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【発明の名称】 機械油中の金属ダスト分離除去装置
【発明者】 【氏名】渡辺 秀一

【要約】 【課題】機械油に含まれる微細な金属ダストまで分離・除去することができる金属ダスト分離除去装置を提供することにより、工作機械のメンテナンスを容易にする。

【解決手段】円筒状部位2aと漏斗状部位2bとを上下部に形成してなるサイクロン分離室2を形成し、該分離室の天井面中心から該円筒状部位に垂下し下端3aが該円筒状部位にて開口する円筒状の流出管部3を形成し、該分離室の下方には金属ダスト収容部5を設け、前記円筒状部位の上部内周面にその接線方向に向かって開口する略直角三角形状の吹出口6を該直角三角形の直交2辺6a,6bがそれぞれ該円筒状部位の天井面と内周面とに平行に沿うように開設し、金属ダストを含んだ機械油を該吹出口から該円筒状部位に高速で吹き出させる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
円筒状部位と漏斗状部位とを上下部に形成してなるサイクロン分離室を形成し、該分離室の天井面中心から該円筒状部位に垂下し下端が該円筒状部位にて開口する円筒状の流出管部を形成し、該分離室の下方には金属ダスト収容部を設け、前記円筒状部位の上部内周面にその接線方向に向かって開口する略直角三角形状の吹出口を該直角三角形の直交2辺がそれぞれ該円筒状部位の天井面と内周面とに平行に沿うように開設し、金属ダストを含んだ機械油を該吹出口から該円筒状部位に高速で吹き出させるようにしたことを特徴とする機械油中の金属ダスト分離除去装置。
【請求項2】
円筒状部位と漏斗状部位とを上下部に形成してなるサイクロン分離室を形成し、該分離室の天井面中心から該円筒状部位に垂下し下端が該円筒状部位にて開口する円筒状の流出管部を形成し、該分離室の下方には金属ダスト収容部を設け、前記円筒状部位の上部内周面にその接線方向に向かって開口する吹出口を該吹出口の開口幅が下方に行くに従って次第に狭くなるように開設し、金属ダストを含んだ機械油を該吹出口から該円筒状部位に高速で吹き出させるようにしたことを特徴とする機械油中の金属ダスト分離除去装置。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、金属加工機、工作機等にて使用される切削油等の機械油を循環させ、該機械油中の金属粉などのダストを分離する装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
フライス盤等の工作機、放電加工機等の金属加工機等にて使用される切削油等の機械油は、一般にポンプによって紙フィルターに循環させ、該機械油中に混在する金属粉などのダストを捕集するようにしている。しかし、このようなフィルターによる濾過は、短期間で目詰まりを起こすので、その管理、交換等のメンテナンスに労力を要するものであった。また、紙フィルターが使い捨てであるので、処理のためのコストを要し、環境にも良くない状況であった。
【0003】
下記特許文献1,2には、従来のサイクロン型固液分離装置の構成が記載されている。
【特許文献1】特開昭47−291号公報
【特許文献2】特開昭54−21669号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、特許文献1,2に示されたような従来のサイクロン型分離装置を、機械油中に混在する金属粉などのダストを分離・捕集するのに使用することにより、従来のように紙フィルターを要さず、メンテナンスも容易になるといった利点があるものの、従来のサイクロン型分離装置では、円筒形の分離室内にその接線方向から吹き込んだ機械油が該分離室内にて乱流を発生させ、該機械油の旋回速度が急に遅くなることから、十分な遠心分離作用が得られず、微細な金属ダストまで分離・除去することができないおそれがあった。
本発明はこのような従来の問題点を解消しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
そのために本発明に係る機械油中の金属ダスト分離除去装置は、円筒状部位と漏斗状部位とを上下部に形成してなるサイクロン分離室を形成し、該分離室の天井面中心から該円筒状部位に垂下し下端が該円筒状部位にて開口する円筒状の流出管部を形成し、該分離室の下方には金属ダスト収容部を設け、前記円筒状部位の上部内周面にその接線方向に向かって開口する略直角三角形状の吹出口を該直角三角形の直交2辺がそれぞれ該円筒状部位の天井面と内周面とに平行に沿うように開設し、金属ダストを含んだ機械油を該吹出口から該円筒状部位に高速で吹き出させるようにしたことを特徴とする。
【0006】
また本発明に係る機械油中の金属ダスト分離除去装置は、円筒状部位と漏斗状部位とを上下部に形成してなるサイクロン分離室を形成し、該分離室の天井面中心から該円筒状部位に垂下し下端が該円筒状部位にて開口する円筒状の流出管部を形成し、該分離室の下方には金属ダスト収容部を設け、前記円筒状部位の上部内周面にその接線方向に向かって開口する吹出口を該吹出口の開口幅が下方に行くに従って次第に狭くなるように開設し、金属ダストを含んだ機械油を該吹出口から該円筒状部位に高速で吹き出させるようにしたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
サイクロン分離室に吹き込まれた機械油の旋回速度が該分離室にて高速に維持されることで、機械油に含まれた微細な金属ダストまで確実に分離・除去することができる。このため、工作機械のメンテナンスを容易にする。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
次に請求項1に記載の発明の実施の形態を図面に従い説明する。図1は本発明に係る金属ダスト分離除去装置の縦断面図、図2はそのA−A線断面図、図3は図2のB−B線断面図である。円柱体1内に形成されたサイクロン分離室2は上方に円筒状部位2aを形成し、該円筒状部位の下部に下方に向けてその内径を漸次小さくした漏斗状部位2bを形成してなるもので、該漏斗状部位2bの下部にはさらに一旦内径を拡大させてから下方に向けて内径を漸次小さくした第2の漏斗状部位2cが形成されている。3は分離室2の天井面中心に該円筒状部位2aに垂下するよう形成された円筒状の流出管部で、該流出管部は上端開口が該円柱体1上に突設された接続管部4と連通し、該流出管部3の下端3aは該分離室2にて下向きに開口している。また、5は該円柱体1の下端部に着脱自在に螺着された容器からなる金属ダスト回収部である。
【0009】
6は円筒状部位2aの上部内周面にその接線方向に向かって開口する略直角三角形状の吹出口で、該吹出口はその直角三角形の直交する2つの辺6aと6bがそれぞれ該円筒状部位2aの天井面と内周面とに平行に沿うように開設されている。なお、該吹出口6の上端部の幅w=6mm、長さ(高さ)h=19mmに形成され、その直角三角形の3つの角部は円弧状の角丸に形成される。また、図3に示されたように吹出口6の上端部の内周寄り角と流出管部3の外周面との間に隙間6cが設けられ、該吹出口6から吹き出す機械油が流出管部3の外周面に対し直に衝突しないようにし衝突による乱流の発生が防がれるようにしている。そして該吹出口6は円柱体1の上部外周に突設された接続管7と連通される。
【0010】
この装置では、図4に示すように、ポンプ8によって金属ダストを含む切削油等の機械油を工作機9から吸引し、該機械油を上記接続管7に圧送し、吹出口6からサイクロン分離室2の円筒状部位2aに高速で吹き出させる。吹出口6から吹き出た機械油は、図2に矢印で示したように円筒状部位2a内を旋回する。この旋回時に機械油中の金属ダストは遠心力によって次第に該分離室2の外周部に移動すると共に重力によって下方に沈降し金属ダスト回収部5に溜まる。このため、金属ダストを含まない機械油が該分離室2の中心にて下向きに開口している流出管部3に流入し接続管部4に流出する。そして接続管部4より流出した機械油は工作機9に循環し再使用される。なお、10は接続管部4と工作機9との間に設けられた補助フィルターである。また、11は金属ダスト回収部5に溜まった金属ダストを示す。
【0011】
この金属ダスト分離除去装置は、略直角三角形状の吹出口6が円筒状部位2aの上部内周面にその接線方向に向かって開口するよう形成され、かつ、その直角三角形の直交する2つの辺6aと6bがそれぞれ該円筒状部位2aの天井面と内周面とに平行に沿うように開設されている。このため金属ダストを含んだ機械油が該吹出口6から円筒状部位2aの外周寄りからより多く吹き出され、外周寄りの流速が内周寄りの流速よりも速くなり、角速度をほぼ同じくすることができることから、吹出口6から吹き出た機械油は層流状態が維持されて円筒状部位2a内を旋回し得る。また、略直角三角形状の吹出口6は開口幅が下方に行くに従って次第に狭くなるので、円筒状部位2aの天井面付近にてより多くの機械油が吹き出され、そのため下方に行くに従い機械油の旋回速度を徐々に遅くすることができる。このため、円筒状部位2aにて乱流が発生し難くなり、乱流によって円筒状部位2aにおける機械油の旋回速度が急に下がるようなことがなく、極めて高い遠心分離能力を維持することができる。
【0012】
なお、この実施形態では、第2の漏斗状部位2cを形成したことにより、機械油中の微細金属ダストをさらに確実に沈降・分離させることができるが、漏斗状部位2cを形成することなく第1の漏斗状部位2bだけ形成したものであっても十分な分離能力が得られる。
【0013】
一方、図5は、請求項2に記載した発明の実施形態を示す。この実施形態に示した金属ダスト分離除去装置は、吹出口6の開口幅を下方に行くに従って次第に狭くした略逆三角形状に形成している。その他の構成は上記実施形態と同様である。このためこの実施形態の場合も円筒状部位2aの天井面付近にてより多くの機械油が吹き出され、下方に行くに従い機械油の旋回速度が徐々に遅くなることで、円筒状部位2aにて乱流が発生し難くなり、高速にて金属ダストを外周に遠心分離する作用と、その金属ダストを重力により沈降させる作用とが相俟って、高い分離能力が得られ、機械油に含まれた微細な金属ダストまで確実に分離・除去することができる。
【0014】
このため、本発明の金属ダスト分離除去装置によれば、格別に紙フィルターを使用しないでもよくなり、機械油を使用する種々の金属加工機、工作機のメンテナンスを容易にするなど、有益である。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の実施形態を示す金属ダスト分離除去装置の縦断面図。
【図2】図1のA−A線断面図。
【図3】図2のB−B線断面図。
【図4】本発明の金属ダスト分離除去装置の使用状態を示す配管系統図。
【図5】本発明の他の実施形態を示す金属ダスト分離除去装置の要部の縦断面図。
【符号の説明】
【0016】
2 サイクロン分離室
2a 円筒状部位
2b,2c 漏斗状部位
3 流出管部
3a 流出管部の下端
5 金属ダスト回収部
6 吹出口
6a,6b 2辺
8 ポンプ
9 工作機
11 金属ダスト
【出願人】 【識別番号】507066725
【氏名又は名称】東南精機株式会社
【出願日】 平成19年2月28日(2007.2.28)
【代理人】 【識別番号】100112531
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 浩二


【公開番号】 特開2008−212766(P2008−212766A)
【公開日】 平成20年9月18日(2008.9.18)
【出願番号】 特願2007−49452(P2007−49452)