トップ :: B 処理操作 運輸 :: B05 霧化または噴霧一般;液体または他の流動性材料の表面への適用一般

【発明の名称】 エアースプレーガン
【発明者】 【氏名】淵田 和吉

【氏名】吉田 貴律

【氏名】森岡 淳次

【氏名】長澤 成吉

【氏名】芹澤 順次

【氏名】勝又 誠

【氏名】大塚 清和

【要約】 【課題】塗料ノズルを、ガン本体の前端に工具を要することなくワンタッチで係止し、その取付け取外しを容易に行う。

【構成】ガン本体と、塗料吐出口4Aを有する塗料ノズル5と、前記ガン本体に螺合しかつ空気吐出口7Aを有する空気キャップ8とからなる。塗料ノズル5とガン本体とは、その一方に形成した半径方向の突起31、及び他方に設けられ該突起31が通る切欠部32Aとこの切欠部32Aを通過した前記突起31がその回動とともに該突起31を係止する周方向係止面32Bとを有する係止部32からなる係止手段30を具える。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ガン本体と、針弁により開閉される塗料吐出口を有する塗料流路が形成される塗料ノズルと、前記ガン本体に螺合しかつ空気吐出口を有する空気流路が形成される空気キャップとからなり、
前記塗料ノズルと前記ガン本体とは、その一方に形成した半径方向の突起、及び他方に設けられ該突起が通る切欠部とこの切欠部を通過した前記突起がその回動とともに該突起を係止する周方向係止面とを有する係止部からなる係止手段を具え、
しかも前記空気キャップの前記螺合により前記塗料ノズルをガン本体に押し付けて取り付けることを特徴とするエアースプレーガン。
【請求項2】
前記塗料ノズルをガン本体に押付ける部分に、弾性を有するシールリングを前記塗料ノズルとガン本体との間に介在させ、前記突起と係止面とを前記シールリングの弾性力により押し付けることを特徴とする請求項1記載のエアースプレーガン。
【請求項3】
前記シールリングは、取り外し可能に前記ガン本体に取り付けられたことを特徴とする請求項1又は2に記載のエアースプレーガン。
【請求項4】
前記突起は、前記塗料ノズルに形成され、かつ前記係止部は、前記ガン本体に設けられたことを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載のエアースプレーガン。
【請求項5】
前記ガン本体は、吐出口側である前端部に凹設される塗料ノズル取付凹部を具え、
かつ前記塗料ノズルは、この塗料ノズル取付凹部に前記塗料吐出口を前に向けて同心に装着されるとともに、
前記シールリングは、前記塗料ノズル取付凹部の後端部に設けた溝状部で保持され、
前記空気キャップは、ガン本体の前端に螺着され、かつ前記塗料ノズルと協働して前記塗料吐出口を囲む環状の空気吐出口を形成し、
しかも前記塗料ノズルは、中心孔を有する管状をなしかつ複数本の係止ピンからなる前記突起を突設した最大径部を該塗料ノズルの中央部に形成し、
かつガン本体の前記塗料ノズル取付凹部の前端側に、前記係止ピンが通る溝からなる切欠部と、該切欠部を通過した係止ピンがその回動により係合して該係止ピンを抜け止めする周方向係止面とからなる前記係止部を形成したことを特徴とする請求項1〜4の何れかに記載のエアースプレーガン。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、塗料ノズルの取付け、取外しを容易としたエアースプレーガンに関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、自動車の表面補修を行う際、例えばポリエステルパテなどの塗料パテを、下地処理としてスプレーガンを用いて塗布する場合がある。しかし、この塗料パテ等は、主剤に硬化剤を混合させた所謂混合型塗料であるため、硬化開始時間が15〜60分と早い。従って、スプレーガンにおける塗料吐出口の目詰まりを防止するためには、スプレーガンから塗料ノズルを取り外し、塗料ノズル内の塗料流路を頻繁に洗浄することが必要となる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかし従来のスプレーガンでは、図6、7に示すように、塗料ノズルaの前端側に六角ボルト状の頭部a1を、又後端側に外ネジ部a2を形成し、この塗料ノズルaを、ガン本体bの前端に設ける凹部b1内に、スパナなどの専用の工具を用いて螺着していた。そのため、この塗料ノズルaの取付け、取外し作業を不便なものとしていた。又、時に塗料流路内の塗料の一部が螺着部分に浸入し、ネジをより外れ難くするという問題もあった。なおこの塗料ノズルaを覆う空気キャップcも、ナットリングc1を介してガン本体bの前端に螺着されてはいるが、このものは専用の工具を用いることなく素手で容易に取外しできるため、特に問題とはなっていない。
【0004】
そこで本発明は、塗料ノズルを、ガン本体の前端にワンタッチで係止でき、その取付け取外しを容易とし、塗料パテ等の混合型塗料の吹き付けに好適に採用しうるエアースプレーガンを提供することを目的としている。
【0005】
【特許文献1】特開昭62−148365号公報
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記目的を達成するために、本願請求項1の発明は、ガン本体と、針弁により開閉される塗料吐出口を有する塗料流路が形成される塗料ノズルと、前記ガン本体に螺合しかつ空気吐出口を有する空気流路が形成される空気キャップとからなり、
前記塗料ノズルと前記ガン本体とは、その一方に形成した半径方向の突起、及び他方に設けられ該突起が通る切欠部とこの切欠部を通過した前記突起がその回動とともに該突起を係止する周方向係止面とを有する係止部からなる係止手段を具え、
しかも前記空気キャップの前記螺合により前記塗料ノズルをガン本体に押し付けて取り付けることを特徴としている。
【0007】
又請求項2の発明では、前記塗料ノズルをガン本体に押付ける部分に、弾性を有するシールリングを前記塗料ノズルとガン本体との間に介在させ、前記突起と係止面とを前記シールリングの弾性力により押し付けることを特徴としている。
【0008】
又請求項3の発明では、前記シールリングは、取り外し可能に前記ガン本体に取り付けられたことを特徴としている。
【0009】
又請求項4の発明では、前記突起は、前記塗料ノズルに形成され、かつ前記係止部は、前記ガン本体に設けられたことを特徴としている。
【0010】
又請求項5の発明では、前記ガン本体は、吐出口側である前端部に凹設される塗料ノズル取付凹部を具え、
かつ前記塗料ノズルは、この塗料ノズル取付凹部に前記塗料吐出口を前に向けて同心に装着されるとともに、
前記シールリングは、前記塗料ノズル取付凹部の後端部に設けた溝状部で保持され、
前記空気キャップは、ガン本体の前端に螺着され、かつ前記塗料ノズルと協働して前記塗料吐出口を囲む環状の空気吐出口を形成し、
しかも前記塗料ノズルは、中心孔を有する管状をなしかつ複数本の係止ピンからなる前記突起を突設した最大径部を該塗料ノズルの中央部に形成し、
かつガン本体の前記塗料ノズル取付凹部の前端側に、前記係止ピンが通る溝からなる切欠部と、該切欠部を通過した係止ピンがその回動により係合して該係止ピンを抜け止めする周方向係止面とからなる前記係止部を形成したことを特徴としている。
【発明の効果】
【0011】
本発明は叙上の如く、塗料ノズル又はガン本体の一方に、半径方向の突起を形成し、他方には、前記突起が通る切欠部と、この切欠部を通過した突起がその回動とともに係止される係止面とを有する係止部を形成しているため、塗料ノズルを、例えばガン本体に設ける塗料ノズル取付凹部内に挿入し、かつ回転方向に捻りを加えることで、ガン本体にワンタッチで係止しうる。従って、塗料ノズルのガン本体への取付け、取外しを、専用の工具を用いることなく素手で容易に行うことができ、例えば混合型塗料の吹き付け作業を行う際の、塗料ノズルの洗浄作業の労力を軽減しうる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、本発明の実施の一形態を、図示例とともに説明する。図1は本発明のエアースプレーガンの断面図、図2はその主要部の拡大断面図、図3はその分解斜視図である。
【0013】
図1において、本実施形態のエアプレーガン1は、ガン本体2と、塗料吐出口4Aを有する塗料流路4が形成される塗料ノズル5と、空気吐出口7Aを有する空気流路7が形成される空気キャップ8とを具え、前記塗料吐出口4Aから吐出される塗料を、前記空気吐出口7Aからの圧縮空気によって霧化状に吹き付ける。
【0014】
本例では、前記塗料が、例えばエポキシ樹脂塗料、ポリエステル樹脂塗料、ポリウレタン樹脂塗料など、主剤に硬化剤を混合させた2液混合型塗料である場合を例示している。この混合型塗料では、硬化開始時間が例えば15〜60分と早いため、塗料吐出口4Aの目詰まりを防止するため、塗料ノズル5を取り外してその塗料流路4を頻繁に洗浄することが要求される。そのため、塗料ノズル5のガン本体2への取付け、取外しをワンタッチとした本発明のエアプレーガン1を好適に採用しうる。
【0015】
前記ガン本体2は、本例では、前後にのびる胴部2Aの後端側に、把部2Bを設け、かつ前端側に、前記塗料ノズル5と空気流路7とを着脱自在に装着しうる前端部2Cを設けたピストル状をなす。このガン本体2には、前記把部2Bの下端に設ける空気取入口21から流入する圧縮空気を、該ガン本体2の内部を通って前記空気キャップ8の前記空気流路7に導く空気導入路22が形成される。なお前記把部2Bには、前記空気導入路22を引き金23の操作によって開閉する周知構造の空気弁24が介在している。
【0016】
又前記ガン本体2の前記前端部2Cには、図2,3に示すように、その前端面2Sで開口しかつ後方に向かってのびる塗ノズル取付け凹部25が凹設されるとともに、前記前端部2Cの外周には、前記空気キャップ8が螺合する外ネジ部27が形成される。なお前記塗料ノズル取付け凹部25の後端部には、塗料導入路26が段差を介して連なるとともに、この塗料導入路26の後端部は、前記塗料流路4と同心な針弁20を軸封状態で挿通する封止キャップ28によって閉止される。又前記塗料導入路26は、前記前端部2Cに設ける塗料取入口29に連なる。
【0017】
そして本発明では、前記塗料ノズル5は、前記塗料ノズル取付け凹部25に、係止手段30を介してワンタッチで係止される。そして係止された塗料ノズル5は、その後の空気キャップ8の螺合によってガン本体2に押し付けられ、位置ずれや外れが生じることなく固定される。
【0018】
ここで、前記係止手段30は、前記塗料ノズル5又はガン本体2の一方に形成した半径方向の突起31、及び他方に設けられ該突起31が通る切欠部32Aと、この切欠部32Aを通過した前記突起31がその回動とともに該突起31を係止する周方向係止面32Bとを有する係止部32から構成される。このとき、本例では、前記塗料ノズル取付け凹部25の後端部に、ゴム弾性材からなる例えばOリングなどのシールリング33が取り付き、前記塗料ノズル5とガン本体2との間に介在することにより、この間への塗料の浸入を防止する。又前記シールリング33は、その弾性力により前記突起31と係止面32Bとを安定して互いに押し付けうる。これにより、空気キャップ8を螺合する間、係止した前記塗料ノズル5が塗ノズル取付け凹部25から外れたり、位置ずれするのを防止でき、係止状態を確実かつ安定して維持できる。
【0019】
具体的には、本例では、前記塗料ノズル取付け凹部25は、前端側から後端側に向かって段付き状に直径を減じて順に連なる第1径部25A、第2径部25B、第3径部25Cを具える。このうち、第3径部25Cの内周面には、図4に示すように、前記シールリング33を着脱自在に保持する溝状部34を形成している。この溝状部34は、断面略半円弧状の周溝であり、前記シールリング33の外周の一部を嵌入して保持しうる。
【0020】
又前記第1径部25Aには、その内周面かつ前端から後方に控えた位置に、周方向にのびる第1の周溝35を形成している。この第1の周溝35の後端側溝側面には、前記空気導入路22に空気調整弁36を介して導通する開口部22Aが設けられる。又前記第2径部25Bには、その内周面かつ前端から後方に控えた位置に、周方向にのびる第2の周溝37を形成している。この第2の周溝37は、前記空気導入路22とは空気調整弁36を介することなく直接に導通している。
【0021】
次に、前記塗料ノズル5は、中心孔を有する管状のノズル基体38を有し、その中心孔によって前記塗料流路4を形成する。なお塗料流路4は、前記塗料導入路26に後端が連なる大径な流路本体4Bを有し、又前端には、先細コーン状の絞り部4Cを介して小径な塗料吐出口4Aを開口している。そして、該絞り部4Cと前記針弁20とが接離することにより、前記塗料吐出口4Aが開閉する。なお前記針弁20は、周知構造をなし、前記引き金23の引き操作によって前記空気弁24と同調して作動する。
【0022】
又前記ノズル基体38には、その長さ方向中央部に、外周面にローレットを刻設した最大径部5Aを具えるとともに、この最大径部5Aの後端側には、本例では段差を介して順次小径となる第1〜第4の小径部5B1〜5B4を連設している。
【0023】
前記最大径部5Aは、その外周に、前記突起31を構成する複数本(本例では4本)の係止ピン39を、半径方向外方に突設している。又前記ガン本例2の前端面2Sと前記第1の周溝35との間の環状リブ部40には、前記係止ピン39が通る溝からなる切欠部32Aが形成されるとともに、前記環状リブ部40の後端面、即ち前記第1の周溝35の前方側の溝側面により、該切欠部32Aを通過した係止ピン39がその回動により係合して該係止ピン39を抜け止めする周方向係止面32Bを形成している。
【0024】
又前記第1の小径部5B1は、前記第2径部25Bの内周面と対向し、この内周面と嵌合することにより、塗料ノズル5と塗料ノズル取付け凹部25とを互いに同心に精度良く位置合わせする。又前記第2の小径部5B2は、前記第2の周溝37の内周面と対向し、この内周面との間に、前記塗料導入路26に通じる空所Hを形成する。又前記第4の小径部5B3は、後端側に向かって先細状となるテーパーをなし、前記シールリング33をガン本体2との間で押圧する。
【0025】
又前記ノズル基体38には、前記第1の小径部5B1の後端面と前記最大径部5Aの前端面との間を前後に貫通してのびることにより、前記塗料導入路26からの圧縮空気を空所Hをへて前方側に送る導孔41が形成される。この導孔41は、前記係止ピン39に対して周方向に位相をずらして配される。
【0026】
次に前記空気キャップ8は、前記空気吐出口7Aを有するキャップ本体8Aと、このキャップ本体8Aに係止リング8Bを介して一体に係止されかつ前記ガン本体2の前端部2C(前記外ネジ部27)に螺合するナットリング8Cとから構成される。
【0027】
前記キャップ本体8Aは、その背面に、前記塗料ノズル5を収容して覆う凹み部10を具える。この凹み部10の周縁部10eには、前記最大径部5Aの前端面とは、前記導孔41よりも半径方向外側の位置で当接する当接面が設けられる。これにより、前記周縁部10eの半径方向内側では、前記凹み部10と塗料ノズル5とで囲む空気流路7を形成するとともに、前記周縁部10eの半径方向外側では、ガン本体2の前端面2Sと、ナットリング8Cの内周面とキャップ本体8Aの背面とで囲むパターン空気流路11を形成している。なお前記空気流路7は、前記導孔41、空所Hをへて前記空気導入路22に直接に導通している。又前記パターン空気流路11は、前記切欠部32A、第1の周溝35、開口部22A、空気調整弁36をへて前記空気導入路22に導通している。
【0028】
又キャップ本体8Aは、前記塗料ノズル5と協働して前記塗料吐出口4Aを囲む環状の空気吐出口7Aを形成する孔部を具える。なお本例では、前記キャップ本体8Aには、空気吐出口7Aを挟んだ両側に補助孔12を設けるとともに、該補助孔12よりも半径方向外側かつ前方側に突出する一対の角部13に、パターン空気口14を内向きに形成している。前記パターン空気口14は、前記パターン空気流路11に導通し、前記空気吐出口7Aと補助孔12とは前記空気流路7に導通する。
【0029】
なお係止リング8Bは、前記キャップ本体8Aの外周面に設ける周溝状の係止溝12aと、ナットリング8Cの内周面に設ける周溝状の係止溝12bとにそれぞれ係止される。これにより、前記キャップ本体8Aとナットリング8Cとを相対回転自在に連結でき、ナットリング8Cの前記螺合により、塗料ノズル5はガン本体2にシールリング33を介して弾性的に押し付けられて固定される。
【0030】
以上、本発明の特に好ましい実施形態について詳述したが、本発明は図示の実施形態に限定されることなく、種々の態様に変形して実施しうる。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】本発明のエアースプレーガンの一実施例を示す断面図である。
【図2】その主要部を示す拡大断面図である。
【図3】その分解斜視図である。
【図4】シールリングの保持状態を示す拡大断面図である。
【図5】塗料ノズルの取付け状態を、前方側から見た図面である。
【図6】従来の塗料ノズルの取付け状態を示す断面図である。
【図7】その分解斜視図である。
【符号の説明】
【0032】
2 ガン本体
2C 前端部
4 塗料流路
4A 塗料吐出口
5 塗料ノズル
5A 最大径部
7 空気流路
7A 空気吐出口
8 空気キャップ
20 針弁
25 塗料ノズル取付凹部
30 係止手段
31 突起
32 係止部
32A 切欠部
32B 周方向係止面
33 シールリング
34 溝状部
39 係止ピン
【出願人】 【識別番号】000155230
【氏名又は名称】株式会社明治機械製作所
【識別番号】500413272
【氏名又は名称】株式会社あいおい保険自動車研究所
【識別番号】592018320
【氏名又は名称】あいおい損害保険株式会社
【出願日】 平成18年7月10日(2006.7.10)
【代理人】 【識別番号】100082968
【弁理士】
【氏名又は名称】苗村 正

【識別番号】100104134
【弁理士】
【氏名又は名称】住友 慎太郎


【公開番号】 特開2008−18296(P2008−18296A)
【公開日】 平成20年1月31日(2008.1.31)
【出願番号】 特願2006−189522(P2006−189522)