トップ :: B 処理操作 運輸 :: B05 霧化または噴霧一般;液体または他の流動性材料の表面への適用一般

【発明の名称】 塗膜形成装置および塗膜形成方法
【発明者】 【氏名】松田 則夫

【要約】 【課題】対物レンズ表面などの凸レンズにおいて、表面に均一な塗膜を形成する塗膜形成装置及び塗膜形成方法を提供する。

【構成】塗膜形成装置1の塗膜形成部10の液溜り部10aに光触媒水溶液20を充填した後に、対物レンズ9を塗膜形成部10上に載置し、レンズ押さえ板3で対物レンズ9を押さえる。そうすると、対物レンズ9と塗膜形成部10との間に間隔21が出来、そこに光触媒水溶液20が満たされる。そして、反転用モータ14で塗膜形成部10、対物レンズ9およびレンズ押さえ板3を反転させ対物レンズ9上に塗膜形成部10が位置づけられるようにすると、間隔21も対物レンズ9上に位置づけられ、そこで電熱器2aを加熱して光触媒水溶液20の水分を蒸発させると対物レンズ9の表面に光触媒水溶液20中の光触媒成分が析出され、対物レンズ9の表面に光触媒の塗膜23が形成される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
凸レンズの表面に溶液を塗布する塗布手段を備えた塗膜形成装置において、
前記塗布手段が、前記凸レンズの凸面に沿った凹みに形成され、該凹みに前記溶液を溜める液溜り部と、前記凸レンズの外縁部が載置されて前記凸レンズの凸面と前記液溜り部の凹みとを互いに間隔を空けて前記溶液を前記凸レンズの凸面に接触させる接触部と、乾燥時に前記溶液の水分を排出する排出部と、
を備えていることを特徴とする塗膜形成装置。
【請求項2】
前記凸レンズを前記塗布手段に載置した後に、前記凸レンズを前記塗布手段に押さえるレンズ押さえ手段と、
前記レンズ押さえ手段が前記凸レンズを押さえた状態で、前記塗布手段と前記レンズ押さえ手段との位置を反転させる反転手段と、
を備えたことを特徴とする請求項1に記載の塗膜形成装置。
【請求項3】
前記塗布手段による塗布後に前記溶液を乾燥させる乾燥手段を備えたことを特徴とする請求項1または2に記載の塗膜形成装置。
【請求項4】
前記凸レンズが複数配置されたレンズ配置手段と、凸レンズを前記レンズ配置手段と前記塗布手段との間を搬送する搬送手段と、を備えたことを特徴とする請求項1乃至3のうちいずれか一項に記載の塗膜形成装置。
【請求項5】
前記溶液が、光触媒材料の水溶液であることを特徴とする請求項1乃至4のうちいずれか一項に記載の塗膜形成装置。
【請求項6】
凸レンズの表面に溶液を塗布し、前記凸レンズに塗膜を形成する塗膜形成方法において、
液溜りに溜めた前記溶液上に、前記凸レンズの外縁部が載置されて前記凸レンズの凸面と前記液溜りとの間に空けた間隔に前記溶液を満たして前記凸レンズの凸面に接触させることで塗膜を形成することを特徴とする塗膜形成方法。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、対物レンズ等の表面に対して塗膜を形成する塗膜形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の光ディスク装置の対物レンズなどの凸面に形成されているレンズの表面に塗膜を形成する方法を図1に示す。図1は対物レンズ101側面から見た断面図である。図1に示すように塗膜となる成分を含む水溶液102をマイクロシリンジ103を用いて塗膜を形成しようとしている対物レンズ101の上方より滴下してその後乾燥させることで対物レンズ101の表面に塗膜を形成していた。
【0003】
しかし、上述した方法では、図2および図3に示すように対物レンズ101表面の塗膜の形成にムラが生じてしまう。図2(a)および図3(a)は、対物レンズ101を上方から見た平面図、図2(b)および図3(b)は、対物レンズ101側面から見た断面図である。図2の場合は、水溶液102は、対物レンズ101の凸面の周辺部へ流れてしまい対物レンズ101の凸面の中央部には残らないため塗膜104は凸面の中央部には形成されない。図3の場合は、中心部に塗膜を形成するために水溶液を多く滴下した場合で、対物レンズ101の凸面の周辺部に塗膜の厚い部分104a、中心部に塗膜の薄い部分104bができ、塗膜104の厚さにムラができてしまう。このように、マイクロシリンジ103を用いた方法では対物レンズ101の表面に均一に薄膜を形成することが困難であった。
【0004】
上述した方法以外に対物レンズへの光触媒膜の形成方法として、特許文献1に、真空蒸着法やスパッタ法やスピンコート法などが記載されている。
【特許文献1】特開2003−217168号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載された方法のうち、真空蒸着法やスパッタ法は特許文献1内に記載されているようにプラスチックなどの樹脂のレンズには適用できない。また、これらの方法を行うとしても上述したマイクロシリンジ103を用いた方法と比較して高価な装置が必要となってしまう。
【0006】
さらに、スピンコート法を使用する場合でも、対物レンズに表面反射防止膜などを形成するとレンズ表面が撥水性を持ってしまうので、その上に均一な膜を形成するのは困難である。
【0007】
そこで、本発明は、例えば対物レンズ表面など断面形状が平面で無いレンズにおいて、簡潔な構成で表面に均一な塗膜を形成する塗膜形成装置及び塗膜形成方法を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、請求項1記載の発明は、凸レンズの表面に溶液を塗布する塗布手段を備えた塗膜形成装置において、前記塗布手段が、前記凸レンズの凸面に沿った凹みに形成され、該凹みに前記溶液を溜める液溜り部と、前記凸レンズの外縁部が載置されて前記凸レンズの凸面と前記液溜り部の凹みとを互いに間隔を空けて前記溶液を前記凸レンズの凸面に接触させる接触部と、乾燥時に前記溶液の水分を排出する排出部と、を備えていることを特徴としている。
【0009】
請求項6記載の発明は、凸レンズの表面に溶液を塗布し、前記凸レンズに塗膜を形成する塗膜形成方法において、液溜りに溜めた前記溶液上に、前記凸レンズの外縁部が載置されて前記凸レンズの凸面と前記液溜りとの間に空けた間隔に前記溶液を満たして前記凸レンズの凸面に接触させることで塗膜を形成することを特徴としている。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、本発明の一実施形態にかかる塗膜形成装置を説明する。本発明の一実施形態にかかる塗膜形成装置は、塗布手段に、凸レンズの凸面に沿った凹みに溶液を溜める液溜り部と、凸レンズの外縁部が載置されて凸レンズの凸面と液溜り部の凹みとを互いに間隔を空けて溶液を凸レンズの凸面に接触させる接触部と、乾燥時に溶液の水分を排出させる排出部とを備えている。このようにすることによって、塗布手段に凸レンズを載置することで液溜り部に溜めた溶液が、接触部によって凸レンズの凸面の表面に接触し、その後の乾燥時に排出部を通して溶液の水分を排出することで溶液中の塗膜を形成する成分を析出し凸レンズの表面に固着させられるので塗膜を形成することができる。
【0011】
また、塗膜形成装置に、凸レンズを塗布手段に載置した後に、凸レンズを塗布手段に押さえるレンズ押さえ手段と、レンズ押さえ手段が凸レンズを押さえた状態で、塗布手段とレンズ押さえ手段との位置を反転させる反転手段とを備えても良い。このようにすることによって、凸レンズと塗布手段との位置関係を反転させられるため、レンズ押さえ手段で凸レンズを支持した状態で凸レンズ上に塗布手段が位置づけられるため、接触部の溶液中の塗膜となる成分が凸レンズ上に析出されやすくなり、凸レンズ表面に形成する塗膜をよりムラ無く形成することができる。
【0012】
また、塗布手段による塗布後に前記溶液を乾燥させる乾燥手段を備えてもよい。このようにすることによって、乾燥手段で強制的に乾燥させることができるので塗膜形成の時間が短縮できる。
【0013】
また、凸レンズが複数配置されたレンズ配置手段と、凸レンズをレンズ配置手段と塗布手段との間を搬送する搬送手段とを備えてもよい。このようにすることによって、複数の凸レンズに効率的に塗膜を形成することができる。
【0014】
また、溶液を光触媒材料の水溶液としてもよい。このようにすることによって、凸レンズの表面に光触媒の塗膜を形成できるので、凸レンズの表面の汚れなどによって付着した有機物を分解し、レンズの表面を清潔に保つことができる。
【0015】
また、本発明の一実施形態にかかる塗膜形成方法は、液溜りに溜めた溶液上に、凸レンズの外縁部が載置されて凸レンズの凸面と液溜りとの間に空けた間隔に溶液を満たして凸レンズの凸面に接触させることで塗膜を形成する。このようにすることによって、凸レンズを載置することで溜めた溶液が、凸レンズの凸面の表面に接触し、その後の乾燥時に溶液の水分を排出することで溶液中の塗膜を形成する成分を析出し凸レンズの表面に固着させられるので塗膜を形成することができる。
【実施例】
【0016】
本発明の一実施例にかかる塗膜形成装置1を図4ないし図10を参照して説明する。塗膜形成装置1は、光ディスクのピックアップに使用する対物レンズの表面に光触媒の塗膜を形成する装置である。塗膜形成装置1は図4に示すようにベース2と、レンズ押さえ板3と、リニアガイド4と、レンズ押さえ板移動用モータ5と、レンズ配置部6と、反転支え部7、レンズ搬送部8とを備えている。
【0017】
ベース2は、塗膜形成部10を複数備えている。
【0018】
塗布手段としての塗膜形成部10は、図5の斜視図および図6の断面図に示すように円筒状に形成され、円筒の中央には対物レンズ9が載置されるとともに光触媒水溶液を溜める断面形状が円弧状の凹状に形成された液溜り部10aと、対物レンズ9載置時に溢れた光触媒水溶液の排出および、乾燥時の水分の排出用の排出部としての溝部10bとを備えている。また、図6に示すように塗膜形成部10の直下のベース2内部には乾燥手段としての電熱器2aが内蔵されている。
【0019】
レンズ押さえ手段としてのレンズ押さえ板3は、接続部11を備えている。
【0020】
接続部11は、レンズ押さえ板移動用モータ5の回転軸13を中央部に貫通させ、回転軸13の回転方向に合わせて回転軸13を図4の矢印Y方向(すなわちベース2に近づく方向や離れる方向)に移動する。接続部11が移動することによってレンズ押さえ板3が移動し、塗膜形成部10に載置される対物レンズ9を押さえる。
【0021】
リニアガイド4は、ベース2の側面部から立設され、スライドリング12を備えている。
【0022】
スライドリング12は、円環状に形成され中央をリニアガイド4が貫通し、円環の一部がレンズ押さえ板3に取り付けられている。すなわち、リニアガイド4は、レンズ押さえ板3の矢印Y方向の移動をガイドする。
【0023】
レンズ押さえ板移動用モータ5は、レンズ押さえ板3を矢印Y方向へ移動させるためのモータであり、ベース2に取り付けられている。レンズ押さえ板移動用モータ5は、回転軸13を備えている。
【0024】
回転軸13はレンズ押さえ板移動用モータ5から立設され、レンズ押さえ板移動用モータ5の回転に合わせて回転する。回転軸13にはネジ溝が設けられており接続部11内の図示しない溝と螺合させることで、レンズ押さえ板移動用モータ5の回転方向によりレンズ押さえ板3を矢印Y方向へ移動させることができる。
【0025】
レンズ配置部6は、塗膜を形成する対物レンズ9が配置されるトレイ16およびベース2の保持および反転用の軸15を備えた反転用モータ14を備えている。
【0026】
レンズ配置手段としてのトレイ16は、表面に塗膜を形成する前の対物レンズ9と表面に塗膜が形成された後の対物レンズ9が配置される。
【0027】
反転手段としての反転用モータ14は、回転軸に軸15を備えており、ベース2とベース2に近づけた状態のレンズ押さえ板3を回転させることでベース2とベース2に近づけた状態のレンズ押さえ板3の位置を反転させる。
【0028】
軸15は、反転用モータ14の回転軸であり、ベース2を貫通して保持するとともに反転支え部7に接続されている。
【0029】
反転支え部7は、軸15の図示しない軸受けを内蔵し軸15を支えている。
【0030】
レンズ搬送部8は、ロボットアーム17を備えている。
【0031】
搬送手段としてのロボットアーム17は、複数の関節部と腕部および先端に対物レンズ9を狭持する狭持部とを備え、トレイ16上の対物レンズ9を塗膜形成部10へ搬送するとともに塗膜形成部10で塗膜が形成された対物レンズ9をトレイ16上へ搬送する。
【0032】
電熱器2aとレンズ押さえ板移動用モータ5と反転用モータ14およびロボットアーム17は図示しない制御手段によって制御される。制御手段はCPUなどを備え、該CPU上で動作するプログラムで自動的に動作してもよいし、操作盤などに接続され作業者の操作によって制御するようにしてもよい。
【0033】
対物レンズ9は、図7に断面図を示すように平面形状が円環状に形成された円周部9aと、円周部9aの内周に位置し、平面形状が円盤状かつ断面が凸状に形成されたレンズ部9bとを備えている。
【0034】
次に、このような構成からなる塗膜形成装置1において、対物レンズ9に光触媒の塗膜を形成する際の動作を説明する。以降は、ベース2上の塗膜形成部10の1ヶ所について説明する。なお、他の塗膜形成部10についても同様の動作が行われる。
【0035】
まず、ベース2上の塗膜形成部10の液溜り部10aに光触媒水溶液を所定量充填する。
【0036】
光触媒とは、紫外光や可視光などの光を照射することで活性化され、活性化された状態で有機物質が接触することにより有機物質をより不活性な成分(主に水および炭酸ガス)に分解するものであり、二酸化チタンが周知である。また、二酸化チタンは紫外光により活性化されるが、可視光で活性化する光触媒としては、窒素ドープ型/炭素ドープ型/硫黄ドープ型/フッ素ドープ型二酸化チタンが周知である。本実施例においては対物レンズ9の表面の汚れを除去するために光触媒の塗膜を形成する。
【0037】
本実施例では上述した光触媒の材料が含まれている水溶液を溶液として用いている。
【0038】
次に、ベース2上の塗膜形成部10にレンズ搬送装置8のロボットアーム17でトレイ16上の対物レンズ9をベース2上の塗膜形成部10へ搬送する。この際に、対物レンズ9の塗膜を形成する凸面が塗膜形成部10と対向するように載置する。
【0039】
次に、レンズ押さえ板移動用モータ5を動作させて、レンズ押さえ板3をベース2に近づけ対物レンズ9の円周部9aに接触させる。この状態の側面から見た断面図を図8に示す。図8に示すように液溜り部10aに光触媒水溶液を溜めた状態で塗膜形成部10に対物レンズ9を載置し、さらにレンズ押さえ板3を対物レンズ9に接触させると、液溜り部10aに溜めた光触媒水溶液20が塗膜形成部10の溝部10bと対物レンズ9と塗膜形成部10との間を満たす間隔21が液溜まり部10aと対物レンズ9との間に生じる。余った光触媒水溶液20は対物レンズ9の円周部9aとベース2との間に生じる隙間22から流出する。すなわち、間隔21内に満たされた光触媒水溶液20が対物レンズ9の表面に接触することから、間隔21が特許請求に範囲に記載した接触部に相当する。
【0040】
なお、塗膜形成部10の液溜り部10aの凹面の断面形状は、対物レンズ9の表面に均一な塗膜を形成するために間隔21の大きさ(対物レンズと9液溜り部10aとの間の幅)が同じになるような対物レンズ9の凸面に沿った形状が望ましいが、対物レンズ9の凸面に沿った形状でなくても良い。これは、光触媒水溶液20中の光触媒物質を析出してレンズの表面に固着させるため、成型用の金型等とは異なり液溜り部10aの形状の精度は高くなくても良い。すなわち、析出される光触媒物質が略一様になるような間隔21が形成できれば良い。
【0041】
次に、レンズ押さえ板3をベース2に近づけ、対物レンズ9の円周部9aに接触させた状態で反転用モータ14を動作させて図9に示すようにレンズ押さえ板3とベース2の位置関係を反転させる。
【0042】
次に、図9の状態で電熱器2aを加熱させる。そうすると、塗膜形成部10の溝部10bと対物レンズ9と塗膜形成部10との間に生じた間隔21内を満たしている光触媒水溶液20の水分が蒸発する。蒸発する水分は、溝部10bおよび隙間22を通じて塗膜形成部10外に排出される。水分が蒸発すると光触媒の成分が図9において下側にある対物レンズ9のレンズ部9bに析出される。
【0043】
水分の蒸発が完了した後は、電熱器2aを停止させ、反転用モータ14を動作させて、ベース2とレンズ押さえ板3の位置関係を図8の状態に戻し、レンズ押さえ板移動用モータ5を動作させてレンズ押さえ板3をベース2から離れる方向に移動させ、ロボットアーム17でトレイ16に塗膜が形成された対物レンズ9を戻す。
【0044】
このように、上述した塗膜形成装置1を用いることで図10に示すように対物レンズ9の表面に光触媒の塗膜23が均一に形成される。
【0045】
本実施例によれば、対物レンズ9の表面に光触媒の塗膜を形成する塗膜形成装置1において、塗膜形成部10に光触媒水溶液20を充填し、対物レンズ9を塗膜形成部10を載置して、レンズ押さえ板3を移動させて対物レンズ9を押さえた後に反転用モータ14を動作させてベース2とレンズ押さえ板3の位置関係を反転させる。そして電熱器2aを加熱させ、塗膜形成部10と対物レンズ9との間にできた間隔21に充填されている光触媒水溶液20の水分を蒸発させることで対物レンズ9の表面に光触媒の塗膜23が形成される。このようにすることによって、対物レンズ9の表面にムラが少なく光触媒の塗膜23を形成することができる。
【0046】
なお、上述した実施例では、電熱器2aを各薄膜形成部10に対応するように備えていたが、図11に示すようにベース2の両端部に備えても良い。
【0047】
また、上述した実施例では乾燥手段として電熱器2aを備えていたが、電熱器などの強制的に乾燥させる手段ではなく、自然乾燥による乾燥を行っても良い。
【0048】
また、上述した実施例では、光触媒の塗膜を形成していたが、それに限らず、溶液を加熱することで溶液中の成分を析出して塗膜を形成できる物質であれば適用可能である。
【0049】
また、上述した実施例では、光ディスク装置のピックアップに使用する対物レンズに塗膜を形成したが、それに限らず凸レンズであれば適用可能である。
【0050】
また、上述した実施例では、塗膜形成部10は9箇所であったがこれに限らない。勿論、レンズ押さえ板3を移動させる手段も実施例以外の構成でも良い。さらにレンズ搬送部8もロボットアーム17でなく作業者が行っても良い。
【0051】
前述した実施例によれば、以下の塗膜形成装置1および塗膜形成方法が得られる。
【0052】
(付記1)対物レンズ9の表面に光触媒水溶液20を塗布する塗膜形成部10を備えた塗膜形成装置1において、
塗膜形成部10が、対物レンズ9の凸面に沿った凹みに形成され、該凹みに光触媒水溶液20を溜める液溜り部10aと、対物レンズ9の外縁部が載置されて対物レンズ9の凸面と液溜り部10aの凹みとを互いに間隔を空けて光触媒水溶液20を対物レンズ9の凸面に接触させる間隔21と、乾燥時に光触媒水溶液20の水分を排出する溝部10bと、を備えていることを特徴とする塗膜形成装置1。
【0053】
前述した塗膜形成装置1によれば、塗膜形成部10に対物レンズ9を載置することで液溜り部10aに溜めた溶液が、間隔21によって対物レンズ9の凸面の表面に接触し、その後の乾燥時に溝部10bを通して光触媒水溶液20の水分を排出することで光触媒水溶液20中の塗膜を形成する光触媒成分を析出し対物レンズの表面に固着させられるので塗膜23を形成することができる。
【0054】
(付記2)対物レンズ9の表面に光触媒水溶液20を塗布し、塗布後に光触媒水溶液20を乾燥させることで、対物レンズ9に塗膜23を形成する塗膜形成方法において、
液溜り部10aに溜めた光触媒水溶液20上に、対物レンズ9の凸面を載置したのちに、光触媒水溶液20を乾燥させることで対物レンズ9の凸面に塗膜23を形成することを特徴とする塗膜形成方法。
【0055】
前述した塗膜形成方法によれば、対物レンズ9を載置することで溜めた光触媒水溶液20が、対物レンズ9の凸面の表面に接触し、その後の乾燥時に光触媒水溶液20の水分を排出することで光触媒水溶液20中の塗膜23を形成する光触媒成分を析出し対物レンズ9の表面に固着させられるので塗膜23を形成することができる。
【0056】
なお、前述した実施例は本発明の代表的な形態を示したに過ぎず、本発明は、実施例に限定されるものではない。すなわち、本発明の骨子を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。
【図面の簡単な説明】
【0057】
【図1】従来技術における対物レンズへ塗膜を形成する方法の説明図である。
【図2】従来技術におけるムラのある塗膜が形成された対物レンズの説明図である。
【図3】従来技術におけるムラのある塗膜が形成された対物レンズの説明図である。
【図4】本発明の一実施例にかかる塗膜形成装置の斜視図である。
【図5】図4に示された塗膜形成装置の塗膜形成部の斜視図である。
【図6】図5のI−I線に沿う断面図である。
【図7】対物レンズの断面図である。
【図8】塗膜形成部に対物レンズを載置してレンズ押さえ板で対物レンズを押さえている状態の断面図である。
【図9】図8の状態から上下を反転させた状態の断面図である。
【図10】図7の示された対物レンズに光触媒の塗膜が形成された状態を示す断面図である。
【図11】電熱器の他の配置を示した説明図である。
【符号の説明】
【0058】
1 塗膜形成装置
2a 電熱器(乾燥手段)
3 レンズ押さえ板(レンズ押さえ手段)
9 対物レンズ
10 塗膜形成部(塗布手段)
10a 液溜り部(液溜り部、接触部)
10b 溝部(排出手段)
14 反転用モータ(反転手段)
16 トレイ(レンズ配置手段)
17 ロボットアーム(搬送手段)
20 光触媒水溶液(溶液)
21 間隔(接触部)
22 隙間(排出手段)
23 塗膜
【出願人】 【識別番号】000005016
【氏名又は名称】パイオニア株式会社
【出願日】 平成18年7月18日(2006.7.18)
【代理人】 【識別番号】100060690
【弁理士】
【氏名又は名称】瀧野 秀雄

【識別番号】100108017
【弁理士】
【氏名又は名称】松村 貞男

【識別番号】100075421
【弁理士】
【氏名又は名称】垣内 勇


【公開番号】 特開2008−23410(P2008−23410A)
【公開日】 平成20年2月7日(2008.2.7)
【出願番号】 特願2006−195455(P2006−195455)