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マスキング材 - 特開2008−6402 | j-tokkyo
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【発明の名称】 マスキング材
【発明者】 【氏名】梅田 英樹

【要約】 【課題】貼着を作業効率よく正確に行うことができるようにするとともに、被マスキング材の熱伸縮に容易に連動することになり、被マスキング部材の所望の見切り線を正確に維持しつつマスキング効果を発揮することができるようにする。

【構成】マスキング材を粘着剤を介して表材と裏材の2枚重ねとして被マスキング部の見切り線形状に合わして形成し、裏材を見切り線周辺部のみ剥離除去して表材の粘着剤を適宜の幅糊代として露出させるために裏材外周の若干内側に外周部切取線を形成するとともに、表材と裏材のそれぞれに所望数の切込線を設け、且つ表材と裏材の切込線が重ならないようにした。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
マスキング材を粘着剤を介して表材と裏材の2枚重ねとして被マスキング部の見切り線形状に合わして形成し、裏材を見切り線周辺部のみ剥離除去して表材の粘着剤を適宜の幅糊代として露出させるために裏材外周の若干内側に外周部切取線を形成するとともに、表材と裏材のそれぞれに所望数の切込線を設け、且つ表材と裏材の切込線を重ならないようにしたことを特徴とするマスキング材。
【請求項2】
裏材切込線はその先端が外周部切取線に達するとともに、表材切込線はその先端が裏材の外周部切取線より若干内側となるようにした請求項1記載のマスキング材。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
この発明は、各種部材を蒸着やメッキや塗装等をしたりする表面処理に際し、その所定の一部分を該表面処理が施されないようにするために、その部分をマスキングするためのマスキング材に関するものである。
【0002】
本発明のマスキング材は、特に自動車生産におけるバンパーや車体の一部分のように3次元の形状を有する箇所をマスキングすることにより、該部材を色分けしたり、機能や物性を区分するために使用するのに適したものである。
【背景技術】
【0003】
自動車バンパーの一部、例えばリアバンパーを構成するステップ部分の一部をバンパー全体の所定のバンパー色と異なる色(便宜上「第2の色」と称する場合がある。)に仕上げようとする場合、バンパー全体を予め第2の色に塗装したり、プラスチック製バンパーの場合は顔料として第2の色で原着色成形したりした後、第2の色部分を見切り線(マスキング材貼着箇所指示用にバンパーに僅かに形成してある目印となる縁取り凸部)に合わしてマスキング材で貼着した上で、所望のバンパー全体の色(便宜上「第1の色」と称する場合がある。)により吹き付け塗装を行い、該マスキング材を取り除けば、全体色(第1の色)の中にあってその一部を第2の色として区分して製作することができる。
【0004】
この場合、マスキング材(一般的には表材となるマスキングフィルム)は所定のバンパー部分に程よく接着し、平面形状面の場合はもとより、3次元の曲面部分においてもその所望形状の見切り線上に的確に精度良く貼着することが必要である。的確に精度良く貼着してないと、第1の色塗装時に表材となるマスキングフィルムとバンパーとの隙間から塗料が入ってしまい、本来塗ってはならない箇所に第1の色が塗装される結果となってしまう。
【0005】
さらに貼着作業中は勿論のこと、第1の色塗装後に塗料皮膜を強力にし且つ強固に固着せしめるためのキュアリング(100℃〜140℃でのベーキング)においても熱収縮や伸長等の変形をすることなく、見切り線上を維持する機能を保有しなければならない。第1の色塗装後のキュアリング中といえどもマスキング材(特に表材となるマスキングフィルム)の伸縮があると、塗装見切り線がずれて所望形状が得られなかったり、また特に第1の色の塗装が不良で再塗装が必要な場合には、マスキング材を新しく貼り替える必要が生じる。
【0006】
キュアリングにおいてはプラスチックバンパー自体も熱により伸縮(一般に3/1000〜8/1000mm)するので、マスキング材が見切り線をずれないようにするためには、マスキング材の伸縮もプラスチックパンパーの伸縮に連動した同一挙動であることが必要である。
【0007】
しかして、以上の機能をマスキング材に保有せしめるためには、以下のような要件を必要とする。
(1)マスキング材はフレキシブル性に富み、柔軟でしかも弾性のあるものでなければ、平面形状のものでは3次元曲面をマスキングすることはできない。
(2)同時に耐熱性を有し(140℃〜160℃の耐熱性)容易に劣化しないものでなければならず、かつ熱伸縮する部材によく追従することのできるフレキシブルな伸縮自在な物性でなければならない。
(3)塗装される表面は塗料との密着性があり、塗料ハジキや塗料タレなどが生じる物性のものでもいけない。
(4)軽量で(そのためには表材となるフィルムは薄く例えば100μm厚以下)、作業性に富む安価なものであることが必要である。
(5)更に以上(1)〜(4)をクリアーした上で、貼着のための粘着力を保有していること。
(6)2次、3次元の面をマスクするという条件から強力な粘着力が必要である。
(7)また前記加工条件から耐熱性に優れたものであることが必要である。
(8)反面(6)と(7)を保有するためには、粘着剤そのものの一層の開発が必要であるもののおのずと限界があり、(6)と(7)を重視するあまり部材面への粘着剤の移行(ノリ残り)が発生したり、逆に十分な接着力が得られずフィルムの剥れ、見切り線上の移動などが発生したりするというやっかいな問題が発生することになる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
以上のようであるから、要は2次、3次元形状を平面状のマスキング材で塗料が入り込まないように隙間なく、且つ見切り線上を精度よくマスキングすること自体、各曲面形状部分の表材となるフィルムが平面に戻ろうとする力が働くために、見切り線形状を維持することは容易ではなく、強力な粘着樹脂(剤)によって貼付けてもその保持は容易ではない状態である。
【0009】
そのような条件下、さらに表材となるフィルムを含むところのマスキング部材はキュアリング処理されるから熱伸縮の強い影響を受けることになり、次には粘着樹脂の「ノリ残り」(粘着樹脂を厚く塗工し接着力を強めるほどノリ残りが発生して製品不良となる)との相反する要素をも克服しなければならない。したがって現状では隙間がなく、且つ見切り線上を精度よくマスキングし、さらに加熱によっても粘着樹脂残り(ノリ残り)がないという条件を満足できるマスキング材はないのが現状であり、何らかの犠牲(見切り線精度不良、ノリ残り容認)を得た上で利用されているのが実情である。
【課題を解決するための手段】
【0010】
そこで、この発明にかかるマスキング材は上記課題を解決するために、マスキング材を粘着剤を介して表材と裏材の2枚重ねとして被マスキング部の見切り線形状に合わして形成し、裏材を見切り線周辺部のみ剥離除去して表材の粘着剤を適宜の幅糊代として露出させるために裏材外周の若干内側に外周部切取線を形成するとともに、表材と裏材のそれぞれに所望数の切込線を設け、且つ表材と裏材の切込線を重ならないようにした(請求項1)ものである。
【0011】
また、裏材切込線はその先端が外周部切取線に達するとともに、表材切込線はその先端が裏材の外周部切取線より若干内側となるようにした(請求項2)ものである。
【発明の効果】
【0012】
本発明にかかるマスキング材によれば、貼着は表材と裏材に形成した切込線によりフレキシビリティーに富み作業効率よく正確に行うことができるとともに、表材(一般的にはマスキングフィルム)と裏材(一般的には離型紙)より構成した表材と裏材とを利用補完し合いながら且つ分断して構成されるようにしたために、全体として表材(マスキングフィルム)の熱収縮によるサイズ伸縮は微小となり、被マスキング部材の熱伸縮に容易に連動することになり、被マスキング部材の所望の見切り線を正確に維持しつつマスキング効果を発揮することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
裏材にその先端が外周部切取線に達する裏材切込線を所望数形成する。裏材切込線は裏材のみを分断し表材には達しないようにする。そして基本的には幅方向に対し垂直に左右対称に形成する。また、表材にその先端が裏材の外周部切取線より若干内側となる表材切込線を裏材切込線と重ならない位置に所望数形成する。表材切込線は表材のみに形成され、裏材には達しないようにする。そして基本的には裏材切込線の間に位置するようにする。要するに、各切込線を形成した箇所の裏側はもう一方の素材である裏材又は表材によりカバーされているようにするのである。
【実施例】
【0014】
次に、本発明にかかるマスキング材1の実施例を図面に基づいて説明する。
マスキング材1は表材2と裏材3とこれらを接着している粘着剤により構成されている。一般的には表材2はマスキングフィルムであり、裏材3は離型紙であるが、本発明はこの組み合わせに限るものではない。そして、マスキング材1は被マスキング部の見切り線形状に合わして形成してある。なお、被マスキング部材によっては明らかな見切り線が形成されていない場合もあるが、この場合は被マスキング部の仮想の見切り線形状に合わして形成する。本発明において見切り線と称しているものには、被マスキング部材に現実に凹凸形状に形成してある見切り線と、被マスキング部材に実際には形状としては表れない仮想の見切り線の両者を含むものである。何れにしても、マスキングを必要とする箇所の外周形状となる箇所を意味する。
【0015】
表材2は通常はフィルム材が用いられ、例えばポリオレフィン系,ポリエステル系,塩化ビニール系等の柔軟でフレキシブルな素材や、その一部性能例えば耐熱性,対溶剤性,柔軟度,塗料付着性を改質するための各種補助材を混合した素材、あるいはセルロース系,合成紙等従来公知の素材が利用できる。また、裏材3は通常は離型紙が用いられ、紙系,プラスチック系,合成紙系,等従来公知のものが利用できる。また、粘着剤としても天然ゴム系,合成ゴム系,アクリル系等従来公知のものが利用できる。但し、表材2と裏材3は上記のものに限るものではなく、要は2枚の素材(同一素材でも異なった素材でも可)が粘着剤を介して接着されていればよい。
【0016】
4は裏材3を見切り線周辺部5のみ剥離除去して表材2の粘着剤を適宜の幅糊代として露出させるために裏材3外周の若干内側に形成した外周部切取線である。使用時には、外周部切取線4によりこの部分の裏材3を表材2から剥がして取り去り、表材2に表れた粘着剤を利用してマスキング材1を被マスキング部に貼着してマスキングする。6は裏材3に形成した裏材切込線であり、その先端は裏材3の外周部切取線4に達している。7は表材2に形成した表材切込線であり、その先端は裏材3の外周部切取線4より若干内側となるようにしてある。そして表材切込線7と裏材切込線6は相互に重ならない位置に形成してある。なお、表材切込線7の先端は可能な限り外周部切取線4に近接していることが望ましい。
【0017】
そして、裏材切込線6は裏材3のみを分断し表材2には達しないようにする。また表材切込線7は表材2のみを切断し裏材3には達しないようにする。裏材3を分断するのはマスキング材1貼着後のキュアリング工程による裏材3の熱収縮が表材となる表材2に影響を及ぼさないようにするためである。同様に、表材2の熱収縮が裏材となる裏材3に影響を及ぼさないようにするためである。
【0018】
裏材切込線6と表材切込線7はマスキング材1の伸縮量が大きい長尺方向を分断する意味から、基本的にはマスキング材1の幅方向に対し垂直方向に形成する。また、設ける本数は適宜調整可能であるが、何れにしても塗料の侵入や回り込みなどを防ぐために裏材切込線6と表材切込線7は十分にその位置を離し重ならないようにしておく。そして、裏材切込線6と表材切込線7は交互に設けることを基本とするが、必ずしもこのようになっていなくてもよい。なお、マスキング材1が正方形に近いような形状の場合(長尺方向が明らかでないような場合)は裏材切込線6と表材切込線7を縦と横の両方向に形成してもよく、あるいは放射状に形成してもよい。
【0019】
なお、場合によっては表材切込線7はその先端部分が外周部切取線4と並行となるようにI型としてもよい。このようにしておくと、外周部切込線4付近の表材2の熱収縮の吸収能力をより高めることが可能となる場合がある。あるいは、表材2の裏材3の外周部切取線4より若干内側の位置に、外周部切取線4の形状に合わして表材外周切込線8を形成することも可能である。表材2の長尺方向の縁辺部は特にフィルム収縮によって見切り線がずれるケースが多いので、背面に裏材3が存在する範囲でできるだけ見切り線側に沿って表材2に切込線を入れると見切り線のずれをより防止することが可能となる場合があるからである。
【0020】
なお、出願人が実験した(マスキング材貼着20分後、120℃で45分キュアリング)ところによると、表材2と裏材3の両方ともに切込線がない場合(従来使用されているものである。)は、表材2の浮きや剥れが発生し、またフィルムの縮みによる見切り線維持不良が発生した。また、表材2又は裏材3のどちらか片一方にのみ切込線を形成した場合は、前記従来のものよりは若干改善されはしたが、未だ若干浮きや剥れや見切り線維持不良が見られた。表材2と裏材3の両者に切込線を形成した場合(本発明に係るものである。)は、浮きや剥れが発生せず、また見切り線も所望の見切り線を維持することができた。
【産業上の利用可能性】
【0021】
本発明のマスキング材は、従来困難とされていた2次、3次元の面を有する被マスキング部材を所望の見切り線上にノリ残りを発生することなく、また見切り線を逸脱することなく正確に、かつ容易に貼着することができ、自動車産業に限らず、マスキング処理を必要とするものについて広く適用することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本発明のマスキング材の背面図である。
【図2】本発明のマスキング材の正面図である。
【符号の説明】
【0023】
1 マスキング材
2 表材
3 裏材
4 外周部切取線
5 見切り線周辺部
6 裏材切込線
7 表材切込線
8 表材外周切込線
【出願人】 【識別番号】393005015
【氏名又は名称】株式会社メイテック
【出願日】 平成18年6月30日(2006.6.30)
【代理人】 【識別番号】100081776
【弁理士】
【氏名又は名称】大川 宏

【識別番号】100065824
【弁理士】
【氏名又は名称】篠原 泰司

【識別番号】100104983
【弁理士】
【氏名又は名称】藤中 雅之

【識別番号】100083817
【弁理士】
【氏名又は名称】今野 耕哉


【公開番号】 特開2008−6402(P2008−6402A)
【公開日】 平成20年1月17日(2008.1.17)
【出願番号】 特願2006−181371(P2006−181371)