Warning: copy(htaccessbak): failed to open stream: No such file or directory in /home/jtokkyo/public_html/header.php on line 10
塗布装置 - 特開2008−29966 | j-tokkyo
トップ :: B 処理操作 運輸 :: B05 霧化または噴霧一般;液体または他の流動性材料の表面への適用一般

【発明の名称】 塗布装置
【発明者】 【氏名】中西 健二

【氏名】天野 浩二

【氏名】村上 浩二

【氏名】久世 定

【要約】 【課題】高品質な塗布製品を低コストで製造可能な塗布装置を提供する。

【構成】連続的に搬送される可撓性支持体上に、塗料を塗布し塗膜部を形成するエクストルージョン型コータと、該エクストルージョン型コータの上流側および下流側に前記可撓性支持体を案内するガイドロールと、を有する塗布装置において、前記ガイドロールの少なくとも一方の両端部が1/10000〜1/100の傾斜にテーパ加工されていることを特徴とする。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
連続的に搬送される可撓性支持体上に、塗料を塗布し塗膜部を形成するエクストルージョン型コータと、
該エクストルージョン型コータの上流側および下流側に前記可撓性支持体を案内するガイドロールと、を有する塗布装置において、前記ガイドロールの少なくとも一方の両端部が1/10000〜1/100の傾斜にテーパ加工されていることを特徴とする塗布装置。
【請求項2】
前記テーパ加工されている前記ガイドロールの加工部分と非加工部分との境界部が、前記塗膜部と塗布が行われていない非塗膜部との境界部より前記ガイドロールの軸方向中央寄り5〜100mmになるように、前記ガイドロールがテーパ加工されていることを特徴とする請求項1に記載の塗布装置。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は塗布装置に関し、例えば、可撓性支持体上に磁性塗料を塗布するのに使用されるエクストルージョン型塗布装置に関するものである。特に、塗布面の幅方向端部まで塗布厚さが均一に塗布可能な塗布装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より所定の塗料を可撓性の支持体表面に塗布し、塗膜を形成する方法が種々検討されている。その各種塗布方式の中で、例えば連続的に搬送されるの支持体表面に向けて連続的に押し出した塗布液を、支持体表面に均一な厚さをもって塗布するエクストルージョン型塗布装置は、他の例えばリバースロール、キスロール、グラビヤロール等のロール型塗布方式に対して、塗布の均一性、薄膜性、塗布可能速度範囲で優れた点が多い。また、エクストルージョン型塗布方式はいわゆるウェット・オン・ウェットによる同時重層塗布が可能であり、最近の付加価値の高い塗布製品の製法用途にコスト及び性能面で非常に有効である。例えば、特開昭48−98803号公報や特開昭61−111168号公報にウエット−オン−ウエットの同時重層塗布による磁気記録媒体の製造方法が開示されているが、両方式ともバックアップロール上に背面を保持された連続的に走行する前記支持体上に予め重層された塗布液を塗布する方法であり、バックアップロールの回転ブレを小さくすることが困難で塗布長手方向に塗布ムラが生じやすく好適な磁気記録媒体が製造しにくかった。一方で、特開昭62−124631号公報に開示されている様に下層が湿潤状態のままで、上層をバックアップロールの保持なしに支持体上に塗布する方法が考案されている。
【0003】
しかしこの様なエクストルージョン型塗布方法の問題点としては、バックアップロールで保持していないために時間的な張力変動や支持体の幅方向の張力ムラなどにより塗膜厚さが変動しやすいという問題があった。幅方向張力分布の影響で生じる幅方向の塗膜厚さプロフィールの平坦化に関しては特許文献1に一例の対策が開示されている。また、通常この種の塗布においては、前記支持体の全幅に塗布されて塗膜が形成されることはなく幅方向端部は未塗布のまま非塗膜部として残されるので、非塗膜部では支持体とエクストルージョンコータとが当接摺動するので支持体が削れて削れ粉が塗膜の欠陥となる場合があり、その対策の一例が特許文献2に開示されている。
【0004】
【特許文献1】特開平1−203075号公報
【特許文献2】特開平6−262118号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
磁気記録媒体は、広幅の非磁性支持体上に磁性塗料を塗布し、少なくとも磁性塗膜を形成した後、磁性粉末粒子の配向処理、表面の平滑化処理などを施した上で、この広幅の原反を所定の幅に裁断して製造される。そのため、塗膜品質が、原反の幅方向中央付近と端部とで大きく異なると、一定の品質の磁気記録媒体が製造できず、端部を廃棄したりすることになり、製品コストが上昇するなどの問題点が発生する。
【0006】
前述の従来技術(特許文献1)は、塗布面の全体的な塗膜厚さプロフィールを平坦に改善するのには一定の効果があるものの、近年の厚さが10μm以下の支持体に磁性塗料を塗布する磁気記録媒体の製造において、広幅で塗布を行った場合の塗膜部の幅方向端部が塗膜厚さが薄くなって、製品として採用できなくなる問題については考慮されておらず、前述の問題の対応策とはなり得なかった。また、特許文献2では、エクストルージョンコータによる支持体の削れは防止できるものの、塗膜部の幅方向端部の塗膜品質の向上には効果がなかった。
【0007】
本発明は、このような従来技術の問題点を対策し、高品質な塗布製品を低コストで製造可能な塗布装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者らは、幅方向端部まで、良好な塗膜品質が得られる塗布装置について鋭意検討した結果、塗布装置を下記の構成とすることにより上記目的を達成し、本発明をなすに至った。
【0009】
すなわち、連続的に搬送される可撓性支持体上に、塗料を塗布し塗膜部を形成するエクストルージョン型コータと、該エクストルージョン型コータの上流側および下流側に前記可撓性支持体を案内するガイドロールと、を有する塗布装置において、前記ガイドロールの少なくとも一方の両端部が1/10000〜1/100の傾斜にテーパ加工されていることを特徴とする。
【0010】
前記テーパ加工されている前記ガイドロールの加工部分と非加工部分との境界部が、前記塗膜部と塗布が行われていない非塗膜部との境界部より前記ガイドロールの軸方向中央寄り5〜100mmになるように、前記ガイドロールがテーパ加工されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
前述したように、エクストルージョン型コータの上流側および下流側に前記可撓性支持体を案内するガイドロールと、を有する塗布装置において、前記ガイドロールの少なくとも一方の両端部が好ましい傾斜にテーパ加工されているので、エクストルージョン型コータの吐出孔から塗料が押し出され塗膜が形成される際に、吐出孔の幅方向端部からの塗料量が制御され塗膜部端部の塗膜厚さ減少が防止され塗膜端部の塗膜品質が向上する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、図面に基づいて本発明の実施形態に係る、塗布装置について具体的に説明する。図1に本発明の実施態様である一例の塗布装置10の側面構成図を示す。本例の塗布装置10はエクストルージョン型コータ1とその上流側および下流側にガイドロール2、2が配設されている。ガイドロール2は図2に示すように、平行円筒状の2aとテーパ加工されている両端部2bとから構成されている。テーパ加工は上流側および下流側にガイドロール2、2のいずれか一方のみであってもかまわない。
【0013】
不図示の巻き出し部から連続的に繰り出された可撓性支持体3は不図示の複数のガイドロールに案内されてガイドロール2、2に到達する。所定の張力にてガイドロール2、2に案内されて走行する可撓性支持体3に、エクストルージョン型コータ1が所定の押圧力で押し付けられている。エクストルージョン型コータ1には、不図示の磁性塗料タンクから不図示のポンプにて所定の供給速度で磁性塗料Mが供給されている。磁性塗料Mは、エクストルージョン型コータ1の吐出孔1aから可撓性支持体3上に押し出され磁性塗膜を形成する。磁性塗膜を形成した可撓性支持体3は、不図示の磁場配向装置、乾燥装置を経て不図示の巻き取り部で巻き取られ、磁気原反となる。磁気原反から所定幅の磁気テープに裁断する場合、磁気原反の両端の非塗膜部と塗膜部とを含む非製品端部は廃棄する。通常この非製品端部は可撓性支持体3の端から幅方向に2〜5mmである。
【0014】
可撓性支持体3上に形成される磁性塗膜(または、重層構成の場合は磁性磁性塗膜+非磁性磁性塗膜)は磁気記録媒体の製品仕様に基づいて、所定の厚さ範囲内に入るように管理される。また、その後の工程での磁気原反の取扱い、塗膜品質の管理が良好に行えるように、通常図6で示したような幅方向中央が緩やかに凸の塗膜厚さプロフィールとなるように塗膜形成が行われる。このようなプロフィールを形成するためには、例えば、特許文献1で開示されているような、公知の可撓性支持体の幅方向の張力を制御する方法が用いられる。しかし、このような方法を用いたとしても、塗布幅の端部の急激な塗布厚さ減少が避けられず、塗布幅に対して端部の一定幅は厚さおよび厚さプロフィールが品質仕様を満たさないために、廃棄される場合が多かった。そのため、磁気記録媒体の製品コストを押し上げる要因となっていた。
【0015】
本発明者らは、このような現状に鑑みエクストルージョン型コータの吐出孔端部の塗布時の塗料の流れと形成される塗膜の厚さプロフィールとの関係について鋭意検討し本発明をなすに至った。
【0016】
図3にエクストルージョン型コータ1を用いて塗料を塗布する場合の塗料の流れ、支持体、ガイドロールとの関係を模式的に示す正面図である。エクストルージョン型コータ1に図面の左側から供給された磁性塗料Mはコータの吐出孔1aから押し出され、ガイドロール2、2により支持されている可撓性支持体3上に磁性層を形成する。この時の状況を、要部拡大正面図の図4(A)により説明する。
【0017】
図4(A)に示すように、エクストルージョン型コータの吐出孔1aから押し出された磁性塗料Mは押し出し圧力により吐出孔1aの幅よりもわずかに広がり非磁性支持体3上に磁性塗膜を形成する。この様に塗布層の端部においては吐出孔の幅を超えて拡がって塗膜が形成されるため、それよりも中央よりの部分に比較して単位幅当たりの塗料量が少なくなるために塗膜厚みは小さくなり、図4(B)に示すように、乾燥後の塗膜M’は吐出孔1aの端部より少し幅方向中央よりの箇所から所定の厚さより薄い塗膜厚さプロフィールが得られる。このため、塗膜幅の端部から一定の幅の範囲は品質仕様を満たさない場合が多いので廃棄されていた。塗布時に吐出孔1aの幅を超えて塗膜が形成され、吐出孔1aの幅よりも広い幅の塗膜が得られるが、この塗布幅の広がる程度は、塗料の種類、塗布条件により異なる。
【0018】
これに対し、本発明の塗布装置では図5(A)に示すように、好ましい位置および形状でガイドロール2の端部がテーパ加工されているために、エクストルージョン型コータの吐出孔の幅方向端部から押し出される磁性塗料の流れが中央寄りの部分より促進され塗料の供給不足が起こらない。その結果、図5(B)で示すように乾燥後の塗膜は端部まで厚さ減少の少ない塗膜が得られ、廃棄することなく製品として使用することができる。ガイドロール2は、通常500mm以上、より好ましくは800mm以上の長さの物が用いられる。
【0019】
前述のテーパ加工のテーパの傾斜(図2のH/L)は1/10000〜1/100が好ましい。この範囲が好ましいのは、1/10000未満であると前述の磁性塗料の流れが促進される効果が不十分で厚さ減少の防止ができず、1/100を超えると磁性塗料の流れが多くなりすぎて、端部が逆に盛り上がってしまうからである。また、テーパ加工されているガイドロールの加工部分2bと非加工部分2aとの境界部と、塗膜部3aと塗布が行われていない非塗膜部3bとの境界部との距離(図5(A)のd)が5〜100mmになるようにガイドロールがテーパ加工されていることが好ましい。この範囲が好ましいのは、5mm未満では吐出孔1aの端部より中央側の塗膜厚さ減少の防止が不十分となり、100mmを超えると必要以上に端部より中央側の塗膜厚さが大きくなったり、端部の塗膜厚さが大きくなりすぎるからである。
【0020】
ガイドロール2とエクストルージョン型コータ1との距離は小さいほうが本発明の効果は大きくなるが、可撓性支持体3の厚さ、塗膜厚さ、使用上の利便性により適宜調整して設定することが好ましい。通常、エクストルージョン型コータ1とその上流、下流側のガイドロール2との距離は200mm以下が好ましく、100mm以下がより好ましい。
【0021】
なお、特許文献2では、本発明と類似のガイドロールが開示されているが、下記の点で本質的に異なるものである。すなわち、特許文献2で開示されているガイドロールはエクストルージョン型コータと支持体の非塗膜部との接触による支持体の削れ防止を目的としたもので、本発明で得られる効果については開示も示唆もしていない。また、ガイドロールのテーパ加工は支持体の非塗膜部の位置に併せて行われており、本発明のテーパ加工の位置とは異なる(本発明のdで表現するとd≦0となる)。さらに、テーパの傾斜は1/20以上としており本発明の範囲とはまったく異なるものである。そして、仮に特許文献2の条件で塗布を行っても、本発明の効果は得られないばかりか、場合によっては却って塗膜の幅方向端部が盛り上がってしまう場合も予想される。
【実施例】
【0022】
次に、実施例にて本発明の内容および効果をより具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0023】
厚さ6μm、幅1000mmのポリエチレンテレフタレートフィルムに塗布幅992mmになるように、メタル磁性粉末(粒子サイズ60nm)を含有する磁性塗料A(粘度120mPa・s)、またはメタル磁性粉末(粒子サイズ100nm)を含有する磁性塗料B(粘度80mPa・s)を乾燥膜厚さ2.0μmになるように図1で示した塗布装置にて約10000m塗布した。上流側ガイドロール、下流側ガイドロールとエクストルージョン型コータとの距離は100mmに設定した。ガイドロールのテーパ加工条件は表1と表2に示した条件で行った。磁気配向、乾燥した各実施例、比較例の磁気原反をカレンダ装置にて平滑化処理を行った後、スリッタ装置にて塗膜部を1/2インチ幅に裁断し、パンケーキを得た。尚、磁気原反の端から4.7mmの非塗膜部と塗膜部を含む非製品端部は廃棄した。パンケーキを一方の端から#1、#2、#3、#4、#5として、パンケーキの外周面のテープ幅方向の形状を非接触の形状測定装置にて測定し得られたプロフィールから、両テープエッジの高さの差をテープ幅で除し、厚さ傾斜を求めた。品質判定を厚さ傾斜が100μm未満を◎、100〜150μmを○、150μm超を×とした。
【0024】
本実施例では一方の端から#1〜#5までのパンケーキに関して評価を行ったが、他方の端においても同様の結果が得られる。
【0025】
表1と表2から明らかなように、本発明にかかる実施例1〜7のパンケーキは、磁気原反の端部であっても厚さ傾斜が緩やかで塗膜品質に優れるので製品として採用でき、請求項から外れる比較例1〜5のパンケーキは、磁気原反の端部の1〜2本のパンケーキは、厚さ傾斜が大きすぎて製品として採用できない。
【0026】
【表1】


【0027】
【表2】


【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】本発明の一例の塗布装置の側面構成図である
【図2】本発明の塗布装置に用いられる一例のガイドロールの平面図である
【図3】エクストルージョン型コータによる塗布を説明する正面断面図である
【図4】(A)従来の一例の塗布装置を用いた場合の塗料の流れを示すイメージ図である (B)従来の塗布装置による塗膜厚さプロフィールを示す断面図である
【図5】(A)本発明の一例の塗布装置を用いた場合の塗料の流れを示すイメージ図である (B)本発明の一例の塗布装置による塗膜厚さプロフィールを示す断面図である
【図6】従来の塗布装置による磁気原反の塗膜厚さプロフィールを示す断面図である
【符号の説明】
【0029】
1 エクストルージョン型コータ
1a 吐出孔
1b 枠部
2 ガイドロール
2a 非加工部
2b テーパ加工部
3 可撓性支持体
3a 塗膜部
3b 非塗膜部
10 塗布装置
M 磁性塗料
M’ 乾燥磁性塗膜

【出願人】 【識別番号】000005810
【氏名又は名称】日立マクセル株式会社
【出願日】 平成18年7月28日(2006.7.28)
【代理人】 【識別番号】100091708
【弁理士】
【氏名又は名称】稲毛 諭


【公開番号】 特開2008−29966(P2008−29966A)
【公開日】 平成20年2月14日(2008.2.14)
【出願番号】 特願2006−206709(P2006−206709)