請求項7に記載の描画装置。
【請求項9】
テープ状の基材に機能性材料を含む液状体を吐出描画する液状体の描画方法であって、
前記基材を吐出ヘッドに対向させ、前記吐出ヘッドが前記基材に対して前記基材の幅方向に相対移動する往動と復動とのうち少なくとも一方の間に、前記吐出ヘッドから前記液状体を液滴として吐出する吐出工程を備えたことを特徴とする液状体の描画方法。
【請求項10】
テープ状の基材に機能性材料からなる被膜を備えた配線基板の製造方法であって、
前記基材を吐出ヘッドに対向させ、前記吐出ヘッドが前記基材に対して前記基材の幅方向に相対移動する往動と復動とのうち少なくとも一方の間に、前記吐出ヘッドから前記液状体を液滴として吐出する吐出工程と、
前記吐出工程において吐出描画された前記液状体を固化して前記被膜を形成する固化工程とを備えたことを特徴とする配線基板の製造方法。
【請求項11】
前記吐出工程では、導電性材料を含む第1の液状体を用いて、配線パターンを描画することを特徴とする請求項10に記載の配線基板の製造方法。
【請求項12】
前記吐出工程では、導電性材料を含む第1の液状体を用いて配線パターンを描画して、固化工程の後に、絶縁性材料を含む第2の液状体を用いて、固化した前記配線パターンの上に絶縁パターンを描画することを特徴とする請求項10に記載の配線基板の製造方法。

【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、機能性材料を含む液状体を吐出描画する描画装置、液状体の描画方法、配線基板の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
配線基板の製造方法としては、基板の表面にフォトリソグラフィ法により第一の配線層を形成する工程と、露出部を除いた第一の配線層を覆うようにインクジェット法により第一の絶縁層を形成する工程と、第一の絶縁層に重ねて上記露出部と接続するようにインクジェット法により第二の配線層を形成する工程とを有する配線基板の製造方法が知られている(特許文献1)。
【0003】
上記配線基板の製造方法では、配線層を形成する材料液を液滴として吐出するヘッド部と、フレキシブル基板とを対向させ、吐出位置で停止したヘッド部に対してフレキシブル基板を所定の方向に相対移動させる。この相対移動の間に、ヘッド部から材料液を吐出して配線層のパターンを描画している。
【0004】
この場合、ヘッド部は複数(12個)の吐出ヘッドを備え、各吐出ヘッドはノズル列がフレキシブル基板の上記相対移動方向に対して傾斜するように配置されている。また、複数(6個)の吐出ヘッドを1群とする2つのヘッド群からなり、2つのヘッド群が上記相対移動方向に対して直交する方向に間隔を置いて配置されている。
【0005】
また、他のインクジェット法で製造される配線基板としては、基板上に複数回の吐出形成からなる絶縁層を備えた回路基板が知られている(特許文献2)。
【0006】
上記回路基板は、可撓性を有する長尺(テープ状)の基板からプレス加工またはレーザカッティング加工等により分離される。上記回路基板の製造方法は、インクジェット法を利用した液滴吐出装置の液滴吐出ヘッドから、導電性液状材料、絶縁性液状材料を上記基板に吐出することにより形成される。
【0007】
【特許文献1】特開2006−24768号公報
【特許文献2】特開2006−73561号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
上記配線基板の製造方法において、ヘッド部には2つのヘッド群が上記相対移動方向に対して直交する方向に間隔を置いて配置されている。したがって、ヘッド部をフレキシブル基板に対して停止させ、フレキシブル基板を所定の方向に相対移動させる場合、材料液は上記相対移動方向に対して直交する方向に間隔を置いて付与される。よって、当該間隔を埋めるように材料液を配置するには、ヘッド部を上記直交する方向に移動させる必要がある。すなわち、ヘッド部とフレキシブル基板の双方の移動が必要であり、吐出描画のための制御が複雑であるという課題を有している。
【0009】
また、上記回路基板の製造方法では、テープ状の基板に液滴吐出ヘッドから、導電性液状材料、絶縁性液状材料を吐出しているが、液滴吐出ヘッドとテープ状の基板とをどのように相対移動させて各液状材料を吐出するのか明記されていない。また、複数のノズルを有する液滴吐出ヘッドのテープ状の基板に対する相対的な配置についても明確ではない。少なくともテープ状の基板の幅に対応した液滴吐出ヘッドの配置が必要である。
【0010】
本発明は、上記課題を考慮してなされたものであり、テープ状の基材の幅変更に対応して容易に液状体を吐出描画できる描画装置、液状体の描画方法、配線基板の製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の描画装置は、テープ状の基材に機能性材料を含む液状体を吐出描画する描画装置であって、液状体を吐出する吐出ヘッドと、吐出ヘッドに対して基材を対向配置すると共に、基材の幅方向と直交する第1の方向に基材を搬送可能なテープ搬送機構と、基材に対して第1の方向と直交する第2の方向に吐出ヘッドを相対移動させる移動機構と、当該相対移動に同期して、基材に向けて液状体を吐出するように吐出ヘッドおよび移動機構を制御する制御部と、を備えたことを特徴とする。
【0012】
この構成によれば、移動機構は、基材に対して第1の方向と直交する第2の方向すなわち基材の幅方向に吐出ヘッドを相対移動させる。したがって、テープ状の基材の幅に対応するように吐出ヘッドを相対移動させることができる。そして、制御部がこの相対移動に同期して吐出ヘッドから液状体を吐出させれば、基材の所望の位置に液状体を吐出描画することができる。すなわち、テープ状の基材の幅変更に対応して容易に液状体を吐出描画できる描画装置を提供することができる。
【0013】
上記移動機構が吐出ヘッドを搭載するキャリッジを備え、上記吐出ヘッドが液状体を液滴として吐出する複数のノズルからなるノズル列を有し、キャリッジには、ノズル列が第1の方向に対して平行となるように少なくとも1つ以上の吐出ヘッドが配置されていることが好ましい。これによれば、キャリッジには、基材が搬送される第1の方向にノズル列が平行となるように少なくとも1つ以上の吐出ヘッドが配置されている。したがって、基材の搬送方向に対してノズル列の長さを有効に利用して液状体を無駄なく吐出描画することが可能な描画装置を提供することできる。
【0014】
また、上記移動機構が吐出ヘッドを搭載するキャリッジを備え、上記吐出ヘッドが液状体を液滴として吐出する複数のノズルからなるノズル列を有し、キャリッジには、ノズル列が第1の方向に対して一定の角度で傾斜するように少なくとも1つ以上の吐出ヘッドが配置されているとしてもよい。これによれば、ノズル列が第1の方向に対して一定の角度で傾斜している。したがって、第2の方向すなわち基材の幅方向から見れば複数のノズルの間隔が狭くなる。ゆえに、第2の方向に吐出ヘッドを相対移動させて液状体を吐出すれば、第1の方向すなわち基材の搬送方向において、基材に着弾する液滴の間隔が狭くなり、高密度に吐出描画が可能な描画装置を提供することができる。
【0015】
上記キャリッジには、第2の方向から見てノズル列が互いに第1の方向に連続するように複数の吐出ヘッドが配置されていることが好ましい。これによれば、第2の方向から見てノズル列が互いに第1の方向に連続するように複数の吐出ヘッドがキャリッジに配置されているので、1つの吐出ヘッドを用いて吐出描画する場合に比べて、第1の方向に液状体を連続的に吐出可能な描画幅を拡大することができる。よって、テープ状の基材の搬送方向となる第1の方向に効率的に液状体を付与することができ、高い生産性を有する描画装置を提供することができる。
【0016】
また、上記ノズル列は、等間隔Pで配置された複数のノズルからなり、nが2以上10以下の自然数であって、キャリッジには、ノズル列を互いに第1の方向にずらし、第2の方向から見て複数のノズルの間隔が等間隔Pのn分の1となるように複数の吐出ヘッドが第2の方向に並列していることが好ましい。これによれば、第2の方向から見て複数のノズルの間隔をより狭めることができるので、基材の搬送方向に、より高密度に吐出描画することができる。
【0017】
また、上記移動機構が複数のキャリッジを備え、複数のキャリッジをそれぞれ独立して第2の方向に移動させるとしてもよい。これによれば、移動機構により複数のキャリッジを移動させ、各キャリッジに搭載された吐出ヘッドから液状体を吐出すれば、1度の相対移動により、より多くの液状体を基材に吐出描画することができる。また、キャリッジごとに吐出される液状体の種類を異ならせれば、1台の描画装置で複数種の液状体を吐出描画することができる。
【0018】
さらには、上記テープ搬送機構がテープ状の基材を搬送する搬送部と、基材の幅に対応して搬送部の幅を調整可能な幅調整部とを備えたことを特徴とする。これによれば、基材の幅に対応して搬送部の幅を調整可能な幅調整部を備えることにより、1台の描画装置で幅の異なる複数種の基材を搬送可能とし、基材の幅変更に対応して容易に液状体を吐出描画することができる。
【0019】
上記テープ状の基材は、幅方向の両端に沿って配列する複数のガイド孔を有し、上記テープ搬送機構がガイド孔に嵌合して基材を搬送方向に移動させる搬送部としての一対のスプロケットを備え、上記幅調整部が一対のスプロケットの間隔を基材の幅に対応させるスプロケット間隔調整部であるとしてもよい。
【0020】
本発明の液状体の描画方法は、テープ状の基材に機能性材料を含む液状体を吐出描画する液状体の描画方法であって、基材を吐出ヘッドに対向させ、吐出ヘッドが基材に対して基材の幅方向に相対移動する往動と復動とのうち少なくとも一方の間に、吐出ヘッドから液状体を液滴として吐出する吐出工程を備えたことを特徴とする。
【0021】
この方法によれば、吐出工程では、基材と対向する吐出ヘッドが基材の幅方向に相対移動する往動と復動とのうち少なくとも一方の間に、吐出ヘッドから液状体を液滴として吐出する。したがって、テープ状の基材の幅が変更されても相対移動の範囲を変えれば液状体を無駄なく吐出描画することが可能な液状体の描画方法を提供することができる。
【0022】
本発明の配線基板の製造方法は、テープ状の基材に機能性材料からなる被膜を備えた配線基板の製造方法であって、基材を吐出ヘッドに対向させ、吐出ヘッドが基材に対して基材の幅方向に相対移動する往動と復動とのうち少なくとも一方の間に、吐出ヘッドから液状体を液滴として吐出する吐出工程と、吐出工程において吐出描画された液状体を固化して被膜を形成する固化工程とを備えたことを特徴とする。
【0023】
この方法によれば、吐出工程では、基材と対向する吐出ヘッドが基材の幅方向に相対移動する往動と復動とのうち少なくとも一方の間に、吐出ヘッドから液状体を液滴として吐出する。固化工程では、吐出された液状体を固化して機能性材料からなる被膜を形成する。したがって、テープ状の基材の幅が変更されても相対移動の範囲を変えれば液状体を無駄なく吐出描画して、機能性材料からなる被膜の形成が可能な配線基板の製造方法を提供することができる。
【0024】
上記吐出工程では、導電性材料を含む第1の液状体を用いて、配線パターンを描画することを特徴とする。この方法によれば、テープ状の基材の幅が変更されても対応する配線パターンを相対移動の範囲を変えて容易に描画することができる。
【0025】
また、上記吐出工程では、導電性材料を含む第1の液状体を用いて配線パターンを描画して、固化工程の後に、絶縁性材料を含む第2の液状体を用いて、固化した配線パターンの上に絶縁パターンを描画することを特徴とする。この方法によれば、テープ状の基材の幅が変更されても相対移動の範囲を変えて配線パターンや絶縁パターンを容易に描画することができる。すなわち、幅が異なるテープ状の基材に容易に対応して配線パターンに絶縁パターンが積層された配線層を形成することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
本実施形態は、機能性材料を含む液状体をテープ状の基材の表面に塗布して配線基板を製造する描画装置、液状体の描画方法、配線基板の製造方法を例に説明する。
【0027】
<配線基板>
まず、配線基板について説明する。図1(a)〜(c)は、配線基板を示す概略平面図である。
【0028】
図1(a)に示すように、配線基板10は、例えば、絶縁性を有するポリイミド樹脂等からなるフレキシブルなテープ状の基材1により構成されている。その一方の表面には、搬送方向(Y軸方向)に設けられた複数の描画領域3と、複数の描画領域3に並列し幅方向(X軸方向)の両端側に配列したガイド孔としての複数のパイロットホール2とを備えている。
【0029】
各描画領域3には、アライメントマークとして2つのアライメントホール4,5が搬送方向の角部に穿孔されている。アライメントマークはアライメントホール4,5に限らず、例えば、所定の位置に形成された一定の形状を有するエンボスや画像認識可能な薄膜等でもよい。
【0030】
このような複数の描画領域3を有する配線基板は、配線基板10に限定されない。例えば、図1(b)に示すように、他の配線基板20は、配線基板10に比べて幅広の基材21により構成され、幅方向(X軸方向)の両端側に複数のパイロットホール22が設けられている。また、幅方向の中央に位置する点29を中心として点対称に配置された異形状(この場合はLの字状)の描画領域23,24を有している。描画領域23の搬送方向(Y軸方向)の角部には2つのアライメントホール25,26が穿孔されている。同様に描画領域24にも2つのアライメントホール27,28が穿孔されている。配線基板20には、このような描画領域23,24を1組として複数組の描画領域が搬送方向に配列している。
【0031】
また、図1(c)に示すように、他の配線基板30は、配線基板20に比べてさらに幅広の基材31からなり、幅方向(X軸方向)の両端側に複数のパイロットホール32が設けられている。また、搬送方向(Y軸方向)に所定の間隔で2列に配置された複数の描画領域33を有している。各描画領域33の搬送方向(Y軸方向)の角部には、それぞれ2つのアライメントホール34,35が穿孔されている。
【0032】
各配線基板10,20,30は、それぞれの描画領域3,23,24,33を含む領域がプレス加工やレーザカッティングにより分割され、1つのフレキシブル回路基板として使用される。活用形態としては、例えば、電気回路同士を繋ぐ中継基板や電子部品等が実装される実装基板である。このような異なる幅を有する実例としては、48mm幅、75mm幅、150mm幅のテープ状の基材が挙げられる。
【0033】
図2は、実装基板としての配線基板を示す概略斜視図である。図2に示すように、配線基板10の描画領域3には、導電性材料からなる配線パターン6と、配線パターン6の露出部9を囲むように形成された絶縁材料からなる絶縁パターン7とが設けられている。配線パターン6に絶縁パターン7が積層されて配線層8を構成している。配線パターン6の露出部9には、電子部品としてベアチップICが平面実装される。これらの配線パターン6や絶縁パターン7は、機能性材料を含む液状体を吐出ヘッドから液滴として塗布する液滴吐出法(インクジェット方式)により形成されている。配線基板10の製造方法については、後述する。
【0034】
<描画装置>
次に、本実施形態の描画装置について図3〜図9に基づいて説明する。図3は配線基板製造装置を示す模式図、図4は描画装置の構造を示す概略斜視図である。
【0035】
図3に示すように、配線基板製造装置200は、テープ状の基材1が捲回された捲き出しリール160と、基材1を捲き取る捲き取りリール170と、2つのリール160,170の間に配置された描画装置100と、撮像機構140と、乾燥・焼成装置150とを備えている。所謂リールtoリール方式で基材1に加工を施すものである。
【0036】
描画装置100では、供給された基材1の各描画領域3に機能性材料を含む液状体を塗布する。撮像機構140は、CCD等のカメラを含む撮像装置141と、基材1を支持する支持台142とを備え、塗布された液状体を撮像して吐出状態を確認することができる。乾燥・焼成装置150は、例えば、IR照射装置などの加熱装置を備え、塗布された液状体を加熱乾燥して、固化させる。
【0037】
図4に示すように、描画装置100は、支持脚109aにより支持された基台109と、基台109の側面から立脚する一対の橋脚103a,103bと、一対の橋脚103a,103bにより支持され基台109を跨ぐX軸方向(第2の方向)に配設された一対のX軸リニアガイド102と、X軸リニアガイド102に直交するようにY軸方向(第1の方向)に配設されたテープ搬送機構110とを備えている。一対のX軸リニアガイド102には、複数の吐出ヘッド50(図5および図6参照)が搭載されたサブキャリッジ101aを懸架するメインキャリッジ101と、一対のカメラユニット105を搭載したキャリッジ104と、UV照射ユニット107を搭載したキャリッジ106とがX軸方向に移動可能な状態で設けられている。テープ搬送機構110は、テープ状の基材1を吐出ヘッド50に対して所定の間隔を置いて対向配置すると共にY軸方向に搬送可能となっている。
【0038】
X軸リニアガイド102は、メインキャリッジ101、キャリッジ104、キャリッジ106をX軸方向にガイドするガイドレール(図示省略)を備えている。ガイドレールには、メインキャリッジ101を移動させるX軸リニアモータ102a(図9参照)と、キャリッジ104を移動させるX軸リニアモータ104a(図9参照)と、キャリッジ106を移動させるX軸リニアモータ106a(図9参照)とが備えられ、個々に独立した移動が可能である。
【0039】
基台109上には、上記構成の他に、テープ搬送機構110を挟んで重量測定ユニット108とメンテナンスユニット120とが配設されている。重量測定ユニット108は、吐出ヘッド50から吐出された液状体の吐出量(重量)を計測する。これにより、所定量の液状体が吐出されているかどうか確認することができる。メンテナンスユニット120は、吐出ヘッド50に密着して吸引することが可能なキャッピングユニット121と、吐出ヘッド50(主にノズル面)に付着した液状体や異物を除去可能なワイピングユニット122とを備えている。吐出ヘッド50を臨むY軸方向のメンテナンス位置に各ユニット121,122を移動させるメンテモータ123(図9参照)を備えている。これにより、目詰まりしたノズル52(図5参照)の回復やノズル面のクリーニングを行う。
【0040】
基台109の下には、描画装置100の各部を制御する制御部130が設けられている。なお、描画装置100には、機能性材料を含む液状体を供給するポンプ125(図9参照)を備えた液状体供給機構(図示省略)が付設されている。
【0041】
次に吐出ヘッドについて説明する。図5は、吐出ヘッドの構造を示す概略分解斜視図である。図5に示すように、吐出ヘッド50は、液滴Dが吐出される複数のノズル52を有するノズルプレート51と、複数のノズル52がそれぞれ連通するキャビティ55を区画する隔壁54を有するキャビティプレート53と、複数のキャビティ55に対応する振動子59を有する振動板58とが、順に積層され接合された構造となっている。
【0042】
キャビティプレート53は、ノズル52に連通するキャビティ55を区画する隔壁54を有すると共に、このキャビティ55に液状体を充填するための流路56,57を有している。流路57は、ノズルプレート51と振動板58とによって挟まれ、出来上がった空間が、液状体が貯留されるリザーバの役目を果たす。
【0043】
液状体は、液状体供給機構から配管を通じて供給され、振動板58に設けられた供給孔58aを通じてリザーバに貯留された後に、流路56を通じて各キャビティ55に充填される。
【0044】
振動子59は例えば圧電素子(ピエゾ素子)であり、外部から駆動電圧パルスが印加されることにより接合された振動板58を変形させる。これにより隔壁54で仕切られたキャビティ55の体積が増加して、液状体がリザーバからキャビティ55に吸引される。そして、駆動電圧パルスの印加が終了すると、振動板58は元に戻り充填された液状体を加圧する。これにより、ノズル52から液状体を液滴Dとして吐出できる構造となっている。
【0045】
吐出ヘッド50は、圧電素子(ピエゾ素子)を備えたものに限らない。振動板58を静電吸着により変位させる電気機械変換素子を備えたものや、液状体を加熱してノズル52から液滴Dとして吐出させる電気熱変換素子を備えたものでもよい。
【0046】
図6(a)および(b)は、サブキャリッジに対する吐出ヘッドの配置を示す概略平面図である。図6(a)に示すように、サブキャリッジ101aには、複数(12個)の吐出ヘッド50が搭載されている。6個の吐出ヘッド50を1群とするヘッド群50Aとヘッド群50Bとに分かれて配置されている。
【0047】
図6(b)に示すように、本実施形態の吐出ヘッド50は、液状体としてのインクを用紙などに吐出して描画する印刷装置のインクジェットヘッドを流用したものである。ノズルプレート51には、2つのノズル列52a,52bを有している。各ノズル列52a,52bは、それぞれ180個のノズル52がおよそ140μmの等間隔(ノズルピッチ)Pで配設されている。ノズル列52aとノズル列52bとはおよそ70μmずれて配設されている。したがって、ノズル列52a,52bに直交する方向から見ると360個のノズル52がおよそ70μmの間隔で配置された状態となっている。いわゆる720DPI(dot per inch)の吐出密度を実現することができる。ノズル径はおよそ20μmである。
【0048】
図6(a)のヘッド群50Aは、6個の吐出ヘッド50の各ノズル列52a,52bがY軸方向に平行するように配置されている。また、X軸方向から見て各ノズル列52a,52bの一部が互いに重なり合いY軸方向に連続するように配置されている。ヘッド群50Bにおいても同様である。したがって、サブキャリッジ101aをX軸方向に移動させる主走査に同期して各吐出ヘッド50のノズル52から液状体を液滴Dとして吐出すれば、Y軸方向に等間隔(およそ70μm)で液滴Dを着弾させることができる。このような複数の吐出ヘッド50の配置は、基材1の搬送方向(Y軸方向)に対してノズル列52a,52bの長さを有効利用した描画幅を有する。各ヘッド群50Aとヘッド群50Bとは、X軸方向から見て6個の吐出ヘッド50がY軸方向において同じ位置に配置されているが、これに限らない。例えば、ヘッド群50Aに対してヘッド群50BをY軸方向にノズルピッチPの4分の1(およそ35μm)ずらせば、液状体をY軸方向においてさらに高密度な状態で着弾させることができる。
【0049】
この場合、ヘッド群50Aからは導電性材料を含む液状体が吐出され、ヘッド群50Bからは絶縁材料を含む液状体が吐出されるように構成されている。
【0050】
次にテープ搬送機構について説明する。図7(a)および(b)は、テープ搬送機構を示す概略図である。図7(a)に示すように、テープ搬送機構110は、ヘッド群50A,50Bに対して所定の間隔でテープ状の基材1を吸着して固定可能な吸着板111と、吸着板111が載置されたテーブル112と、テーブル112を支持する支持プレート119とを備えている。Y軸方向においてテーブル112の上流側と下流側とに2つの搬送部180a,180bが設けられている。搬送部180aは、各一対のスプロケット114と押さえローラ114aと基材1をY軸方向にガイドするテープガイド116とを含んで構成されている。同様に搬送部180bは、各一対のスプロケット115と押さえローラ115aと基材1をY軸方向にガイドするテープガイド117とを含んで構成されている。各一対の押さえローラ114a,115aは、基材1が各一対のスプロケット114,115から浮き上がらないように、パイロットホール2が設けられた基材1の両端部を押圧する。また、テーブル112を支持する支持プレート119をY軸方向に、テーブル112を支える軸113をZ軸方向にそれぞれ移動させる各移動機構(図示省略)と、軸113を中心にして支持プレート119を回転させる回転機構(図示省略)とを備えている。回転機構は所謂θテーブルである。
【0051】
図7(b)に示すように、テーブル112の下流側に位置する一対のスプロケット115は、スプロケット115の歯が基材1のパイロットホール2に嵌合し、基材1の幅方向の中心と軸113の中心線Cとが合致するように軸118aに軸支されている。軸118aはこれを回転させるスプロケットモータ118に連結されている。なお、上流側に位置する一対のスプロケット114は、回転自在に軸支されている。
【0052】
テープ搬送機構110の動きを簡単に説明する。スプロケットモータ118を駆動して軸118aを回転させると、一対のスプロケット115がパイロットホール2と噛合って基材1をY軸方向において上流側と下流側の双方向に搬送することができる。なお、スプロケット114はブレーキ機構(図示省略)を備えており、スプロケット115との間で基材1に適度なテンションを与えつつ、基材1を搬送する構成となっている。
【0053】
基材1を吸着板111に吸着させるときには、テーブル112をZ軸方向にわずかに上昇させることにより、吸着板111の上面と基材1とを密着させる。なお、吸着板111の上面は、ヘッド群50A,50Bの描画幅に対応して基材1を吸着固定可能な大きさを有している。
【0054】
そして、描画領域3が各ヘッド群50A,50Bに対して所定の位置で対向するように吸着板111に固定された基材1を位置決めする。より具体的には、キャリッジ104に搭載された2つのカメラユニット105により、吸着板111に固定された基材1のアライメントホール4,5を撮像し、各ヘッド群50A,50Bに対する基準位置からのずれ量を制御部130が算出する。制御部130は算出結果に基づいてテープ搬送機構110の各移動機構、回転機構を駆動して支持プレート119を移動させ、各ヘッド群50A,50Bに対して基材1の描画領域3を相対的に位置決めする。
【0055】
図8は搬送部の構造を示す詳細斜視図である。前述したように幅が異なる複数種の基材1,21,31に対応するため、本実施形態の描画装置100では、テープ搬送機構110の搬送部180a,180bの幅を調整可能な幅調整部を設けた。図8に示すように、テーブル112に対して下流側に位置する搬送部180bは、X軸方向に張り出した階段状の張り出し部181a,181bを有するフレーム181と、基材1の受け台186と、一対のスプロケット115と、一対の押さえローラ115aと、一対のテープガイド117と、幅調整部としてのスプロケット間隔調整部190とを備えている。
【0056】
受け台186は、直方体のプレートであって、搬送される基材1の幅方向の中心と中心線C(図7(b)参照)とが合致するように、フレーム181から立脚した支柱185と張り出し部181a,181bに掛け渡された梁部191とによって支持されている。
【0057】
張り出し部181a,181bには、軸118aを軸支する一対の軸受け182a,182bが設けられている。軸118aには、一対のスライド軸受け183a,183bを介して一対のスプロケット115が取り付けられている。スライド軸受け183a,183bは、後述するスプロケット間隔調整部190のガイドプレート197a,197bにそれぞれネジ止めされている。ガイドプレート197a,197bのX軸方向への移動に伴ってスライド軸受け183a,183bおよび一対のスプロケット115が軸118a上で移動する。軸118aはスリーブ118bを介してスプロケットモータ118に連結されている。一対のスプロケット115は、軸118a上で移動可能であると共に、軸118aの回転に伴って回転するように軸118aに連結されている。
【0058】
スライド軸受け183a,183bの頭頂側には、一対の軸受け184a,184bが取り付けられており、それぞれに押さえローラ115aがスプロケット115と対向する位置で回転自在に軸支されている。
【0059】
スプロケット間隔調整部190は、張り出し部181a,181bに対してX軸方向に掛け渡された梁部191と、梁部191上に設けられたレール192と、レール192に対向する長孔193aが設けられたガイド193と、レール192と並列して梁部191上に設けられたプランジャガイド194とを備えている。
【0060】
レール192には、これに沿って移動可能なスライダ195aが設けられている。スライダ195aには、スライドプレート196aが取り付けられている。スライドプレート196a上には、受け台186に沿ってY軸方向に延びたガイドプレート197aが取り付けられている。ガイドプレート197aには、テープガイド117の一方が取り付けられている。
【0061】
スライドプレート196aは、スライダ195aを介してレール192とスライドプレート196aの溝部に嵌るガイド193との間に挟まれており、レバー付き締め金具198aによってガイド193に締め付けて固定することができる。また、スライドプレート196aの一方の端は、プランジャガイド194上に掛かるように設けられている。プランジャガイド194には、異なる幅の基材1,21,31に対応する位置に複数の孔194aが設けられている。スライドプレート196aには、これをZ軸方向に貫通するプランジャ199aが設けられており、プランジャ199aの内部でバネによって付勢されZ軸方向に可動するロッドと孔194aとが嵌合する。
【0062】
レール192とプランジャガイド194とに沿ってX軸方向に移動可能なスライダ195a、スライドプレート196a、ガイドプレート197aの構成は、受け台186を挟んで対称的に設けられている。すなわち、スライダ195b、スライドプレート196b、ガイドプレート197bを備えている。レバー付き締め金具198b、プランジャ199bも同様である。
【0063】
スプロケット間隔調整部190による一対のスプロケット115の間隔L(図7(b)参照)の調整方法は、各基材1,21,31の幅に応じて設けられたプランジャガイド194の孔194aにプランジャ199a,199bが嵌合するようにスライドプレート196a,196bをレール192に沿って移動させる。孔194aに対してプランジャ199a,199bは遊びを持って嵌合するので、スライドプレート196a,196bの位置を微調整し、レバー付き締め付け金具198a,198bを用いてスライドプレート196a,196bをガイド193に固定する。これにより、一対のスプロケット115の間隔Lを各基材1,21,31の幅に対応させることができる。
【0064】
上記のようなスプロケット間隔調整部190の構成は、当然のことながらテーブル112の上流側に位置する搬送部180a(図7(a)参照)においても採用されている。
【0065】
図9は、描画装置の電気的、機械的な構成を示すブロック図である。図9に示すように、制御部130は、指令部130aと駆動部130bとを備え、指令部130aは、CPU132、記憶手段としてのROM133、RAM134および入出力インターフェイス131を有している。CPU132が入出力インターフェイス131を介して入力される描画装置100を駆動するための各種データに基づく信号を、ROM133に書き込むと共に、RAM134に展開して処理し、入出力インターフェイス131を介して駆動部130bへ制御信号を出力する。
【0066】
駆動部130bは、ヘッドドライバ135、モータドライバ136、ポンプドライバ137、およびメンテドライバ138から構成されている。モータドライバ136は、指令部130aの制御信号により、各X軸リニアモータ102a,104a,106aを駆動し、メインキャリッジ101、キャリッジ104、キャリッジ106をそれぞれ所望の位置に移動させる。また、スプロケットモータ118を駆動してスプロケット115を回転させ基材1を所望の方向に搬送させる。さらに、メンテモータ123を駆動してメンテナンスユニット120の各ユニット121,122をメンテナンス位置へ移動させる。ヘッドドライバ135は、吐出ヘッド50の複数のノズル52から液状体を吐出させるビットマップデータに基づいて、各ノズル52に対応する振動子59を駆動し、モータドライバ136の制御と同調して、基材1の所定位置に液状体を液滴Dとして吐出させる。また、ポンプドライバ137は、ポンプ125を駆動し、液状体が吐出ヘッド50へ適切に供給されるように制御する。そして、メンテドライバ138は、メンテナンスユニット120のキャッピングユニット121、ワイピングユニット122および重量測定ユニット108を制御する。
【0067】
指令部130aは、ヘッドドライバ135を介して、複数のノズル52に対応する各振動子59のそれぞれに互いに独立する駆動信号を与えるように構成されている。このため、各ノズル52から吐出される液滴Dの吐出量をヘッドドライバ135からの信号に応じてノズル52ごとに制御して可変することができる。
【0068】
描画装置100の基本的な動作について説明する。制御部130は、モータドライバ136を介してX軸リニアモータ102aを駆動し、位置決めされた基材1の描画領域3に対してメインキャリッジ101をX軸方向に往復させる相対移動いわゆる主走査を行う。この主走査に同期して所望の描画データに基づいた制御信号がヘッドドライバ135を介して吐出ヘッド50に送信される。制御信号により選択された複数のノズル52から機能性材料を含む液状体が描画領域3に向けて吐出され描画が行われる。
【0069】
指令部130aの入出力インターフェイス131には、カメラユニット105が電気的に接続され、撮像された画像情報を入手して、テープ搬送機構110を駆動制御し基材1の位置決めを行う。また、撮像機構140が電気的に接続され、描画データと撮像された液状体の着弾画像情報とを元に吐出状態が正常か否か判定する。これにより、正常でなければ、指令部130aは、メインキャリッジ101をメンテナンスユニット120側に移動させて吐出ヘッド50のメンテナンスを行うようにキャッピングユニット121、ワイピングユニット122を制御する。
【0070】
このような描画装置100は、異なる幅の各基材1,21,31に対して複数の吐出ヘッド50の配置を変えることなく、複数の吐出ヘッド50の描画幅を有効に利用し、液状体を液滴Dとして無駄なく吐出描画することが可能である。また、吸着板111に固定され位置決めされたテープ状の各基材1,21,31に対してヘッド群50A,50BをX軸方向に往復させる相対移動に同期して液状体を吐出する。したがって、テープ状の各基材1,21,31を移動させながら吐出描画する場合に比べて、高い位置精度で液状体を吐出描画することが可能である。さらには、各基材1,21,31をY軸方向に搬送することにより吐出された液状体の吐出状態を撮像機構140で確認して吐出描画することが可能である。
【0071】
<液状体の描画方法および配線基板の製造方法>
次に、本実施形態の液状体の描画方法を適用した配線基板の製造方法について、図10および図11に基づいて説明する。図10は配線基板の製造方法を示すフローチャート、図11(a)〜(e)は配線基板の製造方法を示す概略図である。なお、図2に示した実装基板としての配線基板の製造方法を例に説明する。
【0072】
図10に示すように、配線基板10の製造方法は、機能性材料としての導電性材料を含む第1の液状体を吐出ヘッド50の複数のノズル52から液滴Dとして描画領域3に吐出描画する吐出工程としての第1の描画工程(ステップS1)と、吐出された第1の液状体の着弾状態を撮像機構140で撮像して検査する第1の検査工程(ステップS2)と、吐出された第1の液状体を乾燥・焼成し、導電材料からなる配線パターン6を形成する固化工程としての乾燥・焼成工程(ステップS3)とを備えている。
【0073】
また、機能性材料としての絶縁材料を含む第2の液状体を吐出ヘッド50の複数のノズル52から液滴Dとして描画領域3に吐出描画する吐出工程としての第2の描画工程(ステップS4)と、吐出された第2の液状体にUV(紫外線)を照射してこれを硬化させ、絶縁材料からなる絶縁パターン7を形成する固化工程としてのUV照射工程(ステップS5)と、硬化した絶縁パターン7を撮像機構140で観察して検査する第2の検査工程(ステップS6)とを備えている。
【0074】
図10のステップS1の第1の描画工程では、図11(a)に示すように、テーブル112の吸着板111に固定されたテープ状の基材1に対して、制御部130は、メインキャリッジ101をX軸方向に相対移動させる。この相対移動に同期してヘッド群50Aから第1の液状体60を液滴Dとして描画領域3に吐出描画する。なお、この場合、ヘッド群50Aの描画幅を有効に利用して2つの描画領域3に対して同時に吐出描画を行う。
【0075】
第1の液状体60に含まれる導電性材料としては、例えば金、銀、銅、アルミニウム、パラジウム、及びニッケルのうちの少なくともいずれか1つを含有する金属微粒子の他、これらの酸化物、並びに導電性ポリマーや超電導体の微粒子などが用いられる。これらの導電性微粒子は分散性を向上させるために表面に有機物などをコーティングして使うこともできる。導電性微粒子の粒径は1nm以上1.0μm以下であることが好ましい。1.0μmより大きいと吐出ヘッド50のノズル52に目詰まりが生じるおそれがある。また、1nmより小さいと導電性微粒子に対するコーティング剤の体積比が大きくなり、得られる膜中の有機物の割合が過多となる。
【0076】
分散媒としては、上記の導電性微粒子を分散できるもので凝集を起こさないものであれば特に限定されない。例えば、水の他に、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノールなどのアルコール類、n−ヘプタン、n−オクタン、デカン、ドデカン、テトラデカン、トルエン、キシレン、シメン、デュレン、インデン、ジペンテン、テトラヒドロナフタレン、デカヒドロナフタレン、シクロヘキシルベンゼンなどの炭化水素系化合物、またエチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、エチレングリコールメチルエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエチルエーテル、1,2−ジメトキシエタン、ビス(2−メトキシエチル)エーテル、p−ジオキサンなどのエーテル系化合物、さらにプロピレンカーボネート、γ−ブチロラクトン、N−メチル−2−ピロリドン、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、シクロヘキサノンなどの極性化合物を例示できる。これらのうち、微粒子の分散性と分散液の安定性、また液滴吐出法への適用の容易さの点で、水、アルコール類、炭化水素系化合物、エーテル系化合物が好ましく、より好ましい分散媒としては、水、炭化水素系化合物を挙げることができる。
【0077】
上記導電性微粒子の分散液の表面張力は0.02N/m以上0.07N/m以下の範囲内であることが好ましい。液滴吐出法により第1の液状体を吐出する際、表面張力が0.02N/m未満であると、第1の液状体60のノズル面に対する濡れ性が増大するため飛行曲りが生じやすくなり、0.07N/mを超えるとノズル52先端でのメニスカスの形状が安定しないため吐出量や吐出タイミングの制御が困難になる。表面張力を調整するため、上記分散液には、基材1との接触角を大きく低下させない範囲で、フッ素系、シリコーン系、ノニオン系などの表面張力調節剤を微量添加するとよい。ノニオン系表面張力調節剤は、第1の液状体60の基材1への濡れ性を向上させ、膜のレベリング性を改良し、膜の微細な凹凸の発生などの防止に役立つものである。上記表面張力調節剤は、必要に応じて、アルコール、エーテル、エステル、ケトン等の有機化合物を含んでもよい。
【0078】
上記分散液の粘度は1mPa・s以上50mPa・s以下であることが好ましい。液滴吐出法を用いて第1の液状体60を液滴Dとして吐出する際、粘度が1mPa・sより小さい場合にはノズル52周辺部が第1の液状体60の流出により汚染されやすく、また粘度が50mPa・sより大きい場合は、ノズル孔での目詰まり頻度が高くなり円滑な液滴の吐出が困難となる。
【0079】
図10のステップS2の第1の検査工程では、図11(b)に示すように、第1の液状体60が吐出された基材1をY軸方向に搬送して支持台142に支持させ、撮像装置141を用いて第1の液状体60の着弾状態を撮像する。制御部130は、撮像された画像情報とROM133に格納された描画データとを基に比較して正常に吐出が行われたか否か判定する。そして、正常に吐出が行われていれば、ステップS3へ進む。なお、第1の検査工程は、第1の液状体60が吐出されたすべての描画領域3に対して行う必要はなく、作業の開始時や途中、あるいは終了前などに適宜実施すればよい。
【0080】
図10のステップS3の乾燥・焼成工程では、図11(c)に示すように、基材1をY軸方向に搬送して乾燥・焼成装置150を通過させることにより、吐出された第1の液状体60を乾燥・焼成して固化させ、配線パターン6を形成する。基材1の搬送は、ステップS1の第1の描画工程が律速となっており、2つの描画領域3を同時にY軸方向に搬送するようにステップ的に行われ、捲き取りリール170に捲き取られる。そして、ステップS4へ進む。
【0081】
図10のステップS4の第2の描画工程では、ステップS3で基材1が捲き取られた捲き取りリール170を今度は捲き出しリール160として基材1を描画装置100に供給する。図11(d)に示すように、テーブル112の吸着板111に固定されたテープ状の基材1に対して、制御部130は、メインキャリッジ101をX軸方向に相対移動させる。この相対移動に同期してヘッド群50Bから第2の液状体70を液滴Dとして描画領域3に吐出描画する。ヘッド群50Bの描画幅を有効に利用して2つの描画領域3に対して同時に吐出描画を行う。
【0082】
第2の液状体70に含まれる紫外線により硬化(固化)する絶縁材料としては、例えば、絶縁性を有するエポキシ樹脂、ウレタン樹脂等の感光性高分子材料を用いることができる。溶媒としては、例えば、上記材料を溶解可能な炭化水素系溶媒が挙げられる。第2の液状体70の物性は、第1の液状体60の場合と同様に液滴吐出法に対応して調整される。
【0083】
図10のステップS5のUV照射工程では、図11(e)に示すように、制御部130は、第2の液状体70が吐出描画された描画領域3にUV照射ユニット107が対向するようにキャリッジ106をX軸方向に移動させる。そして、UV照射ユニット107を駆動してUV照射を行う。これにより、吐出された第2の液状体70を硬化して絶縁パターン7を形成する。そして、ステップS6へ進む。
【0084】
図10のステップS6の第2の検査工程では、制御部130は、テープ搬送機構110を駆動制御し、描画領域3が撮像装置141を臨む位置に基材1を搬送する。吐出され硬化した第2の液状体70の状態を撮像装置141で撮像する。詳細の説明はステップS2と同様なため省略する。
【0085】
このような配線基板10の製造方法によれば、1台の描画装置100を用い第1の液状体60、第2の液状体70をそれぞれ液滴Dとして無駄なく描画領域3に吐出描画して、配線パターン6と絶縁パターン7とが積層された配線層8を有する配線基板10を製造することが可能である。また、異なる幅の各基材1,21,31を用いたとしても、各基材1,21,31の幅に対応して制御部130がメインキャリッジ101をX軸方向に移動させるので、複数の吐出ヘッド50の描画幅を有効に利用して吐出描画することが可能である。
【0086】
上記実施形態の効果は、以下の通りである。
(1)上記実施形態の描画装置100において、制御部130は、テープ状の基材1と複数の吐出ヘッド50からなるヘッド群50A,50Bとを対向配置させ、メインキャリッジ101がX軸方向に往復する相対移動に同期して、複数のノズル52から液状体を液滴Dとして吸着板111に固定された基材1の描画領域3に向けて吐出描画するように各吐出ヘッド50を駆動制御する。したがって、テープ状の各基材1を移動させながら吐出描画する場合に比べて、高い位置精度で液状体を吐出描画することができる。また、異なる幅の各基材1,21,31に対して複数の吐出ヘッド50の配置を変えることなく、複数の吐出ヘッド50の描画幅を有効に利用し、液状体を液滴Dとして無駄なく吐出描画することができる。
【0087】
(2)上記実施形態の描画装置100において、制御部130は撮像装置141で撮像された液状体の着弾画像情報と描画データとに基づいて吐出状態が正常か否か判定する。よって、描画領域3への吐出描画と並行して吐出状態を確認しながら、効率的に吐出描画することができる。
【0088】
(3)上記実施形態の描画装置100において、サブキャリッジ101aには、ノズル列52a,52bがY軸方向と平行で且つ連続する6個の吐出ヘッド50を1群とする2つのヘッド群50A,50Bが配置されている。したがって、X軸方向にメインキャリッジ101を相対移動(主走査)すれば、テープ状の基材1の搬送方向(Y軸方向)におよそ70μmの間隔で液状体を連続的に着弾させることができる。すなわち、異なる幅の各基材1,21,31に対して720DPIの吐出密度で精細に液状体を吐出することができる。
【0089】
(4)上記実施形態の描画装置100において、テープ搬送機構110の搬送部180a,180bには、各一対のスプロケット114,115の間隔Lを調整可能なスプロケット間隔調整部190を備えている。スプロケット間隔調整部190には、異なる幅の各基材1,21,31に対応した複数の孔194aを有するプランジャガイド194が設けられている。したがって、異なる幅の各基材1,21,31に対応して比較的容易に各一対のスプロケット114,115の間隔Lを調整することができる。すなわち、異なる幅の各基材1,21,31に液状体を吐出描画可能な描画装置100を提供することができる。
【0090】
(5)上記実施形態の配線基板10の製造方法は、導電性材料を含む第1の液状体60を吐出ヘッド50の複数のノズル52から液滴Dとして描画領域3に吐出描画する第1の描画工程(ステップS1)と、吐出された第1の液状体60を乾燥・焼成装置150を用いて乾燥・焼成し、導電材料からなる配線パターン6を形成する乾燥・焼成工程(ステップS3)と、絶縁材料を含む第2の液状体70を吐出ヘッド50の複数のノズル52から液滴Dとして描画領域3に吐出描画する第2の描画工程(ステップS4)と、吐出された第2の液状体70に紫外線を照射して硬化させ、絶縁材料からなる絶縁パターン7を形成するUV照射工程(ステップS5)とを備えている。したがって、1台の描画装置100を用い第1の液状体60、第2の液状体70をそれぞれ液滴Dとして無駄なく描画領域3に吐出描画して、配線パターン6と絶縁パターン7とが積層された配線層8を有する配線基板10を製造することができる。また、異なる幅の各基材1,21,31を用いたとしても、各基材1,21,31の幅に対応して制御部130がメインキャリッジ101をX軸方向に移動させるので、サブキャリッジ101aに搭載された各ヘッド群50A,50Bの描画幅を有効利用して吐出描画することができる。
【0091】
以上、本発明の実施形態について説明したが、上記実施形態に対しては、本発明の趣旨から逸脱しない範囲で様々な変形を加えることができる。例えば上記実施形態以外の変形例は、以下の通りである。
【0092】
(変形例1)上記実施形態の描画装置100において、複数の吐出ヘッド50を搭載したサブキャリッジ101aを懸架するメインキャリッジ101は、1つに限らない。例えば、メインキャリッジ101を複数設け、メインキャリッジ101ごとに異なる液状体を吐出する吐出ヘッド50を設けてもよい。
【0093】
(変形例2)上記実施形態の描画装置100における、複数の吐出ヘッド50の配置は、これに限定されない。図12(a)および(b)は変形例の吐出ヘッドの配置を示す概略平面図である。例えば、図12(a)に示すように、略平行四辺形の形状のサブキャリッジ301aには、24個の吐出ヘッド50が12個の吐出ヘッド50を1群とするヘッド群50Aとヘッド群50Bとに分かれて配置されている。ノズル列52a,52bがY軸方向にずれた2つの吐出ヘッド50を1組とすると、ヘッド群50Aは、X軸方向から見ると各ノズル列52a,52bの一部が重なり合いY軸方向に連続するように6組の吐出ヘッド50がX軸方向に並列してサブキャリッジ301aに配置されている。ヘッド群50Bも同様である。また、ヘッド群50Aとヘッド群50Bとの位置関係においても、各ノズル列52a,52bがY軸方向に連続するように配置されている。詳しくは、図12(b)に示すように、1組の吐出ヘッド50において、各ノズル列1A,1B,2A,2Bは、それぞれ等間隔(ノズルピッチ)PでY軸方向に配設された複数のノズル52から構成される。前述したように、ノズル列52aとノズル列52bとは半ノズルピッチ(P/2)ずれている。そして、ノズル列1A,1Bとノズル列2A,2BとがX軸方向から見て互いに4分の1ノズルピッチ(P/4)ずれるように配置されている。よって、図6の複数の吐出ヘッド50の配置では、吐出密度が720DPIであるのに対して、図12では吐出密度が1440DPIとなる。ゆえに、より高密度な液状体の吐出が可能である。すなわち、より精細な配線パターンや絶縁パターンの描画が可能となる。
【0094】
(変形例3)上記実施形態の描画装置100において、幅調整部の構成は、スプロケット間隔調整部190に限定されない。例えば、軸118aをX軸方向に伸縮可能とし、一方のスプロケット115に対して他方のスプロケット115をX軸方向に移動する構成としてもよい。
【0095】
(変形例4)上記実施形態の描画装置100において、テープ搬送機構110の構成は、これに限定されない。例えば、吸着板111、テーブル112を設けずに、テープ状の基材1に適度なテンションを加えた状態で吐出ヘッド50と対向配置してもよい。より簡単な装置構成とすることができる。
【0096】
(変形例5)上記配線基板10の製造方法において、第2の液状体70に含まれる絶縁材料はこれに限定されない。例えば、絶縁材料として酸化シリコンの微粒子、シリコンのアルコラートなどの有機化合物を用いることができる。また、この場合、乾燥・焼成装置150を用いて、乾燥・焼成することにより酸化シリコンからなる絶縁パターンを形成することができる。
【0097】
(変形例6)上記実施形態の配線基板10の製造方法において、加工の順番はこれに限定されない。例えば、基材1に銅箔からなる第1の配線パターンを予め形成しておき、ステップS4〜ステップS6を先に実施して第1の配線パターンの少なくとも一部を覆うように絶縁パターンを形成する。この後にステップS1〜ステップS3を実施して第1の配線パターンに接続するように第2の配線パターンを形成してもよい。これによれば、第1の配線パターンに重畳するジャンパー配線としての第2の配線パターンを液滴吐出法により形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0098】
【図1】(a)〜(c)は配線基板を示す概略平面図。
【図2】実装基板としての配線基板を示す概略斜視図。
【図3】配線基板製造装置を示す模式図。
【図4】描画装置の構造を示す概略斜視図。
【図5】吐出ヘッドの構造を示す概略分解斜視図。
【図6】(a)および(b)はサブキャリッジに対する吐出ヘッドの配置を示す概略平面図。
【図7】(a)および(b)はテープ搬送機構を示す概略図。
【図8】搬送部の構造を示す詳細斜視図。
【図9】描画装置の電気的、機械的な構成を示すブロック図。
【図10】配線基板の製造方法を示すフローチャート。
【図11】(a)〜(e)は配線基板の製造方法を示す概略図。
【図12】(a)および(b)は変形例の吐出ヘッドの配置を示す概略平面図。
【符号の説明】
【0099】
1,21,31…テープ状の基材、2,22,32…ガイド孔としてのパイロットホール、6…配線パターン、7…絶縁パターン、10,20,30…配線基板、50…吐出ヘッド、52…ノズル、52a,52b…ノズル列、60…第1の液状体、70…第2の液状体、100…描画装置、101a…キャリッジとしてのサブキャリッジ、110…テープ搬送機構、114,115…一対のスプロケット、130…制御部、190…スプロケット間隔調整部、D…液滴。
【出願人】 【識別番号】000002369
【氏名又は名称】セイコーエプソン株式会社
【出願日】 平成18年7月31日(2006.7.31)
【代理人】 【識別番号】100095728
【弁理士】
【氏名又は名称】上柳 雅誉

【識別番号】100127661
【弁理士】
【氏名又は名称】宮坂 一彦


【公開番号】 特開2008−29978(P2008−29978A)
【公開日】 平成20年2月14日(2008.2.14)
【出願番号】 特願2006−207554(P2006−207554)