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サイクロン集塵装置 - 特開2008−296221 | j-tokkyo
トップ :: B 処理操作 運輸 :: B04 物理的または化学的工程を行なうための遠心装置または機械

【発明の名称】 サイクロン集塵装置
【発明者】 【氏名】酒井 大輔

【氏名】小林 朋生

【氏名】関根 加津典

【氏名】小林 昭彦

【氏名】岩原 明弘

【氏名】乳井 一夫

【氏名】長田 正史

【要約】 【課題】簡素な構造によって、吸引する空気量が変化した場合でも塵埃の捕集性能を維持することができるサイクロン集塵装置を得ることを目的とする。

【解決手段】吸気管1と排気管6とを連結する連結管16を設けて連結管16の内部にアクチュエータ11によって移動される移動体7を配置する。移動体7は吸気管1と排気管6との圧力差によって移動して吸引口3の開口面積を変更するから、吸気口3における流入速度が自動的に最適に維持される。また、吸気口3におけるごみ詰まり検知手段12を設けてその検知信号に基づいて、アクチュエータ11が開口面積を最大にするように移動体7を移動させる。さらに、運転停止時には、吸引口3を閉塞するようにアクチュエータ11が移動体7を移動させる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
塵埃が混合した空気でなる吸気を旋回させて塵埃と空気とを分離するサイクロン室と、
該サイクロン室の吸気口に設置されて前記吸気を吸引する吸気管と、
該サイクロン室の排気口に設置されて塵埃が分離された空気でなる排気を排出する排気管と、
前記吸気管と前記排気管を連結する連結管と、
該連結管の内部に配置されて前記吸気管における吸気の圧力と前記排気管における排気の圧力との圧力差によって移動し、且つ前記吸気口の開口面積を変更する移動体とを有し、
前記移動体にアクチュエータが設置または当接され、該アクチュエータが前記移動体を移動して前記吸気口を閉塞することを特徴とするサイクロン集塵装置。
【請求項2】
前記移動体と前記吸気口との隙間における塵埃詰まりを検知する塵埃詰まり検知手段と、
前記移動体を移動させるアクチュエータとを有し、
前記塵埃詰まり検知手段からの塵埃詰まり信号に基づいて、前記アクチュエータが前記開口面積を最大にするように前記移動体を移動させることを特徴とする請求項1記載のサイクロン集塵装置。
【請求項3】
前記塵埃詰まり検知手段が、前記排気管を流れる排気の流量を測定する流量センサを有することを特徴とする請求項2記載のサイクロン集塵装置。
【請求項4】
前記塵埃詰まり検知手段が、前記移動体に作用する力を検知する荷重センサ、前記移動体の移動する移動速度若しくは移動加速度を検知する速度センサ、または前記移動体と前記吸気口との隙間に詰まった塵埃を直接検知する材料確認センサの何れかを有することを特徴とする請求項2記載のサイクロン集塵装置。
【請求項5】
前記塵埃詰まり検知手段が、前記吸気管における吸気の圧力と前記排気管における排気の圧力との圧力差を測定する圧力センサを有することを特徴とする請求項2記載のサイクロン集塵装置。
【請求項6】
塵埃が混合した空気でなる吸気を旋回させて塵埃と空気とを分離するサイクロン室と、
該サイクロン室の吸気口に設置されて前記吸気を吸引する吸気管と、
該サイクロン室の排気口に設置されて塵埃が分離された空気でなる排気を排出する排気管と、
前記吸気口の開口面積を変更自在な移動体と、
該移動体を移動させるアクチュエータと、
前記移動体と前記吸気口との隙間における塵埃詰まりを検知する塵埃詰まり検知手段とを有し、
前記塵埃詰まり検知手段からの塵埃詰まり信号に基づいて、前記アクチュエータが前記開口面積を最大にするように前記移動体を移動させることを特徴とするサイクロン集塵装置。
【請求項7】
前記塵埃詰まり検知手段が、前記排気管を流れる排気の流量を測定する流量センサを有することを特徴とする請求項6記載のサイクロン集塵装置。
【請求項8】
前記塵埃詰まり検知手段が、前記移動体に作用する力を検知する荷重センサ、前記移動体の移動する移動速度若しくは移動加速度を検知する速度センサ、または前記移動体と前記吸気口との隙間に詰まった塵埃を直接検知する材料確認センサの何れかを有することを特徴とする請求項6記載のサイクロン集塵装置。
【請求項9】
前記塵埃詰まり検知手段が、前記吸気管における吸気の圧力と前記排気管における排気の圧力との圧力差を測定する圧力センサを有することを特徴とする請求項6記載のサイクロン集塵装置。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明はサイクロン集塵装置、特に、電気掃除機に好適なサイクロン集塵装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
サイクロン集塵装置は、塵埃が混合した空気(以下、混合気と称す)を筒体内において旋回させ、比重差を利用して塵埃と空気とを分離する装置であって、様々な分野で使用されている。たとえば、家庭用としては主に電気掃除機に設置されている。
また、サイクロン集塵装置は吸気口における混合気の流入風速を15〜25m/sの範囲に設定することにより、十分な捕集性能が得られることがわかっている。
【0003】
図10は従来の電気掃除機の一例を示す概略図である。図10において、混合気は床面Fに面した吸込み口101を有する吸込み口体102から吸引され、吸込み口体101に接続された接続管103を経由して、掃除機本体104に設置されたサイクロン集塵装置の吸気管1に流れ込む。
【0004】
そして、混合気は、円筒型のサイクロン室2の内壁に接するように設けられた吸気口3からサイクロン室2に流れ込み、サイクロン室2内で旋回する。
したがって、混合気に混入した比重の大きい塵埃は、遠心力によって壁面側に飛ばされ、サイクロン室2の底部にある集塵室4に落下して蓄積される。
一方、塵埃を含まない空気はサイクロン室2の中心に設けられた排気口5を通して排気管6に流れ込み、ブロアモータ105によって掃除機本体104から機外に排出される。
【0005】
また、電気掃除機の接続管103の途中には、電源の入切スイッチおよび通電電力の強弱を調整する強弱スイッチにより構成された手元スイッチ106が設けられている。
これより、絨毯等のしつこい汚れの掃除を行う場合には、通電電力を強めることによりモータの回転数を増やして強い吸引力を発生させる。一方、音が気になる夜間の場合やマットの掃除を行う場合には、通電電力を弱めることによりモータの回転数を減らし、騒音値を低くしたりマットヘの張り付きを無くしたりする。このように、電気掃除機は風量を変化させて使用するものである。
【0006】
しかしながら、サイクロン集塵装置に流れ込む風量が少なくなった場合、吸気口3での流入風速が遅くなり、塵埃は分離しにくくなってサイクロン集塵装置の捕集性能は低下する。一方、サイクロン集塵装置に流れ込む風量が多くなった場合は、吸気口3における流入風速が速くなり、塵埃は分離しやすくなってサイクロン集塵装置の捕集性能は高まるものの、圧力損失が過剰に高くなる。このため、以下のような技術が提案されている。
【0007】
図11は従来の入口流路可変式分離機を示す平断面図である。図11において、サイクロン本体201の流入路202に、流入面積を調整するスライドゲート210が配設されている。すなわち、大流量の場合はスライドゲート210を開き、少ない流量になるに従ってスライドゲート210を閉じて、流入速度をほぼ一定に保つものである。よって、大流量から小流量に渡って分離性能を十分に発揮している(例えば、特許文献1参照)。
【0008】
図12は従来のサイクロン装置の模式図である。図12において、サイクロン301の入口部307には可動翼板310が支軸311の軸心廻りに開動自在に設けられている。支軸311には駆動アーム312が固定され、駆動アーム312にはシリンダ装置313(可動翼板310を駆動する)が連結され、さらに、シリンダ装置313にはその駆動を制御するPID制御装置314が接続されている。
そして、入口部307における流入ガス圧と出口部309における流出ガス圧との圧力差(サイクロン装置の圧力損失に相当)を計測する差圧計315が設けられ、その計測値がPID制御装置314に入力される。
したがって、該計測値が設定値を下回(上回)ることは、流入ガス306の流入量が減少(増大)して入口部307におけるガス流速が低下(上昇)したことを示すものであり、PID制御装置314は該計測値に応じてシリンダ装置313を操作して可動翼板310を閉動(開動)する。
すなわち、入口部307における流路幅を狭め(広げ)て流入ガス306に対する圧力損失を設定値にまで高め(落とし)、入口部307における流入ガス306の流速を回復して塵埃の回収率を安定化するものである(例えば、特許文献2参照)。
【0009】
【特許文献1】実開昭61−187259号公報(第3−4頁、第1図)
【特許文献2】特開平11−90274号公報(第2−3頁、図1)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかしながら、前記従来技術は何れも、
(1)流入ガス圧と流出ガス圧との圧力差を計測するための差圧計と、
(2)流路幅を変更するスライドゲートまたは可動翼板を駆動するための駆動手段と、
(3)前記差圧計の計測値に基づいて、前記駆動手段を制御する制御手段とを必要としている。
【0011】
このため、以下のような問題点があった、
(i) サイクロン集塵装置を構成する部品点数が増大して機構が複雑になり、サイクロン集塵装置自体が大きく且つ重くなる。
(ii)また、サイクロン集塵装置の製造コストが上昇する。
(iii) 特に、電気掃除機に設置する場合には、該電気掃除機の外観デザインの自由度が阻害される。
(iv)さらに、小流量の状態で大きなゴミを吸引して大きなゴミがスライドゲートまたは可動翼板と流入路の内面との隙間に引っかかり詰まった場合、その撤去が困難である。
(v) サイクロン集塵装置を横向きの姿勢で使用した場合、分離・回収された塵埃が入り口部から流入路内に浸入する。
【0012】
本発明は、このような問題点を解決するためになされたものであり、簡素な構造によって、吸引する空気量が変化した場合でも塵埃の捕集性能(回収性能)を維持することができるサイクロン集塵装置を得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明に係るサイクロン集塵装置は、塵埃が混合した空気でなる吸気を旋回させて塵埃と空気とを分離するサイクロン室と、
該サイクロン室の吸気口に設置されて前記吸気を吸引する吸気管と、
該サイクロン室の排気口に設置されて塵埃が分離された空気でなる排気を排出する排気管と、
前記吸気管と前記排気管を連結する連結管と、
該連結管の内部に配置されて前記吸気管における吸気の圧力と前記排気管における排気の圧力との圧力差によって移動し、且つ前記吸気口の開口面積を変更する移動体とを有し、
前記移動体にアクチュエータが設置または当接され、
前記圧力差がゼロになった際、前記アクチュエータが前記移動体を移動して前記吸気口を閉塞することを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、圧力差がゼロになった際、アクチュエータによって移動された移動体が吸気口を閉塞するから、移動体と吸引口との隙間に引っかかったゴミは取り除かれる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
[参考にした形態]
図1は、本発明の参考にしたサイクロン集塵装置の断面図である。吸気管1から流れ込んだ塵埃が混合した空気(以下、吸気と称す)は、円筒型のサイクロン室2内に接するように設けられた吸気口3からサイクロン室2に流れ込み、サイクロン室2内で旋回する。
ここで、比重の大きい塵埃(粒状、塊状等)は遠心力によってサイクロン室2の壁面側に飛ばされて空気と分離される。分離した塵挨はサイクロン室2の底部にある集塵室4に落下し蓄積される。一方、塵挨が分離された後の空気(以下、排気と称す)はサイクロン室2の中心に設けられた排気口5を通して排気管6に流れ込む。
【0016】
また、吸気管1と排気管6とを連結する連結管16が設けられ、連結管16内に移動体7が配置されている。
移動体7は、バネ8によって吸気管1側に突出する方向に付勢され、該突出量によって吸気口3の開口面積S3が変動するものである。なお、バネ8は、移動体7を押し出す圧縮バネ(反発力を利用)であっても、移動体7を牽引する引っ張りバネ(収縮力を利用)であってもよい。また、バネ8はコイルバネに限定するものではなく、板バネであってもよい。さらに、当該作用を発揮するウレタン樹脂等の弾性体ブロックであってもよい。
【0017】
図2は、図1における移動体に作用する力を説明する部分断面図である。なお、図1と同じ部分にはこれと同じ符号を付し、一部の説明を省略する。図2において、移動体7は連結管16に気密的且つ摺動自在に配置されているため、移動体7には排気管6における排気の圧力P6(以下、排気圧P6と称す)と吸気管1における吸気の圧力P1(以下、吸気圧P1と称す)が互いに対向する方向に作用している。
すなわち、移動体7には該圧力の差P16(P16=P1−P6、以下、差圧P16と称す)が作用する。ここで、差圧P16はサイクロン集塵装置の前後圧力差と等しいため、サイクロン集塵装置の圧力損失と考えることができる。
【0018】
また、移動体7は、吸気口3が閉じる方向(開口面積S3が減少する方向に同じ)にバネ8によって吸気管1内に押し出されているため、移動体7にはバネ8の力(以下、バネ力F8と称す)が作用している。
すなわち、サイクロン集塵装置に流れ込む吸気の風量W1が一定の場合、移動体7に働く力F7は、バネ力F8に釣合っているため、移動体7の圧力を受けている面積をS7(排気圧P6を受ける面積と吸気圧P1を受ける面積が等しい場合)とすると、以下の関係式が成り立つ。
F8=F7=P16×S7・・・・・(1)
一方、差圧P16は吸気の風量W1によって関数表示され(P16はW1の増加に伴って増大する)、また、吸気口3における吸気の流入速度V3(以下、吸気口風速V3と称す)は風量W1および開口面積S3によって関数表示される(V3はW1の増加に伴って増大し、またS3の増大に伴って減少する)ため、以下の関係式が成り立つ。
P16=f(W1)・・・・・・・・(2)
V3=g(W1、S3)・・・・・・(3)
また、開口面積S3は移動体7の移動量δ7(バネ8の圧縮量δ8に同じ)によって関数表示される(S3はδ7の増大に伴って減少、たとえば、開口面積が矩形のとき比例して減少する)ため、以下の関係式が成り立つ。
S3=h(δ7)=h(δ8)・・・(4)
以上より、吸気の風量W1に対して所定の吸気口風速V3を保証するための開口面積S3が求まるから、バネ8の圧縮量δ8が決定される。
一方、該風量W1より差圧P16が決まるから、バネ係数Kは次式によって算定される。
F8=K×δ8・・・・・・・・・・(5)
よって、吸気口速度V3が15m/s〜25m/sの範囲になるようなバネ係数Kが選定される。これにより、風量W1が変化しても、移動体7は自動的に移動するから、吸気口風速V3は常に最適な値に維持されることになる。
【0019】
たとえば、吸気の風量がW1+ΔW1に増加した場合、差圧P16が増大してバネ8を大きく圧縮して(バネ力がF8+ΔF8に増大)、開口面積がS3+ΔS3に増大するから、V3=g(W1+ΔW1、S3+ΔS3)より、吸気口風速V3を略一定値に保つことができる(さらに増大しないように抑制することに同じ)。
よって、サイクロン室2内での過剰な旋回風速を抑制することができるので、サイクロン集塵装置の圧力損失増加量を少なくすることができる。
図3は、本発明の参考にしたサイクロン集塵装置の風量と圧力損失の関係を示す相関図である。図3において、黒丸で示した参考にした形態は、風量の増加に伴って、圧力損失はなだらかに増加している。一方、黒三角で示した移動体に相当するものを具備しないものでは、圧力損失の急激な増加が起こっている。
【0020】
一方、吸気の風量がW1−ΔW1に減少した場合、差圧P16が低下してバネ8は伸張して(バネ力がF8−ΔF8に減少)、開口面積がS3−ΔS3に減少するから、V3=g(W1−ΔW1、S3−ΔS3)より、吸気の吸気口風速V3を略一定値に保つことができる(さらに減少しないように抑制することに同じ)。
すなわち、自動的に吸気口風速V3の低下が防止されるため、サイクロン室2内での旋回力を維持することができる。よって、風量が少なくても十分に塵挨を分離させることができ、サイクロン集塵装置の捕集性能を高く維持することができる。
図4は、本発明の参考にしたサイクロン集塵装置の風量と吸気口風速の関係を示す相関図である。図4において、黒丸で示した参考にした形態は、風量の増減にかかわらず吸気口風速が一定値である。一方、黒三角で示した移動体に相当するものを具備しないものでは、風量の増加に伴って吸気口風速が比例的に増加している。
【0021】
なお、大きなゴミが吸気口3と移動体7の隙間を塞いだ場合、排気圧P6が低下する(負圧が増大する)から、移動体7に働く差圧P16は増大する。このため、バネ8に作用する力(バネ力F8)が増大してバネ8は縮まり(移動体7が排出管6側に引っ張られるに同じ)、吸気口3の開口面積が大きくなる。よって、該ゴミは自動的に取り除かれることになる。
【0022】
以上より、参考にした形態によれば、マイコン、アクチュエータおよび計測装置を使用しないため、部品点数が少なく抑えられ、且つ簡単な構造であって、風量の増減にかかわらず捕集性能を高く維持することができる小型で安価なサイクロン集塵装置を得ることが可能になる。
たとえば、電気掃除機に設置した場合、運転モードの変更操作によって風量が変化した場合のみならず、吸込み口101(図10参照)での異物の吸引や絨毯への張り付きという外乱によって風量が少なくなった場合でも、サイクロン集塵装置の捕集性能を高く維持することができるから、快適な使用環境を提供することが可能になる。
さらに、電気掃除機の小型化、軽量化、機内配置の容易化および外観デザインの自由度が増大するから、商品価値が向上する。
【0023】
[実施の形態1]
図5は本発明の実施の形態1に係るサイクロン集塵装置の断面図である。図5において、移動体7はアクチュエータ11によって移動されるものである。なお、参考にした形態(図1)と同じ部分にはこれと同じ符号を付し、一部の説明を省略する。
移動体7は吸気管6内に突出自在に配置され、該突出量によって吸気口3の開口面積S3が増減する。
また、排気管6内に設けられた風量計測装置9によって排気管6内の排気の風量W6が計測されている。該計測情報はマイコン10に伝えられ、マイコン10は吸気口速度V3(吸気口3における吸気の流入風速)が最適な値になるよう移動体7の移動量δ7を判断し、それをアクチュエータ11に伝える。そして、アクチュエータ11は移動体7を前記最適移動量δ7だけ移動させる。
すなわち、風量W6が少ないときには吸気口3の開口面積S3が小さくなるように移動体7を突出され、風量W6が多いときには吸気口3の開口面積S3が大きくなるように移動体7を引き戻す。
【0024】
さらに、風量W6が比較的少いときに大きなゴミ99を吸引すると、図5に示すようにゴミ99は吸気口3と移動体7との隙間に引っかかる。このとき、吸気口3の開口面積S3はゴミ99に塞がれて小さくなるので、排気管6を流れる風量W6が急激に減少する。
この情報に基づいてマイコン10が塵埃詰まりが発生した(風量W6の変化量(微分値)が所定の値以上になった)と判断すると、マイコン10はアクチュエータ11に対して、移動体7を吸気口3の開口面積S3が最大になる位置にまで一度引き戻し、その後は最適な位置にまで押し出すよう命令する。これにより、移動体7と吸引口3との隙間に引っかかったゴミ99は取り除かれることになる。
【0025】
なお、図5における塵埃詰まりの検知手段は、風量計測装置9によって風量W6を測定するものに限定するものではなく、風速や圧力情報から風量を測定したり、通電電力から風量を推測しても良い。
さらに、風量計測装置9に代えて、排気圧P6と吸気圧P1との差圧P16を測定する差圧計を配置してもよい。
【0026】
図6は、本発明の実施の形態1に係るサイクロン集塵装置の他の塵埃詰まり検知手段を示す断面図である。なお、図5と同じ部分にはこれと同じ符号を付し、一部の説明を省略する。
図6の(a)において、吸気口3に材料確認センサ12(いわゆる、材有りセンサ)を設置して、当該部における塵埃詰まりの有無を直接検出するものである。
材料確認センサ12は、静電容量や誘電率(またはその変化量)を検出するもの、光を照射して反射光(またはその変化量)を検出するもの、あるいは、気体を噴射して噴射圧(またはその変化量)を検出するものなど、何れの型式であってもよい。
図6の(b)において、アクチュエータ11と移動体7を連結する連結棒11aにひずみゲージ13が設置され、移動体7に作用する力(またはその変化量)を監視して、塵埃詰まりの有無を検出している。
なお、アクチュエータ11が流体シリンダの場合、該流体の圧力(またはその変化量)を検出してもよい。さらに、移動体7に位置検出計を設置して、その移動量(またはその変化量)を検出してもよい。
【0027】
[実施の形態2]
図7は本発明の実施の形態2に係るサイクロン集塵装置の断面図である。図6において、吸気口3と移動体7との隙間がゴミ等によって塞がれた場合に限り、移動体7はアクチュエータ11によって移動されるものである。なお、参考にした形態(図1)または実施の形態1(図5)と同じ部分にはこれと同じ符号を付し、一部の説明を省略する。
移動体7は連結管16内に移動自在に配置され、圧力差16とバネ力F7が釣り合っている。そして、材料確認センサ12の検知信号に基づいてマイコン10が吸気口3に塵埃が詰まっていると判断した場合に限り、アクチュエータ11の連結棒11aが移動体7に係止して吸気口3の開口面積が最大になる位置まで引き戻すものである。
なお、図7においては材料確認センサ12によって、塵埃詰まりを検出しているが、実施の形態1と同様、いずれの塵埃詰まり検知手段を用いてもよい。
これにより、風量W1が変化しても移動体7は自動的に移動して吸気口風速V3が常に最適な値に維持され(参考にした形態の作用、効果)、さらに、吸気口3にゴミ99が引っかかった場合にはこれが取り除かれる(実施の形態1の作用、効果)ことになる。
【0028】
[実施の形態3]
図8および図9は本発明の実施の形態3に係るサイクロン集塵装置の断面図である。なお、参考にした形態(図1)と同じ部分にはこれと同じ符号を付し、一部の説明を省略する。
図8および図9において、サイクロン集塵装置が稼働を停止してサイクロン室2からの排気が停止した際、すなわち、排気圧P6および吸気圧P1が共に大気圧になって差圧P16がゼロになった際、バネ8が伸張して移動体7は吸気口3を完全に閉塞している。
したがって、たとえば、該サイクロン集塵装置を電気掃除機に設置した場合、図9に示すように電気掃除機が非運転時に横転しても、サイクロン室2内の塵埃90が吸気管1内に侵入することなくサイクロン室2内に留まることができる。よって、接続管103を外した状態でも塵埃90が電気掃除機の外に散逸することがない(図10参照)。
なお、吸気口3が完全に閉塞される位置にまで稼動部7を移動する手段はバネに限定するものではなく、実施の形態1または実施の形態2と同様にアクチュエータを利用してもよい。
【産業上の利用可能性】
【0029】
本発明によれば、吸引する風量の多少にかかわらず捕集性能を高く維持することが可能になるから、各種サイクロン集塵装置として、また各種電気掃除機に搭載されるサイクロン集塵装置として広く利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】発明の参考にしたサイクロン集塵装置の断面図である。
【図2】図1における移動体に作用する力を説明する部分断面図である。
【図3】本発明の参考にしたサイクロン集塵装置の風量と圧力損失の関係を示す相関図である。
【図4】本発明の参考にしたサイクロン集塵装置の風量と吸気口風速の関係を示す相関図である。
【図5】本発明の実施の形態1に係るサイクロン集塵装置の断面図である。
【図6】本発明の実施の形態1に係るサイクロン集塵装置の他の塵埃詰まり検知手段を示す断面図である。
【図7】本発明の実施の形態2に係るサイクロン集塵装置の断面図である。
【図8】本発明の実施の形態3に係るサイクロン集塵装置の断面図である。
【図9】本発明の実施の形態3に係るサイクロン集塵装置の断面図である。
【図10】従来の電気掃除機の一例を示す概略図である。
【図11】従来の入口流路可変式分離機を示す平断面図である。
【図12】従来のサイクロン装置の模式図である。
【符号の説明】
【0031】
1:吸気管、2:サイクロン室、3:吸気口、4:集塵室、5:排気口、6:排気管、7:移動体、8:バネ、9:風量計測装置、10:マイコン、11:アクチュエータ、12:材料確認センサ、13:ひずみゲージ、16:連結管、P1:吸気圧、P6:排気圧、P16:差圧、W1:吸気の風量、V3:吸気口風速、S3:開口面積、δ7:移動体の移動量、δ8:バネの伸縮量、K:バネのバネ係数。
【出願人】 【識別番号】000006013
【氏名又は名称】三菱電機株式会社
【識別番号】000176866
【氏名又は名称】三菱電機ホーム機器株式会社
【出願日】 平成20年7月18日(2008.7.18)
【代理人】 【識別番号】100085198
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 久夫

【識別番号】100098604
【弁理士】
【氏名又は名称】安島 清

【識別番号】100061273
【弁理士】
【氏名又は名称】佐々木 宗治

【識別番号】100070563
【弁理士】
【氏名又は名称】大村 昇

【識別番号】100087620
【弁理士】
【氏名又は名称】高梨 範夫

【識別番号】100141324
【弁理士】
【氏名又は名称】小河 卓


【公開番号】 特開2008−296221(P2008−296221A)
【公開日】 平成20年12月11日(2008.12.11)
【出願番号】 特願2008−187215(P2008−187215)