トップ :: B 処理操作 運輸 :: B04 物理的または化学的工程を行なうための遠心装置または機械

【発明の名称】 遠心分離機
【発明者】 【氏名】高橋 廣之

【氏名】大山 久延

【要約】 【課題】周期的に繰り返される遠心分離機の終了の報知音を、ドアを開けることなくワンタッチで終了させることができる使い勝手の良い遠心分離機を提供すること。

【解決手段】ロータ1と、該ロータ1を回転させるモータ5と、ロータ1を収容するロータ室2と、該ロータ室2の開口部に開閉自在に設けられたドア3と、該ドア3の開閉を検出するドアセンサ15と、該ドアセンサ15の信号を監視する制御装置6と、該制御装置6によるモータ5の駆動動作を設定及び表示する操作表示部4と、ロータ1の回転が停止したことを使用者に音で報知する発音器7を有する遠心分離機において、前記ロータ1が停止したときにそのことを前記発音器7により報知した後、所定時間経過するまで前記ドア3が閉じられたままであるか又は前記操作表示部4に対する使用者の操作がなかった場合に、前記発音器7を用いて周期的に報知する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
分離する試料を保持するロータと、該ロータを回転させる駆動源であるモータと、前記ロータを収容するロータ室と、該ロータ室の開口部に開閉自在に設けられたドアと、該ドアの開閉を検出するドアセンサと、前記モータを駆動し前記ドアセンサの信号を監視する制御装置と、該制御装置による前記モータの駆動動作を設定及び表示する操作表示部と、前記ロータの回転が停止したことを使用者に音で報知する発音器を有する遠心分離機において、
前記ロータが停止したときにそのことを前記発音器により報知した後、所定時間経過するまで前記ドアが閉じられたままであるか又は前記操作表示部に対する使用者の操作がなかった場合に、前記発音器を用いて周期的に報知することを特徴とする遠心分離機。
【請求項2】
前記ロータが停止したときに前記発音器により報知するとともに前記ドアが自動的に開いた後、所定時間経過するまで前記ドアが開いたままであった場合に、前記発音器を用いて周期的に報知することを特徴とする請求項1記載の遠心分離機。
【請求項3】
前記ロータが停止したときに前記発音器により報知するとともに前記ドアが自動的に開いた後、所定時間経過するまで前記ドアが開いたままであるか又は前記操作表示部に対する使用者の操作がなかった場合に、前記発音器を用いて周期的に報知することを特徴とする請求項1記載の遠心分離機。

【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、遠心分離した試料の取り出し忘れを防止する機能を備えた遠心分離機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
遠心分離機は、分離すべき試料をチューブやボトルを介して保持したロータをロータ室(回転室)の中に収容し、ロータ室を密閉した状態で、モータ等の駆動装置によってロータを高速回転させることによって、ロータに保持された試料の分離、精製等を行うものである。
【0003】
ところで、ロータの回転速度は用途によって異なり、最高回転速度が数千回転(rpm)程度の比較的低速のものから、最高回転速度が15万回転(rpm)程度の高速のものまで、幅広い回転速度を持つ製品群が一般に提供されている。
【0004】
ここで、周知の遠心分離機の構成を図1に示す。
【0005】
図1は遠心分離機の構成図であり、図示の遠心分離機は、回転駆動源であるモータ5と、該モータ5の回転軸(シャフト)に固定され、分離する試料を保持するロータ1と、該ロータ1を収容し、上面に開口部を有するロータ室2と、該ロータ室2の開口部に開閉自在に設けられたドア3と、該ドア3の開閉を検出するドア開閉検出器15と、モータ5を制御する制御装置6と、該制御装置6による前記モータ5の駆動動作を設定及び表示する操作表示部4と、ロータ1の回転が停止したことを使用者に音で報知する発音器7とを有しており、モータ5とロータ室2及び制御装置6は、筐体(フレーム)10に収納されている。
【0006】
而して、ロータ1が回転して遠心分離が行われる際は、使用者が予め運転時間を設定し、その時間が経過した時点で自動的にロータ1が停止するか、或は使用者が操作表示部4から停止させる操作を行うことによってロータ1が停止して遠心が終了する。又、ロータ1が停止したことを使用者に報知するため、発音器7からブザー音や音声、メロディー等の音を発するように構成されている。
【0007】
ところで、使用者が遠心分離の終了を報知する音を聞き逃したり、或は聞こえていても他の作業から手が離せず、後で試料を取り出そうとしてそのまま取り出しを忘れてしまうと、試料を取り出すタイミングを逸してしまい、例えば生体試料や化学資料であればその特性が変化してしまう等の不具合が発生する。この不具合は加熱調理器に共通する課題であり、報知音を周期的に発する技術が特許文献1に開示されている。
【特許文献1】実開昭57−121805号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
上記特許文献1に開示された技術には、ドアを開ける操作だけによって周期的な報知を終了する構成が採用されている。
【0009】
しかしながら、遠心分離機においては、必ずしもすぐに取り出す必要がない試料もある。試料を後で取り出そうとしてそのまま忘れないように報知音を繰り返すことは有効であるが、使用者がそれを不要と考えるとき、報知音の繰り返しを中断させるためだけにドアを開ける作業は迅速性に欠ける。又、ロータ室が低温に制御されていた場合はロータ室内が結露してしまうため、遠心分離機の取り扱い上好ましくない。ロータ室内の温度も変化するので試料によっては好ましくない。
【0010】
更に、遠心分離機には、遠心終了時にドアを自動的に開く構成となっているものがある。この場合、ドアを開けることで報知音の繰り返しを終了させる従来の技術は成り立たない。従って、この種の遠心分離機に報知音の繰り返し機能を持たせるためには、報知音の繰り返しを終了させる別の手段が必要となる。
【0011】
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、その目的とする処は、周期的に繰り返される遠心分離機の終了の報知音を、ドアを開けることなくワンタッチで終了させることができる使い勝手の良い遠心分離機を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記目的を達成するため、請求項1記載の発明は、分離する試料を保持するロータと、該ロータを回転させる駆動源であるモータと、前記ロータを収容するロータ室と、該ロータ室の開口部に開閉自在に設けられたドアと、該ドアの開閉を検出するドアセンサと、前記モータを駆動し前記ドアセンサの信号を監視する制御装置と、該制御装置による前記モータの駆動動作を設定及び表示する操作表示部と、前記ロータの回転が停止したことを使用者に音で報知する発音器を有する遠心分離機において、前記ロータが停止したときにそのことを前記発音器により報知した後、所定時間経過するまで前記ドアが閉じられたままであるか又は前記操作表示部に対する使用者の操作がなかった場合に、前記発音器を用いて周期的に報知することを特徴とする。
【0013】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明において、前記ロータが停止したときに前記発音器により報知するとともに前記ドアが自動的に開いた後、所定時間経過するまで前記ドアが開いたままであった場合に、前記発音器を用いて周期的に報知することを特徴とする。
【0014】
請求項3記載の発明は、請求項1記載の発明において、前記ロータが停止したときに前記発音器により報知するとともに前記ドアが自動的に開いた後、所定時間経過するまで前記ドアが開いたままであるか又は前記操作表示部に対する使用者の操作がなかった場合に、前記発音器を用いて周期的に報知することを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、周期的に繰り返される遠心分離機の終了の報知音を、ドアを開けることなくワンタッチで終了させることができ、ロータ室内の温度変化を嫌う試料に対して好ましくない影響を与えなくて済む。又、ドアを閉める操作によっても報知音の繰り返しを終了させることにより、遠心終了時に自動的にドアが開くタイプの遠心分離機に対しても報知音を繰り返す機能を付与し、使い勝手の良い遠心分離機を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下に本発明の実施の形態を添付図面に基づいて説明する。
【0017】
図1は本発明に係る遠心分離機のドアが閉じた状態を示す構成図、図2は同遠心分離機のドアが開いた状態を示す構成図である。
【0018】
図示の遠心分離機は、分離する試料を保持するロータ1と、該ロータ1を回転させる駆動源であるモータ5と、該ロータ1を収容するロータ室2と、該ロータ室2の開口部に開閉自在に設けられたドア3と、該ドア3の開閉を検出するドアセンサ15と、前記モータ5及び遠心分離機全体を制御する制御装置6と、該制御装置6による前記モータ5の駆動動作を設定及び表示する操作表示部4と、ロータ1の回転が停止したことを使用者に音で報知する発音器7と、モータ5とロータ室2及び制御装置6を収容する筐体(フレーム)10を有している。
【0019】
前記ドアセンサ15はスイッチ構造を有しており、ドア3が離れるとスイッチが開いてOFFし、その信号変化を制御装置6に入力するよう構成されている。
【0020】
図3は遠心分離機の動作を示すフローチャートである。
【0021】
遠心分離が終了すると(ステップ200)、報知音を発生する(ステップ201)。次に、ドア3が開けられたか否かを確認し(ステップ202)、パネル操作されたか否かを確認し(ステップ203)、更に所定時間が経過したか否かを確認し(ステップ204)、経過していればステップ201に、経過してなければステップ202にそれぞれ戻る。ステップ202でドア3が開けられていたか、ステップ203でパネル操作されていた場合には、報知音の繰り返しを終了する。
【0022】
図4は遠心終了時に自動的にドアが開くタイプの遠心分離機機において、ドアが閉められるかパネル操作されることによって報知音の繰り返しを終了する動作を示すフローチャートであり、ステップ301でドアを開くことと、図3のステップ202でドアが開けられたか否かを確認する代わりに、図4のステップ303でドアが閉められたか否かを確認している他は、図3と同様の動作である。
【0023】
以上のように、本実施の形態によれば、周期的に繰り返される遠心分離機の終了の報知音を、ドア3を開けることなくワンタッチで終了させることができ、ロータ室2内の温度変化を嫌う試料に対して好ましくない影響を与えなくて済む。
【0024】
又、ドア3を閉める操作によっても報知音の繰り返しを終了させることにより、遠心終了時に自動的にドア3が開くタイプの遠心分離機に対しても報知音を繰り返す機能を付与し、使い勝手の良い遠心分離機を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】本発明に係る遠心分離機のドアが閉じた状態を示す構成図である。
【図2】本発明に係る遠心分離機のドアが開いた状態を示す構成図である。
【図3】本発明に係る遠心分離機の動作を示すフローチャートである。
【図4】遠心終了時に自動的にドアが開くタイプの遠心分離機の動作を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0026】
1 ロータ
2 ロータ室
3 ドア
4 操作表示部
5 モータ
6 制御装置
7 発音器
10 筺体
15 ドアセンサ
【出願人】 【識別番号】000005094
【氏名又は名称】日立工機株式会社
【出願日】 平成19年4月13日(2007.4.13)
【代理人】 【識別番号】100092853
【弁理士】
【氏名又は名称】山下 亮一


【公開番号】 特開2008−259980(P2008−259980A)
【公開日】 平成20年10月30日(2008.10.30)
【出願番号】 特願2007−105484(P2007−105484)