トップ :: B 処理操作 運輸 :: B05 霧化または噴霧一般;液体または他の流動性材料の表面への適用一般

【発明の名称】 液体吐出装置
【発明者】 【氏名】加藤 啓育

【氏名】田代 歳廣

【要約】 【課題】外部の空気を導入する隙間から液体が飛び出すことを確実に防止することができる液体吐出装置を提供する。

【構成】ノズルヘッド7が押し下げられて支持筒4の内筒部4aに螺合により固定されたときに、内筒部4aの外周部に設けられたシール部13がシリンダ4の通気孔10を閉塞する。これにより、容器本体に収容された液体が通気孔10を通して内筒部4aとステム5との間の隙間Sに侵入することを防ぐことができる。一方、螺合を解除する方向にノズルヘッド7を回転させたときには、支持筒4がノズルヘッド7と一体に回転することによって、シール部13がシリンダ3の通気孔10を開放する。これにより、使用時には、内筒部4aとステム5との間の隙間Sからシリンダ3の通気孔10を通して外部の空気を容器本体の内部に導入することができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
容器本体の口頸部に取り付けられて、この容器本体に収容された液体を吐出する液体吐出装置であって、
前記容器本体の口頸部に螺合により着脱自在に装着される装着キャップと、
前記装着キャップの下面から垂下されると共に、前記容器本体から吸引された液体が充填されるシリンダと、
前記装着キャップの上面に配置されると共に、前記装着キャップを貫通する内筒部が前記シリンダの内側に嵌合された状態で、前記シリンダとの間に挟み込まれた前記装着キャップを回転可能に支持する支持筒と、
前記内筒部に挿通されると共に、前記シリンダ内に挿入された状態で上下方向に移動可能に支持されるステムと、
前記シリンダ内に配置されて、前記ステムを上方に向かって付勢するバネと、
前記ステムの上端部に取り付けられると共に、前記液体を吐出するノズルが設けられたノズルヘッドと、
前記ステムの下端部に取り付けられて、前記シリンダの内面に摺接しながら前記シリンダ内で加圧された液体を前記ステムを通じて前記ノズルヘッド側へと圧送するピストンと備え、
前記内筒部と前記ステムとの間に形成された隙間から前記シリンダの側面部を貫通する通気孔を通して、外部の空気が前記容器本体の内部に導入可能とされており、
前記内筒部の外周部には、前記ノズルヘッドが押し下げられて前記支持筒に螺合により固定されたときに、前記通気孔を閉塞するシール部が設けられ、
前記ノズルヘッドを回転させながら前記支持筒に対する螺合を解除するときに、少なくとも前記シール部が前記通気孔を閉塞する閉塞位置から前記通気孔を開放する開放位置まで、前記支持筒が前記ノズルヘッドと一体に回転可能とされていることを特徴とする液体吐出装置。
【請求項2】
前記ノズルヘッドと前記支持筒との間には、前記螺合を解除する方向に前記ノズルヘッドを回転させたときに、前記支持筒を前記閉塞位置から前記開放位置まで回転させるラチェット機構が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の液体吐出装置。
【請求項3】
前記シール部は、前記内筒部の外周部に設けられた突起部であることを特徴とする請求項1又は2に記載の液体吐出装置。
【請求項4】
前記内筒部は、前記ステムを挿通させる内側部分と前記シリンダに嵌合される外側部分とが環状の隙間を隔てて同心円状に形成されてなることを特徴とする請求項1〜3の何れか一項に記載の液体吐出装置。
【請求項5】
前記ノズルヘッドの下端部に形成された雄ネジ部と、前記内筒部の内周面に形成された雌ネジ部との螺合によって、前記ノズルヘッドが前記支持筒に対して固定可能とされていることを特徴とする請求項1〜4の何れか一項に記載の液体吐出装置。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、液体を収容する容器体に取り付けられて、この容器体に収容された液体を吐出する液体吐出装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、ノズルヘッドを押し下げることによって、容器本体に収容された液体をノズルの先端から吐出させる液体吐出装置がある(例えば、特許文献1〜3を参照)。この液体吐出装置は、ポンプディスペンサーと呼ばれるものであり、例えばシャンプーやリンス、液体石鹸などの液体が収容された容器本体の口頸部に取り付けられることにより、いわゆる縦型手動式のポンプ付き容器(液体吐出容器)として利用されている。
【0003】
ここで、従来の液体吐出装置の一例として、図9に示すポンプディスペンサー100について説明する。なお、図9中、(a)は、このポンプディスペンサー100の使用前の固定状態を一部切り欠いて示す縦断面図であり、(b)は、このポンプディスペンサー100の固定状態を解除した状態を示す縦断面図である。
このポンプディスペンサー100は、図9(a)に示すように、容器本体の口頸部(図示せず。)に螺合により着脱自在に装着される装着キャップ101と、装着キャップ101の下面から垂下されると共に、容器本体から吸引された液体が充填されるシリンダ102と、装着キャップ101の上面に配置されると共に、装着キャップ101を貫通する内筒部103aがシリンダ102の内側に嵌合された状態で、シリンダ102との間に挟み込まれた装着キャップ101を回転可能に支持する支持筒103と、内筒部103aに挿通されると共に、シリンダ102内に挿入された状態で上下方向に移動可能に支持されるステム104と、シリンダ102内に圧縮された状態で配置されて、ステム104を上方に向かって付勢するコイルバネ105と、ステム104の上端部に取り付けられると共に、液体を吐出するノズル106aが設けられたノズルヘッド106と、ステム104の下端部に取り付けられて、シリンダ102の内面に摺接しながらシリンダ102内で加圧された液体をステム104を通じてノズルヘッド106側へと圧送するピストン107と備えている。
【0004】
また、シリンダ102の下端部には、容器本体に収容された液体を吸引する吸引口102aを開閉する弁体102bが設けられている。さらに、シリンダ102の下端部からは、容器本体に収容された液体を吸い込む吸引パイプ108が垂下されている。一方、シリンダ102の上部側の側面部には、容器本体の内部に空気を導入するための通気孔109が設けられている。そして、ノズルヘッド106は、使用前に押し下げられた状態で、下端部の外周面に形成された雄ネジ部106bが内筒部103aの内周面に形成された雌ネジ部103bに螺合されることによって、支持筒103に固定された状態となっている。
【0005】
以上のような構造を有するポンプディスペンサー100では、上述した図9(a)に示す状態から、ノズルヘッド106を軸回りに回転させながら、このノズルヘッド106の内筒部103aに対する螺合を解除することによって、図9(b)に示すように、ステム104がコイルバネ105により上方に付勢されて起立した状態となる。そして、この状態から、ノズルヘッド106を押圧しながらコイルバネ105の付勢に抗してステム104を押し下げることにより、容器本体に収容された液体をノズル106aの先端から吐出させることができる。一方、ノズルヘッド106に対する押圧を解除することによって、押し下げられたノズルヘッド106がステム104と一体に上昇するときに、内筒部103aとステム104との間に形成された隙間S’からシリンダ102の通気孔109を通して、外部の空気が容器本体の内部に導入されることになる。
【特許文献1】特開平5−95668号公報
【特許文献2】特開平10−180154号公報
【特許文献3】特許第3614593号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、上述した従来のポンプディスペンサー100では、図9(b)に示すように、ノズルヘッド106の内筒部103aに対する螺合を解除して、ノズルヘッド106がステム104と一体に上昇するときに、内筒部103aとステム104との間の隙間S’から液体Lが外部に飛び出してしまうことがあった。
【0007】
具体的に、従来のポンプディスペンサー100では、生産工程や流通過程で容器本体が受ける振動や容器本体の横転などにより、図9(a)に示すように、容器本体に収容された液体Lがシリンダ102の通気孔109を通して内筒部103aとステム104との間の隙間S’に侵入することがある。この隙間S’に侵入した液体Lは、ステム104が上昇したときに殆どが通気孔109を通じて容器本体の内部に戻されるものの、特に液体Lの粘度が低い場合においては、容器本体の内部に戻らずに、図9(b)に示すように、一部の液体Lが上昇するステム104と一緒に隙間S’から飛び出してしまうことがあった。
【0008】
そこで、本発明は、このような従来の事情に鑑みて提案されたものであり、外部の空気を導入する隙間から液体が飛び出すことを確実に防止することができる液体吐出装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
この目的を達成するために、請求項1に係る発明は、容器本体の口頸部に取り付けられて、この容器本体に収容された液体を吐出する液体吐出装置であって、前記容器本体の口頸部に螺合により着脱自在に装着される装着キャップと、前記装着キャップの下面から垂下されると共に、前記容器本体から吸引された液体が充填されるシリンダと、前記装着キャップの上面に配置されると共に、前記装着キャップを貫通する内筒部が前記シリンダの内側に嵌合された状態で、前記シリンダとの間に挟み込まれた前記装着キャップを回転可能に支持する支持筒と、前記内筒部に挿通されると共に、前記シリンダ内に挿入された状態で上下方向に移動可能に支持されるステムと、前記シリンダ内に配置されて、前記ステムを上方に向かって付勢するバネと、前記ステムの上端部に取り付けられると共に、前記液体を吐出するノズルが設けられたノズルヘッドと、前記ステムの下端部に取り付けられて、前記シリンダの内面に摺接しながら前記シリンダ内で加圧された液体を前記ステムを通じて前記ノズルヘッド側へと圧送するピストンと備え、前記内筒部と前記ステムとの間に形成された隙間から前記シリンダの側面部を貫通する通気孔を通して、外部の空気が前記容器本体の内部に導入可能とされており、前記内筒部の外周部には、前記ノズルヘッドが押し下げられて前記支持筒に螺合により固定されたときに、前記通気孔を閉塞するシール部が設けられ、前記ノズルヘッドを回転させながら前記支持筒に対する螺合を解除するときに、少なくとも前記シール部が前記通気孔を閉塞する閉塞位置から前記通気孔を開放する開放位置まで、前記支持筒が前記ノズルヘッドと一体に回転可能とされていることを特徴とする液体吐出装置である。
また、請求項2に係る発明は、前記ノズルヘッドと前記支持筒との間に、前記螺合を解除する方向に前記ノズルヘッドを回転させたときに、前記支持筒を前記閉塞位置から前記開放位置まで回転させるラチェット機構が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の液体吐出装置である。
また、請求項3に係る発明は、前記シール部が、前記内筒部の外周部に設けられた突起部であることを特徴とする請求項1又は2に記載の液体吐出装置である。
また、請求項4に係る発明は、前記内筒部が、前記ステムを挿通させる内側部分と前記シリンダに嵌合される外側部分とが環状の隙間を隔てて同心円状に形成されてなることを特徴とする請求項1〜3の何れか一項に記載の液体吐出装置である。
また、請求項5に係る発明は、前記ノズルヘッドの下端部に形成された雄ネジ部と、前記内筒部の内周面に形成された雌ネジ部との螺合によって、前記ノズルヘッドが前記支持筒に対して固定可能とされていることを特徴とする請求項1〜4の何れか一項に記載の液体吐出装置である。
【発明の効果】
【0010】
以上のように、本発明に係る液体吐出装置では、使用前にノズルヘッドが押し下げられて支持筒に螺合により固定されたときに、内筒部の外周部に設けられたシール部がシリンダの通気孔を閉塞することによって、容器本体に収容された液体が通気孔を通して内筒部とステムとの間の隙間に侵入することを防止することができる。したがって、この液体吐出装置では、ノズルヘッドの支持筒に対する螺合が解除されて、ノズルヘッドがステムと一体に上昇するときに、内筒部とステムとの間の隙間から液体が飛び出すことを確実に防止することができる。
一方、ノズルヘッドを回転させながら支持筒に対する螺合を解除するときには、支持筒が閉塞位置から開放位置までノズルヘッドと一体に回転することによって、シリンダの通気孔を開放することができる。したがって、この液体吐出装置の使用時には、内筒部とステムとの間の隙間からシリンダの通気孔を通して外部の空気を容器本体の内部に導入することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、本発明を適用した液体吐出装置について、図面を参照して詳細に説明する。
本発明を適用した液体吐出装置は、例えば図1〜図3に示すポンプディスペンサー1である。このポンプディスペンサー1は、液体を収容する容器本体の口頸部(図示せず。)に装着されて、この容器本体に収容された液体を吐出するものであり、このようなポンプディスペンサー1が取り付けられた容器本体によって、いわゆる縦型手動式のポンプ付き容器(液体吐出容器)が構成されている。
【0012】
具体的に、このポンプディスペンサー1は、容器本体の口頸部に螺合により装着された装着キャップ2を介して容器本体に着脱自在に取り付けられている。装着キャップ2は、その内周面に形成されたネジ部2aと、その天井部中央に形成された円形状の開口部2bとを有している。そして、この装着キャップ2は、ネジ部2aを口頸部の外周面に形成されたネジ部(図示せず。)に螺合することによって、容器本体の口頸部に着脱自在に装着することが可能となっている。
【0013】
ポンプディスペンサー1は、装着キャップ2の下面から垂下されると共に、容器本体から吸引された液体が充填されるシリンダ3と、装着キャップ2の上面に配置されると共に、開口部2bを貫通する内筒部4aがシリンダ3の内側に嵌合された状態で、シリンダ3との間に挟み込まれた装着キャップ2を回転可能に支持する支持筒4と、内筒部4aに挿通されると共に、シリンダ3内に挿入された状態で上下方向に移動可能に支持されるステム5と、シリンダ3内に圧縮された状態で配置されて、ステム5を上方に向かって付勢するコイルバネ6と、ステム5の上端部に取り付けられると共に、液体を吐出するノズル7aが設けられたノズルヘッド7と、ステム5の下端部に取り付けられて、シリンダ3の内面に摺接しながらシリンダ3内で加圧された液体をステム5を通じてノズルヘッド7側へと圧送するピストン8と備えている。
【0014】
シリンダ3は、容器本体から吸引された液体が充填されるポンプ室Pを形成するものであり、その下端部には、容器本体に収容された液体を吸引する吸引口3aと、この吸引口3aを開閉する球状の弁体3bとが設けられている。弁体3bは、ポンプ室Pの拡張操作によりシリンダ3内に負圧が発生する場合のみ吸引口aを開放する。また、シリンダ3の下端部からは、容器本体に収容された液体を吸い込む吸引パイプ9が垂下されている。一方、シリンダ3の上部側には、容器本体の内部に空気を導入するための通気孔10が設けられている。この通気孔10は、シリンダ3の側面部を貫通した状態で、少なくとも1つ以上設けられている。
【0015】
ステム5の下端部には、拡径する方向に突出されたフランジ部5aが設けられている。内筒部4aに挿通されたステム5は、このフランジ部5aが内筒部4aの下端部と当接されることで、内筒部4aからの抜け止めがなされている。コイルバネ6は、シリンダ3内の底部とピストン8の底部との間に圧縮された状態で配置されることによって、ステム5を上方に向かって付勢している。
【0016】
ノズルヘッド7は、その下端部に設けられた筒状部7bにステム5の上端部が打ち込み嵌合されることによって、このステム5の上端部に取り付けられている。また、ノズルヘッド7の内部には、ステム5からノズル7aへと液体を導く流路7cが設けられている。ノズル7aは、ノズルヘッド7の側面部からほぼ水平方向に延長され、その先端部が下方に向かって僅かに屈曲した細長形状を有している。そして、このノズルヘッド7は、図1に示すように、使用前に押し下げられた状態で、筒状部7bの外周面に形成された雄ネジ部7dが内筒部4aの内周面に形成された雌ネジ部4bに螺合されることによって、支持筒4に固定された状態となっている。
【0017】
ピストン8は、ステム5の下端部に差し込まれることによって、このステム5と連続した流路11aを形成する有底筒状のピストンヘッド11を有している。このピストンヘッド11の側面部には、シリンダ3内で加圧された液体を排出する排出口11bが設けられている。また、ピストンヘッド11の外周部には、排出口11bを開閉するピストンリング12がシリンダ3の内面と摺接しながら上下方向にスライド可能に取り付けられている。このピストンリング12は、ポンプ室Pの圧縮操作によりシリンダ3内が加圧される場合のみ排出口11bを開放する。
【0018】
以上のような構造を有するポンプディスペンサー1では、上述した図1に示す使用前の固定状態から、ノズルヘッド7を軸回りに回転させながら、筒状部7bの雄ネジ部7dと内筒部4aの雌ネジ部4bとの螺合を解除する。これにより、図2に示すように、ノズルヘッド7がステム5と一体に上昇し、最終的に図3に示すように、ステム5が起立した状態となる。
【0019】
そして、ポンプディスペンサー1では、この状態からノズルヘッド7を押圧しながらコイルバネ6の付勢に抗してステム5を押し下げることによって、ピストン8が下降し、ポンプ室Pが圧縮操作されて、シリンダ3内に充填された液体が加圧された状態となる。このとき、シリンダ3内で加圧された液体は、ピストンヘッド11の排出口11b、流路11a及びステム5を通じて、ノズルヘッド7側へと圧送され、ノズル7aの先端から吐出されることになる。
【0020】
一方、このポンプディスペンサー1では、ノズルヘッド7に対する押圧を解除することによって、押し下げられたノズルヘッド7がステム5と一体に上昇する。このとき、ピストン8の上昇によりポンプ室Pが拡張操作されて、シリンダ3内に発生する負圧によって弁体3bが吸引口3aを開放する。これにより、容器本体に収容された液体が吸引パイプ9から吸い込まれて、再びシリンダ3内に充填されることになる。また、このとき容器本体内の液体が減少するのに伴って、内筒部4aとステム5との間に形成された隙間Sから通気孔10を通して、外部の空気が容器本体の内部に導入されることになる。
【0021】
ところで、本発明を適用したポンプディスペンサー1には、上述した図1に示す状態、すなわち、ノズルヘッド7が押し下げられて筒状部7bの雄ネジ部7dが内筒部4aの雌ネジ部4bに螺合により固定されたときに、通気孔10を閉塞するシール部13が設けられている。具体的に、このシール部13は、図4に示すように、内筒部4aの外周部に設けられた突起部であり、内筒部4aを周方向に切り欠く溝部13aの間に位置して設けられている。
【0022】
支持筒4は、図5に示すように、このシール部13が通気孔10を閉塞する閉塞位置と、図6に示すように、このシール部13が通気孔10を開放する開放位置との間で、所定の角度範囲だけ回転可能とされている。具体的に、内筒部4aが嵌合されるシリンダ3の内周面には、複数のストッパー突部14が周方向に等間隔に並んで設けられている。一方、内筒部4aの外周面には、これらストッパー突部14の間に位置する複数のストッパー突部15が周方向に等間隔に並んで設けられている。これにより、支持筒4は、内筒部4a側の各ストッパー突部15がシリンダ3側の各ストッパー突部14の間で移動可能な範囲、すなわち開放位置と閉塞位置との間で回転可能となっている。
【0023】
また、ノズルヘッド7と支持筒4との間には、図7に示すように、上述した雄ネジ部7dと雌ネジ部4bとの螺合を解除する方向にノズルヘッド7を回転させたときに、支持筒4を閉塞位置から開放位置まで回転させるラチェット機構16が設けられている。このラチェット機構16は、ノズルヘッド7側に設けられた複数の縦リブ17と、支持筒4側に設けられた複数の傾斜突部18とから構成されている。このうち、複数の縦リブ17は、ノズルヘッド7の内側に位置する内側周壁7eから突出して設けられている。また、これら複数の縦リブ17は、内側周壁7eの周方向に等間隔に並んで設けられている。一方、複数の傾斜突部18は、支持筒4の上面から雄ネジ部7dを雌ネジ部4bに螺合する方向に傾斜しながら立ち上がり形成されている。また、複数の傾斜突部18は、その傾斜面の端部から垂直に立ち下がる垂直面を有している。そして、これら複数の傾斜突部18は、内筒部4aの周囲を囲むように等間隔に並んで設けられている。
【0024】
このラチェット機構16では、雄ネジ部7dと雌ネジ部4bとの螺合を解除する方向にノズルヘッド7を回転させたときに、複数の縦リブ17が複数の傾斜突部18の垂直面に当接することによって、支持筒4を閉塞位置から開放位置まで回転させる。また、支持筒4が開放位置まで移動した後は、ノズルヘッド7が支持筒4に対して離間し、縦リブ17と傾斜突部18とが非接触状態となることによって、ノズルヘッド7のみが回転することになる。これにより、雄ネジ部7dと雌ネジ部4bとの螺合を解除することができる。なお、ノズルヘッド7を押し下げて雄ネジ部7dを雌ネジ部4bに螺合させるときには、ノズルヘッド7の回転によって複数の縦リブ17が複数の傾斜突部18を乗り越えるものの、ノズルヘッド7の下面が支持筒4の上面に密着することによって、最終的に支持筒4をノズルヘッド1と一体に閉塞位置まで移動させることができる。これにより、使用前には通気孔10をシール部13によって閉塞することができる。
【0025】
本発明を適用したポンプディスペンサー1では、上述した図1に示す使用前の固定状態のときに、シリンダ3の通気孔10を閉塞するシール部13を設けることによって、容器本体に収容された液体が通気孔10を通して内筒部4aとステム5との間の隙間Sに侵入することを防止することができる。したがって、このポンプディスペンサー1では、筒状部7bの雄ネジ部7dと内筒部4aの雌ネジ部4bとの螺合が解除されて、ノズルヘッド7がステム5と一体に上昇したときに、内筒部4aとステム5との間の隙間Sから液体が飛び出すことを確実に防止することができる。
【0026】
一方、ノズルヘッド7を回転させながら、雄ネジ部7dと雌ネジ部4bとの螺合を解除するときには、支持筒4が閉塞位置から開放位置までノズルヘッド7と一体に回転することによって、シリンダ3の通気孔10を開放することができる。したがって、このポンプディスペンサー1の使用時には、内筒部4aとステム5との間の隙間Sからシリンダ3の通気孔10を通して外部の空気を容器本体の内部に導入することができる。
【0027】
なお、本発明は、上記実施形態のものに必ずしも限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
例えば、上記ポンプディスペンサー1では、図1〜図3に示す支持筒4が備える内筒部4aのような構成(いわゆるシングルウォールタイプ)に限らず、例えば図8に示すように、ステム5を挿通させる内側部分40aとシリンダ3に嵌合される外側部分40bとが環状の隙間を隔てて同心円状に形成されてなる内筒部40を支持筒4が備えた構成(いわゆるダブルウォールタイプ)であっても、本発明を適用することが可能である。
【0028】
また、上記ポンプディスペンサー1では、筒状部7bの雄ネジ部7dと内筒部4aの雌ネジ部4bとを螺合する構成となっているが、このような構成に限らず、支持筒4の外周部に形成されたネジ部に、これに対応してノズルヘッド7の裏側に形成されたネジ部を螺合する構成であってもよい。
なお、上述した筒状部7bの雄ネジ部7dと内筒部4aの雌ネジ部4bとを螺合する構成の場合は、内筒部4aとステム5との間の隙間Sが大きくなることから、この隙間Sから液体が飛び出すのを防止する上で、本発明が非常に有効な手段となる。
【0029】
また、上記ポンプディスペンサー1では、上述した図7に示すラチェット機構16の構成に限らず、支持筒4を閉塞位置から開放位置まで回転させる機構については別の機構を用いてもよい。さらに、上記ポンプディスペンサー1では、支持筒4が閉塞位置から開放位置まで移動したときに、この支持筒4を開放位置に固定するロック機構を設けることも可能である。
【0030】
なお、上記容器本体に収容される液体については、特に限定されるものではなく、例えばシャンプーや、リンス、トリートメント、液体石鹸、化粧液、洗浄剤、液体洗剤、柔軟仕上げ剤、液体歯磨きなどを挙げることができる。
なお、これら液体の粘度が低くなるほど、上述した内筒部4aとステム5との間の隙間Sから液体が飛び出すくなるため、本発明が非常に有効な手段となる。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】図1は、本発明を適用した液体吐出装置の使用前の固定状態を示す縦断面図である。
【図2】図2は、図1に示す液体吐出装置のノズルヘッドを回転させた状態を示す縦断面図である。
【図3】図3は、図1に示す液体吐出装置のステムが起立した状態を示す縦断面図である。
【図4】図4は、本発明を適用した液体吐出装置のシール部を拡大して示す要部斜視図である。
【図5】図5は、図1に示す液体吐出装置の支持筒が閉塞位置にある状態を示し、(a)はその横断面図であり、(b)はその透視斜視図である。
【図6】図6は、図2に示す液体吐出装置の支持筒が開放位置にある状態を示し、(a)はその横断面図であり、(b)はその透視斜視図である。
【図7】図7は、本発明を適用した液体吐出装置のラチェット機構を拡大して示す要部斜視図である。
【図8】図8は、本発明を適用した液体吐出装置の別の適用例を示す縦断面図である。
【図9】図9は、従来の液体吐出装置を示し、(a)は、その使用前の固定状態を一部切り欠いて示す縦断面図であり、(b)は、その固定状態を解除した状態を示す縦断面図である。
【符号の説明】
【0032】
1…ポンプディスペンサー(液体吐出装置) 2…装着キャップ 3…シリンダ 4…支持筒 4a…内筒部 5…ステム 6…コイルバネ 7…ノズルヘッド 7a…ノズル 8…ピストン 10…通気孔 11…ピストンヘッド 12…ピストンリング 13…シール部 14,15…ストッパー突部 16…ラチェット機構 17…縦リブ 18…傾斜突部
【出願人】 【識別番号】000006769
【氏名又は名称】ライオン株式会社
【出願日】 平成18年6月30日(2006.6.30)
【代理人】 【識別番号】100064908
【弁理士】
【氏名又は名称】志賀 正武

【識別番号】100108578
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 詔男

【識別番号】100089037
【弁理士】
【氏名又は名称】渡邊 隆

【識別番号】100101465
【弁理士】
【氏名又は名称】青山 正和

【識別番号】100094400
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 三義

【識別番号】100107836
【弁理士】
【氏名又は名称】西 和哉

【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦


【公開番号】 特開2008−6407(P2008−6407A)
【公開日】 平成20年1月17日(2008.1.17)
【出願番号】 特願2006−181589(P2006−181589)