トップ :: B 処理操作 運輸 :: B05 霧化または噴霧一般;液体または他の流動性材料の表面への適用一般

【発明の名称】 静電霧化装置
【発明者】 【氏名】山口 友宏

【氏名】高島 清

【要約】 【課題】放電電極および対向電極が配置される環境と電気接続部が配置される環境とをそれぞれ良好にすることが可能な静電霧化装置を提供する。

【構成】放電電極11と、放電電極11と対向する対向電極12と、放電電極11に熱的に接続される冷却部21と放熱部22とを有し前記冷却部21を介して放電電極11を冷却することで空気中の水分を結露させて放電電極11に水を供給する水供給手段2と、放電電極11と対向電極12との間に高電圧を印加する高電圧印加部13とで主体が構成され、前記静電霧化装置の主体が配置される空間に隔壁3を設けて該空間を湿気を含んだ空気の供給手段14が配置される高湿度領域Aと低湿度領域Bとに仕切り53、高湿度領域Aに放電電極11と対向電極12とを配置すると共に、低湿度領域Bに水供給手段2の電気接続部15と高電圧印加部13の電気接続部15を配置した。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
放電電極と、放電電極と対向する対向電極と、放電電極に熱的に接続される冷却部と放熱部とを有し前記冷却部を介して放電電極を冷却することで空気中の水分を結露させて放電電極に水を供給する水供給手段と、放電電極と対向電極との間に高電圧を印加する高電圧印加部とで、放電電極に供給された水を静電霧化する静電霧化装置の主体が構成され、前記静電霧化装置の主体が配置される空間に隔壁を設けて該空間を湿気を含んだ空気の供給手段が配置される高湿度領域と低湿度領域とに仕切り、高湿度領域に放電電極と対向電極とを配置すると共に、低湿度領域に水供給手段の電気接続部と高電圧印加部の電気接続部を配置して成ることを特徴とする静電霧化装置。
【請求項2】
高湿度領域内に放電電極へ湿気を含む空気を供給する空気経路を形成し、放電電極に過剰に結露した過剰水の排水経路を前記空気経路と兼用して成ることを特徴とする請求項1記載の静電霧化装置。
【請求項3】
放電電極の先端の放電部を除く周囲に、断熱部材で形成され、表面が放電電極に過剰に結露した過剰水の排水を誘導するテーパ面となった排水誘導部材を設けて成ることを特徴とする請求項1又は2記載の静電霧化装置。
【請求項4】
排水誘導部材のテーパ面を横向きにして放電電極を横向きに設置するものにおいて、排水誘導部材のテーパ面の前記放電電極を突出している部分から下側に、放電電極に過剰に結露した過剰水の排水を誘導する排水誘導リブを設けて成ることを特徴とする請求項3記載の静電霧化装置。
【請求項5】
排水誘導部材の表面に親水性を付与する表面処理を施して成ることを特徴とする請求項3又は4記載の静電霧化装置。
【請求項6】
放電電極の周囲を略筒状をした放電電極ケーシングで囲うと共に該放電電極ケーシング内に排水誘導部材を設け、放電電極ケーシングの下端部に排水誘導部材を流れてきた排水を誘導するケーシングリブを設けて成ることを特徴とする請求項4記載の静電霧化装置。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、除菌力のある帯電微粒子ミストを発生させるための静電霧化装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から放電極と、放電極に対向して位置する対向電極と、放電極に水を供給する水供給手段とを備え、放電極と対向電極との間に高電圧を印加することで放電極に保持される水を霧化させ、ナノメータサイズで強い電荷を持つマイナスイオンミスト(ナノメータサイズの帯電微粒子水)を発生させる静電霧化装置が、特許文献1により知られている。
【0003】
このナノメータサイズのマイナスイオンミストは、粒径が3〜数十nm程度であって、人体の角質細胞の大きさである70nmよりも小さな粒径であるため、このナノメータサイズのマイナスイオンミストは人体の角質層に浸透し、角質層表面の奥まで水分を十分に補給し、肌や毛髪に高い保湿効果を付与できるものであり、更に、活性種が水分子に包み込まれるようにして存在するナノメータサイズのマイナスイオンミストは脱臭効果、カビや菌の除菌や繁殖の抑制効果があり、更にまた、活性種が水分子に包み込まれるようにして存在するナノメータサイズのマイナスイオンミストは遊離基単独で存在する場合より寿命が長くなり、且つ、ナノメータサイズと非常に小さいので、空気中に長時間浮遊すると共に拡散性が高く、空気中に長時間満遍なく浮遊して、脱臭効果をより高めることができるという特徴を有している。
【0004】
そして水供給手段として、放電電極に熱的に接続される冷却部と放熱部とを有し、冷却部を介して放電電極を冷却することで空気中の水分を結露させて放電電極に水を供給するものが開発され、これにより水の供給に手間がかからないようになっている。
【0005】
しかしながらこのものにあっては、放電電極および対向電極が配置される空間には湿気を含んだ空気を供給する必要がある一方、高電圧を印加する高電圧印加部や水供給手段の電気接続部は、湿気を含んだ空気の環境下では錆の発生等の惧れがあって好ましくなく、放電電極および対向電極が配置される環境と電気接続部が配置される環境とを同一空間で良好にすることは不可能であった。
【特許文献1】特許第3260150号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は上記の従来の問題点に鑑みて発明したものであって、放電電極および対向電極が配置される環境と電気接続部が配置される環境とをそれぞれ良好にすることが可能な静電霧化装置を提供することを課題とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために本発明に係る静電霧化装置は、放電電極11と、放電電極11と対向する対向電極12と、放電電極11に熱的に接続される冷却部21と放熱部22とを有し前記冷却部21を介して放電電極11を冷却することで空気中の水分を結露させて放電電極11に水を供給する水供給手段2と、放電電極11と対向電極12との間に高電圧を印加する高電圧印加部13とで、放電電極11に供給された水を静電霧化する静電霧化装置の主体が構成され、前記静電霧化装置の主体が配置される空間に隔壁3を設けて該空間を湿気を含んだ空気の供給手段14が配置される高湿度領域Aと低湿度領域Bとに仕切り、高湿度領域Aに放電電極11と対向電極12とを配置すると共に、低湿度領域Bに水供給手段2の電気接続部15と高電圧印加部13の電気接続部15を配置して成ることを特徴とするものである。
【0008】
このように、高湿度領域Aに放電電極11と対向電極12とを配置することで、放電電極11に水を良好に供給することができ、高湿度であるほど小さいエネルギーで(すなわち低電力で)同量の水を供給することができ、さらに、電気接続部15を低湿度領域Bに配置して錆の発生を防止することができる。
【0009】
また、請求項2に係る静電霧化装置は、請求項1に係る静電霧化装置において、高湿度領域A内に放電電極11へ湿気を含む空気を供給する空気経路4を形成し、放電電極11に過剰に結露した過剰水の排水経路を前記空気経路4と兼用して成ることを特徴とするものである。
【0010】
放電電極11に水が過剰に供給されると、放電電極11の先端部の放電部11bへの電界集中が弱くなって放電停止となる惧れがあるが、このように空気経路4を排水経路として兼用して過剰水を排水することで、放電電極11の過剰水による放電停止等の不具合を防止することができる。
【0011】
また、請求項3に係る静電霧化装置は、請求項1又は2に係る静電霧化装置において、放電電極11の先端の放電部11bを除く周囲に、断熱部材で形成され、表面が放電電極11に過剰に結露した過剰水の排水を誘導するテーパ面71となった排水誘導部材7を設けて成ることを特徴とするものである。
【0012】
このような構成とすることで、放電電極11を効率良く冷却して低電力で水を供給することができると共に、テーパ面71によって放電電極11の過剰水を排水し易くなるものである。
【0013】
また、請求項4に係る静電霧化装置は、請求項3に係る静電霧化装置において、排水誘導部材7のテーパ面71を横向きにして放電電極11を横向きに設置するものにおいて、排水誘導部材7のテーパ面71の前記放電電極11を突出している部分から下側に、放電電極11に過剰に結露した過剰水の排水を誘導する排水誘導リブ72を設けて成ることを特徴とするものである。
【0014】
このような構成とすることで、排水誘導リブ72によって過剰水が誘導されて排水され易くなるものである。
【0015】
また、請求項5に係る静電霧化装置は、請求項3又は4に係る静電霧化装置において、 排水誘導部材7の表面に親水性を付与する表面処理を施して成ることを特徴とするものである。
【0016】
このような構成とすることで、結露水のテーパ面71上で大きな水滴となるのが防止され、過剰水が溜まり難くなるものである。
【0017】
また、請求項6に係る静電霧化装置は、請求項4に係る静電霧化装置において、放電電極11の周囲を略筒状をした放電電極ケーシング8で囲うと共に該放電電極ケーシング8内に排水誘導部材7を設け、放電電極ケーシング8の下端部に排水誘導部材7を流れてきた排水を誘導するケーシングリブ81を設けて成ることを特徴とするものである。
【0018】
このような構成とすることで、ケーシングリブ81によって過剰水が誘導されて排水され易くなるものである。
【発明の効果】
【0019】
本発明は、高湿度領域に放電電極と対向電極とを配置することで、高湿度であるほど小さいエネルギーで(すなわち低電力で)放電電極に水を供給することができ、さらに、電気接続部を低湿度領域に配置して錆の発生を防止することができ、放電電極および対向電極が配置される環境と電気接続部が配置される環境とをそれぞれ別の領域で良好にすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下、本発明を添付図面に示す実施形態に基いて説明する。
【0021】
静電霧化装置は、放電電極11と、放電電極11と対向する対向電極12と、放電電極11に水を供給する水供給手段2と、放電電極11と対向電極12との間に高電圧を印加する高電圧印加部13とで主体が構成され、これらは本体ケーシング5内に収容される。
【0022】
水供給手段2は、冷却部21と放熱部22とを有するペルチェユニット20を用いたもので、ペルチェユニット20の冷却部21側に放電電極11を接続して放電電極11自体を冷却自在としている。図1に示す実施形態では、ペルチェユニット20に連結させてある支持枠61の先端に対向電極12を支持させることで、放電電極11と対向電極12とを所定の間隔を隔てて互いに対向する位置に固定させている。
【0023】
上記ペルチェユニット20は、熱伝導性の高いアルミナや窒化アルミニウムからなる絶縁板23の片面側に回路24を形成してある一対のペルチェ回路板25を、互いの回路24が向き合うように対向させ、多数列設してあるBiTe系の熱電素子26を両ペルチェ回路板25間で挟持すると共に隣接する熱電素子26同士を両側の回路24で電気的に接続させ、ペルチェ入力リード線27を介してなされる熱電素子26への通電により一方のペルチェ回路板25側から他方のペルチェ回路板25側に向けて熱が移動するように設けたものである。更に、上記一方の側(以下、冷却側という)のペルチェ回路板25の外側にはアルミナや窒化アルミニウム等からなる高熱伝導性及び高耐電性の高い冷却用絶縁板28を接続してあり、また、上記他方の側(以下、放熱側という)のペルチェ回路板25の外側にはアルミナや窒化アルミニウム等からなる高熱伝導性の放熱板29を接続してある。なお、上記ペルチェ回路板25としてはエポキシ樹脂やポリイミド樹脂からなる絶縁板に回路24を形成したものであってもよいし、これらの樹脂に熱伝導性の高いフィラーを含有させたものであってもよい。
【0024】
本例においては、冷却側のペルチェ回路板25の絶縁板23と冷却用絶縁板28とで冷却部21を形成し、放熱側のペルチェ回路板25の絶縁板23と放熱板29とで放熱部22を形成するものであり、熱電素子26を介して冷却部21側から放熱部22側へと熱が移動するようになっている。また、放熱板29は放熱フィンを備えて放熱部22からの放熱を促進させている。
【0025】
上記支持枠61は、PBT樹脂やポリカーボネート樹脂やPPS樹脂等の絶縁材料を用いて両端の貫通した筒状に形成したものであり、一端側の開口部の外周縁にはその全周に亘って複数の連結用のねじ孔62を貫設するとともに、他端側の開口部(以下、これをミスト吐出口63という)にはインサート成形等により一体成形したリング状の対向電極12を位置させている。上記ねじ孔62を介して支持枠61を放熱板29の周縁部にねじ64でねじ止めすることで支持枠61をペルチェユニット20に連結させている。連結手段としては上記ねじ止めに限定されず、例えば、支持枠61をペルチェユニット20に加圧しながら両者を接着してもよい。支持枠61の内周面からはその内部空間を放電空間S1と封止空間S2とに二分割するための隔壁65を延設しており、この隔壁65の中央には放電電極11を挿通させるための挿通孔66が貫設してあるが、放電電極11を挿通して固定した状態では放電空間S1と封止空間S2とが連通せず仕切られた状態となる。
【0026】
なお、上記のように支持枠61に対向電極12を固定するのではなく、支持枠61の放電電極11と対向する箇所に導電性膜を被覆することで対向電極12を形成するようにしてもよい。
【0027】
上記放電電極11は、アルミニウムや銅、タングステン、チタン、ステンレス等の熱伝導性及び導電性の高い材料を用いて形成してあり、この放電電極11は主体部11aと主体部11aの先端部に形成された放電部11bとで構成してあり、本実施形態においては、主体部11aの先端に設けた放電部11bを主体部11aの軸心の延長方向に曲面状に凸曲した凸曲面部により構成してある。この主体部11aの先端部に形成される放電部11bとなる凸曲面部はエッジが無く且つ中央部が外周部に比べて突出するように曲面状に凸曲したものであるが、上記例にのみ限定されず、中央部が外周部に比べて突出するように曲面状に凸曲した頂部となったものであれば他の形状をしていてもよいものである。
【0028】
このように放電電極11の先端部において空気中の水分を結露又は氷結(以下結露の例で説明する)させて水を供給するので水を補給する必要がなく、しかも生成される水に不純物が含まれないので付着物除去の手間も必要でなく、加えて、放電電極11に水が生成される構造であるから冷却を開始してから素早い時間でナノメータサイズのマイナスイオンミストMを生成することが可能となる。更に、静電霧化装置に備える冷却手段としてペルチェユニット20を用いているので、コンパクトでありながら素早く且つ強力に放電電極11を冷却して結露水を生成して水を自動供給できるものであり、更に、放電電極11の先端部を曲面状に凸曲した凸曲面部としてあるので、放電電極11の先端部が平坦面の場合に比べて、テーラーコーンを形成する場所が凸曲面部の頂部に特定されて一定の決まった位置で安定してテーラーコーンを形成することができ、また、凸曲面部の頂部の水を通る電束密度が大きくなって放電電極11の先端の凸曲面部に生成した結露水を安定してテーラーコーンとして形成でき、更に、放電電極11の先端部が平坦面の場合に比べて、水の形状が同量の水の場合、凸曲形状をしているので、この点でもテーラーコーンが安定して形成されることになり、更に、このように放電電極11の先端部の形状をテーラーコーンが安定して形成できるように形成したにもかかわらず、曲面状に凸曲した凸曲面部であってエッジ部分が無いため、形成されたテーラーコーンの先端に大きな電界が集中してナノメータサイズのマイナスイオンミストMが生成されて空気中に飛び出した直後であっても、先が尖った錐形状のもののように放電電極11の錐形状の最先端の尖った金属部分が露出して金属放電が生じ易いというような問題がなくて、金属放電を抑制でき、これらの理由により本発明においては、ナノメータサイズのマイナスイオンミストMが安定して生成できるものである。
【0029】
また、電極の下端部には主体部11aよりも大径の被挟持部11cが設けてある。
【0030】
上記のような構成の放電電極11はペルチェユニット20の冷却部21に設けられるのであるが、添付図面に示す実施形態においては、支持枠61をペルチェユニット20に連結する際に、上記放電電極11の主体部11aを支持枠61に設けた隔壁65の連通孔66に嵌め込んで放電部11b側を空間S1内に位置させ、被挟持部11c側を封止空間S2内に位置させることで、支持枠61の隔壁65が放電電極11の被挟持部11cとペルチェユニット20の冷却用絶縁板28とを挟み込むものであり、この挟み込みによって放電電極11がペルチェユニット20の冷却部21側に押圧されて接続状態となる。また、図中67は封止部材であって、ペルチェユニット20内部を封止している。
【0031】
図中68は、支持枠61の放電空間S1内において一端側が放電電極11に接続されるとともに他端側が支持枠61外に引き出されて高電圧印加部13に接続されるように金属又は導電性プラスチックを用いて形成した高圧リード線であり、この高圧リード線68を介して放電電極11と電気的に接続された高電圧印加部13を更に対向電極12と電気的に接続させることで放電電極11と対向電極12との間に高電圧を印加するようになっている。
【0032】
しかして、上記構成の静電霧化装置において、熱電素子26に対してペルチェ入力リード線27を介して通電を行うと、各熱電素子26内において同一方向への熱の移動が生じ、この熱移動の冷却側に接続される冷却部21を介して放電電極11が冷却され、放電電極11の周囲の空気が冷却されることで、空気中の水分が結露して液化されて放電電極11の表面に水(結露水)が生成されるものである。そして、放電電極11の先端部の放電部11bに水が生成され且つ保持された状態で、高電圧印加部13により放電電極11の放電部11b側がマイナス電極となって電荷が集中するように該放電電極11と対向電極12との間に高電圧を印加すると、放電電極11と対向電極12との間にかけられた高電圧により放電電極11の先端部の放電部11bに供給された水と対向電極12との間にクーロン力が働いて、水の液面が局所的に錐状に盛り上がり(テーラーコーン)が形成される。このようにテーラーコーンが形成されると、該テーラーコーンの先端に電荷が集中してこの部分における電界強度が大きくなって、これによりこの部分に生じるクーロン力が大きくなり、更にテーラーコーンを成長させる。そして、上記クーロン力が水の表面張力を超えると、テーラーコーン形状となった水が分裂(レイリー分裂)を繰り返し、ナノメータサイズのマイナスイオンミストMを大量に生成させる。
【0033】
ナノメータサイズのマイナスイオンミストMは放電電極11と対向する対向電極12に向けて移動し、ミスト吐出口63内に固定される対向電極12の中央孔を通過して静電霧化装置の外部へと放出される。
【0034】
本発明では、本体ケーシング5内の空間が静電霧化装置の主体が配置される空間となり、この静電霧化装置の主体が配置される空間を隔壁3によって二つの領域に仕切るもので、二つの領域とは、湿気を含んだ空気の供給手段14が配置される高湿度領域Aと、高湿度領域Aよりも湿度が低い低湿度領域Bとである。湿気を含んだ空気の供給手段14は、本実施形態では水貯留部14aおよび蒸発促進手段としてのファン14bを備えたものであるが、本静電霧化装置を加湿器やスチーマーに組み込む場合には、特に湿気を含んだ空気の供給手段14を設けたりする必要がなく、加湿器やスチーマーで生成される湿気を含んだ空気を利用することができる。また隔壁3は、本実施形態では本体ケーシング5内面に設けられる壁部に加えて、静電霧化装置の上述した隔壁65も二つの領域に仕切る隔壁3として利用している。
【0035】
そして、高湿度領域Aに放電電極11と対向電極12とを配置し、低湿度領域Bに、水供給手段2の電気接続部15や電気接続高電圧印加部の電気接続部15等の電気接続部15を配置するものである。電気接続部15は、半田等による接続部をはじめ様々な接続部が挙げられ、また、接続部のみならず高電圧印加部や水供給手段2の制御部等の電気機器を本体ケーシング5内に収容する場合でも、これらを低湿度領域Bに配置するものである。
【0036】
本実施形態では、高湿度領域Aの下端部近傍に該高湿度領域A内に空気を取り入れるための取入れ口51を形成すると共に、上端部に空気を吐出するための吐出口52を形成してあり、取入れ口51の近傍に湿気を含んだ空気の供給手段14を配置してある。また更に、高湿度領域A内に縦板状の仕切り53を配置して仕切り53の上下で左右に連通する二つの領域に仕切り、一方の領域を仕切り53の下の空気の流入口54から空気が流入して仕切り53の上の空気の流出口55から流出する空気経路4とし、この空気経路4に放電電極11と対向電極12とを配置している。図中の符号56は空気経路4に空気を流すためのファンである。高湿度領域A内の二つの領域は空気経路4を形成した領域の方が狭く、もう一方の領域を湿気を含んだ空気の供給手段14からの空気の大部分が通り、残りが空気経路4を通ってマイナスイオンミストの吐出を促進するものである。
【0037】
低湿度領域Bには、本体ケーシング5の側壁に開口を形成して空気の流入口57と流出口58を形成すると共に、空気を本体ケーシング5外より取り入れるためのファン59が設けてあり、外部より取り入れた低湿度の空気によって放熱部22を冷却するようになっている。
【0038】
また、本実施形態では、放電電極11の周囲を略筒状をした放電電極ケーシング8で囲い、この放電電極ケーシング8内であって放電電極11の先端の放電部11bを除く周囲に排水誘導部材7を設けてある。排水誘導部材7は、例えばポリアミド等の発泡樹脂成形品からなる断熱部材で形成され、表面が放電電極11に過剰に結露した過剰水の排水を誘導するテーパ面71となったものである。このテーパ面71は本実施形態では横向きとなって放電電極11が横向きに設置されており、テーパ面71に付着した過剰水はこのテーパ面71により下方に流れてテーパ面71上に付着して溜まるのが防止される。テーパ面71を下方に流れた過剰水は、上記空気経路4を下方に落下して水貯留部14aに戻されることとなり、空気経路4が過剰水の排水経路となって兼用している。
【0039】
また本実施形態では、この排水誘導部材7の表面(特にテーパ面71)には、親水性を付与する表面処理を施してある。表面処理は例えば微細な凹凸を形成したりするもので、これにより表面上に水が盛り上がって溜まるのが防止され、表面上に溜まる水の量をより一層少なく抑えることができる。
【0040】
また、放電電極ケーシング8の下端部に、排水誘導部材7のテーパ面71を流下してきた排水を誘導するケーシングリブ81を設けてある。これにより、ケーシングリブ81によって過剰水が誘導されて排水され易くなるものである。
【0041】
また図4に示す実施形態のように、排水誘導部材7のテーパ面71の前記放電電極11を突出している部分から下側に、放電電極11に過剰に結露した過剰水の排水を誘導する排水誘導リブ72を設けることで、テーパ面71からの過剰水の排水性を更に一層向上させてもよい。このように、排水誘導部材7やその排水誘導リブ72、ケーシングリブ81によって過剰水の排水が誘導されて、放電電極11に水が過剰に溜まって対向電極12にまで繋がってリークするのが防止されるものであり、これにあたり特に排水のための制御を行ったりする必要もない。また、ペルチェユニット20の稼動時間と停止時間を調節したりすることで水の供給量を制御可能であるが、上述したように排水を誘導することで特に制御することなく水が過剰に溜まるのが防止される。
【0042】
以上のような本発明の静電霧化装置にあっては、高湿度領域Aに放電電極11と対向電極12とを配置することで、放電電極11に水を良好に供給することができ、高湿度であるほど小さいエネルギーで(すなわち低電力で)同量の水を供給することができると共に、低湿度領域Bに電気接続部15を配置して錆の発生を防止することができ、放電電極11および対向電極12が配置される環境と電気接続部15が配置される環境とをそれぞれ別の領域で良好にすることができて、水の供給を良好に行いつつ静電霧化装置の寿命を延ばすことができる。
【0043】
またなお、別の実施形態として、例えば浴室ユニットの壁等を隔壁3として利用し、浴室ユニットの壁からなる隔壁3より浴室ユニット内に放電電極11および対向電極12を臨ませて配置し、浴室ユニット外に電気接続部15を配置し、浴室ユニット内を高湿度領域Aとすると共に、浴室ユニット外を低湿度領域Bとして利用するようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0044】
【図1】本発明の静電霧化装置の一実施形態を示す概略構成断面図である。
【図2】同上の主体の部分の拡大図を示し、(a)は側断面図であり、(b)は縦断面図であり、(c)は正面断面図である。
【図3】同上の静電霧化装置の斜視図である。
【図4】他の実施形態の要部(対向電極を除く放電電極ケーシング)を示し、(a)は側断面図であり、(b)は正面図である。
【符号の説明】
【0045】
11 放電電極
12 対向電極
15 電気接続部
2 水供給手段
21 冷却部
22 放熱部
3 隔壁
A 高湿度領域
B 低湿度領域
【出願人】 【識別番号】000005832
【氏名又は名称】松下電工株式会社
【出願日】 平成18年7月14日(2006.7.14)
【代理人】 【識別番号】100087767
【弁理士】
【氏名又は名称】西川 惠清

【識別番号】100085604
【弁理士】
【氏名又は名称】森 厚夫


【公開番号】 特開2008−18404(P2008−18404A)
【公開日】 平成20年1月31日(2008.1.31)
【出願番号】 特願2006−194747(P2006−194747)