トップ :: B 処理操作 運輸 :: B05 霧化または噴霧一般;液体または他の流動性材料の表面への適用一般

【発明の名称】 ユニットタイプのスプレー装置
【発明者】 【氏名】金子 修三

【氏名】橋本 茂史

【要約】 【課題】スプレーガン本体の洗浄時や、交換時におけるダウンタイムを短縮することができるように構成したスプレー装置を提供する。

【構成】本発明のスプレー装置100は、塗料を霧化させて噴出させるためのガンユニット110と、塗料およびエアを受け入れるためのブラケットユニット210とを備える。ブラケットユニット210は、ガンユニット110に着脱自在に固定されるように構成される。ブラケットユニット210をガンユニット110に固定したとき、受け入れる塗料およびエアはガンユニット110に流通する。ノズル開閉弁150を後方に移動させて塗料を塗料噴出孔122から噴出させて、噴出した塗料を霧化し、同時に、霧化した塗料のパターンを形成することができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ノズルに設けた塗料噴出孔から塗料を噴霧するスプレー装置において、
塗料を霧化させて噴出させるためのガンユニットと、
塗料およびエアを受け入れるためのブラケットユニットとを備え、
前記ブラケットユニットは、前記ガンユニットに着脱自在に固定されるように構成され、
前記ブラケットユニットを前記ガンユニットに固定したときに、前記ブラケットユニットが受け入れる塗料およびエアは前記ガンユニットに流通するように構成される、
ことを特徴とするスプレー装置。
【請求項2】
前記ガンユニットは、
塗料を流通させるためのガン塗料流路と、
塗料を霧化させるための霧化エアを流通させるためのガン霧化エア流路と、
前記ガン塗料流路に流通するように設けられた塗料噴出孔を有するノズルと、
前記ガン霧化エア流路に流通するように設けられた霧化エア孔を有するエアキャップとを含み、
前記塗料噴出孔を開いたときに、前記ガン塗料流路を通る塗料を前記塗料噴出孔から噴出させ、前記霧化エア孔から霧化エアを噴出させることによって、前記塗料噴出孔から噴出した塗料を霧化することができるように構成される、
ことを特徴とする、請求項1に記載のスプレー装置。
【請求項3】
前記ブラケットユニットは、
塗料を流通させるためのブラケット塗料流路と、
塗料を霧化させるための霧化エアを流通させるためのブラケット霧化エア流路とを含む、
ことを特徴とする、請求項1に記載のスプレー装置。
【請求項4】
前記ガンユニットは、
前記塗料噴出孔を開閉するためのノズル開閉弁と、
前記ノズル開閉弁を作動させるための弁開閉装置と、
前記弁開閉装置を作動させる作動エアを流通させるためのガン作動エア流路とを含んでおり、
前記ブラケットユニットは、
前記弁開閉装置を作動させる作動エアを流通させるためのブラケット作動エア流路とを含んでおり、
前記ブラケットユニットを前記ガンユニットに固定したときに、前記ガン作動エア流路は前記ブラケット作動エア流路に流通するように構成される、
ことを特徴とする、請求項1に記載のスプレー装置。
【請求項5】
前記ガンユニットは、前記ガン塗料流路と流通するように設けられかつ塗料を戻すためのガン塗料戻し流路を有し、前記ブラケットユニットは、塗料を戻すためのブラケット塗料戻し流路を有し、前記ブラケットユニットを前記ガンユニットに固定したときに、前記ガン塗料戻し流路は前記ブラケット塗料戻し流路に流通するように構成されることを特徴とする、請求項2に記載のスプレー装置。
【請求項6】
前記ガンユニットは、前記塗料噴出孔から噴出した塗料のパターンを形成するためのパターンエアを流通させるためのガンパターンエア流路、および、前記ガンパターンエア流路に流通するように設けられたパターンエア孔を有し、前記ブラケットユニットは、パターンエアを流通させるためのブラケットパターンエア流路を有し、前記ブラケットユニットを前記ガンユニットに固定したときに、前記ガンパターンエア流路は前記ブラケットパターンエア流路に流通するように構成されることを特徴とする、請求項2に記載のスプレー装置。
【請求項7】
前記ガンユニットは、前記ブラケットユニットを前記ガンユニットに対して固定するためのガン固定部材を含み、前記ガン固定部材は、固定用溝部を有しており、前記スプレー装置は、前記固定用溝部に対して固定可能なロック固定部を有するユニット固定部材を備えることを特徴とする、請求項1に記載のスプレー装置。
【請求項8】
前記固定用溝部は、前記ガン固定部材の長手方向軸線に対して斜めに形成された斜め溝部で構成され、前記ユニット固定部材は、前記斜め溝部に嵌合することができるように形成された固定用突起部を有することを特徴とする、請求項7に記載のスプレー装置。
【請求項9】
ノズルの塗料噴出孔から塗料を噴霧するスプレー装置において、
塗料を流通させるためのガン塗料流路と、塗料を霧化させるための霧化エアを流通させるためのガン霧化エア流路と、前記ガン塗料流路に流通するように設けられた塗料噴出孔を有するノズルと、前記ガン霧化エア流路に流通するように設けられた霧化エア孔を有するエアキャップと、前記塗料噴出孔を開閉するためのノズル開閉弁と、前記ノズル開閉弁を作動させるための弁開閉装置と、前記弁開閉装置を作動させる作動エアを流通させるためのガン作動エア流路とを含むガンユニットと、
塗料を流通させるためのブラケット塗料流路と、塗料を霧化させるための霧化エアを流通させるためのブラケット霧化エア流路と、前記弁開閉装置を作動させる作動エアを流通させるためのブラケット作動エア流路とを含むブラケットユニットとを備え、
前記ブラケット塗料流路の入口側端部から塗料を導入することができるように構成され、
前記ブラケット作動エア流路の入口側端部から作動エアを導入することができるように構成され、
前記ブラケットユニットは、前記ガンユニットに着脱自在に固定されるように構成され、
前記ブラケットユニットを前記ガンユニットに固定したときに、前記ガン塗料流路の入口側端部は前記ブラケット塗料流路の出口側端部に接続され、かつ、前記ガン作動エア流路の入口側端部は前記ブラケット作動エア流路の出口側端部に接続されるように構成され、
前記ノズル開閉弁を作動させて前記塗料噴出孔を開くと、前記ガン塗料流路を通る塗料を前記塗料噴出孔から噴出させ、前記霧化エア孔から霧化エアを噴出させることによって、前記塗料噴出孔から噴出した塗料を霧化することができるように構成される、
ことを特徴とするスプレー装置。
【請求項10】
前記ノズル開閉弁は、ガン塗料流路に配置されたニードル弁であり、前記ニードル弁の先端部が前記噴出孔を開閉するように構成されることを特徴とする、請求項9に記載のスプレー装置。
【請求項11】
前記弁開閉装置は、作動エアによって作動するピストンであり、前記ニードル弁の後端部は前記ピストンに固定されることを特徴とする、請求項10に記載のスプレー装置。
【請求項12】
前記ガンユニットは、前記ガン塗料流路と流通するように設けられかつ塗料を戻すためのガン塗料戻し流路を有し、前記ブラケットユニットは、塗料を戻すためのブラケット塗料戻し流路を有し、前記ブラケットユニットを前記ガンユニットに固定したときに、前記ガン塗料戻し流路の出口側端部は前記ブラケット塗料戻し流路の入口側端部に接続されるように構成されることを特徴とする、請求項9に記載のスプレー装置。
【請求項13】
前記ガンユニットは、前記塗料噴出孔から噴出した塗料のパターンを形成するためのパターンエアを流通させるためのガンパターンエア流路を有し、前記ブラケットユニットは、パターンエアを流通させるためのブラケットパターンエア流路を有し、前記ブラケットユニットを前記ガンユニットに固定したときに、前記ガンパターンエア流路の入口側端部は前記ブラケットパターンエア流路の出口側端部に接続されるように構成されることを特徴とする、請求項9に記載のスプレー装置。
【請求項14】
前記ガンユニットは、前記ブラケットユニットを前記ガンユニットに対して固定するためのガン固定部材を含み、前記ガン固定部材は、固定用溝部を有しており、前記スプレー装置は、前記固定用溝部に対して固定可能なロック固定部を有するユニット固定部材を備えることを特徴とする、請求項9に記載のスプレー装置。
【請求項15】
前記固定用溝部は、前記ガン固定部材の長手方向軸線に対して斜めに形成された斜め溝部で構成され、前記ユニット固定部材は、前記斜め溝部に嵌合することができるように形成された固定用突起部を有することを特徴とする、請求項14に記載のスプレー装置。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、塗装すべき対象物に塗料を噴霧するためのスプレー装置に関する。特に、本発明は、互いに着脱自在な2つのユニットを含むように構成したユニットタイプのスプレー装置に関する。さらに、本発明は、塗料だけでなく、水、接着剤、防錆剤、絶縁剤、コーティング剤、薬剤などの各種液体を噴霧すべき目的となる物体に噴霧するスプレー装置に関する。
【背景技術】
【0002】
図13を参照すると、従来のスプレー塗布装置の一例において、スプレーガン800は、スプレーガン本体810と、ノズル部材820と、スプレーガン本体810とノズル部材820とを連結する連結部材830とを備えている。スプレーガン本体810はロボットアーム850に固定される。5個の接続部材がスプレーガン本体810に設けられる。図13には、第1接続部材811と、第2接続部材812と、第3接続部材813とを図示しているが、第4接続部材と、第5接続部材は図示していない。塗料流路(図示せず)がスプレーガン本体810の中央部に設けられる。噴出孔(図示せず)がノズル部材820の前側部に設けられる。従来、接続部材としては、例えば、ニッタ・ムアー株式会社製の「クイックシール継手L4N6×4−PT1/8」を用いている(JIS・B・8381−1995、空気圧用たわみ管の管継手参照)。
【0003】
塗料流路は噴出孔に流通するように構成される。ニードル弁(図示せず)が塗料流路の中に配置される。ニードル弁の前側の先端部は噴出孔を開閉することができるように配置される。ニードル弁の後側の後端部はピストン(図示せず)に支持される。作動エアを供給することによってピストンが動作して、ニードル弁が前方に移動する。ニードル弁が噴出孔を閉鎖すると、塗料流路の中の塗料は噴出孔から流出しない。ピストンの動作により、ニードル弁が後方に移動して噴出孔を開放すると、塗料流路の中の塗料は噴出孔から流出する。
【0004】
第1接続部材811は、ピストンを作動させるエアをピストンに供給するためのピストン作動エア供給管841に接続される。第2接続部材812は、塗料を霧化させるためのエアをスプレーガン本体に供給する霧化エア供給管842に接続される。第3接続部材813は、塗料をスプレーガン本体内の塗料流路に供給する塗料送り管843に接続される。第4接続部材は、塗料のパターンを形成するためのエアをスプレーガン本体に供給するパターンエア供給管(図示せず)に接続される。第5接続部材は、スプレーガン本体内の塗料流路から塗料を戻すための塗料戻り管(図示せず)に接続される。
【0005】
第1接続部材811の内部は、スプレーガン本体810に設けられたピストン作動エア流路(図示せず)に流通している。第2接続部材812の内部は、スプレーガン本体810に設けられた霧化エア流路(図示せず)に流通している。第3接続部材813の内部は、スプレーガン本体810に設けられた塗料流路に流通している。第4接続部材の内部は、スプレーガン本体810に設けられたパターンエア流路(図示せず)に流通している。第5接続部材812の内部は、スプレーガン本体810に設けられた塗料流路(図示せず)に流通している。塗料は塗料ポンプ(図示せず)によって塗料タンク(図示せず)から塗料送り管843を通って第3接続部材813の内部に供給される。塗料流路を通って循環する塗料は第5接続部材812の内部から塗料戻り管を通って塗料タンクに戻される。
【0006】
ノズルと、スプレーガンを備えたロボットハンドに取り付けることができる従来のスプレー塗布装置が、例えば、特許文献1に開示されている。このスプレー塗布装置では、スプレーガンの前方に設けたノズルから霧状の接着剤を噴霧する。さらに、塗布領域の外周に対し遮蔽用空気を吹出す空気吹出手段が設けられている。また、静電粉体塗装ロボット用スプレーガンが、例えば、特許文献2に開示されている。このスプレーガンでは、塗装ロボットのアームに取り付けられる高電圧発生部と、ロボットの手首に取り付けられる噴射ノズルを別体に形成している。
【0007】
また、従来の回転霧化型塗装機が、例えば、特許文献3、特許文献4に開示されている。これらの回転霧化型塗装機では、塗料ガイド部材を通過して前方に吐出された塗料を、回転する霧化デスク付きベルによって噴霧する。
【0008】
【特許文献1】特開2000−197835号公報
【特許文献2】特開平4−104851号公報
【特許文献3】特開2004−321845号公報
【特許文献4】特開平3−221166号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
従来のスプレー塗布装置では、複数のエア用の接続部材と、複数の塗料用の接続部材がスプレーガン本体に直接設けられていた。例えば、図13に示す従来のスプレー塗布装置においては、3個のエア用の接続部材と、2個の塗料用の接続部材がスプレーガン本体に直接取り付けられていた。この従来のスプレー塗布装置では、ロボットのアームからスプレーガン本体を外してスプレーガン本体を洗浄したり、スプレーガン本体を交換したりするときに、その都度、複数の配管(ピストン作動エア供給管、霧化エア供給管、塗料送り管、パターンエアエア供給管、および塗料戻り管など)をスプレーガン本体から取り外す必要があった。また、ノズルが塗料によって摩耗した場合、ノズルを交換するために、ロボットのアームからスプレーガン本体を外す必要があった。したがって、スプレーガン本体の洗浄、交換時や、ノズルの交換時におけるスプレー塗布装置のダウンタイムが長くなり、塗装工程におけるロスタイムが長くなる課題があった。
【0010】
本発明の目的は、スプレーガン本体の洗浄時や、スプレーガン本体の交換時や、ノズルの交換時におけるダウンタイムを短縮することができるように構成したスプレー装置を提供することにある。
また、本発明の他の目的は、構成部品の製造および組立が容易なスプレー装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は、ノズルに設けた塗料噴出孔から塗料を噴霧するスプレー装置において、塗料を霧化させて噴出させるためのガンユニットと、塗料およびエアを受け入れるためのブラケットユニットと、を備えるように構成した。ブラケットユニットは、ガンユニットに着脱自在に固定されるように構成される。ブラケットユニットをガンユニットに固定したときに、ブラケットユニットが受け入れる塗料およびエアはガンユニットに流通するように構成される。この構成により、スプレーガン本体の洗浄時や、スプレーガン本体の交換時や、ノズルの交換時におけるダウンタイムを短縮することができる。
【0012】
本発明のスプレー装置において、ガンユニットは、塗料を流通させるためのガン塗料流路と、塗料を霧化させるための霧化エアを流通させるためのガン霧化エア流路と、ガン塗料流路に流通するように設けられた塗料噴出孔を有するノズルと、ガン霧化エア流路に流通するように設けられた霧化エア孔を有するエアキャップとを含むように構成されるのがよい。塗料噴出孔を開いたときに、ガン塗料流路を通る塗料を塗料噴出孔から噴出させ、霧化エア孔から霧化エアを噴出させることによって、塗料噴出孔から噴出した塗料を霧化することができるように構成されるのがよい。
【0013】
さらに、本発明のスプレー装置において、ブラケットユニットは、塗料を流通させるためのブラケット塗料流路と、塗料を霧化させるための霧化エアを流通させるためのブラケット霧化エア流路とを含むように構成されるのがよい。さらに、本発明のスプレー装置において、ガンユニットは、塗料噴出孔を開閉するためのノズル開閉弁と、ノズル開閉弁を作動させるための弁開閉装置と、弁開閉装置を作動させる作動エアを流通させるためのガン作動エア流路とを含み、ブラケットユニットは、弁開閉装置を作動させる作動エアを流通させるためのブラケット作動エア流路とを含み、ブラケットユニットをガンユニットに固定したときに、ガン作動エア流路はブラケット作動エア流路に流通するように構成されるのがよい。
【0014】
さらに、本発明のスプレー装置において、ガンユニットは、ガン塗料流路と流通するように設けられかつ塗料を戻すためのガン塗料戻し流路を有し、ブラケットユニットは、塗料を戻すためのブラケット塗料戻し流路を有し、ブラケットユニットをガンユニットに固定したときに、ガン塗料戻し流路は前記ブラケット塗料戻し流路に流通するように構成されるのがよい。さらに、本発明のスプレー装置において、ガンユニットは、塗料噴出孔から噴出した塗料のパターンを形成するためのパターンエアを流通させるためのガンパターンエア流路、および、ガンパターンエア流路に流通するように設けられたパターンエア孔を有し、ブラケットユニットは、パターンエアを流通させるためのブラケットパターンエア流路を有し、ブラケットユニットを前記ガンユニットに固定したときに、ガンパターンエア流路はブラケットパターンエア流路に流通するように構成されるのがよい。
【0015】
さらに、本発明のスプレー装置において、ガンユニットは、ブラケットユニットをガンユニットに対して固定するためのガン固定部材を含み、ガン固定部材は、固定用溝部を有し、スプレー装置は、固定用溝部に対して固定可能なロック固定部を有するユニット固定部材を備えるように構成されるのがよい。この構成により、構成部品の製造および組立を容易することができる。さらに、本発明のスプレー装置において、固定用溝部は、ガン固定部材の長手方向軸線に対して斜めに形成された斜め溝部で構成され、ユニット固定部材は、斜め溝部に嵌合することができるように形成された固定用突起部を有するのがよい。この構成により、構成部品の製造および組立を容易することができる。
【0016】
さらに、本発明は、ノズルの塗料噴出孔から塗料を噴霧するスプレー装置において、塗料を流通させるためのガン塗料流路と、塗料を霧化させるための霧化エアを流通させるためのガン霧化エア流路と、ガン塗料流路に流通するように設けられた塗料噴出孔、および、ガン霧化エア流路に流通するように設けられた霧化エア孔を有するエアキャップと、塗料噴出孔を開閉するためのノズル開閉弁と、ノズル開閉弁を作動させるための弁開閉装置と、弁開閉装置を作動させる作動エアを流通させるためのガン作動エア流路とを含むガンユニットと、塗料を流通させるためのブラケット塗料流路と、塗料を霧化させるための霧化エアを流通させるためのブラケット霧化エア流路と、前記弁開閉装置を作動させる作動エアを流通させるためのブラケット作動エア流路とを含むブラケットユニットとを備えるように構成した。
【0017】
このスプレー装置においては、ブラケット塗料流路の入口側端部から塗料を導入することができるように構成され、ブラケット作動エア流路の入口側端部から作動エアを導入することができるように構成され、ブラケットユニットは、ガンユニットに着脱自在に固定されるように構成され、ブラケットユニットを前記ガンユニットに固定したときに、ガン塗料流路の入口側端部は前記ブラケット塗料流路の出口側端部に接続され、かつ、ガン作動エア流路の入口側端部はブラケット作動エア流路の出口側端部に接続されるように構成される。このスプレー装置では、ノズル開閉弁を作動させて塗料噴出孔を開くと、ガン塗料流路を通る塗料を塗料噴出孔から噴出させ、霧化エア孔から霧化エアを噴出させることによって、塗料噴出孔から噴出した塗料を霧化することができる。この構成により、スプレーガン本体の洗浄時や、スプレーガン本体の交換時や、ノズルの交換時におけるダウンタイムを短縮することができる。
【0018】
このスプレー装置において、ノズル開閉弁は、ガン塗料流路に配置されたニードル弁であり、ニードル弁の先端部が前記噴出孔を開閉するように構成されるのがよい。このスプレー装置において、弁開閉装置は、作動エアによって作動するピストンであり、ニードル弁の後端部は前記ピストンに固定されるのがよい。この構成により、スプレーガン本体の洗浄時や、スプレーガン本体の交換時や、ノズルの交換時におけるダウンタイムを短縮することができる。
【0019】
本発明のスプレー装置はロボットアームに取り付けて使用することができるし、或いは、作業者が手に持って使用することもできる。作動エアの供給源とブラケットユニットの作動エア流路は配管を用いて連結する。霧化エアの供給源と、ブラケットユニットの霧化エア流路は配管を用いて連結する。パターンエアの供給源と、ブラケットユニットのパターンエア流路は配管を用いて連結する。塗料の供給源と、ブラケットユニットの塗料流路は、配管を用いて連結する。ガン固定部材とユニット固定部材を用いてブラケットユニットをガンユニットに対して密着して固定させて、ブラケットユニットとガンユニットとの間で塗料およびエアを確実に流通させることができる。
【0020】
次に、作動エアの供給源から作動エアをガンユニットに送り、ノズル開閉弁を後方に移動させて、塗料を塗料噴出孔から噴出させる。このときに、霧化エアの供給源から霧化エアを導入し、霧化エア孔から霧化エアを噴出させることによって、塗料噴出孔から噴出した塗料を霧化することができる。また、同時に、パターンエアの供給源からパターンエアを導入し、パターンエア孔からパターンエアを噴出させることによって、霧化した塗料のパターンを形成することができる。塗料噴出孔から噴出しない残部の塗料は、塗料供給源(或いは、塗料タンク)に戻すことができる。このようにして、塗料のサーキュレーションラインを構成することができる。或いは、本発明のスプレー装置を用いて、塗料だけでなく、水、接着剤、防錆剤、絶縁剤、コーティング剤、薬剤などの各種液体を自動的に、或いは、手動で噴霧することができる。
【0021】
スプレーガン本体の洗浄時や、スプレーガン本体の交換時や、ノズルの交換時には、ブラケットユニットをガンユニットから取り外すことができる。次に、必要に応じて、スプレー装置のガンユニットをロボットアームから取り外すことができる。次に、必要に応じて、スプレーガン本体を洗浄したり、スプレーガン本体を交換したり、ノズルを交換することができる。或いは、スプレーガン本体の洗浄時や、スプレーガン本体の交換時や、ノズルの交換時には、スプレー装置をロボットアームから取り外すことができる。
【発明の効果】
【0022】
本発明は、スプレー装置において、互いに着脱自在な2つのユニットを含むように構成した。したがって、本発明のスプレー装置は、スプレーガン本体の洗浄時や、スプレーガン本体の交換時や、ノズルの交換時において、接続ホースをスプレー装置から取り外す必要はない。したがって、スプレーガン本体を洗浄したり、スプレーガン本体を交換したり、ノズルを交換するときにおける塗装作業のダウンタイムを短縮することが可能である。また、本発明のスプレー装置は着脱自在なユニット構造であるので、それぞれのユニットを構成する部品の製造および組立が容易である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
(1)スプレー装置の構成:
以下に、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。以下に説明する本発明の実施の形態は、物体に塗料を噴霧するスプレー装置に関するものであるが、本発明に係るスプレー装置は、塗料だけでなく、水、液体タイプの接着剤、液体タイプの防錆剤、液体タイプの絶縁剤、液体タイプのコーティング剤、液体タイプの薬剤などの各種液体に広く応用することができることに注目してほしい。図1から図3を参照すると、本発明の実施の形態において、ノズルの塗料噴出孔から塗装対象物に対して塗料を噴霧するスプレー装置100は、塗料を霧化させて噴出させるためのガンユニット110と、塗料およびエアを受け入れるためのブラケットユニット210と、ガンユニット110とブラケットユニット210を固定するためのユニット固定装置310とを備える。ユニット固定装置310を用いることによって、ブラケットユニット210はガンユニット110に対して着脱自在に固定することができるように構成される。
【0024】
(2)ガンユニットの構成:
図1から図3を参照すると、ガンユニット110は、ベース部材を構成するガン本体112と、ガン本体112の前側に支持されたノズル114と、ノズル114の前側に支持されたエアキャップ120と、ガン本体112に対してエアキャップ120を支持するリテーニングリング130とを備える。ここで、「前方」、「前側」とは、ガンユニット110において、塗料を噴出させる方向、側を示し、「後方」、「後側」とは、ガンユニット110において、塗料を噴出させる方向、側と反対の方向、側を示している。
【0025】
ノズル114は、円筒状に形成され、ノズル中心軸線114Aを定める。ノズル114の先端部は先細り形状に形成される。塗料を噴出させるための塗料噴出孔122がノズル114の先端部に設けられる。ノズル114の内部は、液状の塗料を流通させることができるようになっている。エアキャップ120は、塗料噴出孔122から噴出する塗料を霧化させるようにエアを噴出させるための霧化エア孔124と、塗料噴出孔122から噴出し霧化された塗料のパターンを形成するためのエアを噴出させるためのパターンエア孔126とを有する。ノズル114の先端部は、エアキャップ120のノズル穴の中に配置される。塗料噴出孔122の中心軸線はノズル中心軸線114A上に配置される。エアキャップ120のノズル穴の中心はノズル中心軸線114A上に配置される。
【0026】
霧化エア孔124は、ノズル中心軸線114Aを中心として同心状に複数個配置されるのが好ましい。或いは、霧化エア孔124は、ノズル中心軸線114Aを中心として第1の半径の同心状に複数個配置し、さらに、第1の半径と異なる更なる半径(第2の半径、或いは、第2の半径および第3の半径など)においてノズル中心軸線114Aを中心として、それぞれ同心状に複数個配置することもできる。
【0027】
図2に2個の霧化エア孔124を示すけれども、霧化エア孔124の個数は、2個であってもよいし、3個以上であってもよい。複数の霧化エア孔124は、等しい角度間隔でノズル中心軸線114Aを中心として同心状に配置されるのが好ましい。パターンエア孔126は、ノズル中心軸線114Aを中心として同心状に複数個配置されるのが好ましい。パターンエア孔126は、霧化エア孔124の外側に配置されるのが好ましい。図2に2個のパターンエア孔126を示すけれども、パターンエア孔126の個数は、2個であってもよいし、3個以上であってもよい。複数のパターンエア孔126は、等しい角度間隔でノズル中心軸線114Aを中心として同心状に配置されるのが好ましい。或いは、パターンエア孔126は、ノズル中心軸線114Aを中心として第1の半径の同心状に複数個配置し、さらに、第1の半径と異なる更なる半径(第2の半径、或いは、第2の半径および第3の半径など)においてノズル中心軸線114Aを中心として、それぞれ同心状に複数個配置することもできる。
【0028】
ガンユニット110は、さらに、ノズル114の外側であってガン本体112の前側に配置されたバッフル134を備える。ガンユニット110は、さらに、ガン本体112の内側に配置された後方ハウジング140と、ガン本体112の最後部に配置されたアジャストスクリュー142と、ガン本体112の後方に配置されかつアジャストスクリュー142の位置を決めるためのアジャストロックナット144と、塗料噴出孔122を開閉させるためのニードルすなわちノズル開閉弁150と、ノズル開閉弁150の後部を支持するためのニードルロックナット152と、ニードルロックナット152の外周を支持するためのピストンフランジ154と、ピストンフランジ154の後方の外周を支持するためのリテーナ156と、ピストンフランジ154の前方の外周を支持するためのピストンカップ158とを備える。ノズル開閉弁150の中心軸線はノズル中心軸線114Aに配置される。リテーナ156は、セットスクリュー146によってピストンフランジ154に固定される。ハウジングシール部材145が、後方ハウジング140と、ノズル開閉弁150の外周部とをシールするために、後方ハウジング140の内側に設けられる。
【0029】
ノズル開閉弁150の中心軸線はノズル中心軸線114A上に配置される。ニードルロックナット152は、ノズル開閉弁150の後部外側に形成された雄ねじに、ねじ締め固定される。ニードルロックナット152、ピストンフランジ154、リテーナ156、ピストンカップ158は、ノズル開閉弁150とともに一体となって、ノズル中心軸線114Aにそって前後方向に移動することができるように構成される。ノズル開閉弁150が前後方向に移動すると、ノズル開閉弁150の前方先端部によって塗料噴出孔122を開閉させることができるように構成される。
【0030】
アジャストロックナット144は、ガン本体112の後部外側に形成された雄ねじに、ねじ締め固定される。アジャストスクリュー142は、ガン本体112の後部外側に形成された雄ねじにねじ締め固定される。アジャストスクリュー142の中心軸線はノズル中心軸線114A上に配置される。アジャストロックナット144によって、アジャストスクリュー142の位置を決めることができる。空気抜き穴142аがアジャストスクリュー142の中心軸線上に設けられる。
【0031】
ガンユニット110は、さらに、ノズル開閉弁150を前方向に押すためのスプリングすなわちピストンばね160を有する。ピストンばね160は、例えば、コイルスプリングで構成することができる。ピストンばね160の後部は、アジャストスクリュー142の内側に接触するように配置される。ピストンばね160の前部は、ピストンカップ158を前方に向って押すようにピストンカップ158に接触して配置される。ピストンばね160の中心軸線はノズル中心軸線114Aに配置される。アジャストスクリュー142と、ニードルロックナット152と、ピストンフランジ154と、リテーナ156と、ピストンカップ158と、ピストンばね160は、ノズル開閉弁150を作動させるための弁開閉装置を構成する。アジャストスクリュー142と、ニードルロックナット152と、ピストンフランジ154と、リテーナ156と、ピストンカップ158が後方に移動するとき、アジャストスクリュー142の内部の空気を空気抜き穴142аから外部に排出することができる。
【0032】
塗料を流通させるためのガン塗料流路170が、ガンユニット110の内部に設けられる。ガン塗料流路170の一部は、ノズル114の内壁とノズル開閉弁150との間に配置される。ガン塗料流路170の下流側は、塗料噴出孔122に流通するように構成される。ガン塗料流路170の入口側端部から塗料噴出孔122に向って塗料を送ることができるように構成される。この構成では、ノズル開閉弁150は、ガン塗料流路170に配置されたニードル弁である。したがって、前記ニードル弁の先端部が塗料噴出孔122を開閉することができるように構成される。塗料を戻すためのガン塗料戻し流路148が、ガンユニット110の内部に設けられる。
【0033】
霧化エアを流通させるためのガン霧化エア流路172が、ガンユニット110の内部に設けられる。ガン霧化エア流路172の一部は、バッフル134の内壁とノズル114の外壁との間に配置される。ガン霧化エア流路172の下流側は、霧化エア孔124に流通するように構成される。ガン霧化エア流路172の入口側端部から霧化エア孔124に向って霧化エアを送ることができるように構成される。
【0034】
パターンエアを流通させるためのガンパターンエア流路174が、ガンユニット110の内部に設けられる。ガンパターンエア流路174の一部は、リテーニングリング130の内壁とバッフル134の外壁との間に配置される。ガンパターンエア流路174の下流側は、パターンエア孔126に流通するように構成される。ガンパターンエア流路174の入口側端部からパターンエア孔126に向ってパターンエアを送ることができるように構成される。
【0035】
弁開閉装置を作動させる作動エアを流通させるためのガン作動エア流路180が、ガンユニット110の内部に設けられる。ガン塗料流路170の一部は、ガン本体112の後部内壁と後方ハウジング140の後部外壁および後端部との間に配置される。ガン作動エア流路180の下流側は、ピストンフランジ154の前端部およびピストンカップ158の前端部に設けられたシリンダ室182に流通するように構成される。ガン作動エア流路180の入口側端部からシリンダ室182に作動エアを送ることができるように構成される。この構成では、弁開閉装置は、シリンダ室182に送られた作動エアによって作動するピストンである。したがって、ノズル開閉弁150(すなわち、ニードル弁)の後端部はピストン、すなわち、ニードルロックナット152、ピストンフランジ154、リテーナ156、ピストンカップ158に対して固定される。
【0036】
(3)ブラケットユニットの構成:
図1から図3を参照すると、ブラケットユニット210は、ブラケットユニットのベース部材を構成するブラケット本体212を含む。弁開閉装置を作動させる作動エアを流通させるためのブラケット作動エア流路280が、ブラケット本体212の内部に設けられる。作動エア用継手284がブラケット作動エア流路280の入口側端部に設けられる。作動エアの供給源と作動エア用継手284は、接続ホース(図示せず)などの配管部材を用いて連結することができる。ブラケット作動エア流路280の入口側端部から作動エアをスプレー装置100に導入することができるように構成される。ブラケットユニット210をガンユニット110に固定したときに、ガン作動エア流路180の入口側端部はブラケット作動エア流路280の出口側端部に接続されるように構成される。この接続部にはOリングを配置するのが好ましい。Oリングは、ブラケットユニット210に設けてもよいし、あるいは、ガンユニット110に設けてもよいし、両方に設けてもよい。
【0037】
図1から図3を参照すると、霧化エアを流通させるためのブラケット霧化エア流路272が、ブラケット本体212の内部に設けられる。霧化エア用継手276がブラケット霧化エア流路272の入口側端部に設けられる。霧化エアの供給源と霧化エア用継手276は、接続ホース(図示せず)などの配管部材を用いて連結することができる。ブラケット霧化エア流路272の入口側端部から霧化エアをスプレー装置100に導入することができるように構成される。ブラケットユニット210をガンユニット110に固定したときに、ガン霧化エア流路172の入口側端部はブラケット霧化エア流路272の出口側端部に接続されるように構成される。この接続部にはOリングを配置するのが好ましい。Oリングは、ブラケットユニット210に設けてもよいし、あるいは、ガンユニット110に設けてもよいし、両方に設けてもよい。
【0038】
図4および図6を参照すると、パターンエアを流通させるためのブラケットパターンエア流路274が、ブラケット本体212の内部に設けられる。パターンエア用継手278がブラケットパターンエア流路274の入口側端部に設けられる。パターンエアの供給源とパターンエア用継手278は、接続ホース(図示せず)などの配管部材を用いて連結することができる。ブラケットパターンエア流路274の入口側端部からパターンエアをスプレー装置100に導入することができるように構成される。ブラケットユニット210をガンユニット110に固定したときに、ガンパターンエア流路174の入口側端部はブラケットパターンエア流路274の出口側端部に接続されるように構成される。この接続部にはOリングを配置するのが好ましい。Oリングは、ブラケットユニット210に設けてもよいし、あるいは、ガンユニット110に設けてもよいし、両方に設けてもよい。
【0039】
図3および図6を参照すると、塗料を通すためのブラケット塗料流路270が、ブラケット本体212の内部に設けられる。塗料入口用継手262がブラケット塗料流路270の入口側端部に設けられる。塗料の供給源と塗料入口用継手262は、接続ホース(図示せず)などの配管部材を用いて連結することができる。ブラケット塗料流路270の出口側端部から塗料をスプレー装置100に導入することができるように構成される。ブラケットユニット210をガンユニット110に固定したときに、ガン塗料流路170の入口側端部はブラケット塗料流路270の出口側端部に接続されるように構成される。この接続部にはOリングを配置するのが好ましい。すなわち、ブラケットユニット210をガンユニット110に固定したときに、ブラケットユニット210が受け入れる塗料およびエアはガンユニット110に流通するように構成される。Oリングは、ブラケットユニット210に設けてもよいし、あるいは、ガンユニット110に設けてもよいし、両方に設けてもよい。
【0040】
本発明に係るスプレー装置を水、液体タイプの接着剤、液体タイプの防錆剤、液体タイプの絶縁剤、液体タイプのコーティング剤、液体タイプの薬剤などの液体に応用する場合、その噴霧すべき液体の供給源と、塗料入口用継手262(すなわち、このような場合は「液体入口用継手」として構成される継手)は、接続ホース(図示せず)などの配管部材を用いて連結することができる。
【0041】
図3を参照すると、塗料を流通させるためのブラケット塗料戻し流路250が、ブラケット本体212の内部に設けられる。塗料出口用継手252がブラケット塗料戻し流路250の入口側端部に設けられる。塗料供給源(或いは、塗料タンク)と塗料出口用継手252は、接続ホース(図示せず)などの配管部材を用いて連結することができる。ブラケット塗料戻し流路250の出口側端部を介して、塗料をスプレー装置100から塗料供給源(或いは、塗料タンク)などに戻すことができるように構成される。ブラケットユニット210をガンユニット110に固定したときに、ガン塗料戻し流路148の入口側端部はブラケット塗料戻し流路250の出口側端部に接続されるように構成される。この接続部にはOリングを配置するのが好ましい。Oリングは、ブラケットユニット210に設けてもよいし、あるいは、ガンユニット110に設けてもよいし、両方に設けてもよい。
【0042】
本発明に係るスプレー装置を水、液体タイプの接着剤、液体タイプの防錆剤、液体タイプの絶縁剤、液体タイプのコーティング剤、液体タイプの薬剤などの液体に応用する場合、その液体供給源(或いは、液体タンク)と、塗料出口用継手252(すなわち、このような場合は「液体出口用継手」として構成される継手)は、接続ホース(図示せず)などの配管部材を用いて連結することができる。本発明のスプレー装置は、ガンユニットとブラケットユニットを含むユニット構造であるので、各構成部品の製造工程が簡単であって、部品の組立が容易である。
【0043】
(4)ユニット固定装置の構成:
図1から図3を参照すると、スプレー装置100において、ブラケットユニット210は、ユニット固定装置310を用いてガンユニット110に着脱自在に固定されるように構成される。ユニット固定装置310は、ガン固定部材320と、ユニット固定部材350とを含む。ガンユニット110は、ブラケットユニット210をガンユニット110に対して固定するためのガン固定部材320と、ブラケットユニット210をガンユニット110に対して固定するときの案内を行う固定案内部材322を含む。固定案内部材322は案内ピンで構成することができる。固定案内部材322を摺動可能に受け入れるための固定案内穴がブラケット本体212に設けられる。
【0044】
図7および図8を参照すると、ガン固定部材320は、位置決めボルトで構成される。ガン固定部材320は、上方先端軸部321と、雄ねじ部322と、外周帯状部323、324、325と、固定用溝部326とを含む。雄ねじ部322は、ガン本体112に形成した雌ねじ部に対してねじ締め固定される。固定用溝部326は、ガン固定部材320の長手方向軸線に対して斜めに形成された(すなわち、らせん状に形成された)斜め溝部330と、斜め溝部330に連続して下端部まで形成された長手方向溝部332と、斜め溝部330に連続して上方に形成された水平溝部334で構成される。例えば、斜め溝部330は、リード6.0で長手方向軸線のまわりに120度形成され、その後、水平溝部334が60度形成される。例えば、斜め溝部330の長手方向軸線にそう方向の幅は4mmで構成される。
【0045】
ガン固定部材320の中心軸線は、固定案内部材322の中心軸線と平行になるように配置される。ガン固定部材320の外周帯状部323、324、326に摺動可能に嵌め合うことができるブラケット組み込み穴がブラケット本体212に設けられる。
【0046】
図9および図10を参照すると、ユニット固定装置310は、さらに、固定用溝部326に対して固定可能なロック固定部を有するユニット固定部材350を備える。ユニット固定部材350は、ロックカラーで構成するのがよい。必要に応じて、ロックカラーの先端面にウェーブワッシャ380(図9および図10に仮想線で示す)を設けてもよい。ユニット固定部材350は、斜め溝部330に嵌合することができるように形成された固定用突起部352と、ガン固定部材320の外周帯状部325に摺動可能に嵌め合うことができるユニット固定案内穴354と、外周に設けられた外周溝部356とを有する。固定用突起部352は、ユニット固定部材350の長手方向軸線に対して垂直に固定された固定ピンで構成するのがよい。図1を参照すると、ユニット固定部材350をブラケット本体212に保持するためのユニット保持ねじ370を受け入れるユニット保持ねじ穴がブラケット本体212に設けられる。ユニット保持ねじ穴の中心軸線は、ノズル中心軸線114Aと平行に配置するのが好ましい。
【0047】
図10を参照すると、ユニット固定部材350を回転させるためのハンドル360が、ユニット固定部材350の長手方向軸線に対して垂直なハンドル基準線360Aを中心として回転可能にユニット固定部材350に取り付けられる。例えば、ハンドル360は、開角が180度に形成されたリング形状を有するのがよい。ハンドル360は、ユニット固定部材350に固定したハンドルピン362に対して回転可能なように設けられる。ハンドルピン362の中心軸線は、ハンドル基準線360Aに配置される。ハンドル360の表面を含む平面がユニット固定部材350の長手方向軸線に対して垂直に配置されたときに、ハンドル360の回転を規制するための回転規制部366がハンドル360の内周部に設けられる。
【0048】
或いは、ブラケットユニット210は、ボルトおよびナットなどの公知の締結部材を用いてガンユニット110に固定することもできる。例えば、六角穴付きの通しボルトを用いてブラケットユニット210をガンユニット110に固定することもできる。
【0049】
(5)スプレー装置の作動:
図1および図12を参照すると、スプレー装置100はロボットアーム400に取り付けて使用することができる。或いは、スプレー装置100は、作業者が手にもって使用することもできる。例えば、作動エアの供給源と、スプレー装置100のブラケットユニット210の作動エア用継手284は、接続ホース410などの配管を用いて連結する。霧化エアの供給源と、ブラケットユニット210の霧化エア用継手276は、接続ホース410などの配管を用いて連結する。パターンエアの供給源と、ブラケットユニット210のパターンエア用継手278は、接続ホース410などの配管を用いて連結する。
【0050】
塗料の供給源と、ブラケットユニット210の塗料入口用継手262は、接続ホース410などの配管を用いて連結する。塗料の供給は、塗料の供給源とスプレー装置100との間の配管の途中に設けたポンプ(図示せず)を用いて行うことができる。塗料供給源(或いは、塗料タンク)と、ブラケットユニット210の塗料出口用継手252は、接続ホース410などの配管を用いて連結する。使用する塗料として、ソリッド塗料を用いることもできるし、メタリック塗料を用いることもできる。有機溶剤入りの塗料を用いることができる。また、アルミ粉末入りの塗料を用いることができる。
【0051】
ブラケットユニット210のブラケット本体212の固定案内穴をガンユニット110の固定案内部材322に嵌め、ブラケット本体212のブラケット組み込み穴をガン固定部材320に嵌めて、ブラケットユニット210をガンユニット110に対して密着させる。ユニット固定部材350の固定用突起部352をガン固定部材320の長手方向溝部332に合わせて、ユニット固定部材350をガン固定部材320に組み込む。ユニット保持ねじ370をユニット保持ねじ穴にねじ込み、ユニット保持ねじ370の先端部をユニット固定部材350の外周溝部356に位置決めして、ユニット固定部材350をブラケット本体212に対して保持する。ハンドル360を回転させることにより、固定用突起部352を斜め溝部330にそって回転させる。このようなハンドル360の回転によって、ユニット固定部材350はガン固定部材320に密着する方向に移動する。ハンドル360をさらに回転させると、ユニット固定部材350の固定用突起部352は、ガン固定部材320の水平溝部334に入る。このようにして、ユニット固定部材350をガン固定部材320に固定することができる。その後、ハンドルピン362を中心としてハンドル360を回転させ、回転規制部366によりハンドルピン362を、ユニット固定部材350の長手方向軸線に対して垂直に配置して、ハンドル360を収納状態に位置決めする。ロックカラーの先端面にウェーブワッシャ380を設けることにより、ブラケットユニット210をガンユニット110に対して確実に密着させることができる。それぞれの流路の接続部にOリングを配置することにより、ブラケットユニット210とガンユニット110との間で塗料およびエアを確実に流通させることができる。
【0052】
次に、スプレー装置100のガンユニット110をロボットアーム400に固定する。この固定には、ボルト420、ナット422などの締結部材を使用することができる。或いは、スプレー装置100のガンユニット110をロボットアーム400に固定した後に、ブラケットユニット210をガンユニット110に固定することもできる。この場合、ブラケットユニット210をガンユニット110に固定した後に接続ホース410をブラケットユニット210に連結することもできるし、或いは、接続ホース410をブラケットユニット210に連結した後に、ブラケットユニット210をガンユニット110に固定することもできる。
【0053】
次に、作動エアの供給源から接続ホース410、ブラケット作動エア流路280、ガン作動エア流路180を介して作動エアをシリンダ室182に送り、弁開閉装置を後方に移動させ、ノズル開閉弁150、すなわち、ニードル弁を後方に移動させる。ノズル開閉弁150が後方に移動すると、塗料噴出孔122が開き、塗料を塗料噴出孔122から噴出させることができる。作動エアとして、例えば、3〜4MPa/cm2 程度の圧縮空気を用いることができる。
【0054】
このときに、霧化エアの供給源から接続ホース410、ブラケット霧化エア流路272、ガン霧化エア流路172を介して霧化エアを導入し、霧化エア孔124から霧化エアを噴出させることによって、塗料噴出孔122から噴出した塗料を霧化することができる。霧化エアとして、例えば、2MPa/cm2 程度の圧縮空気を用いることができる。霧化エアの圧力と、霧化エア孔124の数および配置を変えることによって、塗料の霧化状態を調整することができる。
【0055】
また、同時に、パターンエアの供給源から接続ホース410、ブラケットパターンエア流路274、ガンパターンエア流路174を介してパターンエアを導入し、パターンエア孔124からパターンエアを噴出させることによって、霧化した塗料のパターンを形成することができる。パターンエアとして、例えば、2MPa/cm2 程度の圧縮空気を用いることができる。パターンエアの圧力と、パターンエア孔124の数および配置を変えることによって、塗料のパターン形状を調整することができる。
【0056】
塗料噴出孔122から噴出しない残部の塗料は、ガン塗料戻し流路148、ブラケット塗料戻し流路250、接続ホース410を介して塗料供給源(或いは、塗料タンク)に戻すことができる。このようにして、塗料のサーキュレーションラインを構成することができる。或いは、本発明のスプレー装置を用いて、塗料だけでなく、水、接着剤、防錆剤、絶縁剤、コーティング剤、薬剤などの各種液体を自動的に、或いは、手動で噴霧することができる。
【0057】
塗装作業を終了するときは、作動エアの供給を停止させ、ピストンばね160のばね力によって弁開閉装置を前方に移動させ、ノズル開閉弁150、すなわち、ニードル弁を前方に移動させる。ノズル開閉弁150が前方に移動すると、塗料噴出孔122が閉じ、塗料噴出孔122からの塗料の噴出を停止させることができる。同時に、霧化エアの供給を停止させ、パターンエアの供給を停止させることができる。
【0058】
スプレーガン本体の洗浄時や、スプレーガン本体の交換時や、ノズルの交換時には、ハンドル360を回転させることにより、固定用突起部352を斜め溝部330にそって回転させて、ユニット固定部材350をガン固定部材320から離れる方向(下方向)に移動させ、ユニット固定部材350をガン固定部材320から取り外すことができる。次に、ブラケットユニット210をガンユニット110から取り外すことができる。次に、必要に応じて、スプレー装置100のガンユニット110をロボットアーム400から取り外すことができる。次に、必要に応じて、スプレーガン本体を洗浄したり、スプレーガン本体を交換したり、ノズルを交換することができる。
【0059】
或いは、スプレーガン本体の洗浄時や、スプレーガン本体の交換時や、ノズルの交換時には、スプレー装置100をロボットアーム400から取り外すことができる。次に、ハンドル360を回転させることにより、固定用突起部352を斜め溝部330にそって回転させて、ユニット固定部材350をガン固定部材320から離れる方向(下方向)に移動させ、ユニット固定部材350をガン固定部材320から取り外すことができる。次に、ブラケットユニット210をガンユニット110から取り外すことができる。次に、必要に応じて、スプレーガン本体を洗浄したり、スプレーガン本体を交換したり、ノズルを交換することができる。
【0060】
本発明のスプレー装置は、スプレーガン本体の洗浄時や、スプレーガン本体の交換時や、ノズルの交換時において、接続ホースをスプレー装置から取り外す必要はない。したがって、スプレーガン本体を洗浄したり、スプレーガン本体を交換したり、ノズルを交換するときにおける塗装作業のダウンタイムを短縮することが可能である。
【0061】
(6)スプレー装置の効果:
保守点検の為、ロボットアームからコンパクト自働ガンを取り外す際、従来品のスプレー装置は、塗料用チューブとエア用チューブを全て外してからでないと、スプレーガンをロボットアームから取り外すことはできなかった。このようにチューブを全て外してからスプレーガンを取り外して、交換品を取り付けるまでの作業に要する時間は、本発明の発明者の実験によると、平均して2分30秒(5回の平均値)である。これに対して、本発明のスプレー装置はワンタッチ着脱ができるので、ブラケットユニットをガンユニットから取り外し、スプレーガンを取り外して、交換品を取り付けるまでの作業に要する時間は、平均して6秒から7秒で完了することができる。このようなスプレーガンの交換に要する作業時間に関して、例えば自動車メーカにおいて、生産ラインのコンベアを1分間止めると多大な損害が発生することが知られている。したがって、本発明のスプレー装置を用いると、スプレーガンの交換に要する作業時間を大幅に短縮することができるので、コンベアの停止による損害の発生を大幅に削減することができる。
【産業上の利用可能性】
【0062】
本発明のスプレー装置は、スプレーガン本体の洗浄時や、スプレーガン本体の交換時や、ノズルの交換時におけるダウンタイムを短縮することが可能であって、短いロス時間で塗料を噴霧することができる。さらに、本発明のスプレー装置は、塗料だけでなく、水、接着剤、防錆剤、絶縁剤、コーティング剤、薬剤などの各種液体を噴霧することができる。本発明のスプレー装置は、構成部品の製造および組立が容易であるので、簡易な工程で製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【0063】
【図1】本発明の実施形態において、スプレー装置の構造を示す縦断面図である。
【図2】本発明の実施形態において、スプレー装置の構造を示す正面図である。
【図3】本発明の実施形態において、スプレー装置の構造を示す背面図である。
【図4】本発明の実施形態において、図1のA−Aにおける横断面図である。
【図5】本発明の実施形態において、図4のB−Bにおける横断面図である。
【図6】本発明の実施形態において、図4のC−Cにおける横断面図である。
【図7】本発明の実施形態において、ガン固定部材の構造を示す側面図である。
【図8】本発明の実施形態において、図9のD部を示す部分拡大図である。ここで、図8(a)は固定用溝部の横断面図であり、図8(b)は部分側面図であり、図8(c)は(b)に対して直角方向から見た部分側面図である。
【図9】本発明の実施形態において、ユニット固定部材の構造を示す縦断面図である。
【図10】本発明の実施形態において、ユニット固定部材の構造を示す正面図である。
【図11】本発明の実施形態において、ハンドルの構造を示す図である。ここで、図11(a)はハンドルの正面図であり、図11(b)はハンドルの側面図であり、図11(c)はハンドルの下面図である。
【図12】本発明の実施形態において、スプレー装置をロボットアームに取り付けた状態を示す上面図である。
【図13】従来のスプレー装置をロボットアームに取り付けた状態を示す側面図である。
【符号の説明】
【0064】
100 スプレー装置
110 ガンユニット
112 ガン本体
114 ノズル
120 エアキャップ
122 塗料噴出孔
124 霧化エア孔
126 パターンエア孔
130 リテーニングリング
134 バッフル
140 後方ハウジング
142 アジャストスクリュー
144 アジャストロックナット
145 ハウジングシール部材
146 セットスクリュー
148 ガン塗料戻し流路
150 ノズル開閉弁(ニードル)
152 ニードルロックナット
154 ピストンフランジ
156 リテーナ
158 ピストンカップ
160 ピストンばね(スプリング)
170 ガン塗料流路
172 ガン霧化エア流路
174 ガンパターンエア流路
180 ガン作動エア流路
182 シリンダ室
210 ブラケットユニット
212 ブラケット本体
250 ブラケット塗料戻し流路
270 ブラケット塗料流路
272 ブラケット霧化エア流路
274 ブラケットパターンエア流路
280 ブラケット作動エア流路
310 ユニット固定装置
320 ガン固定部材
350 ユニット固定部材
360 ハンドル
【出願人】 【識別番号】591274059
【氏名又は名称】ランズバーグ・インダストリー株式会社
【出願日】 平成18年6月20日(2006.6.20)
【代理人】 【識別番号】100082005
【弁理士】
【氏名又は名称】熊倉 禎男

【識別番号】100067013
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 文昭

【識別番号】100065189
【弁理士】
【氏名又は名称】宍戸 嘉一

【識別番号】100088694
【弁理士】
【氏名又は名称】弟子丸 健

【識別番号】100103609
【弁理士】
【氏名又は名称】井野 砂里

【識別番号】100098693
【弁理士】
【氏名又は名称】北村 博


【公開番号】 特開2008−649(P2008−649A)
【公開日】 平成20年1月10日(2008.1.10)
【出願番号】 特願2006−170187(P2006−170187)