トップ :: B 処理操作 運輸 :: B04 物理的または化学的工程を行なうための遠心装置または機械

【発明の名称】 サイクロン式分離装置
【発明者】 【氏名】リカルド・ゴミシアガ・ペレダ

【氏名】ピーター・デヴィッド・ガマック

【氏名】レムコ・ドゥウィナス・ヴイク

【要約】 【課題】分離された粒子を収集するための改善された容量、及び改善されたエネルギー効率を有するサイクロン式分離装置を提供すること。

【解決手段】上流サイクロンユニットと下流サイクロンユニットとを備えるサイクロン式分離装置であって、下流サイクロンユニットが平行に配置される複数のサイクロンを備え、上流サイクロンユニットのサイクロン102が該上流サイクロンユニットのサイクロン102の第1端部に位置する出口を備え、下流サイクロンユニットのサイクロン104が該下流サイクロンユニットのサイクロン104の第1端部に位置する入口を備え、下流サイクロンユニットの各サイクロンが該下流サイクロンユニットの該各サイクロンの第2端部で互いに対して接近するように、下流サイクロンユニットの各サイクロンの長手方向軸線が上流サイクロンユニットのサイクロンの長手方向軸線に対して所定の角度で傾いて構成される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
上流サイクロンユニットと下流サイクロンユニットとを備えるサイクロン式分離装置であって、
前記上流サイクロンユニットが第1端部及び第2端部を具備する少なくとも1つのサイクロンを備え、
前記下流サイクロンユニットが第1端部及び第2端部を具備する少なくとも1つのサイクロンを備え、
前記下流サイクロンユニットの少なくとも1つの前記サイクロンが、前記上流サイクロンユニットの少なくとも1つの前記サイクロンに対して実質的に反転されるように、前記上流サイクロンユニット及び前記下流サイクロンユニットが互いに対して配置されているサイクロン式分離装置において、
前記下流サイクロンユニットが平行に配置される複数のサイクロンを備え、
前記上流サイクロンユニットの前記サイクロンが該上流サイクロンユニットの前記サイクロンの前記第1端部に位置する出口を備え、
前記下流サイクロンユニットの前記サイクロンが該下流サイクロンユニットの前記サイクロンの前記第1端部に位置する入口を備え、
前記下流サイクロンユニットの各サイクロンが該下流サイクロンユニットの該各サイクロンの前記第2端部で互いに対して接近するように、前記下流サイクロンユニットの各サイクロンの長手方向軸線が前記上流サイクロンユニットの前記サイクロンの長手方向軸線に対して所定の角度で傾いているサイクロン式分離装置。
【請求項2】
前記上流サイクロンユニットの前記サイクロンが該上流サイクロンユニットの該サイクロンの前記第1端部に位置する入口を備える、請求項1に記載のサイクロン式分離装置。
【請求項3】
前記上流サイクロンユニットの前記サイクロンが該上流サイクロンユニットの該サイクロンの前記第2端部に位置する収集器又は収集領域を備える、請求項1に記載のサイクロン式分離装置。
【請求項4】
前記上流サイクロンユニットの前記サイクロンが該上流サイクロンユニットの該サイクロンの前記第1端部及び第2端部間で実質的に円筒形状をしている、請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載のサイクロン式分離装置。
【請求項5】
前記下流サイクロンユニットの各サイクロンが該下流サイクロンユニットの該各サイクロンの前記第1端部に位置する出口を備える、請求項1に記載のサイクロン式分離装置。
【請求項6】
前記下流サイクロンユニットの各サイクロンが該下流サイクロンユニットの該各サイクロンの前記第2端部に位置する収集器と連通している、請求項5に記載のサイクロン式分離装置。
【請求項7】
前記下流サイクロンユニットの各サイクロンが該下流サイクロンユニットの該各サイクロンの前記第1端部及び第2端部間で切頭円錐形状をしている、請求項1から請求項6までのいずれか1項に記載のサイクロン式分離装置。
【請求項8】
前記下流サイクロンユニットの各サイクロンの第1端部が互いに隣接して配置されている、請求項1から請求項7までのいずれか1項に記載のサイクロン式分離装置。
【請求項9】
前記下流サイクロンユニットの各サイクロンの長手方向軸線が互いに対して平行である、請求項1から請求項8までのいずれか1項に記載のサイクロン式分離装置。
【請求項10】
前記上流サイクロンユニットの前記サイクロンが最上部の自身の単数又は複数の前記第1端部に実質的に直角であり、かつ前記下流サイクロンユニットの各サイクロンが最下部の自身の単数又は複数の前記第1端部に実質的に直角である、請求項1から請求項9までのいずれか1項に記載のサイクロン式分離装置。
【請求項11】
前記上流サイクロンユニットの前記サイクロンが最上部の自身の単数又は複数の前記第1端部に対して傾いており、かつ前記下流サイクロンユニットの各サイクロンが自身の単数又は複数の前記第1端部に対して傾いている、請求項1から請求項10までのいずれか1項に記載のサイクロン式分離装置。
【請求項12】
請求項6に記載のサイクロン式分離装置において、
前記上流サイクロンユニットの前記サイクロンが最上部の自身の単数又は複数の前記第1端部に実質的に直角であり、かつ前記下流サイクロンユニットの各サイクロンが最下部の自身の単数又は複数の前記第1端部に実質的に直角であり、
前記下流サイクロンユニットの各サイクロンの第2端部が前記収集器内に突出し、かつ隣接するサイクロンの前記第2端部間にフィンが設けられるサイクロン式分離装置。
【請求項13】
請求項6に記載のサイクロン式分離装置において、
前記上流サイクロンユニットの前記サイクロンが最上部の自身の単数又は複数の前記第1端部に対して傾いており、かつ前記下流サイクロンユニットの各サイクロンが最下部の自身の単数又は複数の前記第1端部に対して傾いており、
前記下流サイクロンユニットの各サイクロンの前記第2端部が前記収集器内に突出し、かつ隣接するサイクロンの前記第2端部間にフィンが設けられるサイクロン式分離装置。
【請求項14】
前記フィンが前記収集器の閉じた上部表面から、前記下流サイクロンユニットの前記サイクロンの第2端部の水準より下の水準まで下向きに突出する、請求項12または請求項13に記載のサイクロン式分離装置。
【請求項15】
前記サイクロンユニットの前記長手方向軸線が互いに一致するか又は平行である、請求項1から請求項14までのいずれか1項に記載のサイクロン式分離装置。
【請求項16】
前記下流サイクロンの前記サイクロンが前記上流サイクロンユニットの前記サイクロンの内側に全て位置する、請求項1から請求項15までのいずれか1項に記載のサイクロン式分離装置。
【請求項17】
前記下流サイクロンユニットの前記サイクロンが前記上流サイクロンユニットの前記サイクロンの外側に位置する、請求項1から請求項15までのいずれか1項に記載のサイクロン式分離装置。
【請求項18】
前記下流サイクロンユニットの各サイクロンの前記第1端部が前記上流サイクロンユニットの前記第1端部に隣接して設置され、かつ前記下流サイクロンユニットの各サイクロンが前記上流サイクロンユニットの前記第1端部から離れて突出する、請求項17に記載のサイクロン式分離装置。
【請求項19】
請求項1から請求項18までのいずれか1項に記載のサイクロン式分離装置を組み込んだ真空掃除機。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明はサイクロン式分離装置(cyclonic separating apparatus)に関する。特に、しかし排他的ではなく、本発明は、真空掃除機に使用するサイクロン式分離装置に関する。
【背景技術】
【0002】
サイクロン式分離装置は周知でありかつ多種多様の応用への用途を備えている。過去10年位に亘って、真空掃除機の空気流(airflow)から粒子を分離するサイクロン式分離装置の使用が開発されかつ市場に導入されてきた。真空掃除機における使用のためのサイクロン式分離装置の詳細な説明は、特に、3つの従来技術文献に開示されている(例えば、特許文献1〜3参照)。
【特許文献1】米国特許第3,425,192号明細書
【特許文献2】米国特許第4,373,228号明細書
【特許文献3】欧州特許第0 042 723号明細書
【0003】
これらの及び他の従来技術文献から、空気流が少なくとも2つのサイクロンを順番に通過するように、2つのサイクロン式ユニットを並列に設けることが周知であることが分かる。これは、第2サイクロンが最適な状況の下でかなり効果的に作動して、効果的な態様で非常に細かい粒子を除去するようにしながら、第1サイクロンの空気流から大きな塵(dirt)及び漂積物(debris)を抜き取り可能にする。このタイプの装置は、幅広い粒子寸法分布を有する種々の物質を連行する空気流を取り扱う時、効果的であることが判明している。真空掃除機がそのようなケースに該当する。
【0004】
真空掃除機はコンパクトでありエネルギー効率が良いことの両方が望まれる。更に望ましい特徴は、空にする頻度を減じるための、塵及び漂積物を収集するための大容量である。幾つかの知られた装置では、掃除機の寸法を最小化する試みとして、下流サイクロンは上流サイクロンの内部に配置されている(例えば、特許文献2及び3参照)。
【0005】
しかしながら、これは、下流サイクロンが塵及び埃収集のために、さもなければ有用であろう空間を占有するため、掃除機の容積を減じる。従来技術文献に示されるタイプの装置では、下流サイクロンは上流サイクロンの外側に設置されるが、上流サイクロンから出る部分的に清浄化された空気は、この時、下流サイクロンの入口まで或る距離移動しなければならない。
【0006】
これは、装置に亘る圧力降下を全体として増加させ、かくして装置のエネルギー効率を減じる。
【0007】
さらにまた、部分的に清浄化された空気を導くための手段の容積は機械の総容積に加わる。
退去する空気に第2の清浄作用を行うようにサイクロンの出口を形作るサイクロン式分離装置を提供することは従来技術文献からも周知である(例えば、特許文献4参照)。
【特許文献4】独国特許第615004号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
分離された粒子を収集するための改善された容量、及び改善されたエネルギー効率を有するサイクロン式分離装置を提供することが本発明の目的である。真空掃除機に使用するに適しかつ従来技術と比べて改善された性能を達成するサイクロン式分離装置を提供することも本発明の別の目的である。従来技術の欠点を軽減することができるサイクロン式分離装置を提供することも本発明の更なる目的である。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、上流サイクロンユニット及び下流サイクロンユニットから成るサイクロン式分離装置であって、上流サイクロンユニットが第1端部及び第2端部を具備する少なくとも1つのサイクロンを備え、下流サイクロンユニットが第1端部及び第2端部を具備する少なくとも1つのサイクロンを備える、サイクロン式分離装置において、下流サイクロンユニットの少なくとも1つの前記サイクロンの配向が、上流サイクロンユニットの少なくとも1つの前記サイクロンの配向に対して実質的に逆にされるように、前記上流及び下流サイクロンユニットが互いに対して配置されていることを特徴とするサイクロン式分離装置を提供する。
【0010】
上流サイクロンユニットに対する下流サイクロンユニットの逆転は、特に下流サイクロンユニットが上流サイクロンユニットの外側に設置される際に、上流サイクロンユニットと下流サイクロンユニットとの間の空気流経路の長さを減じる態様で配置可能にする。これは、装置全体に亘る圧力降下を最小に維持することができ、これにより装置のエネルギー効率を向上させる一方で、装置の収集容量は可能な限り高く維持されることを意味する。
【0011】
好ましい実施形態では、下流サイクロンユニットは上流サイクロンユニットの外側に設置されかつ上流サイクロンユニット最上部のサイクロン又は各サイクロンの第1端部と、下流サイクロンユニット最下部のサイクロン又は各サイクロンの第1端部と、実質的に直角に配置される。かくして、上流サイクロンユニットのサイクロン又は各サイクロンの出口は下流サイクロンユニットのサイクロン又は各サイクロンの入口の近くに設置される。これは、サイクロンユニット間の空気流経路の長さが、損失が最小に維持されるように最小化されることを保証する。下流サイクロンユニットのサイクロン又は各サイクロンの第2端部は、上流サイクロンユニットの内側に設置されるよりもむしろ上流サイクロンユニットから離れて突出する。これは、塵及び漂積物を収集するための上流サイクロンユニットの容量を最大にし、かくして、上流サイクロンユニットを空にすることを要する頻度を減じる。
【0012】
上述した実施形態の好ましい特徴は、サイクロンが自身の第2端部で互いに接近するように、下流サイクロンユニットのサイクロンが互いに対して傾いていることである。この配置構成は、上流サイクロンユニットのサイクロンの外側表面上の分離された塵及び埃の沈積を阻止する。
【0013】
本発明による装置は真空掃除機、好ましくは家庭用真空掃除機に組み込まれることが好ましい。これは、収集容量を増大させたこと及び圧力降下を減じたことの組み合わせた利点が真空掃除機に特に有用であるためである。使用者は、電力消費量が減じられ、空にする処理の頻度が少なくなる利点が分かる。
【0014】
他の好ましい特徴は従属請求項に記載されている。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
本発明の実施形態を添付の図面を参照して説明する。
【0016】
図1a及び図1bは、本発明によるサイクロン式分離装置を組み込んだ家庭用掃除機10を示す。真空掃除機10は直立した本体12を備え、該本体12の下端部にモーターケーシング14が設置される。掃除機ヘッド16は、モーターケーシング14上に関節接合された態様で取り付けられる。吸引入口18は、掃除機ヘッド16に設けられる。また、真空掃除機10を、掃除される表面上に亘って巧みに操作可能にするために、ホイール20はモーターケーシング14に回転自在に取り付けられる。
【0017】
サイクロン式分離装置100は、モーターケーシング14より上の直立した本体12に取り付けられる。サイクロン式分離装置100は、フィルターカバー22によって構成される実質的に水平な表面に着座される。フィルターカバー22は、モーターケーシング14より上に設置され、モーター後方のフィルター(図示せず)用カバーを形成する。サイクロン式分離装置100は、サイクロン式分離装置100の頂部に設置したクリップ24によって直立した本体12にも固定される。直立した本体12は、サイクロン式分離装置100の入口への汚れた空気を運ぶための上流管路(図示せず)及びサイクロン式分離装置100から清浄化された空気を運び去るための下流管路26を組み込んでいる。
【0018】
直立した本体12は、掃除される表面上に亘って真空掃除機10を巧みに操作するためのハンドルとして機能するように図面中に示した形状構成に保持し得るホース及びワンド組立体28を更に組み込んでいる。あるいは、ホース及びワンド組立体28は、例えば、階段、室内装飾材料等を清掃する働きをする床ツール(図示せず)と共に、ワンドの遠位端28aを使用可能にするために解放し得る。ホース及びワンド組立体28の構造及び動作は、本発明に重要ではないため、本明細書では更に詳しくは説明しない。図1a及び図1bに示したホース及びワンド組立体28の全体構造及び動作は、参考文献として本明細書に援用される米国再発行特許第32、257号に記載されたものに類似している。また、幾つかのツール及びアクセサリー30a、30b、30cは、使用期間中に保管目的のために直立した本体12に解放可能に取り付けられる。
【0019】
上記した真空掃除機10の特徴に関する正確な詳細は本発明に重要ではない。本発明は、真空掃除機10の一部を構成する、サイクロン式分離装置100の詳細に関する。サイクロン式分離装置100を作動させるようにするために、モーターケーシング14に設置されたモーターは、吸引入口18、あるいはホース及びワンド組立体28の遠位端28aの何れかを経由して空気が真空掃除機内に吸い込まれるように作動される。この汚ない空気(内部に塵と埃を連行した空気)は、上流管路を経由してサイクロン式分離装置100に通される。空気がサイクロン式分離装置100を通り抜けた後、この空気は、サイクロン式分離装置100から管路で送られ、下流の管路26を経由して直立した本体12を下ってモーターケーシング14まで到達する。清浄化された空気は、フィルターカバー22を経由して真空掃除機10から排出される前に、モーターケーシング14に設置されたモーターを冷却するために使用される。
【0020】
真空掃除機10のこの動作原理は従来技術から周知である。この発明は、真空掃除機10から分離された、図2a、図2b及び図2cに示すサイクロン式分離装置100に関する。
【0021】
図2に示すサイクロン式分離装置100は単一の上流サイクロン102から成る上流サイクロンユニット101と、複数の下流サイクロン104から成る下流サイクロンユニット103と、を備え。上流サイクロン102は、閉じた基部(上流サイクロンユニットの第2端部)108を具備する円筒状ビン106から実質的に成る。円筒状ビンの開放した上端部(上流サイクロンユニットの第1端部)110は、上流サイクロン102の上端部を画定する円筒状上部形成物112に対して当接する。入口114が汚ない空気を上流サイクロン102の内側に導入可能にするために円筒状ビン106に設けられる。入口114は、掃除機ヘッド16からサイクロン式分離装置100まで汚れを満載した空気を運ぶ上流管路と連通するような形状とされ、位置づけられ、及び形作られる。ハンドル116及びキャッチ118は、円筒状ビン106を空にする必要がある時に、上部形成物112から円筒状ビン106を開放するための手段を与えるために、円筒状のビン106及び上部成形物112にそれぞれ設けられる。シール(図示せず)は、所望により、円筒状ビン106と上部成形物112との間に設け得る。
【0022】
円筒状ビンの基部108は、所望に応じて内部を空にする目的のために円筒状ビン106の内部への更なるアクセスを与えるために、円筒状ビンの残りの部分にヒンジ連結し得る。ここに図示した実施形態は、空にすることを可能にするために基部108をヒンジで開くことを可能にするための機構を含むが、そのような機構の詳細は、同時係属出願の主題を構成するのでここでは更に詳しく説明しない。
【0023】
7つの等価な下流サイクロン104が、下流サイクロンユニット103に設けられる。下流サイクロン104は、下流サイクロンユニット103の中央の長手方向軸線150周りに等しい角度を隔てて配置される。この中央の長手方向軸線は上流サイクロンユニット101の長手方向軸線に一致する。その配置構成は図2cに示されている。下流サイクロン104はそれぞれ最下部に位置する大端部(下流サイクロンユニットの第1端部)及び最上部に位置する小端部(下流サイクロンユニットの第2端部)を具備する切頭円錐形状をしている。下流サイクロン104の各々は、下流サイクロンユニット103の長手方向軸線150に向けて僅かに傾斜した長手方向軸線148(図3b参照)を備える。この特徴構成について更に詳細に説明する。また、各下流サイクロン104の最下部端(下流サイクロンユニットの第1端部)の最も外側の点は、下流サイクロンユニット103の長手方向軸線150から、円筒状ビン106の壁より更に半径方向に延在する。下流サイクロン104の最上部端(下流サイクロンユニットの第2端部)は、下流サイクロン104の表面から上向きに延在する収集形成物120内部に突出する。収集形成物120はハンドル122を支持する。このハンドルによってサイクロン式分離装置100の全体を搬送し得る。サイクロン式分離装置100をこの分離装置の上部端にある直立した本体12に固定する目的のためにハンドル122にキャッチ124が設けられる。出口ポート126が、サイクロン式分離装置100から清浄化された空気を導くために上部形成物112に設けられる。出口ポート126は、モーターケーシング14に清浄化された空気を運ぶ下流管路26と協働するように配置かつ形成される。
【0024】
収集形成物120は、上述したように空にする目的のための円筒状ビン106の基部108を開放する機構を作動させるように構成された作動レバー128も担持する。
【0025】
ここで、サイクロン式分離装置100の内部構成を図3bを参照して説明する。図3aは図2aに対応するものでありかつ図3bの断面が切り取られる線III−IIIを示す。
【0026】
上流サイクロン102の内部形状構成は、その全長に亘って延在する内部壁132を含んでいる。内部壁132によって画成される内部空間は、以下に説明するように、収集形成物120の内部と連通する。内部壁132の目的は、細かい埃のための収集空間134を画成することである。内部壁132の内部かつ収集空間134内には、作動レバー128が作動した時に、基部108を開放可能にする複数の構成要素が設置されている。これらの構成要素の正確な詳細及び作用は本発明には重要でないので、ここでは更に詳しく説明しない。
【0027】
内部壁132の外側には、内部壁132から円筒状ビン106に向けて半径方向に突出する、4つの等しく隔てて配置されたバッフル又はフィン136が取り付けられる。これらのバッフル136は、基部108に隣接する内部壁132と円筒状ビン106との間に画成された収集空間における大きな塵及び埃粒子の被着を支援する。バッフル136の特定の形状構成は、国際公開第00/04816号パンフレットにより詳細に記述されている。
【0028】
上流サイクロン102の上部にある内部壁132の外側にはシュラウド140が設置される。シュラウドは、バッフル136から上向きに延在し、かつ内部壁132と共に通路142を画成する。シュラウド140は、空気が、上流サイクロン102の内部から空気通路142まで通過可能にする、穿孔された部分144を備える。空気通路142は下流サイクロン104の各々の入口146と連通する。各下流サイクロン104に入る空気がそれぞれの下流サイクロン104内の螺旋経路に追従することを強いられるように、各入口146は渦巻き形ケーシングの態様に配置される。
【0029】
前述したように、各下流サイクロン104の長手方向軸線148は、下流サイクロンユニット103の長手方向軸線150に向けて傾けられる。各下流サイクロン104の上端部は、自身の下端部より長手方向軸線150に接近している。この実施形態では、関連する複数の軸線148の傾斜角は実質的に7.5°である
【0030】
前述したように、下流サイクロン104の複数の上部端(下流サイクロンユニットの第2端部)は、収集形成物120内部に突出する。収集形成物120の内部は、下流サイクロン104の複数の上部端が連通するチャンバ152を画成する。チャンバ152内部では、複数の全体的に半径方向に延在するフィン153が、収集形成物120の上側表面から下向きに突出する(図5参照)。フィン153は、収集形成物120の外側壁123から、空にする目的のために円筒状ビン106の基部108を開放する機構を包囲する内壁129まで、内向きに延在する。フィン153は、サイクロン104の複数の上側端部(上流サイクロンユニットの第2端部)の水準より低い水準まで下向きに延在する。この配置構成は、サイクロン104の1つの上側端部を出る如何なる塵及び埃がこのサイクロンの上側端部を経由して隣接するサイクロンに移動し且つ内部に進むことを阻止する。もしこれが起きたならば、第1サイクロンによって空気流から以前に分離された塵及び埃が隣接するサイクロンを経由してこの空気流に戻される危険性がある。
【0031】
収集形成物120及び下流サイクロン104の表面は共に、内部壁132によって画成される収集空間134と連通する、下流サイクロン104に位置する、軸線方向に延在する通路154を画成する。かくして、下流サイクロン104の小端部を出る塵及び埃がチャンバ152から通路154を経由して収集空間134まで通過可能である。
【0032】
各下流サイクロン104は、渦検出器156形態をした空気出口を備えている。各渦検出器156は、慣用のように、それぞれの下流サイクロン104の最下部端(下流サイクロンユニットの第2端部)の中央に位置する。この実施形態では、中央本体158は、各渦検出器156に位置する。各渦検出器は、環状チャンバ160と連通し、この環状チャンバは今度は出力ポート126と連通する(図2c参照)。
【0033】
図4a、図4b及び図4cは、下流サイクロン104の配置構成を極めて詳細に示す。特に、これは、通路154の形状構成を示す支援をする。図4bは、下流サイクロンユニット103の長手方向軸線に最も近い下流サイクロン104の各々の側部がこの軸線に実質的に平行に位置するという事実を説明する支援もする。
【0034】
上述した装置の動作モードは以下の様である。汚れた空気(塵及び埃が内部に連行される空気)は、入口ポート114を経由してサイクロン式分離装置100に入る。入口ポート114の配置構成は、円筒状ビン106の壁に実質的に接するものである。この壁は入って来る空気を円筒状ビン106の内側回りで螺旋状経路に追従させる。漂積物及び他の大きな破片と共に、大きな塵及び埃粒子は、周知のように、粒子に作用する遠心力の働きによって基部108に隣接する収集空間138に沈積する。部分的に清浄化された空気は、シュラウド140の穿孔部分144を経由して上流サイクロン102を出て、基部108から内向き且つ上向きに離れて移動する。それから、部分的に清浄化された空気は、空気通路142に沿って動く。この通路内で空気は7つの部分に分配される。各部分は、それぞれの入口146を経由して下流サイクロン104の1つに入る。上述してきたように、各入口146は、入って来る空気を強制的に下流サイクロン104の内部の螺旋経路に追従させる旋回入口である。下流サイクロン104のテーパが付された形状は、非常に細かい塵及び埃粒子が主空気流から分離されるように、下流サイクロン104内部で発生する、更に強いサイクロン式分離を生じさせる。塵及び埃子は、下流サイクロン104の最上部(下流サイクロンユニットの第2端部)を出る一方で、清浄化された空気は下流サイクロン104の軸線148に沿って該下流サイクロン104の下端(下流サイクロンユニットの第1端部)に戻りかつ渦検出器156を経由して出る。渦検出器156からの清浄化された空気は、環状チャンバ160内に入り、そこから出口ポート126まで通過する。その間、下流サイクロン104の空気流から分離されてきた塵及び埃は、チャンバ152から通路154を通じて収集空間134まで落下する。フィン153によって、塵及び埃が、隣接するサイクロン104の開放した最上部端を通過するのが阻止される。
【0035】
サイクロン式分離装置100を空にすることが所望される時、収集空間134及び138に収集された塵及び漂積物が適切な容器内に落下することを許容し得るように、基部108は円筒状ビン106の側壁からヒンジ連結を解放し得る。上に説明したように、空にする機構の動作の詳細は本発明の部分を構成しないから、更に詳細には説明しない。
【0036】
本発明は上述した実施形態の正確な詳細に限定されない。家庭用真空掃除機を使用するにあたって適切なサイクロン式分離装置200の第2実施形態を図6に略示する。この実施形態では、装置200は、単一の上流サイクロン202から成る上流サイクロンユニット201から成る。上流サイクロンユニット202は、自身の上部端(上流サイクロンユニットの第1端部)に配置される接線方向の入口206を具備する実質的に円筒状ビン204を備える。円筒状ビン204は、環状障壁208によってその上部端で部分的に閉ざされる。自身の下端214より上に穿孔部分212を具備するシュラウド210が環状障壁208から垂下している。環状障壁208は、シュラウド210から円筒状ビン204の外壁まで半径方向に延在する。単一の下流サイクロン206を備える下流サイクロンユニット203は、上流サイクロン202より上に配置される。下流サイクロン216は自身の最下端に配置された大端部(下流サイクロンユニットの第1端部)を具備する切頭円錐形状をしている。下流サイクロン216の最下端の直径は、上流サイクロ202の直径に概ね対応する。複数の接線方向入口ポート218は、シュラウド210の上部端と、下流サイクロン216の最下端(下流サイクロンユニットの第1端部)の内側との間に連通を与える。
【0037】
下流サイクロン216の最上端(下流サイクロンユニットの第2端部)は、下流サイクロン216の最上端の周りに密封された収集チャンバ220内に開放する。収集チャンバ220は、好ましくは円筒状であるが、任意の他の好都合な形状も取り得る。下流サイクロン216の上部端(下流サイクロンユニットの第2端部)の真上にある収集チャンバ220の直径は、下流サイクロン216の最上部端(下流サイクロンユニットの第2端部)の直径の少なくとも3倍である。渦検出器222は、下流サイクロンの最下端(下流サイクロンユニットの第1端部)の中央に設置されている。渦検出器222は、円筒状ビン204の軸線に沿いかつこの円筒状ビンの基部(上流サイクロンユニットの第2端部)を貫通する細長い出口管224と連通する。
【0038】
装置は以下のように作動する。塵を満載した空気は、接線方向入口206を経由して装置200に入り、かつサイクロン式動作が上流サイクロン202内に生じる。塵及び漂積物から成る大きな粒子は、円筒状ビン204の基部(上流サイクロンユニットの第2端部)に隣接するこの円筒状ビンに集められる一方で、部分的に清浄化された空気はシュラウド210の穿孔部分212を経由して上流サイクロン202出る。この時、部分的に清浄化された空気は、接線方向入口218を経由して下流サイクロン216内を通過する。細かい塵及び埃は、下流サイクロン216で分離され、そして塵及び埃粒子は下流サイクロンの上部端(下流サイクロンユニットの第2端部)を出て収集チャンバ220の内部に集まる。きれいな空気は、渦検出器222を経由して下流サイクロン216を通過して出口管224を介してサイクロン式分離装置200を出る。
【0039】
更なる実施形態を図7に示す。この実施形態に示す装置300は、単一の上流サイクロン302を具備する上流サイクロンユニット301と、単一の下流サイクロン304を具備する下流サイクロンユニット303と、を備える。上流サイクロン302は、円筒状ビン306の上部端(上流サイクロンユニットの第1端部)に位置する接線方向入口308を具備するこの円筒状ビンを備える。下流サイクロン304は、前述したように、その大端部(下流サイクロンユニットの第2端部)を最下端に具備し、その小端部(下流サイクロンユニットの第1端部)を最上端に具備する切頭円錐形状をしているが、上流サイクロン302の内側に配置されている。かくして、下流サイクロン304の大端部は入口308から離れた円筒状ビン306の基部(上流サイクロンユニットの第2端部)に隣接して位置し、下流サイクロン304の小端部は、円筒状ビンの入口308に向けて円筒状ビン306内で突出する。
【0040】
シュラウド310は、上流サイクロン302内に位置づけられ、かつ下流サイクロン304の大部分を包囲する。シュラウド310は、部分的に清浄化された空気が上流サイクロン302から抜け出すための出口を形成する、穿孔部分312を備える。通路314が、シュラウド310と、下流サイクロン304の表面との間に形成され、この通路に沿って抜け出す空気が通過し得る。通路314は、環状チャンバ316と連通し、この環状チャンバから複数の接線方向入口318が下流サイクロン304の最下端(下流サイクロンユニットの第1端部)に通じる。
【0041】
下流サイクロン304の上端(下流サイクロンユニットの第2端部)は、下流サイクロン304の上端を包囲する収集チャンバ320内に開放する。収集チャンバ320は、収集チャンバ320内に放出された塵及び埃が内部に含まれるように、下流サイクロン304の外面に対して密封される。収集した塵及び埃を空にする目的のために除去可能にする何れか適切な形態の収集チャンバ320へのアクセスが設けられる。例えば、収集チャンバ320を逆さまにして空にすることを可能にするために、収集チャンバ320の端部に着脱自在な部分を設け得る。下流サイクロン304からの清浄化された空気のための出口を形成するために、下流サイクロン304の最下端(下流サイクロンユニットの第1端部)の中央に渦検出器322が設けられる。
【0042】
作動に際して、汚れた空気は、接線方向入口308を経由して上流サイクロン302に入り、かつ螺旋状経路に従って円筒状ビン306を降下し、かくして、ビン306の底部に集められた大きな塵及び漂積物の遠心分離を行う。部分的に清浄化された空気はシュラウド310の穿孔部分312を通じて上流サイクロンから出て、通路324に沿って環状チャンバ316まで通過する。そこから、部分的に清浄化された空気は、接線方向入口318に沿って且つ下流サイクロン304内を通る。ここで、空気は再び強制的に螺旋経路に追従する。空気がサイクロン304を該サイクロンの小端部(下流サイクロンユニットの第2端部)に向けて上昇して通過する時、強い遠心力が生じる。分離された塵及び埃粒子は、サイクロン304の小端部から放出されかつ収容チャンバ320に集められる一方で、清浄化された空気は渦検出器を経由してサイクロン304から出る。渦検出器から、清浄化された空気は、サイクロン式分離装置300から冷却目的のためのモーターまで遠くに導かれる。
【0043】
本発明は上述した実施形態の正確な詳細に限定されない。サイクロン式清掃装置が使用されるべき真空掃除機の特徴は本発明には重要でないことを強調しなければならない。実際、上述したタイプのサイクロン式分離装置は、低圧力降下と組み合わせた良好な効率が要求される他の分野で使用し得ると考えられる。所望により、上流及び下流サイクロンユニットの何れか又は両方が単一のサイクロン又は平行に配置される複数のサイクロンで構成し得ることが分かる。さらにまた、サイクロンユニットの軸線が鉛直でありかつこれらの軸線が、所望により、鉛直又は水平にさえ傾け得るように装置を配置する必要は特にない。サイクロンユニットの収集領域が効果的な分離に必要な空気流経路に干渉することなく、漂積物を集めるように配置される限り、遠心分離が重力によって強く影響されないという事実がこれを可能にする。上に詳細に説明した実施形態に対する更なる変更形態では、図1〜図5までに示した下流サイクロンは、自身のそれぞれの軸線が図面に示されるように下流サイクロンユニットの軸線に向けて傾けられる代わりに互いに平行に配置されるように配置し得る。他の変更及び修正は当業者には自明である。
【図面の簡単な説明】
【0044】
【図1a】本発明によるサイクロン式分離装置を組み込んだ真空掃除機の正面図である。
【図1b】本発明によるサイクロン式分離装置を組み込んだ真空掃除機の側面図である。
【図2a】図1a及び図1bの真空掃除機の一部を構成するサイクロン式分離装置の第1実施形態の正面図である。
【図2b】図1a及び図1bの真空掃除機の一部を構成するサイクロン式分離装置の第1実施形態の側面図である。
【図2c】図1a及び図1bの真空掃除機の一部を構成するサイクロン式分離装置の第1実施形態の平面図である。
【図3a】図2a、図2b及び図2cのサイクロン式分離装置の正面図である。
【図3b】図2a、図2b及び図2cのサイクロン式分離装置の、図3aのIII−III線に沿って切断した、側断面図である。
【図4a】図2a、図2b及び図2cのサイクロン式分離装置の斜視図である。
【図4b】図2a、図2b及び図2cのサイクロン式分離装置の平面図である。
【図4c】図2a、図2b及び図2cのサイクロン式分離装置の、図3bのIV−IV線に沿って切断した、側断面図である。
【図5】図2bのV−V線に沿って切断した、図2a、図2b及び図2cのサイクロン式分離装置の一部の断面図である。
【図6】本発明によりかつ真空掃除機に使用するのに適したサイクロン式分離装置の第2実施形態の概略側面図である。
【図7】本発明によりかつ真空掃除機に使用するのに適したサイクロン式分離装置の第3実施形態の概略側面図である。
【符号の説明】
【0045】
10 真空掃除機
12 本体
14 モーターケーシング
16 掃除機ヘッド
18 吸引入口
20 ホイール
22 フィルターカバー
24 クリップ
26 下流管路
28 ホース及びワンド組立体
28a ワンドの遠位端
30a、30b、30c 幾つかのツール及びアクセサリー
100 サイクロン式分離装置
101 上流サイクロンユニット
102 上流サイクロン
103 下流サイクロンユニット
104 下流サイクロン
106 円筒状ビン
108 基部(上流サイクロンユニットの第2端部)
110 上端部(上流サイクロンユニットの第1端部)
112 上部形成物
114 入口
116 ハンドル
118 キャッチ
120 収集形成物
122 ハンドル
126 出口ポート
128 作動レバー
132 内部壁
134 収集空間
136 バッフル又はフィン
140 シュラウド
142 通路
144 穿孔部分
146 入口
148 長手方向軸線
150 長手方向軸線
152 チャンバ
153 フィン
156 渦検出器
158 中央本体
160 環状チャンバ
200 サイクロン式分離装置
202 上流サイクロン
204 円筒状ビン
206 入口
208 環状障壁
210 シュラウド
212 穿孔された部分
214 下端
216 下流サイクロン
218 接線方向入口ポート
220 収集チャンバ
222 渦検出器
224 出口管
300 装置
302 上流サイクロン
304 下流サイクロン
306 円筒状ビン
308 接線方向入口
310 シュラウド
312 穿孔された部分
314 通路
316 環状チャンバ
318 接線方向入口
320 収集チャンバ
【出願人】 【識別番号】500024469
【氏名又は名称】ダイソン・テクノロジー・リミテッド
【出願日】 平成20年2月12日(2008.2.12)
【代理人】 【識別番号】100064908
【弁理士】
【氏名又は名称】志賀 正武

【識別番号】100089037
【弁理士】
【氏名又は名称】渡邊 隆

【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦

【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉


【公開番号】 特開2008−194686(P2008−194686A)
【公開日】 平成20年8月28日(2008.8.28)
【出願番号】 特願2008−30987(P2008−30987)