トップ :: B 処理操作 運輸 :: B05 霧化または噴霧一般;液体または他の流動性材料の表面への適用一般

【発明の名称】 スプレーガン
【発明者】 【氏名】山▲崎▼ 諭志

【要約】 【課題】容易に異なる吐出量に変更できるスプレーガンを提供する。

【構成】第1のエア供給通路18から供給される第1のピストン用エア及び第2のピストン15の押圧で移動する第1のピストン13と、第1のピストン13の前方に位置し第2のエア供給通路21,22から供給される第2のピストン用エアで移動する第2のピストン15をガン本体1の内部に設けた。また、ニードル弁8の後端部を第1のピストン13に螺着させた。これにより、圧縮エアの供給先を第1のピストン13を移動させる第1のエア供給通路18、或いは第2のピストン15を移動させる第2のエア供給通路21,22に切り替えるだけで容易にニードル弁8の移動量を変更できる。従って、容易に異なる吐出量で吐出させることができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
塗料室を有するガン本体と、
前記塗料室の前端に設けられた塗料の吐出口と、
前記塗料室内に配置され前記吐出口を開閉するニードル弁と、
前記ニードル弁を前方に付勢して前記ニードル弁に前記吐出口を閉鎖させる付勢手段と、
前記ガン本体に設けられ、圧縮エアの供給により前記付勢手段の付勢力に抗して前記ニードル弁を後方へ移動させて、前記吐出口を開放させるピストン装置とを備え、
前記ピストン装置は、ピストン室と、
前記ピストン室内に配置され、前記ニードル弁の後端部が固定された第1のピストンと、
前記ピストン室内のうち前記第1のピストンの前部に配置された第2のピストンと、
前記ピストン室内のうち前記第1のピストンと第2のピストンの間に前記圧縮エアを供給することにより前記第1のピストンを後方に移動させる第1のエア供給通路と、
前記ピストン室内のうち前記第2のピストンの前部に前記圧縮エアを供給することにより前記第2のピストンと共に第1のピストンを後方に移動させる第2のエア供給通路とから構成され、
前記第1のエア供給通路から圧縮エアが供給されたときの前記ニードル弁の第1の移動量は、前記第2のエア供給通路から圧縮エアが供給されたときの前記ニードル弁の第2の移動量と異なることを特徴とするスプレーガン。
【請求項2】
ピストン室は、ガン本体の後端部に設けられた穴部と、
前記穴部を塞ぐように前記ガン本体に着脱可能に取り付けられた蓋部材とから構成され、
前記蓋部材は、第1のピストンの後方への移動を規制する第1の調整部と、第2のピストンの後方への移動を規制する第2の調整部とを備えていることを特徴とする請求項1に記載のスプレーガン。
【請求項3】
ピストン室は、ガン本体の後端部に設けられた穴部と、
前記穴部を塞ぐように前記ガン本体に着脱可能に取り付けられた蓋部材とから構成され、
前記蓋部材は、第1のピストンの後方への移動を規制する第1の調整部と、第2のピストンの後方への移動を規制する第2の調整部とを備え、前記第1及び第2の調整部の位置を変更可能に構成されていることを特徴とする請求項1に記載のスプレーガン。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、塗装用のスプレーガンに関する。
【背景技術】
【0002】
自動車の部品等の塗装には、例えば特許文献1に示すようなスプレーガンが使用されている。
この種のスプレーガンは、塗料室の内部に設けられたニードル弁の前後方向への移動により、吐出口からの塗料の吐出の入り切りを行っている。
【0003】
塗料室の後方にはピストンが配置されており、ニードル弁の後端部は前記ピストンに固定されている。また、ピストンはスプリングにより前方に付勢されている。そしてピストン用エア(圧縮エア)をピストンの前方に供給すると、ピストンはスプリングの付勢力に抗して後方に移動する。この時、ニードル弁もピストンと共に後方へ移動し、この結果、塗料がニードル弁と塗料ノズルとの間に生じた隙間を通って吐出口から吐出される。
ピストンの後方への移動は調整ストッパーで規制される。調整ストッパーはピストンの位置量を変更可能に構成されており、調整ストッパーの位置を調整することにより、ピストン及びニードル弁の後方への移動量、即ち、塗料の吐出量を調整することができる。
【0004】
このスプレーガンの捨て吹き作業(塗料の色替えなどのための塗料室の洗浄)では、塗料室に洗浄液を供給し、洗浄液で塗料室内に残留している塗料を洗い流している。
この捨て吹き作業において、ニードル弁と塗料ノズルとの隙間が狭い状態では十分な量の洗浄液を塗料室に供給できず捨て吹きに時間がかかってしまうので、調整ストッパーの移動量を変更し、ニードル弁と塗料ノズルとの隙間を十分確保してから捨て吹き作業を行っている。
【特許文献1】特開2000−117157号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、捨て吹き作業のために調整ストッパーの位置を変更すると、再度、塗装を行う際に調整ストッパーの位置を調整し直さなければならず、塗装を始めるまでに時間がかかっていた。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的は吐出口からの塗料の吐出量を簡単に変更できるスプレーガンを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明のスプレーガンは、塗料室を有するガン本体と、前記塗料室の前端に設けられた塗料の吐出口と、前記塗料室内に配置され前記吐出口を開閉するニードル弁と、前記ニードル弁を前方に付勢して前記ニードル弁に前記吐出口を閉鎖させる付勢手段と、前記ガン本体に設けられ、圧縮エアの供給により前記付勢手段の付勢力に抗して前記ニードル弁を後方へ移動させて、前記吐出口を開放させるピストン装置とを備え、前記ピストン装置は、ピストン室と、前記ピストン室内に配置され、前記ニードル弁の後端部が固定された第1のピストンと、前記ピストン室内のうち前記第1のピストンの前部に配置された第2のピストンと、前記ピストン室内のうち前記第1のピストンと第2のピストンの間に前記圧縮エアを供給することにより前記第1のピストンを後方に移動させる第1のエア供給通路と、前記ピストン室内のうち前記第2のピストンの前部に前記圧縮エアを供給することにより前記第2のピストンと共に第1のピストンを後方に移動させる第2のエア供給通路とから構成され、前記第1のエア供給通路から圧縮エアが供給されたときの前記ニードル弁の第1の移動量は、前記第2のエア供給通路から圧縮エアが供給されたときの前記ニードル弁の第2の移動量と異なることを特徴としている。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、第1のエア供給通路から供給される第1のピストン用エア(圧縮エア)によって移動する第1のピストンと、第2のエア供給通路から供給される第2のピストン用エア(圧縮エア)にとって移動する第2のピストンをガン本体の内部に設けたことにより、圧縮エアの供給先を第1のエア供給通路或いは第2のエア供給通路に切り替えるだけで容易にニードル弁の移動量を変更できる。従って、容易に異なる吐出量で吐出させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
以下、本発明を自動エアスプレーガンに適用した一実施形態について、図1乃至3を参照しながら説明する。尚、方向を示す必要がある場合には、塗料が吐出する方向を前方として説明することとする。
図1は、本実施形態に係るエアスプレーガンのガン本体1の全体構成を示している。スプレーガンのガン本体1は、矩形ブロック状をなすベース2上にボディ3を取付けられた構成である。尚、図示はしないが、このガン本体1は、前記ベース2を介して、塗装設備に据え付けられたり、ロボットアームに取付けられて使用されるようになっている。
【0009】
前記ボディ3の前端部には円筒部3aが形成され、後端部には穴部3bが形成されている。また、ボディ3内部には円筒部3aから穴部3bまで延びる円筒状の塗料室3cが形成されている
前記円筒部3aには、塗料ノズル4がノズルジョイント5を介して取付けられている。塗料ノズル4は、その前端の中心に塗料を吐出する吐出口4aを有している。この吐出口4aの後方には、後方へ延びる円筒状の塗料室4bを有しており、前記塗料室3cに同等の内径で連続する構成となっている。さらに、この塗料ノズル4の塗料室4bの外周側には、塗料ノズル4の前端面で開口する霧化用エア吹出通路4cが設けられている。
【0010】
塗料ノズル4の外周には、前記エアキャップ6がリテーナ7を介して取付けられている。このエアキャップ6には、エアキャップ6の前面で開口するパターン用エア吹出通路6aが形成されている。
【0011】
前記塗料室3cには、図示しない塗料供給源から塗料供給通路を介して塗料が供給される構成となっている(図1中、Aは塗料供給通路の接続口を示す)。この塗料室3cを貫通するようにして、塗料の流量を制御するためのニードル弁8が配設されている。ニードル弁8は細長い丸棒の形状からなり、軸部をなすニードルシャフト8aと、テーパ形状部8bとから構成されている。また、ニードル弁8(ニードルシャフト8a)の後端には雄ねじ部8cが形成されている。このニードル弁8が前方に変位するとテーパ形状部8bは吐出口4aに隙間無く当接し吐出口4aを塞ぎ、ニードル弁8が後方に変位すると吐出口4aが開放して塗料室3c,4bに存在する塗料が吐出する構成となっている。
【0012】
前記穴部3bの底部(図1中の穴部3bの前端部)には、前記ニードル弁8(ニードルシャフト8a)の外周に嵌挿された状態で、シールカラー9がスクリュー10を介して設けられている。シールカラー9は、塗料室3c内に供給される塗料が穴部3b側に漏れることを防止している。
また、穴部3bには、蓋部材をなす調整ストッパー11が螺挿されている。調整ストッパー11は、その前半部に位置する円筒状部11aと、後半部に位置する略円柱状のツマミ部11bとから構成されている。穴部3bの後部開口は前記調整ストッパー11により塞がれており、これにより穴部3bと調整ストッパー11との間にはピストン室12が形成される。
【0013】
ニードル弁8のうちピストン室12内に突出する部分の後端部には第1のピストン13が螺着されている。この第1のピストン13は、円筒状部11aの内周部に沿って前後方向に移動可能に構成され、ニードル弁8の後端部が円筒状部11aの内底面に当接するまで後方に移動可能である。従って、前記調整ストッパー11の円筒状部11aの内底部は第1のピストン13の第1の調整部14として機能する。
【0014】
また、前記第1のピストン13の前部には第2のピストン15が配置され、ニードル弁8に挿通されている。第2のピストン15は、ピストン室12のうち前記円筒状部11aよりも前部の内周面及びニードル弁8の外周面に沿って前後方向に摺動可能である。また、第2のピストン15の後端面の中央付近にはニードル弁8を囲うように円環状の凸部15aが形成されている。そして、この第2のピストン15は、凸部15aを除く後端面15bが円筒状部11aの前端面に当接するまで、後方に移動可能に構成されている。従って、円筒状部11aの前端面が第2の調整部16として機能する。
【0015】
ボディ3の後上部には、L字形をなすニップル(管継手)17が設けられている。このニップル17の一端は図示しない圧縮エア供給源に接続され、他端は下方に延びる第1のエア供給通路18に接続されている。第1のエア供給通路18は第1のピストン13と第2のピストン15との間の空間19(凸部15aの外周の空間)と連通している。従って、ニップル17に第1のピストン用エア(圧縮エア)を供給すると、第1のピストン用エアは第1のエア供給通路18を通って、空間19に供給される。この結果、第1のピストン13は後方へ移動し、これと共にニードル弁8が後方へ移動する。これにより、吐出口4aは開放される。
【0016】
ベース2の底部には、L字状をなすニップル20が設けられている。このニップル20の一端は図示しない圧縮エア供給源に接続され、他端は上方に延びる第2のエア供給通路21に接続されている。第2のエア供給通路21は、エア供給通路22を介して第2のピストン15の前端とピストン室12との空間23と連通している(図2参照)。従って、このニップル20に第2のピストン用エア(圧縮エア)を供給すると、第2のピストン用エアは第2のエア供給通路21,22を通って、空間23に供給される。この結果、第2のピストン15は後方へ移動し、第2のピストン15に設けられた凸部15aは第1のピストン13を後方へ押圧する。これにより、第1のピストン13と共にニードル弁8は後方へ移動し、吐出口4aが開放される。
【0017】
第1のピストン13と第1の調整部14との間にはスプリング24が配設されている。このスプリング24は、前記第1のピストン13を常に前方に付勢している。第1のピストン13が前方に付勢されることにより、ニードル弁8及び第2のピストン15も前方に付勢される。
これにて、調整ストッパー11と、ピストン室12と、第1のピストン13と、第2のピストン15と、第1のエア供給通路18と、第2のエア供給通路21,22と、スプリング24とからピストン装置25は構成されている。
【0018】
尚、ツマミ部11bを時計回り、反時計回りに回転させると、調整ストッパー11は螺進退する構成になっている。これにより、調整ストッパー11の調整部14,16も移動し、第1及び第2のピストン13,15の移動できる範囲が変わる。つまり、ツマミ部11bの操作によって、吐出口4aの開口度合いが変わり吐出量の変更が可能となる。
【0019】
前記ベース2の後面部には、霧化用エアを供給するためのニップル26が後方に突出するように設けられている。ニップル26は、図示しないが、一端が圧縮エア供給源に接続され、他端が霧化用エア吹出通路4cと連通している。これにより、ニップル26に霧化用エア(圧縮エア)を供給すると、霧化用エアは塗料ノズル4の前端から吹出し、吐出口4aから吐出する塗料を霧状にする。
【0020】
図示はしないが、ニップル26の近傍(図1中のニップル26に対して紙面の手前側)には、パターン用エアを供給するためのニップルが設けられている。このニップルは、一端が圧縮エア供給源に接続され、他端がパターン用エア吹出通路6aと連通している。これにて、このニップルにパターン用エア(圧縮エア)を供給すると、パターン用エアはエアキャップ6の前端から吹出し、霧状の塗料を所定のパターン(丸形や扇形といった形状及び大きさ)に変える。前記パターンは、塗料ノズル4及びエアキャップ6の交換により選定できるようになっている。
【0021】
次に、上記構成の作用について述べる。
上記構成のガン本体1の塗料の非吐出時には、第1及び第2のピストン用エアの供給は停止されていて、第1及び第2のピストン13,15は移動されない。そのため、図1に示すように、第1のピストン13はスプリング24のばね力により前方に付勢される。これにより、第1のピストン13に螺着しているニードル弁8及び第1のピストン13に押圧されている第2のピストン15も前方に付勢される。ニードル弁8の前方への付勢により、テーパ形状部8bは塗料ノズル4に当接し、吐出口4aを塞いでいる。また、塗料、パターン用エア及び霧化用エアの供給も停止されている。ここで、予め調整ストッパー11のツマミ部11bの回転操作を行い、第1及び第2の調整部14,16を所定分だけ移動させて、ニードル弁8の変位位置(塗料の吐出量)の調整を行っておく。
尚、非吐出時の第1及び第2のピストン13,15の各位置を初期位置として説明することとする。
【0022】
塗装時には、第2のピストン用エアを空間23に供給し、また、塗料を塗料供給通路から塗料室3c,4bに供給する。この第2のピストン用エアの供給により第2のピストン15は後方に移動する。そして、第2のピストン15の凸部15aに押圧された第1のピストン13は、図2に示すように、スプリング24の付勢力に抗して後方に移動する。これにより、第1のピストン13と螺着しているニードル弁8も後方に移動する。この結果、テーパ形状部8bが塗料ノズル4から離れて吐出口4aが開放し、塗料が吐出口4aから吐出される。尚、ニードル弁8の後方への移動量は、第2のピストン15の初期位置から第2のピストン15の後端面15bが第2の調整部16に当接するまでの距離である。
【0023】
また、塗料の吐出と同時に、パターン用エア及び霧化用エアも供給される。すると、霧化用エア吹出通路4cを通って霧化用エアが噴出されると共に、パターン用エア吹出通路6aを通ってパターン用エアが噴出される。もって、塗料ノズル4から所定のパターンで塗料が噴出し、被塗装物に対する塗装が行われる。
【0024】
塗料の色替え時には、洗浄液による塗料室内の洗浄(捨て吹き作業)が行われる。この捨て吹き作業時では、塗料供給通路の接続先が塗料供給源から図示しない洗浄液供給源に切替えられ、洗浄液が塗料供給通路を通って塗料室3c,4bに供給される。この洗浄液の供給と同時に、第1のピストン用エアが空間19に供給される。このとき、第2のピストン15は初期位置で停止している。
【0025】
一方、第1のピストン13及びニードル弁8は、図3に示すように、スプリング24の付勢力に抗して、ニードル弁8の後端が第1の調整部14に当接するまで後方に移動する。この結果、テーパ形状部8bが塗料ノズル4から離れて吐出口4aが十分に開放し、多量の洗浄液が吐出口4aから吐出される。これにて、塗料室3c,4b内に残留している塗料は短時間に洗浄液によって洗い流される。このとき、パターン用エア及び霧化用エアの供給は停止されている。尚、この捨て吹き作業時のニードル弁8の移動量は、非吐出時のニードル弁8の位置から第1の調整部14にニードル弁8の後端が当接するまでの距離である。
【0026】
捨て吹き作業が終了すると、第1のピストン用エアの供給は停止する。すると、第1のピストン13はスプリング24のばね力により再び前方に付勢され、ニードル弁8と共に前方に移動し、初期位置で停止する。これによりテーパ形状部8bは塗料ノズル4に当接し、吐出口4aを塞ぐ。そして、再び塗料供給通路の接続先を洗浄液供給源から塗料供給源に切替える。一方、塗料、パターン用エア及び霧化用エアの供給は停止したままの状態である。
【0027】
本実施形態によれば、吐出口4aを開閉するニードル弁8を前後に移動させるピストン装置25を、1個のピストン室12に第1及び第2のピストン13,15を配置することにより構成した。また、ピストン室12に第1のピストン用エアが供給されると第1のピストン13が後方に移動し、第2のピストン用エアが供給されると第2のピストン15に押圧されて第1のピストン13が後方に移動するように構成した。そして、第1のピストン用エアが供給されたときの第1のピストン13の移動量と、第2のピストン用エアが供給されたときの第1のピストン13の移動量とを異ならせた。このため、ピストン室12への圧縮エアの供給通路を切り替えるだけでニードル弁8の移動量を変更して、吐出口4aの開口度合いを変更することができる。従って、調整ストッパーを移動させなければ吐出量を変更することができなかった従来のスプレーガンと異なり、吐出量を簡単に変更することができる。
【0028】
また、ガン本体1の後端部に設けた穴部3bと、この穴部3bを塞ぎ第1及び第2の調整部14,16を有する調整ストッパー11とからピストン室12を構成した。つまり、穴部3bを塞ぐ蓋部材自身を調整ストッパー11とした。従って、蓋部材と調整ストッパーとを別に設ける構成に比べて部品点数を削減することができ、ピストン装置25の構成を簡単にすることができる。
さらに、調整ストッパー11を移動可能に構成した。このため、調整ストッパー11の位置を調整するだけで、第1及び第2の調整部14,16の位置を調整することができる。
【0029】
本発明は、上記した各実施形態に限定されるものではなく、次のように変形または拡張することができる。
上記実施形態の第1のピストン13による吐出には洗浄液を用いたが、洗浄液の代わりに塗料を用いても良い。この塗料は第2のピストン15と同色でも異色でも構わない。同色の場合には、調整ストッパー11の調整の変更をすることなく、第2のピストン15による吐出量と異なる吐出量で吐出が可能となる。異色の場合には、調整ストッパー11の調整の変更をしなくてすむので、色替えのための時間を短くすることができる。
【0030】
上記実施形態では調整ストッパー11を移動させることにより第1及び第2のピストン13,15の移動量を変更したが、異なる形状の調整ストッパーに取り替えることにより第1及び第2の調整部14,16の位置を変更するようにしても良い。即ち、第1のピストン13の移動量は、非吐出時のニードル弁8の位置から第1の調整部14にニードル弁8の後端が当接するまでの距離である。それゆえ、調整ストッパー11を窪みの深さ(円筒状部の深さ)の異なる調整ストッパーに交換することにより、第1のピストンの移動量を変更することができる。
【0031】
また、第2のピストン15の移動量は、非吐出時のニードル弁8の位置から第2のピストン15の後端部の外周部分が第2の調整部16に当接するまでの距離である。それゆえ、調整ストッパー11を円筒状部の前端面の位置(調整ストッパーの後端面から円筒状部の前端面までの長さ)の異なる調整ストッパーに交換することにより、第2のピストン15の移動量を変更することができる。
【0032】
上記実施形態では、第1の調整部14と第2の調整部16とが一体構造となった調整ストッパー11から蓋部材を構成したが、第1の調整部を有する調整ストッパーと、第2の調整部を有する調整ストッパーから蓋部材を構成しても良い。この場合、各調整ストッパーの他端面側(第1及び第2の調整部の反対側の面)には、第1の調整部の位置決めを行うツマミ部と、第2の調整部の位置決めを行うツマミ部がそれぞれ設けられた構成となる。この構成によって、第1のピストン13の移動量と、第2のピストン15の移動量とを、独立に設定できる。
【0033】
また、上記実施形態では、調整ストッパーはガン本体に対して着脱可能に且つ移動可能に取り付けられる構成としたが、前記調整ストッパーはガン本体に着脱不能に固定されていても良く、また、着脱可能であるが移動不能に取り付けられる構成でも良い。
更に、調整ストッパー11を、調整機能を有さない蓋部材に変更しても良い。この場合は、蓋部材は穴部を塞ぐだけの構成となる。そして、第1及び第2のピストン13,15の後方への移動を規制する第1及び第2の調整部は、蓋部材とは別に、例えば穴部の内周面等に設けると良い。
【0034】
上記実施形態では、スプリング24を第1のピストン13の後方に位置させたが、ニードル弁8を前方に付勢することができる位置であれば、任意の場所、例えば第1のピストン13より前方の位置に設けても良い。また、付勢手段としてスプリング24を設けたが、弾性部材、例えばゴムを用いても良い。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【図1】本発明の一実施形態を示す全体断面図
【図2】第2のピストン用エアが供給された時のピストン装置の拡大断面図
【図3】第1のピストン用エアが供給された時のピストン装置の拡大断面図
【符号の説明】
【0036】
図面中、1はガン本体、3bは穴部、3c,4bは塗料室、4aは吐出口、8はニードル弁、11は調整ストッパー(蓋部材)、12はピストン室、13は第1のピストン、14は第1の調整部、15は第2のピストン、16は第2の調整部、18は第1のエア供給通路、21,22は第2のエア供給通路、24はスプリング(付勢手段)、25はピストン装置を示す。
【出願人】 【識別番号】000117009
【氏名又は名称】旭サナック株式会社
【出願日】 平成18年7月4日(2006.7.4)
【代理人】 【識別番号】100071135
【弁理士】
【氏名又は名称】佐藤 強


【公開番号】 特開2008−12404(P2008−12404A)
【公開日】 平成20年1月24日(2008.1.24)
【出願番号】 特願2006−184449(P2006−184449)