トップ :: B 処理操作 運輸 :: B05 霧化または噴霧一般;液体または他の流動性材料の表面への適用一般

【発明の名称】 塗装装置及び巻込鋼管内面塗装方法
【発明者】 【氏名】神尾 誠

【氏名】中村 芳紀

【要約】 【課題】管の周方向の一部に塗料が塗布されない領域を形成する塗装装置を提供することを課題としている。

【構成】管の内周面に塗料を塗布する装置であって、塗料を該管Pの内周面に向け塗布するノズル11と、該ノズル11を上記管Pの半径方向に指向させて支持し、上記管Pの軸線まわりに回動可能な回動部20と、該回動部20に接続され、該回動体20を上記管の周方向および軸線方向に駆動する駆動部30とを備える塗装装置において、上記駆動部30は、上記管Pの内面で周方向の一部をなす非塗布域以外の塗布域に対応する塗布角で上記回動体20を周方向にて往復回動させるように設定されている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
管の内周面に塗料を塗布する装置であって、塗料を該管の内周面に向け塗布するノズルと、該ノズルを上記管の半径方向に指向させて支持し、上記管の軸線まわりに回動可能な回動体と、該回動体に接続され、該回動体を上記管の周方向および軸線方向に駆動する駆動部とを備える塗装装置において、上記駆動部は、上記管内面で周方向の一部をなす非塗布域以外の塗布域に対応する塗布角で上記回動体を周方向にて往復回動させるように設定されていることを特徴とする塗装装置。
【請求項2】
駆動部は制御部に接続され、該制御部は回動体が一の方向に塗布角にわたり回動したことを検知して検知信号を発生する検知部から該検知信号を受信して、上記駆動部に上記回動体の回動方向を他の方向に逆転させるように設定されていることとする請求項1に記載の塗装装置。
【請求項3】
回動体は該回動体の往復回動に対応して往復回動する圧接部材に接続され、検知部は上記圧接部材の往復回動の方向転換点となる二つの端点のそれぞれに配置される被圧部材を有し、該被圧部材が上記圧接部材に圧せられたときに上記回動体が塗布角にわたり回動したことを検知することとする請求項2に記載の塗装装置。
【請求項4】
二つの端点は少なくともいずれか一方の位置の調整が可能であり、塗布角を増減可能となっていることとする請求項3に記載の塗装装置。
【請求項5】
回動体はノズルを支持する第1の回動体と駆動部に接続された第2の回動体とを有し、該第1の回動体と該第2の回動体とは回転伝動部材を介して回動角度を変換可能に接続されていることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか一つに記載の塗装装置。
【請求項6】
請求項1から請求項5のいずれか一つに記載の塗装装置を用いて、巻込鋼管の内周面を塗装することを特徴とする巻込鋼管内面塗装方法。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は塗装装置、特に、管の内周面に塗料を塗布する塗装装置及び巻込鋼管の内面塗装方法に関する。
【背景技術】
【0002】
管の内周面の塗装において、管の周方向の一部において塗料が塗布されない領域を形成することが要求される場合がある。その一例として、特許文献1に開示されている巻込鋼管工法で成形される鋼管の内周面を塗装する場合が挙げられる。巻込鋼管工法とは、地中に埋設した水道管等の管路を更新するために用いられる工法の一つである。具体的には、ロール成形により得られた鋼管(実際には、周方向で開いている管状体)の側縁部を重ね合わせてその管径を縮小(以下、「縮管」という)し、縮管した状態で鋼管を地中の既設管の内部等に挿入する。そして、既設管に内接する程度に鋼管の管径を拡大(以下、「拡管」という)して、例えばシーム溶接によりその側端縁を互いに接合することにより既設管の内部に鋼管を新規管として設置する。巻込鋼管工法によれば、既設管を撤去する手間を省略できる。また、新規管を次々と長手方向に接続して所望の長さにわたり設置できるので、地上から新規管を導入するための掘削口は新規管1本と管送り装置の大きさで済み、広範囲の掘削が不要となるので短時間で低コストに管路を更生できる。
【0003】
一般に、この巻込鋼管方法による管路の更生において、新規管内周面の塗装は縮管がなされる前に行われる。縮管前に内面を全周にわたり塗装すると、例えば、溶接そして塗装のための装置を台車により鋼管内周面上で走行させると既塗装面に傷が付くおそれがある。また、縮管の際に内周面が鋼管の端縁に掻かれて既塗装面に傷が付くこともある。さらに、側端縁付近に塗装されている塗料が拡管後の側端縁同士のシーム溶接に不具合をもたらす。そこで、このような全周塗装による不具合を伴わない手法として、縮管により形成される重ね代の部分をシーム溶接前には塗装しないようにしている。具体的には、予め重ね代の部分にマスキングを施した状態で鋼管の内面を全周にわたり塗装し、その後マスキングを除去する。つまり、マスキングが除去された部分は塗料が塗り残された状態となる。そして、縮管および拡管により鋼管を既設管の内部に敷設した後、その塗り残した部分を塗装する。
【0004】
鋼管の内周全面の塗装に使用される塗装装置としては、例えば特許文献2に開示されているような、先端に塗装ノズルを設けたアームが管の周方向に360度回転可能な塗装装置が挙げられる。
【特許文献1】特開2002−174362
【特許文献2】特開2002−001175
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上述の方法による従来の塗装ではマスキングを施す手間そしてそのための材料費がかかる。また、マスキングを施す箇所には結局塗装を2度行うこととなるので、1度目の塗装により塗布された塗料は無駄となり、コストがかかる。このような事情を考慮すると、鋼管の周方向の一部を予め塗り残すような塗装が望まれる。そのような塗装の結果、重ね代の部分、すなわちマスキングが施される部分に相当する部分に、最初の塗装時に塗料が塗布されなければ、マスキングはほとんど不要とすることができる。また、その部分の塗装は、拡管後に1度行えばよいので塗料の無駄も回避できる。
【0006】
本発明の目的は、上述のような事情に鑑みて、管の周方向の一部に塗料が塗布されない領域を形成する塗装装置を提供することにある。また、非塗布領域を形成して塗装することのできる巻込鋼管内面塗装方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る塗装装置は、管の内周面に塗料を塗布する装置であって、塗料を該管の内周面に向け塗布するノズルと、該ノズルを上記管の半径方向に指向させて支持し、上記管の軸線まわりに回動可能な回動体と、該回動体に接続され、該回動体を上記管の周方向および軸線方向に駆動する駆動部とを備える。
【0008】
かかる塗装装置において、本発明では、上記駆動部は、上記管内面で周方向の一部をなす非塗布域以外の塗布域に対応する塗布角で上記回動体を周方向にて往復回動させるように設定されていることを特徴としている。
【0009】
かかる構成の本発明によると、駆動部は設定された塗布角で回動体を往復回動させるので、回動体に支持されるノズルも塗布角で往復回動する。その結果、塗料は塗布角と対応する塗布域のみに塗布され、非塗布域には塗布されない。つまり、非塗布域には塗料は塗布されない。これによって、管の周方向の一部に塗料が塗布されない領域が形成される。
【0010】
本発明では、駆動部は制御部に接続され、該制御部は回動体が一の方向に塗布角にわたり回動したことを検知して検知信号を発生する検知部から該検知信号を受信して、上記駆動部に上記回動体の回動方向を他の方向に逆転させるように設定されていることが好ましい。これによって、管の径などの条件に応じた塗布角の設定により自動的に管の周方向の一部に塗料が塗布されない領域が形成される。
【0011】
本発明では、回動体は該回動体の往復回動に対応して往復回動する圧接部材に接続され、検知部は上記圧接部材の往復回動の方向転換点となる二つの端点のそれぞれに配置される被圧部材を有し、該被圧部材が上記圧接部材に圧せられたときに上記回動体が塗布角にわたり回動したことを検知することが好ましい。これによって、回動体の往復回動、すなわち回動体の機械的な動作を直接利用して簡便に塗装装置が構成される。
【0012】
本発明では、上記二つの端点は少なくともいずれか一方の位置の調整が可能であり、塗布角を増減可能となっていることが好ましい。このような構成において、端点の位置の調整により、回動体が往復回動する角度が簡便に調整される。
【0013】
本発明では、回動体はノズルを支持する第1の回動体と駆動部に接続された第2の回動体とを有し、該第1の回動体と該第2の回動体とが回転伝動部材を介して回動角度を変換可能に接続されていることが好ましい。この構成において、第1の回動体が回動する角度、すなわち塗布角は回転伝動部材における設定の変更により設定される。つまり、駆動部が第2の回動体の回動させる角度を変更することなく塗布角が簡便に変更される。
【0014】
本発明は巻込鋼管の塗装方法にも関しており、その方法は、上記塗装装置を用いて、巻込鋼管の内周面を塗装することを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
本発明は、上述のように駆動部は回動体を塗布角にわたり往復回動させるよう設定されており、非塗布域には塗料が塗布されないので、管内面の周方向にて塗装されない領域を形成できる。管内周面における塗装の不要な領域を非塗布域として塗布角を設定することにより、例えば、上述の巻込鋼管工法を用いた作業において、従来必要とされていたマスキングは不要となるので、マスキングの作業、すなわちマスキング材料を貼付および除去する作業を省略できる。仮にマスキングが必要な場合があるとしても、そのマスキングは塗布域と非塗布域との境界線近傍だけのきわめて局部的な簡易なもので済み、マスキング作業の負担を軽減できる。これに伴い、マスキング材料はほとんど不要となるので、その分の材料費を抑制できる。また、塗料の使用量が減少する分、コストを抑制できる。さらに、重ね代の部分を塗装しないことにより、縮管や塗装の際に塗装面が傷付くことはなく、また、シーム溶接時に不具合が生じることもない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
図1は、本実施形態に係る塗装装置の構成を示す図である。同図は、管Pの軸線を含む面での断面であり、管Pの内部に配置された塗装装置1が管Pの内周面に塗料を塗布している状態を示す。管Pは、例えば、上水、農業用水、工業用水等を流水させる水道管や汚泥送水管を巻込鋼管工法により更生する場合、その過程においてロール成形された略管状の鋼板である。
【0017】
塗装装置1は、管Pの内面に向け塗料を塗布する塗料塗布部10、該塗料塗布部10を支持する回動部20、該回動部20を管Pの周方向および軸線方向に駆動する駆動部30および塗料を供給する塗料供給部40を有する。
【0018】
塗料塗布部10は、ノズル11、該ノズル11を支持するアーム12および該アーム12を支持する回動支持部13を有する。ノズル11は、管Pの半径方向に指向しており、管Pの内周面に向けて塗料を塗布する。アーム12は管状の部材であり、その軸線が管Pの半径方向に位置してノズル11を支持している。回動支持部13は、管状の部材であり、その軸線が管Pの軸線と一致するように位置してアーム12を支持している。
【0019】
回動部20は、第1回動体21、第2回動体22、該第1回動体21の後端(図にて右端)と第2回動体22の前端(図にて左端)とを接続する第1歯車23Aおよび第2歯車23B、第2回動体22に設けられた回動検出部24、該回動検出部24から発信された信号を受信して駆動部30を制御する制御部25を有する。
【0020】
第1回動体21はその軸線まわりに回動可能な管状の部材であり、その軸線が管Pの軸線と一致するように配置されている。つまり、第1回動体21は、管Pの軸線まわりに回動可能である。第1回動体21は軸線方向でその前端にて回動支持部13を支持することにより、ノズル11を管Pの半径方向に指向させている。第2回動体22はその軸線まわりに回動可能な管状もしくは軸体状の部材であり、その後端にて駆動部30と接続されている。
【0021】
上記第1回動体21と第2回動体22とは回転伝動部材としての歯車23Aおよび歯車23Bを介して接続されている。歯車23Aは、第1回動体21における、回動支持部13を支持していない後端に取り付けられる。歯車23Bは、第2回動体22における、駆動部30に接続されていない前端に取り付けられている。
【0022】
歯車23Aおよび歯車23Bは噛合しており、第2回動体22の回動を第1回動体21に伝達する。ここで、歯車23Aおよび歯車23Bの直径を互いに異ならせることにより回動角度の大きさの変換が可能となる。本実施形態では、歯車23Aの歯数は歯車23Bの歯数より小さく設定されている。これによって、第2回動体22の回動角度より大きい角度で第1回動体21を回動させることができる。つまり、駆動部30が第2回動体22を駆動する角度より大きい角度でノズル11を回動させることができる。
【0023】
なお、本実施形態では、二つの歯車を介して第1回動体21および第2回動体22を接続したが、変形例として、三つ以上の歯車を介して接続してもよい。歯車の数を多くすることにより各歯車をより小径なものすることができる。
【0024】
回動検出部24は第2回動体22に設けられており、第2回動体22が所定の角度にわたり回動したことを検知して検知信号を発信する。回動検出部24の機構の詳細については図3に基づいて後述する。制御部25は、回動検出部24と接続されており、回動検出部24からの検知信号を受信する。この制御部25は、駆動部30、具体的には後述する周方向駆動部31と接続されており、回動検出部24からの検知信号に応じて周方向駆動部31に第2回動体22の回動を正逆転させるように設定されている。
【0025】
駆動部30は、第2回動体22をその軸線まわりに駆動する駆動源を内蔵せる周方向駆動部31、該周方向駆動部31を軸線方向に駆動する軸方向駆動部32とを備えている。周方向駆動部31は制御部25に接続されていて、該制御部25からの指令信号で制御されて第2回動体22を所定の角度で往復回動させる。一方、軸方向駆動部32は、回転駆動源とその回転を直動に変換する機構(以下、「回転直動変換機構」という)とを内蔵しているとともに、該機構により直動される直動部材33を有している。この直動部材33は前方に延出しており、その前部が周方向駆動部31に接続されていて、該周方向駆動部31を軸線方向に駆動させる。
【0026】
なお、本実施形態では、軸方向駆動部32が回転直動変換機構を内蔵することとしたが、これには限定されず、回転直動変換機構は、例えば周方向駆動部31側に設けられるようにしてもよい。この場合、上記直動部材33に代えて、軸方向駆動部32から回転軸体を前方に延出するように設け、この軸体自体は直動せずに軸線まわりに回転して、この軸体が回転直動変換機構を介して周方向駆動部31と接続される。かくして、この回転直動変換機構によって上記周方向駆動部31は直動されるようになる。
【0027】
塗料供給部40は、ノズル11に塗料を供給する。図1において、塗料が供給される経路50を実線で示す。同図に示すように、経路50は、管状の第1回動体21、回転支持部13およびアーム12の内部を通ってノズル11に到達する。
【0028】
上述の構成において、周方向駆動部31が第2回動体22をその軸線まわりにて往復回動させると、第2歯車23Bは第2回動体22の回動角度と等しい角度で往復回動する。第2歯車23Bと噛合する第1歯車23Aは、第1歯車23Aと第2歯車23Bとの歯数比に応じて増加した角度で往復回動する。ここで、第1歯車23Aの回動角度が塗布角に相当する。これによって、第1回動体21、ひいては塗料を塗布するノズル11は管Pの周方向にて塗布角にわたり往復回動する。
【0029】
ここで、図2に基づいて、ノズル11の回動動作について述べる。図2は、管Pの軸線方向に見た塗料塗布部10を示す図である。図1における構成と同一の構成には同一符号を付して説明を省略する。同図では、ノズル11が回動する角度、すなわち塗布角をθ1として示している。ノズル11が塗料を塗布しながら塗布角θ1にわたり回動すると、管Pの内周面において塗布角θ1に対応する領域、すなわち塗布域のみに塗料が塗布される。この結果、ノズル11が回動しない角度、すなわち非塗布角θ2に対応する非塗布域には塗料は塗布されない。
【0030】
図1に戻って、軸方向駆動部32は、第2回動体22を往復回動させている周方向駆動部31を管Pの軸線方向に駆動する。これによって、ノズル11は、塗布角にわたり往復回動しながら管Pの軸線方向にも移動する。この結果、管Pの軸線方向において管Pの内周面に塗料が塗布される。
【0031】
図3は、回動検出部24の構成を示す図である。同図においては、説明の都合上制御部25の図示を省略する。回動検出部24は、第2回動体22に取り付けられた圧接部材24A、第2回動体22が所定角度回動したことを検知する検知部24Bを有する。圧接部材24Aは腕状をなし、その一端が第2回動体22に取り付けられている。具体的には、圧接部材24Aの一端には角孔24Cが形成されており、第2回動体22には、角孔24Cとほぼ同形状の角柱軸部24Dが形成されている。そして、角柱軸部24Dが角孔24Cに嵌合することにより圧接部材24Aは第2回動体22に取り付けられ、圧接部材24Aは第2回動体22と同じ向きに同じ速度で回動する。圧接部材24Aの他端には図3に示すように円筒状の圧接子24Eが着脱可能に取り付けられている。
【0032】
検知部24Bは、直方体部材に形成された互いに直角な二つの面のそれぞれに被圧子24F−1または24F−2を有している。検知部24Bは、被圧子24F−1および24F−2(以下、総称して「被圧子24F」ともいう)が圧接部材24Aの往復回動の方向転換点となる二つの端点(以下、「圧接点」という)のそれぞれにて圧接子24Eに圧せられるような位置に配置されている。そして、検知部24Bは、板状もしくはシム状の調整部材24G−1および24G−2(以下、総称して「調整部材24G」ともいう)を介して、塗装装置1内部で固定された支持部材24H−1および24H−2に支持されている。
【0033】
検知部24Bによる、第2回動体22の所定角度にわたる往復回動の検知について、図3に基づいて述べる。例えば、周方向駆動部31の駆動により、第2回動体22が反時計回りの方向に回動したものとする(矢印a)。そして、図3にて実線で示すように、圧接部材24Aがその往復動範囲の一方の端点に達すると被圧子24F−1が圧接子24Eに圧せられ、検知部24Bは検知信号を発信する。図示しない制御部25はその検知信号を受信し、第2回動体22の回動方向を逆転させるように周方向駆動部31を制御する。これによって、第2回動体22は時計回りの方向に回動する(矢印b)。そして、図3にて二点鎖線で示すように、圧接部材24Aがその往復回動範囲の他方の端点に達すると被圧子24F−2が圧接子24Eに圧せられ、検知部24Bは再度検知信号を発信する。図示しない制御部25はその検知信号を受信すると第2回動体22の回動方向を再度逆転させるように周方向駆動部31を制御する。これによって、第2回動体22は反時計回りの方向に回動する(矢印a)。
【0034】
このように、検知部24Bは、被圧子24F−1および被圧子24F−2が交互に圧接子24Eに圧せられる度に、第2回動体22が所定の角度にわたり回動したことを検知して検知信号を発生する。そして、制御部25はその検知信号を受信する度に第2回動体22の回動方向を逆転させるように周方向駆動部31を制御する。これによって、第2回動体22は予め設定された所定の角度で自動的に往復回動する。なお、本実施形態では、圧接部材24Aは第2回動体22に直接取り付けられたが、変形例として、圧接部材は他の部材を介して第2回動体22に接続されてもよい。
【0035】
本実施形態では、二つの圧接点の位置の少なくともいずれか一方を調整することにより、第2回動体22の回動角度を簡便に調整できる。第2回動体22の回動角度を調整することにより第1回動体21の回動角、すなわち塗布角を調整できる。
【0036】
各圧接点の位置は、以下のように個別に調整可能である。例えば、圧接点の位置は調整部材24Gの厚さにより調整可能である。具体的には、調整部材24G−1の厚さδ1を大きくすると、被圧子24F−2の位置、すなわち被圧子24F−2が圧接子24Eに圧接される位置も、幅δ1が大きくなった分だけ調整部材24G−1の厚さ方向にずれる。これによって、第2回動体22の回動角度は小さくなる。同様に、調整部材の24G−2の厚さδ2を大きくすると、被圧子24F−1が圧接子24Eに圧接される位置も、幅δ2が大きくなった分だけ調整部材24G−2の厚さ方向にずれるので、第2回動体22の回動する角度は小さくなる。逆に、調整部材24Gを薄くすると、第2回動体22の回動する角度はその分大きくなる。なお、調整部材24Gの調整幅の度合により第2回動体22の回動角度の増減の度合が決定されることは言うまでもない。
【0037】
調整部材24Gの厚さの調整は、調整部材24G自体を交換して行ってもよく、また、すでに配置されている調整部材24Gを残したまま、別部材をさらに重ねて配置して行ってもよい。特に、この別部材をシムとすれば、角度の微調整が可能である。
【0038】
本実施形態では、圧接子24Eの半径rを調整することにより、第2回動体22の回動角度を簡便に調整することもできる。例えば、半径rを大きくした場合には、調整前と比較して小さい角度の回動で被圧子24Fが圧接子24Eに圧せられるので、第2回動体22の回動角度は小さくなる。逆に、半径rを小さくした場合には第2回動体22の回動角度は大きくなる。圧接子24Eの半径rの調整は、圧接子24Eを半径の異なる別の部材である圧接子に交換することにより行われる。
【0039】
以下、本実施形態に係る塗装装置1の使用要領の一例を述べる。
【0040】
まず、塗装装置1の操作者は、ノズル11が所望の塗布角で回動するのに適切な直径を有する歯車23Aと歯車23Bとを選択して第1回動体21および第2回動体22に取り付ける。その際、第2回動体22の回動角度と塗布角、すなわち第1回動体21の回動角度との比を算出し、その比に応じた歯数比の歯車が上記二つの歯車23A、23Bとして選択される。次に、塗料供給部40から塗料を供給させない状態で周方向駆動部31を駆動させ、ノズル11の回動を実際に目視して、ノズル11が所望の塗布角で回動しているか否かを確認する。そして、必要に応じて、図3に基づいて上述したように圧接子24Eと被圧子24Fとが当接する位置を調整して、ノズル11の回動角度を微調整する。その後、操作者は塗装装置1を管P内部に配置する。本実施形態では、塗料塗布部10および回動部20が管P内部に位置するように塗装装置1が配置された状態を図1に示したが、塗装装置1の配置の状態はこれには限られない。例えば、塗装装置1は塗料塗布部10のみが管P内部に位置し、他は管外に位置するように配置されてもよい。
【0041】
以上の準備が完了した後、操作者は塗料供給部40から塗料を供給させ、ノズル11から塗料を塗布させた状態で周方向駆動部31および軸方向駆動部32を同時に駆動させる。これによって、ノズル11が塗布角にわたり往復回動しつつ、塗装装置1自体が管Pの軸線方向で移動する。この結果、管Pの周方向にて塗料が塗布されない非塗布域を形成することができる。
【0042】
(実施例)
周方向駆動部31として空気圧式ロータリアクチエータを、回動検出部24としてボールカム式機械作動弁を、制御部25としてパイロットエア切換弁を用い、ボールカム式機械作動弁により回動を検出して、パイロットエア切換弁によりロータリアクチエータを正逆転させるように構成され、歯車23Aと歯車23Bとの歯数比が27:30に設定された塗装装置を用いて、巻込鋼管内面の塗装を行なった。
【0043】
ロータリアクチエータの回動角は270°であるが、ノズル11を300°の塗布角で回動して塗布することができ、非塗布角60°の領域を塗り残すことができた。
【0044】
また、回動検出部24の調整部材24G−1または24G−2の厚さを厚くして、ロータリアクチエータの回動角を260°にし、ノズル11の塗布角を290°に調整することも容易にできた。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【図1】本発明の一の実施形態に係る塗装装置の構成を示す図である。
【図2】図1装置における管の軸線方向に見た塗料塗布部を示す図である。
【図3】図1装置の回動検出部の構成を示す図である。
【符号の説明】
【0046】
1 塗装装置
11 ノズル
20 回動部
21 第1回動体
22 第2回動体
23A 第1歯車
23B 第2歯車
24 回動検出部
24A 圧接部材
24B 検知部
24E 圧接子
24F−1,24F−2 被圧子
24G−1,24G−2 調整部材
25 制御部
30 駆動部
31 周方向駆動部
32 軸方向駆動部
【出願人】 【識別番号】000004123
【氏名又は名称】JFEエンジニアリング株式会社
【出願日】 平成18年7月4日(2006.7.4)
【代理人】 【識別番号】100084180
【弁理士】
【氏名又は名称】藤岡 徹


【公開番号】 特開2008−12412(P2008−12412A)
【公開日】 平成20年1月24日(2008.1.24)
【出願番号】 特願2006−184789(P2006−184789)