トップ :: B 処理操作 運輸 :: B05 霧化または噴霧一般;液体または他の流動性材料の表面への適用一般

【発明の名称】 塗装装置
【発明者】 【氏名】中山 和彦

【氏名】伊藤 毅

【氏名】中本 彰一

【氏名】桐畑 幸弘

【氏名】深尾 健弘

【要約】 【課題】簡単な構成でニードル弁の芯ずれを防止することで塗料の噴出量を細かく調節することができる塗装装置を提供する。

【構成】ソレノイド2の可動鉄芯21にニードル31を取り付け、可動鉄芯21の往復動によってニードル31の先端部をノズル10に形成したシート部10bに離接させることで、ノズル10の流路を開閉して塗料の噴出及び停止を行うようにした塗装装置1であって、可動鉄芯21とニードル31との間に該可動鉄芯21とニードル31の芯ずれを吸収してノズル10とニードル31の芯ずれを防止する芯ずれ防止装置4を設け、ノズル10の流路を開にして継続させる時間を2乃至10msecとする制御部95を設けた。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ソレノイドの可動鉄芯にニードルを取り付け、可動鉄芯の往復動によってニードルの先端部をノズルに形成したシート部に離接させることで、ノズルの流路を開閉して塗料の噴出及び停止を行うようにした塗装装置であって、可動鉄芯とニードルとの間に該可動鉄芯とニードルの芯ずれを吸収してノズルとニードルの芯ずれを防止する芯ずれ防止装置を設け、ノズルの流路を開にして継続させる時間を2乃至10msecとする制御部を設けて成ることを特徴とする塗装装置。
【請求項2】
芯ずれ防止装置は、内部に空洞を有する箱状体を形成すると共に該箱状体の一側壁にニードルの軸部の径よりも大径の挿通孔を穿設して、箱状体の前記一側壁と反対側の側壁を可動鉄芯に固定し、ニードルの基端部に箱状体の挿通孔よりも大きくて空洞内に収容された時にその内壁面との間に隙間が形成される寸法形状に形成した膨大部を形成し、ニードルの軸部を箱状体の挿通孔に挿通した状態で膨大部を箱状体の空洞内に収容して成ることを特徴とする請求項1記載の塗装装置。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、ニードル弁を有するノズルを備えた塗装装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、外壁材等のような部材を塗装する塗装装置として、いわゆるインクジェットプリンターや、グラビアオフセット印刷やフレキソ印刷等のロール印刷装置が挙げられる。インクジェットプリンターを用いる場合、汎用性があるものの、一般に粘度の低い塗料しか使用することができず塗料に制約を受けるものであり、ロール印刷装置を用いる場合には、汎用性がないため、多種少量生産を行う場合には向いていない。
【0003】
そこで、インクジェットプリンターのように汎用性があり且つ粘度の高い塗料でも使用することができるように、ニードル弁を有するノズルを備えた塗装装置が用いられている(例えば特許文献1参照)。図12に従来の塗装装置を示し、その概略について説明する。塗装装置は、スプレーノズル91’を備えたベース92’に支持部材93’を固定すると共に、支持部材93’にソレノイド94’を備えたブラケット95’を固定してある。ノズル91’は、噴霧口96’の開閉をニードル弁のニードル97’の軸方向の往復運動により行うもので、ニードル97’はその上端部をソレノイド94’の可動鉄芯98’に固定してあり、可動鉄芯98’の往復運動がそのままニードル97’の往復運動となっている。
【0004】
このようなニードル弁を有するノズル91’を備えた塗装装置にあっては、スプレーノズル91とニードル97’とが芯ずれを起こし易いものである。芯ずれが発生すると、摩擦が増大して、動きがスムーズにいかずに思い通りの開閉制御ができなかったり、ソレノイド94に過度の負担が掛かって焼きついたり、塗料の流量のばらつきや漏れが発生したりする不具合が生じてしまう。
【0005】
ところで、外壁材等のような部材への塗装は、塗料の噴出量を細かく調節する程、所望の塗装に近づけることができるが、塗料の噴出量を細かく調節しようとすると、ニードル弁を高速で開閉する必要が生じる。しかしながら、ニードル弁を高速で開閉すると、芯ずれがより発生し易くなる。芯ずれ対策として、ロッカーアーム・カム等の部材を介在させて芯ずれを解消しようとすると、ロッカーアーム・カム等の部材の配置スペースを要すると共に、動力伝達構造が複雑化して部品点数が増えることとなって故障因子が増えてしまう。
【特許文献1】特開2002−192021号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は上記の点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、簡単な構成でニードル弁の芯ずれを防止することで塗料の噴出量を細かく調節することができる塗装装置を提供することを課題とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために請求項1に係る発明にあっては、ソレノイド2の可動鉄芯21にニードル31を取り付け、可動鉄芯21の往復動によってニードル31の先端部をノズル10に形成したシート部10bに離接させることで、ノズル10の流路を開閉して塗料の噴出及び停止を行うようにした塗装装置1であって、可動鉄芯21とニードル31との間に該可動鉄芯21とニードル31の芯ずれを吸収してノズル10とニードル31の芯ずれを防止する芯ずれ防止装置4を設け、ノズル10の流路を開にして継続させる時間を2乃至10msecとする制御部95を設けて成ることを特徴とするものである。
【0008】
これにより、ロッカーアームのような部材を設けることなく芯ずれを防止することが可能となり、これによりニードル弁3を高速で開閉して塗料の噴出量を細かく調節することができるものである。
【0009】
また請求項2に係る発明にあっては、請求項1に係る発明において、芯ずれ防止装置4は、内部に空洞50を有する箱状体5を形成すると共に該箱状体5の一側壁51にニードル31の軸部32の径よりも大径の挿通孔54を穿設して、箱状体5の前記一側壁51と反対側の側壁52を可動鉄芯21に固定し、ニードル31の基端部に箱状体5の挿通孔54よりも大きくて空洞50内に収容された時にその内壁面との間に隙間が形成される寸法形状に形成した膨大部33を形成し、ニードル31の軸部32を箱状体5の挿通孔54に挿通した状態で膨大部33を箱状体5の空洞50内に収容して成ることを特徴とするものである。
【0010】
これにより、配置スペースを取らない簡単な構成で芯ずれ防止装置4を構成することができるものである。
【発明の効果】
【0011】
本発明にあっては、ロッカーアームのような部材を設けることなく芯ずれを防止することが可能となり、これによりニードル弁3を高速で開閉して塗料の噴出量を細かく調節することができ、所望の塗装を施すことができるものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
本発明の一実施形態について図面に基づいて説明する。本発明の塗装装置はニードル弁を有するノズルを備えたものであり、本実施形態では、この塗装装置を用いた塗装システムが構築してあり、まず塗装装置について説明する。
【0013】
塗装装置1は、図3に示すように、ノズル10を備えた本体部11と、ベース部に固定される下フレーム12と、下フレーム12に固定される上フレーム13と、上フレーム13に固定されるソレノイド2とで主体が構成され、更に芯ずれ防止装置4を備えている。
【0014】
本体部11には塗料を霧化して噴出するノズル10が形成されると共に、ノズル10はニードル弁3を有するもので、これについて説明する。
【0015】
本体部11には、図4に示すように、平面視で略中央部に上下に貫通する貫通孔11aが形成してあり、この貫通孔11aにニードル弁3のニードル31(図11参照)が挿通されると共に、貫通孔11aの下部に、下端部の内壁面が前記ニードル31の先端部の斜面(本実施形態ではニードル31の下端部の球状曲面)が着座面となるように下端部を絞ってシート部10bを形成したノズル10が取り付けてあり、前記ニードル31およびシート部10bにてニードル弁3が構成される。貫通孔11aの途中には塗料流入路16が接続してあり、塗料流入路16より貫通孔11aに流入した塗料が貫通孔11aを下方に流れてノズル10の下端の噴出口10aから下方に向けて噴出される。また、貫通孔11aの前記塗料流入路16が接続される部分の上側には、例えば内部にニードル31が挿通するOリング等からなるシール部材15が設けてあり、貫通孔11aに流入した塗料が貫通孔11aの上開口から漏れ出ないようになっている。また、ノズル10の下端部の周囲にはエアー供給路17が形成してあると共にエアー供給路17にはエアー流入路18が接続してあり、霧化エアーが供給されるようになっている。また、ノズル10の下端部にはノズルキャップ19を設けてあり、この付近の詳細について図4(b)に基づいて説明する。
【0016】
ノズルキャップ19には貫通孔19aが形成してあり、この貫通孔19aの一方の開口19bがノズル10の下端部付近に位置してエアー供給路17に連通し、貫通孔19aの他方の開口がワーク(塗装対象)に向けて霧化エアーにより霧化された塗料が該霧化エアーの噴出力により噴出される霧化塗料噴出口19cとなる。ノズルキャップ19の貫通孔19aの長さl(前記一方の開口19bから霧化塗料噴出口19cまでの長さ)は10mm以上あり、その内径dはφ3.0mm(後述するが霧化塗料噴出口19cに向けて絞られている)であり、ノズル10の外径dはφ2.5mm、噴出口10aの内径dはφ0.5mmであり、ノズル10は前記貫通孔19aの一方の開口19bから内部に挿入されて、その下端部の噴出口10aは霧化塗料噴出口19cの手前3.5mm〜4.5mmの位置に配置される。また、霧化塗料噴出口19cの内径dはφ2.5〜2.7mmとなっており、貫通孔19aのノズル10が配置されている上記内径dφ3.0mmとなっている部分から霧化塗料噴出口19cにかけて内面がテーパ面19dとなっている。
【0017】
貫通孔19a内でノズル10の外側の部分には霧化エアーが供給され、ノズル10の噴出口10aから噴出される液体の塗料と混合されて霧化塗料となり、この霧化塗料が霧化塗料噴出口19cから噴出される。これにより、ワークの表面に線幅12〜18mmの線を塗装することが可能となる。
【0018】
この本体部11には、側端に上方に突出する下フレーム12が連設又は固定してあり、この下フレーム12に上フレーム13が固定される。上フレーム13は、縦固定片13aと水平調節片13bとからなり、縦固定片13aは下端部が下フレーム12にボルト等により固定される。水平調節片13bは、縦固定片13aの上端部から水平方向に突出するように固定されるもので、調節ねじ14を調節することで縦固定片13aへの固定位置を上下方向に調節自在となっている。水平調節片13bの先端側にはソレノイド2が固定される。
【0019】
ソレノイド2は、可動鉄芯21が上下に直線的に往復運動を行うように設置されており、可動鉄芯21の下端部には後述する芯ずれ防止装置4を介してニードル31が固定される。このソレノイド2は、可動鉄芯21に固定されたニードル31が平面視において本体部11のノズル10のシート部10bと重なるように配置される。
【0020】
上述した塗装装置1は、ソレノイド2を稼働させて可動鉄芯21およびニードル31の下端部の球状をした斜面をノズル10下端のシート部10bから上方に離間させることで、ノズル10の下端の噴出口10aを開口させて塗料を噴出口10aから噴出させ、ニードル31の下端部の尖先部を下方に移動させてノズル10下端のシート部10bに当接させることで、ノズル10の下端の噴出口10aを閉塞して塗料の噴出口10aからの噴出を停止している。
【0021】
また、ニードル31の芯とシート部10bの芯(ノズル10の噴出口10aの芯)との間に芯ずれが発生してしまわないように芯ずれ防止装置4を設けている。芯ずれ防止装置4は、箱状体5と、ニードル31の基端部に形成される膨大部33とで主体が構成される。箱状体5は、内部に空洞50を有すると共に、その一側壁51にニードル31の軸部32の径よりも大径で膨大部33の径よりも小径の挿通孔54を穿設して形成してあり、この箱状体5の前記一側壁51と反対側の側壁52が可動鉄芯21に固定される。また膨大部33は、箱状体5の空洞50内に収容された際に、前記挿通孔54から脱落しないように挿通孔54より大きく且つ、空洞50の内壁面との間に0.2〜1.0mmの隙間が形成されて、空洞50内で動き得るような寸法形状に形成されるもので、本実施形態では球状に形成してある。
【0022】
箱状体5は、本実施形態では、上下に二つ割れとなる略円筒箱形状をしたもので、図6に上側の箱状体5aを示すと共に図7に下側の箱状体5bを示し、図5に上側の箱状体5aと下側の箱状体5bを螺合して一つの箱状体5としたものを示す。箱状体5は、内部の空洞50の対向する一対の内壁面51a、52aを互いに平行な平面とすると共に、前記一対の内壁面のうちの一方の内壁面51aを有する側壁51に上記挿通孔54を穿設し、箱状体5の空洞50の前記一対の内壁面のうちの他方の内壁面52aを有する側壁52をその内壁面52aが可動鉄芯21の往復動方向に垂直となるように可動鉄芯21に固定してある。ここでは、側壁52から雄ねじ55aを形成した突出軸部55を突設し、前記雄ねじ55aを可動鉄芯21の下端部に形成した雌ねじに螺着して固定してある。
【0023】
また本実施形態では、空洞50内で膨大部33を受ける第一の受け部材6、第二の受け部材7を設けてある。
【0024】
第一の受け部材6は、図8に示すように、一面がニードル31の膨大部33のニードル先端側の面33aを受ける受け面61となると共に、前記受け面61と反対側の面33bが箱状体5の空洞50の一方の内壁面51aと当接する当接面62となるもので、受け面61と当接面62とを貫く方向にニードル31の軸部32が挿通され、ニードル31の軸部32の径よりも大径で膨大部33の径よりも小径の受け部挿通孔60を穿設してある。この第一の受け部材6は、その当接面62と箱状体5の空洞50の一方の内壁面51aとが当接又は対向すると共に、受け面61と膨大部33のニードル先端側の面33aとが当接又は対向した状態で空洞50内に収容されるが、この時、空洞50の一方の内壁面51aに沿って移動し得る隙間Sが空洞50の一方の内壁面51aに隣接する側面との間に形成されるような寸法形状となっている。ただし、箱状体5の挿通孔54から脱落しないように挿通孔54より大きく形成してある。受け面61は、球状をしたニードル31の膨大部33を受けるべく膨大部33の球面と同様かそれより径が+3〜10%の径の球面としてある。
【0025】
第二の受け部材7は、図9に示すように、一面がニードル31の膨大部33のニードル先端側と反対側の面33bを受ける受け面72となると共に、前記受け面72と反対側の面33bが箱状体5の他方の内壁面52aと当接する当接面71となるものである。この第二の受け部材7は、その当接面71と箱状体5の空洞50の他方の内壁面52aとが当接又は対向すると共に、受け面72と膨大部33のニードル先端側の面33aと反対側の面33bとが当接又は対向した状態で空洞50内に収容されるが、この時、空洞50の他方の内壁面52aに沿って移動し得る隙間が空洞50の他方の内壁面52aに隣接する側面との間に形成されるような寸法形状となっている。受け面72は、球状をしたニードル31の膨大部33を受けるべく円錐面としてある。
【0026】
前記第一の受け部材6と第二の受け部材7は、図5、図10等に示すように、ニードル31の軸部32を箱状体5の挿通孔54と第一の受け部材6の受け部挿通孔60とに挿通して空洞50内に収容した状態で、第一の受け部材6の当接面62と箱状体5の一方の内壁面51aとの間に隙間Sが形成され、第二の受け部材7の当接面71と箱状体5の他方の内壁面52aとの間に隙間Sが形成され、更に、第一の受け部材6の受け面61とニードル31の膨大部33のニードル先端側の面33aとの間と第二の受け部材7の受け面72とニードル31の膨大部33のニードル先端側と反対側の面33bとの間にも隙間が形成され得る寸法形状となっている。また、箱状体5、第一の受け部材6、第二の受け部材7はSUS等の金属材料で製作されているが、受け部材は合成樹脂で形成してもよい。このような受け部材を設けることで、膨大部33の動きをスムーズに吸収することが可能となる。
【0027】
この芯ずれ防止装置4の動作について説明する。ノズル10より塗料を噴出させるには、ニードル31を上昇させてニードル弁3を開くのであるが、これにあたっては、ソレノイド2の可動鉄芯21および箱状体5を上昇させ、箱状体5の側壁51によって第一の受け部材6を介してニードル31の膨大部33を上昇させる。この時、可動鉄芯21とノズル10との間に芯ずれが生じていても、ニードル31の膨大部33と該膨大部33を受けている第一の受け部材6は、可動鉄芯21に固定される箱状体5の空洞50内で側壁51、52に隣接する側壁との間に隙間S3が形成されていて側壁51、52に沿って動き得るため、上記芯ずれが吸収されることとなる。また、ノズル10からの塗料の噴出を停止すべくニードル弁3を閉じるにあたっては、ソレノイド2の可動鉄芯21および箱状体5を下降させ、箱状体5の側壁52によって第二の受け部材7を介してニードル31の膨大部33を下降させる。この時、可動鉄芯21とノズル10との間に芯ずれが生じていても、ニードル31の膨大部33と該膨大部33を受けている第二の受け部材7は、可動鉄芯21に固定される箱状体5の空洞50内で側壁51、52に隣接する側壁との間に隙間S3が形成されていて側壁51、52に沿って動き得るため、上記芯ずれが吸収されることとなる。
【0028】
また更に、可動鉄芯21の中心軸とノズル10の中心軸とが芯ずれのみならず傾いている(平行となっていない)場合でも、ニードル31の球状をした膨大部33が、該膨大部33と同様かそれより若干大きな球面からなる第一の受け部材6の受け面61と、円錐面からなる第二の受け部材7の受け面72とで受けられており、更に、ニードル31の軸部32が挿通される箱状体5の挿通孔54と第一の受け部材6の受け部挿通孔60の径は、軸部32より大きく形成してあるため、ニードル31の傾きを妨げずに膨大部33を受けることができ、このような傾きも吸収することができる。
【0029】
この芯ずれ防止装置4により、ロッカーアーム・カム等の部材を介在させて芯ずれにより生じる問題を解消しようとする場合のように、配置スペースを要する上に動力伝達構造が複雑化すると共に部品点数が増えて故障因子が増えてしまう、といったことがなく、配置スペースをとらず簡単な構成により、ニードル31とノズル10との間の摩擦が増大して、動きがスムーズにいかずに思い通りの開閉制御ができなかったり、ソレノイド2に過度の負担が掛かって焼きついたり、塗料の流量のばらつきや漏れが発生したりする不具合が生じてしまう、といったことを防止することができる。
【0030】
次に、塗装システム9の全体構成について説明する。この塗装システムでは、金属外装材、浴室壁材、内装建材等の金属建材で、表面がフラット又は表面に0.1〜10mmのエンボスや凹凸を有する板状のものをワークとするが、本発明の適用範囲は特にこれらに限定されるものではない。
【0031】
本塗装システム9では、図2に示すように、ワーク搬送手段91と、ワーク検知手段92と、上記塗装装置1と、塗料供給手段93と、塗装パターン入力手段94と、これら各手段を制御する制御部95とを備えている。
【0032】
ワーク搬送手段91は、ベルトコンベア等からなるもので、搬送モータ91aによって駆動されてワーク90を搬送する。ワーク検知手段92は、ワーク搬送手段91によって搬送されるワーク90を検知し、検知情報を制御部95に送信する。塗装装置1は、ワーク90の幅方向すなわち搬送方向と直交する方向に複数個設置して全幅にもれなく塗装できるように列をなしており、この列を一列または複数列設置する。本実施形態では、塗装装置1をワーク90の幅方向に11個設置して列をなし、この列を一色につき二列、二色で合計四列設置してある。塗装装置1には塗料供給手段93より塗料が供給される。そして、これらの制御を制御部95にて行っている。制御部95は、シーケンサー95aとノズルコントローラ95bを備えており、パソコン等の端末からなる塗装パターン入力手段94からの塗装パターンの入力情報、ワーク検知手段92からのワーク検知情報、を受けると共に、搬送モータ91aや塗料供給手段93の制御を行っている。ノズルコントローラ95bは、塗装パターン入力手段94からの入力情報を基に塗装装置1の制御を行っている。
【0033】
塗装パターンは、予め所定のパターンを幾つか記憶しておき、適宜選択するようにしている。例えば、自然石のプレス模様に自然についた汚れ感を醸しだすように塗装する場合は、予めワークに付けておくプレス模様に対して数パターンの塗装パターン(塗布位置や色やその濃さなどが異なるパターン)を記憶、登録しておき、このなかから選定する。また塗料の塗布は、表面のエンボス模様等に合わせて塗布できるように塗布パターンを設定しておき、必要ない部分には塗布しないようにしている。そして、濃淡を表現する場合、霧化塗料を塗料を噴出している時間を調節して、噴出する塗料の調節を行う。噴出する時間の調節は、上述したニードル弁3によってノズル10の塗料の流路の開閉の間隔を調節することで行い、その時間を長くすることで、霧化塗料の塗装を密にして色を濃くすることができ、時間を短くすることで、霧化塗料の塗装を疎にして色を薄くすることができる。
【0034】
塗装パターンの一例について図1にて説明する。一回の塗装のサイクル、すなわち、ノズルの流路を開として次に再度開とするまでの間隔を35msecとし、塗装時間すなわちノズルの開を継続させる時間を一回目の塗装動作Aは12msec、二回目の塗装動作Bは4msec、三回目の塗装動作Cは8msecとしてある(図1(a)参照)。このとき、一回目の塗装動作A、二回目の塗装動作B、三回目の塗装動作Cによる塗装を図1(b)に示す。塗装時間が長い程、濃い色となっている。
【0035】
塗装にあたっては、必ず霧化エアーを供給して霧化塗料とした状態で塗装を行い、塗料のみの吐出は行わない。これにより、ぼかした風合いの模様を塗装することができる。
【0036】
以上のように、本発明にあっては、芯ずれ防止装置4を設けた上で、ノズル10の流路を開にして継続させる時間を2乃至10msecとする制御部95を設けたことで、ロッカーアームのような部材を設けることなく芯ずれを防止することが可能となり、これによりニードル弁3を高速で開閉して塗料の噴出量を細かく調節することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】(a)は本発明の塗装装置のニードル弁のよるノズルの開閉を示すタイムチャートであり、(b)は塗装を示す図である。
【図2】本発明の塗装装置を備えた塗装システムの全体構成図である。
【図3】塗装装置の側面図である。
【図4】(a)は塗装装置のノズルを設けた部分の断面図であり、(b)は(a)の要部拡大側面図である。
【図5】塗装装置の芯ずれ防止装置を設けた部分の断面図である。
【図6】上側の箱状体の側断面図である。
【図7】下側の箱状体を示し、(a)は平面図であり、(b)は側断面図である。
【図8】第一の受け部材の側断面図である。
【図9】第二の受け部材の側断面図である。
【図10】(a)は上側の箱状体と第二の受け部材の収容状態を示す下から見た斜視図であり、(b)は下側の箱状体と第一の受け部材の収容状態を示す上から見た斜視図である。
【図11】ニードルの側面図である。
【図12】従来の塗装装置の断面図である。
【符号の説明】
【0038】
1 塗装装置
10 ノズル
2 ソレノイド
21 可動鉄芯
3 ニードル弁
31 ニードル
32 軸部
33 膨大部
4 芯ずれ防止装置
5 箱状体
50 空洞
51 一側壁
52 反対側の側壁
54 挿通孔
95 制御部
【出願人】 【識別番号】000005832
【氏名又は名称】松下電工株式会社
【出願日】 平成18年6月27日(2006.6.27)
【代理人】 【識別番号】100087767
【弁理士】
【氏名又は名称】西川 惠清

【識別番号】100085604
【弁理士】
【氏名又は名称】森 厚夫


【公開番号】 特開2008−6338(P2008−6338A)
【公開日】 平成20年1月17日(2008.1.17)
【出願番号】 特願2006−177046(P2006−177046)