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塗布装置 - 特開2008−18298 | j-tokkyo
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【発明の名称】 塗布装置
【発明者】 【氏名】西城 洋志

【要約】 【課題】塗布装置のサイクルタイムを短縮して生産効率を向上させる。

【構成】塗布液を貯留するシリンジ34とこのシリンジ34内の塗布液の吐出口となるノズル30とを有した移動可能なディスペンサヘッド25と、エア供給源44から供給される圧縮空気の供給と停止を切替バルブ46の作動に応じて切り替えることにより、上記シリンジ34内に一時的に圧縮空気を導入して上記ノズル30から所定量の塗布液を吐出させるエア供給回路50とを備えた塗布装置において、切替バルブ46の非作動時間tに基づいて塗布液の吐出所要時間Tを求めるとともに、この塗布液の吐出所要時間Tに応じて、上記ディスペンサヘッド25のノズル30を塗布ポイント上の静止位置から離間させるタイミングを変化させるように制御する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板上の塗布ポイントに塗布液を塗布する塗布装置であって、
上記塗布液を貯留するシリンジとこのシリンジ内の塗布液の吐出口となるノズルとを有した移動可能なディスペンサヘッドと、
エア供給源から供給される圧縮空気の供給と停止を切替バルブの作動に応じて切り替えることにより、上記シリンジ内に一時的に圧縮空気を導入して上記ノズルから所定量の塗布液を吐出させるエア供給回路と、
上記ディスペンサヘッドの移動を制御するとともに、上記エア供給回路の切替バルブを作動させて上記塗布液の吐出動作を制御する制御手段とを備え、
上記制御手段は、上記切替バルブに作動命令を与えてから実際に所定量の塗布液をノズルから吐出させるまでに要する時間である塗布液の吐出所要時間を、上記切替バルブを直近に作動させた時刻からの経過時間である切替バルブの非作動時間に基づいて求めるとともに、上記ディスペンサヘッドのノズルを塗布ポイント上の静止位置から離間させるタイミングを、上記塗布液の吐出所要時間に応じて可変的に設定することを特徴とする塗布装置。
【請求項2】
請求項1記載の塗布装置において、
上記切替バルブの直近の作動時刻である最終作動時刻を記憶する作動実績記憶手段をさらに備え、
上記制御手段は、この作動実績記憶手段から読み出された最終作動時刻に基づいて上記切替バルブの非作動時間を算出することを特徴とする塗布装置。
【請求項3】
請求項1または2記載の塗布装置において、
上記制御手段は、上記切替バルブの非作動時間と塗布液の吐出所要時間との関係を特定するためにあらかじめ測定された実測データに基づいて上記吐出所要時間を求めることを特徴とする塗布装置。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、プリント基板等の各種基板に対して部品実装のための接着剤やクリームはんだ等の塗布液を塗布する塗布装置に関する。
【背景技術】
【0002】
上記塗布装置としては、塗布液を貯留するシリンジ(容器)と、このシリンジ内の塗布液の吐出口となるノズルと、エア供給源(圧力空気源)から供給される圧縮空気を上記シリンジ内に送り込むことにより、上記ノズルから所定量の塗布液を吐出させるエア供給回路とを備えたものが知られている(例えば、下記特許文献1参照)。このような塗布装置において、シリンジ内へのエアの供給と停止との切り替えは、上記エア供給回路の途中部に設置された切替バルブ(ディスペンス用バルブ)を操作することにより行われる。
【特許文献1】特開平11−207228号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところで、上記のような塗布装置において、上記切替バルブに操作信号が出力されてから実際にシリンジ内に圧縮空気が送られて所定量の塗布液がノズルから吐出されるまでの間の時間(塗布液の吐出所要時間)は、上記切替バルブを最後に操作した時点からの経過時間(切替バルブの非作動時間)によって変化する。このため、塗布動作中に上記ノズルを塗布ポイント上で静止させる時間を適正に設定しないと、上記塗布液が塗布ポイント上に適正に塗布されないおそれがある。例えば、塗布液の吐出所要時間が比較的長くなるにもかかわらず上記ノズルの静止時間を短く設定してしまうと、塗布液の吐出が完了するよりも前にノズルが塗布ポイントから離れてしまい、これに応じて塗布液の塗布不良が発生するおそれがある。そこで、このような塗布不良を確実に防止するための措置として、上記ノズルの静止時間を、上記吐出所要時間が最も長い場合を想定した長めの時間に定常的に設定することが考えられる。
【0004】
しかしながら、ノズルの静止時間を上記のように設定してしまうと、例えば連続運転時のように、切替バルブの非作動時間が短いために塗布液の吐出所要時間が比較的短く済む場合でも、ノズルは依然として一定の長めの静止時間の間静止することになるため、ノズルが塗布ポイントを離れるまでの間に余計な待ち時間が発生し、その分だけサイクルタイムが増大してしまう。
【0005】
本発明は、上記のような事情に鑑みてなされたものであり、シリンジ内の塗布液をノズルから吐出させて基板上に塗布する塗布装置において、塗布ポイント上でのノズルの静止時間を短縮することにより、サイクルタイムをより短縮して生産効率を効果的に向上させることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するためのものとして、本発明は、基板上の塗布ポイントに塗布液を塗布する塗布装置であって、上記塗布液を貯留するシリンジとこのシリンジ内の塗布液の吐出口となるノズルとを有した移動可能なディスペンサヘッドと、エア供給源から供給される圧縮空気の供給と停止を切替バルブの作動に応じて切り替えることにより、上記シリンジ内に一時的に圧縮空気を導入して上記ノズルから所定量の塗布液を吐出させるエア供給回路と、上記ディスペンサヘッドの移動を制御するとともに、上記エア供給回路の切替バルブを作動させて上記塗布液の吐出動作を制御する制御手段とを備え、上記制御手段は、上記切替バルブに作動命令を与えてから実際に所定量の塗布液をノズルから吐出させるまでに要する時間である塗布液の吐出所要時間を、上記切替バルブを直近に作動させた時刻からの経過時間である切替バルブの非作動時間に基づいて求めるとともに、上記ディスペンサヘッドのノズルを塗布ポイント上の静止位置から離間させるタイミングを、上記塗布液の吐出所要時間に応じて可変的に設定することを特徴とするものである(請求項1)。
【0007】
本発明によれば、塗布液を貯留したシリンジ内にエア供給源からの圧縮空気を導入して所定量の塗布液をノズルから吐出させる塗布装置において、上記圧縮空気の供給と停止を切り替える切替バルブの非作動時間に基づいて塗布液の吐出所要時間を求めるとともに、この塗布液の吐出所要時間に応じて、上記ノズルを塗布ポイント上の静止位置から離間させるタイミングを変化させるようにしたため、例えば連続運転時のように、上記切替バルブの非作動時間が短いために塗布液の吐出所要時間が相対的に短くなる場合に、その分を考慮した早めのタイミングで上記ノズルを塗布ポイントから離間させて次の塗布ポイント等に移動させることができる。これにより、上記ノズルの塗布ポイント上での静止時間を短縮することができるため、サイクルタイムをより短縮して生産効率を効果的に向上させることができる。
【0008】
上記構成においては、上記切替バルブの直近の作動時刻である最終作動時刻を記憶する作動実績記憶手段をさらに備え、上記制御手段は、この作動実績記憶手段から読み出された最終作動時刻に基づいて上記切替バルブの非作動時間を算出することが好ましい(請求項2)。
【0009】
このようにすれば、作動実績記憶手段から読み出した切替バルブの最終作動時刻と現時刻との時間差から容易かつ正確に上記切替バルブの非作動時間を算出することができ、この非作動時間に応じた塗布液の正確な吐出所要時間を容易に求めることができる。
【0010】
上記制御手段は、上記切替バルブの非作動時間と塗布液の吐出所要時間との関係を特定するためにあらかじめ測定された実測データに基づいて上記吐出所要時間を求めることが好ましい(請求項3)。
【0011】
このように、あらかじめ測定された実測データに基づいて上記塗布液の吐出所要時間を求めるようにした場合には、実機に即したより正確な吐出所要時間を求めることができ、これに応じて上記ノズルの離間タイミングをより適正に設定できるという利点がある。
【発明の効果】
【0012】
以上説明したように、本発明によれば、シリンジ内の塗布液をノズルから吐出させて基板上に塗布する塗布装置において、塗布ポイント上でのノズルの静止時間を短縮することができるため、サイクルタイムをより短縮して生産効率を効果的に向上させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、本発明の好ましい実施の形態を図面を参照しながら説明する。
【0014】
図1および図2は、本発明の一実施形態にかかる塗布装置2を概略的に示している。なお、図1は塗布装置2の平面図で、図3は同正面図である。これら図1および図2に示すように、塗布装置2の基台11上には一対のコンベア12が配置されており、これらコンベア12上を基板Pが搬送されて所定の作業位置で停止され、図外のプッシュアップピン、基板クランプ装置等の基板保持手段により位置決めされるようになっている。なお、以下の説明では、コンベア12による基板Pの搬送方向をX軸方向、水平面上でこのX軸と直交する方向をY軸方向、これらX軸およびY軸に直交する方向をZ軸方向として説明を進めることにする。
【0015】
上記一対のコンベア12は、モータを駆動源とする間隔調整機構に連結されており、上記モータの作動により一方側のコンベア12、具体的には装置後側(図1では上側)に位置するコンベア12が前側のコンベア12に対して接離し、これによって両コンベア12の間隔が基板Pのサイズに応じて調整されるようになっている。
【0016】
コンベア12の上方には、接着剤やクリームはんだ等の各種塗布液を基板P上に塗布するためのヘッドユニット14が装備され、このヘッドユニット14がX軸方向およびY軸方向に移動可能に支持されている。
【0017】
すなわち、上記基台11上には、Y軸方向に延びる一対の固定レール15と、Y軸サーボモータ17により回転駆動されるボールねじ軸16とが配設され、上記固定レール15上にヘッド支持部材18が配置されて、この支持部材18に設けられたナット部分19が上記ボールねじ軸16に螺合している。また、上記支持部材18には、X軸方向に延びるガイド部材20と、X軸サーボモータ22により駆動されるボールねじ軸21とが配設され、上記ガイド部材20にヘッドユニット14が移動可能に保持され、このヘッドユニット14に設けられたナット部分23が上記ボールねじ軸21に螺合している。そして、Y軸サーボモータ17の作動によりボールねじ軸16が回転して上記支持部材18がY軸方向に移動する一方で、X軸サーボモータ22の作動によりボールねじ軸21が回転して、ヘッドユニット14が支持部材18に対してX軸方向に移動するようになっている。
【0018】
上記ヘッドユニット14には、塗布液を基板P上に塗布するための2つのディスペンサヘッド25,25が搭載されている。これら各ディスペンサヘッド25は、互いにX軸方向に並んだ状態でヘッドユニット14に搭載されている。そして、各ディスペンサヘッド25は、ヘッドユニット14のフレームに対しZ軸方向(上下方向)の移動およびR軸(鉛直軸)回りの回転が可能とされ、Z軸サーボモータ26、およびR軸サーボモータ27によりそれぞれ各方向に駆動されるようになっている。
【0019】
また、上記ディスペンサヘッド25,25は、塗布液を貯留するシリンジ34と、このシリンジ34内の塗布液の吐出口となるノズル30とをそれぞれ備えており、エア供給回路50(図3参照)から供給される圧縮空気が上記シリンジ34内に導入されるのに応じて、所定量の塗布液をノズル30から押し出しつつ基板P上の塗布ポイントに塗布するように構成されている。
【0020】
上記エア供給回路50は、図3に示すように、コンプレッサ等からなるエア供給源44と、このエア供給源44から供給されるエアを上記シリンジ34に導入するためのエア配管48と、このエア配管48の途中部に設置された電磁弁からなる切替バルブ46とを備えており、この切替バルブ46が一時的にON状態(詳細は後述する)にされるのに応じて上記シリンジ34内に所定量のエア(圧縮空気)が導入されるように構成されている。
【0021】
図4に示すように、上記切替バルブ46は、内部に中空部52を有した筒状の弁本体51と、上記中空路52の内周面に周接する第1、第2、および第3の弁体56a,56b,56cが一体に連結されてなるスプール58と、コイル61が通電されて励磁状態となるのに応じてプランジャ62を前方に(図中では上方に)引き寄せ、このプランジャ62の前方への移動に応じて上記スプール58を軸方向に押動するソレノイド60と、このソレノイド60とは反対側から上記スプール58を付勢するスプリング64とを備えている。上記弁本体51には、その外周面と内部の中空路52とを連通する第1、第2、および第3のポート54a,54b,54cが形成されており、これら各ポート54a〜54cに、エア供給源44から延びるエア配管48aと、シリンジ34から延びるエア配管48bと、大気開放用のエア抜き口66から延びるエア配管48cとがそれぞれ接続されている。なお、上記図3ではエア配管系を破線で示したが、この図4ではエア配管系を実線で示している。また図4では、切替バルブ46の内部構造を詳細に示すため、この切替バルブ46をシリンジ34に対して大きく誇張して示している。
【0022】
上記第1〜第3の弁体56a〜56cの外周面には、ゴム製のOリング(図示省略)が設けられており、上記中空路52の内周面と各弁体56a〜56cの外周面との隙間が上記Oリングによってシールされるようになっている。また、上記エア供給源44から供給されるエアには僅かなミスト状の潤滑油が混入しており、この潤滑油は、上記中空路52の内周面と各弁体56a〜56c外周のOリングとの間に介在して各弁体56a〜56cの摺動抵抗を低減させる役割を果たしている。
【0023】
以上のように構成された切替バルブ46では、後述する制御手段40から入力された操作信号に応じてソレノイド60が励磁状態と非励磁状態との間で切り替わることにより、エア供給源44から供給される圧縮空気をシリンジ34内に送り込むON状態(図4(b)の状態)と、シリンジ34内の圧縮空気を大気開放するOFF状態(図4(a)の状態)との間で変位可能に構成されている。具体的に、図4(a)に示すOFF状態では、ソレノイド60が非励磁状態とされてプランジャ62が自由に移動可能となることにより、スプリング64の付勢力に応じてスプール58が後退し(図中では下方に移動し)、このスプール58の各弁体56a〜56cの設置位置が図示のような後方寄りの位置に変位する。これにより、弁本体51における第2のポート54bと第3のポート54cとが中空路52を介してつながり、上記エア抜き口66とシリンジ34とが連通されるため、このシリンジ34内の圧縮空気が大気開放されて内部の圧力が低下することとなり、これに応じてノズル30からの塗布液の吐出が停止される。一方、図4(b)に示すON状態では、ソレノイド60が励磁状態とされてプランジャ62が前方に引き寄せられることにより、スプリング64の付勢力に抗してスプール58が前進し(図中において上方に移動し)、このスプール58の弁体56a〜56cの設置位置が図示のような前方寄りの位置に変位する。これにより、弁本体51における第1のポート54aと第2のポート54bとが中空路52を介してつながり、上記エア供給源44とシリンジ34とが連通されるため、このシリンジ34内に圧縮空気が送り込まれて内部の圧力が高まることとなり、これに応じてノズル30から所定量の塗布液が吐出される。
【0024】
次に、塗布装置2の電気制御系について図3を用いて説明する。なお、この図3では電気系統を実線で示している。本図に示すように、塗布装置2には、論理演算を実行する周知のCPU、そのCPUを制御する種々のプログラムなどを予め記憶するROM、プログラムの実行中等に種々のデータを一時的に記憶するRAM、各種データやソフトを記憶するHDD等からなる制御手段40が設けられている。この制御手段40は、内蔵された記憶部42にあらかじめ記憶されている塗布プログラムに従って一連の作業を進めるべく、上記ヘッドユニット14やエア供給回路50の動作制御を統括的に行うとともに、その作業に伴う各種演算処理等を行うものである。具体的に、上記制御手段40は、X軸,Y軸,Z軸,R軸の各サーボモータ22,17,26,27を適宜駆動して上記ヘッドユニット14およびこれに備わるディスペンサヘッド25の各方向への移動を制御するとともに、エア供給回路50における切替バルブ46のON・OFF切り替えを制御してシリンジ34内に適宜圧縮空気を送り込むことにより、ディスペンサヘッド25による塗布液の吐出動作を制御する。
【0025】
また、上記制御手段40は、吐出動作を行わせるために切替バルブ46にON信号を出力すると、そのときの時刻を内部の記憶部42に記憶させるように構成されている。すなわち、この記憶部42には、切替バルブ46が直近にON操作された時刻が順次更新されながら記憶されるようになっている。このことから、切替バルブ46の直近の作動時刻である最終作動時刻を記憶する作動実績記憶手段が、上記記憶部42によって構成されている。なお、この切替バルブ46の最終作動時刻は、後述する塗布液の吐出所要時間Tを求めるために用いられる。
【0026】
以上のように構成された制御手段40によって各部が制御されることにより、塗布装置2は、例えば以下のようにして塗布作業を行う。
【0027】
塗布作業が開始されて基板Pが図1に示した作業位置に位置決めされると、まず、ヘッドユニット14がX軸およびY軸サーボモータ22,17の駆動に応じて水平方向に移動し、このヘッドユニット14におけるディスペンサヘッド25,25のうちのいずれか一方が基板P上の所定位置に配置されるとともに、Z軸サーボモータ26の駆動に応じて上記一方のディスペンサヘッド25が下方に移動する。これにより、ディスペンサヘッド25先端のノズル30が、上記基板Pにおける塗布ポイントの直上部に位置決めされる。
【0028】
このようにして塗布ポイント上に位置決めされたディスペンサヘッド25は、上記エア供給回路50の切替バルブ46がON操作されてシリンジ34内に圧縮空気が導入されるに応じて、ノズル30から所定量の塗布液を吐出させ、この吐出された塗布液を上記基板P上の塗布ポイントに塗布する。この間、ディスペンサヘッド25は、塗布液の安定した塗布状態を維持するために、塗布ポイント上で静止している必要がある。このため、ディスペンサヘッド25は、上記所定量の塗布液の吐出が完了した後で、次の塗布ポイント等に向かって移動を開始し、これに応じてノズル30を塗布ポイントから離間させる。
【0029】
ここで、サイクルタイムをより短縮する点からは、上記ディスペンサヘッド25(ノズル30)の塗布ポイント上での静止時間はできるだけ短い方が好ましい。このため、制御手段40は、上記塗布液の吐出が完了した後直ちに、上記ディスペンサヘッド25を移動させてそのノズル30を上記塗布ポイント上の静止位置から離間させるように制御する。ただし、図5に示すように、塗布液の吐出所要時間T、すなわち、エア供給回路50の切替バルブ46にON信号が出力されてから実際にシリンジ34内に圧縮空気が送られて所定量の塗布液がノズル30から吐出されるまでの間の時間は、切替バルブ46の非作動時間t(切替バルブ46の最終作動時刻からの経過時間)に応じて変化するため、上記ノズル30を塗布ポイント上の静止位置から離間させるタイミングは、このような塗布液の吐出所要時間Tの変化を考慮して決定される必要がある。すなわち、切替バルブ46では、上述したように、スプール58の各弁体56a〜56c外周に設けられたOリングと中空路52の内周面との間に、エアに混入された潤滑油を介在させることにより、各弁体56a〜56cの摺動抵抗を低減させるようにしているが、切替バルブ46の非作動時間tが長いと、上記各弁体56a〜56c外周のOリングが潤滑油を介して中空路52の内周面に貼り付く現象が発生してしまうため、その分だけ切替バルブ46の応答時間が長くなり、これに応じて上記塗布液の吐出所要時間Tが長くなる。一方、切替バルブ46の非作動時間tが短い場合には、上記のような弁体56a〜56cの貼り付き現象が発生しにくいので、上記吐出所要時間Tは相対的に短くなる。したがって、このような塗布液の吐出所要時間Tの変化に合わせて上記ノズル30の離間開始タイミングを決定することが、このノズル30の塗布ポイント上での静止時間を短くする上で必要である。そこで、制御手段40は、対象となる切替バルブ46の最終作動時刻を内部の記憶部42から読み出すとともに、当該時刻に基づいてその切替バルブ46の非作動時間tを算出するとともに、この算出された非作動時間tに応じた塗布液の吐出所要時間Tを、上記記憶部42にあらかじめ記憶されている実測データに照らして求める。そして、このようにして求められた塗布液の吐出所要時間Tに基づいて、上記ノズル30を塗布ポイント上の静止位置から離間させるタイミングを決定する。具体的には、塗布液の吐出所要時間Tが短いほど(つまり切替バルブ46の非作動時間tが短いほど)ノズル30の離間開始タイミングを早め、塗布液の吐出所要時間Tが長いほど(つまり切替バルブ46の非作動時間tが長いほど)ノズル30の離間開始タイミングを遅らせるようにする。これにより、塗布液の吐出所要時間Tの変化にかかわらず、塗布液の吐出動作が完了した直後にノズル30を塗布ポイントから離間させることが可能になる。
【0030】
上記記憶部42に記憶された実測データ、すなわち、上記切替バルブ46の非作動時間tから塗布液の吐出所要時間Tを求める際の基準となる実測データは、ディスペンサヘッド25に対してあらかじめ測定された実測値に基づいて作成されている。具体的に、上記記憶部42には、図6に示すように、切替バルブ46における複数の異なる非作動時間t(α,β,γ・・)と、これら各非作動時間tに対応して測定された塗布液の吐出所要時間Tの実測値(x,y,z・・)とからなるテーブル状のデータが記憶されている。そして、制御手段40は、上記記憶部42に記憶された切替バルブ46の最終作動時刻を基にその切替バルブ46の非作動時間tを算出すると、この値と上記図6のテーブルデータとから、上記非作動時間tに対応する塗布液の吐出所要時間Tを求める。この吐出所要時間Tの値は、図5からも導かれるとおり、切替バルブ46の非作動時間tが短いほど短くされ、非作動時間tが長いほど長くされる。なお、上記非作動時間tが図6のテーブルデータに存在しない場合でも、補完法等によってこれに対応する吐出所要時間Tが求められる。
【0031】
次に、以上のような制御手段40による塗布動作制御の内容を、図7および図8に示すフローチャートに基づいて説明する。
【0032】
図7は、上記塗布動作制御のメインフローを示すフローチャートである。この制御動作がスタートすると、制御手段40は、まず、内部の記憶部42に記憶された塗布プログラムから、各塗布ポイントの位置や順番等の各種データを読み出す制御を実行する(ステップS1)。
【0033】
次いで、制御手段40は、ディスペンサヘッド25,25のうちの一方(今回塗布動作を行う側のディスペンサヘッド25)におけるノズル30の現在位置と、基板P上の塗布ポイントとの位置関係等から、上記ノズル30が塗布ポイントの上方まで移動するのに要する時間Tnを算出する制御を実行するとともに(ステップS3)、上記ディスペンサヘッド25における塗布液の吐出所要時間Tを算出する制御を実行する(ステップS5)。
【0034】
図8は、上記ステップS5において実行される吐出所要時間Tの算出制御の具体的内容を示すサブルーチンである。このサブルーチンがスタートすると、制御手段40は、エア供給回路50における切替バルブ46の最終作動時刻を、内部の記憶部42から読み出すとともに(ステップS51)、この最終作動時刻と現時刻との時間差から上記切替バルブ46の非作動時間tを算出する制御を実行する(ステップS53)。
【0035】
そして、制御手段40は、上記ステップS53で求めた非作動時間tと、記憶部42に記憶された図6のデータベースとから、上記非作動時間tに対応する塗布液の吐出所要時間Tを算出する(ステップS55)。
【0036】
以上のような手順で塗布液の吐出所要時間Tが求められると、制御手段40は、再び図7のメインフローに戻って、ノズル30を基板Pの塗布ポイント上に向けて移動させる制御を開始する(ステップS7)。すなわち、X軸およびY軸サーボモータ22,17を駆動してヘッドユニット14を水平方向に移動させるとともに、Z軸サーボモータ26を駆動して今回塗布動作を行う側のディスペンサヘッド25を下方に移動させることにより、このディスペンサヘッド25のノズル30を上記塗布ポイント上に位置決めする動作を開始する。また、制御手段40は、上記ステップS7でノズル30の移動を開始するのと同時に、タイマーのカウント値tm1をリセットする(ステップS9)。
【0037】
次いで、制御手段40は、上記タイマーのカウント値tm1が上記ノズル30の移動所要時間Tnに達したか否か(tm1≧Tnであるか否か)を判定する(ステップS11)。そして、このステップS11でYESと判定されて上記ノズル30が基板Pの塗布ポイント上に到着したことが確認されたときに、ディスペンサヘッド25に塗布液の吐出を開始させる(ステップS13)。具体的には、エア供給回路50の切替バルブ46に操作信号を出力して切替バルブ46をON状態に変位させることにより、エア供給源44から供給される圧縮空気をディスペンサヘッド25のシリンジ34内に送り込み、これに応じてノズル30から所定量の塗布液を吐出させる。また、制御手段40は、上記ステップS13で切替バルブ46に作動命令を与えるのと同時に、タイマーのカウント値tm2をリセットする(ステップS15)。
【0038】
次いで、制御手段40は、上記タイマーのカウント値tm2が上記塗布液の吐出所要時間Tに達したか否か(tm2≧Tであるか否か)を判定する(ステップS17)。そして、このステップS17でYESと判定されて上記塗布液の吐出動作が完了したこと(ノズル30から所定量の塗布液が吐出されたこと)が確認されたときに、上記ノズル30を基板Pの塗布ポイント上から離間させる制御を開始する(ステップS19)。具体的には、Z軸サーボモータ26を駆動してディスペンサヘッド25を上昇させるとともに、X軸およびY軸サーボモータ22,17を駆動してヘッドユニット14を水平方向に移動させることにより、上記ディスペンサヘッド25のノズル30を次の塗布ポイント等に向けて移動させる。すなわち、制御手段40は、ノズル30は、塗布液の吐出動作が完了するまでの間ノズル30を塗布ポイント上で静止させるとともに、吐出動作が完了すると直ちにこの塗布ポイント上の静止位置から上記ノズル30を離間させる。この場合において、上記のように切替バルブ46の非作動時間tに応じて変化する正確な塗布液の吐出所要時間Tが分かっており、この吐出所要時間Tの変化に応じて上記ノズル30の離間開始タイミングが決定されるようになっているため、上記塗布液の吐出所要時間Tが相対的に短くなれば、その分だけ上記塗布ポイント上でのノズル30の静止時間も短くなる。
【0039】
以上説明したように、上記実施形態によれば、塗布液を貯留したシリンジ34内にエア供給源44からの圧縮空気を導入して所定量の塗布液をノズル30から吐出させる塗布装置2において、上記圧縮空気の供給と停止を切り替える切替バルブ46の非作動時間tに基づいて塗布液の吐出所要時間Tを求めるとともに、この塗布液の吐出所要時間Tに応じて、上記ノズル30を塗布ポイント上の静止位置から離間させるタイミングを変化させるようにしたため、例えば連続運転時のように、上記切替バルブ46の非作動時間tが短いために塗布液の吐出所要時間Tが相対的に短くなる場合に、その分を考慮した早めのタイミングで上記ノズル30を塗布ポイントから離間させて次の塗布ポイント等に移動させることができる。これにより、上記ノズル30の塗布ポイント上での静止時間を短縮することができるため、サイクルタイムをより短縮して生産効率を効果的に向上させることができる。
【0040】
また、上記実施形態のように、制御手段40の記憶部42(駆動実績記憶手段)に上記切替バルブ46の最終作動時刻を記憶させるようにした場合には、この最終作動時刻と現時刻との時間差から容易かつ正確に上記切替バルブ46の非作動時間tを算出することができ、この非作動時間tに応じた塗布液の正確な吐出所要時間Tを容易に求めることができるという利点がある。
【0041】
また、上記実施形態のように、切替バルブ46の非作動時間tと塗布液の吐出所要時間Tとの関係をあらかじめ測定しておき、この実測データに基づいて上記塗布液の吐出所要時間Tを求めるようにした場合には、実機に即したより正確な吐出所要時間Tを求めることができ、これに応じて上記ノズル30の離間タイミングをより適正に設定できるという利点がある。
【0042】
なお、上記実施形態では、塗布プログラム等を記憶する制御手段40の記憶部42に、切替バルブ46の最終作動時刻を併せて記憶させることにより、上記記憶部42を作動実績記憶手段として兼用するようにしたが、例えば切替バルブ46ごとに上記最終作動時刻を記憶するための記憶チップを取り付ける等により、上記記憶部42とは別に上記作動実績記憶手段を構成してもよい。
【0043】
また、上記実施形態では、記憶部42(駆動実績記憶手段)から切替バルブ46の最終作動時刻をその都度読み出し、この最終作動時刻から算出された非作動時間tに基づいて塗布液の吐出所要時間Tを求めるようにしたが、上記記憶部42に記憶される生産プログラムに、各ディスペンサヘッド25,25の使用計画等から予想される各時点での切替バルブ46の非作動時間tおよびこれに基づいた塗布液の吐出所要時間Tをあらかじめ含ませるようにしてもよい。
【0044】
また、上記実施形態では、ノズル30が基板Pの塗布ポイント上に位置決めされた後に、エア供給回路50の切替バルブ46にON信号を出力して塗布液の吐出動作を開始させるようにしたが、上記切替バルブ46へのON信号の出力を上記ノズル30の位置決め完了時点よりも少し前に実行することにより、上記吐出動作を早めに開始させるようにしてもよい。このようにすれば、サイクルタイムをさらに短縮することができる。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【図1】本発明の一実施形態にかかる塗布装置を概略的に示す平面図である。
【図2】上記塗布装置の正面図である。
【図3】上記塗布装置の制御系とエア供給回路の概略を示すブロック図である。
【図4】上記エア供給回路における切替バルブの具体的構成を説明するための図である。
【図5】上記切替バルブの非作動時間と塗布液の吐出所要時間との関係を説明するための図である。
【図6】上記関係を特定するために測定された実測データの内容を示す図である。
【図7】上記塗布装置における塗布動作の一例を示すメインフローチャートである。
【図8】図7に示すフローチャートにおいて実行される塗布液の吐出所要時間算出制御の内容を示すサブルーチンである。
【符号の説明】
【0046】
2 塗布装置
25 ディスペンサヘッド
30 ノズル
34 シリンジ
40 制御手段
42 記憶部(作動実績記憶手段)
44 エア供給源
46 切替バルブ
50 エア供給回路
T (塗布液の)吐出所要時間
t (切替バルブの)非作動時間
P 基板
【出願人】 【識別番号】000010076
【氏名又は名称】ヤマハ発動機株式会社
【出願日】 平成18年7月10日(2006.7.10)
【代理人】 【識別番号】100067828
【弁理士】
【氏名又は名称】小谷 悦司

【識別番号】100096150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 孝夫

【識別番号】100099955
【弁理士】
【氏名又は名称】樋口 次郎


【公開番号】 特開2008−18298(P2008−18298A)
【公開日】 平成20年1月31日(2008.1.31)
【出願番号】 特願2006−189576(P2006−189576)