トップ :: B 処理操作 運輸 :: B05 霧化または噴霧一般;液体または他の流動性材料の表面への適用一般

【発明の名称】 スプレーガン
【発明者】 【氏名】山▲崎▼ 諭志

【要約】 【課題】塗料の非吐出時に、塗料ノズルからの塗料漏れを防ぐ。

【構成】スプレーガンのガン本体の塗料室4b内に設けられるニードル弁15の前端部付近の外周面16cの全周に、塗料室4bの内周面と当接する凸状部41を有するガイド部40を設け、ニードル弁15がピストンによって前後移動するとき、凸状部41の外周部41aは塗料室4bの内周面を摺動する構成とした。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
塗料室を有するガン本体と、
塗料供給源に接続され前記塗料室に塗料を供給する塗料供給通路と、
前記塗料室の前端に設けられた塗料の吐出口を有する塗料ノズルと、
前記塗料室内に配置され、前後方向に移動することにより前端部が前記塗料ノズルに当接離間し、塗料口からの塗料の吐出の入り切りをするニードル弁と、
前記ニードル弁の後端部に固定され圧縮エアによって前後移動するピストンと、
前記ニードル弁の前端部付近の外周に全周にわたって設けられ塗料通路を有するガイド部とを備え、
前記ニードル弁が前後移動するとき、前記ガイド部の外周部は前記塗料室の内周面を摺動するように構成されていることを特徴とするスプレーガン。
【請求項2】
前記ガイド部は、前記ニードル弁の外周に設けられた複数の凸状部から構成され、隣接する前記凸状部の間が塗料通路とされていることを特徴とする請求項1記載のスプレーガン。
【請求項3】
前記ガイド部は、前記ニードル弁の外周に設けられた環状部から構成され、前記環状部に塗料通路が形成されていることを特徴とする請求項1記載のスプレーガン。
【請求項4】
前記ニードル弁は、金属製のニードルシャフトと、前記ニードルシャフトの前端部に取り付けられ、ガイド部を有するニードルキャップとから構成され、
前記ニードルキャップ及び前記ガイド部は樹脂で形成されていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載のスプレーガン。
【請求項5】
前記ガイド部及び前記ニードルキャップは一体構造で、前記ニードルシャフトから着脱可能な構成であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載のスプレーガン。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、塗料室に配置されたニードル弁の前後移動により、塗料の吐出を入り切りするスプレーガンに関する。
【背景技術】
【0002】
自動車の部品等の塗装には、塗料を霧化できるスプレーガンが使用されている。
この種のスプレーガンは、例えば特許文献1に示すように、塗料室内にニードル弁を有している。
前記ニードル弁は、金属製の細長い丸棒の形状をなし、ニードル弁の前端部は塗料の吐出口を有する塗料ノズルに対して当接可能なテーパ形状をなしている。そして、ニードル弁が塗料ノズルに当接すると、吐出口はニードル弁のテーパ形状部分によって塞がれる構成となっている。ニードル弁の後端部はピストンに取り付けられており、ピストンの前後移動によって、ニードル弁の前端部は塗料ノズルと当接離間し塗料の吐出を入り切りする。
【0003】
上記構成のスプレーガンでは、塗料の非吐出時に吐出口からの塗料の漏れを防ぐため、予め塗料ノズルとニードル弁を擦り合わせて両者の当接面を形成させてあり、ニードル弁の前端部の中心と塗料ノズルの吐出口の中心とは一致させてある。
【特許文献1】特開2000−117157号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、ニードル弁は細長い形状にも関わらず、その後端部のみがピストンに固定されているだけであるため、ニードル弁が前後移動する時にニードル弁の前端部が塗料ノズルに対して偏心してしまう場合があった。そして、ニードル弁の前端部が塗料ノズルに対して偏心した状態で繰り返し塗料ノズルに当接すると、ニードル弁や塗料ノズルは偏磨耗し、ニードル弁と塗料ノズルの密着性が低下する場合があった。このニードル弁と塗料ノズルの密着性が低下した状態では、塗料の非吐出時に、塗料が密着性の低下した所を通って吐出口から漏れる虞があった。
【0005】
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的は塗料の非吐出時における吐出口からの塗料漏れを極力防止したスプレーガンを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明のスプレーガンは、塗料室を有するガン本体と、塗料供給源に接続され前記塗料室に塗料を供給する塗料供給通路と、前記塗料室の前端に設けられた塗料の吐出口を有する塗料ノズルと、前記塗料室内に配置され前後方向に移動することにより前端部が前記塗料ノズルに当接離間し、塗料口からの塗料の吐出の入り切りをするニードル弁と、前記ニードル弁の後端部に固定され圧縮エアによって前後移動するピストンと、前記ニードル弁の前端部付近の外周に全周にわたって設けられ塗料通路を有するガイド部とを備え、前記ニードル弁が前後移動するとき、前記ガイド部の外周部は前記塗料室の内周面を摺動するように構成されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、ガイド部を設けたことにより、塗料ノズルに対するニードル弁の前端部の中心の位置を保持した状態でニードル弁を前後移動させることができる。従って、吐出口に対するニードル弁の前端部の当接位置がずれることなく、ニードル弁及び塗料ノズルの偏磨耗を防ぐことができる。このため、ニードル弁が塗料ノズルの吐出口を隙間無く塞ぎ、スプレーガンの内部の塗料の吐出口からの漏れを防ぐことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
以下、本発明を自動エアスプレーガンに適用した第1の実施形態について、図1乃至図9を参照しながら説明する。尚、方向を示す必要がある場合には、塗料が吐出する方向を前方として説明することとする。
【0009】
図5乃至図9は、本実施形態に係るエアスプレーガンのガン本体1の全体構成を示している。スプレーガンのガン本体1は、ベース2上にボディ3を取付けられた構成である。そして、ボディ3の前端部分には、後述する塗料ノズル4やエアキャップ5等が取付けられている。尚、図示はしないが、このガン本体1は、前記ベース2を介して、塗装設備に据え付けられたり、ロボットアームに取付けられて使用されるようになっている。
【0010】
前記ベース2は、図6乃至図9に示すように、ほぼ矩形ブロック状をなし、その底部には、L字状をなすピストン用エアを供給するためのニップル(管継手)6が設けられている。また、その後面部には、右左に位置して、パターン用エアを供給するためのニップル7及び霧化用エアを供給するためのニップル8が夫々後方に突出するように設けられている。それら各ニップル6,7,8には、夫々図示しないエアホースが接続されて圧縮エアが供給されるようになっている。
【0011】
ベース2内には、図6に示すように、前記ニップル6から連続して上方に延びるピストン用エア供給通路9が形成されている。ピストン用エア供給通路9は、前記ボディ3内のピストン用エア供給通路10に接続されている。また、図7に示すように、ベース2内には、前記ニップル7から連続して前方に延びるパターン用エア供給通路11が形成されている。
【0012】
パターン用エア供給通路11は、前記ボディ3内のパターン用エア供給通路12に接続されている。これと共に、ベース2内には、前記ニップル8から連続して前方に延びる霧化用エア供給通路13が形成されている。霧化用エア供給通路13は、前記ボディ3内の霧化用エア供給通路14に接続されている。尚、図7は、ベース2内のエア供給通路11,13を展開した状態で図示している。
【0013】
前記ボディ3の前端部には、図5乃至図7に示すように、円筒部3aが設けられており、円筒部3aに前記塗料ノズル4等が組付けられる構成となっている。ボディ3の後端側には、部品組付用の穴部3bが形成され、さらにそのボディ3の中心部を貫通する円筒状の塗料室3cが形成されている。
ボディ3内には、この塗料室3cを貫通するようにして、塗料の流量を制御するためのニードル弁15が配設されている。ニードル弁15は、ニードルシャフト15aとニードルキャップ16とから構成されている。このニードル弁15及びニードルキャップ16については、後に詳述する。
【0014】
ボディ3の左右の側壁部には、図5に示すように、塗料供給用のニップル17及び塗料戻し用のニップル18が、夫々スペーサ19を介して設けられている。このとき、ボディ3内には、前記ニップル17に連続する塗料供給通路20が形成されると共に、ニップル18に連続する塗料戻し通路21が形成されている。それら通路20及び21は前記塗料室3cと連通した構成である。尚、図示はしないが、前記ニップル17には塗料供給用のホースが接続され、前記ニップル18には塗料戻し用のホースが接続され、塗料圧送用のポンプを備えた外部の塗料供給源から、ガン本体1の塗料室3cに対し塗料が循環供給されるようになっている。
【0015】
ボディ3の前端部の円筒部3aには、図5乃至図7に示すように、塗料ノズル4がノズルジョイント22を介して取付けられ、さらに、塗料ノズル4の前端部に、前記エアキャップ5がリテーナ23を介して取付けられている。
【0016】
前記塗料ノズル4は、その前端の中心に塗料を吐出する吐出口4aを有している。さらに塗料ノズル4の吐出口4aの後方には、後方へ延びる円筒状の塗料室4bを有しており、吐出口4aの中心と塗料室4bの中心とが一致した構成となっている。塗料室4bは、前記塗料室3cに同等の内径で連続する構成である。後述するように、前記吐出口4aは、塗料の非吐出時には前記ニードルキャップ16の前端により内側から塞がれるようになっており、前記ニードルキャップ16が後方(図5等で右方)に変位されることにより、吐出口4aが開放して塗料が吐出されるようになっている。
【0017】
さらに、この塗料ノズル4には、塗料室4bの外周側に位置して、塗料ノズル4の前端面で開口する霧化用エア吹出通路4cが設けられている。このとき、図7に示すように、この霧化用エア吹出通路4cは、前記ボディ3の霧化用エア供給通路14に連通するようになっている。また、前記エアキャップ5には、パターン用エア吹出通路5aが形成されており、図7に示すように、このパターン用エア吹出通路5aは、前記ボディ3のパターン用エア供給通路12に連通するようになっている。
【0018】
これにて、霧化用エアは、霧化用エア供給通路13,14及び霧化用エア吹出通路4cを通って、塗料ノズル4の前端から吹出し、吐出口4aから吐出する塗料を霧状にしている。一方、パターン用エアはパターン用エア供給通路11,12及びパターン用エア吹出通路5aを通って、エアキャップ5の前端から吹出し、霧状の塗料を所定のパターン(丸形や扇形といった形状及び大きさ)に変えている。前記パターンは、塗料ノズル4及びエアキャップ5の交換により選定できるようになっている。
【0019】
ボディ3の穴部3b部分には、前記ニードル弁15の変位量を調整するための調整装置24が組付けられており、この調整装置24によって前記ニードル弁15の変位量の調整が行われる。尚、図5乃図至7は、ニードル弁15の変位調整前の状態を示している。また、穴部3bの底部(図で前端側)には、前記ニードル弁15(ニードルシャフト15a)の外周に嵌挿された状態で、シールカラー25がスクリュー26を介して設けられている。シールカラー25は、塗料室3c内に供給される塗料が穴部3b側に漏れることを防止している。
【0020】
そして、ボディ3の後端部には、穴部3bの開口部を塞ぐようにしてスプリング押え部材27が取付けられている。これにて、穴部3b内(スプリング押え部材27とスクリュー26との間)にはシリンダ室が形成され、このシリンダ室に、その内周面を気密に摺動可能にピストン28が設けられている。ピストン28は、前記ニードル弁15(ニードルシャフト15a)の後端部側の外周に固着されている。また、このピストン28と、前記スプリング押え部材27との間にはスプリング29が配設され、前記ピストン28ひいてはニードル弁15は、スプリング29により常に前方(図で左方)に付勢されており、塗料の非吐出時には、前記ニードルキャップ16の前端が吐出口4aを塞ぐ構成となっている。
【0021】
シリンダ室のピストン28の前方側は、図6に示すように、ボディ3内の前記ピストン用エア供給通路10と連通している。
前記調整装置24は、前記スプリング押え部材27の外周に固着されたリング状のダイヤル部材30、調整用シャフト31、ダイヤルつまみ32等から構成されている。前記ダイヤルつまみ32は、円筒キャップ状をなし、調整用シャフト31の後端部に取付けられると共に、前記ダイヤル部材30の円形開口部に一部が嵌り込む形態で設けられ、ダイヤルつまみ32の回転操作に対して調整用シャフト31が螺進退するように構成されている。前記調整用シャフト31は、その中間部に設けられた雄ねじ部が、前記スプリング押え部材27に設けられた雌ねじ部に螺合した状態で設けられ、その前端面に前記ニードル弁15の後端面が当接することにより、ニードル弁15の変位位置を規制するストッパとして機能している。また、前記スプリング押え部材27とダイヤルつまみ32との間にも、がた防止のためのスプリング33が配設されている。
【0022】
そして、塗料の吐出時には、調整装置24のダイヤルつまみ32の回転操作を行い、調整用シャフト31を所定量だけ後方に下げて調整用シャフト31の前端とニードル弁15の後端との間に隙間を形成することにより、ニードル弁15の後方への変位可能量を決める。この状態で、前記ピストン用エア供給通路9,20を通してピストン用エアがシリンダ室内に供給されると、ピストン28及びニードル弁15は、スプリング29に抗して後方に変位し、吐出口4aを開放する構成となっている。
【0023】
さて、前記ニードル弁15及びニードルキャップ16について、図1乃至図4を参照にしながら説明する。図4はニードル弁15の側面を示している。ニードル弁15の軸部をなすニードルシャフト15aは金属製(例えばステンレス製)の細長い丸棒の形状で、この前端部及び後端部には雄ねじ15b,15cが形成されている。そして、このニードルシャフト15aの前端部にはニードルシャフト15aと同心をなすニードルキャップ16が取り付けられ、後端部にはピストン28が取り付けられる。
ニードルキャップ16の後端部はニードルシャフト15aと螺合する雌ねじ16aが形成されている。また、ニードルキャップ16の前端部は塗料ノズル4と当接し、吐出口4aを開閉するテーパ形状部16bを有している。このテーパ形状部16bの中心はニードルキャップ16の中心と一致している。
【0024】
そして、図1乃至図4に示すように、このニードルキャップ16のテーパ形状部16bを除く外周面16cにはガイド部40が設けられている。ガイド部40は4個の凸状部41から構成され、外周面16cの全周にわたって、凸状部41がほぼ等間隔に位置するように設けられている。図3に示すように、凸状部41の外周部41aは、ニードル弁15の軸方向中心を中心とする円弧面の形状をなしている。また、円弧面の半径は、塗料室4bの半径と略同等であり、各外周部41aは塗料室4bの内周面に当接している。このため、この円弧面の中心と塗料室4bの中心とは一致し、ニードル弁15の前端部(ニードルキャップ16のテーパ形状部16b)の中心は吐出口4aの中心と一致する。ゆえに、ニードル弁15の前端部(ニードルキャップ16のテーパ形状部16b)は塗料ノズル4に対して中心が一致した位置(所定の位置)に常に当接する構成となっている。
【0025】
また、隣接する凸状部41間には凹部41bが形成される。本実施形態では、凸状部41を周方向に4つ設けることにより、4つの凹部41bが形成される。この凹部41bと塗料室4bの間には塗料が通過する空間(塗料通路42と称する)ができ、塗料は塗料室3c,4b及び塗料通路42を通って吐出口4aに向かう構成となる。なお、凹部41bは、塗料の流れの抵抗を生じにくくするために、例えばニードルキャップ16の軸方向中心に向かって窪む円弧形状をなしている。
【0026】
また、前記ニードルキャップ16及びガイド部40は一体構造であり、例えばポリエーテル・エーテル・ケトン樹脂(PEEK)のような成型可能な樹脂で作られている。
次に、上記構成の作用について述べる。
【0027】
上記構成のガン本体1の塗料の非吐出時には、ピストン用エアの供給が停止されていてピストン28は駆動されず、ニードル弁15はスプリング29のばね力により前方に付勢されている。また、ニードルキャップ16に設けられたガイド部40の各凸状部41が塗料室4bに当接しているため、ニードルキャップ16のテーパ形状部16bは塗料ノズル4の所定の位置に当接し、吐出口4aを塞いでいる。
パターン用エア及び霧化用エアの供給も停止されている。一方、塗料供給源からは塗料が圧送され、塗料供給用のニップル17から塗料室3c,4bに供給され、さらに、戻し用のニップル18を通って排出される循環が行われている。
【0028】
塗装時には、ダイヤルつまみ32の回転操作を行い、調整用シャフト31を所定量後方に下げた状態で、ピストン用エア(圧縮エア)をピストン28部分に供給させると、ピストン28ひいてはニードル弁15は調整用シャフト31に当たるまで後方に移動する。さらにニードル弁15に設けられたガイド部40の各凸状部41も塗料室4bの内周面を摺動する。このとき、各凸状部41が塗料室4bの内周面を摺動するので、ニードル弁15は、塗料ノズル4に対するニードル弁15の前端部(ニードルキャップ16)の中心の位置を保持した状態で前後移動する。
【0029】
そして、ニードルキャップ16のテーパ形状部16bが塗料ノズル4から離れて吐出口4aが開放されると、塗料供給源から圧送された塗料は、塗料室3c,4b及び塗料通路42を通って、吐出口4aから吐出される。
塗料の吐出と同時に、パターン用エア及び霧化用エアも供給され、霧化用エア吹出通路4cを通って霧化用エアが噴出されると共に、パターン用エア吹出通路5aを通ってパターン用エアが噴出され、もって、塗料ノズル4から所定のパターンで塗料が噴出し、被塗装物に対する塗装が行われる。また、この場合、前記ニードル弁15は、その後端面が調整用シャフト31の前端面に当接するまで変位され、その変位量に応じた開口度合で吐出口4aが開口され、変位量は前記ダイヤルつまみ32の操作によって調整される。
【0030】
再び塗料の非吐出時になると、ピストン用エアの供給は停止し、ピストン28部分からピストン用エアは抜かれ、ニードル弁15はスプリング29のばね力により前方に付勢される。これによりニードルキャップ16のテーパ形状部16bは塗料ノズル4の所定の位置に当接し、吐出口4aを塞ぐ。また、パターン用エア及び霧化用エアも上述のように供給も停止され、塗料供給源からは塗料は循環状態となる。
【0031】
このような本実施形態によれば、ニードルキャップ16の外周面16cにガイド部40を設けたことにより、ニードルキャップ16のテーパ形状部16bは塗料ノズル4に対して常に所定の位置に当接し、偏磨耗を防ぐことができる。このため、ニードルキャップ16のテーパ形状部16bが塗料ノズル4に当接したときに隙間が生じることがなく、塗料の非吐出時に吐出口4aからの漏れを防止できる。
ところで、本実施形態では、ニードルキャップ16を樹脂製とした。このように樹脂製とすることにより、テーパ形状部16bと塗料ノズル4の内周面との隙間に多少の寸法誤差が存在する場合でも、その寸法誤差は樹脂の柔軟性により吸収される。このため、従来のように、テーパ形状部及び塗料ノズルの内周面を予め擦り合わせにより形成する必要はない。
【0032】
また、ニードルキャップ16を樹脂製としたことにより、従来の金属製のニードル弁に比べて磨耗しやすくなる。しかし、ガイド部40を設けたため、ニードルキャップ16のテーパ形状部16bは偏磨耗せず、全体が均一に磨耗する。このようにテーパ形状部16bが磨耗した分は、調整装置24のダイヤルつまみ32を調整して調整用シャフト31を前方に移動させることにより補うことができるため、ニードルキャップ16を樹脂製にしたことにより、吐出口4aから塗料が漏れ易くなることもなく、また、従来の金属製のニードル弁に比べて耐久使用回数が低下することもない。
しかも、本実施形態では、ニードルシャフト15aに対してニードルキャップ16は着脱可能であるため、ニードルキャップ16が大きく磨耗した場合や劣化した場合等には、ニードルキャップ16を交換するだけで済み、経済的である。
【0033】
図10は本発明の第2の実施形態を示すものであり、第1の実施形態と異なるところを説明する。第1の実施形態と同じ部分には同一の符号を付している。
第2の実施形態では、ガイド部40(凸状部41)に代えて、環状部43(ガイド部に相当)をニードルキャップ16に設けた。環状部43は略円盤形状で、環状部43の中心はニードル弁15及び塗料ノズル4の中心と一致する構成である。また、環状部43の中心から外周部43aまでの距離は塗料室3cの半径と略同等であり、環状部43の外周部43aは塗料室4bの内周面に当接する構成である。
【0034】
また、環状部43には軸方向に延びる略円筒状の塗料通路44が8箇所設けられ、塗料の吐出の際には、塗料は塗料室3c,4bから塗料通路44を通って吐出口4aから吐出する。
上記の環状部43はニードルキャップ16と一体構造であり、例えばポリエーテル・エーテル・ケトン樹脂(PEEK)のような成型可能な樹脂で作られている。
上記構成においても、ニードルキャップ16の外周面16cに設けられた環状部43によって、環状部43は塗料ノズル4及び吐出口4aの中心と一致しながら摺動する構成にしたので、ニードル弁15の前端部(ニードルキャップ16のテーパ形状部16b)は吐出口4aに対して常に所定の位置に当接し、偏磨耗を防ぐことができる。
【0035】
本発明は、上記した各実施形態に限定されるものではなく、次のように変形または拡張することができる。
第1の実施形態の凸状部41はニードルキャップ16の外周面16cに4個設けたが、ニードルキャップ16のテーパ形状部16bが塗料ノズル4の吐出口4aの所定の位置に当接し、且つ、塗料が抵抗なく通過できれば、凸状の個数は4個以外でも良く、それに伴い塗料通路42の形状も変形させても良い。
【0036】
第2の実施形態の環状部43には、略円筒状の塗料通路44を8箇所設けたが、この塗料通路44の形状や数は、塗料が抵抗なく通過できる構成であれば形状や数を変えても良い。
ガイド部40(凸状部41、環状部43)と、ニードルキャップ16とは一体構造としたが、ニードルシャフト15aにニードルキャップ16を取り付け、別部品としてガイド部40(凸状部41、環状部43)を取り付ける構造としても良い。
また、ニードルシャフト15aと、ニードルキャップ16と、凸状部41(環状部43)を一体構造としても良い。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】本発明の第1の実施形態を示すもので、吐出口部分の拡大縦断面図
【図2】ニードルキャップの斜視図
【図3】ニードルキャップの正面図
【図4】ニードル弁の側面図
【図5】ボディの横断平面図
【図6】ピストン用エア供給通路を示すためのガン本体の縦断側面図
【図7】パターン用エア供給通路及び霧化用エア供給通路を示すため一部を展開した横断平面図
【図8】ガン本体の側面図
【図9】ガン本体の背面図
【図10】本発明の第2の実施形態を示す図3相当図
【符号の説明】
【0038】
図面中、1はガン本体、4は塗料ノズル、3c,4bは塗料室、4aは吐出口、15はニードル弁、15aはニードルシャフト、16はニードルキャップ、20は塗料供給通路、28はピストン、40はガイド部、41は凸状部、43は環状部、41a,43aは外周部、42,44は塗料通路を示す。
【出願人】 【識別番号】000117009
【氏名又は名称】旭サナック株式会社
【出願日】 平成18年7月4日(2006.7.4)
【代理人】 【識別番号】100071135
【弁理士】
【氏名又は名称】佐藤 強


【公開番号】 特開2008−12403(P2008−12403A)
【公開日】 平成20年1月24日(2008.1.24)
【出願番号】 特願2006−184448(P2006−184448)