トップ :: B 処理操作 運輸 :: B05 霧化または噴霧一般;液体または他の流動性材料の表面への適用一般

【発明の名称】 ノズル開閉弁を含むスプレー装置
【発明者】 【氏名】金子 修三

【要約】 【課題】塗料の噴霧形状に偏りが生じないように塗料を噴霧することができるスプレー装置を提供する。

【構成】本発明のスプレー装置100は、ガン塗料流路170と、ガン塗料流路170に流通するように設けられた塗料噴出孔122を有するノズル114と、塗料噴出孔122を開閉するためのノズル開閉弁150と、ノズル開閉弁150を作動させるための弁開閉装置142、152、154、156、158、160とを備える。スプレー装置100は、ガン塗料流路170内において、ノズル114に対してノズル開閉弁150を案内する弁案内部材192を備える。この構成により、塗料の噴霧形状に偏りが生じないようにすることができ、対象物に対して正確に塗料を噴霧することができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ノズルに設けた塗料噴出孔から塗料を噴霧するスプレー装置において、
塗料を流通させるためのガン塗料流路と、
前記ガン塗料流路に流通するように設けられた塗料噴出孔を有するノズルと、
前記塗料噴出孔を開閉するためのノズル開閉弁と、
前記ノズル開閉弁を作動させるための弁開閉装置と、
前記ガン塗料流路内において、前記ノズルに対して前記ノズル開閉弁を案内する弁案内部材と、
を備える
ことを特徴とするスプレー装置。
【請求項2】
前記ノズル開閉弁は、前記弁案内部材の中で軸線方向に移動できるように構成されることを特徴とする、請求項1に記載のスプレー装置。
【請求項3】
塗料を霧化させるための霧化エアを流通させるためのガン霧化エア流路と、
前記ガン霧化エア流路に流通するように設けられた霧化エア孔を有するエアキャップとを備え、
前記塗料噴出孔を開いたときに、前記ガン塗料流路を通る塗料を前記塗料噴出孔から噴出させ、前記霧化エア孔から霧化エアを噴出させることによって、前記塗料噴出孔から噴出した塗料を霧化することができるように構成される、
ことを特徴とする、請求項1又は2に記載のスプレー装置。
【請求項4】
前記塗料噴出孔から噴出した塗料のパターンを形成するためのパターンエアを流通させるためのガンパターンエア流路と、
前記ガンパターンエア流路に流通するように設けられたパターンエア孔を有するエアキャップとを備え、
前記塗料噴出孔を開いたときに、前記ガン塗料流路を通る塗料を前記塗料噴出孔から噴出させ、前記霧化エア孔から霧化エアを噴出させることによって、前記塗料噴出孔から噴出した塗料を霧化し、
前記パターンエア孔からパターンエアを噴出させることによって、前記塗料噴出孔から噴出した塗料のパターンを形成することができるように構成される、
ことを特徴とする、請求項3に記載のスプレー装置。
【請求項5】
前記ノズル開閉弁を案内するための前記弁案内部材の部分は、前記ノズルの内部に配置されることを特徴とする、請求項1から請求項4のいずれか1項に記載のスプレー装置。
【請求項6】
前記弁案内部材の外周部は、前記ノズルの内部に嵌め込まれることを特徴とする、請求項1から請求項4のいずれか1項に記載のスプレー装置。
【請求項7】
前記弁案内部材は、前側に配置された小さい内径の前側穴を有する前側部分と、後側に配置された大きい内径の後側穴を有する後側部分とを含み、前記ノズル開閉弁の外周部は前記前側穴の内部に嵌め込まれ、前記弁案内部材の外周部は、前記ノズルの内部に嵌め込まれることを特徴とする、請求項1から請求項4のいずれか1項に記載のスプレー装置。
【請求項8】
1個又は複数の軸線方向の外周溝部が前側の外周部に形成され、前記後側穴と前記外周溝部を連絡する連絡孔が設けられることを特徴とする、請求項7に記載のスプレー装置。
【請求項9】
前記弁案内部材は、前側に配置された小さい内径の前側穴を有する前方部分と、後側に配置された大きい内径の後側穴を有する後方部分と、中間に配置されかつ前記前方部分と前記後方部分とを連結する中間部分とを備え、前記ノズル開閉弁の外周部は前記前側穴に嵌め込まれ、前記前方部分の外周部および前記後方部分の外周部は、前記ノズルの内部に嵌め込まれることを特徴とする、請求項1から請求項4のいずれか1項に記載のスプレー装置。
【請求項10】
1個又は複数の軸線方向の外周溝部が前記前方部分の外周部に形成されることを特徴とする、請求項9に記載のスプレー装置。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、塗装すべき対象物に塗料を噴霧するためのスプレー装置に関する。特に、本発明は、塗料を噴霧するためのノズルと、ノズルを開閉するためのノズル開閉弁とを含むスプレー装置に関する。さらに、本発明は、塗料だけでなく、水、接着剤、防錆剤、絶縁剤、コーティング剤、薬剤などの各種液体を噴霧すべき目的となる物体に噴霧するスプレー装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来のスプレー塗布装置においては、塗料流路は噴出孔に流通するように構成される。ノズルを開閉するためのニードル弁(すなわち、ノズル開閉弁)が塗料流路の中に配置される。ニードル弁の前側の先端部は噴出孔を開閉することができるように配置される。ニードル弁の後側の後端部はピストンに支持される。作動エアを供給することによってピストンが動作して、ニードル弁が前方に移動する。ニードル弁が噴出孔を閉鎖すると、塗料流路の中の塗料は噴出孔から流出しない。ピストンの動作により、ニードル弁が後方に移動して噴出孔を開放すると、塗料流路の中の塗料は噴出孔から流出する。
【0003】
ノズルと、スプレーガンを備えたロボットハンドに取り付けることができる従来のスプレー塗布装置が、例えば、特許文献1に開示されている。このスプレー塗布装置では、スプレーガンの前方に設けたノズルから霧状の接着剤を噴霧する。さらに、塗布領域の外周に対し遮蔽用空気を吹出す空気吹出手段が設けられている。また、静電粉体塗装ロボット用スプレーガンが、例えば、特許文献2に開示されている。このスプレーガンでは、塗装ロボットのアームに取り付けられる高電圧発生部と、ロボットの手首に取り付けられる噴射ノズルを別体に形成している。
【0004】
また、従来の回転霧化型塗装機が、例えば、特許文献3、特許文献4に開示されている。これらの回転霧化型塗装機では、塗料ガイド部材を通過して前方に吐出された塗料を、回転する霧化デスク付きベルによって噴霧する。
【0005】
【特許文献1】特開2000−197835号公報
【特許文献2】特開平4−104851号公報
【特許文献3】特開2004−321845号公報
【特許文献4】特開平3−221166号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従来のスプレー塗布装置では、ニードル弁の後方側の後端部はピストンに対してしっかりと固定支持されているけれども、ニードル弁の他の部分、特に前方側先端部分は支持されていなかった。ニードル弁を後方に移動させ噴出孔を開放して塗料を噴霧するとき、ニードル弁の先端部がノズルの噴出孔の中心軸線に対して偏心してしまうおそれがあった。したがって、従来のスプレー塗布装置では、塗料の噴霧形状に偏りが生じる課題があった。
【0007】
本発明の目的は、塗料の噴霧形状に偏りが生じないように塗料を噴霧することができるスプレー装置を提供することにある。
本発明の他の目的は、簡単な構造の部品を用いるだけで、塗料の噴霧形状に偏りが生じないように塗料を噴霧することができるスプレー装置を提供することにある。
本発明の他の目的は、塗料吐出量を微調整するのが容易なスプレー装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、ノズルに設けた塗料噴出孔から塗料を噴霧するスプレー装置において、塗料を流通させるためのガン塗料流路と、ガン塗料流路に流通するように設けられた塗料噴出孔を有するノズルと、塗料噴出孔を開閉するためのノズル開閉弁と、ノズル開閉弁を作動させるための弁開閉装置と、ガン塗料流路内において、ノズルに対してノズル開閉弁を案内する弁案内部材とを備えることを特徴としている。このスプレー装置においては、ノズル開閉弁は、前記弁案内部材の中で軸線方向に移動できるように構成されるのがよい。このように構成すると、ノズル開閉弁を、その中心軸線に対して偏倚しないように案内することができる。したがって、この構成により、簡単な構造の部品を用いて、塗料の噴霧形状に偏りが生じないようにすることができる。すなわち、本発明のスプレー装置を用いて対象物に対して噴霧すると、噴霧された塗料の密度は、ノズル開閉弁の中心軸線に対して点対称に均等に分布させることができる。したがって、本発明のスプレー装置を用いることにより、対象物に対して正確に塗料を噴霧することができる。また、本発明のスプレー装置は、塗料吐出量を微調整するのが容易であるように構成することができる。
【0009】
本発明のスプレー装置は、塗料を霧化させるための霧化エアを流通させるためのガン霧化エア流路と、ガン霧化エア流路に流通するように設けられた霧化エア孔を有するエアキャップとを備え、塗料噴出孔を開いたときに、ガン塗料流路を通る塗料を塗料噴出孔から噴出させ、霧化エア孔から霧化エアを噴出させることによって、塗料噴出孔から噴出した塗料を霧化することができるように構成されるのがよい。
【0010】
また、本発明のスプレー装置は、塗料噴出孔から噴出した塗料のパターンを形成するためのパターンエアを流通させるためのガンパターンエア流路と、ガンパターンエア流路に流通するように設けられたパターンエア孔を有するエアキャップとを備え、塗料噴出孔を開いたときに、ガン塗料流路を通る塗料を塗料噴出孔から噴出させ、霧化エア孔から霧化エアを噴出させることによって、塗料噴出孔から噴出した塗料を霧化し、パターンエア孔からパターンエアを噴出させることによって、塗料噴出孔から噴出した塗料のパターンを形成することができるように構成されるのがよい。この構成により、塗料を噴霧するとき、塗料の噴霧形状に偏りが生じないようにすることができ、塗料のパターンを正確に形成することができる。
【0011】
また、本発明のスプレー装置では、ノズル開閉弁を案内するための弁案内部材の部分は、ノズルの内部に配置されるのが好ましい。また、本発明のスプレー装置では、弁案内部材の外周部は、ノズルの内部に嵌め込まれるのが好ましい。また、本発明のスプレー装置では、弁案内部材は、前側に配置された小さい内径の前側穴を有する前側部分と、後側に配置された大きい内径の後側穴を有する後側部分とを含み、ノズル開閉弁の外周部は前側穴の内部に嵌め込まれ、弁案内部材の外周部は、ノズルの内部に嵌め込まれるのが好ましい。このように構成すると、簡単な構造の部品を用いて、塗料の噴霧形状に偏りが生じないようにすることができ、対象物に対して正確に塗料を噴霧することができる。
【0012】
また、本発明のスプレー装置では、1個又は複数の軸線方向の外周溝部が前側の外周部に形成され、後側穴と外周溝部を連絡する連絡孔が設けられるのが好ましい。この構成により、連絡孔から外周溝部を通して塗料噴出孔に向って塗料を効率的に流通させることができる。
【0013】
さらに、本発明のスプレー装置は、弁案内部材は、前側に配置された小さい内径の前側穴を有する前方部分と、後側に配置された大きい内径の後側穴を有する後方部分と、中間に配置されかつ前方部分と後方部分とを連結する中間部分とを備えるように構成することができる。このスプレー装置では、ノズル開閉弁の外周部は前側穴に嵌め込まれ、前方部分の外周部および後方部分の外周部は、ノズルの内部に嵌め込まれるのが好ましい。このスプレー装置では、1個又は複数の軸線方向の外周溝部が前側の外周部に形成されるのが好ましい。この構成により、外周溝部を通して塗料噴出孔に向って塗料を効率的に流通させることができる。
【0014】
本発明のスプレー装置は、ロボットアームに取り付けて使用することができるし、或いは、作業者が手に持って使用することもできる。作動エアの供給源と、ガン作動エア流路は配管を用いて連結する。霧化エアの供給源と、ガン霧化エア流路は配管を用いて連結する。パターンエアの供給源と、ガンパターンエア流路は配管を用いて連結する。塗料の供給源と、ガン塗料流路は配管を用いて連結する。
【0015】
作動エアの供給源から作動エアをガン作動エア流路に送り、ノズル開閉弁を後方に移動させて、ノズル開閉弁を後方に移動させる。ノズル開閉弁が後方に移動すると、塗料噴出孔が開く。塗料は、ガン塗料流路を流れ、弁案内部材の後側穴とノズル開閉弁との間の部分を流れ、弁案内部材の連絡孔を通って、弁案内部材の外周溝部を通して塗料噴出孔に向って流れて、塗料を塗料噴出孔から噴出させる。このときに、霧化エアの供給源から霧化エアを導入し、霧化エア孔から霧化エアを噴出させることによって、塗料噴出孔から噴出した塗料を霧化することができる。また、同時に、パターンエアの供給源からパターンエアを導入し、パターンエア孔からパターンエアを噴出させることによって、霧化した塗料のパターンを形成することができる。塗料噴出孔から噴出しない残部の塗料は、塗料供給源(或いは、塗料タンク)に戻すことができる。このようにして、塗料のサーキュレーションラインを構成することができる。本発明のスプレー装置を用いて、塗料だけでなく、水、接着剤、防錆剤、絶縁剤、コーティング剤、薬剤などの各種液体を自動的に、或いは、手動で噴霧することができる。
【発明の効果】
【0016】
本発明のスプレー装置は、ノズル開閉弁を案内する弁案内部材を備えているので、ノズル開閉弁(ニードル弁)を後方に移動させ噴出孔を開放して塗料を噴霧するとき、塗料の噴霧形状に偏りが生じるおそれがほとんどない。すなわち、本発明のスプレー装置を用いて対象物に対して噴霧すると、噴霧された塗料の密度は、ノズル開閉弁の中心軸線に対して点対称に均等に分布させることができる。したがって、本発明のスプレー装置を用いることにより、塗料、水、接着剤、防錆剤、絶縁剤、コーティング剤、薬剤などの各種液体を、自動的に、或いは、手動で、対象物に対して均一に分布したパターン形状に噴霧することができる。本発明のスプレー装置は、簡単な構造の部品を用いるだけで、塗料の噴霧形状に偏りが生じないようにして、塗料を確実に噴霧することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下に、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。以下に説明する本発明の実施の形態は、物体に塗料を噴霧するスプレー装置に関するものであるが、本発明に係るスプレー装置は、塗料だけでなく、水、液体タイプの接着剤、液体タイプの防錆剤、液体タイプの絶縁剤、液体タイプのコーティング剤、液体タイプの薬剤などの各種液体に広く応用することができることに注目してほしい。
【0018】
(1)第1の実施の形態:
(1・1)スプレー装置の構成:
図1および図2を参照すると、本発明の第1の実施の形態において、ノズルの塗料噴出孔から塗装対象物に対して塗料を噴霧するスプレー装置100は、ベース部材を構成するガン本体112と、ガン本体112の前側に支持されたノズル114と、ノズル114の前側に支持されたエアキャップ120と、ガン本体112に対してエアキャップ120を支持するリテーニングリング130とを備える。ここで、「前方」、「前側」とは、スプレー装置100において、塗料を噴出させる方向、側を示し、「後方」、「後側」とは、スプレー装置100において、塗料を噴出させる方向、側と反対の方向、側を示している。
【0019】
ノズル114は、円筒状に形成され、ノズル中心軸線114Aを定める。ノズル114の先端部は先細り形状に形成される。塗料を噴出させるための塗料噴出孔122がノズル114の先端部に設けられる。ノズル114の内部は、液状の塗料を流通させることができるようになっている。エアキャップ120は、塗料噴出孔122から噴出する塗料を霧化させるようにエアを噴出させるための霧化エア孔124と、塗料噴出孔122から噴出し霧化された塗料のパターンを形成するためのエアを噴出させるためのパターンエア孔126とを有する。ノズル114の先端部は、エアキャップ120のノズル穴の中に配置される。塗料噴出孔122の中心軸線はノズル中心軸線114A上に配置される。エアキャップ120のノズル穴の中心はノズル中心軸線114A上に配置される。
【0020】
霧化エア孔124は、ノズル中心軸線114Aを中心として同心状に複数個配置されるのが好ましい。或いは、霧化エア孔124は、ノズル中心軸線114Aを中心として第1の半径の同心状に複数個配置し、さらに、第1の半径と異なる更なる半径(第2の半径、或いは、第2の半径および第3の半径など)においてノズル中心軸線114Aを中心として、それぞれ同心状に複数個配置することもできる。
【0021】
図2には2個の霧化エア孔124を示すけれども、霧化エア孔124の個数は、2個であってもよいし、3個以上であってもよい。複数の霧化エア孔124は、等しい角度間隔でノズル中心軸線114Aを中心として同心状に配置されるのが好ましい。パターンエア孔126は、ノズル中心軸線114Aを中心として同心状に複数個配置されるのが好ましい。パターンエア孔126は、霧化エア孔124の外側に配置されるのが好ましい。図2に2個のパターンエア孔126を示すけれども、パターンエア孔126の個数は、2個であってもよいし、3個以上であってもよい。複数のパターンエア孔126は、等しい角度間隔でノズル中心軸線114Aを中心として同心状に配置されるのが好ましい。或いは、パターンエア孔126は、ノズル中心軸線114Aを中心として第1の半径の同心状に複数個配置し、さらに、第1の半径と異なる更なる半径(第2の半径、或いは、第2の半径および第3の半径など)においてノズル中心軸線114Aを中心として、それぞれ同心状に複数個配置することもできる。
【0022】
スプレー装置100は、さらに、ノズル114の外側であってガン本体112の前方に配置されたバッフル134を備える。スプレー装置100は、さらに、ガン本体112の内側に配置された後方ハウジング140と、ガン本体112の最後部に配置されたアジャストスクリュー142と、ガン本体112の後方に配置されかつアジャストスクリュー142の位置を決めるためのアジャストロックナット144と、塗料噴出孔122を開閉させるためのニードル弁すなわちノズル開閉弁150と、ノズル開閉弁150の後部を支持するためのニードルロックナット152と、ニードルロックナット152の外周を支持するためのピストンフランジ154と、ピストンフランジ154の後方の外周を支持するためのリテーナ156と、ピストンフランジ154の前方の外周を支持するためのピストンカップ158とを備える。ノズル開閉弁150の中心軸線はノズル中心軸線114A上に配置される。リテーナ156は、セットスクリュー146によってピストンフランジ154に固定される。
【0023】
ノズル開閉弁150の中心軸線はノズル中心軸線114A上に配置される。ニードルロックナット152は、ノズル開閉弁150の後部外側に形成された雄ねじに、ねじ締め固定される。ニードルロックナット152、ピストンフランジ154、リテーナ156、ピストンカップ158は、ノズル開閉弁150とともに一体となって、ノズル中心軸線114Aにそって前後方向に移動することができるように構成される。ノズル開閉弁150が前後方向に移動すると、ノズル開閉弁150の前方先端部によって塗料噴出孔122を開閉させることができるように構成される。
【0024】
アジャストロックナット144は、ガン本体112の最後部の外側部に形成された雄ねじに、ねじ締め固定される。アジャストスクリュー142は、ガン本体112の最後部の外側部に形成された雄ねじに、ねじ締め固定される。アジャストスクリュー142の中心軸線はノズル中心軸線114A上に配置される。アジャストロックナット144によって、アジャストスクリュー142の位置を決めることができる。空気抜き穴142аがアジャストスクリュー142の中心軸線に設けられる。
【0025】
スプレー装置100は、さらに、ノズル開閉弁150を前方向に押すためのスプリングすなわちピストンばね160を有する。ピストンばね160は、例えば、コイルスプリングで構成することができる。ピストンばね160の後部は、アジャストスクリュー142の内側に接触するように配置される。ピストンばね160の前部は、ピストンカップ158を前方に向って押すようにピストンカップ158に接触して配置される。ピストンばね160の中心軸線はノズル中心軸線114A上に配置される。アジャストスクリュー142と、ニードルロックナット152と、ピストンフランジ154と、リテーナ156と、ピストンカップ158と、ピストンばね160は、ノズル開閉弁150を作動させるための弁開閉装置を構成する。アジャストスクリュー142と、ニードルロックナット152と、ピストンフランジ154と、リテーナ156と、ピストンカップ158が後方に移動するとき、アジャストスクリュー142の内部の空気を空気抜き穴142аから外部に排出することができる。
【0026】
スプレー装置100は、さらに、ガン本体112とノズル開閉弁150との間を密閉するためのフロントシール162を備える。フロントシール162は、ガン本体112の後方円筒穴と、ノズル開閉弁150の外周部との間に配置される。シール部材163がガン本体112の後方円筒穴の内部において、フロントシール162の後方に配置される。前方U型スプリング164が、フロントシール162の後方において、シール部材163の前方円筒穴の内部に全周にわたって配置される。後方U型スプリング165が、シール部材163の後方円筒穴の内部に全周にわたって配置される。グランド部材166が、後方U型スプリング165の後方において、シール部材163の後方円筒穴の内部に固定される。
【0027】
塗料を流通させるためのガン塗料流路170が、スプレー装置100の内部に設けられる。ガン塗料流路170の一部は、ノズル114の内壁とノズル開閉弁150との間に配置される。ガン塗料流路170の下流側は、塗料噴出孔122に流通するように構成される。ガン塗料流路170の入口側端部から塗料噴出孔122に向って塗料を送ることができるように構成される。この構成では、ノズル開閉弁150は、ガン塗料流路170に配置されたニードル弁である。したがって、前記ニードル弁の先端部が塗料噴出孔122を開閉することができるように構成される。塗料噴出孔122から噴出しない残部の塗料を塗料供給源(或いは、塗料タンク)に戻すためのガン塗料戻し流路148が、スプレー装置100の内部に設けられる。
【0028】
霧化エアを流通させるためのガン霧化エア流路172が、スプレー装置100の内部に設けられる。ガン霧化エア流路172の一部は、バッフル134の内壁とノズル114の外壁との間に配置される。ガン霧化エア流路172の下流側は、霧化エア孔124に流通するように構成される。ガン霧化エア流路172の入口側端部から霧化エア孔124に向って霧化エアを送ることができるように構成される。
【0029】
パターンエアを流通させるためのガンパターンエア流路174が、スプレー装置100の内部に設けられる。ガンパターンエア流路174の一部は、リテーニングリング130の内壁とバッフル134の外壁との間に配置される。ガンパターンエア流路174の下流側は、パターンエア孔126に流通するように構成される。ガンパターンエア流路174の入口側端部からパターンエア孔126に向ってパターンエアを送ることができるように構成される。
【0030】
弁開閉装置を作動させる作動エアを流通させるためのガン作動エア流路180が、スプレー装置100の内部に設けられる。ガン塗料流路170の一部は、ガン本体112の後部内壁と後方ハウジング140の後部外壁および後端部との間に配置される。ガン作動エア流路180の下流側は、ピストンフランジ154の前端部およびピストンカップ158の前端部に設けられたシリンダ室182に流通するように構成される。ガン作動エア流路180の入口側端部からシリンダ室182に作動エアを送ることができるように構成される。この構成では、弁開閉装置は、シリンダ室182に送られた作動エアによって作動するピストンである。したがって、ノズル開閉弁150(すなわち、ニードル弁)の後端部はピストン、すなわち、ニードルロックナット152、ピストンフランジ154、リテーナ156、ピストンカップ158に対して固定される。
【0031】
本発明に係るスプレー装置100を塗料、水、液体タイプの接着剤、液体タイプの防錆剤、液体タイプの絶縁剤、液体タイプのコーティング剤、液体タイプの薬剤などの液体に応用する場合、その噴霧すべき液体の供給源と、ガン本体112に接続した継手282を接続ホース(図示せず)などの配管部材を用いて連結することができる。
【0032】
(1・2)弁案内部材の構成:
図1を参照すると、スプレー装置100は、さらに、ガン塗料流路170内においてノズル114に対してノズル開閉弁150を案内する弁案内部材192を備える。ノズル114の外周部はガン本体112の内部に固定される。弁案内部材192の後方の部分は、ガン本体112の内部壁面と、ノズル114の内部円筒面とによって支持される。ノズル開閉弁150は、弁案内部材192の中で、弁案内部材192の軸線方向に、すなわち、ノズル中心軸線114Aの方向に移動できるように構成される。弁案内部材192の全長は、例えば、28.2mmに形成することができる。弁案内部材192は、例えば、ポリテトラフルオルエチレン(PTFE)で形成することができる。弁案内部材192は、例えば、デュポン社が販売している「テフロン(登録商標)」で形成するのがよい。
【0033】
図3から図6を参照すると、弁案内部材192は、前側に配置された小さい内径の前側穴192aを有する前側部分192bと、後側に配置された大きい内径の後側穴192cを有する後側部分192dと、最後部に配置されたフランジ部分192fとを含む。前側穴192aの内径は、例えば、3.6mmに形成することができる。後側穴192cの内径は、例えば、5mmに形成することができる。フランジ部分192fの外径は、例えば、11mmに形成することができる。フランジ部分192fの厚さは、例えば、2,2mmに形成することができる。弁案内部材192の外周部192gの外径は、例えば、7.9mmに形成することができる。後側穴192cの長さは、例えば、16mmに形成することができる。
【0034】
ノズル開閉弁150の外周部は、前側穴192aの内部に摺動可能に嵌め込まれる(いわゆる、「すきま嵌め」である)。弁案内部材192の外周部192gは、ノズル114の内部に摺動可能に嵌め込まれる(いわゆる、「すきま嵌め」である)。弁案内部材192の外周部192gは、ノズル114の内部に「しまり嵌め」とすることもできる。
【0035】
軸線方向の外周溝部192hが、前側部分192bの外周部に形成される。外周溝部192hは、後側部分192dの外周部において前方の一部分に延びるように形成されるのがよい。後側穴192cと外周溝部192hを連絡する連絡孔192kが設けられる。それぞれの連絡孔192kは、それぞれの外周溝部192hに対応して設けられる。すなわち、4個の外周溝部192hを設けた構成では、それぞれの外周溝部192hに対応して4個の連絡孔192kが設けられる。連絡孔192kの直径は、例えば、2mmに形成することができる。連絡孔192kの中心の位置は、例えば、フランジ部分192fの後部端面から14mmの箇所に配置することができる。4個の外周溝部192hを設けた構成を図3から図6に示しているけれども、外周溝部192hを設ける数は、1個であってもよいし、2個以上であってもよい。外周溝部192hを設ける数は、4個などの偶数であるのが好ましい。
【0036】
複数の外周溝部192hは、弁案内部材192の中心軸線を中心として、等しい角度間隔で設けられるのが好ましい。図5に示すように、4個の外周溝部192hを設けた構成では、角度間隔(ピッチ)PHは90度であるのが好ましい。この構成により、塗料噴出孔122に向って塗料を効率的に流通させることができる。軸線と平行に延びる外周溝部192hを図3から図6に示しているけれども、外周溝部192hを設ける方向は、曲線状であってもよいし、らせん状であってもよい。
【0037】
いずれの形状においても、外周溝部192hは、連絡孔192kから弁案内部材192の前側端面192mまで延びるように構成するのがよい。外周溝部192hの幅は一定であるのが好ましい。外周溝部192hの幅WGは、例えば、2mmに形成することができる。また、外周溝部192hの横断面積は一定であるのが好ましい。中心軸線に対して反対の位置に配置された外周溝部192h同士の底部間の距離DBは、例えば、6mmに形成することができる。外周溝部192hの幅は、例えば、2mmに形成することができる。この構成により、連絡孔192kから外周溝部192hを通して塗料噴出孔122に向って塗料を効率的に流通させることができる。
【0038】
(1・3)スプレー装置の作動:
図2を参照すると、スプレー装置100はロボットアーム(図示せず)に取り付けて使用することができる。スプレー装置100のロボットアームへの固定には、ガンスタッド290と、ガンロックナット292などを使用することができる。或いは、スプレー装置100は、作業者が手にもって使用することもできる。例えば、作動エアの供給源(図示せず)と、スプレー装置100の作動エア用の継手(図示せず)は、接続ホース(図示せず)などの配管を用いて連結する。霧化エアの供給源(図示せず)と、スプレー装置100の霧化エア用の継手(図示せず)は、接続ホース(図示せず)などの配管を用いて連結する。パターンエアの供給源(図示せず)と、スプレー装置100のパターンエア用の継手(図示せず)は、接続ホース(図示せず)などの配管を用いて連結する。
【0039】
塗料の供給源(図示せず)と、スプレー装置100の塗料入口用の継手282は、接続ホース(図示せず)などの配管を用いて連結する。塗料の供給は、塗料の供給源とスプレー装置100との間の配管の途中に設けたポンプ(図示せず)を用いて行うことができる。塗料の供給源(或いは、塗料タンク)と、スプレー装置100の塗料出口用の継手284は、接続ホース(図示せず)などの配管を用いて連結する。使用する塗料として、ソリッド塗料を用いることもできるし、メタリック塗料を用いることもできる。有機溶剤入りの塗料を用いることができる。また、アルミ粉末入りの塗料を用いることができる。
【0040】
スプレー装置100を作動させるとき、作動エアの供給源から接続ホース、ガン作動エア流路180を介して作動エアをシリンダ室182に送り、弁開閉装置を後方に移動させ、ノズル開閉弁150、すなわち、ニードル弁を後方に移動させる。作動エアとして、例えば、3〜4MPa/cm2 程度の圧縮空気を用いることができる。
【0041】
ノズル開閉弁150が後方に移動すると、塗料噴出孔122が開く。塗料は、ガン塗料流路170を流れ、弁案内部材192の後側穴192cとノズル開閉弁150との間の部分を流れ、弁案内部材192の連絡孔192kを通って、弁案内部材192の外周溝部192hを通して塗料噴出孔122に向って流れることができる。このように構成すると、ノズル開閉弁150を、その中心軸線に対して偏倚しないように案内することができる。すなわち、本発明のスプレー装置を用いて対象物に対して噴霧すると、噴霧された塗料の密度は、ノズル開閉弁150の中心軸線に対して点対称に均等に分布させることができる。したがって、本発明のスプレー装置を用いることにより、対象物に対して正確に塗料を噴霧することができる。
【0042】
このときに、霧化エアの供給源から接続ホース、ガン霧化エア流路172を介して霧化エアを導入し、霧化エア孔124から霧化エアを噴出させることによって、塗料噴出孔122から噴出した塗料を霧化することができる。霧化エアとして、例えば、2MPa/cm2 程度の圧縮空気を用いることができる。霧化エアの圧力と、霧化エア孔124の数および配置を変えることによって、塗料の霧化状態を調整することができる。
【0043】
同時に、パターンエアの供給源から接続ホース、ガンパターンエア流路174を介してパターンエアを導入し、パターンエア孔124からパターンエアを噴出させることによって、霧化した塗料のパターンを形成することができる。パターンエアとして、例えば、2MPa/cm2 程度の圧縮空気を用いることができる。パターンエアの圧力と、パターンエア孔124の数および配置を変えることによって、塗料のパターン形状を調整することができる。
【0044】
塗料噴出孔122から噴出しない残部の塗料は、ガン塗料戻し流路148、接続ホースを介して塗料供給源(或いは、塗料タンク)に戻すことができる。このようにして、塗料のサーキュレーションラインを構成することができる。本発明のスプレー装置を用いて、塗料だけでなく、水、接着剤、防錆剤、絶縁剤、コーティング剤、薬剤などの各種液体を自動的に、或いは、手動で噴霧することができる。
【0045】
塗装作業を終了するときは、作動エアの供給を停止させ、ピストンばね160のばね力によって弁開閉装置を前方に移動させ、ノズル開閉弁150、すなわち、ニードル弁を前方に移動させる。ノズル開閉弁150が前方に移動すると、塗料噴出孔122が閉じ、塗料噴出孔122からの塗料の噴出を停止させることができる。同時に、霧化エアの供給を停止させ、パターンエアの供給を停止させることができる。
【0046】
(2)第2の実施の形態:
次に、本発明の第2の実施の形態を説明する。以下の説明は、本発明の第2の実施形態が本発明の第1の実施形態と異なる点を主に述べる。したがって、以下に記載がない個所は、前述した本発明の第1の実施形態についての説明をここに準用する。
【0047】
図7および図8を参照すると、本発明の第2の実施形態において、弁案内部材194は、前側に配置された小さい内径の前側穴194aを有する前方部分194bと、後側に配置された大きい内径の後側穴194cを有する後方部分194dと、中間に配置されかつ前方部分194bと後方部分194dとを連結する中間部分194jとを備える。ノズル開閉弁150の外周部は、前側穴194aの内部に摺動可能に嵌め込まれる(いわゆる、「すきま嵌め」である)。本発明の第2の実施形態においても、前述した本発明の第1の実施形態における弁案内部材192と同様に、ノズル開閉弁150は、弁案内部材194の中で、弁案内部材194の軸線方向に、すなわち、ノズル中心軸線114Aの方向に移動できるように構成される。
【0048】
弁案内部材194の前方部分194bの外周部、中間部分194jの外周部、および、後方部分194dの外周部は、ノズル114の内部に摺動可能に嵌め込まれる(いわゆる、「すきま嵌め」である)。弁案内部材194の前方部分194bの外周部194b1、中間部分194jの外周部194j1、および、後方部分194dの外周部194d1は、ノズル114の内部に「しまり嵌め」とすることもできる。
【0049】
図9を参照すると、中間部分194jは、弁案内部材194の中心軸線を中心として、開角度DJが30度から80度の範囲にあるように形成することができる。例えば、中間部分194jの開角度DJは、60度から70度の範囲にあるように形成するのが好ましい。この構成により、ノズル開閉弁150の外周にそって塗料噴出孔122に向って塗料を効率良く流通させることができる。1個の中間部分194jを設けた構成を図9に示しているけれども、中間部分194jを設ける数は、1個であってもよいし、2個以上であってもよい。
【0050】
図8を参照すると、4個の軸線方向の外周溝部194hが前方部分194bの外周部に形成される。4個の外周溝部194hを設けた構成を図8に示しているけれども、外周溝部194hを設ける数は、1個であってもよいし、2個以上であってもよい。外周溝部194hを設ける数は、4個などの偶数であるのが好ましい。円周方向における外周溝部194hを設ける位置は、中間部分194j(図8に仮想線で示している)を設けた位置と異なる箇所に配置するのがよい。
【0051】
複数の外周溝部194hは、弁案内部材194の中心軸線を中心として、等しい角度間隔(ピッチ)PHで設けられるのが好ましい。すなわち、4個の外周溝部194hを設けた構成では、角度間隔(ピッチ)PHは90度である。この構成により、塗料噴出孔122に向って塗料を効率的に流通させることができる。中心軸線と平行に延びる外周溝部194hを図8に示しているけれども、外周溝部194hを設ける方向は、曲線状であってもよいし、らせん状であってもよい。
【0052】
いずれの形状においても、外周溝部194hは、前方部分194bの後側端面194nから前側端面194mまで延びるように構成するのがよい。外周溝部194hの幅は一定であるのが好ましい。また、外周溝部194hの横断面積は一定であるのが好ましい。この構成により、外周溝部194hを通して塗料噴出孔122に向って塗料を効率的に流通させることができる。
【0053】
スプレー装置100を作動させるとき、作動エアの供給源から接続ホース、ガン作動エア流路180を介して作動エアをシリンダ室182に送り、弁開閉装置を後方に移動させ、ノズル開閉弁150、すなわち、ニードル弁を後方に移動させる。ノズル開閉弁150が後方に移動すると、塗料噴出孔122が開く。塗料は、ガン塗料流路170を流れ、弁案内部材194の後側穴194cとノズル開閉弁150との間の部分を流れ、弁案内部材194の中間部分194jとノズル開閉弁150との間の部分を流れ、同時に、弁案内部材194の中間部分194jがない部分においてノズル114の内部を流れ、弁案内部材194の外周溝部194hを通して塗料噴出孔122に向って流れることができる。このように構成すると、ノズル開閉弁150を、その中心軸線に対して偏倚しないように案内することができる。
【0054】
(3)スプレー装置の実験結果:
図10および図11を参照すると、本発明のスプレー装置と従来のスプレー装置について、使用液体としてイソプロピルアルコール(IPA)を用い、塗料圧を1キロ(1kPa)とした塗料噴霧に関する実験結果が示されている。この実験によると、アジャストスクリューを(1/8)回転、(2/8)回転、(3/8)回転、(4/8)回転、(5/8)回転させたとき、本発明のスプレー装置において、塗料吐出量が、それぞれ15cc、35cc、75cc、95cc、115ccであるのに対して、従来のスプレー装置において、それぞれ35cc、75cc、95cc、115cc、120ccであることがわかった。
【0055】
この実験により、本発明のスプレー装置は、アジャストスクリューの回転角度が小さい範囲において、アジャストスクリューの回転角度に対して塗料吐出量が、ほぼ線形に上昇することがわかった。これに対して、従来のスプレー装置では、アジャストスクリューの回転角度に対して塗料吐出量が、最初に急激に上昇し、次第になだらかに上昇することがわかった。したがって、本発明のスプレー装置では、塗料を噴霧しているとき、ノズル開閉弁を、その中心軸線に対して偏倚しないように案内することができる。したがって、本発明のスプレー装置では、アジャストスクリューの回転角度が小さい範囲において、アジャストスクリューを小さい角度回転させて、塗料吐出量が、ほぼ一定の増加度合いで増加するように調整するのが容易であることがわかった。
【0056】
さらに、アジャストスクリューを(1・2/8)回転から(1・5/8)回転まで回転させたとき、本発明のスプレー装置において、塗料吐出量が135ccから160ccに一様に増加するのに対して、従来のスプレー装置において、塗料吐出量が160ccで全く変化しないことがわかった。したがって、本発明のスプレー装置は、塗料を噴霧しているとき、ノズル開閉弁は、その中心軸線に対して偏倚しないように案内されているので、アジャストスクリューの回転角度が大きい範囲において、アジャストスクリューを一定の角度回転させて、塗料吐出量が、ほぼ一定の増加度合いで増加するように調整するのが容易であることが確認された。
【0057】
さらに、本発明のスプレー装置と、従来のスプレー装置を用いて塗料を塗料パターン紙に噴霧したときにおける、塗料パターンの状態を比較する実験を行った。実験条件は、吹付け距離を180mmとし、塗料吐出量が100cc/分とし、塗料パターン紙の送り速度を600mm/分とした。本発明のスプレー装置を用いると、スプレー装置ノズルの中心軸線を基準として、ほぼ対称に塗料濃度が分布する傾向があることが確認された。一方、従来のスプレー装置を用いると、ノズルの中心軸線を基準として、塗料濃度の分布が偏ってしまう傾向があることが確認された。この比較実験によって、本発明のスプレー装置は、塗料を噴霧しているときにノズル開閉弁が、その中心軸線に対して偏倚しないように案内される構造であるので、ノズルの中心軸線を基準として、ほぼ対称に塗料濃度が分布するように、塗料を噴霧することができることが確認された。
【産業上の利用可能性】
【0058】
本発明のスプレー装置は、塗料の噴霧形状に偏りが生じないようにして、均一なパターン形状で、塗料、水、接着剤、防錆剤、絶縁剤、コーティング剤、薬剤などの各種液体を自動的に、或いは、手動で噴霧することができる。
【図面の簡単な説明】
【0059】
【図1】本発明の第1の実施形態において、スプレー装置の構造を示す縦断面図である。
【図2】本発明の第1の実施形態において、スプレー装置の構造を示す正面図である。
【図3】本発明の第1の実施形態において、弁案内部材を取り付けた状態のノズル開閉弁の構造を示す縦断面図である。
【図4】本発明の第1の実施形態において、弁案内部材の構造を示す側面図である。
【図5】本発明の第1の実施形態において、弁案内部材の構造を示す正面図である。
【図6】本発明の第1の実施形態において、図5の線A−Aにおける弁案内部材の構造を示す縦断面図である。
【図7】本発明の第2の実施形態において、弁案内部材を取り付けた状態におけるノズル開閉弁の構造を示す縦断面図である。
【図8】本発明の第2の実施形態において、弁案内部材の構造を示す正面図である。
【図9】本発明の第2の実施形態において、図7の線B−Bにおける弁案内部材の構造を示す縦断面図である。
【図10】本発明のスプレー装置と従来のスプレー装置の比較実験において、アジャストスクリューの回転数と液体の吐出量の関係を示す表である。
【図11】本発明のスプレー装置と従来のスプレー装置の比較実験の結果において、アジャストスクリューの回転数と液体の吐出量の関係を示すグラフである。
【符号の説明】
【0060】
100 スプレー装置
112 ガン本体
114 ノズル
120 エアキャップ
122 塗料噴出孔
124 霧化エア孔
126 パターンエア孔
148 ガン塗料戻し流路
150 ノズル開閉弁(ニードル弁)
154 ピストンフランジ
158 ピストンカップ
160 ピストンばね(スプリング)
170 ガン塗料流路
172 ガン霧化エア流路
174 ガンパターンエア流路
180 ガン作動エア流路
182 シリンダ室
192 弁案内部材
194 弁案内部材
【出願人】 【識別番号】591274059
【氏名又は名称】ランズバーグ・インダストリー株式会社
【出願日】 平成18年7月7日(2006.7.7)
【代理人】 【識別番号】100082005
【弁理士】
【氏名又は名称】熊倉 禎男

【識別番号】100067013
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 文昭

【識別番号】100065189
【弁理士】
【氏名又は名称】宍戸 嘉一

【識別番号】100088694
【弁理士】
【氏名又は名称】弟子丸 健

【識別番号】100103609
【弁理士】
【氏名又は名称】井野 砂里

【識別番号】100098693
【弁理士】
【氏名又は名称】北村 博


【公開番号】 特開2008−12469(P2008−12469A)
【公開日】 平成20年1月24日(2008.1.24)
【出願番号】 特願2006−187701(P2006−187701)