トップ :: B 処理操作 運輸 :: B05 霧化または噴霧一般;液体または他の流動性材料の表面への適用一般

【発明の名称】 ノズル
【発明者】 【氏名】加藤 正啓

【要約】 【課題】容易に製造することができ、また詰まりを防止することができるノズルを提供する。

【構成】ノズル1は、管状の焼結体2と、外周面が焼結体2の内周面と接触するように焼結体2の内部に配置され、かつ焼結体2よりも高密度である管状の焼結体3とを備えている。またノズル1は、焼結体3よりも高密度である管状の金属チューブ7をさらに備えている。焼結体2は、外周面2bが金属チューブ7の内周面7aと接触するように金属チューブ7の内部に配置されている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
管状の外側焼結体と、
外周面が前記外側焼結体の内周面と接触するように前記外側焼結体の内部に配置され、かつ前記外側焼結体よりも高密度である管状の内側焼結体とを備える、ノズル。
【請求項2】
前記内側焼結体よりも高密度である管状の高密度部材をさらに備え、
前記外側焼結体は、外周面が前記高密度部材の内周面と接触するように前記高密度部材の内部に配置される、請求項1に記載のノズル。
【請求項3】
前記高密度部材は前記外側焼結体の端面の少なくとも一部を覆うように延在している、請求項2に記載のノズル。
【請求項4】
前記高密度部材は金属よりなる、請求項2または3に記載のノズル。
【請求項5】
前記高密度部材は焼結体よりなる、請求項2または3に記載のノズル。
【請求項6】
中心軸から前記外側焼結体と前記内側焼結体との境界までの距離が前記中心軸方向に沿って変化している、請求項1〜5のいずれかに記載のノズル。
【請求項7】
前記内側焼結体内に連通する管をさらに備える、請求項1〜6のいずれかに記載のノズル。
【請求項8】
軸受に潤滑油を供給するために使用される、請求項1〜7のいずれかに記載のノズル。
【請求項9】
浴槽内に気泡を発生させるために使用される。請求項1〜7のいずれかに記載のノズル。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明はノズルに関し、より特定的には、工作機械の主軸軸受などに対して気体と液体とを混合させて噴射する気液混合噴射ノズルや、浴槽中などでエアを人体へ噴射してマッサージ効果を与えるためのノズルに関する。
【背景技術】
【0002】
転がり軸受における潤滑の目的は、転がり面および滑り面に薄い油膜を形成して、金属と金属とが直接に接触するのを防ぐことである。転がり軸受の潤滑は、摩擦および摩耗の低減、摩擦熱の排出、軸受寿命の延長、さび止め、および異物の侵入防止などの効果がある。
【0003】
これらの効果を発揮させるためには、使用条件に適した潤滑方法を用いる必要がある。一般に工作機械の主軸では、攪拌による発熱をできるだけ小さくするために非常に少ない量の潤滑油が用いられており、使用条件によってグリース潤滑、オイルミスト潤滑、エアオイル潤滑、またはジェット潤滑などが採用されている。
【0004】
これらの潤滑のうちエアオイル潤滑やオイルミスト潤滑は、潤滑油を軸受ごとに最適間隔で正確に計量して送り出し、給油管の末端まで連続的に圧送した後、軸受に向けて設けたノズルで潤滑必要部に吹きつける潤滑方法である。エアオイル潤滑やオイルミスト潤滑は、工作機械の主軸の高速化、低温度上昇に適合する潤滑方法として広く用いられている。
【0005】
特開平9−96316号公報(特許文献1)には、軸受内へ潤滑流体を噴出するための従来のノズルの構造が開示されている。図13は、特許文献1に記載された軸受潤滑装置の構造を示す断面図である。図13を参照して、アンギュラ玉軸受である軸受101は、内輪105と、内輪105の外側に配置された外輪106と、内輪105と外輪106との間に配置された転動体(ボール)108と、転動体108を保持する保持器107とを備えている。軸受101付近にはノズル103および104の各々が設けられており、ノズル103は外輪106と保持器107との間に向けて開口されており、ノズル104は内輪105の転走面に向けて開口されている。
【0006】
外輪間座102は軸受101の図中右隣に配置されており、外輪間座102には、その径方向に沿って互いに連通する溝109および110が形成されている。ノズル103および104の各々は、溝109に連通するように外輪間座102に形成された孔によって構成されている。溝110には流体路111が接続されており、流体路111は潤滑流体の供給源(図示なし)に接続されている。
【0007】
軸受101において潤滑流体は、供給源から流体路111を通って溝110および109内へ供給され、溝109内でノズル103および104の各々に分配されて軸受101に噴出される。
【特許文献1】特開平9−96316号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
上述のように従来のノズル103および104は、外輪間座102に設けられた孔によって構成されていた。ノズル103および104から霧状にオイルを噴出させるためには、ノズル103および104として非常に微小な孔(たとえば直径1mm程度の孔)を外輪間座102に設ける必要がある。
【0009】
しかし、外輪間座102に微小な孔を設けるためには、孔の直径に対応した非常に細い工具を用いて外輪間座102を加工する必要があり、加工時に工具が折損しやすかった。また、孔が微小であるため、加工時に孔内に発生したバリを除去することは困難であった。このように、従来のノズルにおいては製造が困難であるという問題があった。
【0010】
また、ノズル103および104に切り粉などの異物が入り込むと、ノズル103および104が詰まり易いという問題があった。特に軸受に潤滑油を供給するためのノズルに詰まりが発生すると、適切なエアオイルの噴出ができなくなり、その結果軸受の温度上昇を招き、焼き付きを発生する。
【0011】
上述の製造が困難であるという問題および詰まり易いという問題は、軸受に潤滑油を供給するためのノズルのみで起こる問題ではなく、一般的なノズルに共通する問題である。
【0012】
したがって、本発明の一の目的は、製造が容易なノズルを提供することである。また、本発明の他の目的は、詰まりを防止することのできるノズルを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明のノズルは、管状の外側焼結体と、外周面が外側焼結体の内周面と接触するように外側焼結体の内部に配置され、かつ外側焼結体よりも高密度である管状の内側焼結体とを備えている。
【0014】
本発明のノズルにおいては、長手方向に沿って一の流体が外側焼結体内を流通し、長手方向に沿って他の流体が内側焼結体の中空部分を流通する。外側焼結体内を流通する一の流体の一部は焼結体の隙間から内側焼結体内へ浸入し、また内側焼結体の中空部分に注入された他の流体の一部は焼結体の隙間から内側焼結体内へ浸入する。その結果、内側焼結体において一の流体と他の流体とが混合され、ノズル端面における焼結体の多数の隙間からこの混合体が噴射される。これにより、焼結体によってノズルが構成されるので、穴開け加工が不要となり、ノズルを容易に製造することができる。また、焼結体の多数の隙間から混合体が噴射されるため、詰まりを防止することができる。
【0015】
本発明のノズルにおいて好ましくは、内側焼結体よりも高密度である管状の高密度部材がさらに備えられている。外側焼結体は、外周面が高密度部材の内周面と接触するように高密度部材の内部に配置されている。
【0016】
これにより、外側焼結体を流通する一の気体が外側焼結体の外部へ漏洩することを抑止することができ、内側焼結体内へ浸入させることができる。
【0017】
本発明のノズルにおいて好ましくは、高密度部材は外側焼結体の端面の少なくとも一部を覆うように延在している。
【0018】
これにより、外側焼結体を流通する一の流体が他の流体と混合することなくノズルの端面から噴射されることを抑止し、一の流体と他の流体との混合を促進することができる。
【0019】
本発明のノズルにおいて好ましくは、高密度部材は金属よりなっている。
金属は焼結体に比べて密度が高いので、外側焼結体を流通する一の流体がノズルの外部へ漏洩することを一層抑止することができる。
【0020】
本発明のノズルにおいて好ましくは、高密度部材は焼結体よりなっている。
これにより、高密度部材を外側焼結体および内側焼結体と一体的に形成することができるので、製造が容易になる。
【0021】
本発明のノズルにおいて好ましくは、中心軸から外側焼結体と内側焼結体との境界までの距離が中心軸方向に沿って変化している。
【0022】
これにより、外側焼結体および内側焼結体の各々の形状の自由度が大きくなる。
本発明のノズルにおいて好ましくは、内側焼結体内に連通する管がさらに備えられている。
【0023】
これにより、管の内部に他の流体を流通させることにより内側焼結体の中空部分に他の流体を流通させることができ、管の外部に一の流体を流通させることにより外側焼結体内に一の流体を流通させることができる。
【0024】
本発明のノズルは、軸受に潤滑油を供給するために使用されることに適している、または浴槽内に気泡を発生させるために使用されることに適している。
【発明の効果】
【0025】
本発明のノズルによれば、容易に製造することができる。また、詰まりを防止することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
以下、本発明の実施の形態について図面に基づいて説明する。
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1におけるノズルの構造を示す断面図である。図2は、図1のII−II線に沿った断面図である。図1および図2を参照して、本実施の形態におけるノズル1は、外側焼結体としての焼結体2と、内側焼結体としての焼結体3と、高密度部材としての金属チューブ7と、金属パイプ8とを備えている。焼結体2、焼結体3、金属チューブ7、および金属パイプ8の各々はいずれも管状であり、かつ同一の中心軸Aを有している。また、焼結体2、焼結体3、金属チューブ7の各々は同一の端面10を有している。焼結体3は、外周面3bが焼結体2の内周面2aと接触するように焼結体2の中空部分に配置されている。焼結体2は、外周面2bが金属チューブ7の内周面7aと接触するように金属チューブ7の中空部分に配置されている。焼結体2および3はたとえば同一の長さ(図1中横方向の長さ)を有している。金属チューブ7は、焼結体2および3よりも長く、焼結体2および3の図1中左方に延在している。金属パイプ8は、内周面8aが焼結体3の内周面3aと略同一となるように、金属チューブ7の中空部分における焼結体3の図1中左端部に接続されている。つまり、ノズル1においては、焼結体3の外側に焼結体2が配置されており、焼結体2の外側が金属チューブ7によって覆われており、焼結体3の中空部分4に中空部分11が連通するように金属パイプ8が接続されている。
【0027】
焼結体2および3は、たとえばAlと、Alに液相を生じさせるような金属とを含む合金よりなっている。具体的には、たとえばAl−Cu−Mg系合金、Al−Si−Mg系合金、またはAl−Mg系合金などよりなっている。焼結体2および3を構成する材料は互いに異なっていてもよい。金属チューブ7および金属パイプ8は、たとえば鉄や鉄合金などの金属よりなっている。金属パイプ8は、焼結体3の端面に接着されていてもよいし、焼結体3に嵌合されていてもよい。
【0028】
ノズル1において、焼結体3の密度(焼結密度)は焼結体2の密度(焼結密度)よりも高く、金属チューブ7の密度は焼結体3の密度よりも高い。
【0029】
続いて、本実施の形態におけるノズルの使用方法について、図3を用いて説明する。
図3を参照して、たとえば軸受に潤滑油を供給するためのノズルとして使用する場合には、金属パイプ8の中空部分11を通じて焼結体3の中空部分4にオイルが流通される。オイルはノズル1の長手方向に沿って矢印の方向に流通する。焼結体3には多数の気孔(粉末空隙)9が存在しており、中空部分4を流通するオイルの一部はこれらの気孔9を通じて焼結体3内へ浸入する。一方、金属パイプ8と金属チューブ7との間の空間12にはエアが流通される。焼結体2には焼結体3よりも多数の気孔9が存在しており、エアは焼結体2中の気孔9を通じて流通し、ノズル1の長手方向に沿って矢印の方向に流通する。また、焼結体2内を流通する際にエアの一部は気孔9を通じて焼結体3内へ浸入する。その結果、焼結体3において気体と液体とが混合され、焼結体3の端面10からはエアとオイルとの混合体が噴射され、また焼結体3の内周面3aを通過したエアがオイルと混合し、微細な霧状のエアオイルが噴射される。加えて、焼結体2の端面10から噴射されるエアと、焼結体3の中空部分4の端面10から噴射されるオイルとが混合されて、微細な霧状のエアオイルが噴射される。
【0030】
ここで、焼結体2内をエアが流通しやすくするため、または焼結体2および3の端面10においてエアが噴射しやすくするために、高圧のエアを焼結体2に流通させてもよい。また、滴下することによりオイルを中空部分11に流通させてもよいし、オイルタンクに接続されたナイロンチューブを金属パイプ8に接続することにより、高圧のオイルを中空部分11に流通させてもよい。
【0031】
続いて、本実施の形態におけるノズルの製造方法について、図4〜図6を用いて説明する。
【0032】
図4を参照して、たとえば2種類の金属粉末30および31の各々を準備し、金型装置に配置する。金属粉末30としては、金属粉末31よりも粒径の大きなものが使用される。また、金属粉末30として、焼結体を作製した場合に気孔の発生の少ないものが使用されてもよい。具体的には、60〜95質量%のAl粉末と、1質量%以上のAl−28〜40質量%Cu合金粉末と、1質量%以上のAl−6〜20質量%Mg合金粉末とを含む混合粉末が使用されてもよい。また、これ以外のAl−Cu−Mg系合金粉末を用いてもよい。さらに、Al−Si−Mg系合金粉末や、Al−Mg系合金粉末や、Fe系粉末などが使用されてもよい。金属粉末31としては、焼結体を作製した場合に金属粉末30の焼結体よりも多量に気孔を発生させるものが使用されてもよい。たとえば金属粉末30としてAl−Cu−Mg系合金やAl−Mg系合金やAl−Cu系合金などが使用される場合には、Alに液相を生じさせる金属(たとえばMgやCu)の添加量が金属粉末31よりも少ないAl系合金を使用することができる。また、金属粉末31としては上記Al系合金の他、Fe系合金も使用することもできる。なお、金属粉末30および31に潤滑材が添加されてもよい。
【0033】
金型装置は、ダイ21〜23と、パンチ24および25(図5)とを有している。金属粉末30が投入される加圧空間21aは、ダイ21、ダイ22、およびパンチ24により構成されており、金属粉末31が投入される加圧空間21bは、ダイ21〜23およびパンチ25により構成されている。加圧空間21aおよび21bはともに円筒形状を有している。ダイ22および23は、軸方向(図中横方向)に沿って移動可能である。この金型装置において、加圧空間21a内に金属粉末30を配置し、加圧空間21bに金属粉末31を配置する。
【0034】
次に図5を参照して、パンチ24を図中右方へ移動させ、パンチ25を図中左方に移動させる。これにより、加圧空間21aおよび21bの各々の内部に配置された金属粉末30および31の各々を圧縮成形する。圧縮成形はたとえば4〜6t/cm2の圧力で行なわれる。
【0035】
次に図6を参照して、ダイ22および23を互いに接触させた状態で、ダイ22、ダイ23、パンチ24およびパンチ25の各々を図中左方に移動させ、金属粉末30および31を重ね合わせる。そして、パンチ24を図中右方へ移動させ、パンチ25を図中左方に移動させ、金属粉末30および31を再び圧縮成形する。その結果、金属粉末30および31が管状に一体化した成形体(グリーン体)が得られる。
【0036】
次に、金型装置から成形体を取り出して焼結する。これにより、金属粉末31は焼結体3となり、金属粉末30は焼結体2となる。その後図1を参照して、得られた焼結体の外側に金属チューブ7を嵌め込み、焼結体3(図1)に金属パイプ8を取り付ける。以上の工程により、ノズル1が完成する。
【0037】
本実施の形態におけるノズル1は、管状の焼結体2と、外周面が焼結体2の内周面と接触するように焼結体2の内部に配置され、かつ焼結体2よりも高密度である管状の焼結体3とを備えている。
【0038】
本実施の形態におけるノズル1によれば、焼結体3において気体と液体とが混合され、ノズル1の端面における焼結体3の多数の隙間からこの混合体が噴射される。これにより、焼結体2および3によってノズル1が構成されるので、微細な孔を加工する必要がなくなり、ノズル1を容易に製造することができる。また、焼結体3の多数の隙間から気体と液体の混合体が噴射されるため、詰まりを防止することができる。
【0039】
本実施の形態におけるノズル1は、焼結体3よりも高密度である管状の金属チューブ7をさらに備えている。焼結体2は、外周面2bが金属チューブ7の内周面7aと接触するように金属チューブ7の内部に配置されている。これにより、焼結体2を流通する気体が焼結体2の外部へ漏洩することを抑止することができ、焼結体3内へ浸入させることができる。また、金属は焼結体に比べて密度が高いので、焼結体3を流通する気体がノズル1の外部へ漏洩することを一層抑止することができる。
【0040】
本実施の形態におけるノズル1は、焼結体3に接続された金属パイプ8をさらに備えている。これにより、金属パイプ8の内部に液体を流通させることにより焼結体3の中空部分4に液体を流通させることができ、金属パイプ8の外部の空間12に気体を流通させることにより焼結体2内に液体を流通させることができる。
【0041】
なお、本実施の形態においては、ノズル1が図2に示すように円周の断面形状である場合について示したが、本発明のノズルの断面形状は任意であり、たとえば長方形などであってもよい。
【0042】
また、本発明のノズルにおいて、金属チューブ7および金属パイプ8は必ずしも必要ではない。たとえば図7に示すように、焼結体2の外側に金属チューブが設けられる代わりに、焼結体2の外側がハウジング15によって覆われてもよい。図7では、ハウジング15の内周面15aに焼結体2の外周面2bが接するように、ハウジング15内にノズル1が圧入されている。また金属チューブ7および金属パイプ8の代わりに、樹脂製のチューブおよびパイプが用いられてもよく、焼結体2の外周面2bに塗装や表面処理などの表面処理が施されてもよい。
【0043】
さらに、本実施の形態についてはノズルの製造方法について示したが、上記製造方法は一例であり、焼結体2および3の接合は他の方法によって行なわれてもよい。
【0044】
(実施の形態2)
図8は、本発明の実施の形態2におけるノズルの構造を示す断面図である。図8を参照して、本実施の形態のノズル1においては、孔13aを有する延在部分13が端面10に取り付けられることにより、端面10に延在部分13が形成されている。また、延在部分13が金属チューブ7と一体で形成されてもよい。この場合には、金属チューブ7が端面10において径方向に曲がり、焼結体2の端面10の少なくとも一部を覆うように延在している。延在部分13は焼結体3の端面10全面を覆っていてもよい。
【0045】
なお、これ以外のノズル1の構造は、図1に示す実施の形態1のノズルの構造と同様であるので、同一の部材には同一の符号を付し、その説明は繰り返さない。
【0046】
本実施の形態におけるノズル1において、金属チューブ7は焼結体3の端面10の少なくとも一部を覆うように延在している。これにより、焼結体3内を流通する気体を焼結体2の方へ移動させることができる。その結果、焼結体3を流通する気体が液体と混合することなく焼結体3の端面10から噴射されることを抑止し、気体と液体との混合を促進することができる。
【0047】
(実施の形態3)
図9は、本発明の実施の形態3におけるノズルの構造を示す断面図である。図9を参照して、本実施の形態におけるノズル1においては、高密度部材として金属チューブの代わりに焼結体5が焼結体2の外側に配置されている。焼結体2は、外周面2bが焼結体5の内周面5aと接触するように焼結体5の中空部分に配置されている。焼結体5の外側にはハウジング15が配置されている。焼結体5は、外周面5bがハウジング15の内周面15aと接触するようにハウジング15の中空部分に配置されている。焼結体5の密度(焼結密度)は焼結体2および3の各々の密度(焼結密度)よりも高い。
【0048】
なお、これ以外のノズル1の構造は、図1に示す実施の形態1のノズルの構造と同様であるので、同一の部材には同一の符号を付し、その説明は繰り返さない。
【0049】
本実施の形態におけるノズル1は、焼結体3よりも高密度である管状の焼結体5をさらに備えている。焼結体2は、外周面2bが焼結体3の内周面3aと接触するように焼結体5の内部に配置されている。これにより、焼結体5を焼結体2および3と一体的に形成することができるので、製造が容易になる。
【0050】
(実施の形態4)
図10は、本発明の実施の形態4におけるノズルの構造を示す断面図である。図10を参照して、本実施の形態におけるノズル1においては、中心軸Aから焼結体2と焼結体3との境界までの距離dが中心軸A方向(図中横方向)に沿って変化している。焼結体2の内周面2aおよび焼結体3の外周面3bはテーパ状である。
【0051】
なお、これ以外のノズル1の構造は、図1に示す実施の形態1のノズルの構造と同様であるので、同一の部材には同一の符号を付し、その説明は繰り返さない。
【0052】
本実施の形態におけるノズル1においては、中心軸Aから焼結体2と焼結体3との境界までの距離dが中心軸A方向に沿って変化している。これにより、焼結体2および焼結体3の各々の形状の自由度が大きくなる。
【0053】
なお、図9に示す実施の形態3のノズルの構造において、本実施の形態と同様に、中心軸Aから焼結体2と焼結体5との境界までの距離が中心軸A方向に沿って変化していてもよい。
【0054】
(実施の形態5)
実施の形態1〜4に示すノズルは、以下に説明するように軸受に潤滑油を供給するためのノズルとして使用されてもよい。
【0055】
図11は、本発明の実施の形態5におけるノズルの使用例を示す断面図である。図11を参照して、アンギュラ玉軸受である軸受51は、内輪55と、内輪55の外側に配置された外輪56と、内輪55と外輪56との間に配置された転動体(ボール)58と、転動体58を保持する保持器57とを備えている。軸受51付近には流体路59および59aが設けられている。流体路59の先端にはノズル1が取り付けられている。ノズル1は内輪55の転走面に向けて開口されている。流体路59aは潤滑流体の供給源(図示なし)に接続されており、流体路59はエアの供給路(図示なし)に接続されている。
【0056】
軸受51において、エアおよびオイルの各々は、供給源から流体路59および59aの各々を通ってノズル1において混合され、微細な霧状のオイルとなって軸受51に噴出される。
【0057】
このように、ノズル1が軸受51に潤滑油を供給するためのノズルとして使用された場合、軸受51への潤滑油の供給が微量かつ連続的となるため、転動体58の回転が阻害されず温度上昇が低く抑えられる。また、微細な霧状ノオイルを軸受51に供給するため、少量のオイルで潤滑することができる。さらに、エア吐出による冷却効果も従来のノズルを用いたエアオイル潤滑で得られる冷却効果と同等となる。
【0058】
また、実施の形態1〜4に示すノズル1は、以下に説明するように浴槽内に気泡を発生させるためのジェットノズルとして使用されてもよい。
【0059】
図12は、本発明の実施の形態5におけるノズルの他の使用例を示す断面図である。図12を参照して、浴槽70の内壁面にはノズル1が取り付けられている。また、浴槽70の図中左下にはジェットポンプ73が取り付けられている。ジェットポンプ73から延びる管74と、エアユニット(図示なし)から延びる管72との各々がノズル1に接続されている。
【0060】
ジェットポンプ73からは、加圧された湯が管74を通じてノズル1の中空部分4(図1)に供給され、エアユニットからは、加圧されたエアが管72を通じてノズル1の焼結体2(図1)内に供給される。そして、ノズル1の焼結体3(図1)においてエアと湯とが混合され、気泡71を含んだ湯がノズル1から浴槽70内へ噴射される。
【0061】
以上に開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考慮されるべきである。本発明の範囲は、以上の実施の形態ではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての修正や変形を含むものと意図される。
【産業上の利用可能性】
【0062】
本発明は、工作機械の主軸軸受などに対して気体と液体とを混合させて噴射する気液混合噴射ノズルや、浴槽中などでエアを人体へ噴射してマッサージ効果を与えるためのノズルとして適している。
【図面の簡単な説明】
【0063】
【図1】本発明の実施の形態1におけるノズルの構造を示す断面図である。
【図2】図1のII−II線に沿った断面図である。
【図3】本発明の実施の形態1におけるノズルの使用方法を説明するための断面図である。
【図4】本発明の実施の形態1におけるノズルの製造方法の第1工程を示す断面図である。
【図5】本発明の実施の形態1におけるノズルの製造方法の第2工程を示す断面図である。
【図6】本発明の実施の形態1におけるノズルの製造方法の第3工程を示す断面図である。
【図7】本発明の実施の形態1におけるノズルの構造の変形例を示す断面図である。
【図8】本発明の実施の形態2におけるノズルの構造を示す断面図である。
【図9】本発明の実施の形態3におけるノズルの構造を示す断面図である。
【図10】本発明の実施の形態4におけるノズルの構造を示す断面図である。
【図11】本発明の実施の形態5におけるノズルの使用例を示す断面図である。
【図12】本発明の実施の形態5におけるノズルの他の使用例を示す断面図である。
【図13】特許文献1に記載された軸受潤滑装置の構造を示す断面図である。
【符号の説明】
【0064】
1,103,104 ノズル、2,3,5 焼結体、2a,3a,5a 焼結体内周面、2b,3b,5b 焼結体外周面、4,11 中空部分、7 金属チューブ、7a 金属チューブ内周面、8 金属パイプ、8a 金属パイプ内周面、9 気孔、10 端面、12 空間、13 延在部分、13a 孔、15 ハウジング、15a ハウジング内周面、21〜23 ダイ、21a,21b 加圧空間、24,25 パンチ、30,31 金属粉末、51,101 軸受、55,105 内輪、56,106 外輪、57,107 保持器、58,108 転動体(ボール)、59,59a,111 流体路、70 浴槽、71 気泡、72,74 管、73 ジェットポンプ、102 外輪間座、109,110 溝。
【出願人】 【識別番号】000102692
【氏名又は名称】NTN株式会社
【出願日】 平成18年6月30日(2006.6.30)
【代理人】 【識別番号】100064746
【弁理士】
【氏名又は名称】深見 久郎

【識別番号】100085132
【弁理士】
【氏名又は名称】森田 俊雄

【識別番号】100083703
【弁理士】
【氏名又は名称】仲村 義平

【識別番号】100096781
【弁理士】
【氏名又は名称】堀井 豊

【識別番号】100098316
【弁理士】
【氏名又は名称】野田 久登

【識別番号】100109162
【弁理士】
【氏名又は名称】酒井 將行


【公開番号】 特開2008−6414(P2008−6414A)
【公開日】 平成20年1月17日(2008.1.17)
【出願番号】 特願2006−181988(P2006−181988)