トップ :: B 処理操作 運輸 :: B04 物理的または化学的工程を行なうための遠心装置または機械

【発明の名称】 集塵装置
【発明者】 【氏名】谷 俊男

【氏名】漆原 慎

【氏名】藤谷 昌己

【氏名】重弘 耕良

【氏名】横山 龍真

【要約】 【課題】住宅内の限られた空間内に合理的に設置することができ、特に配管の施工性や省スペース性に優れた集塵装置を提供する。

【解決手段】本発明の集塵装置1は、外筒部21の上部側面に設けた吸気口24から導入した空気を、外筒部21と、その内側に配置された内筒部22との間で旋回させることにより空気中の塵埃類を遠心分離し、塵埃類が分離された空気を内筒部22の下端から上端へと導くように構成されたサイクロンドラム2と、該サイクロンドラム2の上部に設けられたチャンバーボックス3とを具備し、チャンバーボックス3の内径が、内筒部22の内径と略同径ないしそれよりも大径に形成されるとともに、チャンバーボックス3の側面には、空気を周方向に排出する排気口31が設けられている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
外筒部の上部側面に設けた吸気口から導入した空気を、外筒部と、その内側に配置された内筒部との間で旋回させることにより空気中の塵埃類を遠心分離し、塵埃類が分離された空気を内筒部の下端から上端へと導くように構成されたサイクロンドラムと、
該サイクロンドラムの上部に設けられたチャンバーボックスとを具備し、
チャンバーボックスの内径が、内筒部の内径と略同径ないしそれよりも大径に形成されるとともに、チャンバーボックスの側面には、空気を周方向に排出する排気口が設けられたことを特徴とする集塵装置。
【請求項2】
チャンバーボックスは、サイクロンドラムの吸気口に対して排気口の向きを変更しうるように、サイクロンドラムの上部に回動自在に連結されたことを特徴とする請求項1に記載の集塵装置。
【請求項3】
サイクロンドラムの上端側面及びチャンバーボックスの下端側面には、外周の少なくとも一部を突出させたフランジが設けられ、それらのフランジ同士を重合した状態で接続部材を嵌装することにより、サイクロンドラムとチャンバーボックスとが連結されることを特徴とする請求項1または2に記載の集塵装置。
【請求項4】
サイクロンドラムの上端面に凸部が設けられるとともに、チャンバーボックスの下端面に凹部が形成されて、サイクロンドラムとチャンバーボックスとの連結時に上記凸部と凹部とが合致して互いに位置決めされることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の集塵装置。
【請求項5】
外筒部は内筒部よりも下方まで延設され、外筒部の下端にダストカップが連結されたことを特徴とする請求項1に記載の集塵装置。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、旋回流の遠心力を利用して空気中の塵埃類を分離・貯留する集塵装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、住宅の高気密・高断熱化に伴って、計画換気(機械換気)の重要性が増大している。計画換気においては、住宅内全体での空気の流れを明確にし、清浄な外気を適切に取り入れる一方、汚れやすい空間の空気を効率的に排出することが重要とされる。
【0003】
この種の計画換気に採用される換気システムの構成としては、例えば特許文献1、2等に開示されているように、各階の天井部分に、強制的に空気の流れを形成する換気ユニットを設置し、天井裏に配設した外気吸入管路を通じて戸外の新鮮な空気を換気ユニットに取り込み、換気ユニットから各室内に新鮮な空気を供給する一方、各室内の汚れた空気を回収し、回収した空気と戸外から取り込んだ空気との間で熱交換を行った後、回収した空気を戸外に排出するというものが代表的である。
【0004】
かかる換気システムにおいては、外気中の塵埃、黄砂、花粉、昆虫などの微細な浮遊物が、外気吸入管路を通じて換気ユニットに取り込まれる。そのため、通常は、これらの浮遊物を、換気ユニットに取り付けられたフィルターにより除去している。しかし、空気の通路に設置されるフィルターは、圧力損失を生じて換気効率を低下させる。また、浮遊物によってフィルターが短期間に目詰まりすることを避けられないので、フィルターの清掃や交換などのメンテナンスを怠ると、さらに換気効率が悪化してしまう。
【0005】
そこで、例えば特許文献3、4等に開示されているように、換気システムの上流側(外気吸入側)に、旋回流の遠心力を利用して浮遊物を除去する、いわゆるサイクロン式の集塵装置を設けて、フィルターのメンテナンスに要する負担を軽減することが考えられる。
【特許文献1】特開平10−160226号公報
【特許文献2】特開2002−98381号公報
【特許文献3】特開昭58−92739号公報
【特許文献4】特開2000−146251号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記特許文献1、2等に開示されたような住宅用の換気システムは、給排気用の管路に直径10cm程度のダクトを使用し、1時間当たり40〜100m3 程度の風量で連続的に運転するのが通常である。かかる条件下での管路内の風速は毎秒数m程度となるが、これは、厨房用換気扇やサイクロン式掃除機等の風速に比べてはるかに小さい値である。
【0007】
サイクロン式の集塵装置は、原理的には、サイクロンドラムの直径が小さく、旋回流の速度が高いほど、分離性能が上昇する。したがって、上記のような低風速型の換気システムに接続する集塵装置の分離性能を高めようとするならば、管路を部分的に縮径して風速を高める必要がある。すると、抵抗が増大して換気効率が損なわれ、実用面で好ましくない。
【0008】
そこで、本発明者らは、換気システムへの抵抗を抑えながら直径10cm程度のダクトに接続することができ、集塵効率としても80%程度を実現し得る実用的なサイクロンドラム2の径を、20〜30cmと設定した。ところが、このようにサイズの嵩張るサイクロンドラムと、それに接続されるダクトとを、一般的な住宅内に効率よく配置するのは容易ではない。住宅内での配管スペースとして最も現実的な空間は天井裏であるが、天井裏には各種の構造材や下地材、配線類等が配置されており、それらが配管の障害となりやすいからである。また、通常の集塵装置は、サイクロンドラムの周方向(横方向)に沿って空気を流入させ、除塵後の空気をサイクロンドラムの軸方向上向き(縦方向)に流出させるように構成されているが、このような管路のための配管スペースには相当の高さも必要になる。しかし、そのために天井懐を大きくすれば、居室の天井高が圧迫されて居住性が損なわれてしまう。特許文献3、4にも、このような配管面の問題を解決する手段は開示されていない。
【0009】
本発明は、上記のような事情に鑑みてなされたもので、住宅内の限られた空間内に合理的に設置し得る、実用的な性能の集塵装置を提供するものであり、特に、天井裏に管路を配設する場合の省スペース性や、配管の施工性に優れた集塵装置を提供することを解決課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記した目的を達成するため、本発明の集塵装置は、外筒部の上部側面に設けた吸気口から導入した空気を、外筒部と、その内側に配置された内筒部との間で旋回させることにより空気中の塵埃類を遠心分離し、塵埃類が分離された空気を内筒部の下端から上端へと導くように構成されたサイクロンドラムと、該サイクロンドラムの上部に設けられたチャンバーボックスとを具備し、チャンバーボックスの内径が、内筒部の内径と略同径ないしそれよりも大径に形成されるとともに、チャンバーボックスの側面には、空気を周方向に排出する排気口が設けられたことを特徴とする。
【0011】
この構成により、吸気口と排気口とを高さ方向に接近させながら、円滑に流通させることができ、配管に要するスペースをコンパクト化することができる。
【0012】
さらに、本発明の集塵装置は、上記チャンバーボックスが、サイクロンドラムの吸気口に対して排気口の向きを変更しうるように、サイクロンドラムの上部に回動自在に連結されたことを特徴とする。この構成により、配管の自由度が拡大して施工性が向上する。
【0013】
上記発明において、サイクロンドラムの上端側面及びチャンバーボックスの下端側面には、外周の少なくとも一部を突出させたフランジが設けられ、それらのフランジ同士を重合した状態で接続部材を嵌装することにより、サイクロンドラムとチャンバーボックスとが連結されるように構成することができる。
【0014】
また、上記発明において、サイクロンドラムの上端面に凸部が設けられるとともに、チャンバーボックスの下端面に凹部が形成されて、サイクロンドラムとチャンバーボックスとの連結時に上記凸部と凹部とが合致して互いに位置決めされるように構成することができる。
【0015】
また、上記発明において、外筒部は内筒部よりも下方まで延設され、外筒部の下端にダストカップが連結されたものとすることができる。
【発明の効果】
【0016】
上述のように構成される本発明の集塵装置は、吸気口と排気口とが、いずれも旋回流の向きに沿って周方向に突設され、かつ、それらが上下に近接しているので、接続される管路の設置に要するスペースの高さを、管路の径の2本分程度に納めることができる。したがって、特に天井裏に管路を配設するのに極めて好都合である。
【0017】
また、吸気口と排気口の向きを変更可能とすることにより、管路との接続がさらに容易になって、配管の施工性が向上する。同時に、最適の配管経路を選択しやすくなるので、換気システム全体における圧力損失を低減させて、従来よりも一層、効率的に集塵及び換気を行うことが可能になる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、本発明の実施の形態について図を参照して説明する。
【0019】
図1〜図4は、本発明の実施の形態に係る集塵装置の全体的な構成を示す。集塵装置1は、略円筒形状をなすサイクロンドラム2と、その上部に取り付けられたチャンバーボックス3と、サイクロンドラム2の下部に連結されたダストカップ4とを具備する。
【0020】
サイクロンドラム2は、外筒部21の内側に内筒部22を配置し、外筒部21の外側を外装体23によって包囲した構造を有している。外筒部21は、上半部が円筒形状をなし、下半部が逆円錐形状に縮径して、その下端が開口している。外筒部21の上部側面には、円形断面の吸気口24が、サイクロンドラム2の中心軸から偏心して周方向に突設され、その内側が外筒部21の内側空間に連通している。外装体23は、断熱性材料からなり、外筒部21の上部及び吸気口24の周囲を包囲する一対の半割体23a、23bと、それ以下の部分を包囲する円筒体23cとを組み合わせて構成されている。外装体23の外周面はシート材25によって被覆されている。外装体23の側面には、一対の横長スリットが、軸心を挟んで相対する位置に形成されており、外筒部21の側面に突設された一対の固定片26が上記スリットを通じて側方に張り出している。
【0021】
内筒部22は、円筒形状をなし、その上端及び下端が開口して、外筒部21の上半部内に同軸状に配置されている。内筒部22の上端には外方に張り出す鍔部221が形成されて、この鍔部221が外筒部21の上端開口を塞いでいる。
【0022】
チャンバーボックス3は、サイクロンドラム2と略同径の短円筒形状をなし、上面が閉塞されて、内側に略円筒形状の空間が形成されている。チャンバーボックス3の下端面は、サイクロンドラム2の内筒部22の内径と略同径、またはそれよりもやや大径に開口して、この下端開口がサイクロンドラム2の上端面に被せられることにより、チャンバーボックス3の内側空間と内筒部22の内側空間とが連通している。また、チャンバーボックス3の側面には、円形断面の排気口31が、サイクロンドラム2の中心軸から偏心して周方向に突設され、その内側がチャンバーボックス3の内部空間に連通している。チャンバーボックス3の内側空間の有効高さと排気口31の有効内径とは、略同寸になるように形成されている。
【0023】
ダストカップ4は、内カップ41と外カップとの間に断熱のための空気層を設けて二重構造にした略円筒形状の容器で、内部を視認しうる透明樹脂によって形成され、その上端開口をサイクロンドラム2の外筒部21の下端開口に臨ませるようにして、サイクロンドラム2と同軸状に配置されている。ダストカップ4は、サイクロンドラム2の下部と、ダストカップ4の上部とによって構成される連結部を介して、サイクロンドラム2に対し着脱自在に取り付けられる。連結部の詳細については後述する。
【0024】
図5〜図6は、上記集塵装置1を住宅の換気システムに組み込んだときの設置形態を示す。例示の住宅は、高気密・高断熱型の2階建て住宅であり、本発明に係る集塵装置1は1階及び2階に設けられて、それぞれ各階に導入される外気中の塵埃類を除去する。
【0025】
1階にあっては、図示右側の外壁71に外気取入口72が設けられて、この外気取入口72に外気吸入管路73が接続されている。外気吸入管路73は、1階の天井裏(1階の天井74と2階の床75との間の空間)に沿って、外気取入口72から真っ直ぐ横向きに配設されている。
【0026】
集塵装置1は、1階のホールに隣接するパイプスペース76に設置されている。図6に示すように、集塵装置1は、吸気口24が突設されたサイクロンドラム2の上部1/4程度を天井裏に突出させ、それ以下の部分を天井74よりも下方に露出させて、天井74を貫通した状態で取り付けられる。集塵装置1の固定には、サイクロンドラム2の側方に突設された固定片26や、サイクロンドラム2の下部に取り付けられたブラケット金具27等が利用される。サイクロンドラム2の外周に挿装されたリング状部材28は、天井74の貫通孔の周囲を塞ぐための化粧パッキンである。そして、外気吸入管路73が天井74に沿ってほぼ真っ直ぐに、サイクロンドラム2の吸気口24に接続される。また、チャンバーボックス3に突設された排気口31には、清浄気管路77が接続される。清浄気管路77は、そのまま天井74に沿って横方向に延設され、2階床梁78のウェブを貫通して、ホールの天井74に設置された換気ユニット8に接続されている。
【0027】
換気ユニット8は、住宅内での給排気の流れを強制的に発生させる吸気ファン及び排気ファンを内蔵している。吸気ファンの運転によって集塵装置1内に負圧が生じ、外気が、外気吸入管路73から吸気口24を通じてサイクロンドラム2内に導入される。サイクロンドラム2内に導入された外気は、図2に示すように、外筒部21と内筒部22との間に形成される環状の空間に沿って旋回しつつ下降し、その際の遠心力によって外気中の塵埃、黄砂、花粉、昆虫などの浮遊物が分離される。塵埃類が分離された空気は、外筒部21の中間付近から内筒部22の下端開口内へ巻き込まれ、旋回を続けながら内筒部22内を上昇し、チャンバーボックス3を経由して、排気口31から清浄気管路77へと送り出される。サイクロンドラム2内で分離された塵埃類は、外筒部21の下端開口を経由してダストカップ4内へと落下する。
【0028】
換気ユニット8は、清浄気管路77を通じて塵埃類が分離された清浄な空気を取り込み、天井裏に配設された室内給気管路79を通じて、清浄な空気を1階の各室に分配する。各室内で発生した湿気や臭気等を含む汚れた空気は、各室の出入口に設けられた通気用アンダーカット等を経由してホールに導かれ、換気ユニット8の下面から換気ユニット8に回収される。あるいは、洗面所や浴室など特定空間の天井等に設けられた換気口から、各換気口に接続された室内回収管路(図示せず)等を通じても、換気ユニット8に回収される。回収された空気は、換気ユニット8に内蔵された熱交換装置を介して、集塵装置1を経由した清浄な空気との間で熱交換がなされ、外部排気管路(図示せず)を通じて戸外に排出される。外部排気管路は、外気吸入管路73と同様に、天井裏に配設されている。
【0029】
2階についても、外気を集塵装置1に取り込んで浮遊物等を除去した後、換気ユニット8を通じて各室に供給し、さらに、各室内の汚れた空気を換気ユニット8に回収して戸外に排出するという空気の流れは、基本的に1階と同じである。ただし、例示形態にあっては、2階の集塵装置1が外壁71に近接して配置されている。
【0030】
このように、集塵装置1の上部を天井裏に突出させる設置形態を採用すれば、天井裏を配管スペースとして好適に利用することができる。集塵装置1の吸気口24と排気口31とは、いずれも旋回流の向きに沿って周方向に突設され、かつ、それらが上下に近接しているので、外気吸入管路73及び清浄気管路77への接続に要するスペースの高さはダクト径の2本分程度で足りる。また、管路を上下方向に引き廻すためのスペースも特に必要としない。したがって、外気吸入管路73及び清浄気管路77のダクト径が10cm程度であれば、配管スペースの高さを概ね20cm以内に納めることができる。
【0031】
さらに、本発明の集塵装置1は、チャンバーボックス3がサイクロンドラム2とは別体に形成され、サイクロンドラム2に対してチャンバーボックス3を回動させることにより、吸気口24と排気口31の相対的な向きを変更させることができるようになっている。その構造について、図1、図3、図6、図7を参照しつつ説明する。
【0032】
サイクロンドラム2の上端面には、吸気口24の天面の一部がわずかに突出して、側面視略円弧状の凸部51が形成されている。さらに、これと同形状の凸部51が、軸回りに90度の間隔で、3カ所に形成されている。一方、チャンバーボックス3の下端面には、上記凸部51に合致する凹部52が、軸回りに90度の間隔で4カ所に形成されている。
【0033】
また、チャンバーボックス3の下端側面と、サイクロンドラム2の上端側面には、外周の少なくとも一部を突出させたフランジ53、54が設けられている。サイクロンドラム2側のフランジ53は、軸回りに90度の間隔で4カ所に設けられ、チャンバーボックス3側のフランジ54は、排気口31に干渉する位置を除いて3カ所に設けられている。
【0034】
図7に示すように、吸気口24に対する排気口31の向きを90度刻みで選択して、サイクロンドラム2にチャンバーボックス3を被せると、上記4カ所の凸部51と凹部52とが合致して、サイクロンドラム2とチャンバーボックス3とが互いに位置決めされる。同時に、サイクロンドラム2側のフランジ53とチャンバーボックス3側のフランジ54とが重なり合う。そして、重なり合ったフランジ53、54に、例えば断面略コ字状の接続部材55を嵌装などして、サイクロンドラム2とチャンバーボックス3とが離脱不能に連結される。このような位置決め手段及び連結手段を採用すれば、サイクロンドラム2の上端開口とチャンバーボックス3の下端開口とを精度良く密着させることができ、内部の空気が漏出するのも防ぐことができる。
【0035】
こうして、吸気口24と排気口31の相対的な向きを変更可能とすれば、外気吸入管路73や清浄気管路77との接続も容易になって配管の施工性が向上する。また、住宅の構造や各室の間取りに合わせて最適の配管経路を選択しやすくなるので、換気システム全体における圧力損失を低減させて、効率的に集塵及び換気を行うことができる。なお、例示形態は、サイクロンドラム2に対するチャンバーボックス3の向きを90度刻みで回動可能に構成したものであるが、回動間隔は、例えば60度や45度とすることも、もちろん可能である。
【0036】
上述のように、天井4を貫通させて集塵装置1を設置し、外気吸入管路73や清浄気管路77を天井裏に配設することにより、塵埃類を捕集するダストカップ4が、天井4から数十cm下方、つまり、一般的な住宅にあっては床面から概ね2m前後の高さに保持されることになる。この程度の高さであればダストカップ4に容易に手が届くので、ダストカップ4を取り外して溜まった塵埃類を捨てる作業が楽になる。その結果として、日常的なメンテナンスの頻度も向上する。なお、図6に示すように、例示形態では、室内の美観等に配慮して、パイプスペース76を区画する間仕切り壁の、ダストカップ4を臨む位置に、開閉式の点検口81を設けている。
【0037】
さらに、例示形態に係る集塵装置1は、ダストカップ4をサイクロンドラム2から取り外したときに、ダストカップ4内に溜まった塵埃類やサイクロンドラム2内に付着した塵埃類が飛散するのを防ぐシャッタ機構を備えている。シャッタ機構は、サイクロンドラム2の下部と、ダストカップ4の上部とによって構成される連結部に設けられている。このシャッタ機構について、図8〜図14を参照しつつ説明する。
【0038】
サイクロンドラム2の下部には、スカート部材61を介して、ドラム側の蓋体62が取り付けられている。スカート部材61は、筒状部611と鍔状部612とを備えた略ハット状の部材で、筒状部611の上面中央に形成された円形の開口が外筒部21の下端開口に接続されている。筒状部611の内径は、外筒部21の下端開口の径よりも大きく形成されている。筒状部611の下端は下向きに開口しており、その外側に鍔状部612が張り出している。
【0039】
ドラム側の蓋体62は、その周部621がサイクロンドラム2の下端面全体を塞ぐようにして、スカート部材61の鍔状部612に下側から取り付けられている。周部621の下側には、ダストカップ4を着脱するための螺合雌部622が形成されている。ドラム側の蓋体62の中央部分は、周部621と一体に形成された固定枠蓋63を構成している。固定枠蓋63には、スカート部材61の下端開口に臨む上面視略半円形の開口部631が形成されており、開口していない他半側は、開口部631側に向かって下降傾斜する上面視略半円形の斜面部632となっている。斜面部632は、スカート部材61の筒状部611内に挿入された状態で保持される。
【0040】
固定枠蓋63の下側には、固定枠蓋63の中央に設けられた軸部材を介して、略円形の可動蓋板64が取り付けられる。可動蓋板64は、上面視略半円形状をなす閉鎖板641の周部に円形のガイドリング642を形成した部材で、ガイドリング642が固定枠蓋63の内側に挿装され、閉鎖板641が固定枠蓋63に形成された略半円形の開口部631を閉じる位置と、閉鎖板641が斜面部632の下側に重なって開口部631を開く位置との間で、約180度回動する。
【0041】
ダストカップ4は、内カップ41と外カップ42とからなる二重構造を有している。内カップ41は、外カップ42の内側に回動不能に嵌装されて、内カップ41と外カップ42との間には断熱のための空気層が設けられている。外カップ42の上端外周部は外側に張り出して、ドラム側の蓋体62の螺合雌部622に対する螺合雄部421が形成されている。ダストカップ4を保持して回動させ、カップ側の螺合雄部421をドラム側の螺合雌部622に螺着させると、内カップ41の上端開口がドラム側の蓋体62に臨む位置に保持される。ダストカップ4の着脱に要する回動角度は、約180度に設定されている。
【0042】
内カップ41の上端には、上記したドラム側の蓋体62に臨むカップ側の蓋体43が取り付けられている。カップ側の蓋体43は、内カップ41の上端に取り付けられたカップ側の固定枠蓋44と、該固定枠蓋44に取り付けられたカップ側の可動蓋板45とによって構成される。固定枠蓋44は、上記ドラム側の固定枠蓋63に形成された開口部631と略同形状をなす上面視略半円形の開口部441を有している。開口していない他半側は、平板状の閉鎖部442となっている。
【0043】
カップ側の可動蓋板45は、上記ドラム側の可動蓋板64と同様に、上面視略半円形状をなす閉鎖板451の周部に円形のガイドリング452を形成した部材で、ガイドリング452が固定枠蓋44の内側に挿装され、閉鎖板451が固定枠蓋44に形成された略半円形の開口部441を閉じる位置と、閉鎖部442の下側に重なって開口部441を開く位置との間で、約180度回動する。
【0044】
ドラム側の蓋体62とカップ側の蓋体43とは、以下に説明する機構により、ダストカップ4を着脱する際の回動動作に連動して同時に開閉する。
【0045】
すなわち、カップ側の蓋体43を構成する固定枠蓋44及び可動蓋板45には、それぞれ、係合ピン443、453が上向きに突設されている。また、ドラム側の蓋体62を構成する固定枠蓋63及び可動蓋板64には、それぞれ、上記係合ピン443、453を挿入可能な筒状の受部633、643が形成されている。そして、カップ側の固定枠蓋44の係合ピン443は、ドラム側の可動蓋板64の受部643に係合し、カップ側の可動蓋板45の係合ピン453は、ドラム側の固定枠蓋63の受部633に係合する。
【0046】
ダストカップ4がサイクロンドラム2に連結されているときは、図9、図11、図13に示すように、ドラム側の固定枠蓋63の斜面部632の下側に、ドラム側の可動蓋板64の閉鎖板641と、カップ側の固定枠蓋44の閉鎖部442と、カップ側の可動蓋板45の閉鎖板451とが全て重なる。これにより、サイクロンドラム2とダストカップ4との連結部が略半円形状の開口を通じて連通し、サイクロンドラム2内で分離された塵埃類が、斜面部632に沿ってダストカップ4内へと集められる。
【0047】
ダストカップ4をサイクロンドラム2から取り外す際には、ダストカップ4を180度回動させる。すると、図10、図12、図14に示すように、カップ側の固定枠蓋44と、ドラム側の可動蓋板64とが、ダストカップ4とともに回動して、ドラム側の蓋体62の開口部631を閉じる位置に来る。このとき、ドラム側の固定枠蓋63に係合しているカップ側の可動蓋板45は、動かずに、斜面部632の下側に停まっている。したがって、カップ側の蓋体43も、固定枠蓋44と可動蓋板45の相対位置が入れ代わって閉じた状態になる。この状態でダストカップ4を下方に離脱させると、ドラム側の蓋体62、カップ側の蓋体43のいずれもが閉じた状態で、各係合ピン443、453が各受部633、643から抜け出す。
【0048】
取り外したダストカップ4内の塵埃類は、手動でカップ側の蓋体43を開いて廃棄する。ダストカップ4をサイクロンドラム2に取り付ける際には、カップ側の蓋体43を閉じ、カップ側の各係合ピン443、453を、それぞれドラム側の受部643、633に合致させた状態でダストカップ4を螺合する。すると、カップ側の固定枠蓋44と、ドラム側の可動蓋板64とが、ダストカップ4とともに回動して、ドラム側の蓋体62の開口部631を開く位置に来る。一方、ドラム側の固定枠蓋63に係合しているカップ側の可動蓋板45は、動かずに、斜面部632の下側に停まっている。したがって、カップ側の蓋体43も、固定枠蓋44と可動蓋板45の相対位置が入れ代わって開いた状態になる。
【0049】
このような、ドラム側の蓋体62とカップ側の蓋体43とからなるシャッタ機構により、ダストカップ4をサイクロンドラム2から取り外す操作に連動して連結部の開口が閉じる。これにより、ダストカップ4内に溜まった塵埃類やサイクロンドラム2の内側に付着している塵埃類が舞い上がって室内に飛散するのを防ぐことができる。また、換気システムの運転中にダストカップ4を取り外したとしても、周囲の空気が連結部に巻き込まれて塵埃類を飛散させるのを防ぐことができる。したがって、換気システムの運転を止めずに、溜まった塵埃類を廃棄することが可能になる。ダストカップ4をサイクロンドラム2に取り付ければ、連結部は自動的に連通するから、操作は極めて簡単である。なお、本発明は、上記実施形態に限らず、基本的な機構を維持した範囲で、細部の構造を適宜変更して実施することは可能である。
【図面の簡単な説明】
【0050】
【図1】本発明に係る集塵装置の全体的構成を示す外観斜視図である。
【図2】上記集塵装置の内部構造を示す縦断面図である。断面位置は図7(a)にA−A線で示す。
【図3】上記集塵装置の側面図である。
【図4】上記集塵装置の部材構成を示す分解斜視図である。ただし、一部の部材については、半割状態で表示している。
【図5】上記集塵装置を換気システムに組み込んだ2階建て住宅の断面略図である。
【図6】上記集塵装置と、それに接続される管路の設置形態を示す天井付近の断面図図である。
【図7】上記集塵装置におけるチャンバーボックスの回動形態を示した上面図である。
【図8】上記集塵装置におけるサイクロンドラムとダストカップの連結部の構造を示した分解斜視図である。
【図9】連結状態にある連結部の拡大縦断面図である。
【図10】離脱状態にある連結部の拡大縦断面図である。
【図11】連結状態にある連結部を斜め上から見た縦断面斜視図である。
【図12】離脱状態にある連結部を斜め上から見た縦断面斜視図である。
【図13】連結状態にある連結部を斜め下から見た縦断面斜視図である。
【図14】離脱状態にある連結部を斜め下から見た縦断面斜視図である。
【符号の説明】
【0051】
1 集塵装置
2 サイクロンドラム
21 外筒部
22 内筒部
24 吸気口
3 チャンバーボックス
31 排気口
4 ダストカップ
43 カップ側の蓋体
44 カップ側の固定枠蓋
441 開口部
45 カップ側の可動蓋板
51 凸部
52 凹部
53 フランジ
54 フランジ
55 接続部材
62 ドラム側の蓋体
63 ドラム側の固定枠蓋
631 開口部
64 ドラム側の可動蓋板
73 外気吸入管路(通気路)
77 清浄気管路(通気路)
【出願人】 【識別番号】000198787
【氏名又は名称】積水ハウス株式会社
【識別番号】000006242
【氏名又は名称】松下エコシステムズ株式会社
【出願日】 平成19年4月27日(2007.4.27)
【代理人】 【識別番号】100075502
【弁理士】
【氏名又は名称】倉内 義朗


【公開番号】 特開2008−272676(P2008−272676A)
【公開日】 平成20年11月13日(2008.11.13)
【出願番号】 特願2007−119968(P2007−119968)