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【発明の名称】 塗装前処理装置
【発明者】 【氏名】石丸 昭夫

【氏名】於島 範昌

【要約】 【課題】従来に比べてエネルギー効率が工場した塗装前処理装置を提供する。

【構成】トンネル状ブースと、トンネル状ブース内に直列に配設された薬液処理槽と水洗槽とを備え、被処理物を槽間で移動させて薬液処理と水洗とを行う塗装前処理装置であって、被処理物移動方向の薬液処理槽中央部上方の空気を吸引し、被処理物移動方向の薬液処理槽両端部上方から下方へ吹き出す空気循環装置を備える。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
トンネル状ブースと、トンネル状ブース内に直列に配設された薬液処理槽と水洗槽とを備え、被処理物を槽間で移動させて薬液処理と水洗とを行う塗装前処理装置であって、被処理物移動方向の薬液処理槽中央部上方の空気を吸引し、被処理物移動方向の薬液処理槽両端部上方から下方へ吹き出す空気循環装置を備えることを特徴とする塗装前処理装置。
【請求項2】
被処理物移動方向の薬液処理槽両端部上方から下方へ吹き出す空気流は、被処理物移動方向の薬液処理槽中央部へ向けて斜め下方へ差し向けられていることを特徴とする請求項1に記載の塗装前処理装置。
【請求項3】
被処理物移動方向の薬液処理槽両端部上方から下方へ吹き出す空気流は、エアカーテンを形成していることを特徴とする請求項1又は2に記載の塗装前処理装置。
【請求項4】
被処理物移動方向の薬液処理槽中央部上方に配設された空気吸引口にミスト除去装置が取り付けられていることを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項に記載の塗装前処理装置。
【請求項5】
薬液処理槽中央部上方から吸引した空気をトンネル状ブース外へ排出する排気装置を備えることを特徴とする請求項1乃至4の何れか1項に記載の塗装前処理装置。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、塗装前処理装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
トンネル状ブースと、トンネル状ブース内に直列に配設された薬液処理槽と水洗槽とを備え、被処理物を槽間で移動させて薬液処理と水洗とを行う塗装前処理装置が特許文献1等に開示されている。
【特許文献1】特開2001−107275号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
特許文献1等に開示された従来の塗装前処理装置においては、トンネル状ブース全体で適宜数の換気口を設け、ブース内の換気を行っていたので、槽間で空気の移動があった。薬液処理槽に貯留される薬液は所定温度まで加温されており、薬液処理槽の上方の空気は加湿されるが、槽間で空気の移動があると、加湿された空気が移動し薬液処理槽上方の空気の湿度が低下して、薬液処理槽に貯留された薬液中の水分の蒸発が促進される。この結果、薬液処理槽に貯留された薬液の温度が低下し、薬液濃度が上昇するので、薬液の加温と水の追加とが必要となり、塗装前処理装置のエネルギー効率が低下する。
本発明は上記問題に鑑みてなされたものであり、従来に比べてエネルギー効率が向上した塗装前処理装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上記目的を達成するために、本発明においては、トンネル状ブースと、トンネル状ブース内に直列に配設された薬液処理槽と水洗槽とを備え、被処理物を槽間で移動させて薬液処理と水洗とを行う塗装前処理装置であって、被処理物移動方向の薬液処理槽中央部上方の空気を吸引し、被処理物移動方向の薬液処理槽両端部上方から下方へ吹き出す空気循環装置を備えることを特徴とする塗装前処理装置を提供する。
本発明に係る塗装前処理装置においては、被処理物移動方向の薬液処理槽中央部上方の空気が吸引されて、被処理物移動方向の薬液処理槽両端部上方から下方へ吹き出す。吹き出した空気は薬液処理槽中央部へ移動して該部上方から再び吸引される。薬液処理槽上方の空気が薬液処理槽上方に循環供給されることにより、槽間での空気の移動が防止され、薬液処理槽上方の空気は水蒸気の飽和空気となる。この結果、薬液処理槽に貯留された薬液中の水分の蒸発が抑制されて、薬液処理槽に貯留された薬液の温度の低下と薬液濃度の上昇とが抑制され、薬液の加温と水の追加との必要性が低下し、塗装前処理装置のエネルギー効率が向上する。
【0005】
本発明の好ましい態様においては、被処理物移動方向の薬液処理槽両端部上方から下方へ吹き出す空気流は、被処理物移動方向の薬液処理槽中央部へ向けて斜め下方へ差し向けられている。
被処理物移動方向の薬液処理槽両端部上方から下方へ吹き出す空気流を、被処理物移動方向の薬液処理槽中央部へ向けて斜め下方へ差し向けることにより、薬液処理槽上方の空気を薬液処理槽上方に確実に循環供給することができる。
本発明の好ましい態様においては、被処理物移動方向の薬液処理槽両端部上方から下方へ吹き出す空気流は、エアカーテンを形成している。
被処理物移動方向の薬液処理槽両端部上方にエアカーテンを形成することにより、槽間の空気移動を確実に防止することができる。
本発明の好ましい態様においては、被処理物移動方向の薬液処理槽中央部上方に配設された空気吸引口にミスト除去装置が取り付けられている。
空気吸引口にミスト除去装置を取り付けることにより、空気循環経路に水滴が付着して錆が発生するのを抑制することができる。
本発明の好ましい態様においては、塗装前処理装置は、薬液処理槽中央部上方から吸引した空気をトンネル状ブース外へ排出する排気装置を備える。
排気装置を備えていれば、保守点検時に薬液処理槽上方の空間を迅速に換気できるので、塗装前処理装置の使い勝手が向上する。
【発明の効果】
【0006】
本発明に係る塗装前処理装置においては、薬液処理槽上方の空気が薬液処理槽上方に循環供給されることにより、槽間での空気の移動が防止され、薬液処理槽上方の空気は水蒸気の飽和空気となる。この結果、薬液処理槽に貯留された薬液中の水分の蒸発が抑制されて、薬液処理槽に貯留された薬液の温度の低下と薬液濃度の上昇とが抑制され、薬液の加温と水の追加との必要性が低下し、塗装前処理装置のエネルギー効率が向上する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
本発明の実施例に係る塗装前処理装置を説明する。
図1に示すように、塗装前処理装置Aは、トンネル状ブース1と、トンネル状ブース1内に直列に配設された薬液処理槽2と水洗槽3とを備えている。
槽2、3の上方にトロリーレール4が配設され、トロリーレール4に係合して移動する図示しないトロリーに図示しないハンガーが懸架され、ハンガーに図示しない被処理物が載置されている。
薬液処理槽2には、脱脂薬剤、表面調整薬剤、化成処理薬剤などの各種薬剤が水に混入された薬液が貯留されている。薬液は、例えば50℃程度の、最適温度まで加温されている。
水洗槽3には洗浄水が貯留されている。貯留された洗浄水は吸い上げられて図示しないノズルから噴射される。
ハンガーに載置された被処理物は、トロリーの移動に伴って図1の左方から右方へ移動し、薬液処理槽2内に貯留された薬液に浸漬され、水洗槽上方で洗浄液を浴びて、塗装前処理される。
被処理物移動方向の薬液処理槽2中央部上方のトンネル状ブース1天井壁に形成された空気吸引口から薬液処理槽2上方の空気を吸引し、ファン5を経て、被処理物移動方向の薬液処理槽2両端部上方のブース1天井壁に取り付けたノズル6から下方へ吹き出す、空気循環装置7が、各薬液処理槽2に配設されている。
被処理物移動方向の薬液処理槽2両端部上方から下方へ吹き出す空気流は、被処理物移動方向の薬液処理槽2中央部へ向けて斜め下方へ差し向けられている。
被処理物移動方向の薬液処理槽2両端部上方から下方へ吹き出す空気流は、エアカーテンを形成している。
被処理物移動方向の薬液処理槽2中央部上方のトンネル状ブース1天井壁に形成された空気吸引口、にミスト除去用フィルター8が取り付けられている。
空気循環装置7のダクトから分岐する分岐ダクトにダンパー9が取り付けられている。
【0008】
塗装前処理装置Aにおいては、被処理物移動方向の薬液処理槽2中央部上方の空気が吸引されて、被処理物移動方向の薬液処理槽2両端部上方から下方へ吹き出す。吹き出した空気は薬液処理槽2中央部へ移動して該部上方から再び吸引される。薬液処理槽2上方の空気が薬液処理槽2上方に循環供給されることにより、隣接する槽間での空気の移動が防止され、薬液処理槽2上方の空気は水蒸気の飽和空気となる。この結果、薬液処理槽2に貯留された薬液中の水分の蒸発が抑制されて、薬液処理槽2に貯留された薬液の温度の低下と薬液濃度の上昇とが抑制され、薬液の加温と水の追加との必要性が低下し、塗装前処理装置Aのエネルギー効率が向上する。
【0009】
被処理物移動方向の薬液処理槽2両端部上方から下方へ吹き出す空気流を、被処理物移動方向の薬液処理槽2中央部へ向けて斜め下方へ差し向けることにより、薬液処理槽2上方の空気を薬液処理槽2上方に確実に循環供給することができる。
被処理物移動方向の薬液処理槽2両端部上方にエアカーテンを形成することにより、隣接する槽間の空気移動を確実に防止することができる。
空気吸引口にミスト除去用フィルター8を取り付けることにより、空気循環経路のダクトに水滴が付着して錆が発生するのを抑制することができる。
保守点検時にダンパー9を開いて、薬液処理槽2上方の空気をトンネル状ブース1外へ排出することにより、薬液処理槽2上方の空間を迅速に換気できる。この結果、塗装前処理装置Aの使い勝手が向上する。
【産業上の利用可能性】
【0010】
本発明は、塗装前処理装置に広く利用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の実施例に係る塗装前処理装置の構成図である。
【符号の説明】
【0012】
A 塗装前処理装置
1 トンネル状ブース
2 薬液処理槽
3 水洗槽
4 トロリーレール
5 ファン
6 ノズル
7 空気循環装置
8 ミスト除去用フィルター
9 ダンパー
【出願人】 【識別番号】391022658
【氏名又は名称】パーカーエンジニアリング株式会社
【出願日】 平成18年7月18日(2006.7.18)
【代理人】 【識別番号】100095245
【弁理士】
【氏名又は名称】坂口 嘉彦


【公開番号】 特開2008−23408(P2008−23408A)
【公開日】 平成20年2月7日(2008.2.7)
【出願番号】 特願2006−195361(P2006−195361)