トップ :: B 処理操作 運輸 :: B04 物理的または化学的工程を行なうための遠心装置または機械

【発明の名称】 粉粒体の固気分離装置
【発明者】 【氏名】二村 光司

【氏名】大島 良

【氏名】鬼沢 秀康

【要約】 【課題】空気輸送に伴って発生する異物を好適に粉粒体から分離し、空気と一緒に流出管から排出することができる、粉粒体の固気分離装置を提供する。

【解決手段】上下方向の軸心を有する筒状本体20を備え、該筒状本体20は、上部に円筒形状の円筒部23を有し且つ下部に下方へ向けて内径が小さくなるコーン部24を有している。前記円筒部23の周壁には、空気輸送された粉粒体を筒状本体へ流入するための流入管27を接線方向に接続し、前記コーン部24の下端部に、筒状本体20から粉粒体を排出するための排出口25を形成し、前記円筒部23の上壁に、輸送用空気を筒状本体20から排出するための上下方向の軸心を有する流出管29を接続し、流出管29の下端部をコーン部24内に配置する。そして、排出口25からコーン部24の内部へ上昇空気流を供給する送気手段を備える。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
上下方向の軸心を有する筒状本体を備え、該筒状本体が、上部に円筒形状の円筒部を有し且つ下部に下方へ向けて内径が小さくなるコーン部を有し、前記円筒部の周壁に、空気輸送された粉粒体を前記筒状本体へ流入させるための流入管が接線方向に接続され、前記コーン部の下端部に、前記筒状本体から粉粒体を排出するための排出口が形成され、前記円筒部の上壁に、輸送用空気を前記筒状本体から流出させるための流出管が接続されている、粉粒体の固気分離装置において、
前記流出管の下端部を前記コーン部内に配置し、
前記排出口から前記コーン部内へ上昇空気流を供給する送気手段を備えていることを特徴とする粉粒体の固気分離装置。
【請求項2】
上下方向の軸心を有する筒状本体を備え、該筒状本体が、上部に円筒形状の円筒部を有し且つ下部に下方へ向けて内径が小さくなるコーン部を有し、前記円筒部の周壁に、空気輸送された粉粒体を前記筒状本体へ流入させるための流入管が接線方向に接続され、前記コーン部の下端部に、前記筒状本体から粉粒体を排出するための排出口が形成され、前記円筒部の上壁に、輸送用空気を前記筒状本体から流出させるための流出管が接続されている、粉粒体の固気分離装置において、
前記コーン部の下部に下側円筒部を形成し、
前記流出管の下端部を前記下側円筒部内に配置し、
前記排出口から前記下側円筒部内へ上昇空気流を供給する送気手段を備えていることを特徴とする粉粒体の固気分離装置。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、空気輸送される粉粒体を、空気から分離する固気分離装置(サイクロン)に関する。
【背景技術】
【0002】
図5は、従来の固気分離装置を示す正面図である。この固気分離装置111は、上下方向の軸心を有する筒状本体120を備えており、該筒状本体120は、上部に円筒形状の円筒部123を有し且つ下部に下方へ向けて内径が小さくなるコーン部124を有している。また、円筒部123の周壁には流入管127が接線方向に接続され、コーン部124の下端部には排出口25が形成され、円筒部123の上壁には、上下方向の軸心を有する流出管129が接続されている。
【0003】
この固気分離装置111は、空気輸送された粉粒体を、流入管127から円筒部123内に流入し、粉粒体を円筒部123内の内周面に沿って旋回させながら下降させて排出口125から排出する一方、輸送用空気を、流出管129から上方へ排出するものとなっている。したがって、空気輸送された粉粒体を好適に空気から分離して取り出すことができる。
【0004】
なお、下記特許文献1にも同様の固気分離装置が開示されている。
【特許文献1】特開2005−324077号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記のような固気分離装置は、その性能が高いものほど、粉粒体(固体)を輸送用空気から完全に分離する。しかし、粉粒体には、空気輸送に伴って発生する粉状物やテープ状のフロス等の異物が混入している場合があり、性能が高い固気分離装置を用いると、輸送用空気から粉粒体と共に異物をも分離し、粉粒体と一緒に異物を排出してしまうという問題がある。
【0006】
一般に、10〜50μm程度以下の異物であれば、粉粒体から分離して輸送用空気と一緒に流出管から排出することも可能であるが、それよりも大きな異物を粉粒体から分離するのは困難である。
【0007】
特に、図5に示すように、流入管127から円筒部123内に流入した輸送用空気は、流出管129周りから下方に抜けたときに、流通面積の急激な拡大のために流速が低下する。そのため、輸送用空気には、粉粒体から異物を分離して流出管129内に流入させるほどの勢いはない。
【0008】
本発明は、空気輸送に伴って発生する異物を好適に粉粒体から分離し、輸送用空気と一緒に流出管から排出することができる、粉粒体の固気分離装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本願の第1の発明は、上下方向の軸心を有する筒状本体を備え、該筒状本体が、上部に円筒形状の円筒部を有し且つ下部に下方へ向けて内径が小さくなるコーン部を有し、前記円筒部の周壁に、空気輸送された粉粒体を前記筒状本体へ流入させるための流入管が接線方向に接続され、前記コーン部の下端部に、前記筒状本体から粉粒体を排出するための排出口が形成され、前記円筒部の上壁に、輸送用空気を前記筒状本体から流出させるための流出管が接続されている、粉粒体の固気分離装置において、前記流出管の下端部を前記コーン部内に配置し、前記排出口から前記コーン部内へ上昇空気流を供給する送気手段を備えていることを特徴とする。
【0010】
本願の第2の発明は、上記第1の発明に加え、前記コーン部の下部に下側円筒部を形成し、前記流出管の下端部を前記下側円筒部内に配置し、前記送気手段により、前記排出口から前記下側円筒部内へ上昇空気流を供給するように構成していることを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
第1の発明によれば、コーン部の下端部の排出口からコーン部の内部へ上昇空気流を供給する送気手段を備えているので、その上昇空気流によって、粉粒体よりも軽い異物を、落下する粉粒体から浮上させ、輸送用空気と共に流出管から排出することができる。
【0012】
また、第1の発明によれば、流出管の下端部がコーン部内に配置されているので、流入管から円筒部内に流入した輸送用空気は、流出管周りから下方に抜けたときに、円筒部よりも流通面積の狭いコーン部に入ることとなり、従来技術(図5)に比べて輸送用空気の流速が高くなる。したがって、該隙間を下向きに通り抜ける輸送用空気の流速が大きくなり、輸送用空気が粉粒体に対して大きな下向きの力を与えるようになる。したがって、コーン部の排出口から供給される上昇空気流の流速を大きくしても粉粒体が上昇することはほとんどなく、異物のみを確実に浮上させて流出管から排出することができる。
【0013】
さらに、第1の発明によれば、流出管の下端部がコーン部にあるので、流出管と円筒部内周面との隙間が大きい通常の固気分離装置に比べて、筒状本体の内周面に沿って流下する粉粒体及び異物と流出管との距離が短くなる。しかも、異物は流下に伴い本体中央部に集まり易いので、流出管の下端部を最適の位置に設定することにより、異物のみを選択的に流出管内に流入させ、粉粒体から容易に分離することができる。
【0014】
第2の発明によれば、前記コーン部の下部に下側円筒部を形成し、該下側円筒部内に前記流出管の下端部を配置し、前記排出口から前記下側円筒部内へ上昇空気流を供給する送気手段を備えているので、前記第1の発明の効果に加え、前記下側円筒部の流通面積が一定となっていることにより、上昇空気流の流速が低下せず、より確実に異物を粉粒体から分離して浮上させ、流出管から排出することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
図1は、本願の第1の発明の固気分離装置11を用いた空気輸送システム12の概略図である。この空気輸送システム12は、ホッパ13内に貯留した粉粒体をロータリーバルブ14を介して排出し、排出した粉粒体を、ブロア15によって生成した圧縮空気(輸送用空気)によって輸送管28を介して固気分離装置11へ空気輸送し、該固気分離装置11において、粉粒体と輸送用空気とを分離し、粉粒体は、固気分離装置11の下端からロータリーバルブ16を介して排出され、輸送用空気は、固気分離装置11の上端から排出されるとともに空気管17を介してバグフィルター18に流入し、バグフィルター18で清浄化された後に外気に放出される。粉粒体は、工業製品や医薬品等の原材料となる粉体や粒体、ペレット等であり、例えば、3mm角程度のPETチップとすることができる。
【0016】
図2は、本発明の固気分離装置11を示す概略正面図である。固気分離装置11は、上下方向の軸心を有する筒状本体20と、筒状本体20の下端部に設けられた空気室21と、空気室21を介して筒状本体内に上昇空気流を供給する送気手段22と、空気室21の下端部に設けられたロータリーバルブ16とを有している。
【0017】
筒状本体20は、円筒形状の円筒部23と、該円筒部23の下端部に接続されたコーン部24とを有している。コーン部24は、下方へ向けて内径が小さくなるような下方先細り形状(円錐形状)に形成されている。コーン部24の下端部には、粉粒体を排出するための排出口25が形成されている。
【0018】
円筒部23の周壁上部には、接線方向に突出する流入管27が接続されている。この流入管27は、図1に示す輸送管28に接続されている。円筒部23の上壁には、上下方向の軸心を有する流出管29が貫通されている。流出管29の上部は円筒部23から上方に突出し、図1に示す空気管17に接続されている。流出管29の下部は、筒状本体20内に挿入されている。
【0019】
流出管29の下端部29Aは、円筒部23とコーン部24との境界Xよりも下側、すなわちコーン部24内に配置されている。より詳細には、流出管29の下端部29Aは、コーン部24の上下方向略中央部に配置されている。流出管29の下端部29Aとコーン部24の内面との隙間Tは、円筒部23の直径の約1/10に設定されている。
【0020】
空気室21は、上下に開口しており、上側開口部にはコーン部24の下部が挿入され、下側開口部にはロータリーバルブ16が装着されている。
【0021】
送気手段22は、圧縮空気源であるブロワ31と、ブロワ31を空気室21に接続する配管32と、該配管32に設けられたフィルタ33及び調量弁34とを有している。ブロワ31を作動すると、圧縮空気は、フィルタ33及び調量弁34を通って空気室21に流入し、該空気室21からコーン部24内に上昇流となって流入するようになっている。
【0022】
〔本実施形態の作用〕
次に、上記固気分離装置11の作用について説明する。
図1において、ホッパ13から空気輸送された粉粒体は、固気分離装置11の流入管27から筒状本体20に流入する。図3は、筒状本体20の下部の縦断面図であり、粉粒体Pは、矢印aで示すように、輸送用空気とともに流出管29の周りを円筒部23及びコーン部24の内周面に沿って旋回しながら下降し、流出管29の下端部29Aとコーン部24との隙間Tを通って排出口25から排出される。輸送用空気は、矢印bに示すように流出管29内に流入する。
【0023】
また、コーン部24内には、送気手段22のブロワ31(図2)によって生成された上昇空気流(矢印c)が供給される。空気輸送の際に粉粒体Pに混入した粉状の塵やテープ状のフロス等の異物Fは、この上昇空気流によって粉粒体Pから分離して浮上し、輸送用空気と共に流出管29内に流入する。
【0024】
したがって、粉粒体Pには異物Fがほとんど混入しなくなり、粉粒体Pを原材料として製造される製品の品質を向上させることができる。
【0025】
コーン部24と流出管29との隙間Tを通り抜けた輸送用空気は、円筒部23よりも流通面積(横断面積)の小さいコーン部24内に入り、その後流出管29に流入する。流出管29に流入する直前の輸送用空気は、コーン部24内の小さい流通面積を通るので、流出管29の下端部が円筒部23内に配置された従来技術(図5)と比較して、流速が高くなる。そのため、粉粒体Pに含まれる異物Fをより強い流れで流出管29内に流入させることができ、より確実に異物Fを粉粒体Pから分離することができる。
【0026】
また、流出管29の下端部29Aが、コーン部24内に配置されているので、流出管29の下端とコーン部24の内周面との隙間Tが小さくなり、点線矢印b’で示すように、この隙間Tを通り抜ける輸送用空気の流速が高まり、粉粒体Pにより強い下向きの力が与えられる。したがって、送気手段22による上昇空気流(矢印c)を大きくしても、粉粒体Pが上昇空気流に乗って流出管29から排出されてしまうことが無く、強い上昇空気流によって異物Fを流出管29から排出することができる。
【0027】
ただし、上昇空気流の流速は、粉粒体Pが流出管29に流入するのを確実に防止するために、粉粒体Pの浮遊速度(粉粒体Pを浮かび上がらせる速度)よりも小さくするのが好ましい。この流速は、図2に示すように、送気手段22の配管32に設けられた調量弁34によって調整可能である。
【0028】
〔第2実施形態〕
図4は、本願の第2の発明の実施形態(第2実施形態)にかかる固気分離装置11の下部の縦断面図である。本実施形態では、コーン部24の下部に円筒形状に形成された下側円筒部36を接続し、流出管29の下端部を下側円筒部36内に配置したものである。本実施形態の場合、送気手段22(図2)による上昇空気流は、下側円筒部36内で流速が弱められることなく流出管29内に流入する。
【0029】
すなわち、第1実施形態では、図3に示すように、排出口25から流入した上昇空気流は、コーン部24の上広がり形状のために流速が若干低下していたが、本実施形態では、下側円筒部36の流通面積が一定であるので、上昇空気流の流速が低下せず、より確実に異物Fを粉粒体Pから分離して浮上させ、流出管29から排出することができる。
【0030】
本発明(第1,第2の発明)は、上記実施形態に限定されるものではなく、適宜設計変更可能である。
【産業上の利用可能性】
【0031】
本発明(第1,第2の発明)は、工業製品や医薬品等の原材料となる粉粒体を空気輸送するシステムに好適に採用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】本願の第1の発明の固気分離装置を用いた空気輸送システムの概略図である。
【図2】本願の第1の発明の固気分離装置を示す概略正面図である。
【図3】筒状本体の下部の縦断面図である。
【図4】本願の第2の発明の実施の形態(第2実施形態)にかかる固気分離装置の下部の縦断面図である。
【図5】従来の固気分離装置を示す概略正面図である。
【符号の説明】
【0033】
11 固気分離装置
22 送気手段
23 円筒部
24 コーン部
25 排出口
27 流入管
29 流出管
【出願人】 【識別番号】000004732
【氏名又は名称】株式会社日本アルミ
【識別番号】301020226
【氏名又は名称】帝人デュポンフィルム株式会社
【出願日】 平成18年10月31日(2006.10.31)
【代理人】 【識別番号】100084146
【弁理士】
【氏名又は名称】山崎 宏

【識別番号】100081422
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 光雄

【識別番号】100118625
【弁理士】
【氏名又は名称】大畠 康

【識別番号】100065259
【弁理士】
【氏名又は名称】大森 忠孝


【公開番号】 特開2008−110316(P2008−110316A)
【公開日】 平成20年5月15日(2008.5.15)
【出願番号】 特願2006−295729(P2006−295729)