トップ :: B 処理操作 運輸 :: B05 霧化または噴霧一般;液体または他の流動性材料の表面への適用一般

【発明の名称】 塗料漏れ検知装置、塗料充填システム
【発明者】 【氏名】森 貴宣

【氏名】阿知波 徳幸

【要約】 【課題】塗料押出液の汚染を早期に発見でき、ひいては被塗装物の塗装品質低下を防止できる塗料漏れ検知装置を提供すること。

【構成】塗料漏れ検知装置31は、塗料カートリッジ11における塗料室13から塗料押出液室14への塗料漏れを検知する。塗料カートリッジ11は塗料充填装置21に着脱可能に取り付けられ、塗料室13及び塗料押出液室14は変形可能な区画体12を隔てて互いに区画される。また、塗料漏れ検知装置31は、塗料漏れに起因する塗料押出液中の混入物を検知する混入物検知手段33を備える。従って、塗料押出液の汚染を早期に発見できる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
変形または変位可能な区画体を隔てて互いに区画される塗料室及び塗料押出液室を有し、塗料充填装置に着脱可能に取り付けられる塗料カートリッジにおける前記塗料室から前記塗料押出液室への塗料漏れを検知する装置であって、塗料漏れに起因する塗料押出液中の混入物を検知する混入物検知手段を備えたことを特徴とする塗料漏れ検知装置。
【請求項2】
前記塗料は静電塗装用水性塗料であり、前記塗料押出液は前記塗料と比重差がある絶縁性の油性透明液体であることを特徴とする請求項1に記載の塗料漏れ検知装置。
【請求項3】
1つの被塗装物の塗装に必要な塗料の使用量以上の容量を有する有底容器と、前記有底容器を挟んでその底部外周側に対向配置された投光器及び光検出器からなる前記混入物検知手段と、前記塗料押出液を前記有底容器内に導くための導入管と、前記塗料押出液を前記有底容器の外部に排出するための排出管と
を備えたことを特徴とする請求項1または2に記載の塗料漏れ検知装置。
【請求項4】
1つの被塗装物の塗装に必要な塗料の使用量以上の容量を有する有底容器と、前記有底容器を挟んでその上部外周側に対向配置された投光器及び光検出器からなる前記混入物検知手段と、前記塗料押出液を前記有底容器内に導くための導入管と、前記塗料押出液を前記有底容器の外部に排出するための排出管と
を備えたことを特徴とする請求項1または2に記載の塗料漏れ検知装置。
【請求項5】
変形または変位可能な区画体を隔てて互いに区画される塗料室及び塗料押出液室を有する塗料カートリッジが着脱可能に取り付けられるカートリッジ取付部を設け、前記塗料カートリッジの取付時に塗料を前記塗料室内に導く塗料充填経路を設けた塗料充填装置と、
前記塗料押出液を溜めておくための塗料押出液貯留容器と、
前記塗料押出液室から排出される前記塗料押出液を、前記塗料充填装置を介して前記塗料押出液貯留容器に戻す塗料押出液戻り経路と、
前記塗料押出液戻り経路上に設置された請求項1乃至4のいずれか1項に記載の塗料漏れ検知装置と
を備えたことを特徴とする塗料充填システム。
【請求項6】
前記塗料押出液戻り経路上において前記塗料漏れ検知装置の下流側または前記塗料押出液貯留容器に設置され、前記塗料押出液中に異物として含まれる塗料成分を比重差を利用して除去する異物除去装置をさらに備えたことを特徴とする請求項5に記載の塗料充填システム。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、塗料カートリッジにおける塗料室から塗料押出液室への塗料漏れを検知する塗料漏れ検知装置、及び、塗料漏れ検知装置を備える塗料充填システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、自動車ボディなどの被塗装物を塗装する塗装システムにおいては、高品質な塗装が要求されるため、塗着効率や塗膜の平滑性などに優れた静電塗装機が用いられている。
【0003】
静電塗装機では、静電塗装用水性塗料を霧化するための回転霧化頭が設けられており、その回転霧化頭に高電圧を印加することにより、回転霧化頭で霧化された塗料粒子が帯電されて静電塗装が行われる。この静電塗装機としては、塗料カートリッジを塗装機本体に装着して定量の塗料押出液(作動流体)を充填することにより、塗料カートリッジ内の塗料を押し出して回転霧化頭に供給し、塗装を行うようにした塗装機がある(例えば、特許文献1参照)。なお、塗料カートリッジは、ピストンを隔てて互いに区画される塗料室及び塗料押出液室を有し、塗料押出液を充填してピストンが移動するのに伴って、塗料室内の塗料を押し出すようになっている。
【0004】
ところで、塗料供給系を流れる塗料を介して電流がリークするおそれがあるため、それを防止する絶縁対策が必要となる。この対策としては、例えば、塗料押出液として絶縁性の液体(有機溶剤など)を使用することが提案されている。これらの塗料押出液は、比重が0.7〜0.9と小さく、比重が1.1〜1.3となる静電塗装用水性塗料と比較すると軽い流体である。
【0005】
また、別の絶縁対策として、従来の塗料カートリッジに代えて、塗料が充填される塗料バッグを備えた塗料カートリッジを塗装機本体に装着することが提案されている。この塗料カートリッジを用いれば、塗料室内(塗料バッグ内)から塗料押出液室への塗料漏れが完全に防止されるため、電流のリークをより確実に防止することができる。この場合、塗料押出液を塗料押出液室に充填して塗料バッグ内の塗料を押し出すことにより、塗料が回転霧化頭に供給される。
【特許文献1】特開2000−176328号公報(図6等参照)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、何らかの原因で塗料バッグが破れると、塗料バッグ内の塗料は一気に塗料押出液室に漏れ出してしまう。仮に、特許文献1に記載の塗料カートリッジであったとしても、ピストンが傾いて外周部分に設けられたシールリングが脱落するなどした場合には、塗料室内の塗料が一気に塗料押出液室に漏れ出してしまう可能性がある。なお、塗料押出液室内の塗料押出液は、塗料カートリッジが塗料充填装置に取り付けられている際に塗料押出液貯留容器に回収されて再利用されるため、この状態で塗料が一気に漏れ出すと、汚染された塗料押出液が塗料押出液の回収経路に流れ込んでしまい、塗料押出液全体が汚染されてしまう。特に、塗料押出液貯留容器から複数の塗料充填装置や複数の塗装機に塗料押出液を供給するように構成されている場合、1つの塗料カートリッジにて塗料バッグが破損すると、塗料が混入した塗料押出液は、塗料押出液貯留容器に流れた後、全ての塗料充填装置及び全ての塗装機に供給されてしまうことになる。この場合、生産ラインを長時間停止させて、復旧作業(塗料押出液の交換や洗浄など)を行わなければならない。
【0007】
ゆえに、塗料が塗料押出液室に漏れ出すのを検知する必要がある。仮に、塗料バッグの破損(またはピストンのシールリングの脱落)に気付かずに、塗料の充填や排出を行うと、塗料押出液が混入した塗料が被塗装物に吹き付けられるため、被塗装物の塗装品質(色、艶、肌、耐候性)が低下して不良品となってしまう。よって、上記の異常にすぐに気付かないと、膨大な損失やクレームを発生させることになる。
【0008】
特に、塗料押出液が有機溶剤である場合、水性塗料は、塗料押出液よりも比重が大きくなるために、塗料カートリッジの底部に溜まる。従って、塗料バッグが破損(またはピストンのシールリングが脱落)して塗料が塗料押出液室に漏れ出したとしても、漏れ出した塗料に気付くことは非常に困難である。つまり、大量に塗料が漏れ出して、塗料カートリッジ内にある流入排出口から外部に排出されなければ、塗料漏れの検知は困難である。
【0009】
本発明は上記の課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、塗料押出液の汚染を早期に発見でき、ひいては被塗装物の塗装品質低下を防止できる塗料漏れ検知装置、塗料充填システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、変形または変位可能な区画体を隔てて互いに区画される塗料室及び塗料押出液室を有し、塗料充填装置に着脱可能に取り付けられる塗料カートリッジにおける前記塗料室から前記塗料押出液室への塗料漏れを検知する装置であって、塗料漏れに起因する塗料押出液中の混入物を検知する混入物検知手段を備えたことを特徴とする塗料漏れ検知装置をその要旨とする。
【0011】
従って、請求項1に記載の発明によると、塗料室から塗料押出液室への塗料漏れが発生したとしても、混入物検知手段が、塗料漏れに起因する塗料押出液中の混入物を検知する。従って、塗料の混入による塗料押出液の汚染を早期に発見できる。また、混入物検知手段が塗料押出液中の混入物を検知することで、区画体の異常を知ることができ、その場合には塗料に塗料押出液が混入するおそれがあると類推できる。従って、塗料押出液が混入した塗料を用いて被塗装物が塗装されることを防止できるとともに、それに起因した被塗装物の塗装品質低下を防止できる。
【0012】
ここで、前記カートリッジ本体内にて変形可能に設けられた区画体としては、ダイヤフラム、ベローズ、塗料バッグなどが挙げられる。また、前記カートリッジ本体内にて変位可能に設けられた区画体としては、ピストンなどが挙げられる。なお、塗料室から塗料押出室への塗料漏れを確実に防止するためには、ダイヤフラム、ベローズ及び塗料バッグなどの変形可能な区画体を用いることが好ましい。特には、ダイヤフラムよりも容積変化が大きく、しかもベローズよりも構造が簡単な塗料バッグを、区画体として用いることが好ましい。
【0013】
また、混入物検知手段としては、投光器及び光検出器からなり、光検出器が投光器からの光を受光しにくくなった際に塗料押出液中の混入物を検知するものや、超音波を用いて塗料押出液中の混入物を検知するものなどの非接触式の混入物検知手段が挙げられる。さらに、混入物検知手段としては、一対の電極からなり、塗料押出液を介して両電極間が通電した際に塗料押出液中の混入物を検知するものなどの接触式の混入物検知手段が挙げられる。しかし、上記接触式の混入物検知手段は、塗料押出液中に混入物があったとしても、両電極間が通電せずに混入物を検知できない可能性がある。よって、混入物検知手段としては、非接触式の混入物検知手段を用いることが好ましく、特には、非接触式の混入物検知手段の中でも低コストとなる投光器及び光検出器からなるものを用いることが好ましい。
【0014】
上記発明において、前記塗料は静電塗装用水性塗料であり、前記塗料押出液は前記塗料と比重差がある絶縁性の油性透明液体であることが好ましい(請求項2)。このようにすれば、塗料及び塗料押出液を介して電流がリークすることを防止できる。この場合、塗料押出液としては、飽和炭化水素を主成分とする飽和脂肪族炭化水素やナフテン系炭化水素などの油性透明液体を挙げることができる。なお、前記脂肪族炭化水素やナフテン系炭化水素は溶解性や塗料凝集性が低いため、漏れ出した塗料を凝集させることなく塗料充填装置から前記塗料漏れ検知装置に容易に排出することができる。
【0015】
ところで、塗料(静電塗装用水性塗料)の比重は、通常塗料押出液(油性透明液体)の比重よりも大きいため、塗料漏れ検知装置が有底容器を備える場合、漏れ出した塗料は有底容器の底部に溜まる。この場合、前記塗料漏れ検知装置は、1つの被塗装物の塗装に必要な塗料の使用量以上の容量を有する有底容器と、前記有底容器を挟んでその底部外周側に対向配置された投光器及び光検出器からなる前記混入物検知手段と、前記塗料押出液を前記有底容器内に導くための導入管と、前記塗料押出液を前記有底容器の外部に排出するための排出管とを備えることが好ましい(請求項3)。この構成によれば、導入管を介して有底容器内に導入された塗料押出液が有底容器の底部に滞留するため、塗料押出液に混入した塗料は有底容器の底部に確実に溜まる。従って、有底容器の底部外周側に配置された光検出器は、塗料押出液が汚染されるとすぐに投光器からの光を受光しにくくなるため、塗料押出液の汚染を容易に検出することができる。また、有底容器は、塗料の1回の使用量以上の容量を有しているため、有底容器内に導入された塗料押出液が滞留せずに排出管から有底容器の外部に排出される可能性が低くなる。よって、塗料漏れがあったとしても、汚染された塗料押出液は有底容器に滞留するため、塗料押出液の汚染が広がりにくくなる。さらに、有底容器内に塗料押出液を溜めることにより、塗料押出液に混入したエアを抜くこともできる。
【0016】
上記の内容は、塗料の比重が塗料押出液の比重よりも大きい場合を示しているが、特殊なケースとして、塗料の比重が塗料押出液の比重よりも小さい場合もある。この場合、前記塗料漏れ検知装置は、1つの被塗装物の塗装に必要な塗料の使用量以上の容量を有する有底容器と、前記有底容器を挟んでその上部外周側に対向配置された投光器及び光検出器からなる前記混入物検知手段と、前記塗料押出液を前記有底容器内に導くための導入管と、前記塗料押出液を前記有底容器の外部に排出するための排出管とを備えることが好ましい(請求項4)。この構成によれば、導入管を介して有底容器内に導入された塗料押出液が有底容器の上部に確実に溜まる。従って、有底容器の上部外周側に配置された光検出器は、塗料押出液が汚染されるとすぐに投光器からの光を受光しにくくなるため、塗料押出液の汚染を容易に検出することができる。なお、塗料の比重が塗料押出液の比重よりも小さくなる具体例としては、塗料が上塗り水性ベースの塗料であって比重が1.1以下となり、塗料押出液がエチレングリコールであって比重が1.134となる場合などが挙げられる。
【0017】
請求項5に記載の発明は、変形または変位可能な区画体を隔てて互いに区画される塗料室及び塗料押出液室を有する塗料カートリッジが着脱可能に取り付けられるカートリッジ取付部を設け、前記塗料カートリッジの取付時に塗料を前記塗料室内に導く塗料充填経路を設けた塗料充填装置と、前記塗料押出液を溜めておくための塗料押出液貯留容器と、前記塗料押出液室から排出される前記塗料押出液を、前記塗料充填装置を介して前記塗料押出液貯留容器に戻す塗料押出液戻り経路と、前記塗料押出液戻り経路上に設置された請求項1乃至4のいずれか1項に記載の塗料漏れ検知装置とを備えたことを特徴とする塗料充填システムをその要旨とする。
【0018】
従って、請求項5に記載の発明によると、塗料カートリッジが塗料充填装置のカートリッジ取付部に取り付けられた際に、塗料室から塗料押出液室への塗料漏れが発生したとしても、塗料漏れ検知装置の混入物検知手段が、塗料漏れに起因する塗料押出液中の混入物を検知する。従って、塗料押出液の汚染を早期に発見できるため、汚染された塗料押出液が、塗料押出液戻り経路や塗料漏れ検知装置だけでなく、塗料押出液貯留容器などに広がることを防止できる。また、混入物検知手段が塗料押出液中の混入物を検知することで、区画体の異常を知ることができ、その場合には塗料に塗料押出液が混入するおそれがあると類推できる。従って、塗料押出液が混入した塗料を用いて被塗装物が塗装されることを防止できるとともに、それに起因した被塗装物の塗装品質低下を防止できる。
【0019】
上記請求項5に記載の発明において、前記塗料充填システムは、前記塗料押出液戻り経路上において前記塗料漏れ検知装置の下流側または前記塗料押出液貯留容器に設置され、前記塗料押出液中に異物として含まれる塗料成分を比重差を利用して除去する異物除去装置をさらに備えることが好ましい(請求項6)。このように構成すれば、万一塗料室から塗料押出液室への塗料漏れが発生しても、異物として含まれる塗料成分が除去された塗料押出液が塗料押出液貯留容器に戻される。よって、塗料充填システムの他の部分への影響を最小限にとどめることができる。
【発明の効果】
【0020】
以上詳述したように、請求項1〜6に記載の発明によると、塗料押出液の汚染を早期に発見でき、ひいては被塗装物の塗装品質低下を防止できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
以下、本発明を具体化した一実施形態を図面に基づき詳細に説明する。
【0022】
まず、塗装機1の構成について説明する。図1に示されるように、塗装機1は、塗装用ロボットのアーム2の先端に装着されている。塗装機本体3の正面には、塗装機本体3に内蔵されたエアモータ4bの管状回転軸4aを介して、回転霧化頭4が回転可能に取り付けられている。なお、この回転霧化頭4には、図示しない高電圧発生器から高電圧が印加されるようになっている。即ち、塗装機1は、塗料を負に帯電し、自動車ボディなどの被塗装物をアースした状態で、塗装を行う静電塗装機である。
【0023】
また、塗装機本体3の背面に設けられた装着部には、塗料カートリッジ11が着脱可能に取り付けられている。この塗料カートリッジ11は、透明な耐溶剤性の樹脂からなり、略筒状をなす本体部11aと、本体部11aが装着されるベース部11cと、本体部11aの開口部分を塞ぐ蓋部11bとから構成されている。ベース部11cは、塗装機本体3の装着部に接続可能な接続端面11fを有している。
【0024】
図1に示されるように、塗料カートリッジ11内には塗料バッグ12(区画体)が設けられている。塗料バッグ12は、可撓性を有する樹脂製のバッグであり、変形可能となっている。塗料バッグ12は、塗料カートリッジ11の内部領域を、塗料が充填される塗料室13と、塗料を塗料室13から押し出すための塗料押出液が給排される塗料押出液室14とに区画しており、塗料と塗料押出液との接触を防止するようになっている。なお、塗料バッグ12は、一端側に開口部を有する袋状に形成されているため、塗料バッグ12の内部が塗料室13となる。ここで、本実施形態で用いられる塗料は、導電性を有する静電塗装用水性塗料であり、本実施形態で用いられる塗料押出液は、絶縁性を有する脂肪族炭化水素やナフテン系炭化水素などの油性透明液体である。ゆえに、油性透明液体の比重は0.7〜0.9となり、静電塗装用水性塗料の比重(1.1〜1.3)よりも小さくなる。
【0025】
なお、塗料バッグ12は、塗料押出液室14内に塗料押出液が充填された際に変形して収縮する。これに伴い、塗料バッグ12内(塗料室13内)の塗料は塗料カートリッジ11の外部領域に押し出される。また、塗料バッグ12は、内部(塗料室13内)に塗料が充填された際に変形して膨張する。これに伴い、縮小された塗料押出液室14内の塗料押出液は、塗料カートリッジ11の外部領域に押し出される。本実施形態において、塗料室13の最大容量は約500ccに設定され、塗料押出液室14の最大容量は約1000ccに設定されている。
【0026】
図1に示されるように、塗料カートリッジ11内には、塗料室13と塗料カートリッジ11の外部領域との間を連通しうる塗料移動経路を構成する塗料移動管16が設けられている。また、塗料カートリッジ11内には、塗料押出液室14と塗料カートリッジ11の外部領域との間を連通しうる塗料押出液移動経路を構成する塗料押出液移動管15が設けられている。塗料移動管16の先端は塗料室13内にて開口し、塗料移動管16の基端部は、ベース部11c内に設けられた塗料移動経路上の塗料ストップ弁11dに連結されている。一方、塗料押出液移動管15の先端は塗料押出液室14内にて開口し、塗料押出液移動管15の基端部は、ベース部11c内に設けられた塗料押出液移動経路上の塗料押出液ストップ弁11eに連結されている。塗料押出液ストップ弁11eは、塗装機1に取り付けられた際に開状態となり、塗料押出液室14と塗料カートリッジ11の外部領域との間が連通する。また、塗料押出液ストップ弁11eは、塗装機1に取り付けられていないときに閉状態となり、塗料押出液室14と塗料押出液ストップ弁11eの外部領域との間が連通しなくなる。
【0027】
図1に示されるように、塗料移動管16は、塗料ストップ弁11dを介して前記塗装機本体3内の塗料吐出通路5に連通している。塗料吐出通路5は、前記管状回転軸4aを挿通しており、塗料室13から押し出された塗料を前記回転霧化頭4に供給する通路である。また、塗料吐出通路5上には、塗料吐出通路5を連通または遮断するトリガバルブ7が設けられている。一方、塗料押出液移動管15は、塗料押出液ストップ弁11eを介して塗装機本体3内の塗料押出液通路6に連通している。塗料押出液通路6は、前記塗装用ロボットのアーム2に沿って延びる配管を介して前記塗料カートリッジ11の前記塗料押出液室14内に塗料押出液を供給する通路である。また、塗料押出液通路6上には、塗料押出液通路6を連通または遮断するトリガバルブ8が設けられている。なお、本実施形態のトリガバルブ7,8は、図示しないソレノイドにより作動する電磁弁である。
【0028】
なお、塗料カートリッジ11には、図2に示される塗料充填システム20に取り付けられた状態で塗料が充填されるようになっている。塗料充填システム20は、塗料充填装置21、塗料押出液貯留容器27、塗料押出液送り配管29、塗料押出液戻り配管28(塗料押出液戻り経路)及び塗料漏れ検知装置31などを備えている。塗料充填装置21は、塗料押出液送り配管29を介して塗料押出液貯留容器27に接続されている。また、塗料充填装置21は、塗料押出液戻り配管28を介して塗料押出液貯留容器27に接続されており、塗料押出液貯留容器27上には塗料漏れ検知装置31が設けられている。
【0029】
塗料充填装置21にはカートリッジ取付部30が設けられ、カートリッジ取付部30の上面には塗料カートリッジ11が着脱可能に取り付けられる。なお、この状態において、前記塗料押出液ストップ弁11eは開状態となる。
【0030】
図2に示されるように、カートリッジ取付部30の下面には、複数のカラーバルブ23を有する塗料マニホールド22が取り付けられている。塗料マニホールド22内には、カラーバルブ23を開状態に切り替えた際に、塗料タンク52内に溜められた塗料を塗料ポンプ51によって塗料室13内に導く塗料充填経路22aが設けられている。また、カートリッジ取付部30の下面には、開状態に切り替えられた際に塗料などを排出する排出バルブ22bが取り付けられている。そして、カートリッジ取付部30内には、塗料室13内の塗料を排出バルブ22bを介して外部に排出する塗料排出経路22cが設けられている。また、塗料押出液ストップ弁11eと塗料充填経路22aと塗料排出経路22cとの接続部分には、塗料押出液ストップ弁11e、塗料充填経路22a及び塗料排出経路22cのうちの1つを遮断して、残りの2つを連通させるトリガバルブ22dが設けられている。なお、本実施形態のカラーバルブ23、排出バルブ22b及びトリガバルブ22dは、図示しないソレノイドにより作動する電磁弁である。
【0031】
図2に示されるように、前記塗料押出液送り配管29上には、塗料押出液送り配管29を開状態または閉状態に切り替える液体供給バルブ24が設けられている。液体供給バルブ24は、カートリッジ取付部30の側面に取り付けられている。液体供給バルブ24は、開状態に切り替えられた際に、塗料押出液送り配管29及びカートリッジ取付部30を介して前記塗料押出液室14に塗料押出液を充填可能とするようになっている。なお、本実施形態の液体供給バルブ24は、図示しないソレノイドにより作動する電磁弁である。また、塗料押出液送り配管29上には塗料押出液供給ポンプ26が設けられている。塗料押出液送り配管29は、塗料押出液供給ポンプ26の駆動により、前記塗料押出液貯留容器27に溜められた塗料押出液を塗料押出液室14に供給する経路である。なお、塗料押出液供給ポンプ26は、塗料押出液を他の塗料充填装置21(塗料カートリッジ11内の塗料押出液室14)や他の塗装機1にも供給するようになっている。
【0032】
図2に示されるように、前記塗料押出液戻り配管28上には、塗料押出液戻り配管28を開状態または閉状態に切り替える液体排出バルブ25が設けられている。液体排出バルブ25は、カートリッジ取付部30の側面に取り付けられている。液体排出バルブ25は、開状態に切り替えられた際に、塗料押出液室14内の塗料押出液を排出可能とするようになっている。なお、本実施形態の液体排出バルブ25は、図示しないソレノイドにより作動する電磁弁である。塗料押出液戻り配管28は、塗料押出液室14から排出される塗料押出液を、塗料充填装置21及び塗料押出液戻り配管28を介して塗料押出液貯留容器27に戻す経路である。なお、塗料押出液戻り配管28は他の塗料充填装置21や他の塗装機1にも接続されているため、塗料押出液貯留容器27には、他の塗料充填装置21や他の塗装機1から排出される塗料押出液も戻るようになっている。
【0033】
図2,図3に示されるように、塗料押出液戻り配管28上には前記塗料漏れ検知装置31が設置されており、塗料漏れ検知装置31は、前記塗料カートリッジ11における前記塗料室13から塗料押出液室14への塗料漏れを検知するようになっている。塗料漏れ検知装置31は、透明な耐溶剤性の樹脂からなる有底容器32を備えており、容器支持台31aによって支持されている。有底容器32は、1台の自動車用ボディの塗装に必要な塗料の使用量(本実施形態では100〜200cc)とほぼ同じ容量を有している。有底容器32は、略円筒状をなす本体部32bと、本体部32bが装着される底部32aと、本体部32bの開口部分を塞ぐ蓋部32cとから構成されている。
【0034】
図3に示されるように、有底容器32内には、塗料押出液戻り配管28を通過する塗料押出液を有底容器32内に導くための導入管36と、塗料押出液を有底容器32から塗料押出液戻り配管28に排出するための排出管37とが設けられている。導入管36の先端は、有底容器32内の底部32a近傍にて開口しており、排出管37の先端は、有底容器32内の蓋部32c近傍にて開口している。一方、導入管36の基端部及び排出管37の基端部は、蓋部32cを挿通して有底容器32の外部に突出するとともに、接続ネジ部38を介して塗料押出液戻り配管28に着脱可能に取り付けられている。従って、有底容器32は、塗料押出液戻り配管28に対して着脱可能となっている。また、塗料押出液戻り配管28を通過する塗料押出液の進行方向は、導入管36(または排出管37)との接続部分(接続ネジ部38がある部分)において90°変化する。即ち、有底容器32は、塗料押出液戻り配管28の流れとは別の位置に突出させるように配置されている。なお、塗料押出液は、有底容器32内に導かれた際に流速が大きく低下する。このとき、塗料押出液中に異物として含まれる塗料成分は、塗料押出液よりも比重が大きいために有底容器32の底部32aに溜まる。そして、塗料成分が分離された塗料押出液のみが、排出管37から有底容器32の外部に排出される。
【0035】
また、塗料漏れ検知装置31は、塗料漏れに起因する塗料押出液中の混入物を検知する混入物検知手段33を備えている。混入物検知手段33は投光器34及び光検出器35からなり、投光器34及び光検出器35は、有底容器32を挟んで底部32aの外周側に対向配置されている。具体的にいうと、投光器34は、前記容器支持台31aに設けられた投光器取付部34aに取り付けられ、光検出器35は、容器支持台31aに設けられた光検出器取付部35aに取り付けられている。なお、投光器34及び光検出器35は、導入管36の先端よりも底部32a近傍に位置しているため、投光器34からの光が導入管36によって遮られなくて済む。なお、本実施形態では、底部32aの外径が約100mmに設定されているため、投光器34と光検出器35との距離(即ち光路長L)も約100mmとなっている。投光器34は、パソコン61のCPU62(図2参照)から出力された発光信号に基づいて発光するようになっている。光検出器35は、有底容器32を通過した投光器34からの光を受光して、受光強度Iを測定するようになっている。そして、塗料押出液中の塗料成分が有底容器32の底部32aに溜まると、投光器34からの光は溜まった塗料成分によって遮られるため、光検出器35によって測定される受光強度Iも低下する。そして、受光強度Iが閾値以下になると、光検出器35は、塗料押出液中の混入物を検知して、CPU62に混入物検知信号を出力するようになっている。
【0036】
なお、受光強度Iは、I=I0*10−ε・C・Lの式(ランベルトベーアの法則)によって求められる。この式から、光路長Lを、例えば導入管36や排出管37の外径(本実施形態では4〜8mm)よりも遥かに大きく(本実施形態では100mm)設定すれば、受光強度Iが急激に低下しなくなる。よって、エアや異物が多少混入した程度では受光強度Iが閾値以下にならないため、誤検知を防止することができる。ゆえに、塗料漏れを正確に検知することができる。なお、上記の関係を成立させるためには、塗料押出液が極めて高い透明度を維持し、塗料バッグ12が破損していない場合の受光強度Iと発光強度I0(投光器34が発光する光の強度)とが殆ど同じ値であることが必要である。
【0037】
図2に示されるように、前記塗料押出液戻り配管28の下流側には、塗料押出液を溜めておくための前記塗料押出液貯留容器27が配置されている。塗料押出液貯留容器27における塗料押出液戻り配管28との接続部分には、塗料押出液中に異物として含まれる塗料成分を比重差を利用して除去する異物除去装置41が設置されている。図4に示されるように、異物除去装置41は、塗料押出液戻り配管28の下流側に設けられた分離室42と、分離室42の下流側に設けられたフィルタ43とを備えている。分離室42は、分離室42の上方から下方に延びる壁部44と、分離室42の底部45に突設される壁部46とを、底部45の面方向に沿って交互に配置することにより構成されている。よって、分離室42を通過する塗料押出液は、壁部44,46に沿って上昇及び下降を交互に繰り返すうちに流速が低下する。このとき、塗料押出液中の塗料成分(粗粒子)は、塗料押出液よりも比重が大きいために底部45に溜まる。また、フィルタ43は、異物除去装置41において着脱可能に取り付けられたメッシュフィルタであり、分離室42から導かれた塗料押出液が通過する際に、塗料押出液中の除去し切れなかった塗料成分(微粒子)を除去するようになっている。そして、フィルタ43を通過した塗料押出液は、塗料押出液貯留容器27内に落下するようになっている。
【0038】
次に、塗料充填システム20の電気的構成について説明する。
【0039】
図2に示されるように、塗料充填システム20はパソコン61を備えており、パソコン61は、CPU62、ROM63、RAM64、入出力回路等により構成されている。また、CPU62には、キーボード65やディスプレイ66などが電気的に接続されている。
【0040】
CPU62は、前記カラーバルブ23、前記排出バルブ22b、前記トリガバルブ22d、前記液体供給バルブ24及び前記液体排出バルブ25に電気的に接続されており、各種の駆動信号によってそれらを制御する。また、CPU62は、前記投光器34を発光させるための発光信号を投光器34に対して出力する。さらに、CPU62は、前記光検出器35から出力された混入物検知信号に基づいて、ディスプレイ66に異常を示す文字を表示させる。
【0041】
次に、上記実施形態の塗料漏れ検知装置31を用いて塗料漏れを検知する方法を説明する。
【0042】
塗装機1により塗装が行われるなどして塗料カートリッジ11の塗料バッグ12内の塗料がなくなると、塗料カートリッジ11は、塗装機1から取り外されて塗料充填装置21のカートリッジ取付部30に取り付けられる。この状態において、CPU62からカラーバルブ23及びトリガバルブ22dに駆動信号を出力すると、カラーバルブ23が開状態に切り替わるとともに、トリガバルブ22dが駆動されて塗料ストップ弁11dが開状態となり、塗料充填経路22aと塗料移動管16とが連通する。これにより、塗料タンク52内の塗料が、塗料ポンプ51によって塗料充填経路22a、塗料ストップ弁11d及び塗料移動管16を通過し、塗料バッグ12内に充填される。
【0043】
また、CPU62は、カラーバルブ23及びトリガバルブ22dに駆動信号を出力するのと同時に、液体排出バルブ25に駆動信号を出力し、液体排出バルブ25を開状態に切り替える。このため、塗料バッグ12に塗料が充填されるのに伴い、塗料押出液室14内の塗料押出液は、液体排出バルブ25を介して塗料押出液戻り配管28を通過し、塗料漏れ検知装置31の有底容器32内に流れ込む。さらに、CPU62は、投光器34に対して発光信号を常時出力し、投光器34を発光させる。これにより、光検出器35は、有底容器32を通過した投光器34からの光を受光して、受光強度Iを測定する。
【0044】
ところで、塗料バッグ12が破れると、塗料バッグ12内の塗料が塗料押出液室14に漏れ出して、塗料押出液室14内の塗料押出液に混入する。そして、塗料押出液は、塗料が混入した状態で、液体排出バルブ25及び塗料押出液戻り配管28を介して有底容器32内に流れ込む。この時点で、塗料押出液は、有底容器32に溜まることで流速が大きく低下し、塗料押出液中に異物として含まれる塗料成分が、塗料押出液よりも比重が大きいために有底容器32の底部32aに溜まる。このとき、投光器34からの光は溜まった塗料成分によって遮られるため、光検出器35によって測定される受光強度Iも低下する。これにより、光検出器35は、塗料押出液中の混入物を検知して、CPU62に混入物検知信号を出力する。そして、CPU62は、入力された混入物検知信号に基づいて、ディスプレイ66に異常を示す文字を表示させる。
【0045】
なお、上記のような塗料押出液への塗料漏れが発生することなく塗料バッグ12内への塗料の充填が完了すると、塗料カートリッジ11は、塗料充填装置21のカートリッジ取付部30から取り外されて塗装機1に取り付けられる。塗料カートリッジ11が塗装機1に取り付けられると、塗料カートリッジ11の塗料押出液室14内には別の駆動源によって塗料押出液が供給される。それに伴い、塗料バッグ12は変形して収縮するため、塗料バッグ12内の塗料は、トリガバルブ7や管状回転軸4aを介して回転霧化頭4より吐出され、塗装が実施される。
【0046】
従って、本実施形態によれば以下の効果を得ることができる。
【0047】
(1)本実施形態の塗料漏れ検知装置31によれば、塗料カートリッジ11における塗料室13から塗料押出液室14への塗料漏れが発生したとしても、混入物検知手段33が、塗料漏れに起因する塗料押出液中の混入物を検知する。従って、塗料押出液の汚染を早期に発見できる。また、混入物検知手段33が塗料押出液中の混入物を検知することで、塗料バッグ12が破れていることを知ることができ、その場合には塗料に塗料押出液が混入するおそれがあると類推できる。従って、塗料押出液が混入した塗料を用いて被塗装物が塗装されることを防止できるとともに、それに起因した被塗装物の塗装品質低下を防止できる。
【0048】
(2)本実施形態において、塗料漏れ検知装置31の有底容器32は、接続ネジ部38を介して塗料押出液戻り配管28に取り付けられ、塗料押出液戻り配管28に対して着脱可能となっている。また、異物除去装置41のフィルタ43は、異物除去装置41において着脱可能に取り付けられている。このため、塗料押出液中の混入物が検知された際にすぐに塗料ポンプ51を停止して塗料押出液の流れを停止させるようにすれば、有底容器32及びフィルタ43を交換するとともに、塗料押出液貯留容器27の上流側にある塗料押出液戻り配管28などの清掃を行うだけで、復旧作業を即座に終了させることができる。
【0049】
(3)本実施形態では、有底容器32内にある導入管36の先端が底部32a近傍にて開口しているため、塗料押出液は有底容器32内に静かに流れ込む。これにより、塗料押出液の流速は大きく低下するため、塗料押出液中の塗料成分を底部32aに溜めやすくなる。また、有底容器32内にある排出管37の先端が蓋部32c近傍にて開口しているため、有底容器32内に溜まった塗料押出液がすぐに排出されにくくなる。従って、まだ塗料成分が溜まり切ってない塗料押出液が外部に排出されることを防止できる。
【0050】
(4)例えば、異物除去装置41をフィルタ43のみで構成すると、塗料によってフィルタ43が目詰まりする可能性が高い。一方、本実施形態では、異物除去装置41が分離室42とフィルタ43とで構成されており、塗料成分のうち、粗粒子のみを分離室42にて分離した後、微粒子をフィルタ43で分離している。このため、フィルタ43が目詰まりする可能性が低くなるため、異物除去装置41を正常に機能させることができる。
【0051】
なお、本発明の実施形態は以下のように変更してもよい。
【0052】
・上記実施形態の塗料充填システム20は異物除去装置41を備えており、塗料押出液は、異物除去装置41で異物を除去してから再利用されるようになっていた。しかし、異物除去装置41を設置する代わりに、塗料押出液戻り配管28における塗料漏れ検知装置31と塗料押出液貯留容器27との間に切替バルブ71を設けるとともに、切替バルブ71の下流側に廃液タンク72を設けてもよい(図5参照)。そして、光検出器35から混入物検知信号が入力された場合に、CPU62は、駆動信号を出力して切替バルブ71を切り替えて、塗料が混入した塗料押出液を廃液タンク72に流すようにしてもよい。即ち、塗料が混入した塗料押出液が塗料押出液貯留容器27に導かれないようにしてもよい。
【0053】
・上記実施形態の塗料漏れ検知装置31は、有底容器32などを備えたタンク方式の装置であったが、図6に示されるようなインライン方式の装置であってもよい。例えば、塗料押出液戻り配管28の一部を透明なガラス製のセル部81に変更し、セル部81の中央部分の外周側に、投光器34及び光検出器35をセル部81を挟んで対向配置してもよい。
【0054】
しかしながら、塗料漏れ検知装置31として、上記実施形態に示すタンク方式の装置を用いれば、塗料押出液の流速が有底容器32内にて十分に低下するため、塗料押出液の流速をセル部81内にて低下させる場合に比べて、塗料押出液の塗料成分が溜まりやすくなる。また、投光器34と光検出器35との距離(光路長)が、インライン方式を採用する場合に比べて長くなる。よって、塗料押出液中に少ししか混入物がない場合であっても、塗料成分の混入を検知しやすくなる。しかも、塗料の混入をエアや異物の混入と区別することも容易になる。
【0055】
・上記実施形態では、塗料の比重が塗料押出液の比重よりも大きく、塗料押出液に混入した塗料は溜まる。このため、塗料漏れ検知装置31を構成する投光器34及び光検出器35は、有底容器32の底部32a近傍に配置されていた。しかし、塗料の比重が塗料押出液の比重よりも小さく、塗料押出液に混入した塗料が浮き上がる場合、有底容器32の天地を逆にして配置してもよい。このようにすれば、塗料押出液に混入した塗料を、投光器34及び光検出器35によって確実に検知できる。
【0056】
・上記実施形態では、受光強度Iが閾値以下になると、光検出器35が、塗料押出液中の混入物を検知して、CPU62に混入物検知信号を出力するようになっていたが、塗料押出液中の混入物を異なる方法で検知してもよい。例えば、光検出器35が受光強度Iを示す信号を常時出力し、CPU62が、入力された信号が示す受光強度Iが閾値以下であるか否かを判定し、閾値以下である場合に、塗料押出液中の混入物を検知するようにしてもよい。
【0057】
・上記実施形態の異物除去装置41は、分離室42及びフィルタ43から構成されていたが、フィルタ43のみによって構成されていてもよい。
【0058】
次に、特許請求の範囲に記載された技術的思想のほかに、前述した実施形態によって把握される技術的思想を以下に列挙する。
【0059】
(1)請求項3または4において、前記有底容器の底部の最大径を、100mm以上に設定したことを特徴とする塗料漏れ検知装置。
【0060】
(2)請求項3または4において、前記有底容器は光透過性を有する材料からなり、前記光検出器は、前記有底容器を通過した前記投光器からの光を受光して受光強度を測定し、測定される前記受光強度の低下をもって前記塗料押出液中の混入物を検知することを特徴とする塗料漏れ検知装置。
【0061】
(3)請求項1乃至4のいずれか1項において、前記区画体は、前記塗料が充填される塗料バッグであり、前記塗料バッグに前記塗料を充填した際に、前記塗料バッグの膨張に伴って前記塗料押出液室の容積が縮小され、前記塗料押出液室内の前記塗料押出液が前記塗料押出液戻り経路に押し出されるとともに、前記塗料押出液室に前記塗料押出液を充填した際に、前記塗料バッグが収縮して前記塗料室内の塗料が押し出されることを特徴とする塗料漏れ検知装置。
【0062】
(4)請求項1乃至4のいずれか1項において、前記塗料カートリッジは、前記塗料漏れ検知装置または塗装機に着脱可能に取り付けられ、前記塗装機は、前記塗料を負に帯電し、被塗装物をアースした状態で、塗装を行う静電塗装機であることを特徴とする塗料漏れ検知装置。
【図面の簡単な説明】
【0063】
【図1】本実施形態における塗装機を示す概略断面図。
【図2】本実施形態における塗料充填システムを示す構成図。
【図3】塗料漏れ検知装置を示す概略断面図。
【図4】異物除去装置を示す構成図。
【図5】他の実施形態における塗料充填システムを示す構成図。
【図6】他の実施形態における塗料漏れ検知装置を示す構成図。
【符号の説明】
【0064】
11…塗料カートリッジ
12…区画体としての塗料バッグ
13…塗料室
14…塗料押出液室
20…塗料充填システム
21…塗料充填装置
22a…塗料充填経路
27…塗料押出液貯留容器
28…塗料押出液戻り経路としての塗料押出液戻り配管
30…カートリッジ取付部
31…塗料漏れ検知装置
32…有底容器
32a…有底容器の底部
33…混入物検知手段
34…投光器
35…光検出器
36…導入管
37…排出管
41…異物除去装置
【出願人】 【識別番号】000110343
【氏名又は名称】トリニティ工業株式会社
【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
【出願日】 平成18年7月14日(2006.7.14)
【代理人】 【識別番号】100114605
【弁理士】
【氏名又は名称】渥美 久彦


【公開番号】 特開2008−18395(P2008−18395A)
【公開日】 平成20年1月31日(2008.1.31)
【出願番号】 特願2006−194564(P2006−194564)