トップ :: B 処理操作 運輸 :: B05 霧化または噴霧一般;液体または他の流動性材料の表面への適用一般

【発明の名称】 塗料供給装置
【発明者】 【氏名】林 信之

【要約】 【課題】色替えバルブ内を確実に洗浄できるようにする。

【構成】色替えバルブ10は、共通流路12から分岐する複数の個別流路34に開閉弁22を連通させ、開閉弁22に洗浄液供給源35Aと塗料供給源35B〜35Fを接続した形態であり、共通流路12内に配置された転向部42と、転向部42から突出して個別流路34内に配置された進入部43とからなる誘導部材40を備えている。共通流路12内を流れる洗浄液は、転向部42に当たることによって流れの向きを個別流路34側へ変えられ、進入部43の外面に沿って個別流路34内に誘導されので、洗浄液は、確実に個別流路34内に流入して個別流路34内を洗浄する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
色替えバルブを介して塗装ガンに塗料を供給するためのものであって、
前記色替えバルブが、共通流路から複数の個別流路を分岐させるとともに、前記複数の個別流路に夫々開閉弁を連通させ、いずれか1つの前記開閉弁には洗浄液供給源を接続し、残りの複数の前記開閉弁には夫々複数種類の塗料供給源を接続し、前記共通流路の下流端に前記塗装ガンを接続した形態となっている塗料供給装置において、
前記共通流路内に配置された転向部と、前記転向部から突出して前記個別流路内に配置された進入部とを備えた誘導部材が設けられていることを特徴とする塗料供給装置。
【請求項2】
前記進入部の前記個別流路への進入深さが、前記個別流路の奥行き深さの1/2かそれよりも大きい寸法とされていることを特徴とする請求項1記載の塗料供給装置。
【請求項3】
前記個別流路の断面形状が円形をなし、
前記進入部が、前記個別流路と同心の円柱形をなし、
前記進入部の外径が、前記個別流路の内径の1/2かそれよりも小さい寸法とされていることを特徴とする請求項1又は請求項2記載の塗料供給装置。
【請求項4】
前記転向部が、前記共通流路内を流れる洗浄液を前記個別流路側に誘い込むように傾斜した転向面を備えていることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の塗料供給装置。
【請求項5】
前記複数の開閉弁のうち前記共通流路の最も上流側の位置から分岐した前記個別流路に連なる開閉弁に、前記洗浄液供給源が接続されていることを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の塗料供給装置。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、色替えバルブを備えた塗料供給装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
塗料供給装置に用いられる色替えバルブとして、特許文献1に記載されているものがある。これは、共通流路と、共通流路から分岐した複数の個別流路と、各個別流路に連通する開閉弁とを備えている。共通流路の最も上流側から分岐した個別流路に連なる開閉弁には、洗浄液供給源が接続され、それ以外の開閉弁には塗料供給源が接続されている。また、共通流路の下流端には、塗装ガンに至る供給路が接続されている。
【0003】
色替えの際には、全ての塗料用の開閉弁を閉弁した状態で洗浄液用の開閉弁を開弁し、洗浄液によって共通流路と供給路と塗装ガンを洗浄する。洗浄後は、洗浄液用の開閉弁を閉弁し、別の色の塗料を供給する。
【特許文献1】特開平7−16511号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
洗浄の際には、塗料用の開閉弁は弁口を閉じた閉弁状態となっているため、共通流路から分岐している各個別流路の上流端は袋小路状となる。このような袋小路状の個別流路には洗浄液が進入し難いことから、個別流路内で塗料が残留する虞があり、十分な洗浄効果を期待できないという問題がある。
本発明は上記のような事情に基づいて完成されたものであって、色替えバルブ内を確実に洗浄できるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記の目的を達成するための手段として、請求項1の発明は、色替えバルブを介して塗装ガンに塗料を供給するためのものであって、前記色替えバルブが、共通流路から複数の個別流路を分岐させるとともに、前記複数の個別流路に夫々開閉弁を連通させ、いずれか1つの前記開閉弁には洗浄液供給源を接続し、残りの複数の前記開閉弁には夫々複数種類の塗料供給源を接続し、前記共通流路の下流端に前記塗装ガンを接続した形態となっている塗装装置において、前記共通流路内に配置された転向部と、前記転向部から突出して前記個別流路内に配置された進入部とを備えた誘導部材が設けられているところに特徴を有する。
【0006】
請求項2の発明は、請求項1に記載のものにおいて、前記進入部の前記個別流路への進入深さが、前記個別流路の奥行き深さの1/2かそれよりも大きい寸法とされているところに特徴を有する。
【0007】
請求項3の発明は、請求項1または請求項2に記載のものにおいて、前記個別流路の断面形状が円形をなし、前記進入部が、前記個別流路と同心の円柱形をなし、前記進入部の外径が、前記個別流路の内径の1/2かそれよりも小さい寸法とされているところに特徴を有する。
【0008】
請求項4の発明は、請求項1ないし請求項3のいずれかに記載のものにおいて、前記転向部が、前記共通流路内を流れる洗浄液を前記個別流路側に誘い込むように傾斜した転向面を備えているところに特徴を有する。
【0009】
請求項5の発明は、請求項1ないし請求項4のいずれかに記載のものにおいて、前記複数の開閉弁のうち前記共通流路の最も上流側の位置から分岐した前記個別流路に連なる開閉弁に、前記洗浄液供給源が接続されているところに特徴を有する。
【発明の効果】
【0010】
<請求項1の発明>
共通流路内を流れる洗浄液は、転向部に当たることによって流れの向きを個別流路側へ変えられ、さらに転向部に連なる進入部の外面に沿って個別流路内に誘導される。これにより、共通流路内の洗浄液は、確実に個別流路内に流入することができるので、個別流路内を確実に洗浄することができる。
【0011】
<請求項2の発明>
進入部の個別流路への進入深さを、個別流路の奥行き深さの1/2かそれよりも大きい寸法としているので、進入部による洗浄液の誘導経路が長くなり、洗浄液を確実に個別流路内に流入させることができる。
【0012】
<請求項3の発明>
進入部の外径を、個別流路の内径の1/2かそれよりも小さい寸法としているので、個別流路内における洗浄液の流入可能な容積が十分に確保される。これにより、洗浄液は確実に個別流路内に流入することができる。
【0013】
<請求項4の発明>
共通流路を流れる洗浄液は、転向面によって確実に個別流路に流入することができる。
【0014】
<請求項5の発明>
共通流路の最も上流側の位置から分岐した個別流路に連なる開閉弁に、洗浄液供給源を接続したので、洗浄液は、全ての塗料用の個別流路に確実に流入することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
<実施形態1>
以下、本発明を具体化した実施形態1を図1乃至図4を参照して説明する。本実施形態の塗料供給装置は、塗装の際には色替えバルブ10を介して複数種類の塗料を選択的に供給するとともに、色替えの際には洗浄液を色替えバルブ10を介して塗装ガン16に供給するようにしたものである。
色替えバルブ10は、1本のマニホールド11に、6つのバルブ機構20A〜20Fを取り付けたものである。マニホールド11内には、断面形状が円形をなす1本の直線状の共通流路12が、その下流端をマニホールド11の端部に接続口20として開口させて形成されている。接続口20には継手14の上流端が接続され、継手14の下流端には供給路15の上流端が接続され、供給路15の下流端に塗装ガン16が接続されている。
【0016】
6つのバルブ機構20A〜20Fは、全て同じ構造であり、複数の部品を組み付けて構成されるケーシング21内には、マニホールド11の近くに位置する開閉弁22が設けられている。開閉弁22は、一次室23と二次室24とを筒状の弁シート25を介して連通させ、弁シート25に対して一次室23側から弁体26を当接・離間させるようになっている。一次室23には、塗料供給源35B〜35F又は洗浄液供給源35Aに接続される流入孔27が連通している。弁体26にはロッド28の一端が固着され、ロッド28の他端にはピストン29が固着され、ピストン29は圧縮コイルバネ30のバネ力が常時付与されている。弁体26は、圧縮コイルバネ30により、弁シート25に当接して弁口31を閉じる閉弁方向に付勢されているが、加圧室32に作動エアを供給すると、弁体26が弁シート25から離間して弁口31を開放させ、開閉弁22が開弁状態となる。開弁状態では、一次室23から二次室24(個別流路34)側への液体(塗料又は洗浄液)の流通が許容される。
【0017】
二次室24は、弁シート25の円形断面の連通孔33よりも大径の円形断面の孔状をなし、二次室24における弁シート25とは反対側の端部には、共通流路12の内壁からマニホールド11の外壁に連通する円形断面の分岐孔13が、同軸状に連なっている。分岐孔13の内径は二次室24の内径と同寸法であり、二次室24と弁シート25の連通孔33と分岐孔13は、個別流路34を構成している。この個別流路34の中心線(軸線)は、共通流路12の中心線(軸線)に対して直角をなしている。つまり、個別流路34は共通流路12に対して直角に分岐している。
【0018】
6つのバルブ機構20A〜20Fは、マニホールド11を挟んで互いに反対側に位置するように3つずつ分かれて配置され、マニホールド11(共通流路12)の長さ方向に沿って一定のピッチで並んでいる。また、マニホールド11の一方の側に位置する3つのバルブ機構20A,20C,20Eと他方の側位置する3つのバルブ機構20B,20D,20Fは、互いに共通流路12の長さ方向において1/2ピッチずつずれた配置、つまり、千鳥配置となっている。したがって、6つの個別流路34は、共通流路12の長さ方向において互いに異なる位置に開口していることになる。
【0019】
6つのバルブ機構20A〜20Fのうち共通流路12の最も上流側に位置する個別流路34と連通するバルブ機構20A(開閉弁22)には、洗浄液供給源35Aに接続されている。そして、洗浄液の個別流路34よりも下流側に開口する5つの個別流路34と連通する5つのバルブ機構20B〜20Fには、夫々、互いに種類(色)の異なる5つの塗料の塗料供給源35B〜35Fが接続されている。
【0020】
上記色替えバルブ10には、洗浄液による個別流路34の洗浄効果を高めるための手段として誘導部材40が設けられている。誘導部材40は、全体として中実のピン形状をなし、基部41と転向部42と進入部43とを一体に形成したものである。
基部41は、円形断面であって、外径寸法が軸線方向において一定であり、外径寸法に対して軸線方向の寸法が少し小さいドラム形をなす。基部41の外径寸法は、分岐孔13の内径よりも僅かに小さい寸法であり、共通流路12よりも小さい寸法(例えば、共通流路12の2/3の寸法)となっている。
転向部42は、円形断面であって、外径寸法が軸線方向において次第に小さくなるようなテーパ状をなし、転向部42の最大径側の端部が基部41に対して同軸状に連なっている。転向部42の最大外径は基部41の外径と同じ寸法であり、転向部42の軸線方向の寸法は、転向部42の最大外径に対して充分に大きく、共通流路12の内径とほぼ同じ寸法である。かかる転向部42の外周面は、共通流路12の長さ方向(軸線方向)に対して傾斜した転向面42Sとなっている。
進入部43は、円形断面であって、外径寸法が軸線方向において一定であり、外径寸法に対して軸線方向の寸法が充分に大きい円柱形をなす。進入部43の外径寸法は、転向部42の最小外径と同じ寸法であり、進入部43は転向部42における基部41とは反対側の端部に対して同軸状に連なっている。
【0021】
かかる誘導部材40は、マニホールド11に対してバルブ機構20A〜20Fを組み付ける前に、予めマニホールド11に組み付けられる。共通流路12の内壁における各分岐孔13とは反対側の位置には、円形の凹部17が形成されており、誘導部材40は、基部41を先に向けて分岐孔13からマニホールド11内に差し入れ、基部41を凹部17に嵌合させる。このとき基部41は、凹部17に対して圧入することによって固着してもよく、接着剤で固着してもよく、溶接によって固着してもよい。誘導部材40を組み付けた状態では、転向部42が共通流路12内を横切るように位置し、転向部42の軸線と共通流路12の軸線とは直角に交差する。また、進入部43は、個別流路34内に同軸上に進入した状態となっている。個別流路34に対する進入部43の進入深さは、個別流路34の奥行き深さのほぼ1/2となっている。また、進入部43の外径寸法は、個別流路34における二次室24及び分岐孔13の内径のほぼ1/2である。尚、誘導部材40は洗浄液用の個別流路34にも設けられている。
【0022】
次に、本実施形態の作用を説明する。
色替えの際には、全ての塗料用の開閉弁22を閉弁した状態(弁口31を閉じた状態)で洗浄液用の開閉弁22のみを開弁し、洗浄液を共通流路12内に供給する。共通流路12内に供給される洗浄液は、供給路を通って塗装ガン16内に至り、塗装ガン16のノズルから噴出される。洗浄液が通過した流路内に残留していた塗料は、洗浄液とともに洗い流されるとともに、流路の内壁に付着している塗料も除去される。
【0023】
さて、洗浄の際には、塗料用の開閉弁22は弁口31を閉じた閉弁状態となっているため、共通流路12から分岐している各個別流路34の上流端(共通流路12とは反対側の端部)は袋小路状となる。このような袋小路状の個別流路34には洗浄液が進入し難いのであるが、本実施形態では、その対策として誘導部材40を設けている。
即ち、共通流路12内を下流側に向かって流れる洗浄液は、転向部42に当たり、転向面42Sの傾斜によって進入部43側つまり個別流路34側へ流れの向きを変えられ、進入部43の外周面に沿いつつ個別流路34内に進入する。これにより、個別流路34内に残留している塗料が洗浄液と一緒に洗い流されるとともに、個別流路34の内壁に付着している塗料も洗浄液によって除去される。
【0024】
上述のように本実施形態においては、共通流路12内の洗浄液の流れを個別流路34側へ転向させる誘導部材40を設けたので、個別流路34内を確実に洗浄することができる。
また、進入部43の個別流路34への進入深さを、個別流路34の奥行き深さのほぼ1/2の寸法としているので、進入部43による洗浄液の誘導経路が長くなり、洗浄液を確実に個別流路34内に流入させることができる。
また、進入部43の外径を個別流路34の内径のほぼ1/2の寸法としているので、個別流路34内における洗浄液の流入可能な容積が十分に確保される。これにより、洗浄液は確実に個別流路34内に流入することができる。
また、転向部42が、共通流路12内を流れる洗浄液を個別流路34側に誘い込むように傾斜した転向面42Sを備えているので、共通流路12を流れる洗浄液は、転向面42Sによって確実に個別流路34に流入することができる。
また、共通流路12の最も上流側の位置から分岐した個別流路34に連なる開閉弁22に、洗浄液供給源35Aを接続したので、洗浄液は、全ての塗料用の個別流路34に確実に流入することができる。
【0025】
<他の実施形態>
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施態様も本発明の技術的範囲に含まれる。
(1)個別流路に対する誘導部材の進入部の進入深さは、個別流路の奥行きの半分以下の寸法または半分以上の寸法であってもよい。
(2)誘導部材の進入部の外径は、個別流路の内径の1/2よりも大きい寸法であってもよい。
(3)誘導部材は、個別流路と同心に配置せず、個別流路に対して偏心して配置してもよい。
(4)誘導部材の軸線は、個別流路の軸線に対して傾いていてもよい。
(5)個別流路の断面形状は、円形に限らず、長円形、楕円形、方形等の形状としてもよい。
(6)誘導部材の進入部の断面形状は、円形に限らず、長円形、楕円形、方形等の形状としてもよい。
(7)誘導部材は、中実の丸ピン状に限らず、内部が中空となった筒形でもよい。筒形の場合、筒を構成する壁に貫通孔を形成してもよい。
(8)誘導部材は、軸線が直線状をなすピン状に限らず、L字形に屈曲した形状であってもよい。
(9)誘導部材の進入部は、外径寸法が軸方向において一定の円柱形に限らず、軸方向において外径寸法が変化するテーパ形状であってもよい。
(10)誘導部材の転向部は、軸方向において外径寸法が変化するテーパ形状に限らず、外径寸法が軸方向において一定の円柱形にしてもよい。
(11)誘導部材の進入部の断面形状を、個別流路の断面形状とは異なる形状としてもよい。
(12)上記実施形態では複数の個別流路が共通流路を挟んで千鳥配置となっているが、個別流路の配置形態はこれに限らず、対をなす個別流路が共通流路を挟んで対向するように配置してもよく、複数の個別流路が共通流路から同じ側に枝分かれするように並列していてもよい。
(13)1つの共通流路から分岐する個別流路の数は、6つに限らず、5つ以下または7つ以上としてもよい。
(14)誘導部材は、洗浄液用の個別流路に設けなくてもよい。
(15)個別流路は、共通流路に対して直角に分岐せず、共通流路に対して斜めに方向に分岐していてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】実施形態1の全体構成図
【図2】色替えバルブの一部切欠正面図
【図3】図2の部分拡大断面図
【図4】色替えバルブの断面図
【符号の説明】
【0027】
10…色替えバルブ
12…共通流路
16…塗装ガン
22…開閉弁
34…個別流路
35B〜35F…塗料供給源
35A…洗浄液供給源
40…誘導部材
42…転向部
43…進入部
【出願人】 【識別番号】000117009
【氏名又は名称】旭サナック株式会社
【出願日】 平成18年7月24日(2006.7.24)
【代理人】 【識別番号】100096840
【弁理士】
【氏名又は名称】後呂 和男

【識別番号】100124187
【弁理士】
【氏名又は名称】村上 二郎

【識別番号】100124198
【弁理士】
【氏名又は名称】水澤 圭子


【公開番号】 特開2008−23480(P2008−23480A)
【公開日】 平成20年2月7日(2008.2.7)
【出願番号】 特願2006−200655(P2006−200655)