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塗装設備 - 特開2008−23407 | j-tokkyo
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【発明の名称】 塗装設備
【発明者】 【氏名】清水 巧治

【要約】 【課題】金属又は強化繊維プラスチックの大型被塗装物を能率良く、良好な作業環境で、高品質に塗装しうる塗装設備の提供。

【構成】被塗装物5を収容支持する空間であって、その天井部1に空気吹出口2が、その床面部3に空気吸込口4がそれぞれ設けられて上方から下方に向けての被塗装物5に沿った空気流が生成されるように構成した塗装空間6と、塗装空間6の側方に階層状に設けられた複数の作業ブース7、8、9とを備え、各階の作業ブース7、8、9はそれぞれ、奥行き方向に複数の作業ステーションSに区画され、各作業ステーションSは、背面にオンオフ切替え可能でオン時に塗装空間6に向けて前方に空気を吹出す空気吹出口20を備えると共に、前面に開閉可能で閉時に作業ステーションSと塗装空間6とを仕切る遮蔽体を備えたことを特徴とする。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
被塗装物を収容支持する空間であって、その天井部に空気吹出口が、その床面部に空気吸込口がそれぞれ設けられて上方から下方に向けての被塗装物に沿った空気流が生成されるように構成した塗装空間と、
塗装空間の側方に階層状に設けられた複数の作業ブースとを備え、
各階の作業ブースはそれぞれ、奥行き方向に複数の作業ステーションに区画され、
各作業ステーションは、背面にオンオフ切替え可能でオン時に塗装空間に向けて前方に空気を吹出す空気吹出口を備えると共に、前面に開閉可能で閉時に作業ステーションと塗装空間とを仕切る遮蔽体を備えた
ことを特徴とする塗装設備。
【請求項2】
塗装空間の両側方のそれぞれに、階層状の複数の作業ブースが設けられた請求項1記載の塗装設備。
【請求項3】
最下層を除く各階の作業ブースの各作業ステーションの床板は、塗装空間に向け前進可能な、進退動部分を有する請求項1または2記載の塗装設備。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、船舶のボディなどの大型被塗装物を塗装するための塗装設備に関するものである。
【背景技術】
【0002】
プッシュ・プル型塗装ブースを備えた塗装設備において、塗装ブース内の空気流を整えて、スプレーガンを用いた塗装が適正に行なわれると共に、作業者の作業環境を良好なものとするように工夫したものが、従来より知られている(特許文献1)。
【特許文献1】特開2000−225361号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかし上記特許文献1記載の従来技術は、その被塗装物が比較的小さなものであるため、本発明が対象とする船舶のボディなどの大型被塗装物の塗装にそれを適用しても、塗装ブース内の空気流を整えることや作業者の作業環境を良好なものとすることが困難であり、また作業能率良く大型被塗装物の作業を遂行することが困難であるという問題があった。
【0004】
本発明は上記問題点を解消した塗装設備を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の塗装設備は上記目的を達成するため、被塗装物を収容支持する空間であって、その天井部に空気吹出口が、その床面部に空気吸込口がそれぞれ設けられて上方から下方に向けての被塗装物に沿った空気流が生成されるように構成した塗装空間と、塗装空間の側方に階層状に設けられた複数の作業ブースとを備え、各階の作業ブースはそれぞれ、奥行き方向に複数の作業ステーションに区画され、各作業ステーションは、背面にオンオフ切替え可能でオン時に塗装空間に向けて前方に空気を吹出す空気吹出口を備えると共に、前面に開閉可能で閉時に作業ステーションと塗装空間とを仕切る遮蔽体を備えたことを特徴とする。
【0006】
上記発明において、塗装空間の両側方のそれぞれに、階層状の複数の作業ブースが設けられるように構成すると好適である。
【0007】
また上記発明において、最下層を除く各階の作業ブースの各作業ステーションの床板は、塗装空間に向け前進可能な、進退動部分を有するように構成すると好適である。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、船舶のボディなどの大型被塗装物のスプレーガンによる塗装作業を、階層状に設けられた複数のブースの夫々に作業者を配することにより、作業環境を良好に保った状態で、能率良く、良好な塗装状態となるように行なうことができる。
【0009】
すなわち、各階の作業ブースのそれぞれに作業者を配して一斉に塗装作業を行なうことができるので、大型被塗装物に対しても迅速な塗装作業を行なうことができる。その際、塗装作業を行なっている作業ステーションの前面のみを開放し、他の作業ステーションの前面は遮蔽体により閉じられているので、天井部の空気吹出口から床面部の空気吸込口に向けて流れる空気流の乱れを防ぐことができると共に各作業ブースが塗料ミストにより汚染されることを防ぐことができる。そして作業中の作業ステーションの背面に設けられた空気吹出口からは塗装空間に向けて前方に空気が吹き出されているので、作業者のスプレーガンから噴射された塗液は被塗装物に向けて吹き付けられ、その際発生する塗料ミストが作業者側に逆流してくることを確実に防ぐことができ、作業環境を良好なものとすることができる。しかも良好な空気流の下で塗装作業を行なうことができるので、高品質な塗装が可能となる。
【0010】
本発明において、塗装空間の両側方のそれぞれに、階層状の作業ブースが設けられた構成とすると、被塗装物の両面の塗装を同時進行的に行なうことができるので、一層の高能率化を図ることができ、また天井部の空気吹出口から床面部の空気吸込口に向けて流れる空気流が、被塗装物に沿ってより乱れ少なく上方から下方に向け流れるので、より一層良好な塗装作業を行なうことができる。
【0011】
また本発明において、最下層を除く各階の作業ブースの各ステーションの床板が、塗装空間に向け前進可能な、進退動部分を有するように構成されていると、各ステーションにおいて、被塗装物の塗装面と作業者との距離を最適なものとすることが可能となり、より一層良好な塗装作業を行なうことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
本発明を実施するための最良の形態を、図面に示す実施例に基づき説明する。
【0013】
本実施例の塗装設備は、天井部1に空気吹出口2が、床面部3に空気吸込口4がそれぞれ設けられて上方から下方に向けての被塗装物5に沿った空気流Aが生成されるように構成した塗装空間6と、塗装空間6の両側方のそれぞれに、3階建てに設けられた1階作業ブース7、7、2階作業ブース8、8、および3階作業ブース9、9からなる階層状の作業ブースとを備えている。
【0014】
被塗装物5として中型船舶のボディを本実施例においては図示されている。この被塗装物5は上下方向(図1の上下方向)の長さが約8m、奥行き方向(図1の紙面垂直方向)の長さが約30m、幅方向(図1の左右方向)の最大長さが約4mというように、大型のものであり、しかも幅方向の寸法は図示するように上下方向で変化しており、また図示しないが奥行き方向においてもストレートに延びているのではなく若干彎曲して延びている。
【0015】
このような中型船舶のボディは、金属又は強化繊維プラスチックで構成されたものであり、被塗装物5である中型船舶のボディは、塗装空間6の天井部1に配設した走行クレーン10により吊持され、塗装空間6に対する搬入、搬出が可能とされると共に、塗装空間6の中央部に支持されて、スプレーガン11による塗装作業を受けるように構成されている。
【0016】
塗装空間6は、上記被塗装物5を収容しうる大きさの空間を有し、その天井部1と床面部3との間の上下寸法は、被塗装物5の上下方向の長さより若干大となるように設定され、またその搬入口と搬出口との間の奥行き方向の寸法も、被塗装物5の奥行き方向の長さより若干大となるように設定されている。さらに塗装空間6の幅方向(図1の左右方向)の寸法は、各作業ブース7、8、9上の作業者12によるスプレーガン11を用いた塗装作業が適切に行なわれるような値に設定されている。
【0017】
塗装空間6の左右の夫々に位置する3階建ての作業ブース7、8、9における
各作業ブースは基本的には同構造に形成され、奥行き方向に複数の作業ステーションSが区画形成されている(実施例では図2に示すように10作業ステーションS1、S2、…、SNに区画されている。)。
【0018】
左側の3階建て作業ブース7、8、9について具体的に説明すると以下の通りである(右側の3階建て作業ブース7、8、9も同構造であるので説明を省略する。)。
【0019】
1階の作業ブース7は、前記床面部3および1階天板兼2階床板13で上下方向空間が規制され、背面壁14および前面開口部15で幅方向空間が規制されている。2階の作業ブ−ス8は、前記1階天板兼2階床板13および2階天板兼3階床板16で上下方向空間が規制され、背面壁14および前面開口部15で幅方向空間が規制されている。3階の作業ブ−ス9は、前記2階天板兼3階床板16および3階天板17で上下方向空間が規制され、背面壁14および前面開口部15で幅方向空間が規制されている。
【0020】
各作業ブ−ス7、8、9において前面開口部15は、図2、図3に示すように、仕切柱18で作業ステーションの数だけ仕切られ、各作業ステーションS1、S2、S3、…、S(N-1)、SNの前面には開閉可能なカーテン(遮蔽体)19が配置されている。このカーテン19を閉じると当該作業ステーションSと塗装空間6とが仕切られることになる。また各作業ブース7、8、9の背面壁14には、各作業ステーションSに対応して、オンオフ切替え可能でオン時に塗装空間6に向けて前方に空気を吹き出す空気吹出口20が配置されている。この空気吹出口20は各作業ステーションSの奥行き方向の中央に位置すると共に、作業時のスプレーガン11と略同高さ位置にその上下中心がくるように配置されている。
【0021】
1階を除く各階の作業ブース、すなわち2階および3階の作業ブース8、9の各ステーションの床板13、16には、塗装空間6に向け前進可能な移動台(進退動部分)21が設けられている。
【0022】
塗装設備の天井部1の両側部には、斜下内方を向く整風板22を備えた複数の空気吹出口2が配置されている。この左右の空気吹出口2は、それぞれ1つの作業ブースの作業ステーションの数に対応する数(実施例では10)だけ設けられ、かつ各作業ステーションの上方対応位置に配置されている。
【0023】
塗装作業中は、全空気吹出口2がオン状態となっており、左右の空気吹出口群2、2…から吹き出された空気は、前記天井部1と左右の3階天板17、17との間の空間を通過した後、塗装空間6に達し、この塗装空間6内で、被塗装物5の両側に沿って上方から下方へ流れる空気流Aとなる。
【0024】
塗装設備の床面部3は、その両側が1階の作業ブース7、7の床板となり、中央部がグリッド23により構成された空気吸込口4となっている。この空気吸込口4に、前記天井部1の空気吹出口2から吹き出された空気および前記背面壁14の空気吹出口20から吹き出された空気が吸い込まれる。
【0025】
前記床面部3の下方には、排風路24、24が設けられており、前記空気吸込口4より吸い込まれた空気は、フィルタ25を介して排風路24、24に導かれる。
【0026】
前記天井部1の空気吹出口2および背面壁14の空気吹出口20には、図1、図4に示すように、送気ファン26からの空気が分配ダクト27を通して供給される。他方、前記空気吸込口4より排風路24、24に導かれた空気は、排気ダクト28を通して吸気ファン29に導かれ、外部に排出される。
【0027】
次に上記塗装設備による中型船舶のボディ(被塗装物)5の塗装法を説明する。この塗装作業は、例えば各作業ブース7、8、9に1人ずつ、換言すれば6人の作業者12がスプレーガン11を用いて一斉に塗料を被塗装物5に向けて吹付けることによって行なわれる(図1には右側の作業者の図示を省略している。)。そして、各作業ブース7、8、9の図1の最手前側を第1作業ステーションとし、図1の最奥側を第N作業ステーション(実施例ではN=10)としたとき、最初に各作業者12は、各作業ブース7、8、9の第1作業ステーションS1上において塗装作業を行なう。このとき各第1作業ステーションS1の前面のカーテン19のみが開かれ、他の各第2作業ステーションS2から各第N作業ステーションSNの前面のカーテン19は閉じられている。また各第1作業ステーションS1の背面の空気吹出口20のみがオン状態で、ここから塗装空間6に向け前方に空気が吹き出されている。さらに2階および3階の作業ブース8、9において、被塗装物5の塗装面からの最適距離に作業者12が位置して作業を行なえるよう、必要に応じて前記移動台21が前進位置にセットされている。なお1階の作業ブース7の作業者12は必要に応じ床面部3上を前方位置に移動することができる。
【0028】
天井部1の空気吹出口2は全てオン状態で、奥行き方向の全体にわたって、被塗装物5に沿った下方向の空気流Aが生成され、床面部3の空気吸込口4に吸い込まれている。このような状態で、各第1作業ステーションS1上の作業者12により、スプレーガン11から塗液が被塗装物5に向け噴射され、被塗装物5の両面の第1作業ステーションS1に対応する奥行き部分の塗装がなされる。このとき、第1作業ステーションS1の背面の空気吹出口20から吹き出される空気流Bによって、塗料ミストは前記空気流Bと共に前記空気流Aに合流し、前記空気吸込口4に導かれる。
【0029】
各第1作業ステーションS1での作業が終ると、その前面のカーテン19を閉じると共に、その背面の空気吹出口20をオフ状態とし、各作業者12はそれぞれ第2作業ステーションS2に移動して塗装作業を行なう。この第2作業ステーションS2での作業は、第2作業ステーションS2の前面のカーテン19のみを開けると共に、その背面の空気吹出口20のみをオン状態とすることにより行なわれ、第1作業ステーションS1での作業と同様の塗装作業によって、被塗装物5の両面の第2作業ステーションS2に対応する奥行き部分の塗装がなされる。
【0030】
同様の塗装作業を、第3作業ステーションS3…、第(N−1)作業ステーションS(N-1)、第N作業ステーションSnにおいて順次行なうことにより、被塗装物5の両面全体の塗装作業を完了する。
【0031】
前記天井部1の空気吹出口2から吹き出される空気の流速は1.5〜2.5m/s、好ましくは2m/sに設定され、前記背面壁14の空気吹出口20から吹き出される空気の流速は、1.0〜2.0m/s、好ましくは1.5m/sに設定されている。また天井部1の空気吹出口2から吹き出される空気の総風量と、オン状態にある作業ステーション背面の空気吹出口20から吹き出される空気の総風量との割合は、ほぼ4:1に設定されている。
【産業上の利用可能性】
【0032】
本発明は、大型被塗装物を能率良く、良好な作業環境で、高品質に塗装するのに適した塗装設備を提供しうるものである。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】本発明の実施例を示す正面図。
【図2】図1のX−X線矢視図。
【図3】図1のY−Y線矢視図。
【図4】上記実施例における送気、吸気系を示す概念図。
【符号の説明】
【0034】
1 天井部
2 空気吹出口
3 床面部
4 空気吸込口
5 被塗装物
6 塗装空間
7、8、9 作業ブース
19 遮蔽体
20 空気吹出口
21 進退動部分
S 作業ステーション
【出願人】 【識別番号】000005821
【氏名又は名称】松下電器産業株式会社
【出願日】 平成18年7月18日(2006.7.18)
【代理人】 【識別番号】100080827
【弁理士】
【氏名又は名称】石原 勝


【公開番号】 特開2008−23407(P2008−23407A)
【公開日】 平成20年2月7日(2008.2.7)
【出願番号】 特願2006−195232(P2006−195232)