トップ :: B 処理操作 運輸 :: B05 霧化または噴霧一般;液体または他の流動性材料の表面への適用一般

【発明の名称】 液体散布装置及び薬液ユニット
【発明者】 【氏名】湯木 正一

【氏名】屋村 竜史

【要約】 【課題】薬液の種類の変更作業を簡易化し、且つ、種類の異なる薬液が混じることを確実に防止する。

【構成】薬液タンク4と薬液ポンプ12を連結部材28で互いに一体化させて薬液ユニット29とし、薬液流路13を、清水Wと薬液Sの合流部9に取り外し可能な接続とした。散布すべき薬液の種類を変更する場合には、前記薬液流路13を前記合流部9から取り外し、前記薬液ユニット29を他の薬液ユニットに交換する。そして、新たな薬液ユニットの薬液流路を前記合流部9へと接続する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
清水タンク(3)と、薬液タンク(4)と、散布用ポンプ(5)と、前記清水タンク(3)の清水(W)と前記薬液タンク(4)の薬液(S)が合流する合流部(9)と、前記薬液タンク(4)の薬液(S)を薬液流路(13)を介して前記合流部(9)へと繰り出す薬液ポンプ(12)と、前記合流部(9)から前記散布用ポンプ(5)の吸入口(2)へと連通する混合流路(10)と、前記散布用ポンプ(5)の吐出口(6)に連通する散布ノズル部(7)を備えている液体散布装置(1)であって、前記薬液タンク(4)と前記薬液ポンプ(12)が連結部材(28)で互いに一体化されて薬液ユニット(29)とされ、前記薬液流路(13)が前記合流部(9)に取り外し可能に接続されている、液体散布装置。
【請求項2】
前記薬液ポンプ(12)は、単一又は複数のポンプ要素(33,33)と、該単一又は複数のポンプ要素(33,33)を駆動する駆動源(16)と、前記単一又は複数のポンプ要素(33,33)と前記駆動源(16)を共に支持するポンプフレーム(34)を備え、前記薬液流路(13)が、前記単一のポンプ要素(33)から分岐して、又は前記複数のポンプ要素(33,33)に対応して複数備えられている、請求項1に記載の液体散布装置。
【請求項3】
前記合流部(9)への前記薬液流路(13)の接続が圧入式とされている、請求項1又は2に記載の液体散布装置。
【請求項4】
前記薬液タンク(4)の残量ゲージが、液量目盛りを有する棒状ゲージ(38)であり、前記薬液タンク(4)とは別体に形成されている、請求項1,2又は3に記載の液体散布装置。
【請求項5】
請求項1乃至4のいずれか一項に記載の液体散布装置(1)が走行機体(50)に搭載されている液体散布車(51)であって、前記走行機体(50)への前記薬液ユニット(29)の取付位置が、該薬液ユニット(29)の着脱作業を作業者が地面(G)に立った状態で行える位置とされている、液体散布車。
【請求項6】
薬液タンク(4)と、該薬液タンク(4)内の薬液(S)を薬液流路(13)から繰り出す薬液ポンプ(12)が、連結部材(28)で互いに一体化されている、薬液ユニット。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、液体散布装置及び該散布装置を搭載した液体散布車に関する。本発明はまた、薬液ユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
農薬等の薬液(原液)を清水で希釈しながら散布する薬液散布装置として、特許文献1には、次のような構成のものが記載されている。すなわち、清水タンクと、薬液タンクと、散布用ポンプと、前記清水タンクの清水と前記薬液タンクの薬液が合流する合流部と、前記薬液タンクの薬液を薬液流路を介して前記合流部へと繰り出す薬液ポンプと、前記合流部から前記散布用ポンプの吸入口へと連通する混合流路と、前記散布用ポンプの吐出口に連通する散布ノズル部を有する薬液散布装置である。
【0003】
この薬液散布装置によれば、前記薬液タンクの容量が前記清水タンクの容量に比べてはるかに小さくて済む。このため、散布作業終了時に前記薬液タンク内に薬液が残っても、少量なのでその取り扱いが容易であり、且つ、使用後の前記薬液タンクの洗浄作業も容易となる等の利点がある。
【特許文献1】特開2004−216205号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
食の安全の観点から、残留基準の設定されていない農薬や薬剤が残留する作物の販売を禁止するポジティブ制度が導入され、目的以外の作物に、微量といえども他の薬剤が散布されることを厳格に防止することが求められている。
【0005】
通常、散布される薬剤の種類は、稲作、畑作、果樹等の種類ごとに異なるだけでなく、季節や天候等の外部環境、生育の変化に伴い、殺虫、殺菌、除草の防除剤や葉面散布等の施肥剤、散布の目的に応じて異なる。このため、種類の異なる薬剤の散布を行う場合は、その都度、前記薬液タンク内の薬液を変更する必要がある。薬液変更に当たっては、前記薬液タンク内の残留薬液を抜いてその内部を洗浄するだけでなく、前記薬液ポンプ及び前記薬液流路も洗浄しなければならず、洗浄作業はきわめて煩雑なものとなる。また、残留薬剤の処理も困難であった。
【0006】
本発明は、前記の如き事情に鑑みてなされたもので、その解決課題は、薬液の種類の変更作業を簡易化し、且つ、種類の異なる薬液が混じることを確実に防止することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記課題を解決するため、本発明に係る液体散布装置は、清水タンクと、薬液タンクと、散布用ポンプと、前記清水タンクの清水と前記薬液タンクの薬液が合流する合流部と、前記薬液タンクの薬液を薬液流路を介して前記合流部へと繰り出す薬液ポンプと、前記合流部から前記散布用ポンプの吸入口へと連通する混合流路と、前記散布用ポンプの吐出口に連通する散布ノズル部が機体に搭載されている液体散布装置であって、前記薬液タンクと前記薬液ポンプが連結部材で互いに一体化されて薬液ユニットとされ、前記薬液流路が前記合流部に取り外し可能に接続されたものである(請求項1)。
【0008】
本発明によれば、前記散布用ポンプと前記薬液ポンプが作動することにより、前記清水タンクの清水と前記薬液タンクの薬液が前記合流部で合流して前記散布用ポンプに吸入され、それらが混合された状態で、前記散布ノズル部から散布液として吐出される。薬液の種類を変更する場合には、前記薬液流路を前記合流部から取り外し、前記薬液ユニットを他の薬液ユニットに交換する。そして、新たな薬液ユニットの薬液流路を前記合流部へと接続する。これにより、薬液の種類の変更に容易に対応することができ、且つ、種類の異なる薬液が混じることを確実に防止することができる。
【0009】
好適な実施の一形態として、前記薬液ポンプは、単一又は複数のポンプ要素と、該単一又は複数のポンプ要素を駆動する駆動源と、前記単一又は複数のポンプ要素と前記駆動源を共に支持するポンプフレームを備え、前記薬液流路が、前記単一のポンプ要素から分岐して、又は前記複数のポンプ要素に対応して複数備えられているものとすることもできる(請求項2)。
【0010】
このようにすれば、複数の構成要素からなる前記薬液ポンプもユニット化されていることになるので、前記薬液ユニットの組み立てが容易となる。また、前記薬液流路が複数備わっているので、該薬液流路の径を小さくしても、所望の薬液繰り出し性能を得ることができる。したがって、前記各薬液流路の内径を、薬液の粘性に応じてその勝手な流動が抑制されるだけ小さなものとすることができ、これにより、前記薬液ポンプの停止時に、前記薬液流路内の残留薬液が前記合流部を介して前記清水タンク側へと流入することが防止される。
【0011】
好適な実施の一形態として、前記合流部への前記薬液流路の接続を圧入式とすることもできる(請求項3)。このようにすれば、前記合流部への前記薬液流路の接続及びその取り外しがワンタッチでできて、好適である。
【0012】
ところで、液体タンクにおいては、その内部の液位を外側から目視可能な残量ゲージを付設するのが一般的である。しかし、この方法を前記薬液タンクに適用すると、薬液でゲージが汚れてしまってすぐに読み取り不能となってしまう心配がある。
【0013】
そこで、好適な実施の一形態として、前記薬液タンクの残量ゲージが、液量目盛りを有する棒状ゲージであり、前記薬液タンクとは別体に形成されたものとすることもできる(請求項4)。この場合、前記棒状ゲージをタンクから引き出して、液量目盛りのどの位置まで薬液が付着したかを読み取ることで、タンク内の薬液残量を容易且つ確実に調べることができる。前記棒状ゲージは前記薬液タンクとは別体に形成されているので、付着した薬液を容易に拭い去ることができる。よって、何度使用しても薬液残量調べが不能となることはない。
【0014】
次に、本発明に係る薬液散布車は、前記液体散布装置が走行機体に搭載されたものであって、該走行機体への前記薬液ユニットの取付位置が、該薬液ユニットの着脱作業を作業者が地面に立った状態で行える位置とされたものである(請求項5)。このようにすれば、前記走行機体に対する前記薬液ユニットの着脱を簡易且つ安全に行うことができる。
【0015】
また、本発明に係る薬液ユニットは、薬液タンクと、該薬液タンク内の薬液を薬液流路から繰り出す薬液ポンプが、連結部材で互いに一体化されたものである(請求項6)。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、添付図面を参照して、本発明を実施するための最良の形態について説明する。
【0017】
図1は、本発明の一実施の形態に係る液体散布装置の、制御回路を含む配管図、図2は、薬液ユニットの斜視図、図3は、図2の薬液ユニットの搭載位置の一例を示す液体散布車の左側面図である。
【0018】
本発明に係る液体散布装置の具体例としては、農用トラクタ等の走行機体に搭載されて圃場内を移動しながら防除液や液肥等を散布するブームスプレーヤや、果樹園内を走行しながら送風及び薬剤散布を行うスピードスプレーヤ等を挙げることができる。但し、これらに限定されるものではなく、セット動噴といわれる定置式の散布装置も含む。
【0019】
図1において、本実施の形態に係る液体散布装置1は、その吸入口2が清水タンク3と薬液タンク4に連通された散布用ポンプ5を備えている。該散布用ポンプ5の吐出口6は、散布ノズル部7に連通している。そして、前記散布用ポンプ5の作動により、前記清水タンク3内の清水Wと前記薬液タンク4内の薬液Sが混合されながら吸入され、散布液Kとなって前記散布ノズル部7から散布される。前記液体散布装置1は、図3に示すように、適宜の走行機体50に搭載され、圃場内を移動しながら散布を行うことができる。
【0020】
図1に示すように、前記清水タンク3は、清水流路8を介して合流部9に連通し、該合流部9は、混合流路10を介して前記散布用ポンプ5の前記吸入口2に連通している。前記混合流路10には、前記合流部9側への散布液Kの逆流を阻止する逆止弁11が介装されている。
【0021】
一方、前記薬液タンク4は、薬液ポンプ12と薬液流路13を介して前記合流部9に連通している。前記薬液タンク4内の薬液Sは、前記薬液ポンプ12の作動によって前記薬液流路13に繰り出され、前記合流部9へと流入する。そして、該合流部9で前記清水タンク3内の清水Wと前記薬液Sとが所定比率で混合・希釈されて、散布液Kとなる。前記合流部9及び前記混合流路10においては、前記散布用ポンプ5の大きな吸入圧により、必然的に、前記清水Wと前記薬液Sとが強制的な混合攪拌作用を受けることになる。よって、前記散布液Kの濃度に偏りは生じない。
【0022】
前記薬液Sは、例えば、薬液の原液であってもよいし、その原液を、散布液Kより高濃度に予め水で希釈したものであってもよい。さらに、粉粒状の薬剤を水に溶かして、散布液より高濃度となるように濃度設定したものであってもよい。このため、前記薬液タンク4内の底部付近には、攪拌手段としての攪拌翼14が配設されている。該攪拌翼14は、攪拌モータ15によって回転駆動される。前記攪拌翼14の回転数は、薬液の泡立ちを防止する観点から、毎分300回転以下とするのが好ましい。
【0023】
前記薬液Sとして、薬液原液や粉粒状薬剤等の原溶質を、散布液より高濃度となるように予め溶媒で希釈した予備希釈液を用いれば、水との均質混合がより確実となるほか、前記薬液ポンプ12として、最小繰り出し量の大きな、したがって安価なものを採用できるので好適である。
【0024】
前記薬液ポンプ12としては、液体を少量ずつ量的正確さをもって送出することができるポンプを使用する。例えば、それ自体周知のチューブポンプ、特に、ローラーチューブポンプ等のバルブレスポンプを用いることができる。前記ローラーチューブポンプは、例えば、側面一方が壁とされた弾力性のあるチューブを備え、前記壁の部分を電動モータ16で駆動されるローラーが押しつぶしながら転がることにより、前記チューブ内の液を押し出す。該ローラーチューブポンプによれば、前記ローラーの転がり速度を制御することで、前記合流部への薬液Sの供給量を制御することができる。前記薬液ポンプ12の作動は、マイクロコンピュータを含む制御装置17によって自動制御される。
【0025】
なお、前記薬液タンク4と前記清水タンク3の容量比は、前記薬液Sの希釈倍率に応じて適宜に決定すればよい(例えば、1:100)。
【0026】
前記散布用ポンプ5の前記吐出口6は、吐出流路18を介して前記散布ノズル部7に連通している。前記吐出流路18には、上流側から順に、切換弁としての三方コック19と流量センサ20が介装されている。該流量センサ20は、前記散布ノズル部7へ向けて圧送される散布液Kの流量を検知し、その検知信号を前記制御装置17へと提供する。そして該制御装置17は、前記信号に基づいて、例えば、散布液Kの濃度が予め入力した所定の濃度(希釈倍率)に維持されるように、前記薬液ポンプ12の作動を制御する。
【0027】
前記三方コック19の二つの切換流出口21,22の内の一方21は、前記散布ノズル部7に連通しているが、他方の切換流出口22は、戻し流路23を介して前記混合流路10に連通している。したがって、散布作業中に散布を一時的に停止したい場合等には、前記走行機体50の運転者が操縦席で前記三方コック19を操作して前記戻し流路23側へと流路を切り換えることにより、前記散布用ポンプ5を無負荷運転させることができる。
【0028】
本実施の形態では、前記戻し流路23は、前記逆止弁11の下流側で前記混合流路10に連通している。すなわち、前記逆止弁11は、前記混合流路10に対する前記戻し流路23の連結部24と前記合流部9との間に介装されている。したがって、前記散布用ポンプ5の吐出側から吸入側へと戻される散布液Kが前記合流部9へと逆流することはない。よって、散布液Kが前記清水タンク3内に逆流するようなことはない。また、前記薬液ポンプ12として、チューブポンプのようなバルブレスポンプを用いている場合でも、前記散布液Kが前記薬液タンク4の薬液Sに混入してしまう心配もない。
【0029】
前記液体散布装置1は、前記吐出流路18における前記流量センサ20の上流側に調量流路25を備えている。該調量流路25は、前記吐出流路18から分岐して前記混合流路23へと連通している。前記調量流路25には、電動式等の調量弁26が介装されている。図示例では、前記調量流路25を前記戻し流路23に連通させているが、前記逆止弁11の下流側で前記混合流路10に直接連結してもよいことは勿論である。
【0030】
前記液体散布装置1は、前記流量センサ20に加えて、単位面積当たりの散布量を常に均一にするために必要なデータを検知する種々のセンサ27を備えている。例えば、車速センサや散布幅検知センサ等である。これらのセンサ27の検知信号は、前記制御装置17へと提供される。そして該制御装置17は、前記各信号に基づき、前記液体散布装置1の移動速度や散布幅等の変化に応じて散布流量を変化させ、単位面積当たりの散布量が常に均一となるように前記調量弁26の調量値を制御する。
【0031】
前記構成において、本実施の形態では、図2に示すように、前記薬液タンク4と前記薬液ポンプ12が、連結部材としての支持台28で互いに一体化されて薬液ユニット29とされている。すなわち、前記薬液タンク4と前記薬液ポンプ12は、互いに隣り合うように前記支持台28上に載置され、それぞれが該支持台28に固定されている。該支持台28は、ボルト30や図示しないナット等の適宜の固着具により、前記走行機体50に取り外し可能に取着される。また、前記薬液ポンプ12から延び出した前記薬液流路13は、前記合流部9に取り外し可能に接続され、前記薬液ポンプ12の前記電動モータ16から延び出した制御用配線31は、前記制御装置17に繋がるコネクタ32に取り外し可能に接続される。
【0032】
なお、前記合流部9への前記薬液流路13の接続方式を、エアホース接続等の圧入式とすれば、工具を用いることなくワンタッチで接続及び取り外しができるので、好適である。また、前記走行機体50への前記薬液ユニット29の搭載の態様は、前記走行機体50に予め形成した薬液ユニット受け入れ部への嵌め込み式とすることもできる。
【0033】
本実施の形態では、前記薬液ユニット29は、それ自体を単体として前記走行機体50に取り付けることができ、且つ、該走行機体50から取り外すことができる。そこで、散布すべき薬液の種類を変更する場合には、前記薬液流路13を前記合流部9から取り外し、前記制御用配線31を前記コネクタ32から取り外し、且つ、前記薬液ユニット29を前記走行機体50から取り外す。そして、前記薬液ユニット29と同一の構成の他の薬液ユニットに交換する。前記走行機体に搭載した新たな薬液ユニットの薬液流路13と制御用配線31は、前記合流部9と前記コネクタ17に接続する。これにより、薬液の種類の変更に容易且つ迅速に対応することができる。
【0034】
散布により薬液が付着するのは、前記薬液タンク4の内面、前記薬液ポンプ12の内部及び前記薬液流路13の内壁である。このため、これらを一体化した前記薬液ユニット29を別の薬液用の薬液ユニットに交換すれば、異なる種類の薬液が混じって散布される心配は全くない。
【0035】
なお、前記合流部9から前記散布ノズル部7までの散布液Kの流路にも薬液は付着するが、前記散布用ポンプ5を作動させて前記清水タンク3内の清水Wのみを前記散布ノズル部7から吐出させれば、それらは簡単に洗浄することができる。
【0036】
以上の説明から分かるように、前記液体散布装置1の利用者は、一年に又はあるシーズンに散布すべき薬液の種類に応じて、前記薬液ユニット29を複数備えておき、それらを交換しながら使用すると好適である。但し、必ずそうしなければならない訳ではない。すなわち、薬液の種類を変更する場合には、前記薬液ユニット29を取り外した後にそれを洗浄して、前記走行機体50に再度搭載して、新たな薬液を注入してもよいからである。この場合にも、前記薬液ユニット29を単体として取り扱うことができるので、その取り外し及び再度の取り付けを容易且つ迅速に行える利点がある。また、前記薬液ユニット29を前記走行機体50から取り外すことにより、前記薬液タンク4、前記薬液ポンプ12及び前記薬液流路13の洗浄を容易且つ確実に行える利点もある。
【0037】
なお、図3に示すように、前記液体散布装置1を搭載した液体散布車51において、前記走行機体50への前記薬液ユニット29の取付位置は、該薬液ユニット29の着脱作業を作業者が地面Gに立った状態で行える位置とするのが望ましい。このようにすれば、前記走行機体50に対する前記薬液ユニット29の着脱を簡易迅速に、且つ安全に行うことができるからである。
【0038】
さらに、本実施の形態では、図2に示すように、前記薬液ポンプ12が、ローラーチューブ式等の複数のポンプ要素33,33と、該複数のポンプ要素33,33の駆動源としての前記電動モータ16と、前記複数のポンプ要素33,33と前記電動モータ16を共に支持するポンプフレーム34を備えたものとされている。このようにすれば、複数の構成要素からなる前記薬液ポンプ12もユニット化されていることになるので、前記薬液ユニット29の組み立てが容易となる。
【0039】
また、本実施の形態では、前記複数のポンプ要素33,33に対応して前記薬液流路13が複数備えられている。図示例では、前記ポンプ要素33と前記薬液流路13の組が二組とされているが、必要とされる薬液繰り出し量に応じて、単一であっても、又は三組以上備えた構成としてもよいことは勿論であり、ポンプ要素33を駆動する前記電動モータ16も、必要に応じて複数備えた構成としてもよい。前記ポンプ要素33と前記薬液流路13の各組は、互いに並列にして前記合流部9に接続される。
【0040】
図2において、前記二つのポンプ要素33,33は、横に並べて箱状の前記ポンプフレーム34の外側面に支持され、前記二つのポンプ要素33,33間の上方位置に、ステッピングモータ等の前記電動モータ16が支持されている。該電動モータ16の駆動軸と、前記各ポンプ要素33の従動軸は、前記ポンプフレーム34の内部において、歯付きプーリ35,36及び歯付きベルト37等の伝動手段で駆動上互いに連結されている。
【0041】
また、本実施の形態では、前記薬液流路13が複数本備わっていることから、次のような利点も得られる。
【0042】
仮に、薬液流路を一本とすると、粘性を有する薬液を円滑に前記合流部9へと繰り出すために、単一の薬液流路の内径をある程度大きくしておく必要がある。
【0043】
しかしながら、前記単一の薬液流路の内径が大きいと、前記薬液ポンプ12の停止時に、前記単一の薬液流路内の残留薬液が前記清水流路8内へと混入する心配がある。すなわち、図1において、前記三方コック19を切換えて散布を停止すると、前記流量センサ20からの信号により前記薬液ポンプ12の作動も停止されるが、この時、前記合流部9へと延びる前記薬液流路13内には薬液Sが残留しており、この残留薬液の比重は清水より大きいからである。
【0044】
そこで、本実施の形態では、前記残留薬液が前記薬液ポンプ12の停止中に自重で流動して前記清水流路8内の清水と置換わることを抑止できる程度にまで前記各薬液流路13の内径を小さくし、且つ、該薬液流路を複数・並列にして、薬液流路全体として必要な断面積を確保している。これにより、薬液Sの円滑な繰り出しと、残留薬液の流動防止を共に達成することができる。例えば、内径9mmのチューブを薬液流路として有する単一のポンプ要素に代えて、内径6.5mmのチューブを薬液流路として有するポンプ要素を二つ用いれば、所要の性能を得ることができる。
【0045】
なお、必要とされる薬液繰り出し量によっては、単一のポンプ要素から複数の小径チューブを分岐させることも可能であり、更に必要繰り出し量が小さい場合には、単一の小容量ポンプと単一の小径チューブの組み合わせも可能なことは言うまでもない。
【0046】
また、前記薬液散布装置1は、前記薬液タンク4内の薬液量を調べるための残量ゲージ38を備えている。本実施の形態では、図2に示すように、前記残量ゲージが、液量目盛りを有する棒状ゲージ38とされ、前記薬液タンク4とは別体に形成されている。
【0047】
薬液残量を調べるには、前記薬液タンク4の図示しない蓋を外し、前記棒状ゲージ38をタンク4から抜き取って、液量目盛りのどの位置まで薬液が付着したかを読み取る。前記棒状ゲージ38は前記薬液タンク4とは別体に形成されているので、付着した薬液を容易に拭い去ることができる。よって、何度使用しても、薬液残量の読み取りが不能となることはない。
【0048】
なお、前記棒状ゲージ38は、前記薬液タンク4内に常時装着しておいてもよいし、前記薬液ユニット29の適宜の箇所に収納部を形成する等して、常に携行できるようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0049】
【図1】本発明の一実施の形態に係る液体散布装置の、制御回路を含む配管図である。
【図2】薬液ユニットの斜視図である。
【図3】図2の薬液ユニットの搭載位置の一例を示す液体散布車の左側面図である。
【符号の説明】
【0050】
1 液体散布装置
2 吸入口
3 清水タンク
4 薬液タンク
5 散布用ポンプ
6 吐出口
7 散布ノズル部
9 合流部
10 混合流路
12 薬液ポンプ
13 薬液流路
16 駆動源(電動モータ)
28 連結部材(支持台)
29 薬液ユニット
33 ポンプ要素
34 ポンプフレーム
38 棒状ゲージ
50 走行機体
51 液体散布車
G 地面
S 薬液
W 清水
【出願人】 【識別番号】000141990
【氏名又は名称】株式会社共立
【出願日】 平成18年7月6日(2006.7.6)
【代理人】 【識別番号】100067677
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 彰司


【公開番号】 特開2008−12433(P2008−12433A)
【公開日】 平成20年1月24日(2008.1.24)
【出願番号】 特願2006−186240(P2006−186240)