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【発明の名称】 薄膜塗布装置のノズル構造
【発明者】 【氏名】鰐渕 和雄

【要約】 【課題】ノズル部の先端吐出孔を簡便に取替えでき、メンテナンス性やコスト性に秀れる画期的な薄膜塗布装置のノズル構造を提供する。

【構成】塗工液2をスリット状の先端吐出孔1aから吐出するノズル部1を有する薄膜塗布装置のノズル構造であって、前記ノズル部1は、液供給部sと連通するノズル内液通路4を有するノズル基体部1Aの先端に、このノズル内液通路4と連通するスリット状の前記先端吐出孔1aを構成する一対の分割先端部材5,6を互いに対向面部5a,6aを微小な間隙をおいて対向状態にして且つノズル基体部1Aに対して着脱自在に設けた構成とし、この一対の分割先端部材5,6の対向面部5a,6a間の微小間隙を前記ノズル内液通路4と連通するノズル先端側液通路7とし、この対向面部5a,6a間の微小間隙の先端にしてノズル先端側液通路7の先端を前記先端吐出孔1aとして構成する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
液供給部から供給された塗工液をスリット状の先端吐出孔から吐出するノズル部を有し、このノズル部の先端吐出孔から塗工液を吐出しながら、このノズル部の液吐出方向側に位置する被塗布体とこのノズル部とを相対移動させることで前記被塗布体に塗工液を薄膜状に塗布するように構成した薄膜塗布装置のノズル構造であって、前記ノズル部は、前記液供給部と連通するノズル内液通路を有するノズル基体部の先端に、このノズル内液通路と連通するスリット状の前記先端吐出孔を構成する一対の分割先端部材を互いに対向面部を微小な間隙をおいて対向状態にして且つノズル基体部に対して着脱自在に設けた構成とし、この一対の分割先端部材の対向面部間の微小間隙を前記ノズル内液通路と連通するノズル先端側液通路とすると共に、この対向面部間の微小間隙の先端にしてノズル先端側液通路の先端を前記先端吐出孔として構成したことを特徴とする薄膜塗布装置のノズル構造。
【請求項2】
前記一対の分割先端部材夫々を位置決め当接する位置決め段部を前記ノズル部のノズル基体部の先端側に形成し、この各位置決め段部に各分割先端部材を位置決め当接した状態で、固定手段によりこの各分割先端部材を各位置決め段部に着脱自在に位置決め固定した構成としたことを特徴とする請求項1記載の薄膜塗布装置のノズル構造。
【請求項3】
前記分割先端部材を位置決め当接する前記位置決め段部の当接受け面のうち、前記分割先端部材の対向面部の対向方向にこの分割先端部材を受ける当接受け面と、この分割先端部材との間に介存板材を介存配設し、この介存板材の板厚に応じて前記一対の分割先端部材の対向面部間の対向間隙を拡狭調整自在に構成したことを特徴とする請求項2記載の薄膜塗布装置のノズル構造。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、被塗布体に塗工液を薄膜状に塗布する薄膜塗布装置のノズル構造に関するものである。
【背景技術】
【0002】
被塗布体に塗工液を塗布する装置として、例えば、ダイコーターと呼ばれる薄膜塗布装置がある。
【0003】
これは、例えば特開平08−243476号公報に開示されているように、液供給部からノズル部に供給された塗工液をこのノズル部のスリット状の先端吐出孔から連続的に吐出しつつ、このノズル部の液吐出方向側に位置する被塗布体をこのノズル部に対して相対移動させることによりこの被塗布体に塗工液を薄膜状に塗布するように構成したもので、例えば、被塗布体の表面コーティングや、薄膜フィルムの製造など、種々の用途で使用されるものである。
【0004】
【特許文献1】特開平08−243476号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、この種の薄膜塗布装置は、その構造上、ノズル部のスリット状の先端吐出孔のスリット幅が変化すると、これに伴ってノズル部からの液吐出量が変化し、ひいては、被塗布体に塗布された塗工液の膜厚が変化する。
【0006】
従って、例えばノズル部の先端に物が当たったりしてこのノズル部の先端吐出孔の形状が僅かにでも変形してしまうと、これに伴って塗工液の膜厚が微小に変化してしまう。
【0007】
この種の膜厚塗布装置は、例えば数μmオーダといった極めて高い膜厚精度を要求される装置である為、たとえ微小な変化であったとしても、上記先端吐出孔の変形による膜厚の微小な変化は、この薄膜塗布装置にとって致命的な欠陥となってしまう。
【0008】
そこで従来は、ノズル部に物が接触したりしてこのノズル部の先端吐出孔の形状が変形してしまった場合には、その都度このノズル部を一々新しいものと交換していた為、このノズル部の交換作業が非常に面倒(一般に、金属製にして数メートルにも及ぶ横長形状のノズル部は、数人掛かりで支持しながら交換作業を行わなければならず、それだけ多くの人手や手間を要する。)なだけでなく、ノズル部一体あたりの価格が非常に高価である為、ノズル部の交換の度に甚大なコストがかかるなど作業面やコスト面で大きな問題を有し、これがこの種の薄膜塗布装置におけるランニングコストやメンテナンス費用の高騰を招いていた。
【0009】
尚、この変形したノズル部の先端吐出孔を再加工(寸法出し)して、変形以前の形状に戻すことができれば上記のノズル部の交換を行わずに済むが、しかし、高い精度が要求されるこの種の薄膜塗布装置において、一度変形してしまったノズル部の先端吐出孔の形状を元に戻すことは加工上極めて困難で、それだけ多大な手間と時間とを要しながら、結局、狙い通りの寸法に完全に戻せない(寸法再現性に問題がある)など実用上の問題点を有することから殆ど実施されることはなく、やはり、変形してしまったノズル部は新しいものと交換しているのが現状である。
【0010】
本発明は、上述のような問題点に鑑みて完成したものであって、薄膜塗布装置のノズル部を、液供給部と連通するノズル内液通路を有するノズル基体部の先端に、先端吐出孔を構成する一対の分割先端部材を着脱自在に設けて成る構成とすることで、ノズル部の先端の分割先端部材の取り替えによりノズル部の先端吐出孔の取り替えが可能とし、これにより、仮に先端吐出孔が変形してしまった場合にも、従来例のように一々ノズル部を丸ごと一体交換する必要はなく、単に分割先端部材の取り替え(先端吐出孔の取り替え)だけで先端吐出孔の形状を修正でき、それだけ(持ち運びや取り扱いがラクで)交換作業を簡単に作業効率良く行えるうえに交換部品のコストも抑えることができ、よって、作業性及びコスト性に秀れランニングコストやメンテナンス費用の削減を確実に図り得、併せてノズル部を丸ごと一体交換・破棄せずに済むから環境面にも秀れたこれまでにない画期的で実用性に秀れた薄膜塗布装置のノズル構造を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
添付図面を参照して本発明の要旨を説明する。
【0012】
液供給部sから供給された塗工液2をスリット状の先端吐出孔1aから吐出するノズル部1を有し、このノズル部1の先端吐出孔1aから塗工液2を吐出しながら、このノズル部1の液吐出方向側に位置する被塗布体3とこのノズル部1とを相対移動させることで前記被塗布体3に塗工液2を薄膜状に塗布するように構成した薄膜塗布装置のノズル構造であって、前記ノズル部1は、前記液供給部sと連通するノズル内液通路4を有するノズル基体部1Aの先端に、このノズル内液通路4と連通するスリット状の前記先端吐出孔1aを構成する一対の分割先端部材5,6を互いに対向面部5a,6aを微小な間隙をおいて対向状態にして且つノズル基体部1Aに対して着脱自在に設けた構成とし、この一対の分割先端部材5,6の対向面部5a,6a間の微小間隙を前記ノズル内液通路4と連通するノズル先端側液通路7とすると共に、この対向面部5a,6a間の微小間隙の先端にしてノズル先端側液通路7の先端を前記先端吐出孔1aとして構成したことを特徴とする薄膜塗布装置のノズル構造に係るものである。
【0013】
また、前記一対の分割先端部材5,6夫々を位置決め当接する位置決め段部8を前記ノズル部1のノズル基体部1Aの先端側に形成し、この各位置決め段部8に各分割先端部材5,6を位置決め当接した状態で、固定手段Lによりこの各分割先端部材5,6を各位置決め段部8に着脱自在に位置決め固定した構成としたことを特徴とする請求項1記載の薄膜塗布装置のノズル構造に係るものである。
【0014】
また、前記分割先端部材5,6を位置決め当接する前記位置決め段部8の当接受け面8aのうち、前記分割先端部材5,6の対向面部5a,6aの対向方向にこの分割先端部材5,6を受ける当接受け面8aと、この分割先端部材5,6との間に介存板材9を介存配設し、この介存板材9の板厚に応じて前記一対の分割先端部材5,6の対向面部5a,6a間の対向間隙を拡狭調整自在に構成したことを特徴とする請求項2記載の薄膜塗布装置のノズル構造に係るものである。
【発明の効果】
【0015】
本発明は上述のように構成したから、例えば、ノズル部の先端吐出孔が不意に変形してしまった場合にも、従来例のようにこのノズル部を丸ごと一体交換するのではなく、このノズル部のノズル基体部の先端に着脱自在に設けた分割先端部材を取り替えるだけでノズル部の先端吐出孔の形状の修正を達成できる。
【0016】
即ち、本発明はノズル部の先端に着脱自在に設ける分割先端部材の取り替えにより、このノズル部の先端吐出孔の取り替えが行えるので、ノズル部の先端吐出孔に変形などの不具合が生じて取り替えを余儀なくされた場合にも、ノズル部を丸ごと一体交換する従来手法に比べて分割先端部材だけの取り替えで済み簡単に作業効率良く取り替え作業が行え、また、交換部品のコストもノズル部一体丸ごとに比べて少なく抑えることが可能で、更に、例えばノズル部の先端吐出孔の付近の液通路(ノズル先端側液通路)の液との接触面(つまり先端分割部材の対向面部)を磨き直したりする場合のメンテナンス作業も、この先端分割部材をノズル部の先端から取り外して簡単に行えるなど、作業性及びコスト性に極めて秀れランニングコストやメンテナンス費用の削減を確実に図り得、併せてノズル部を丸ごと一体交換・破棄せずに済むのでそれだけ環境面にも秀れるなど、画期的で実用性に秀れた薄膜塗布装置のノズル構造となる。
【0017】
また、請求項2記載の発明においては、ノズル基体部の先端側に形成した位置決め段部の段部底面や、この段部底面の端部の立ち上がり面(若しくは立ち下がり面)などの複数の面(当接受け面)に分割先端部材を位置決め当接させた上で適宜な固定手段により固定することができるので、分割先端部材を一層簡単に、しかも適切な位置に確実に位置決めた状態でノズル基体部に固定でき、よって、ノズル部の先端吐出孔の取り替え作業を一層簡単且つ良好に行える実用性に秀れた薄膜塗布装置のノズル構造となる。
【0018】
また、請求項3記載の発明においては、分割先端部材と、ノズル基体部の位置決め段部の当接受け面との間に介存配設する介存板材の板厚調整により、一対の分割先端部材の対向面部間の対向間隙の拡狭調整、即ちノズル部のスリット状の先端吐出孔のスリット間隔の拡狭調整を行うことができる。
【0019】
つまり、これまでは困難であったスリット状の先端吐出孔のスリット間隔の微量調整(オーダが小さく精度良い調整が非常に難しかった。)を、本発明においては、介存板材の板厚調整で簡単且つ精度良く達成することができ、しかも、この介存板材は塗工液と接触することのない位置に介存配設されるので、例えば液接触による腐食などの心配がなく、また介存板材が液で濡れることがないぶん、この介存板材を取り替えたりするメンテナンス作業もそれだけ作業性良く進展できる。
【0020】
よって、介存板材によるスリット間隔の微量調整によりスリット状の先端吐出孔のスリット幅を調整し様々な膜厚の薄膜塗布に良好に対応できると共に、メンテナンスなどの作業性秀れるなど、一層実用性及び作業性に秀れた薄膜塗布装置のノズル構造となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
好適と考える本発明の実施形態(発明をどのように実施するか)を、図面に基づいて本発明の作用を示して簡単に説明する。
【0022】
ノズル部1は、前記液供給部sと連通するノズル内液通路4を有するノズル基体部1Aの先端に、このノズル内液通路4と連通するスリット状の前記先端吐出孔1aを構成する一対の分割先端部材5,6を着脱自在に設けて成る構成としている。
【0023】
このノズル基体部1Aの先端に着脱自在に設けた一対の分割先端部材5,6は、互いに対向面部5a,6aを微小な間隙をおいて対向状態に設けており、その対向面部5a,6a間の微小間隙を、前記ノズル基体部1Aのノズル内液通路4と連通するノズル先端側液通路7として構成し、更にこの対向面部5a,6a間の微小間隙の先端、つまりノズル先端側液通路7の先端をスリット状の前記先端吐出孔1aとして構成している。
【0024】
従って、塗工液2の薄膜塗布を行う際、液供給部sから供給される塗工液2は、ノズル部1のノズル基体部1Aのノズル内液通路4を流通し、このノズル内液通路4と連通する前記一対の分割先端部材5,6の対向面部5a,6a間の微小間隙、即ちノズル先端側液通路7へと導入され、このノズル先端側液通路7の先端のスリット状の先端吐出孔1aから吐出されることとなる。
【0025】
また、本発明では、上記の通りノズル部1の先端吐出孔1aを、ノズル基体部1Aの先端部に設けた一対の分割先端部材5,6により構成している。故に、この一対の分割先端部材5,6を夫々ノズル基体部1Aから自由に取り外し(脱着)可能である。
【0026】
従って、本発明では、例えばノズル部1の先端吐出孔1aに変形などの不具合が生じた場合には、ノズル部1を一体丸ごと装置から取り外して新しいものと取り替える必要はなく、単にこのノズル部1の先端の分割先端部材5,6を取り替えることによりノズル部1の先端吐出孔1aの取り替えが可能となる。また、例えばノズル部1の先端吐出孔1aの近辺の液通路(即ちノズル先端側液通路)の液接触面に磨きを掛けたい場合には、ノズル部1の先端の分割先端部材5,6を取り外してこの各分割先端部材5,6の対向面部5a,6a夫々に磨きを掛けることでこのノズル部1の先端吐出孔1aの近辺の液通路の液接触免の表面仕上げを良好に行えることとなる。
【0027】
よって、本発明は、ノズル部1の先端吐出孔1aを簡単且つ低コストに交換でき、加えてノズル部1の種々のメンテナンス作業なども良好に行えるなどの作業性及びコスト性に秀れたノズル構造となり、ひいては、この種の薄膜塗布装置におけるランニングコストやメンテナンス費用の削減を確実に図り得ることとなる。
【0028】
尚、例えば、一対の分割先端部材5,6夫々を位置決め当接する位置決め段部8を前記ノズル部1のノズル基体部1Aの先端側に形成し、この各位置決め段部8に各分割先端部材5,6を位置決め当接した状態で、固定手段Lによりこの各分割先端部材5,6を各位置決め段部8に着脱自在に位置決め固定した構成とした場合には、分割先端部材5,6を夫々位置決め段部8に位置決めた上で適宜な固定手段Lによりノズル基体部1Aの先端部に固定できることとなるので、ノズル基体部1Aに対して微妙な取り付け位置のズレも許容されないこの種の(高い寸法精度が要求される)薄膜塗布装置において、各分割先端部材5,6をノズル基体部1Aの所定の位置に的確に位置決めして固定できるなど、一層作業性及び実用性に秀れることとなる。
【0029】
特に、例えば位置決め段部8の分割先端部材5,6を位置決め当接する当接受け面8aと、分割先端部材5,6との間に介存板材9を介存配設し、この介存板材9の板厚に応じて前記一対の分割先端部材5,6の対向面部5a,6a間の対向間隙を拡狭調整することも可能となる。即ち、例えば分割先端部材5,6の対向面部5a,6aと平行な前記位置決め段部8の当接受け面8のように、位置決め段部8の複数の当接受け面8のうち前記分割先端部材5,6の対向面部5a,6aの対向方向にこの分割先端部材5,6を受ける当接受け面8aと、分割先端部材5,6との間に、所定板厚の介存板材9を介存配設すると、この介存板材9の板厚のぶんだけ分割先端部材5,6の対向面部5a,6a同志が互いに離間方向に位置ズレすることとなり、これにより分割先端部材5,6の対向面部5a,6a間の対向間隔、ひいては、ノズル部1のスリット状の先端吐出孔1aのスリット間隔を介存板材9の板厚に応じて簡単に精度良く微量調整するといったことも可能となる。
【実施例】
【0030】
本発明の具体的な実施例について図面に基づいて説明する。
【0031】
本実施例は、液供給部sから供給された塗工液2をノズル部1のスリット状の先端吐出孔1aから吐出しながら、このノズル部1の液吐出側に位置する被塗布体3と、このノズル部1とを相対移動させることでこの被塗布体3に塗工液2を薄膜状に塗布する薄膜塗布装置のノズル構造に係るものである。
【0032】
本実施例のノズル部1は、図1に図示したように、前記液供給部sと連通するノズル内液通路4を有するノズル基体部1Aの先端に、このノズル内液通路4と連通するスリット状の前記先端吐出孔1aを構成する一対の分割先端部材5,6を互いに対向面部5a,6aを微小な間隙をおいて対向状態にして且つノズル基体部1Aに対して着脱自在に設けた構成とし、この一対の分割先端部材5,6の対向面部5a,6a間の微小間隙を前記ノズル内液通路4と連通するノズル先端側液通路7とすると共に、この対向面部5a,6a間の微小間隙の先端にしてノズル先端側液通路7の先端を前記先端吐出孔1aとして構成したものである。
【0033】
各部を具体的に詳述すると、ノズル基体部1Aは、図1に図示したように、一対のノズル半体1AA,1ABを重合連結して成る構成とする。
【0034】
また、この一対のノズル半体1AA,1ABのうち一方(図1中、下方)のノズル半体1ABには、前記液供給部sの供給用管10を連通接続する液導入路11を形成し、この液導入路11の下流側にして先端側(図1中、左端側)に液溜部12を形成し、更に、この液溜め部12を介して基端側(図1中、右側)にして前記一対のノズル半体1AA,1AB間に挟まれるようにしてシム13a(薄板状のスペーサ)を介存配設することでこの一対のノズル半体1AA,1AB間にして前記液溜部12より先端側に微小間隙を形成してこの間隙を是前記液溜部12と連通する間隙液通路13として構成する。
【0035】
従って、この重合(シム13aを介して重合)連結する一対のノズル半体1AA,1ABから成るノズル基体部1Aは、液導入路11,液溜部12及び間隙液通路13によってノズル内液通路4を構成し、前記液供給部sの供給用管10から供給された塗工液2は、前記液導入路11を介して一旦液溜部12に溜まって整流(整圧)されて間隙液通路13から先端の前記ノズル先端側液通路7へと導入される。
【0036】
尚、この種の薄膜塗布装置において、ノズル部1へと塗工液2を供給する液供給部sとしては様々な構造があり、図示した本実施例は、供給用管10からノズル部1へと供給する方式を採用しているが、このような液供給部sの構造の詳細な説明は、本発明の要旨と直接関係しないので省略する。
【0037】
また、このノズル基体部1Aの先端側には、一対の分割先端部材5,6夫々を位置決め当接する位置決め段部8を形成している。
【0038】
この位置決め段部8は、図1及び図2に図示したように、ノズル基体部1Aを構成する一対のノズル半体1AA,1ABの各先端側に夫々設けたものであり、具体的には、このノズル基体部1Aに固定する各分割先端部材5,6の対向面部5a,6aに沿った(平行な)面方向に当接受け面8aを形成し、この当接受け面8aの基端側と先端側の両端側(図1中、左右両側)に直角に立ち上がり状態若しくは立ち下がり状態に当接受け面8aを形成した構成としている。
【0039】
また、この当接受け面8aの前記立ち上がり状態若しくは立ち下がり状態の当接受け面8a間に形成した各分割先端部材5,6の対向面部5a,6aに沿った面方向の当接受け面8aの表面には、図2に図示したように、後述の固定手段Lの螺着杆15(止めボルト)が螺入する螺着溝14(雌ネジ溝)を複数形成している。
【0040】
このノズル基体部1Aの先端部に着脱自在に設ける分割先端部材5,6は、図1及び図2に図示したように、前記ノズル基体部1の各位置決め段部8夫々に形成した3面の当接受け面8aに位置決め当接してこの位置決め段部8の段形状に合致する側断面視略L字状を呈する形状に形成している。
【0041】
また、この各分割先端部材5,6は、図1及び図2に図示したように、後述の固定手段Lの螺着杆15(止めボルト)のボルト頭が当接する段部を有するボルト挿通孔16を、前記ノズル基体部1Aの位置決め段部8の螺着溝14に対応する位置に夫々形成している。
【0042】
本実施例は、この各分割先端部材5,6を位各位置決め段部8に置決め当接した状態で、固定手段Lによりこの各分割先端部材5,6を各位置決め段部8に着脱自在に位置決め固定した構成である。具体的には、各分割先端部材5,6をノズル基体部1Aの先端側の各位置決め段部8の当接受け面8aに受けさせ、この各分割先端部材5,6のボルト挿通孔16夫々に挿通した螺着杆15を、位置決め段部8の各螺着溝14に締め付け螺着することで各分割先端部材5,6をノズル基体部1Aの先端側にこの分割先端部材5,6同士が近接する方向に締め付け固定する。
【0043】
このようにノズル基体部1Aの先端部に位置決め固定した各先端分割部材5,6は、その各先端側にして互いに対向する位置に対向面部5a,6aを有し、この対向面部5a,6aを微小間隙をおいて略並行に対向させるように構成している。
【0044】
以上のように構成したノズル部1は、先端分割部材5,6をノズル基体部1の先端側に形成した位置決め段部8に位置決め当接した状態で前記螺着杆15を螺着することでノズル基体部1の所定の位置に的確に位置決めて取り付け固定でき、また、この螺着間15の螺脱によりノズル基体部1から簡単に取り外すこともできる。
【0045】
また、図示した本実施例においては、各分割先端部材5,6を位置決め当接する前記位置決め段部8の当接受け面8aのうち、前記分割先端部材5,6の対向面部5a,6aの対向方向にこの分割先端部材5,6を受ける当接受け面8a(即ち、図1に図示したように立ち上がり状態若しくは立ち下がり状態に形成される当接受け面8a間にしてこの位置決め段部8に位置決めした分割先端部材5,6の対向面部5a,6aと平行な面方向に形成される当接受け面8a)と、この分割先端部材5,6との間に介存板材9を介存配設している。
【0046】
この介存板材9は、前記固定手段Lの螺着杆15が挿通する貫通孔17を複数形成した平板材であって、図2に図示したように分割先端部材5,6の横幅と略同等な長さを有する帯状に形成したものである。
【0047】
従って、この介存板材9の板厚を厚く設定すれば一対の分割先端部材5,6の対向面部5a,6aが前記介存板材9の板厚の分だけ互いに離間方向に位置がズレるから、この介存板材9の板厚調整により前記分割先端部材5,6の対向面部5a,6a間の対向間隙、即ちスリット状の先端吐出孔1aのスリット間隔を拡狭調整できる。例えばボルトの締め付けなどによりノズル部1の先端部を撓み変形させて先端吐出口1aのスリット間隔を調整するのは非常に困難(ボルトの締め調整では高い精度での調整が困難)であるが、本実施例は、単に一定板厚の薄板状の介存板材9を前記分割先端部材5,6と位置決め段部8との間に介存配設するだけで簡単に先端吐出孔1aのスリット間隔の微量調整を行える。
【0048】
この介存板材9は、図1に図示したノズル基体部1Aのノズル半体1AA,1AB間に介存配設されるシム13aとは異なり、塗工液2と接触しない位置に配設されるものであるから、液に濡れる心配はなく、また、例えば介存板材9を、図2に図示したように長尺な(分割先端部材5,6の幅と略同等な長さの)サイズに形成しなくとも、小さいサイズに形成した複数枚の介存板材9を所定間隔をあけて各分割先端部材5,6の幅方向に並設状態に介存配設することもできる(ノズル部1内の塗工液2が液漏れする心配はない)。
【0049】
以上のように構成した本実施例に係る薄膜塗布装置は、ノズル基体部1Aの先端部に着脱自在に設けた一対の分割先端部材5,6の対向面部5a,6a間に所望の微小間隙を形成して薄溝状のノズル先端側液通路7とスリット状の先端吐出孔1aとを良好に形成することができるので、例えば、ノズル基体部1Aは一対のノズル半体1AA,1ABをシム13aを介して重合連結した構成せず、液供給部sから供給された塗工液2を前記ノズル先端側液通路7へと導入するノズル内液通路4を有する一体形成品として構成することも設計実現可能である。
【0050】
尚、図3は、本実施例に係る薄膜塗布装置の使用状態を示す図であり、詳述すると、液供給部sの供給用管10から供給される塗工液2は、ノズル部1のノズル基体部1Aのノズル内液通路4(液導入路11,液溜部12及び間隙液通路13)を流通してこのノズル基体部1Aの先端に固定された一対の分割先端部材5,6の対向面部5a,6a間の間隙にしてノズル先端側液通路7に導入されこのノズル先端側液通路7の先端のスリット状の先端吐出孔1aから吐出される。同時に、このノズル部1の先端吐出孔1aの液吐出方向側(図3中、左側)に位置する被塗布体3が、移動手段(搬送ローラ)によりこのノズル部1の先端吐出孔1aのスリット長さ方向と直交する方向に相対移動される。これにより、ノズル部1の先端吐出孔1aから吐出した塗工液2を被塗布体3に薄膜状に塗布する。
【0051】
本実施例は、以上のように構成したから、図3に図示したように、被塗布体3に塗工液2を薄膜状に塗布できることは勿論、ノズル部1の先端に着脱自在に設ける分割先端部材5,6の取り替えにより、このノズル部1の先端吐出孔1aの取り替えが可能で、従って、ノズル部1の先端吐出孔1aが例えば変形するなどして破損してしまった場合に、ノズル部1を丸ごと一体交換するのではなく前記分割先端部材5,6だけのパーツ交換のみで済み、それだけ作業効率良く簡単に取り替え作業が可能なだけでなく、交換部品のコストもノズル部1一体丸ごとに比べて最小限に抑えることができ、また、先端吐出孔1aの付近の液通路(ノズル先端側液通路7)の液との接触面(つまり先端分割部材5,6の対向面部5a,6a)のメンテナンス作業(磨き直しなど)も、各先端分割部材5,6をノズル基体部1Aから取り外して簡便に行えるなど実用性に秀れ、この種の薄膜塗布装置に極めて好適なノズル構造となる。
【0052】
また、本実施例では、上述のように介存板材9の簡単な取替え作業によりノズル部1の先端吐出孔1aのスリット間隔の拡狭調整を行えるので、一組の分割先端部材5,6だけで様々なスリット間隔の先端吐出孔1aを実現でき、また、介存板材9を使用せずに、例えば前記ノズル基体部1Aの先端に取り付けた際の対向面部5a,6a間の対向間隔が異なる(先端吐出孔1aのスリット間隔が異なる)複数組の分割先端部材5,6を予め用意しておき、使用用途に応じてこの複数組の分割先端部材5,6の中から一組を適宜付け替えて使用してもよく、このように様々な膜厚設定での薄膜塗布作業に対応した実用性に秀れた薄膜塗布装置を実現できる画期的なノズル構造となる。
【0053】
尚、本発明は、本実施例に限られるものではなく、各構成要件の具体的構成は適宜設計し得るものである。
【図面の簡単な説明】
【0054】
【図1】本実施例に係る薄膜塗布装置のノズル構造の説明側断面図である。
【図2】本実施例に係る薄膜塗布装置のノズル構造の説明分解斜視図である。
【図3】本実施例に係る薄膜塗布装置の使用状態を示す図である。
【符号の説明】
【0055】
1 ノズル部
1A ノズル基体部
1a 先端吐出孔
2 塗工液
3 被塗布体
4 ノズル内液通路
5 分割先端部材
5a 対向面部
6 分割先端部材
6a 対向面部
7 ノズル先端側液通路
8 位置決め段部
8a 当接受け面
9 介存板材
L 固定手段
s 液供給部
【出願人】 【識別番号】592037077
【氏名又は名称】クリーン・テクノロジー株式会社
【出願日】 平成18年7月3日(2006.7.3)
【代理人】 【識別番号】100091373
【弁理士】
【氏名又は名称】吉井 剛

【識別番号】100097065
【弁理士】
【氏名又は名称】吉井 雅栄


【公開番号】 特開2008−12391(P2008−12391A)
【公開日】 平成20年1月24日(2008.1.24)
【出願番号】 特願2006−183840(P2006−183840)